JP2014101298A - 水性分散体及びそれを含有する化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】フェルトペンタイプのアイライナーにおいても目詰まりがなく、且つ微粒子においても分散安定性に優れるとともに、良好なブラウン色調を発現可能な水性分散体を提供し、その水性分散体を含有する化粧料を提供する。
【解決手段】少なくとも、顔料として1次粒子の長径が400nm以下の微粒子酸化鉄と、アニオン性高分子と、HLBが12以上のノニオン性界面活性剤と、水を含有し、微粒子酸化鉄含有量が全組成中の10〜60質量%である水性分散体であり、微粒子酸化鉄、アニオン性高分子及び水のみを分散処理した後にノニオン性界面活性剤を加えて更に分散処理する微粒子酸化鉄分散工程により製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、主にブラウンタイプのアイライナーに使用でき、特にフェルトペンタイプにおいても目詰まりがないペン型アイライナーとして使用できる化粧料用の水性分散体と、この水性分散体を含有する化粧料に関するものである。
アイライナーは黒色タイプが主流であるが、近年、ブラウンやブルー、グリーンなどの様々な色調のアイライナーも登場してきた。中でもブラウン色についは黒色タイプに次いで高いニーズがあり、黒色顔料と赤色又は黄色顔料を混合して使用されている。黒色顔料としては、カーボンブラック、黒酸化鉄、チタンブラックなどが用いられ、赤、黄色顔料としては、赤酸化鉄、黄酸化鉄などが用いられている。しかし、一般に顔料として用いられている黒、赤、黄の酸化鉄は粒子径400〜800nm程度とかなり大きく、フェルトペンタイプのアイライナーに使用する場合、中綿で顔料の目詰まりを起こすため使用できないという問題点があった。
このような問題点を解決するために、例えば特許文献1には、黒酸化鉄と、赤酸化鉄及び/又は黄酸化鉄と、質量平均分子量1000〜20000のアニオン性分散剤とを組み合わせることで高度な分散安定性をもつ分散体が提案されている。ここで、分散処理にはビーズミルを用いることで、微分散した水性分散体を得ることができる。しかし、この特許文献1のものでは、使用されている顔料が黒酸化鉄と赤酸化鉄及び/又は黄酸化鉄の混合物であるため、粒子径は比較的大きいものであると推測される。
また、特許文献2には、同じく黒酸化鉄に赤酸化鉄を混合し、アルファオレフィンスルフォン酸塩と硫酸ナトリウムを分散剤として使用した分散体が開示されている。しかし、この特許文献2のものでは、用いられている顔料が特許文献1と同様、酸化鉄であるため、フェルトペンタイプのアイライナーには同じく不向きであると思われる。更にアニオン性低分子量界面活性剤には、目刺激の問題も懸念されることから、アイメイクにはあまり適していない。
このようにフェルトペンタイプで使用可能な分散体を得るためには、高い顔料分散性を得るために分散剤の最適化がなされてきた。しかし、元々の顔料の1次粒子径が大きいため、如何に高度に分散された分散体を作成しても十分なものではなかった。
一方、特許文献3には、水性顔料分散体の製造手法が開示されている。この手法では、予め顔料と樹脂とを3本ロールで予備混合し、次いで水媒体中においてアルカリ剤で中和溶解したのち、ジェット粉砕機にて分散させることで、シャープな粒度分布の分散体を得ることができ経時安定性にも優れるものである。しかし、このような2段階の分散手法では、2台の機械を用いて分散処理しなければならず、多様な原料種を扱う場合は工数が増えるという問題が生じる。
以上のようなことから、フェルトペンタイプのアイライナーにおいても目詰まりがなく、且つ微粒子においても分散安定性に優れた化粧料用水性分散体及びその製造手法の開発が望まれている。更に近年の消費者ニーズの多様化に伴い、ブラウン系統の中でも微妙な色調差が容易に発現可能な手法の開発が求められている。
特開2005−330222号公報 特開2012−184181号公報 特開平10−298296号公報
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、フェルトペンタイプのアイライナーにおいても目詰まりがなく、且つ微粒子においても分散安定性に優れるとともに、良好なブラウン色調を発現可能な水性分散体を提供し、併せてその水性分散体を含有する化粧料を提供することを目的とするものである。
前記課題を達成するために、本発明者らは鋭意研究努力を重ねた結果、少なくとも顔料として1次粒子の長径が400nm以下の微粒子赤酸化鉄及び/又は微粒子黄酸化鉄と、分散剤としてアニオン性高分子と、HLBが12以下のノニオン性界面活性剤と、水を含む分散体組成物であり、微粒子酸化鉄の分散性を高めるために、顔料、アニオン性高分子、水のみを分散処理し、次いでノニオン性界面活性剤を加えて更に分散処理することで、安定性の高い化粧料用水性分散体が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
更に、黒色顔料として一次粒子の長径が400nm以下のカーボンブラック又は炭微粒粉を用いることで、良好なブラウン色調の水性分散体を得ることができ、分散安定性を高めるために微粒子酸化鉄を分散させる工程と、黒色顔料を分散させる工程の2つの分散工程により分散処理することで、顔料粒子が高度に分散した化粧料用水性分散体が得られることを見出した。
すなわち、第1発明による水性分散体は、
少なくとも、顔料として1次粒子の長径が400nm以下の微粒子酸化鉄と、アニオン性高分子と、HLBが12以上のノニオン性界面活性剤と、水を含有し、微粒子酸化鉄含有量が全組成中の10〜60質量%である水性分散体であって、前記微粒子酸化鉄、アニオン性高分子及び水のみを分散処理した後に前記ノニオン性界面活性剤を加えて更に分散処理する微粒子酸化鉄分散工程により製造されることを特徴とするものである。
第1発明においては、更に、黒色顔料が微粒子酸化鉄に対して0.1〜25倍量含まれる水性分散体であって、前記微粒子酸化鉄分散工程の後に前記黒色顔料を分散処理する工程により製造されるのが好ましい(第2発明)。
ここで、前記黒色顔料はカーボンブラック又は炭微粒粉であるのが好ましい(第3発明)。
第3発明において、前記カーボンブラックがファーネス法で製造されたカーボンブラックであり、且つ該カーボンブラック中の不純物が、環芳香族炭化水素類(PAHs)0.5ppm以下、ジベンゾ[a,h]アントラセン5ppb以下、ベンゾ[a]ピレン含有量5ppb以下のものとすることができる(第4発明)。
また、前記炭微粒粉が備長炭、竹炭、梅炭、活性炭から選ばれる少なくとも1つ以上の炭微粒粉であり、且つ該炭微粒粉中の不純物が、砒素3ppm以下、鉛10ppm以下、カドミウム1ppm以下、水銀1ppm以下のものであっても良い(第5発明)。
前記各発明において、前記黒色顔料の一次粒子の長径が400nm以下であるのが好ましい(第6発明)。
また、第7発明による化粧料は、
前記第1発明乃至第6発明のいずれかの水性分散体を含有することを特徴とするものである。
第7発明の化粧料は、ペン型アイライナーであるのが好ましい(第8発明)。
本発明によれば、フェルトペンタイプのアイライナーにおいても目詰まりがなく、且つ微粒子においても分散安定性に優れた水性分散体を得ることができる。また、微粒子赤酸化鉄及び/又は微粒子黄酸化鉄のそれぞれの水性分散体と、黒色顔料を配合した水性分散体とを相互に自由に配合することができるので、消費者の嗜好に応じた好適な色調のアイライナーのような化粧料を容易に得ることができる。
次に、本発明による水性分散体及びそれを含有する化粧料の具体的な実施の形態について説明する。
本発明で用いられる微粒子酸化鉄としては、1次粒子の長径が400nm以下の微粒子赤酸化鉄又は微粒子黄酸化鉄であり、少なくとも1種以上の微粒子酸化鉄が用いられる。1次粒子径が400nmを越えると、フェルトペンタイプのアイライナーで顔料が目詰まりし、良好な筆記性能を経時で安定して維持できない
また、黒色顔料としては、カーボンブラック又は炭微粒粉が採用できる。特にアイメイクにおいては、不純物レベルの低いファーネス法で製造されたカーボンブラック又は炭微粒粉が良い。具体的には、カーボンブラックとして、芳香族炭化水素(PHAs)0.5ppm以下、ジベンゾ[a,h]アントラセン5ppb以下、ベンゾ[a]ピレン5ppb以下のファーネスブラックであり、炭微粒粉として、備長炭、竹炭、梅炭、活性炭から選ばれる少なくとも1種以上の炭微粒粉であり、砒素3ppm以下、鉛10ppm以下、カドミウム1ppm以下、水銀1ppm以下の炭微粒粉である。
ここで、微粒子酸化鉄の含有量は全分散体組成中の10〜60質量%であり、黒色顔料の含有量は、微粒子酸化鉄に対して0.1〜25倍量で用いられる。しかし、より好ましくは、微粒子酸化鉄の含有量が20〜40質量%であり、黒色顔料濃度は好適な色調に応じて選ばれたものが最も好ましい。微粒子酸化鉄の含有量が20質量%未満の場合、アイライナーに処方した際、水分量が多くなり過ぎ処方の自由度が低下する。また40質量%を超えると、粒子の分散安定性が低下するとともに分散体の粘度が高くなりハンドリング性が悪くなる。
次に、分散剤としては、アニオン性高分子及びノニオン性界面活性剤が用いられる。アニオン性高分子としては、ポリアクリル酸、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体、カルボキシメチルセルロースなどで、その塩としてナトリウム、アンモニウム、カリウムなどが用いられる。
アニオン性高分子の添加量は顔料の分散性により適宜決定されるが、5質量%以上の濃度になると分散体自体の粘性が増加するため、好ましくは0.1〜3質量%の範囲を選定するのが望ましい。
また、ノニオン性界面活性剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどが挙げられるが、いずれもHLBが12以上の親水性界面活性剤が用いられる。中でもポリグリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類のHLB=15以上のものが特に優れている。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用して用いてもよい。
更に、添加剤としては、保湿剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐殺菌剤、金属イオン封鎖剤など水溶性の物質であり、顔料の分散安定性を妨げない範囲で適宜配合可能である。
本発明の分散体を調整する方法としては、湿式ビーズミル、ホモミキサー、ディスパー、ニーダー、混練押出機、ロールミル等の各種分散機が使用できるが、微粒子酸化鉄を微細に分散できる湿式ビーズミルを用いるのがより好ましい。特にこれらの分散機を用いて顔料粒子を高度に分散させるためには、顔料粒子を段階的に分散処理することが好ましく、はじめに微粒子酸化鉄、アニオン性高分子、水の組成のみで分散処理し、次いでノニオン性界面活性剤を加えて更に分散処理する。このように分散剤を分けて加えることで、顔料粒子の再凝集を抑えながらより高度に分散させることができる。更に黒色顔料を加える場合、予め微粒子酸化鉄を分散させてから、次いで黒色顔料との混合物を分散処理することで顔料同士の分離を防ぎ、再凝集による分散粒子径の増大も抑制することができる。ここで黒色顔料の分散には、顔料の性質に応じた分散条件が選ばれ、カーボンブラックの場合は1次粒子径が非常に小さく凝集力が高いため、強いせん断力などの急激な分散では逆に凝集する傾向を示す。このため弱い分散力でゆっくりと分散を進めることが必要となる。また逆に炭微粒粉では元々の原料粒子径が大きいために、非常に強い力で湿式粉砕しながら微粒化しなければならない。このように微粒子酸化鉄を好適な分散処理することと、黒色顔料に応じた次工程の分散処理とをすることで、経時安定性に優れた化粧料用水性分散体を得ることができる。
次に、本発明による水性分散体及びそれを含有する化粧料の具体的な実施例を製造例と共にあげ、更に詳細に説明するが、本発明はこれら製造例、実施例に限定されるものではない。
(製造実施例1)
微粒子赤酸化鉄(長径70nm)30質量%、ポリアクリル酸ナトリウム(分子量=6,000)、1,3−ブチレングリコール、フェノキシエタノール、クエン酸、水を予備混合する。予備混合後、湿式ビーズミル(アシザワ・ファインテック社製 スターミルナノゲッターDMS−65)にて、アジテータ周速10m/secの条件にて湿式分散を実施した。次いで、分散処理を継続しながらポリオキシエチレンアルキルエーテル(HLB=17)を加えて、更に湿式分散を行い、化粧料用水性分散体を得た。
(製造実施例2)
製造実施例1において用いた微粒子赤酸化鉄に代えて、微粒子黄酸化鉄(長径70nm)を用いた以外は、全て同じ条件にて湿式分散を行い、化粧料用水性分散体を得た。
(製造実施例3)
微粒子赤酸化鉄(長径70nm)27質量%及びポリアクリル酸ナトリウム(分子量=6,000)、1,3−ブチレングリコール、フェノキシエタノール、クエン酸、水を予備混合する。予備混合後、湿式ビーズミル(アシザワ・ファインテック社製 スターミルナノゲッターDMS−65)にて、アジテータ周速10m/secの条件にて湿式分散を実施した。次いで、分散処理を継続しながらポリオキシエチレンアルキルエーテル(HLB=17)の全添加量に対して1/2量を加えて、更に湿式分散を行って微粒子酸化鉄分散体を作成し第1分散工程とした。次に、第2分散工程として、ファーネスカーボンブラック(大東化成工業 DK Black No.2、一次粒子径30nm)3質量%及び前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルの残り全量(1/2量)を加えて、アジテータ周速8m/secの条件にて湿式分散し、化粧料用水性分散体を得た。
(製造実施例4)
微粒子赤酸化鉄(長径70nm)25質量%及びポリアクリル酸ナトリウム(分子量=6,000)、1,3‐ブチレングリコール、フェノキシエタノール、クエン酸、水を予備混合する。予備混合後、湿式ビーズミル(アシザワ・ファインテック社製 スターミルナノゲッターDMS−65)にて、アジテータ周速10m/secの条件にて湿式分散を実施した。次いで、分散処理を継続しながらポリグリセリン脂肪酸エステル(HLB=15)の全添加量に対して1/2量を加えて、更に湿式分散を行い微粒子酸化鉄分散体を作成し第1分散工程とした。次に、第2分散工程として備長炭ジェットミル粉砕品(大東化成工業:1次粒子径230nm)5質量%及び前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの残り全量(1/2量)を加えて、アジテータ周速12m/secの条件にて湿式分散し、化粧料用水性分散体を得た。
(製造比較例1)
製造実施例1において用いた微粒子赤酸化鉄に代えて、顔料級の赤酸化鉄(長径800nm)を用いた以外は、全て同じ条件にて湿式分散を行い、化粧料用水性分散体を得た。
(製造比較例2)
製造実施例1において用いた微粒子赤酸化鉄に代えて、顔料級の黄酸化鉄(長径800nm)を用いた以外は、全て同じ条件にて湿式分散を行い、化粧料用水性分散体を得た。
(製造比較例3)
製造実施例3において、第1分散工程で用いた微粒子赤酸化鉄に代えて顔料級の赤酸化鉄(長径800nm)を用いた以外は、全て同じ条件にて湿式分散を行い、化粧料用水性分散体を得た。
(製造比較例4)
微粒子赤酸化鉄(長径70nm)27質量%、ファーネスカーボンブラック(大東化成工業 DK Black No.2)3質量%、ポリアクリル酸ナトリウム(分子量=6,000)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(HLB=17)、1,3‐ブチレングリコール、フェノキシエタノール、クエン酸、水を全て一括で予備混合する。予備混合後、湿式ビーズミル(アシザワ・ファインテック社製 スターミルナノゲッターDMS−65)にて、アジテータ周速10m/secの条件にて湿式分散し、化粧料用水性分散体を得た。
上記のようにして作成した水性分散体の粘度を、B型粘度計にて25℃の条件で測定した。また、長期安定性を確認するために、50℃の条件で、1ヶ月までの経時変化(分離・沈降)を確認した。その測定結果が表1に示されている。
Figure 2014101298
表1の結果からわかるように、製造実施例1及び製造実施例2では分散体の粘度も低く、経時での顔料の分離や沈降も見られず非常に安定した水性分散体を得ることができた。また、製造実施例3及び製造実施例4では、黒色顔料を加え多段階で分散処理した結果、製造実施例1,2と同様に良好な分散性を示し、経時安定性にも優れた水性分散体を得ることができた。一方、製造比較例1及び製造比較例2のように顔料を微粒子から顔料級に代えると、沈降や分離などが見られた。また、これに黒色顔料を添加し、2段階で分散処理しても経時での安定性に改善は見られなかった。また、製造比較例4のように分散手法を変更し、原料を全て一括で混合し分散処理した結果、2段階で処理した分散体と比較しても経時安定性に劣るものであった。
次に、これらのブラウン色化粧料用水性分散体を用いて、ペン型アイライナーを作成し、安定性と容器内での流動性を確認した。
〔実施例1〜2、比較例1〜2〕
表2の処方と下記製造方法に従いペン型アイライナー茶色2色、赤茶色とこげ茶色をそれぞれ得た。なお、表中の単位は質量%である。
Figure 2014101298
(注1):WD−CB2(大東化成工業)
(注2):DAITOSOL 5000STY(大東化成工業)
製造方法:
成分Bを均一に溶解した成分Aに加え、次いで成分Cも成分Aに除々に加えてよく混合した後、ペン型容器に充填して製品を得た。
表2の結果より、微粒子酸化鉄分散体を配合した実施例1、2は、分離・沈降がなく、経時安定性も良好で、また、ペン型容器に充填しても、比較例1,2に見られた、かすれや詰まりがなく、スムーズにラインを書くことができた。
以上のように顔料として1次粒子径が400nm以下の微粒子酸化鉄、分散剤としてのアニオン性高分子、ノニオン性界面活性剤を用い、まず微粒子酸化鉄及びアニオン性高分子、水を分散処理し、次いでノニオン性界面活性剤を加えて更に分散処理することで、高度に分散した化粧料用水性分散体を得ることができる。
また、この分散体に第2工程として黒色顔料を加えて再び分散処理することで、微粒子酸化鉄と黒色顔料が複合した化粧料用水性分散体を得ることができる。
当該分散体をペン型アイライナーに適用した際、本発明の分散体は高い経時安定性を示し、顔料の目詰まりを起こさない、良好なアイライナーを作成することができる。
本発明の水性分散体は、微粒子においても分散安定性に優れており、しかも、ブラウン系統の中でも微妙な色調差が容易に発現できるので、特にフェルトペンタイプのアイライナーにおいて目詰まりなく使用することができ、その産業上の利用効果が大である。

Claims (8)

  1. 少なくとも、顔料として1次粒子の長径が400nm以下の微粒子酸化鉄と、アニオン性高分子と、HLBが12以上のノニオン性界面活性剤と、水を含有し、微粒子酸化鉄含有量が全組成中の10〜60質量%である水性分散体であって、前記微粒子酸化鉄、アニオン性高分子及び水のみを分散処理した後に前記ノニオン性界面活性剤を加えて更に分散処理する微粒子酸化鉄分散工程により製造されることを特徴とする水性分散体。
  2. 更に、黒色顔料が微粒子酸化鉄に対して0.1〜25倍量含まれる水性分散体であって、前記微粒子酸化鉄分散工程の後に前記黒色顔料を分散処理する工程により製造されることを特徴とする請求項1に記載の水性分散体。
  3. 前記黒色顔料がカーボンブラック又は炭微粒粉であることを特徴とする請求項2に記載の水性分散体。
  4. 前記カーボンブラックがファーネス法で製造されたカーボンブラックであり、且つ該カーボンブラック中の不純物が、環芳香族炭化水素類(PAHs)0.5ppm以下、ジベンゾ[a,h]アントラセン5ppb以下、ベンゾ[a]ピレン含有量5ppb以下であることを特徴とする請求項3に記載の水性分散体。
  5. 前記炭微粒粉が備長炭、竹炭、梅炭、活性炭から選ばれる少なくとも1つ以上の炭微粒粉であり、且つ該炭微粒粉中の不純物が、砒素3ppm以下、鉛10ppm以下、カドミウム1ppm以下、水銀1ppm以下であることを特徴とする請求項3に記載の水性分散体。
  6. 前記黒色顔料の一次粒子の長径が400nm以下であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の水性分散体。
  7. 前記請求項1〜6のいずれかに記載の水性分散体を含有することを特徴とする化粧料。
  8. ペン型アイライナーであることを特徴とする請求項7に記載の化粧料。
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