JP2017101093A - インクジェット用水性インク組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】吐出安定性に優れ、かつ、医薬品や食品等の固体製剤に対して、インクジェット方式で直接印刷することが可能な可食性のインクジェット用水性インク組成物を提供する吐出安定性に優れ、かつ、医薬品や食品等の固体製剤に対して、インクジェット方式で直接印刷することが可能な可食性のインクジェット用水性インク組成物を提供する。【解決手段】本発明に係るインクジェット用水性インク組成物は、インクジェット記録に用いるインクジェット用水性インク組成物であって、着色剤と、主成分がオレイン酸デカグリセリルである表面張力調整剤とを少なくとも含み、前記表面張力調整剤のHLBが12.9以下であり、含有量がインクジェット用水性インク組成物の全質量に対し1質量%〜3質量%の範囲であることを特徴とする。【選択図】 なし
Description
本発明はインクジェット用水性インク組成物に関し、より詳細には、吐出安定性に優れ、医薬品や食品等の錠剤に対して、インクジェット方式で直接印刷することが可能な可食性のインクジェット用水性インク組成物に関する。
錠剤の医薬品やサプリメント等の食品に対しては、パッケージだけでなく錠剤本体にも製品情報を表示することによって、それらの識別性を向上させ、調剤ミスや誤飲防止などが図られている。表面がコーティングされた錠剤は、グラビア印刷などの接触方式で印刷できるため、識別性の高い情報表示が行われている半面、表面の平滑性が悪い素錠やOD(口腔内崩壊)錠では接触方式による印刷が困難となっている。そのため、これらの錠剤に対しては、簡単な文字しか表示できない刻印方式が主流となっている。その結果、素錠やOD錠等に対しても識別性の高い情報表示が可能な、新たな印刷方法に対するニーズが高まっている。
そのような印刷方法としては、例えば、インクジェット用水性インク組成物(以下、「水性インク組成物」という。)を用いたインクジェット方式による直接印刷が挙げられる。しかしながら、錠剤等に直接印刷するためには、従来の水性インク組成物を用いることは困難であり、薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合した材料からなる水性インク組成物を用いる必要である。また、インクジェット方式により錠剤に直接印刷するためには、吐出安定性に優れた水性インク組成物を用いる必要がある。
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、吐出安定性に優れ、かつ、医薬品や食品等の固体製剤に対して、インクジェット方式で直接印刷することが可能な可食性のインクジェット用水性インク組成物を提供することにある。
本願発明者等は、前記問題点を解決すべく、インクジェット用水性インク組成物について検討した。その結果、下記構成を採用することにより前記の問題点を解決できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明に係るインクジェット用水性インク組成物は、前記の課題を解決する為に、インクジェット記録に用いるインクジェット用水性インク組成物であって、着色剤と、主成分がオレイン酸デカグリセリルである表面張力調整剤とを少なくとも含み、前記表面張力調整剤のHLBが12.9以下であり、含有量がインクジェット用水性インク組成物の全質量に対し1質量%〜3質量%の範囲であることを特徴とする。
前記の構成によれば、主成分がオレイン酸デカグリセリルであり、HLBが12.9以下の表面張力調整剤を、インクジェット用水性インク組成物の全質量に対し1質量%〜3質量%の範囲で含有させることにより、当該インクジェット用水性インク組成物をインクジェット方式での印刷に用いた場合に、インクジェットヘッドからの吐出安定性を良好にすることができる。また、前記の構成によれば、オレイン酸デカグリセリルは食品添加物公定書の基準に適合するので、本発明のインクジェット用水性インク組成物を用いて、医薬品や食品等の錠剤等に対して直接印刷することを可能にしている。
尚、「インクジェット記録」とは、インクジェット用水性インク組成物を微細なインクジェットヘッドより液滴として吐出して、その液滴を記録媒体に定着させ、画像形成させる方式を意味し、記録媒体は紙等に限定されるものではなく、医薬品や食品等の固体製剤も含むものである。また、「主成分」とは、単一の成分のみからなる場合には、当該成分のことを示し、他の成分を含む場合には、構成成分のうち、最も質量割合の高い成分のことを示す。
前記の構成に於いては、前記表面張力調整剤が、日光ケミカルズ株式会社製のNIKKOL DECAGLYN(登録商標) 1−OV(商品名)、又は阪本薬品工業株式会社製のSYグリスター MO−7S(商品名)であることが好ましい。表面張力調整剤として、これらの市販品を用いることにより、インクジェットヘッドからの吐出安定性を一層良好にすることができる。
また、前記の構成に於いては、前記着色剤がカーボンブラックであり、さらに、顔料分散剤としてのポリオキシエチレンアルキルエーテルを含むことが好ましい。
また、前記の構成に於いては、前記顔料分散剤として、さらにポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含むことが好ましい。
また、本発明に係るインクジェット用水性インク組成物は可食性を有することが好ましい。ここで、「可食性」とは、医薬品若しくは医薬品添加物として経口投与が認められている物質、及び/又は食品若しくは食品添加物として認められている物質のみからなることを意味する。
本発明に係る固体製剤は、前記の課題を解決するために、前記インクジェット用水性インクが、錠剤又はカプセル剤からなり、インクジェット用水性インクの乾燥皮膜を表面に有する固体製剤であって、前記のインクジェット用水性インク組成物からなることを特徴とする。
前記の構成によれば、インクジェット用水性インクとして、HLBが12.9以下の表面張力調整剤であって、オレイン酸デカグリセリルを主成分として含むものを、インクジェット用水性インク組成物の全質量に対し1質量%〜3質量%の範囲で含むインクジェット用水性インク組成物を用いる。そして、このインクジェット用水性インクを用いて、インクジェット記録方法により固体製剤表面に直接印刷しても、吐出不良や画像のかすれがなく、良好な印刷画像の形成が可能な乾燥皮膜を形成することができる。これにより、固体製剤本体にも製品情報を表示することが可能になり、識別性を向上させ、調剤ミスや誤飲防止を図ることが可能な錠剤を提供することができる。尚、本発明の固体製剤は、食品製剤及び医薬製剤を含む意味である。
本発明によれば、主成分としてオレイン酸デカグリセリルを含み、HLBが12.9以下の表面張力調整剤を、インクジェット用水性インク組成物の全質量に対し1質量%〜3質量%の範囲で含有させることにより、吐出安定性に優れたインクジェット用水性インク組成物を提供することができる。また、オレイン酸デカグリセリルは、食品添加物公定書の基準に適合しているので、医薬品や食品等の固体製剤に対して直接印刷することが可能である。その結果、固体製剤本体にも製品情報を表示することが可能になり、識別性を向上させ、調剤ミスや誤飲防止などを図ることができる。
すなわち、本発明によれば、吐出安定性に優れ、医薬品や食品等の固体製剤に対して、インクジェット方式で直接印刷することが可能な可食性のインクジェット用水性インク組成物、及び当該インクジェット用水性インク組成物により印刷された固体製剤を提供することができる。
(インクジェット用水性インク組成物)
本実施の形態に係るインクジェット用水性インク組成物(以下、「水性インク組成物」という。)について、着色剤として顔料を用いた場合を例にして、以下に説明する。
本実施の形態に係るインクジェット用水性インク組成物(以下、「水性インク組成物」という。)について、着色剤として顔料を用いた場合を例にして、以下に説明する。
本実施の形態に係る水性インク組成物は、少なくとも顔料組成物と、表面張力調整剤とを含み、主溶媒が水である水性インクである。また、本実施の形態の水性インク組成物は、薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合した材料を用いることにより、可食性を有するものにでき、かつ、インクジェット記録用として好適に用いられるものである。さらに、水性インク組成物は着色剤として顔料を用いることから、染料を用いた水性インク組成物と比較して発色性や耐光性、耐水性等の点で優れている。
前記顔料組成物は、少なくとも着色剤としての顔料と顔料分散剤を含む組成物である。
前記顔料としては、例えば、カーボンブラックなど、インクジェット用水性インク組成物に通常用いられているものを使用することができる。前記カーボンブラックとしては特に限定されず、例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等が挙げられる。また、本実施の形態のカーボンブラックとしては市販品を用いることも可能であり、そのような市販品としては、例えば、#900、#970、#100、#2200、#2300、#2350、#2600、MA−7、MA−8、MA−100、MA−11、MCF88、#45L、#50、#10、#33、#40、#4000、#52、CF9等(商品名、いずれも三菱化学株式会社製)、ニテロン、HTC(商品名、いずれも新日鉄住金化学社製)、旭#55、旭#51、旭#50U、旭#50、旭#35、旭#15、アサヒサーマル(商品名、いずれも旭カーボン社製)、Raven700、5750、5250、5000、3500、1255(商品名、いずれもコロンビア社製)、REGAL400R、330R、660R、MogulL、Monarch700、800、880、900、1000、1100、1300、Monarch1400(商品名、いずれもキャボット社製)、Color Black FW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170(商品名、いずれもデグッサ社製)、PRINTEX35、U、V、140U、140V(商品名、いずれもデグッサ社製)、Special Black6、5、4A、4(商品名、いずれもデグッサ社製)、TOKABLACK #8500、#8300、#7550、#7400、#7350、#7240、#7100、#7050、#5500、#4500、#4400、#4300(商品名、いずれも東海カーボン社製)等を例示できる。これらの顔料は適宜必要に応じて、単独で又は二種以上を混合して用いることができる。但し、本実施の形態の顔料組成物を医薬品やサプリメント等の固体製剤表面への印刷用として用いる場合、カーボンブラックは、薬事法で定める医薬添加物又は食品衛生法で定める食品添加物であることが好ましい。
前記カーボンブラックの平均一次粒子径は10nm〜40nmが好ましい。尚、平均一次粒子径とは、分散剤と共に溶媒に入れて分散させる前の当該カーボンブラック粒子を電子顕微鏡で観察して求めた算術平均粒子径を意味する。
また、前記顔料としては、例えば、酸化鉄を用いることもできる。前記酸化鉄としては、例えば、黄酸化鉄、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、ベンガラ、黒色酸化鉄等が挙げられる。これらの顔料は適宜必要に応じて、単独で又は二種以上を混合して用いることができる。但し、本実施の形態の顔料組成物をサプリメント等の固体製剤表面への印刷用として用いる場合、酸化鉄は、薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合するものであることが好ましい。
前記顔料の含有量は画像濃度に直接影響するものであり、水性インク組成物の保存性や粘度、pH、錠剤等に印刷する場合はその印刷濃度等に影響を及ぼすものであることから、これらの点を考慮して適宜設定すればよい。例えば、顔料がカーボンブラックの場合、通常は、顔料組成物の全質量に対し0.5質量%〜40質量%の範囲が好ましく、1質量%〜25質量%の範囲内がより好ましい。カーボンブラックの含有量を0.5質量%以上にすることにより、画像濃度の低下を抑制することができる。その一方、カーボンブラックの含有量を40質量%以下にすることにより、光沢性の低下やノズルの目詰まり、吐出安定性の低下を防止することができる。また、顔料が酸化鉄の場合、通常は、顔料組成物の全質量に対し0.5質量%〜40質量%の範囲が好ましく、1質量%〜25質量%の範囲内がより好ましい。酸化鉄の含有量を0.5質量%以上にすることにより、画像濃度の低下を抑制することができる。その一方、酸化鉄の含有量を40質量%以下にすることにより、光沢性の低下やノズルの目詰まり、吐出安定性の低下を防止することができる。
分散状態にある顔料の平均分散粒子径D50は、例えば、顔料がカーボンブラックの場合、50nm〜200nmの範囲内が好ましく、85nm〜140nmの範囲内がより好ましい。また、顔料が酸化鉄である場合、前記D50は、25nm〜300nmの範囲内が好ましく、100nm〜300nmの範囲内がより好ましく、75nm〜250nmの範囲内が更に好ましく、75nm〜210nmの範囲内が特に好ましい。前記D50を、カーボンブラック及び酸化鉄の各々の下限値以上にすることにより、分散安定性、耐光性及び吐出安定性の悪化を防止し、印刷濃度の低下も防止することができる。その一方、前記D50を、カーボンブラック及び酸化鉄の各々の上限値以下にすることにより、前記顔料の分離や沈降を防止し、分散安定性の維持が図れる。また、前記カーボンブラックの粒度分布の累積99%の値(D99)は、100nm〜500nmの範囲内が好ましい。さらに、前記酸化鉄のD99は、100nm〜900nmの範囲内が好ましく、100nm〜600nmの範囲内がより好ましく、100nm〜500nmの範囲内が特に好ましい。尚、顔料の平均分散粒子径D50及びD99は、マイクロトラックUPA−EX150(商品名、日機装(株)製)を用いて動的光散乱法により測定した値である。
前記顔料分散剤としては、インクジェット用水性インク組成物に通常用いられるものを使用することができる。具体的には、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等が挙げられる。前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリソルベート、オレイン酸デカグリセリル等が挙げられる。前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。これらは、単独で又は二種以上を混合して用いることができる。但し、本実施の形態の顔料組成物を医薬品又は食品等の固体製剤表面への印刷用として用いる場合、薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合するものを用いるのが好ましい。
前記顔料分散剤のうち、カーボンブラックからなる顔料の分散性を向上させるとの観点からは、前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンラウリルエーテルを併用するのが好適である。前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンラウリルエーテルは、薬事法による医薬品添加物等の基準に適合するものである。従って、これらの顔料分散剤は、医薬品や食品等の錠剤等への印刷用に好適に用いることができる。
前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.)(ポリオキシエチレングリセリントリオキシステアリン酸20)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.)(ポリオキシエチレングリセリントリオキシステアリン酸40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.)(ポリオキシエチレングリセリントリオキシステアリン酸50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.)(ポリオキシエチレングリセリントリオキシステアリン酸60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(100E.O.)(ポリオキシエチレングリセリントリオキシステアリン酸100)等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。尚、「E.O.」とはエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、例えば、「45E.O.」とはエチレンオキシドの平均付加モル数が45であることを意味している。
前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.)としては、例えば、ニッコールHCO−20(商品名、日光ケミカルズ(株)製)、エマレックス HC−20(商品名、日本エマルジョン(株)製)、ユニオックス HC−20(商品名、日油(株)製)等が挙げられる。
前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.)としては、例えば、ニッコール HCO−40(商品名、日光ケミカルズ(株)製)、ユニオックス HC−40(日油(株)製)、エマノーン CH40 (花王(株)製)、クレモフォール(商品名、BASFジャパン(株)製)、オイルムギン HRE40(商品名、ヘンケルジャパン(株)製)、エマレックス HC−40(商品名、日本エマルジョン(株)製)等が挙げられる。
前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.)としては、例えば、ニッコール HCO−50(商品名、日光ケミカルズ(株)製)、ユニオックスHC−50(商品名、日油(株)製)、エマレックス HC−50(商品名、日本エマルジョン(株)製)等が挙げられる。
前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.)としては、例えば、ニッコール HCO−60(商品名、日光ケミカルズ(株)製)、ユニオックス HC−60(商品名、日油(株)製)、エマノーン CH−60(商品名、花王(株)製)、クレモフォール (商品名、BASFジャパン(株)製)、オイルムギン HRE60(商品名、ヘンケルジャパン(株)製)、エマレックス HC−60(商品名、日本エマルジョン(株)製)等が挙げられる。
前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(100E.O.)としては、例えば、ニッコール HCO−100(商品名、日光ケミカルズ(株)製)、ユニオックス HC−100(商品名、日油(株)製)、エマレックス HC−100(商品名、日本エマルジョン(株)製)等が挙げられる。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のHLB(親水性親油性比)は10以上であることが好ましく、10〜18であることがより好ましい。前記HLBが10以上であると、当該ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の分散媒に対する親和性が良好になり、顔料の分散安定性を一層向上させることができる。尚、前記HLBの上限値については特に限定されないが、18より大きいと、分散媒との親和性がよくなり過ぎ、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が顔料表面より脱離し易くなり、分散安定性が低下する場合がある。また、前記HLBの値は、グリフィン法によるHLB値であり、下記式によって得られる値を意味する。
HLB値=20×(親水基の式量の和/分子量)
HLB値は0〜20の範囲内の値となり、HLB値が大きいほど親水性が強くなり、HLB値が小さいほど疎水性が強くなる。
HLB値=20×(親水基の式量の和/分子量)
HLB値は0〜20の範囲内の値となり、HLB値が大きいほど親水性が強くなり、HLB値が小さいほど疎水性が強くなる。
また、前記ポリオキシエチレンラウリルエーテルとしては特に限定されず、例えば、POE(21)ラウリルエーテル、POE(25)ラウリルエーテル等が挙げられる。
顔料と顔料分散剤との含有比は、質量基準で1:0.2〜1:4であることが好ましく、1:0.5〜1:1であることがより好ましい。前記含有比が1:0.2以上であると、顔料の分散性の低下を防止することができる。その一方、前記含有比が1:4以下であると、例えば、インクジェット用水性インク組成物に用いた場合に、ノズルプレートの付着に起因する吐出安定性の低下を防止することができる。
前記顔料組成物に於いては、顔料を分散させるための分散媒が含まれる。分散媒としては水が挙げられ、より詳細には、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水等のイオン性不純物を除去したものが挙げられる。特に、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間にわたってカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。また、分散媒の含有量としては特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
また、前記分散媒としては、前記水と水溶性有機溶剤の混合溶液を用いてもよい。前記水溶性有機溶剤としては特に限定されず、具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−へキサントリオール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンなどの多価アルコール類;N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。また、これらの水溶性有機溶剤のうち、薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に該当するものとして、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンが好ましい。さらに、分散媒に水溶性有機溶剤を用いる場合の配合量としては特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
前記顔料組成物の含有量は、水性インク組成物の全質量に対し顔料分換算で0.5質量%〜20質量%の範囲が好ましく、1質量%〜15質量%の範囲がより好ましい。顔料組成物の含有量を0.5質量%以上にすることにより、着色力を向上させることができる。その一方、顔料組成物の含有量を20質量%以下にすることにより、分散性を向上させることができる。
前記顔料組成物の製造方法においては、顔料、顔料分散剤、分散媒及び必要に応じて配合するその他の添加剤の混合方法及び添加順序は特に限定されない。例えば、顔料、顔料分散剤及び分散媒としての水等を一度に混合し、この混合液に対し通常の分散機を用いて分散処理を施せばよい。このときの分散時間は特に限定されないが、顔料の平均分散粒子径が前記の数値範囲内となるように設定するのが好ましい。
顔料の分散処理の際に使用される前記分散機としては、一般に使用される分散機であれば特に限定されない。具体的には、例えば、ボールミル、ロールミル、サンドミル、ビーズミル、ペイントシェーカー、ナノマイザー等が挙げられる。
前記表面張力調整剤は、HLB(親水性親油性比)が12.9以下であり、かつ、オレイン酸デカグリセリルを主成分とするものである。オレイン酸デカグリセリルは、食品添加物公定書の基準に適合するので、医薬品や食品等の錠剤等に対して直接印刷することを可能にしている。オレイン酸デカグリセリルを主成分とする表面張力調整剤を含有することにより、水性インク組成物の表面張力を調整可能にするだけでなく、インクジェットヘッドからの吐出安定性を良好にすることができる。特に、最初に印刷した後、インクジェットヘッドからの吐出を停止し、その後、一定時間を経過した後に再び印刷したときの印刷画像に、ノズル抜けやかすれが発生するのを良好に抑制することができる。ここで、ノズル抜けとは、目詰まりが発生したノズルから水性インク組成物からなるインク滴(液滴)が吐出されないことを意味する。また、かすれとは、印刷の初期における画像のかすれを意味する。尚、前記HLBの下限値については特に限定されないが、水溶媒に対する溶解度の観点からは、10以上であることが好ましい。また、前記HLBの値は、前述と同様、グリフィン法によるHLB値である。
前記表面張力調整剤は、オレイン酸デカグリセリルが主成分として含まれるものである限り、他の成分が含まれていてもよい。但し、医薬品や食品等の錠剤等に対して直接印刷する場合の水性インク組成物に用いる場合には、他の成分についても薬事法等の基準に適合するものであることが好ましい。本実施の形態の表面張力調整剤としては、日光ケミカルズ株式会社製のNIKKOL DECAGLYN(登録商標) 1−OV(商品名)や、阪本薬品工業株式会社製のSYグリスター MO−7S(商品名)が好ましい。これらの市販品を用いることにより、インクジェットヘッドからの吐出安定性を一層良好にすることができる。
前記表面張力調整剤の含有量は、水性インク組成物の全質量に対し、1質量%〜3質量%であり、1.5質量%〜2質量%の範囲が好ましい。表面張力調整剤の含有量を1質量%以上にすることにより、表面張力を低下させ、吐出安定性の低下を防止することができる。その一方、表面張力調整剤の含有量を3質量%以下にすることにより、泡の発生を抑制し、ノズル詰まりの原因となるのを防止することができる。
本実施の形態の水性インク組成物の表面張力は、25℃において25mN/m〜40mN/mの範囲内であり、27mN/m〜36mN/mの範囲が好ましい。表面張力を25mN/m以上にすることにより、インクジェットヘッドから水性インク組成物の液滴を吐出する際に、ノズルプレートへの付着により、印字不良となるのを防止することができる。また、水性インク組成物の液滴の真球性及び吐出速度が低下するのを防止し、液滴の吐出安定性を高めることができる。その一方、表面張力を40mN/m以下にすることにより、吐出安定性が低下するのを防止することができる。
本実施の形態に係る水性インク組成物に於いては、水(主溶媒としての水)を含有する。前記水としては、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水等のイオン性不純物を除去したものを用いるのが好ましい。特に、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間にわたってカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。また、水の含有量としては特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
本実施の形態の水性インク組成物においては、その他の添加剤が配合されていてもよい。但し、医薬品や食品等の錠剤に対するインクジェット用インクとして用いる場合には、薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合するものであることが好ましい。前記添加剤としては、水溶性樹脂、有機アミン、界面活性剤、pH調整剤、キレート化剤、防腐剤、粘度調整剤、消泡剤等が挙げられる。これらの添加剤の含有量は特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
前記湿潤剤としては、薬事法等の基準に適合するものであれば特に限定されず、具体的には、例えば、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
前記湿潤剤の添加量は、水性インク組成物の全質量に対し、3質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜40質量%がより好ましい。湿潤剤の含有量を3質量%以上にすることにより、インクジェットヘッドのノズル近傍での目詰まりを防止し、吐出性能の一層の向上が図れる。その一方、湿潤剤の含有量を50質量%以下にすることにより、水性インク組成物の粘度を適性に制御することができる。
本実施の形態の水性インク組成物は、前述の各成分を適宜な方法で混合することよって製造することができる。即ち、例えば、顔料組成物の分散液に、表面張力調整剤及び必要に応じて他の添加剤を加え、更に水にて希釈する。その後、十分に撹拌し、必要に応じて目詰まりの原因となる粗大粒径及び異物を除去するための濾過を行う。これにより、本実施の形態に係る水性インク組成物を得ることができる。
各材料の混合方法としては特に限定されず、例えば、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合を行うことができる。また、濾過方法としては特に限定されず、例えば、遠心濾過、フィルター濾過等を採用することができる。
本実施の形態の水性インク組成物は、インク及び塗料に適用することができる。また、本実施の形態の水性インク組成物は、吐出安定性に優れているので、インクジェット用インクに好適に使用することができる。さらに、本実施の形態の水性インク組成物は、薬事法で定められている医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合した材料を用いているので、可食性を有しており、サプリメント等の錠剤の表面に直接印刷することが可能である。また、素錠及びOD錠など表面の平滑性が悪い錠剤に対しても、インクジェット方式による非接触印刷を可能にする。さらに、顔料を用いた水性インク組成物は耐光性にも優れているので、医薬品又はサプリメント等の錠剤の表面に直接印刷しても滲みの発生を防止することができる。
(固体製剤)
本実施の形態の固体製剤は、錠剤又はカプセル剤からなり、当該固体性剤の表面には、前記水性インク組成物からなるインクジェット用水性インクを用いて、インクジェット記録方法により直接印刷されたものである。上述の通り、水性インク組成物は吐出安定性に優れ、インクジェットヘッドの目詰まりやかすれの発生がなく、良好な印刷画像が得られるので、固体製剤には、製品情報など使用者の識別性を向上させるための各種情報を印刷することできる。その結果、調剤ミスや誤飲の防止が可能になる。
本実施の形態の固体製剤は、錠剤又はカプセル剤からなり、当該固体性剤の表面には、前記水性インク組成物からなるインクジェット用水性インクを用いて、インクジェット記録方法により直接印刷されたものである。上述の通り、水性インク組成物は吐出安定性に優れ、インクジェットヘッドの目詰まりやかすれの発生がなく、良好な印刷画像が得られるので、固体製剤には、製品情報など使用者の識別性を向上させるための各種情報を印刷することできる。その結果、調剤ミスや誤飲の防止が可能になる。
錠剤は常温下において固体状であり、例えば、有効成分を含む錠剤材料を一定の形状に圧縮及び/又は成形により製造されたものが好ましい。また、カプセル剤は、粉末状、顆粒状、液状等の医薬品等を、ゼラチンやセルロース誘導体等からなるカプセルに充填され、又はカプセル基剤で被包成形して製造されたものが好ましい。錠剤及びカプセル剤の形状は特に限定されず、任意の形状を採用することができる。また、錠剤は、医薬品用途の錠剤であってもよく、食品用途の錠剤であってもよい。食品用途の錠剤の例としては、錠菓やサプリメント等の健康食品が挙げられる。
固体製剤の表面に対するインクジェット記録方法については、特に限定されない。具体的には、例えば、微細なノズルより前記水性インク組成物を液滴として吐出し、その液滴を固体製剤表面に付着させることにより行うことができる。吐出方法として特に限定されず、例えば、連続噴射型(荷電制御型、スプレー型等)、オンデマンド型(ピエゾ方式、サーマル方式、静電吸引方式等)等の公知の方法を採用することができる。
(その他の事項)
本実施の形態に於いては、着色剤として顔料を用いる場合を例にして説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、染料を用いることも可能である。この場合、必要に応じて、他の公知の添加剤を添加してもよい。
本実施の形態に於いては、着色剤として顔料を用いる場合を例にして説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、染料を用いることも可能である。この場合、必要に応じて、他の公知の添加剤を添加してもよい。
染料としては可食性のものであれば特に限定されず、例えば、従来公知の合成食用色素、天然色素誘導体、天然系合成色素、天然食用色素等から適宜選択することができる。合成食用色素としては特に限定されず、例えば、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色40号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用青色1号、食用青色2号、食用緑色3号等が挙げられる。天然色素誘導体としては特に限定されず、例えば、銅クロロフィリンナトリウム等が挙げられる。天然系合成色素としては特に限定されず、例えば、β−カロテン等が挙げられる。天然食用色素としては特に限定されず、例えば、アントシアニン系色素、カロチノイド系色素、キノン系色素、フラボノイド系色素等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。
染料の含有量は特に限定されないが、通常は、水性インク組成物の全質量に対し、0.2質量%〜20質量%の範囲内であり、好ましくは1質量%〜10質量%である。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、下記の実施例に記載されている材料や含有量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定するものではない。
(実施例1、2)
下記表1に示す配合組成にて、実施例1及び2の顔料分散溶液をそれぞれ調製した。具体的には、表1に示す各材料及びジルコニアビーズを容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温で16時間(分散時間)分散した。これにより、各実施例1及び2について、カーボンブラック顔料濃度が25質量%の顔料分散溶液をそれぞれ得た。
下記表1に示す配合組成にて、実施例1及び2の顔料分散溶液をそれぞれ調製した。具体的には、表1に示す各材料及びジルコニアビーズを容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温で16時間(分散時間)分散した。これにより、各実施例1及び2について、カーボンブラック顔料濃度が25質量%の顔料分散溶液をそれぞれ得た。
さらに、下記表2及び表3に示す配合組成にて、実施例1及び2の水性インク組成物を調製した。具体的には、顔料組成物からなる顔料分散溶液に、プロピレングリコール、水及び表面張力調整剤(濃度2質量%に調製したもの)を添加して、水性インク組成物をそれぞれ作成した。
尚、下記表1中の数値は、顔料分散溶液の全質量に対する質量%の値であり、表2及び表3中の数値は、特に表記がない限り、水性インク組成物の全質量に対する質量%の値である。また、各材料は何れも薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合するものである。
(比較例1〜4)
比較例1〜4においては、表面張力調整剤として、表3に示すものに変更した。それ以外は、前記実施例1と同様にして、比較例1〜4の水性インク組成物をそれぞれ作成した。
比較例1〜4においては、表面張力調整剤として、表3に示すものに変更した。それ以外は、前記実施例1と同様にして、比較例1〜4の水性インク組成物をそれぞれ作成した。
(ノズル抜け及びかすれ評価)
各実施例及び比較例の水性インク組成物の吐出安定性として、ノズル抜け及び印刷画像のかすれの評価を行った。すなわち、記録媒体としてマット紙(商品名:スーパーファイン紙、エプソン(株)製)を用意し、各実施例及び比較例で調製した水性インク組成物を用いてそれぞれ印刷を行った。印刷は、インクジェットプリンタ(KC 600dpiヘッド搭載印字治具)を用いて、シングルパス(ワンパス)方式にて行った。
各実施例及び比較例の水性インク組成物の吐出安定性として、ノズル抜け及び印刷画像のかすれの評価を行った。すなわち、記録媒体としてマット紙(商品名:スーパーファイン紙、エプソン(株)製)を用意し、各実施例及び比較例で調製した水性インク組成物を用いてそれぞれ印刷を行った。印刷は、インクジェットプリンタ(KC 600dpiヘッド搭載印字治具)を用いて、シングルパス(ワンパス)方式にて行った。
ノズル抜け及びかすれの評価は、ヘッドから水性インク組成物を吐出させた後、インクジェットプリンタを停止させ、その後、再度印刷したときの印刷画像に顕著なノズル抜けやかすれが観察されるか否かにより行った。結果を前記表に示す。表中の○は、ノズル抜け及びかすれの何れも観察されなかった場合を意味し、具体的には、図1(a)に示すような印刷結果の場合をいう。×は、印刷途中でノズル抜け又はかすれの少なくとも何れかが発生した場合を意味し、具体的には、図1(b)に示すような印刷結果の場合をいう。
尚、ノズル抜けとは、目詰まりが発生したノズルから水性インク組成物からなるインク滴(液滴)が吐出されないことを意味する。かすれとは、印刷の初期における画像のかすれを意味する。また、表3中における15minとは、最初にヘッドから水性インク組成物を吐出させた後に停止し、その後、再度印刷させるまでの時間間隔(オープンタイム)を表す。
(水性インク組成物の表面張力の測定)
各実施例及び比較例の水性インク組成物の表面張力は、表面張力計(商品名;DY−500、協和界面科学(株)製)を用いて、常温下(25℃)で測定した。結果を前記表3に示す。
各実施例及び比較例の水性インク組成物の表面張力は、表面張力計(商品名;DY−500、協和界面科学(株)製)を用いて、常温下(25℃)で測定した。結果を前記表3に示す。
(結果)
表3に示す実施例1、2の実験結果から分かる通り、HLBが12.9以下のオレイン酸デカグリセリルを、水性インク組成物の全質量に対し2質量%となる様に配合した場合、ノズル抜け及びかすれは、オープンタイム0分及び15分の何れにおいても発生せず、良好な吐出安定性を示すことが確認された。
表3に示す実施例1、2の実験結果から分かる通り、HLBが12.9以下のオレイン酸デカグリセリルを、水性インク組成物の全質量に対し2質量%となる様に配合した場合、ノズル抜け及びかすれは、オープンタイム0分及び15分の何れにおいても発生せず、良好な吐出安定性を示すことが確認された。
その一方、比較例1〜4では、ノズル抜け及びかすれが発生することが確認された。特に、比較例4では、表面張力調整剤として、主成分がオレイン酸デカグリセリルであり、HLBが13のものを用いたが、ノズル抜け及びかすれがオープンタイム0分において確認され、さらにオープンタイム15分では、ノズルから水性インク組成物を吐出させることができなかった。
Claims (6)
- インクジェット記録に用いるインクジェット用水性インク組成物であって、
着色剤と、主成分がオレイン酸デカグリセリルである表面張力調整剤とを少なくとも含み、
前記表面張力調整剤のHLBが12.9以下であり、含有量がインクジェット用水性インク組成物の全質量に対し1質量%〜3質量%の範囲であるインクジェット用水性インク組成物。 - 前記表面張力調整剤が、日光ケミカルズ株式会社製のNIKKOL DECAGLYN(登録商標) 1−OV(商品名)、又は阪本薬品工業株式会社製のSYグリスター MO−7S(商品名)である請求項1に記載のインクジェット用水性インク組成物。
- 前記着色剤がカーボンブラックであり、
さらに、顔料分散剤としてのポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む請求項1又は2に記載のインクジェット用水性インク組成物。 - 前記顔料分散剤として、さらにポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含む請求項3に記載のインクジェット用水性インク組成物。
- 可食性を有する請求項1〜4の何れか1項に記載のインクジェット用水性インク組成物。
- 錠剤又はカプセル剤からなり、インクジェット用水性インクの乾燥皮膜を表面に有する固体製剤であって、
前記インクジェット用水性インクが、請求項1〜5の何れか1項に記載のインクジェット用水性インク組成物からなる錠剤。
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JP2015232559A JP2017101093A (ja) | 2015-11-30 | 2015-11-30 | インクジェット用水性インク組成物 |
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- 2015-11-30 JP JP2015232559A patent/JP2017101093A/ja active Pending
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