JP2018119022A - 顔料組成物 - Google Patents

顔料組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2018119022A
JP2018119022A JP2017009434A JP2017009434A JP2018119022A JP 2018119022 A JP2018119022 A JP 2018119022A JP 2017009434 A JP2017009434 A JP 2017009434A JP 2017009434 A JP2017009434 A JP 2017009434A JP 2018119022 A JP2018119022 A JP 2018119022A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pigment
composition
sodium alginate
dispersion
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017009434A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6934724B2 (ja
Inventor
聡一郎 森川
Soichiro MORIKAWA
聡一郎 森川
義久 藤森
Yoshihisa Fujimori
義久 藤森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Screen Holdings Co Ltd
Original Assignee
Screen Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Screen Holdings Co Ltd filed Critical Screen Holdings Co Ltd
Priority to JP2017009434A priority Critical patent/JP6934724B2/ja
Priority to CN201780084093.2A priority patent/CN110214166B/zh
Priority to PCT/JP2017/039420 priority patent/WO2018135081A1/ja
Publication of JP2018119022A publication Critical patent/JP2018119022A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6934724B2 publication Critical patent/JP6934724B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D17/00Pigment pastes, e.g. for mixing in paints

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】顔料の平均分散粒子径が小さく分散性に優れ、インクジェット用水性インク組成物への適用により、医薬品や食品等の錠剤等に対して、インクジェット方式で直接印刷することが可能な可食性の顔料組成物を提供する。【解決手段】本発明に係る顔料組成物は、顔料、顔料分散剤及び分散媒を含む顔料組成物であって、前記顔料が四三酸化鉄を含み、前記顔料分散剤がアルギン酸ナトリウムを含み、前記四三酸化鉄の平均分散粒子径が30nm〜300nmの範囲であることを特徴とする。【選択図】 なし

Description

本発明は顔料組成物に関し、より詳細には、分散性に優れ、医薬品や食品等の錠剤等に対して、インクジェット方式で直接印刷することが可能な可食性のインクジェット用水性インク組成物に適用し得る顔料組成物に関する。
化粧品におけるサンスクリーン剤や、インクジェット用水性インク組成物等においては、顔料の平均分散粒子径D50が100nm程度で、非常に良好な分散性を有すると共に、生体為害性が低いことが要求される。しかし、良好な分散性と低い生体為害性を可能にした顔料組成物は、これまでのところ見出されていない。
この点に関し、例えば、四三酸化鉄(Fe)は日本、アメリカ及び欧州の三極において可食性顔料として認可された数少ない黒色系顔料であり、これを分散媒に分散させた状態の顔料組成物(顔料分散体)が化粧品や可食性インク等に応用されている。しかし、四三酸化鉄からなる顔料は磁性を有しているため、当該顔料同士における凝集力が強い。そのため、四三酸化鉄顔料を用いた顔料組成物においては、顔料の平均分散粒子径を小さくし、良好な分散性を実現するのが困難である。
特開2011−236279号公報
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、顔料の平均分散粒子径が小さく分散性に優れ、インクジェット用水性インク組成物への適用により、医薬品や食品等の錠剤等に対して、インクジェット方式で直接印刷することが可能な可食性の顔料組成物を提供することにある。
本願発明者等は、前記問題点を解決すべく、顔料組成物について検討した結果、下記構成を採用することにより前記の問題点を解決できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明に係る顔料組成物は、前記の課題を解決する為に、顔料、顔料分散剤及び分散媒を含む顔料組成物であって、前記顔料が四三酸化鉄を含み、前記顔料分散剤がアルギン酸ナトリウムを含み、前記四三酸化鉄の平均分散粒子径が30nm〜300nmの範囲であることを特徴とする。
前記の構成によれば、アルギン酸ナトリウムは、顔料である四三酸化鉄に吸着し顔料分散剤として機能することで、アルギン酸ナトリウムの立体障害による反発力やアルギン酸ナトリウムの電離(イオン化)による電気的斥力を顔料に付与する。四三酸化鉄の顔料は磁性を有しているため、当該顔料同士における凝集力が強いが、前述の通り、アルギン酸ナトリウムの立体障害による反発力等が顔料同士の再凝集を防止する。その結果、四三酸化鉄を含む顔料を、平均分散粒子径が30nm〜300nmの範囲内に抑制して分散させることができ、分散性に優れた顔料分散体を提供することができる。
ここで、前記四三酸化鉄の平均分散粒子径を30nm以上にすることにより、四三酸化鉄の分散安定性が低下しすぎるのを防止することができる。また、前記構成の顔料組成物をインクジェット用インク組成物に適用する場合には、インクジェットノズルからの吐出安定性を良好に維持することができ、インクジェット方式にて医薬品や食品等の錠剤又はカプセル剤等に直接印刷することを可能にする。その一方、前記四三酸化鉄の平均分散粒子径を300nm以下にすることにより、四三酸化鉄の分離や沈降を防止し、良好な分散安定性を維持することができる。
また、四三酸化鉄及びアルギン酸ナトリウムはいずれも、日本における薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方及び食品添加物公定書の基準に適合したものである。さらに、四三酸化鉄及びアルギン酸ナトリウムは米国薬局方の基準並びに欧州薬局方の基準に適合したものである。従って、前記構成の顔料組成物は、医薬品や食品等の錠剤又はカプセル剤等に直接印刷するためのインク組成物に適用することができる。
前記の構成に於いて、前記アルギン酸ナトリウムの質量平均分子量が20万未満であることが好ましい。これにより、例えば分散媒が水である場合に、アルギン酸ナトリウムの水に対する溶解度が過度に大きくなり過ぎるのを防止し、四三酸化鉄の分散性が低下し、又は分散できなくなるのを防止することができる。また、分散時間(より具体的には、剪断力等を加えて、凝集した顔料粒子を微細化し所望の平均分散粒子径になるまでの時間)を短縮することができ、四三酸化鉄の平均分散粒子径が大きな顔料分散体となるのを防止することができる。
前記の構成に於いては、前記アルギン酸ナトリウムの四三酸化鉄に対する含有比が、質量基準で、0.03〜0.25の範囲内であることが好ましい。四三酸化鉄とアルギン酸ナトリウムの配合割合を前記数値範囲内にすることで、四三酸化鉄の平均分散粒子径を、例えば100nm程度にすることができ、分散性を一層向上させることができる。
また前記の構成においては、前記分散媒が、水とプロピレングリコールを含むことが好ましい。水は顔料分散剤であるアルギン酸ナトリウムに対し良溶媒である一方、プロピレングリコールはアルギン酸ナトリウムに対し貧溶媒である。従って、プロピレングリコールを分散媒として添加することにより、四三酸化鉄に吸着しているアルギン酸ナトリウムの分散媒全体に対する溶解性を低下させることができ、四三酸化鉄の分散性を一層向上させることができる。また、分散媒にプロピレングリコールを含有させることにより、顔料である四三酸化鉄に対するアルギン酸ナトリウムの濡れ性が改善され、分散速度が大きくなり、分散時間の短縮化が図れる。
本発明によれば、顔料である四三酸化鉄に対し、顔料分散剤としてアルギン酸ナトリウムを用いて添加することで、分散性に優れた顔料分散体としての顔料組成物を提供することができる。また、四三酸化鉄及びアルギン酸ナトリウムは、日本における薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方及び食品添加物公定書の基準、米国薬局方の基準並びに欧州薬局方の基準に適合するので、医薬品や食品等の錠剤及びカプセル剤等に印刷するためのインク組成物に適用することができる。さらに、四三酸化鉄の平均分散粒子径D50は30nm〜300nmの範囲内であるので、インクジェット方式での印刷も可能であり、これにより、錠剤等の固体製剤に対し直接印刷することを可能にする。
本実施の形態に係る顔料組成物について、以下に説明する。本実施の形態の顔料組成物は、顔料としての四三酸化鉄と、顔料分散剤としてのアルギン酸ナトリウムと、分散媒とを少なくとも含む顔料分散体である。
前記四三酸化鉄としては、FeO・Fe、Feが挙げられる。これらの顔料は適宜必要に応じて、単独で又は二種以上を混合して用いることができる。また、本実施の形態の顔料組成物を医薬品やサプリメント等の固体製剤表面への印刷用として用いる場合、四三酸化鉄は、日本における薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方及び食品添加物公定書、米国薬局方の基準並びに欧州薬局方の基準に適合するものであることが好ましい。
尚、前記「固体製剤」とは食品製剤及び医薬製剤を含む意味であり、固体製剤の形態としては、例えばOD錠、素錠、FC錠、糖衣錠等の錠剤又はカプセル剤が挙げられる。
前記四三酸化鉄の平均一次粒子径(体積平均粒子径)は30nm〜800nmが好ましく、50nm〜500nmがより好ましく、75nm〜400nmが特に好ましい。四三酸化鉄の平均一次粒子径が30nm以上であると、耐光性の低下を抑制することができる。その一方、四三酸化鉄の平均一次粒子径が800nm以下であると、高色彩化が図れる。尚、四三酸化鉄の平均一次粒子径は、分散媒に分散させる前の四三酸化鉄の粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)やTEM(透過型電子顕微鏡)で観察して求めた算術平均径である。また、本実施の形態に於いては、単分散の粒径分布を持つ四三酸化鉄を用いてもよく、あるいは多分散の粒径分布を持つ四三酸化鉄を用いてもよい。
前記四三酸化鉄の含有量は、例えば、本実施の形態の顔料組成物をインクジェット用水性インク組成物に適用する場合には、画像濃度に直接影響するものである。また、保存性や粘度、pH、固体製剤に印刷する場合には印刷濃度等に影響を及ぼすものである。従って、四三酸化鉄の含有量はこれらの点を考慮して適宜設定すればよい。通常は、顔料組成物の全質量に対し1質量%〜40質量%の範囲が好ましく、1質量%〜25質量%の範囲内がより好ましい。四三酸化鉄の含有量を1質量%以上にすることにより、画像濃度の低下を抑制することができる。その一方、四三酸化鉄の含有量を40質量%以下にすることにより、顔料組成物の粘度が過度に大きくなり過ぎるのを抑制する。これにより、例えば、分散機を用いた四三酸化鉄の分散処理の際に、分散メディア(例えば、ジルコニアビーズ等)の動きが妨げられるのを回避することができる。
前記アルギン酸ナトリウムは、顔料である四三酸化鉄に吸着し顔料分散剤として機能することで、アルギン酸ナトリウムの電離(イオン化)による電気的斥力と立体障害による反発力を顔料に付与する。四三酸化鉄の顔料は磁性を有しているため、粒子間での凝集力が強いが、アルギン酸ナトリウムは前記反発力等により、四三酸化鉄の顔料同士の再凝集を防止することができる。その結果、分散性及び分散安定性に優れた顔料分散体を提供することができる。
アルギン酸ナトリウムとしては特に限定されず、公知のものを用いることができる。また、アルギン酸ナトリウムとしては市販品を用いることも可能であり、そのような市販品としては、例えば、キミカアルギンULV−L3(10質量%水溶液20℃での粘度20mPa・s〜50mPa・s)、キミカアルギンULV−1(10質量%水溶液20℃での粘度100mPa・s〜200mPa・s)、キミカアルギンULV−3(10質量%水溶液20℃での粘度300mPa・s〜400mPa・s)、キミカアルギン(10質量%水溶液20℃での粘度1800mPa・s〜2300mPa・s)等が挙げられる(何れも株式会社キミカ製)。これらのアルギン酸ナトリウムは適宜必要に応じて、単独で又は二種以上を混合して用いることができる。また、本実施の形態の顔料組成物を医薬品やサプリメント等の固体製剤表面への印刷用として用いる場合、アルギン酸ナトリウムは、日本における薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方及び食品添加物公定書の基準に適合するものであることが好ましい。さらに、アルギン酸ナトリウムは米国薬局方及び欧州薬局方の基準に適合するものであることが好ましい。
アルギン酸ナトリウムの質量平均分子量は20万未満であることが好ましく、10万未満であることがより好ましく、5万未満であることが特に好ましい。質量平均分子量を20万未満にすることにより、例えば、分散媒が水である場合、アルギン酸ナトリウムの水に対する溶解度が過度に大きくなり過ぎるのを防止することができる。その結果、四三酸化鉄の分散性が低下し、又は分散できなくなるのを防止することができる。また、分散時間を短縮することができ、四三酸化鉄の平均分散粒子径が大きい顔料分散体となるのを防止することができる。尚、アルギン酸ナトリウムの質量平均分子量を1万以上にすることにより、顔料表面に吸着したアルギン酸ナトリウムが立体障害等による反発力を十分に発揮させることができ、これにより顔料同士が再凝集するのを抑制することができる。
ここで、前記アルギン酸ナトリウムの質量平均分子量の値は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリエチレンオキサイド(PEO)/ポリエチレングリコール(PEG)換算により求められる相対分子量を意味する。
アルギン酸ナトリウムの四三酸化鉄に対する含有比は、質量基準で0.03以上0.25以下であることが好ましく、0.05以上0.2以下であることがより好ましく、0.08以上0.15以下であることが特に好ましい。アルギン酸ナトリウムの四三酸化鉄に対する前記含有比を0.03以上にすることにより、四三酸化鉄の分散性が低下しすぎるのを抑制することができる。その一方、アルギン酸ナトリウムの四三酸化鉄に対する前記含有比を0.25以下にすることにより、剪断力等を加えて、凝集した顔料粒子を微細化し分散させるまでの進行時間(分散時間)を短縮することができ、四三酸化鉄の平均分散粒子径が大きくなり過ぎるのを抑制することができる。
分散状態にある前記四三酸化鉄の平均分散粒子径D50は30nm〜300nmの範囲内が好ましく、40nm〜200nmの範囲内がより好ましく、50nm〜100nmの範囲内が特に好ましい。また、前記四三酸化鉄の分散粒子径D99(体積積算粒度分布における積算粒度で99%の粒径)は、100nm〜900nmの範囲内が好ましく、100nm〜600nmの範囲内がより好ましく、100nm〜500nmの範囲内が特に好ましい。前記D50を30nm以上又はD99を100nm以上にすることにより、分散安定性、耐光性及び吐出安定性の悪化を防止し、印刷濃度の低下も防止することができる。その一方、前記D50を300nm以下又はD99を900nm以下にすることにより、前記四三酸化鉄の分離や沈降を防止し、分散安定性の維持が図れる。尚、四三酸化鉄の平均分散粒子径D50又はD99は、マイクロトラックUPA−EX150(商品名、日機装(株)製)を用いて動的光散乱法により測定した値である。
本実施の形態の顔料組成物に用いられる分散媒としては水が挙げられ、より詳細には、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水等のイオン性不純物を除去したものが挙げられる。特に、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間にわたってカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。また、分散媒の含有量としては特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
また、前記分散媒としては、顔料分散剤であるアルギン酸ナトリウムに対し良溶媒の水を用いる場合には、当該アルギン酸ナトリウムに対して貧溶媒であるプロピレングリコールが含まれていることが好ましい。プロピレングリコールが分散媒として含まれることにより、四三酸化鉄に吸着しているアルギン酸ナトリウムの分散媒全体に対する溶解性を低下させることができ、四三酸化鉄の分散性を一層向上させることができる。また、分散媒にプロピレングリコールを含有させることにより、顔料である四三酸化鉄に対するアルギン酸ナトリウムの濡れ性が改善され、分散速度が大きくなり、分散時間の短縮化が図れる。尚、水溶性有機溶剤の配合量としては特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
本実施の形態の顔料組成物の製造方法において、四三酸化鉄、アルギン酸ナトリウム、分散媒及び必要に応じて配合するその他の添加剤の混合方法や添加順序は、特に限定されない。例えば、四三酸化鉄、アルギン酸ナトリウム及び分散媒としての水等を一度に混合し、この混合液に対し通常の分散機を用いて分散処理を施すことにより、本実施の形態の顔料組成物を得ることができる。このときの分散時間は特に限定されないが、顔料の平均分散粒子径D50が30nm〜300nm以下となるように設定するのが好ましい。顔料の平均分散粒子径D50が300nm以下となる様に分散時間を設定することにより、四三酸化鉄の粗大粒子が大量に残存するのを低減し、アルギン酸ナトリウムの四三酸化鉄表面への吸着が不十分となって分散安定性や保存安定性が悪くなるのを防止することができる。その一方、顔料の平均分散粒子径D50が30nm以上となる様に分散時間を設定することにより、顔料の分散安定性及び保存安定性が低下するのを防止することができる。また、本実施の形態の顔料組成物をインクジェット用インク組成物に用いる場合には、インクジェットノズルからの吐出安定性が低下するのも防止することができる。さらに、印刷濃度の低下も抑制することができる。尚、アルギン酸ナトリウムに対し貧溶媒であるプロピレングリコールをさらに分散媒に含ませる場合には、当該プロピレングリコールも一度に混合させることができる。
顔料の分散処理の際に使用される分散機としては特に限定されず、一般に使用されるものを用いることができる。具体的には、例えば、ボールミル、ロールミル、サンドミル、ビーズミル、ペイントシェーカー、ナノマイザー等が挙げられる。
以上の通り、本実施の形態の顔料組成物は、四三酸化鉄からなる顔料に対し、顔料分散剤としてアルギン酸ナトリウムを用いることにより、分散性に優れた顔料分散体を提供することができる。また、四三酸化鉄及びアルギン酸ナトリウムは、何れも日本における薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方及び食品添加物公定書の基準、米国薬局方の基準並びに欧州薬局方の基準に適合するので、医薬品や食品等の錠剤及びカプセル剤等に印刷するインク組成物に適用可能である。さらに、四三酸化鉄の平均分散粒子径D50を30nm〜300nmの範囲内に制御しているので、医薬品や食品等の錠剤やカプセル剤等の固体製剤に対しインクジェット方式で直接印刷することができる。
さらに、前記顔料組成物においては、染料の代わりに四三酸化鉄を用いているので、例えば、医薬品等の固体製剤表面にインクジェット方式で印刷しても、印刷画像は耐光性に優れ、かつ、滲みの発生を防止することができる。尚、可食性とは、医薬品若しくは医薬品添加物として経口投与が認められている物質、及び/又は食品若しくは食品添加物として認められている物質のみからなることを意味する。また、本実施の形態の顔料組成物は、例えば、最終製品たるインクジェット用水性インク組成物の形態のほか、当該水性インク組成物を調製するための顔料分散液の形態をも包含するものである。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、下記の実施例に記載されている材料や含有量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定するものではない。尚、各材料としては何れも日本における薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方及び食品添加物公定書の基準、米国薬局方の基準並びに欧州薬局方の基準に適合するものを用いた。
(顔料組成物の各組成及び配合比)
各実施例及び比較例で調製した顔料組成物の各組成及び配合比は、以下の通りとした。
<組成A>
組成Aの含有成分は下記表1及び表2に示す通りであり、黒色顔料として四三酸化鉄(酸化鉄S、癸巳化成株式会社製)、顔料分散剤としてアルギン酸ナトリウム(商品名:キミカアルギンULV−L3、株式会社キミカ製)、及び分散媒として純水を用いた。また、各成分の配合比は下記表2に示す通り、四三酸化鉄20.0質量%、アルギン酸ナトリウム2.0質量%、純水78.0質量%とした。尚、下記表2中の数値は、特に記載がない限り全て質量%で表したものである。
<組成B>
組成Bにおいては、下記表1及び表2に示す通り、顔料分散剤としてアルギン酸ナトリウム(商品名:キミカアルギンULV−1、株式会社キミカ製)を用いた。それ以外は前記組成Aと同様の含有成分を用い、同様の配合比とした。
<組成C>
組成Cにおいては、下記表1及び表2に示す通り、顔料分散剤としてアルギン酸ナトリウム(商品名:キミカアルギンULV−3、株式会社キミカ製)を用いた。それ以外は前記組成Aと同様の含有成分を用い、同様の配合比とした。
<組成D>
組成Dにおいては、下記表1及び表2に示す通り、顔料分散剤としてアルギン酸ナトリウム(商品名:キミカアルギンULV−20、株式会社キミカ製)を用いた。それ以外は前記組成Aと同様の含有成分を用い、同様の配合比とした。
<組成E>
組成Eにおいては、下記表1及び表2に示す通り、顔料分散剤としてアルギン酸ナトリウム(商品名:キミカアルギンIL−2、株式会社キミカ製)を用いた。それ以外は前記組成Aと同様の含有成分を用い、同様の配合比とした。
<組成F>
組成Fにおいては、下記表1及び表2に示す通り、顔料分散剤としてアルギン酸ナトリウム(商品名:キミカアルギンI−3、株式会社キミカ製)を用いた。それ以外は前記組成Aと同様の含有成分を用い、同様の配合比とした。
<組成G>
組成Gにおいては、下記表1及び表3に示す通り、顔料分散剤であるアルギン酸ナトリウム(商品名:キミカアルギンULV−L3、株式会社キミカ製)の含有量を1.0質量%、分散媒である純水の含有量を79.0質量%に変更した。それ以外は前記組成Aと同様の含有成分を用い、同様の配合比とした。
<組成H>
組成Hにおいては、下記表1及び表3に示す通り、顔料分散剤であるアルギン酸ナトリウム(商品名:キミカアルギンULV−L3、株式会社キミカ製)の含有量を0.2質量%、分散媒である純水の含有量を79.8質量%に変更した。それ以外は前記組成Aと同様の含有成分を用い、同様の配合比とした。
<組成I>
組成Iにおいては、下記表1及び表3に示す通り、顔料分散剤であるアルギン酸ナトリウム(商品名:キミカアルギンULV−L3、株式会社キミカ製)の含有量を0.5質量%、分散媒である純水の含有量を79.5質量%に変更した。それ以外は前記組成Aと同様の含有成分を用い、同様の配合比とした。
<組成J>
組成Jにおいては、下記表1及び表3に示す通り、顔料分散剤であるアルギン酸ナトリウム(商品名:キミカアルギンULV−L3、株式会社キミカ製)の含有量を6.0質量%、分散媒である純水の含有量を74.0質量%に変更した。それ以外は前記組成Aと同様の含有成分を用い、同様の配合比とした。
<組成K>
組成Kにおいては、下記表1及び表3に示す通り、顔料分散剤であるアルギン酸ナトリウム(商品名:キミカアルギンULV−L3、株式会社キミカ製)の含有量を10.0質量%、分散媒である純水の含有量を70.0質量%に変更した。それ以外は前記組成Aと同様の含有成分を用い、同様の配合比とした。
<組成L>
組成Lにおいては、下記表1及び表3に示す通り、顔料分散剤であるアルギン酸ナトリウム(商品名:キミカアルギンULV−L3、株式会社キミカ製)の含有量を1.0質量%、分散媒である純水の含有量を29.0質量%に変更した。また、分散媒として、さらにプロピレングリコール50.0質量%を配合した。それ以外は前記組成Aと同様の含有成分を用い、同様の配合比とした。
<組成M>
組成Mにおいては、下記表1及び表3に示す通り、顔料分散剤であるアルギン酸ナトリウム(商品名:キミカアルギンULV−L3、株式会社キミカ製)の含有量を2.0質量%、分散媒である純水の含有量を28.0質量%に変更した。また、分散媒として、さらにプロピレングリコール50.0質量%を配合した。それ以外は前記組成Aと同様の含有成分を用い、同様の配合比とした。
<組成N>
組成Nにおいては、下記表1及び表3に示す通り、顔料分散剤であるアルギン酸ナトリウム(商品名:キミカアルギンULV−L3、株式会社キミカ製)の含有量を4.0質量%、分散媒である純水の含有量を76.0質量%に変更した。それ以外は前記組成Aと同様の含有成分を用い、同様の配合比とした。
<組成O>
組成Oにおいては、下記表1及び表3に示す通り、顔料分散剤であるアルギン酸ナトリウム(商品名:キミカアルギンULV−L3、株式会社キミカ製)の含有量を5.0質量%、分散媒である純水の含有量を75.0質量%に変更した。それ以外は前記組成Aと同様の含有成分を用い、同様の配合比とした。
Figure 2018119022
Figure 2018119022
Figure 2018119022
(顔料の平均分散粒子径の測定)
後述の各実施例及び比較例における顔料組成物の平均分散粒子径D50及びD99は、マイクロトラックUPA−EX150(商品名、日機装(株)製)を用いて動的光散乱法により測定した。
(アルギン酸ナトリウムの質量平均分子量(Mw))
後述の各実施例及び比較例で用いたアルギン酸ナトリウムの質量平均分子量は、ポリエチレンオキサイド(PEO)/ポリエチレングリコール(PEG)を標準品として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる値である。
(比較例A−1〜A−2)
比較例A−1及びA−2においては、それぞれ、前記組成Aの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、各比較例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表4に示す通り比較例A−1の場合を24時間、比較例A−2の場合を48時間とした。
さらに、比較例A−1及び比較例A−2の各顔料組成物における平均分散粒子径D50及びD99をそれぞれ測定した。結果を下記表4に示す。
(実施例A−1〜A−8)
実施例A−1〜A−8においては、それぞれ、前記組成Aの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、各実施例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表4に示す通り各実施例毎に変更した。
さらに、実施例A−1〜A−8の各顔料組成物における平均分散粒子径D50及びD99をそれぞれ測定した。結果を下記表4に示す。
Figure 2018119022
(比較例B−1〜B−2)
比較例B−1及びB−2においては、それぞれ、前記組成Bの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、各比較例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表5に示す通り比較例B−1の場合を24時間、比較例B−2の場合を48時間とした。
さらに、比較例B−1及びB−2の各顔料組成物における平均分散粒子径D50及びD99をそれぞれ測定した。結果を下記表5に示す。
(実施例B−1〜B−8)
実施例B−1〜B−8においては、それぞれ、前記組成Bの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、各実施例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表5に示す通り各実施例毎に変更した。
さらに、実施例B−1〜B−8の各顔料組成物における平均分散粒子径D50及びD99をそれぞれ測定した。結果を下記表5に示す。
Figure 2018119022
(比較例C−1〜C−2)
比較例C−1及びC−2においては、それぞれ、前記組成Cの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、各比較例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表6に示す通り比較例C−1の場合を24時間、比較例C−2の場合を48時間とした。
さらに、比較例C−1〜C−2の各顔料組成物における平均分散粒子径D50及びD99をそれぞれ測定した。結果を下記表6に示す。
(実施例C−1〜C−8)
実施例C−1〜C−8においては、それぞれ、前記組成Cの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、各実施例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表6に示す通り各実施例毎に変更した。
さらに、実施例C−1〜C−8の各顔料組成物における平均分散粒子径D50及びD99をそれぞれ測定した。結果を下記表6に示す。
Figure 2018119022
(比較例D−1〜D−3)
比較例D−1及びD−3においては、それぞれ、前記組成Dの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、各比較例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表7に示す通り比較例D−1の場合を24時間、比較例D−2の場合を48時間、比較例D−3の場合を72時間とした。
さらに、比較例D−1〜D−3の各顔料組成物における平均分散粒子径D50及びD99をそれぞれ測定した。結果を下記表7に示す。
(実施例D−1〜D−7)
実施例D−1〜D−7においては、それぞれ、前記組成Dの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、各実施例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表7に示す通り各実施例毎に変更した。
さらに、実施例D−1〜D−7の各顔料組成物における平均分散粒子径D50及びD99をそれぞれ測定した。結果を下記表7に示す。
Figure 2018119022
(比較例E−1〜E−10)
比較例E−1〜E−10においては、それぞれ、前記組成Eの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、各比較例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表8に示す通り各比較例毎に変更した。
Figure 2018119022
(比較例F−1〜F−10)
比較例F−1〜F−10においては、それぞれ、前記組成Fの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、各比較例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表9に示す通り各比較例毎に変更した。
さらに、比較例F−1〜F−10の各顔料組成物における平均分散粒子径D50及びD99をそれぞれ測定した。結果を下記表9に示す。
Figure 2018119022
(比較例G−1)
比較例G−1においては、前記組成Gの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、本比較例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表10に示す通り24時間とした。
さらに、本比較例G−1の顔料組成物における平均分散粒子径D50及びD99をそれぞれ測定した。結果を下記表10に示す。
(実施例G−1〜G−5)
実施例G−1〜G−5においては、それぞれ、前記組成Gの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、各実施例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表10に示す通り各実施例毎に変更した。
さらに、実施例G−1〜G−5の各顔料組成物における平均分散粒子径D50及びD99をそれぞれ測定した。結果を下記表10に示す。
Figure 2018119022
(比較例H−1〜H−4)
比較例H−1〜H−4においては、それぞれ、前記組成Hの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、各比較例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表11に示す通り各比較例毎に変更した。
さらに、比較例H−1〜H−4の各顔料組成物における平均分散粒子径D50及びD99をそれぞれ測定した。結果を下記表11に示す。
Figure 2018119022
(比較例I−1〜I−4)
比較例I−1〜I−4においては、それぞれ、前記組成Iの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、各比較例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表12に示す通り各比較例毎に変更した。
さらに、比較例I−1〜I−4の各顔料組成物における平均分散粒子径D50及びD99をそれぞれ測定した。結果を下記表12に示す。
Figure 2018119022
(比較例J−1〜J−6)
比較例J−1〜J−6においては、それぞれ、前記組成Jの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、各比較例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表13に示す通り各比較例毎に変更した。
さらに、比較例J−1〜J−6の各顔料組成物における平均分散粒子径D50及びD99をそれぞれ測定した。結果を下記表13に示す。
Figure 2018119022
(比較例K−1〜K−6)
比較例K−1〜K−6においては、それぞれ、前記組成Kの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、各比較例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表14に示す通り各比較例毎に変更した。
さらに、比較例K−1〜K−6の各顔料組成物における平均分散粒子径D50及びD99をそれぞれ測定した。結果を下記表14に示す。
Figure 2018119022
(比較例L−1)
本比較例L−1においては、前記組成Lの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、本比較例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表15に示す通り24時間とした。
さらに、本比較例L−1の顔料組成物における平均分散粒子径D50及びD99をそれぞれ測定した。結果を下記表15に示す。
(実施例L−1〜L−3)
実施例L−1〜L−3においては、それぞれ、前記組成Lの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、各実施例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表15に示す通り各実施例毎に変更した。
さらに、実施例L−1〜L−3の各顔料組成物における平均分散粒子径D50及びD99をそれぞれ測定した。結果を下記表15に示す。
Figure 2018119022
(比較例M−1)
本比較例M−1においては、前記組成Mの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、本比較例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表16に示す通り24時間とした。
さらに、本比較例M−1の顔料組成物における平均分散粒子径D50及びD99をそれぞれ測定した。結果を下記表16に示す。
(実施例M−1〜M−3)
実施例M−1〜M−3においては、それぞれ、前記組成Mの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、各実施例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表16に示す通り各実施例毎に変更した。
さらに、実施例M−1〜M−3の各顔料組成物における平均分散粒子径D50及びD99をそれぞれ測定した。結果を下記表16に示す。
Figure 2018119022
(比較例N−1)
本比較例N−1においては、前記組成Nの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、本比較例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表17に示す通り72時間とした。
(実施例N−1)
実施例N−1においては、それぞれ、前記組成Nの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、各実施例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表17に示す通り144時間とした。
Figure 2018119022
(比較例O−1)
本比較例O−1においては、前記組成Oの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、本比較例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表18に示す通り72時間とした。
(実施例O−1)
実施例O−1においては、それぞれ、前記組成Oの各成分を所定の配合比となる様に容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温下で分散させた。これにより、各実施例の顔料組成物を作製した。尚、分散時間は、下記表18に示す通り144時間とした。
Figure 2018119022
(結果)
実施例A−1〜A−8、B−1〜B−8、C−1〜C−8及びD−1〜D−7に係る顔料組成物は、それぞれ質量平均分子量20万未満のアルギン酸ナトリウムを顔料分散剤に用いた組成A〜Dを有するものであり、表4〜表7に示す通り、一定以上の分散時間で分散させることで、顔料の平均分散粒子径D50を300nm以下に抑制することができた。さらに、実施例A−4、A−6〜A−9、B−4〜B−8、C−6〜C−8及びD−7の顔料組成物においては、平均分散粒子径D50を100nm未満にまで低減することができ、分散性に極めて優れた顔料分散体を製造できることが確認された。
また、表4〜表7から分かる通り、アルギン酸ナトリウムの質量平均分子量が小さい程、例えば、顔料の平均分散粒子径を100nm程度に達するまでの分散時間が短い傾向にあることが示された。これにより、アルギン酸ナトリウムの質量平均分子量が小さい程、顔料の分散の進行を早め、最終的に到達する平均分散粒子径D50も小さくできることが確認された。
一方、比較例E−1〜E−10及びF−1〜F−10に係る顔料組成物は、それぞれ質量平均分子量20万以上のアルギン酸ナトリウムを顔料分散剤に用いた組成E及びFを有するものであるが、これらの比較例では、表8及び表9に示す通り、何れも顔料を分散させることができなかった。
また、実施例A−1〜A−8、G−1〜G−5、N−1及びO−1に係る顔料組成物は、顔料に対する顔料分散剤の含有比が質量基準で0.03〜0.25の範囲となる組成A、G、N及びOを有するものであり、表4、表10、表17及び表18に示す通り、一定以上の分散時間で分散させることで、四三酸化鉄の平均分散粒子径D50を300nm以下に抑制できることが確認された。一方、比較例G−1、H−1〜H−4、I−1〜I−4、J−1〜J−6及びK−1〜K−6に係る顔料組成物は、それぞれアルギン酸ナトリウムの質量平均分子量が20万未満であるが、顔料に対する顔料分散剤の含有比が0.03〜0.25の範囲外となる組成G〜Kを有するものであり、また分散時間も短く不十分であった。そのため、これらの比較例では、表11〜表14に示す通り、顔料の平均分散粒子径D50を300nm以下に低減することができなかった。また、比較例N−1及びO−1に係る顔料組成物は、それぞれアルギン酸ナトリウムの質量平均分子量が20万未満であり、顔料に対する顔料分散剤の含有比も0.03〜0.25の範囲内となる組成N又はOを有するものであるが、何れも72時間の分散時間では不十分であった。そのため、これらの比較例では、表17及び表18に示す通り、顔料の平均分散粒子径D50を300nm以下に低減することができなかった。
さらに、実施例L−1〜L−3及びM−1〜M−3に係る顔料組成物は、分散媒として純水とプロピレングリコールの混合溶媒を用いた組成L及びMを有するものであり、例えば、組成Gを用いた顔料組成物(実施例G−5)では、分散時間が144時間の場合でも顔料の平均分散粒子径D50を100nm以下にすることはできなかったが、組成Lを用いた顔料組成物(実施例L−3)では、分散時間96時間で顔料の平均分散粒子径D50を96nmにまで低減することができた(表15参照)。同様に、組成Aを用いた顔料組成物(実施例A−4)では、顔料の平均分散粒子径D50を100nm以下にするのに144時間の分散時間を要したが、組成Mを用いた顔料組成物(実施例M−3)では、分散時間96時間で顔料の平均分散粒子径D50を88nmにまで低減することができた(表16参照)。従って、分散媒にプロピレングリコールをさらに加えることで、分散媒の顔料に対する濡れ性を改善し、顔料を分散させるための分散時間を大幅に短縮できることが確認された。

Claims (4)

  1. 顔料、顔料分散剤及び分散媒を含む顔料組成物であって、
    前記顔料が四三酸化鉄を含み、前記顔料分散剤がアルギン酸ナトリウムを含み、
    前記四三酸化鉄の平均分散粒子径が30nm〜300nmの範囲である顔料組成物。
  2. 前記アルギン酸ナトリウムの質量平均分子量が20万未満である請求項1に記載の顔料組成物。
  3. 前記アルギン酸ナトリウムの四三酸化鉄に対する含有比が、質量基準で、0.03〜0.25の範囲内である請求項1又は2に記載の顔料組成物。
  4. 前記分散媒が、水とプロピレングリコールを含む請求項1〜3の何れか1項に記載の顔料組成物。
JP2017009434A 2017-01-23 2017-01-23 顔料組成物 Active JP6934724B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017009434A JP6934724B2 (ja) 2017-01-23 2017-01-23 顔料組成物
CN201780084093.2A CN110214166B (zh) 2017-01-23 2017-10-31 颜料组合物
PCT/JP2017/039420 WO2018135081A1 (ja) 2017-01-23 2017-10-31 顔料組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017009434A JP6934724B2 (ja) 2017-01-23 2017-01-23 顔料組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018119022A true JP2018119022A (ja) 2018-08-02
JP6934724B2 JP6934724B2 (ja) 2021-09-15

Family

ID=62908029

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017009434A Active JP6934724B2 (ja) 2017-01-23 2017-01-23 顔料組成物

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6934724B2 (ja)
CN (1) CN110214166B (ja)
WO (1) WO2018135081A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020175204A1 (ja) 2019-02-25 2020-09-03 日本化薬株式会社 インク用分散液組成物及びインク組成物

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7326683B2 (ja) * 2019-09-18 2023-08-16 株式会社Screenホールディングス 顔料組成物、化粧品組成物及びインクジェット用インク組成物

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6164330A (ja) * 1984-09-07 1986-04-02 Nok Corp 磁性流体およびその製造法
JPS62197463A (ja) * 1986-02-25 1987-09-01 Sumitomo Cement Co Ltd 顔料
JP2013170222A (ja) * 2012-02-21 2013-09-02 Fujifilm Corp インクセット及び画像形成方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1299485B1 (en) * 2000-07-03 2004-12-08 Berol Corporation Erasable inks, writing instruments, and methods
DE102005055576A1 (de) * 2005-11-18 2007-05-24 Merck Patent Gmbh Rotes Effektpigment und dessen Verwendung in der Kosmetik und im Lebensmittel- und Pharmabereich
JP5551337B2 (ja) * 2008-01-24 2014-07-16 関西ペイント株式会社 水性多彩模様塗料
JP2011032238A (ja) * 2009-08-04 2011-02-17 Tokyo Institute Of Technology 磁気温熱療法用発熱体および製造方法
CN103289440B (zh) * 2013-05-23 2014-07-16 铜陵瑞莱科技有限公司 一种包覆水玻璃的氧化铁黑颗粒的制备方法
CN105038414B (zh) * 2015-08-24 2018-01-23 苏州世名科技股份有限公司 用于涂料调色机调色的有机颜料水性色浆及其制备方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6164330A (ja) * 1984-09-07 1986-04-02 Nok Corp 磁性流体およびその製造法
JPS62197463A (ja) * 1986-02-25 1987-09-01 Sumitomo Cement Co Ltd 顔料
JP2013170222A (ja) * 2012-02-21 2013-09-02 Fujifilm Corp インクセット及び画像形成方法

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
COVALIU CRISTINA ILEANA ET AL.: "Fe3O4 And CoFe2O4 nanoparticles stabilized in sodium alginate polymer", UNIVERSITY POLITEHNICA OF BUCHAREST SCIENTIFIC BULLETIN, SERIES B: CHEMISTRY AND MATERIALS SCIENCE, vol. 71, no. 4, JPN6017048967, 2009, pages 53 - 60, XP055506280, ISSN: 0004423421 *
MATEI ECATERINA, ET AL.: "Characterization and Application Results of Two Magnetic Nanomaterials", JOURNAL OF ENVIRONMENTAL QUALITY, vol. 42, no. 1, JPN6017048965, 7 January 2013 (2013-01-07), pages 129 - 136, ISSN: 0004423420 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020175204A1 (ja) 2019-02-25 2020-09-03 日本化薬株式会社 インク用分散液組成物及びインク組成物
KR20210130729A (ko) 2019-02-25 2021-11-01 닛뽄 가야쿠 가부시키가이샤 잉크용 분산액 조성물 및 잉크 조성물

Also Published As

Publication number Publication date
JP6934724B2 (ja) 2021-09-15
CN110214166B (zh) 2022-03-22
CN110214166A (zh) 2019-09-06
WO2018135081A1 (ja) 2018-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6780064B2 (ja) 顔料組成物及びインクジェット用水性インク組成物
JP7084145B2 (ja) インクジェット用水性インク組成物及び固体製剤
JP6697532B2 (ja) 顔料組成物及びインクジェット用水性インク組成物
WO2018135081A1 (ja) 顔料組成物
JP6056943B2 (ja) 水性顔料分散液の製造方法
JP2018188518A (ja) 顔料組成物及びインクジェット用水性インク組成物
WO2011114689A1 (ja) 顔料組成物
JP2017114926A (ja) 水性顔料分散体の製造方法
JP2010053158A (ja) 水性分散体およびそれを含有する化粧料
JP2014101298A (ja) 水性分散体及びそれを含有する化粧料
JPWO2017029866A1 (ja) インクジェット用水性インク組成物
JP2007204638A (ja) 水性印刷インキ用金粉
JP2016050307A (ja) 顔料組成物及びインクジェット用水性インク組成物
JP6408957B2 (ja) 顔料組成物及びインクジェット用水性インク組成物
WO2014175086A1 (ja) 油性顔料インキ組成物及び油性顔料インキ筆記具
JP6912340B2 (ja) 可食性顔料組成物
JP2017165900A (ja) 顔料組成物
JP2017186449A (ja) 顔料組成物
JP2017039788A (ja) インクジェット用水性インク組成物
JP2017025255A (ja) 顔料組成物及びインクジェット用水性インク組成物
JP2017057330A (ja) 顔料組成物及びインクジェット用水性インク組成物
JP7008230B2 (ja) マーキングペン用水性インキ
JP2017101093A (ja) インクジェット用水性インク組成物
JP2016020483A (ja) 水性顔料分散体及び水性インク
JP2016037566A (ja) 四酸化三鉄を含む可食性インクジェットインク組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210303

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210817

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210824

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6934724

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150