JP2020019773A - モノクロロ酢酸の精製のためのプロセス - Google Patents
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Abstract
Description
スに関する。
のようなプロセスは一般に公知であり、通常、液体酢酸(HAc)の混合物を無水条件下
、塩化アセチルを触媒として用いて塩素と反応させる反応器を使用する。塩化アセチルは
好ましくは、in situで、例えば無水酢酸の添加により生成される。塩素化反応器
内では、モノクロロ酢酸(MCA)及び気体のHClが副生成物と共に生成され、ジクロ
ロ酢酸(DCA)及びトリクロロ酢酸(TCA)が副生成物の例である。
を通過した後、DCAが相当量、典型的には約3〜10%存在する。MCA中のDCAの
量を減らすために、MCA/DCA含有生成物混合物は引き続き精製プロセスにかけられ
る。精製プロセスは、物理的分離、例えば結晶化又は蒸留、あるいは化学変換、例えば、
DCAが水素で、水素化触媒、例えば金属系触媒の存在下で還元される還元のいずれかに
することができる。
ため、蒸留によるDCAのMCAからの除去は費用がかかり、不経済である。
段階の再結晶化で約4分の1に、すなわち、例えば3重量%から0.7〜0.8重量%に
減らせるだけである。したがって、純粋なモノクロロ酢酸を製造するための空間及び時間
の要件は相当なものである。さらに、数回の結晶化の後、母液は依然としてモノクロロ酢
酸とジクロロ酢酸の混合物を含む。この母液は依然として、冷却条件に応じて少なくとも
30重量%のモノクロロ酢酸を含むが、さらに結晶化しても売り物になる製品に変換する
ことができず、廃棄物と見なさなければならない。
低下させることができることが公知である(例えば米国特許第5191118号及び米国
特許第5356850号による)。
69号及び独国特許第1072980号による)。あるいは、水素化脱塩素は液相中で、
例えば、触媒が液相中に細かく分散したスラリー反応器内で行われる(例えば米国特許第
2863917号、独国特許第1816931号及び国際公開第2008/025758
号による)。別の可能性は、未精製の液体モノクロロ酢酸を、これが固定床内に収められ
た不均一触媒の上を少しずつ流れ落ちる垂直管型反応器の上部に供給する一方、水素を垂
直管型反応器の上部又は底部に供給することである(例えば米国特許第3754029号
、ロシア国特許第2318796号又はロシア国特許第2391331号による)。これ
らの反応器は一般に、トリクルベッド反応器として公知である。
ロ酢酸、任意選択で酢酸及び/又はトリクロロ酢酸を含む液体フィードの塩化水素処理(
hydrochlorination)のためのプロセスが記載されている。フィードは、これを固定触媒
床内に置かれた固体の不均一水素化触媒の存在下、水素の源と接触させることにより触媒
塩化水素処理工程にかけられる。
ジウムを含む。この触媒は使用中にかなり速く失活して、変換率の低下を招くことが明ら
かになっている。これは反応温度を上げることによって阻止し得るが、余分なエネルギー
コストとは別に、これは、副生成物、例えば、縮合生成物及び他の重い化合物、例えばグ
リコール酸モノクロロアセテートを生じる恐れのあるアルデヒドの生成の増加も招く。さ
らに、触媒の失活は、ある時点で触媒の交換につながる。これは、製造ロスにつながるユ
ニットのダウンタイムの原因となる。
III族貴金属を含む触媒を使用する水素化脱塩素による、モノクロロ酢酸及びジクロロ
酢酸を含むフィードの精製のためのプロセスが必要とされている。本発明は、このような
プロセスを提供する。
あって、フィードが、これを、担体上の第VIII族貴金属を含む固体の不均一水素化触
媒の存在下、水素化脱塩素条件下で水素の源と接触させることにより触媒水素化脱塩素工
程にかけられてジクロロ酢酸をモノクロロ酢酸に変換し、この反応が、第VIII族、第
VIB族、第VIIB族及び第IIB族の非貴金属の群から選択される金属の塩を含む触
媒エンハンサーの存在下で行われることを特徴とする、プロセスに関する。
る金属の塩の存在が、(部分的に)失活した触媒の活性の増大及び/又は触媒の失活速度
の低下につながり、したがって、より長い生産サイクル、より短いダウンタイム、及び副
生成物のより少ない生成につながることが明らかになっている。
分的に可溶な少量のある種の化合物を添加することによる、ジハロカルボン酸の選択的な
水素化脱ハロゲン化のための貴金属触媒の活性化が記載されていることを述べておく。そ
の実施例には、トリエチルアミン、ピリジン、トリフェニルホスフィン、ブチルアセテー
ト、ブチルアルデヒド及びジイソブチルケトンを含む有機化合物のときに、リチウム、ナ
トリウム、カリウム及びアンモニウムのクロライド及びアセテートのような化合物が使用
されている。この参考文献は、触媒毒の使用を避けるべきであることを示し、避けるべき
化合物としてFe2+、Co2+及びNi2+を明示的に挙げている。したがって、これ
らの化合物の使用が実際に触媒の失活速度の低下につながることは特に驚くべきことであ
る。
脱塩素中の硫黄又は硫黄化合物の添加が記載されていることを述べておく。この文書は、
本発明において使用される特定の金属塩について何も述べていない。
水素がない状態で温度処理され、続いて蒸留工程にかけられる、低ジクロロ酢酸含有量の
モノクロロ酢酸を製造するための方法が記載されている。この参考文献には、本発明にお
いて行われる水素化脱塩素反応が記載されていない。
アンモニウムと組み合わせて、そこにハロゲン化物塩を取り込むことによって、水素化脱
塩素触媒の耐久性及び選択性を改善する処理が記載されている。この参考文献に記載され
ている脱塩素触媒は四塩化炭素のためのものである。
cid in drinking water by nanoscale palladized iron bimetallic particle, Journal
of Environmental Sciences 20 (2008), 945-951)は、浄水の文脈におけるパラジウム及
び鉄を含む触媒を使用した、水素がない状態でのモノクロロ酢酸の希薄水溶液中の脱塩素
について記載している。この参考文献には、モノクロロ酢酸中のジクロロ酢酸不純物の水
素化脱塩素が記載されていない。
媒及び触媒エンハンサーの存在下で水素の源と接触させることにより触媒水素化脱塩素さ
れる。
8th edition, 2007に記載のCASバージョン)の第VIII族、第VIB族、第VII
B族及び第IIB族の非貴金属の群から選択される金属の塩を含む触媒エンハンサーの存
在下で行われる。第VIII族、第VIB族、第VIIB族及び第IIB族の非貴金属の
群から選択される金属の塩は、本明細書において触媒エンハンサーとして表されることが
ある。明らかに触媒エンハンサーの組み合わせも使用されてもよい。
の金属はすべて二価及び三価状態で存在することができて、いずれのタイプも適している
。
の使用は、毒性の理由であまり好ましくないことがある。
らのうち、マンガンが好ましいと考えられる。
境上の理由であまり好ましくないことがある。したがって、この族内では、亜鉛の使用が
好ましいと考えられる。
ルト及び鉄のうちの1つ又はそれ以上の使用が特に好ましく、鉄2+及び/又は鉄3+の
塩の使用が本発明の好ましい実施形態である。
性があるが、既に系内に存在するアニオンを含む塩を使用するのが好ましい。したがって
、塩化物塩及び酢酸塩の使用が好ましいと考えられる。通常、反応系に可溶で、HSEの
観点から比較的安全な塩を使用するのが好ましい。
般的な状況により、エンハンサーを金属の形態で供給することもできるが、その理由は、
これにより、塩、特にアセテート及び/又はクロライドがin situで生成されるか
らである。
は、触媒エンハンサーが触媒に使用前に取り込まれる。別の実施形態では、触媒エンハン
サーが、使用中に、例えばフィードのスパイクにより触媒に取り込まれる。別の実施形態
では、触媒エンハンサーが、ある一定期間使用された後、例えば、反応条件下でない溶媒
に溶解した触媒に触媒エンハンサーを供給することによって触媒に取り込まれる。いくつ
かの手段を組み合わせてもよい。触媒エンハンサーの少なくとも一部が使用中、すなわち
反応条件下の触媒に供給されることが好ましい。
に基づいて、0.1〜3重量%の間、より好ましくは0.5〜2重量%の間の元素の周期
表の第VIII族の1つ又はそれ以上の金属を含む。好ましくは、不均一触媒は、ルテニ
ウム、ロジウム、パラジウム及び/又は白金を含む。より好ましくは、不均一触媒は、パ
ラジウム、白金又はこれらの組み合わせを含む。最も好ましくは、不均一触媒は、パラジ
ウムすなわちPd及び硫黄又は硫黄化合物のいずれかを含む。例えば、欧州特許第055
7169号又は欧州特許第0453690号に記載の触媒が本発明によるプロセスにおけ
る使用に適している。
、活性炭、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム及び酸化チタンからなる群から選択され
る。活性炭が最も好ましい。担体は、硫黄又は(事実上、有機又は無機いずれかの)硫黄
含有成分を含んでもよい。
実施形態において、触媒は、好ましくは、800マイクロメートル(ミクロン)未満、と
りわけ500マイクロメートル(ミクロン)未満の直径粒子サイズを有する粉末の形態で
ある。1つの実施形態では、触媒は、少なくとも5マイクロメートル(ミクロン)、特に
少なくとも10マイクロメートル(ミクロン)の直径粒子サイズを有する。1つの実施形
態では、触媒は、50〜300マイクロメートル(ミクロン)の直径粒子サイズを有する
。
この場合、触媒は、粒子全体にわたって、例えば、少なくとも0.8mmの平均直径を有
してもよい。粒子は、不規則な形状の顆粒、球、環、円柱、三葉、四葉又は他の押出物の
形態でもよい。より好ましくは、前記粒子は、0.8〜3mmの間の直径及び1〜10m
mの間の長さを有する押出物、三葉又は四葉の形態である。
酸を含む。任意選択で、フィードはトリクロロ酢酸を含んでもよい。トリクロロ酢酸が存
在する場合、この化合物も反応条件下でジクロロ酢酸及び/又はモノクロロ酢酸に水素化
脱塩素することが可能である。1つの実施形態では、フィードは、30〜99.5重量%
の間のモノクロロ酢酸、特に60〜99.5重量%の間のモノクロロ酢酸、及び0.05
〜70重量%の間、好ましくは0.05〜50重量%の間、より好ましくは0.05〜2
0重量%の間、とりわけ1〜12重量%の間のジクロロ酢酸、及び0〜5重量%の間、特
に0〜2重量%の間のトリクロロ酢酸を含む。
。本明細書の文脈において、モノクロロ酢酸の工業的製造は、年間少なくとも1,000
メートルトンのモノクロロ酢酸の能力を有するプラント及び/又は少なくとも0.25m
3の容積を有する水素化脱塩素反応器を使用するプロセスにおけるモノクロロ酢酸の製造
を指すことを意図する。
合、本発明において好ましいように、連続運転が好ましい。触媒が液相中に懸濁している
場合、バッチモード運転が好ましいこともある。
らかであるので、本発明はまた、
第1の工程において、フィードが、これを、担体上の第VIII族貴金属を含む固体の
不均一水素化触媒の存在下、水素化脱塩素条件下で水素の源と接触させることにより触媒
水素化脱塩素工程にかけられ、
第2の工程において、触媒が、第VIII族、第VIB族、第VIIB族及び第IIB
族の非貴金属の群から選択される金属の塩を含む触媒エンハンサーと接触し、そこで前記
塩を取り込み、
第3の工程において、フィードが、これを、水素化脱塩素条件下の担体上の第VIII
族貴金属を含む固体の不均一水素化触媒並びに第VIII族、第VIB族、第VIIB族
及び第IIB族の非貴金属の群から選択される金属の塩を含む触媒エンハンサーの存在下
、水素の源と接触させることにより触媒水素化脱塩素工程にかけられ、第2及び第3の工
程が必要に応じて繰り返されてもよい、モノクロロ酢酸及びジクロロ酢酸を含むフィード
の精製のためのプロセスにも関する。
よい。
よい。第2の工程が水素化脱塩素条件下で行われる場合、本発明は、モノクロロ酢酸及び
ジクロロ酢酸を含むフィードの精製のためのプロセスであって、フィードが、これを、担
体上の第VIII族貴金属を含む固体の不均一水素化触媒の存在下、水素化脱塩素条件下
で水素の源と接触させることにより触媒水素化脱塩素工程にかけられてジクロロ酢酸をモ
ノクロロ酢酸に変換し、第VIII族、第VIB族、第VIIB族及び第IIB族の非貴
金属の群から選択される金属の塩を含む触媒エンハンサーが反応混合物に断続的又は連続
的に添加される、プロセスに関する。
は、
(i)30〜99.5重量%の間のモノクロロ酢酸、特に60〜99.5重量%の間の
モノクロロ酢酸と、
(ii)0.05〜70重量%の間、好ましくは0.05〜50重量%の間、より好ま
しくは0.05〜20重量%の間、とりわけ1〜12重量%の間のジクロロ酢酸と、
(iii)0〜30重量%の間の酢酸と、
(iv)0〜20重量%の間、好ましくは0.1〜10重量%の間、より好ましくは0
.1〜5重量%の間の水、特に0.1〜1重量%の間の水、最も好ましくは0.1〜0.
5重量%の間の水と、及び
(v)0〜5重量%の間の他の成分とを、
液体フィードの全重量に基づいて合計100%まで含む。
ン酸が含まれてもよい。水の存在によって、酸クロライドは前記液体フィード中に存在し
得ないことを述べておく。
応するモノクロロ酢酸製造プラントのセクションから得られる。触媒は、好ましくは塩化
アセチルであり、これはin situで無水酢酸の添加により生成されてもよい。依然
としてこのフィード中に存在する可能性のある残留塩化アセチルは、水の添加により加水
分解される。このようなフィードは、典型的には、3〜10重量%のジクロロ酢酸を含む
。
クロロ酢酸結晶化段階からの母液を含む。フィードは、例えば、少なくとも30重量%の
ジクロロ酢酸、例えば、30〜70重量%のジクロロ酢酸を含んでもよい。
なくとも50モル%の水素ガスを含むガス、及び反応を妨げない残余の別の成分にするこ
とができる。このような別の成分の例には、不活性ガス、例えば窒素及びアルゴン、並び
に塩酸が含まれる。
る前に触媒に添加される。しかし、触媒エンハンサーを液体フィードに処理中に添加する
ことが好ましいことが明らかになった。その理由は、これによって触媒エンハンサーの触
媒からの浸出を阻止できるからである。
に行われてもよい。いずれの実施形態もそれらの利点を有する。連続的な添加は、均質な
プロセスが可能になる;断続的な添加は、観察される触媒の失活に合わせることが可能に
なる。
イクログラム/kg〜10g/kgの量で存在する。厳密なレベルは、観察される触媒の
失活及びスパイクの期間に左右される。好ましい実施形態において、対応する金属は、1
〜5000mg/kgの量で存在する。さらに好ましい実施形態において、対応する金属
は、2〜2000mg/kgの量で存在する。最も好ましい実施形態において、金属は、
5〜500mg/kgの量で存在する。
加することによってプロセスに添加することができる。触媒エンハンサーは、反応器に別
の流れとして添加されてもよい。触媒エンハンサーが反応器に供給される形態は重要では
ない。触媒エンハンサーは、例えば、溶液又は分散物の形態で適切に供給することができ
る。溶液の使用が好ましい。
表の第VIII族の1つ又はそれ以上の金属を含む固体の不均一水素化触媒と接触させる
のに適したさまざまな反応器タイプにおいて実施されてもよい。このような反応器の例は
、触媒が液相中に懸濁したもの、例えばスラリー反応器、及び触媒が固定床内に置かれた
ものである。適した反応温度は、例えば、100℃〜200℃、特に145℃〜175℃
の範囲になり得、圧力は、例えば、0.1MPa〜1.0MPa、特に0.2〜1.0M
Pa、より好ましくは0.3〜0.6MPaで変化し得る。固定床反応器については、温
度及び圧力の値は、反応器の上部における条件を表す。
又はエジェクターも駆動し得る外部のスラリーリサイクル(例えば、中国特許第1015
28657号に述べられている。)によって撹拌される反応器を含む。
上部に供給され、水素流は並流又は向流である。別の実施形態では、液体フィードが、固
定床反応器の底部に供給され、水素流は並流である。
、液体フィードが反応器の上部に供給され、反応器の底部まで少しずつ流れ落ちることを
意味する。この実施形態では、水素フィードの並流供給が好ましいと考えられる。
も表される。)内の上述の固体の不均一水素化触媒を含む垂直管型反応器を使用して行わ
れる。本実施形態において、本発明による触媒水素化脱塩素プロセスにかけられる液体フ
ィードは、垂直管型反応器の上部に供給される。水素ガス又は水素ガスの混合物及び最大
50モル%の不活性ガスが、好ましくは、垂直管型反応器の上部に供給される(液体フィ
ードを伴う並流下降流を生じる)。水素ガス又は水素ガスの混合物及び最大50モル%の
不活性ガスは、垂直管型反応器の底部から(すなわち、液体フィードを伴う向流で)供給
することもできる;しかし、運転ウィンドウがより小さい(すなわち、反応器の能力がフ
ラッディングによって制限される。)ため、並流下降流の実施形態が好ましい。
は前記反応器の水平断面1平方メートルあたり1〜10kg/sの間の空塔質量速度で供
給される(空塔質量速度(kg/m2/s)という用語は、質量流量を前記反応器の水平
断面積で割ったものを指す)。好ましくは、液体フィードは、前記垂直管型反応器の上部
に、前記反応器の水平断面1平方メートルあたり少なくとも2kg/sの空塔質量速度で
、より好ましくは前記反応器の水平断面1平方メートルあたり少なくとも2.5kg/s
の空塔質量速度で、最も好ましくは前記反応器の水平断面1平方メートルあたり少なくと
も3kg/sの空塔質量速度で供給される。好ましくは、液体フィードは、前記垂直管型
反応器の上部に、前記反応器の水平断面1平方メートルあたり最大でも8kg/sの空塔
質量速度で、より好ましくは前記反応器の水平断面1平方メートルあたり最大でも7kg
/sの空塔質量速度で、最も好ましくは前記反応器の水平断面1平方メートルあたり最大
でも6kg/sの空塔質量速度で供給される。
管型反応器の水平断面1平方メートルあたり少なくとも0.025Nm3/sの空塔ガス
速度で、より好ましくは垂直管型反応器の水平断面1平方メートルあたり少なくとも0.
035Nm3/sの空塔ガス速度で、最も好ましくは垂直管型反応器の水平断面1平方メ
ートルあたり少なくとも0.04Nm3/sの空塔ガス速度で供給される。
.25Nm3/sの空塔ガス速度で、より好ましくは垂直管型反応器の水平断面1平方メ
ートルあたり最大でも0.20Nm3/sの空塔ガス速度で、最も好ましくは垂直管型反
応器の水平断面1平方メートルあたり最大でも0.15Nm3/sの空塔ガス速度で供給
される。
くは145〜175℃の間に保たれる。垂直管型反応器の上部内の圧力は、好ましくは、
0.2〜1.0MPaの間に、好ましくは0.3〜0.6MPaの間に保たれる。1つの
実施形態では、固定床反応器は、0.4mを超える直径を有する。
& Nigam, “Trickle-bed reactors," Reviews in Chemical Engineering, 12, 3-4, 207
-347, 1996参照。)、不均一水素化触媒が置かれた固定床は、好ましくは、高密度充填技
術を用いて垂直管型反応器に不均一水素化触媒を充填することによって調製されている。
触媒床内の偏在は、反応器の性能及び稼働時間を大幅に低下させることが公知である。高
密度充填技術は、垂直管型反応器に触媒の粒子が同時に前記反応器の断面全体にわたって
充填される従来の充填技術である。その結果、均一に充填され、他の反応器充填技術と比
べたときに密度が高い触媒床が得られる。周知の充填技術であるソック充填(sock loadi
ng)と比べたとき、触媒床の密度は、Gert Griffioen and Michel Wijbrands, “Caring
for Catalysts," Hydrocarbon Engineering, June 2010に記載されているように、平均で
少なくとも10%高くなった。本発明による触媒が高密度に充填された固定床は、例えば
、周知のDensicat(登録商標)又はCatapac(商標)技術を用いて調製す
ることができる。適した高密度充填法及び装置は、欧州特許第769462号、米国特許
第4051019号、米国特許第4159785号、欧州特許第0727250号、国際
公開第2008/109671号及び米国特許第5449501号に記載されている。
する。
底部出口弁及び加熱ジャケットを有する1.1リットルタンタル処理(tantalized)ス
テンレス鋼Buchi製オートクレーブにタンタル製ガス導入中空シャフトフラット6ブ
レードオープンタービンインペラ及び3つのバッフルを備え付けた。インペラの直径は4
5mm、反応器の直径に対するインペラ直径の比は0.54であった。タンタルワイヤー
メッシュでできた十字形のバスケットを撹拌機のシャフトに接続した。さらに、反応器に
、反応器からサンプルを採取するためのガラス浸漬管を、反応温度を制御するための熱電
対用にタンタル管を備え付けた。2つのガス供給ラインを、一方は窒素の導入のために、
他方は反応器のヘッドスペースへの水素の導入のために反応器に接続した。各ガス供給ラ
インにBrooks質量流量計を備え付けた。2つのタンタル還流冷却器(水道水を冷却
媒体として使用した。)を直列に配置して、反応器を出るガスを冷却し、凝縮物を反応器
に還流させた。反応器内の圧力を、2つの凝縮器の下流に設置した背圧弁により制御した
。背圧弁の下流で、オフガスを(真水で満たした)一連の洗浄瓶内に導いた。
モノクロロ酢酸の製造施設からの活性炭触媒上の使用済みPdを用いて行った。触媒は触
媒床の中央から採取し、すべての実験に十分な量で入手できた。
の上流にある水素化フィードタンク内の未精製のモノクロロ酢酸から採取した大きなサン
プル(すなわち、すべての実験に十分なサンプル)から実験用のさまざまな出発混合物を
採取した。このサンプル中のジクロロ酢酸の量を、Acros製の純粋なDCA(99+
%)を用いて約6%まで増やした。
0936)を反応混合物に酢酸中の溶液(酢酸1リットルあたり10グラムの無水塩化F
e(II))として添加した。
応器を周囲温度及び圧力の窒素でフラッシングして酸素を除去する。続いて、窒素供給を
遮断し、水素を、1.8Nl/h(Nlは、1atm及び0℃におけるガス体積である。
)の流量で周囲温度及び圧力で一晩供給する。反応器を翌日、80℃の温度まで加熱する
。この温度に達したら、反応混合物を反応器に添加する。続いて、ゆっくり撹拌しながら
反応混合物の温度を150℃まで上げる。この温度に達したら、水素流を46Nl/hま
で増やし、圧力を2.5barに調整し、撹拌機速度を1,000rpmまで上げる。サ
ンプルを反応混合物から採取して、時間に伴うジクロロ酢酸濃度の変化を分析する。
タンタル製バスケットを12.02グラムの触媒で満たし、反応器を725グラムの出
発混合物で満たして、上述の通り操作した。塩化鉄は添加しなかった。
タンタル製バスケットを13.37グラムの触媒で満たし、反応器を716グラムの出
発混合物で満たして、上述の通り操作した。塩化鉄(II)を、出発混合物1kgあたり
4.9mg FeCl2の量(2.2mg/kg Fe)まで溶液に添加した。
タンタル製バスケットを14.27グラムの触媒で満たし、反応器を723グラムの出
発混合物で満たして、上述(decribed above)の通り操作した。塩化鉄(II)を、出発
混合物1kgあたり14.5mg FeCl2の量(6.4mg/kg Fe)まで溶液に
添加した。
タンタル製バスケットを13.97グラムの触媒で満たし、反応器を724グラムの出
発混合物で満たして、上述の通り操作した。塩化鉄(II)を、出発混合物1kgあたり
27.7mg FeCl2の量(12.2mg/kg Fe)まで溶液に添加した。
タンタル製バスケットを14.00グラムの触媒で満たし、反応器を729グラムの出
発混合物で満たして、上述の通り操作した。塩化鉄(II)を、出発混合物1kgあたり
55.2mg FeCl2の量(24.3mg/kg Fe)まで溶液に添加した。
タンタル製バスケットを14.00グラムの触媒で満たし、反応器を735グラムの出
発混合物で満たして、上述の通り操作した。塩化鉄(II)を、出発混合物1kgあたり
110mg FeCl2の量(48.4mg/kg Fe)まで添加した。
さまざまな実験のDCA濃度(モル/m3)を図1に示した。図から見て分かる通り、
低下したDCA濃度から見て分かる通り、塩化鉄(II)の添加は改善されたDCA変換
率につながる。より多くの塩化鉄(II)が添加されると、DCA変換率はさらに改善さ
れる。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
モノクロロ酢酸及びジクロロ酢酸を含むフィードの精製プロセスであって、
担体上の第VIII族貴金属を含む固体不均一水素化触媒の存在下、水素化脱塩素条件の下、前記フィードを水素源と接触させることにより、前記フィードが触媒水素化脱塩素工程にかけられて、ジクロロ酢酸をモノクロロ酢酸に変換し、
前記反応が、第VIII族、第VIB族、第VIIB族及び第IIB族の非貴金属の群から選択される金属の塩を含む触媒エンハンサーの存在下で行われる、プロセス。
項2.
前記不均一触媒が、前記不均一触媒の全重量に基づいて、0.1〜3重量%、好ましくは0.5〜2重量%の元素周期表第VIII族の1つ又はそれ以上の貴金属を含む、項1に記載のプロセス。
項3.
前記担体が、活性炭、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム及び酸化チタンからなる群から選択され、且つ任意選択で、硫黄あるいは1つ又はそれ以上の硫黄含有成分を含む、項1又は2に記載のプロセス。
項4.
前記不均一触媒が、元素周期表第VIII族の貴金属としてパラジウム及び/又は白金を含む、項1から3のいずれか一項に記載のプロセス。
項5.
前記触媒エンハンサーが、ニッケル、コバルト、鉄、モリブデン、タングステン、マンガン又は亜鉛のうちの1つ又はそれ以上の1つ又はそれ以上の塩、好ましくはニッケル、コバルト又は鉄のうちの1つ又はそれ以上の、より好ましくは鉄の、1つ又はそれ以上の塩を含む、項1から4のいずれか一項に記載のプロセス。
項6.
前記塩が、塩化物塩及び酢酸塩のうちの1つ又はそれ以上を含む、項1から5のいずれか一項に記載のプロセス。
項7.
前記触媒エンハンサーが、反応中の前記フィードへの添加を通じて前記プロセスに供給される、項1から6のいずれか一項に記載のプロセス。
項8.
前記触媒エンハンサーが、反応条件下でない前記触媒への添加を通じて前記プロセスに供給される、項1から6のいずれか一項に記載のプロセス。
項9.
第1工程において、担体上の第VIII族貴金属を含む固体不均一水素化触媒の存在下、水素化脱塩素条件の下、前記フィードを水素源と接触させることにより、前記フィードが触媒水素化脱塩素工程にかけられ、
第2工程において、前記触媒が、第VIII族、第VIB族、第VIIB族及び第IIB族の非貴金属の群から選択される金属の塩を含む触媒エンハンサーと接触し、そこで前記塩を取り込み、
第3工程において、水素化脱塩素条件の下、担体上の第VIII族貴金属を含む固体不均一水素化触媒並びに第VIII族、第VIB族、第VIIB族及び第IIB族の非貴金属の群から選択される金属の塩を含む触媒エンハンサーの存在下、前記フィードを水素源と接触させることにより、前記フィードが触媒水素化脱塩素工程にかけられ、
前記第2及び第3の工程が必要に応じて繰り返されてもよい、項1から8のいずれか一項に記載のプロセス。
項10.
触媒エンハンサーが前記第1工程にも存在する、項9に記載のプロセス。
項11.
触媒エンハンサーが前記第1工程に存在しない、項9に記載のプロセス。
項12.
前記触媒が前記液体フィード中に懸濁した、項1から11のいずれか一項に記載のプロセス。
項13.
担体上に堆積した元素周期表第VIII族の1つ又はそれ以上の金属を含む固体不均一水素化触媒の存在下で、モノクロロ酢酸及びジクロロ酢酸を含む液体フィードを水素源と接触させることにより、前記液体フィードが触媒水素化脱塩素工程にかけられて、前記ジクロロ酢酸をモノクロロ酢酸に変換し、
前記触媒水素化脱塩素工程が垂直管型反応器内で行われ、
前記固体不均一水素化触媒が固定触媒床内に置かれ、
前記液体フィードが、前記垂直管型反応器の水平断面1平方メートルあたり1〜10kg/sの空塔質量速度及び前記触媒床1m3あたり250〜3,000kg/hrの速度で前記垂直管型反応器の上部に供給され、
前記水素源が、前記垂直管型反応器の水平断面1平方メートルあたり0.025〜0.25Nm3/sの空塔ガス速度で前記垂直管型反応器の上部又は底部に供給され、
それによって前記触媒床1メートルあたり少なくとも2kPaの平均軸方向圧力勾配を得、
前記垂直管型反応器の前記上部内の温度が100〜200℃であり、
前記垂直管型反応器の前記上部内の圧力が0.2〜1.0MPaである、
項1から11のいずれか一項に記載のプロセス。
項14.
前記空塔質量速度が、前記垂直管型反応器の水平断面1平方メートルあたり2.5〜6kg/sである、項13に記載のプロセス。
項15.
前記フィードが、
30〜99.5重量%のモノクロロ酢酸、特に60〜99.5重量%のモノクロロ酢酸と、
0.05〜70重量%、好ましくは0.05〜50重量%、より好ましくは0.05〜20重量%、とりわけ1〜12重量%のジクロロ酢酸と、
0〜30重量%の酢酸と、
0〜20重量%の水、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%、特に0.1〜1重量%の水、最も好ましくは0.1〜0.5重量%の水と、
0〜5重量%の他成分とを、
前記液体フィードの全重量に基づいて合計100%まで含む、項1から14のいずれか一項に記載のプロセス。
Claims (15)
- モノクロロ酢酸及びジクロロ酢酸を含むフィードの精製プロセスであって、
担体上の第VIII族貴金属を含む固体不均一水素化触媒の存在下、水素化脱塩素条件
の下、前記フィードを水素源と接触させることにより、前記フィードが触媒水素化脱塩素
工程にかけられて、ジクロロ酢酸をモノクロロ酢酸に変換し、
前記反応が、第VIII族、第VIB族、第VIIB族及び第IIB族の非貴金属の群
から選択される金属の塩を含む触媒エンハンサーの存在下で行われる、プロセス。 - 前記不均一触媒が、前記不均一触媒の全重量に基づいて、0.1〜3重量%、好ましく
は0.5〜2重量%の元素周期表第VIII族の1つ又はそれ以上の貴金属を含む、請求
項1に記載のプロセス。 - 前記担体が、活性炭、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム及び酸化チタンからなる群
から選択され、且つ任意選択で、硫黄あるいは1つ又はそれ以上の硫黄含有成分を含む、
請求項1又は2に記載のプロセス。 - 前記不均一触媒が、元素周期表第VIII族の貴金属としてパラジウム及び/又は白金
を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のプロセス。 - 前記触媒エンハンサーが、ニッケル、コバルト、鉄、モリブデン、タングステン、マン
ガン又は亜鉛のうちの1つ又はそれ以上の1つ又はそれ以上の塩、好ましくはニッケル、
コバルト又は鉄のうちの1つ又はそれ以上の、より好ましくは鉄の、1つ又はそれ以上の
塩を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のプロセス。 - 前記塩が、塩化物塩及び酢酸塩のうちの1つ又はそれ以上を含む、請求項1から5のい
ずれか一項に記載のプロセス。 - 前記触媒エンハンサーが、反応中の前記フィードへの添加を通じて前記プロセスに供給
される、請求項1から6のいずれか一項に記載のプロセス。 - 前記触媒エンハンサーが、反応条件下でない前記触媒への添加を通じて前記プロセスに
供給される、請求項1から6のいずれか一項に記載のプロセス。 - 第1工程において、担体上の第VIII族貴金属を含む固体不均一水素化触媒の存在下
、水素化脱塩素条件の下、前記フィードを水素源と接触させることにより、前記フィード
が触媒水素化脱塩素工程にかけられ、
第2工程において、前記触媒が、第VIII族、第VIB族、第VIIB族及び第II
B族の非貴金属の群から選択される金属の塩を含む触媒エンハンサーと接触し、そこで前
記塩を取り込み、
第3工程において、水素化脱塩素条件の下、担体上の第VIII族貴金属を含む固体不
均一水素化触媒並びに第VIII族、第VIB族、第VIIB族及び第IIB族の非貴金
属の群から選択される金属の塩を含む触媒エンハンサーの存在下、前記フィードを水素源
と接触させることにより、前記フィードが触媒水素化脱塩素工程にかけられ、
前記第2及び第3の工程が必要に応じて繰り返されてもよい、請求項1から8のいずれ
か一項に記載のプロセス。 - 触媒エンハンサーが前記第1工程にも存在する、請求項9に記載のプロセス。
- 触媒エンハンサーが前記第1工程に存在しない、請求項9に記載のプロセス。
- 前記触媒が前記液体フィード中に懸濁した、請求項1から11のいずれか一項に記載の
プロセス。 - 担体上に堆積した元素周期表第VIII族の1つ又はそれ以上の金属を含む固体不均一
水素化触媒の存在下で、モノクロロ酢酸及びジクロロ酢酸を含む液体フィードを水素源と
接触させることにより、前記液体フィードが触媒水素化脱塩素工程にかけられて、前記ジ
クロロ酢酸をモノクロロ酢酸に変換し、
前記触媒水素化脱塩素工程が垂直管型反応器内で行われ、
前記固体不均一水素化触媒が固定触媒床内に置かれ、
前記液体フィードが、前記垂直管型反応器の水平断面1平方メートルあたり1〜10k
g/sの空塔質量速度及び前記触媒床1m3あたり250〜3,000kg/hrの速度
で前記垂直管型反応器の上部に供給され、
前記水素源が、前記垂直管型反応器の水平断面1平方メートルあたり0.025〜0.
25Nm3/sの空塔ガス速度で前記垂直管型反応器の上部又は底部に供給され、
それによって前記触媒床1メートルあたり少なくとも2kPaの平均軸方向圧力勾配を
得、
前記垂直管型反応器の前記上部内の温度が100〜200℃であり、
前記垂直管型反応器の前記上部内の圧力が0.2〜1.0MPaである、
請求項1から11のいずれか一項に記載のプロセス。 - 前記空塔質量速度が、前記垂直管型反応器の水平断面1平方メートルあたり2.5〜6
kg/sである、請求項13に記載のプロセス。 - 前記フィードが、
30〜99.5重量%のモノクロロ酢酸、特に60〜99.5重量%のモノクロロ酢酸
と、
0.05〜70重量%、好ましくは0.05〜50重量%、より好ましくは0.05〜
20重量%、とりわけ1〜12重量%のジクロロ酢酸と、
0〜30重量%の酢酸と、
0〜20重量%の水、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量
%、特に0.1〜1重量%の水、最も好ましくは0.1〜0.5重量%の水と、
0〜5重量%の他成分とを、
前記液体フィードの全重量に基づいて合計100%まで含む、請求項1から14のいず
れか一項に記載のプロセス。
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