JP2014530833A - Mcaおよびdcaを含む液体供給材料の精製方法 - Google Patents

Mcaおよびdcaを含む液体供給材料の精製方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、任意選択で酸塩化物、任意選択で無水物および任意選択で酢酸を含む、実質的に水を含まない液体供給材料の精製方法であって、(a)水を液体供給材料に添加することによって、液体供給材料の全重量を基準にして、0.01〜5重量%の水を含む液体供給材料を得るステップと、(b)続いて、担体上に堆積した元素周期表の第VIII族の1種または複数の金属を含む固体不均一系水素化触媒の存在下で、ステップ(a)において得られる液体供給材料を水素源と接触させてジクロロ酢酸をモノクロロ酢酸に変換することによって、前記液体供給材料を接触水素化脱塩素工程に供するステップを含む方法に関する。

Description

本発明は、モノクロロ酢酸(MCA)およびジクロロ酢酸(DCA)を含む液体供給材料を精製するための方法に関する。
モノクロロ酢酸を製造するための主たる工業的経路は、酢酸を塩素と反応させることである。このような方法は、周知であり、一般的に反応器を使用し、反応器中で触媒として塩化アセチルを用いて無水条件下で液体酢酸(HAc)の混合物を塩素と反応させる。塩化アセチルは、好ましくは、例えば無水酢酸の添加によってその場で形成される。その結果、塩素化混合物は実質的に水を含まない(塩化アセチルは水と激しく反応するため)。塩素化反応器中において、モノクロロ酢酸(MCA)および気体状HClが副生成物とともに形成される。ジクロロ酢酸(DCA)およびトリクロロ酢酸(TCA)が副生成物の例である。
MCA含有反応生成物の混合物が反応器(複数可)および触媒回収セクションを通過した後、DCAは相当量で、典型的には約3〜10%の量で存在する。MCA中のDCAの量を低減するために、MCA/DCA含有生成物の混合物は、続いて精製プロセスに供される。精製プロセスは、物理的分離、例えば結晶化もしくは蒸留、または化学変換、例えばDCAが水素化触媒(例えば金属系触媒)の存在下で水素を用いて還元される還元のいずれかであり得る。
モノクロロ酢酸とジクロロ酢酸の沸点は非常に近似しているため(それぞれ、189℃および194℃)、蒸留によってMCAからDCAを除去することは費用がかかり、非経済的である。
結晶化によれば、粗モノクロロ酢酸供給材料中のジクロロ酢酸の濃度は、一段階再結晶で約4分の1に、すなわち例えば3重量%から0.7〜0.8重量%に低減できるだけである。したがって、純粋なモノクロロ酢酸の製造のためには、空間および時間の要件を考慮すべきである。さらに、数回の結晶化を行った後、母液はモノクロロ酢酸とジクロロ酢酸との混合物を含んだままである。この母液は、冷却条件によっては少なくとも30重量%のモノクロロ酢酸をなお含むが、これはさらに結晶化しても商品価値のある製品に変換することはできず、廃棄物とみなさざるを得ない。
粗モノクロロ酢酸中のジクロロ酢酸の濃度は、不均一系触媒上での水素化脱塩素によって大幅に低減できる(例えば、US5,191,118およびUS5,356,850に従って)ことが知られている。
液相中(気相中の代わりに)の酸を用いて水素化脱塩素を行うことが有利であり、これは水素化脱塩素への供給材料の蒸発に必要なエネルギーを節約し、また、水素化脱塩素反応器へ供給材料を蒸発させるために必要とされるであろう装置の投資コストを大幅に削減するためである。
しかしながら、MCA、DCA、少量のTCA、Hacならびに任意選択で若干の微量の酸無水物および/または酸塩化物を含む液体供給材料を液相中にある酸を用いて水素化脱塩素工程に供した場合、縮合生成物の形成を引き起こすアルデヒドの形成により暗色の生成物が得られるということが判明した。さらに、アルデヒドの過度の形成は、水素化脱塩素反応器および下流の装置内の汚れの原因となることがある。それはまた、生産現場の環境への排出物を増加させる。
これらの問題は、気相水素化脱塩素プロセスにおいては重要な役割を果たしていないが、液相水素化脱塩素プロセスにおいては問題となる。これは、液相水素化脱塩素プロセスの場合、水添塔中での成分の滞留時間が、気相水素化脱塩素プロセスと比較してはるかに長いためである。これは、アルデヒドのアルドール縮合による色成分の形成を増す。
これらのアルデヒドは、過酢酸などのペルオキシカルボン酸を用いて酸化することによってプロセス流から除去できるということがEP1451136から知られている。しかしながら、過カルボン酸は潜在的に爆発性であり、このことは、それらの蓄積を防止するために、反応条件を注意深く選択し、正確に監視する必要があることを意味する。さらに、アルデヒドに対してモル過剰で使用される場合、未反応のペルオキシカルボン酸は、その後破棄される必要がある。ペルオキシカルボン酸の等モル量未満の使用では、アルデヒドの除去は完了しない。全体として、このプロセスはかなり複雑であり、細心の注意を必要とする。
したがって、本発明の目的は、MCAプラントの塩素化セクションから得られる、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸ならびに任意選択で酢酸、酸塩化物および/または無水物を含む液体供給材料の精製方法であって、水素化脱塩素工程が、ISO−6271(視覚法または分光光度法のいずれか)に従って測定された300Pt−Co単位以下、好ましくは200Pt−Co単位以下、より好ましくは150Pt−Co単位以下の色を有する生成物を生成し、前記方法が工業的規模のMCA製造プロセスで実施するのが容易である、方法を提供することである。より具体的には、前記色は、25mlの水と75mlの前記生成物との混合物にISO−6271を適用することによって決定される。水素化脱塩素工程から直接得られるこの生成物はまた、以下、水素化生成物として示される。
結果として、蒸留後に得られる最終MCA生成物(すなわち、第1の蒸留塔内でMCA生成物から軽質留分を、第2の蒸留塔内で重質留分を分離した後に得られる生成物であり、以下、蒸留生成物として示される)は、ISO−6271に従って測定された100Pt−Co単位以下、好ましくは50Pt−Co単位以下、好ましくは20Pt−Co単位以下の色を有する。20Pt−Coより低い色は、人間の目で慎重に見た場合に生成物が着色されていないことを意味する。
水素化脱塩素工程から得られる生成物の上記の色は、25mlの水と75mlの前記生成物との混合物にISO−6271を適用することによって決定される。
驚くべきことに、水素化脱塩素工程の前に、特定量の水が、MCA、DCA、任意選択で少量のTCA、任意選択でHAc、任意選択で微量の酸無水物および/または任意選択で同様に微量の酸塩化物を含む液体供給材料に添加される場合、この目的が果たされることが判明した。
より具体的には、本発明は、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、任意選択で酸塩化物、任意選択で無水物および任意選択で酢酸を含む、実質的に水を含まない液体供給材料の精製方法であって、(a)水を液体供給材料に添加することによって、これにより得られる液体供給材料の全重量を基準にして、0.01〜5重量%の水を含む液体供給材料を得るステップと、(b)続いて、これにより得られる液体供給材料を、担体上に堆積した元素周期表の第VIII族の1種または複数の金属を含む固体不均一系水素化触媒の存在下で水素源と接触させてジクロロ酢酸をモノクロロ酢酸に変換することによって、前記液体供給材料を接触水素化脱塩素工程に供するステップとを含む方法に関する。
本発明の方法によれば、直接得られる生成物(これも水素化生成物として示される、上記参照)は、低減されたDCA含有量、およびISO−6271に従って決定された300の値以下、好ましくは200の値以下、より好ましくは150の値以下のPt−Co色を有するMCA含有生成物である。
用語「実質的に水を含まない」は、本発明の方法によって精製される液体供給材料が0.009重量%未満の水を含むことを意味するということに留意されたい。好ましくは、酸塩化物は前記液体供給材料中に存在する。酸塩化物の存在により、前記液体供給材料の含水量はゼロとなる。
明瞭にするために、本発明の方法によって精製される液体供給材料が酸塩化物を含む場合、水を酸塩化物に対してモル過剰で添加することによって、これにより得られる液体供給材料の全重量を基準にして、最終的に0.01〜5重量%の水を含む液体供給材料を得る必要があることに留意されたい。
水は、淡水として、または例えばHCl、MCAもしくは酢酸の水溶液として液体供給材料に添加することができる。
さらに、本明細書を通して使用される用語「酸塩化物」は、好ましくは、塩化アセチル、または塩化アセチルとクロロアセチルクロリドおよび/またはジクロロアセチルクロリドとの混合物を意味することに留意されたい。本明細書を通して使用される用語「(酸)無水物」は、好ましくは、無水酢酸、DCA無水物、MCA無水物、DCA−MCA無水物、酢酸−MCA無水物および酢酸−DCA無水物からなる群から選択される1種または複数の無水物と任意選択で混合した無水酢酸を意味する。
本発明の方法によって精製される実質的に水を含まない液体供給材料は、好ましくは、触媒の存在下で酢酸を塩素と反応させるモノクロロ酢酸製造プラントのセクションから(触媒回収後に)得られる液体供給材料である。触媒は、好ましくは塩化アセチルであり、これは、例えば無水酢酸の添加によってその場で形成されてもよい。本発明の方法に供される供給材料は、前記供給材料の全重量を基準にして、好ましくは35重量%以下の酸塩化物、より好ましくは15重量%以下の酸塩化物、さらにより好ましくは5重量%以下の酸塩化物、より好ましくは少なくとも0.05重量%の酸塩化物、さらにより好ましくは少なくとも0.01重量%の酸塩化物を含む。最も好ましくは、本発明の方法に供される供給材料は、酸塩化物を全く含まない。しかしながら、実際には、本発明の方法に供される供給材料は、前記供給材料の全重量を基準にして、典型的には少なくとも0.01重量%の酸塩化物を含む。
脱塩化水素工程(すなわち、本発明による方法のステップb)に供される液体供給材料中の含水量は、着色副生成物の形成を十分低減して所望の生成物品質を得るために、液体供給材料の全重量を基準にして、少なくとも0.01重量%の水であるべきであることが見出された。また、あまりにも多くの水の添加は、ポリマー副生成物の形成をもたらすことが見出された。これらのポリマー副生成物は、収率損失および装置のブロッキングの原因となるので望ましくない。これらの問題は、脱塩化水素工程(本発明の方法のステップ(b))に供される液体供給材料が、前記供給材料の全重量を基準にして、5重量%以下の水を含むような量の水を添加することによって回避できることが見出された。ステップ(a)において添加される水は、典型的には、上述したように第1の蒸留工程から得られる軽質留分とともにMCA製造プロセスの塩素化段階に再循環されるので、添加される水の量は、好ましくはできるだけ低く保ち、この再循環により破壊される酸塩化物(塩化アセチルが前記塩素化の触媒として使用される)の量を最小限に抑える。
本発明による精製方法のステップ(b)において使用する不均一系触媒は、不均一系触媒の全重量を基準にして、好ましくは0.1〜3重量%、より好ましくは0.5〜2重量%の元素周期表の第VIII族の1種または複数の金属を含む。好ましくは、不均一系触媒は、ルテニウム、ロジウム、パラジウムおよび/または白金を含む。より好ましくは、それは、パラジウム、白金またはそれらの組み合わせを含む。最も好ましくは、それはパラジウム(Pd)とイオウまたはイオウ化合物のいずれかを含む。例えば、EP0557169に記載されている触媒またはEP0453690に記載されている触媒は、本方法での使用に適している。
元素周期表の第VIII族の1種または複数の金属は担体上に堆積される。好ましい担体は、活性炭、シリカアルミナ、酸化ジルコニウムおよび酸化チタンからなる群から選択される。活性炭が最も好ましい。担体は、イオウまたはイオウ含有成分(自然界の有機もしくは無機のいずれか)を含んでもよい。
好ましい実施形態において、本発明による方法のステップ(b)において使用する不均一系触媒は、パラジウム担持活性炭担体であり、イオウまたはイオウ含有成分、例えば、CSを供給材料に添加してもよい。
一実施形態において、触媒は、活性炭、シリカまたはアルミナから調製された粒子上に好ましくは堆積した不均一系水素化触媒の1種または複数の金属とともに、好ましくは固定触媒床に配置され、前記粒子は不規則な形状の顆粒、球、リング、三葉、四葉または押出物の形態である。より好ましくは、前記粒子は0.5〜5mm、好ましくは0.8〜3mmの直径、および1〜10mmの長さを有する、押出物、三葉または四葉の形態である。
固定床は、1つの床で構成することができ、または全体で「固定床触媒」と呼ばれている複数のサブ床に細分されてもよい。触媒床または各サブ床は支持格子によって支えられている。さらに、液体分配器が、前記触媒床の直径にわたって良好な液体分配を提供するために、触媒床全体の表面の上方および/または1つまたは複数のサブ床の表面の上方に取り付けられてもよい。
これらの塔内部構造物(すなわち、支持格子および液体分配器)に好適な構成材料としては、グラスライニング鋼;鋼やステンレス鋼上のタンタル被覆またはコーティングを含むタンタルおよびタンタル合金;鋼やステンレス鋼上の白金被覆またはコーティングを含む白金および白金合金;鋼やステンレス鋼上のジルコニウム被覆またはコーティングを含むジルコニウムおよびジルコニウム合金;黒鉛または含浸黒鉛;セラミック、例えば炭化ケイ素(SiC)、ジルコニア(ZrO)、アルミナ(Al)、ガラスまたは石英;耐酸レンガ;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE);鋼、ステンレス鋼もしくは繊維強化プラスチック上のフルオロポリマー(例えばPTFE、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)もしくはポリエチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE))ライニングまたはコーティング;ニッケルクロム合金;ニッケルクロムモリブデン合金;ニッケル銅合金;鋼やステンレス鋼上の銀被覆または銀コーティングを含む銀;ニオブおよびニオブ合金;ならびにポリエーテルエーテルケトンおよびPEEK被覆鋼が挙げられる。
内部構造物に好ましい構成材料としては、グラスライニング鋼;鋼やステンレス鋼上のタンタル被覆またはコーティングを含むタンタルおよびタンタル合金;鋼やステンレス鋼上の白金被覆またはコーティングを含む白金および白金合金;鋼やステンレス鋼上のジルコニウム被覆またはコーティングを含むジルコニウムおよびジルコニウム合金;黒鉛または含浸黒鉛;セラミック、例えば炭化ケイ素(SiC)、ジルコニア(ZrO)、アルミナ(Al)、ガラスまたは石英;耐酸レンガ;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE);鋼、ステンレス鋼もしくは繊維強化プラスチック上のフルオロポリマー(例えばPTFE、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)もしくはポリエチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE))ライニングまたはコーティングが挙げられる。
内部構造物により好ましい構成材料は、グラスライニング鋼;黒鉛または含浸黒鉛;鋼やステンレス鋼上のタンタル被覆またはコーティングを含むタンタルおよびタンタル合金;ならびに鋼やステンレス鋼上のジルコニウム被覆またはコーティングを含むジルコニウムおよびジルコニウム合金である。
最も好ましくは、内部構造物用の構成材料は黒鉛または含浸黒鉛である。
本発明による精製方法に供給される水素源は水素ガスであり、これは実質的に純粋な水素ガス、または水素ガスおよび50モル%以下の窒素、塩化水素もしくはこれらの混合物を含むガスのいずれかであることができる。
本発明による接触水素化脱ハロゲン工程(b)に供される液体供給材料(すなわち、本発明による方法のステップ(a)から得られる液体供給材料)は、好ましくは、
(i)60〜99.5重量%のモノクロロ酢酸、
(ii)0.05〜20重量%、好ましくは1〜12重量%のジクロロ酢酸、
(iii)0〜30重量%の酢酸、
(iv)0.1〜5重量%の水、好ましくは0.1〜1重量%の水、最も好ましくは0.1〜0.5重量%の水、および
(v)0〜5重量%の他の成分
を、液体供給材料の全重量を基準にして合計100%まで含む。
他の成分としては、少量の酸無水物、トリクロロ酢酸、ブロモ酢酸およびα−クロロプロピオン酸を挙げることができる。水の存在により、酸塩化物は前記液体供給材料中に存在することができないことに留意されたい。
水素化脱塩素工程は、好ましくは、固定床(時折また、触媒粒子の静止床として示される)で、上記の固体不均一系水素化触媒を含む垂直管状反応器を用いて行われる。
しかしながら、十分に確立された他の種類の反応器もまた適している。これらは、機械撹拌、または反応器のヘッドスペースから気体を吸引するベンチュリを駆動することもできる外部のスラリーリサイクルを介した撹拌(例えば、CN101528657で言及されている)のいずれかのスラリー反応器を含み、その中で触媒を液体中に懸濁させる。
好適な反応器の構成材料としては、グラスライニング鋼;鋼やステンレス鋼上のタンタル被覆またはコーティングを含むタンタルおよびタンタル合金;鋼やステンレス鋼上の白金被覆またはコーティングを含む白金および白金合金;鋼やステンレス鋼上のジルコニウム被覆またはコーティングを含むジルコニウムおよびジルコニウム合金;黒鉛または含浸黒鉛;セラミック、例えば炭化ケイ素(SiC)、ジルコニア(ZrO)、アルミナ(Al)、ガラスおよび石英;耐酸レンガ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE);鋼、ステンレス鋼もしくは繊維強化プラスチック上のフルオロポリマー(例えばPTFE、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)もしくはポリエチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE))ライニングまたはコーティング;ニッケルクロム合金;ニッケルクロムモリブデン合金;ニッケル銅合金;鋼やステンレス鋼上の銀被覆または銀コーティングを含む銀;ニオブおよびニオブ合金;ならびにポリエーテルエーテルケトンまたはPEEK被覆鋼が挙げられる。
好ましい構成材料としては、グラスライニング鋼;鋼やステンレス鋼上のタンタル被覆またはコーティングを含むタンタルおよびタンタル合金;鋼やステンレス鋼上の白金被覆またはコーティングを含む白金および白金合金;鋼やステンレス鋼上のジルコニウム被覆またはコーティングを含むジルコニウムおよびジルコニウム合金;黒鉛または含浸黒鉛;セラミック、例えば炭化ケイ素(SiC)、ジルコニア(ZrO)、アルミナ(Al)、ガラスおよび石英;耐酸レンガ;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE);鋼、ステンレス鋼もしくは繊維強化プラスチック上のフルオロポリマー(例えばPTFE、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)もしくはポリエチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE))ライニングまたはコーティングが挙げられる。
より好ましくは、構成材料は、グラスライニング鋼;鋼やステンレス鋼上のタンタル被覆またはコーティングを含むタンタルおよびタンタル合金;ならびに鋼やステンレス鋼上のジルコニウム被覆またはコーティングを含むジルコニウムおよびジルコニウム合金からなる群から選択される。
最も好ましい構成材料は、グラスライニング鋼である。
水素化脱塩素工程が、固定床(時折また、触媒粒子の静止床として示される)で、上記の固体不均一系水素化触媒を含む垂直管状反応器を用いて行われる場合、本発明による接触水素化脱ハロゲン工程(b)に供される液体供給材料は、垂直管状反応器の頂部に供給される。水素ガスまたは水素ガスと50モル%以下の不活性ガスとの混合物は、好ましくは、(液体供給材料と並流下降流を生じさせる)垂直管状反応器の頂部に供給される。水素ガス、または水素ガスと50モル%以下の不活性ガスとの混合物は、垂直管状反応器の底部から(すなわち、液体供給材料と向流で)供給することもできるが、操作窓がより小さい(すなわち、反応器の容量がフラッディングによって制限される)ので、並流下降流の実施形態が好ましい。
好ましくは、本発明による接触水素化脱ハロゲン工程(b)に供される液体供給材料は、前記反応器の水平断面の1平方メートル当たり1〜10kg/秒の空塔質量速度で前記垂直管状反応器の頂部に供給される(空塔質量速度(kg/m/秒)という用語は、前記反応器の水平断面積で割った質量流量を指す)。それは、好ましくは前記反応器の水平断面の1平方メートル当たり少なくとも2kg/秒、より好ましくは前記反応器の水平断面の1平方メートル当たり少なくとも2.5kg/秒、最も好ましくは前記反応器の水平断面の1平方メートル当たり少なくとも3kg/秒の空塔質量速度で前記垂直管状反応器の頂部に供給される。好ましくは、液体供給材料は、前記反応器の水平断面の1平方メートル当たり8kg/秒以下の空塔質量速度で、より好ましくは前記反応器の水平断面の1平方メートル当たり7kg/秒以下の空塔質量速度で、最も好ましくは前記反応器の水平断面の1平方メートル当たり6kg/秒以下の空塔質量速度で前記垂直管状反応器の頂部に供給される。
水素源は、垂直管状反応器の水平断面の1平方メートル当たり0.025〜0.25Nm/秒のガス空塔速度で垂直管状反応器の頂部に供給される(ガス空塔速度(m/秒)という用語は、前記垂直管状反応器の水平断面に基づくガス速度を指す)。水素源は、好ましくは、垂直管状反応器の水平断面の1平方メートル当たり少なくとも0.03Nm/秒のガス空塔速度で、より好ましくは垂直管状反応器の水平断面の1平方メートル当たり少なくとも0.035Nm/秒のガス空塔速度で、最も好ましくは垂直管状反応器の水平断面の1平方メートル当たり少なくとも0.04Nm/秒のガス空塔速度で垂直管状反応器の頂部または底部に供給される。それは、好ましくは、垂直管状反応器の水平断面の1平方メートル当たり0.25Nm/秒以下、より好ましくは垂直管状反応器の水平断面の1平方メートル当たり0.20Nm/秒以下、最も好ましくは垂直管状反応器の水平断面の1平方メートル当たり0.15Nm/秒以下のガス空塔速度で供給される。
垂直管状反応器の頂部の温度は、好ましくは100〜200℃、より好ましくは145〜175℃に保たれる。垂直管状反応器の頂部の圧力は、好ましくは0.2〜1.0MPa、好ましくは0.3〜0.6MPaに保たれる。
トリクルベッド反応器中の液偏在のリスクを最小限にするために(例えば、Saroha & Nigam、「Trickle-bed reactors」、Reviews in Chemical Engineering、12、3-4、207〜347ページ、1996を参照)、不均一系水素化触媒が配置される固定床は、好ましくは、デンスローディング技術を用いて不均一系水素化触媒を垂直管状反応器に充填することによって調製されてきた。触媒床内の偏在は、顕著に反応器の性能と稼働時間を減少させることが知られている。デンスローディング技術は、それによって垂直管状反応器に、前記反応器の断面全体にわたって同時に触媒粒子を充填する従来型の充填技術である。その結果として、均一に充填され、他の反応器充填技術と比べて密度が高い触媒床が得られる。Gert Griffioen and Michel Wijbrands、「Caring for Catalysts」、Hydrocarbon Engineering, June 2010に記載されているように、よく知られている充填技術であるソックローディングと比較した場合、触媒床の密度は平均で少なくとも10%高い。本発明による高密度に充填された触媒を有する固定床は、例えば、よく知られているDensicat(登録商標)またはCatapac(商標)技術を用いて調製することができる。好適なデンスローディング方法および装置は、EP769,462、US4,051,019、US4,159,785、EP0727250、WO2008/109671およびUS5,449,501に記載されている。
典型的な工業規模のMCA製造プラントは、触媒として塩化アセチルを用いて液体酢酸を無水条件下で塩素ガスと反応させる塩素化セクションを備える。この方法で形成される気体状HClは、HClガス中の有機成分(例えば、塩化アセチル、酢酸、モノクロロ酢酸)を除去し回収するために、典型的には1つまたは複数の凝縮器に供給される。この塩素化セクションから得られる液体供給材料は、前記供給材料中に存在する無水物および/または酸塩化物を除去するために、典型的には、HClガスを用いてストリッピング操作に供される。本発明による方法においては、MCAプラントの塩素化セクションから得られる液体供給材料は、本発明による方法のステップ(a)に供される前、すなわち、これにより得られる液体供給材料の全重量を基準にして、0.01〜5重量%の水を含む液体供給材料が得られるような量の水を添加する前に、好ましくはストリッピング工程に供される。好ましい実施形態において、前記ストリッピング工程は、少なくとも1.6バール、より好ましくは少なくとも1.7バール、さらにより好ましくは少なくとも2バール、より好ましくは少なくとも3バール、最も好ましくは少なくとも4バールの圧力で行われる。好ましくは、ストリッピング工程は、10バール以下、より好ましくは8バール以下の圧力で行われる。高圧下で、このストリッピング工程を行う利点は、ストリッパー塔内の圧力が高いほど、多くのHClがストリッパー塔の底部生成物中に溶解するために、酸塩化物からの無水物の形成を防止されることである。結果として、脱塩化水素工程(b)に供される液体供給材料は、より少ない無水物を含む、または無水物を全く含まない。脱塩化水素工程(b)におけるHClの存在により、無水物は酸塩化物に変換され、続いてアルデヒドに変換されることになり、上述したように、色の問題につながるので、これは利点である。
本発明による方法を、以下の非限定的な実施例によってさらに説明する。
比較例A
76.7%のモノクロロ酢酸、3.1%のジクロロ酢酸、12.1%の酢酸、6.2%の塩化アセチル、1.2%の無水物、0.7%のHClを含む塩素化からの生成物を2,793kg/時の速度で塩化アセチルストリッパーの頂部に供給した。HClガスを1,122kg/時の速度で塩化アセチルストリッパーの底部に供給した。塩化アセチルストリッパーの底部を5バール(絶対圧)の圧力および126℃の温度で操作した。85.3%のモノクロロ酢酸、3.4%のジクロロ酢酸、8.6%の酢酸、1.6%の塩化アセチルおよび1.1%の塩化水素を含む塩化アセチルストリッパーの底部生成物を1時間当たり56Nmの水素のガス流と混合した。この気液を163℃の温度に加熱し、垂直管状反応器頂部の分配器に供給した。垂直管状反応器は、2,956kgの全触媒インベントリーと14mの全長を有する固定触媒床を収容した。EP0557169で言及されたように触媒粒子は押出物であった。垂直管状反応器を十分に断熱し、断熱モードで操作した。反応器から出る気相を部分的に40℃の温度で凝縮し、液体還流を反応器から出る液相と混合して、水素化生成物を得た。試料をこの水素化生成物から採取し、ISO6271に従って測定した場合、Pt−Co色は、Pt−Coスケールの1,000単位を超えると測定された。より具体的には、この色は、25mlの水と75mlの前記生成物との混合物にISO−6271を適用することによって決定した。水素化生成物からのこの試料の目視検査では、非常に暗い液体であった。
結果として、蒸留後の最終生成物(すなわち、第1の蒸留塔内で水素化生成物から軽質留分を(蒸留塔底部で回収されるMCAとともに)分離し、第2の蒸留塔内で重質留分を(蒸留塔頂部で回収されるMCAとともに)分離した後に得られる生成物、上記参照)は、強く着色された。試料をこの最終生成物から採取し、ISO6271に従って測定した場合、Pt−Co色は、Pt−Coスケールの600単位であると測定された。より具体的には、この色は、25mlの水と75mlの前記生成物との混合物にISO−6271を適用することによって決定した。
最終生成物からのこの試料の目視検査では、茶色の液体であった。
上記の例を繰り返した。この場合にのみ、これによって得られる水を含む塩化アセチルストリッパーの液体底部生成物の全重量を基準にして、0.7重量%の含水量を得るために水素を添加する前に、水を塩化アセチルストリッパーの底部生成物(1.6%の酸塩化物を含有する比較例Aにおける塩化アセチルストリッパーの底部生成物である)と予備混合した。この場合、ISO6271に従って測定した場合(25mlの水と75mlの前記生成物との混合物にISO−6271を適用することによって測定される)、水素化生成物のPt−Co色は、Pt−Coスケールの150単位であった。水素化生成物からのこの試料は、目視検査で淡黄色の液体であった。
結果として、蒸留後の最終生成物(すなわち、第1の蒸留塔内で水素化生成物から軽質留分を(蒸留塔底部で回収されるMCAとともに)分離し、第2の蒸留塔内で重質留分を(蒸留塔頂部で回収されるMCAとともに)分離した後に得られる生成物、上記参照)は、無色であった。試料を最終生成物から採取し、ISO6271に従って測定した場合(25mlの水と75mlの前記生成物との混合物にISO−6271を適用することによって測定される)、Pt−Co色は、Pt−Coスケールの20単位未満であると測定された。最終生成物からのこの試料は、目視検査で無色の液体であった。
77.5%のモノクロロ酢酸、2.4%のジクロロ酢酸、14.6%の酢酸、4.2%の塩化アセチル、0.3%の無水物および1.0%のHClを含む塩素化からの生成物を9,800kg/時の速度で塩化アセチルストリッパーに供給した。HClガスを2,840kg/時の速度でこのストリッパーの底部に供給した。しかしながら、この場合、ストリッパーの底部を1.6バール(絶対圧)のより低い圧力で、135℃の温度で操作した。より少ないHClがストリッパーから底部生成物に溶解し、従ってストリッパーの底部生成物はより多くの酸無水物を含む。試料をストリッパーの底部生成物から採取し、HPLCおよびH−NMRを用いて、無水物および酸塩化物の存在について分析した。試料は、87.6%のモノクロロ酢酸、2.7%のジクロロ酢酸、9.2%の酢酸、0.1%の無水物、0.1%の酸塩化物および0.3%のHClを含有した。塩化アセチルストリッパーの底部からこのようにして得られる液体生成物の全重量を基準にして、0.4重量%の含水量を得るために、水をストリッパーからこの生成物に添加すると、微量の酸塩化物は水と激しく反応して対応する酸を生成する。しかしながら、無水物と水の反応は非常に遅く、完全な変換を達成することは困難である。試料を水の添加後に採取し、次にH−NMRを用いて、無水物および酸塩化物の存在について分析した。試料は、460mg/kgの無水物を含み、酸塩化物は含んでいなかった。塩化アセチルストリッパーからこのようにして得られる水を含む液体生成物を160Nm/時の水素と混合した。このようにして得られた気液混合物を、160℃の温度に加熱し、垂直管状反応器頂部の分配器に供給した。垂直管状反応器は、3,580kgの全触媒インベントリーと14mの全長を有する固定触媒床を収容した。EP0557169で言及されたように触媒粒子は押出物であった。垂直管状反応器を十分に断熱し、断熱モードで操作した。反応器から出る気相を部分的に40℃の温度で凝縮し、液体還流を反応器から出る液相と混合して、水素化生成物を得た。水素化への供給材料中の無水物の存在は、水素化におけるアルデヒドの形成につながる。その結果、黄色の水素化生成物が得られる。試料を水素化生成物から採取し、ISO6271に従って測定した場合、Pt−Co色は、Pt−Coスケールの300単位と測定される。試料中のアセトアルデヒドレベルは、600mg/kgを超える。
その結果、蒸留後の最終生成物(上記参照)は、淡黄色を示す。試料をこの最終製品から採取し、ISO6271に従って測定した場合、Pt−Co色は、Pt−Coスケールの100単位と測定される。
76.5%のモノクロロ酢酸、3.6%のジクロロ酢酸、11.0%の酢酸、8.1%の塩化アセチル、0.1%の無水物、0.7%のHClを含む塩素化からの生成物を8,720kg/時の速度で塩化アセチルストリッパーの頂部に供給した。HClガスを3,425kg/時の速度でこのストリッパーの底部に供給した。塩化アセチルストリッパーの底部を3.2バール(絶対圧)の高圧圧力および155℃の温度で操作した。高圧でのこのストリッピング工程の後、無水物はもはや存在せず、微量の酸塩化物のみが存在する。試料をストリッパーの底部生成物から採取し、HPLCおよびH−NMRを用いて、無水物および酸塩化物の存在について分析した。試料は、89.8%のモノクロロ酢酸、4.2%のジクロロ酢酸、5.2%の酢酸、0.1%の酸塩化物および0.7%のHClを含有した。(塩化アセチルストリッパーの底部からこのようにして得られる液体生成物の全重量を基準にして)0.35重量%の含水量を得るために、水をストリッパーからのこの生成物に添加すると、微量の酸塩化物は水と激しく反応して対応する酸を生成した。水を添加した後、試料を塩化アセチルストリッパーの底部からこのようにして得られた水を含む液体生成物から採取して、H−NMRを用いて、無水物および酸塩化物の存在について分析した。試料は無水物および酸塩化物を含まなかった。塩化アセチルストリッパーの底部からこのようにして得られる水を含む液体を200Nm/時の水素と混合した。このようにして得られた気液混合物を、160℃の温度に加熱し、垂直管状反応器頂部の分配器に供給した。垂直管状反応器は、3,580kgの全触媒インベントリーと14mの全長を有する固定触媒床を収容した。EP0557169で言及されたように触媒粒子は押出物であった。垂直管状反応器を十分に断熱し、断熱モードで操作した。反応器から出る気相を部分的に40℃の温度で凝縮し、液体還流を反応器から出る液相と混合して、水素化生成物を得た。淡黄色の水素化生成物が得られた。試料をこの水素化生成物から採取し、ISO6271に従って測定した場合、Pt−Co色は、Pt−Coスケールの120単位と測定された。
その結果、蒸留後の最終生成物は無色であった。試料をこの最終生成物から採取し、ISO6271に従って測定した場合、Pt−Co色は、Pt−Coスケールの20単位未満と測定された。最終生成物からのこの試料は、目視検査で無色の液体であった。

Claims (12)

  1. モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、任意選択で酸塩化物、任意選択で無水物および任意選択で酢酸を含む、実質的に水を含まない液体供給材料の精製方法であって、
    (a)水を液体供給材料に添加することによって、液体供給材料の全重量を基準にして、0.01〜5重量%の水を含む液体供給材料を得るステップと、
    (b)続いて、担体上に堆積した元素周期表の第VIII族の1種または複数の金属を含む固体不均一系水素化触媒の存在下で、ステップ(a)において得られる液体供給材料を水素源と接触させてジクロロ酢酸をモノクロロ酢酸に変換することによって、前記液体供給材料を接触水素化脱塩素工程に供するステップと
    を含む方法。
  2. ステップ(a)の前に、液体供給材料が、HClを用いて2〜10バールの圧力でストリッピングされる、請求項1に記載の方法。
  3. 不均一系触媒が、不均一系触媒の全重量を基準にして、0.1〜3重量%、好ましくは0.5〜2重量%の元素周期表の第VIII族の1種または複数の金属を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 不均一系触媒が、パラジウムおよび/または白金を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  5. 担体が、活性炭、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウムおよび酸化チタンからなる群から選択され、任意選択でイオウまたは1種もしくは複数のイオウ含有成分を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  6. ステップ(a)に供される液体供給材料が、0.01〜35重量%の酸塩化物を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  7. 接触水素化脱ハロゲン工程(b)に供される液体供給材料が、
    (i)60〜99.5重量%のモノクロロ酢酸、
    (ii)0.05〜20重量%、好ましくは2〜12重量%のジクロロ酢酸、
    (iii)0.1〜30重量%の酢酸、
    (iv)0.1〜5重量%の水、および
    (v)0〜5重量%の他の成分
    を、液体供給材料の全重量を基準にして合計100%まで含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  8. 水素化脱塩素工程が、固体不均一系水素化触媒を含む垂直管状反応器を用いて行われる、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  9. 固体不均一系触媒が固定触媒床に配置される、請求項8に記載の方法。
  10. 接触水素化脱ハロゲン工程(b)に供される液体供給材料が、垂直管状反応器の頂部に供給され、水素ガスまたは水素ガスと50モル%以下の不活性ガスとの混合物が、垂直管状反応器の頂部または底部に供給される、請求項9に記載の方法。
  11. 水素ガスまたは水素ガスと50モル%以下での不活性ガスとの混合物が、垂直管状反応器の頂部に供給され、垂直管状反応器の頂部の温度が100〜200℃であり、垂直管状反応器の頂部の圧力が0.2〜1.0MPaである、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 水素ガスまたは水素ガスと50モル%以下の不活性ガスとの混合物が、垂直管状反応器の底部に供給され、垂直管状反応器の頂部の温度が100〜200℃であり、垂直管状反応器の底部の圧力が0.2〜1.0MPaである、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
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