JP2014511223A5 - - Google Patents

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脈管・体内導管を治療するデバイスおよび方法
本出願は、2011年11月23日に出願された米国特許出願第13/303,890号の優先権を主張するとともに、その出願の一部継続出願であり、その一部継続出願は、2011年2月4日に出願された米国特許出願第13/021,364号の一部継続出願であり、その一部継続出願は、2010年7月8日に出願された米国特許出願第12/832,857号の一部継続出願であり、その一部継続出願は、2009年12月21日に出願された米国特許出願第12/643,942号の一部継続出願であり、その一部継続出願は、2009年10月5日に出願された米国特許出願第12/573,676号の一部継続出願であり、その一部継続出願は、2009年7月8日に出願された米国特許出願第12/499,713号の一部継続出願である。
本出願は、体内の脈管(vasculature)および他の導管(duct、ダクト)を治療するデバイスおよび方法に関する。
自己拡張性(外力なしで自ら拡径する性質)を有する人工器官、例えば、ステント、被覆ステント、脈管(vascular、血管)グラフト(移植片)、フロー・ダイバータ(flow diverter)などのようなものが、体内の導管(ダクト)を治療するために開発されてきた。それら人工器官のうちの多くは、脈管内の障害物(blockages、塞栓、血栓)および脳内に発生する動脈瘤(aneurysms)を治療するために開発されてきた。必要とするのは、脈管および他の体内導管の治療、例えば、動脈瘤、狭窄部(stenoses)、塞栓性閉塞(embolic obstructions)などのようなものの治療の改善された方法およびデバイスである。
一実施態様によれば、脈管または体内導管を治療するデバイスが提供され、
そのデバイスは、長手状の自己拡張(expandable、拡径)部材を有し、
その自己拡張部材は、第1送給位置から第2留置位置まで移動することが可能であり、
前記自己拡張部材は、前記第1送給位置においては、非拡張状態にあるとともに、第1公称(nominal、代表、平均)直径を有するが、前記第2留置位置においては、半径方向に拡張された半径方向拡張状態にあるとともに、第2公称(nominal、代表、平均)直径を有しており、
その第2公称直径は、患者の前記体内導管または脈管内での展開(deployment、配置、配備、留置)のために、前記第1公称直径より大きく、
前記自己拡張部材は、複数のセル構造体を有し、
前記自己拡張部材は、近位(proximal、術者に近い位置)端(end、エンド)を有する近位端部(end portion、エンド・ポーション)と、筒状を成す本体部と、遠位(distal、術者から遠い位置)端(end、エンド)を有する遠位端部とを有し、
前記本体部に位置する複数のセル構造体は、前記自己拡張部材の長軸(longitudinal axis、縦軸)まわりを全周にわたって(circumferentially、全周的)延びる一方、前記近位端部および前記遠位端部に位置する複数のセル構造体は、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に(less than circumferentially、部分周的に)延びており、
前記近位端部において最も外側に位置するセル構造体は、最も近位寄りに位置する、直線的である複数の直線ウォール(wall、壁)・セグメントである最近位直線ウォール・セグメントを有し、
それら最近位直線ウォール・セグメントは、2次元平面展開図で見ると、第1および第2の、実質的に直線的である複数の直線レール(rail)・セグメントを形成し、
それら直線レール・セグメントは、それぞれ、前記自己拡張部材のうちの、前記最も近位寄りの端上にあるかまたはそれに近接する位置から、前記筒状を成す本体部上にある遠位位置または前記本体部に近接する遠位位置まで延びている。
一実施態様においては、前記自己拡張部材は、その自己拡張部材の全体長さのうちの少なくとも一部であって前記近位端と前記遠位端との間に位置するものに沿って延びる長手状スリットを有する。
別の実施態様によれば、キットが提供され、
そのキットは、長手状のフレキシブルなワイヤを有し、そのワイヤは、近位端および遠位端を有し、
その遠位端に長手状の自己拡張部材が連結されており、
前記自己拡張部材は、第1送給位置から第2留置位置まで移動することが可能であり、
前記自己拡張部材は、前記第1送給位置においては、非拡張状態にあるとともに、第1公称直径を有するが、前記第2留置位置においては、半径方向に拡張された半径方向拡張状態にあるとともに、第2公称直径を有しており、
その第2公称直径は、患者の体内導管または脈管内での展開のために、前記第1公称直径より大きく、
前記自己拡張部材は、複数のセル構造体を有し、
前記自己拡張部材は、近位端を有する近位端部と、筒状を成す本体部と、遠位端を有する遠位端部とを有し、
前記本体部に位置する複数のセル構造体は、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記近位端部および前記遠位端部に位置する複数のセル構造体は、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延びており、
前記近位端部において最も外側に位置するセル構造体は、最も近位寄りに位置する、直線的である複数の直線ウォール・セグメントである最近位直線ウォール・セグメントを有し、
それら最近位直線ウォール・セグメントは、2次元平面展開図で見ると、第1および第2の、実質的に直線的である複数の直線レール・セグメントを形成し、
それら直線レール・セグメントは、それぞれ、前記自己拡張部材のうちの、前記最も近位寄りの端上にあるかまたはそれに近接する位置から、前記筒状を成す本体部上にある遠位位置または前記本体部に近接する遠位位置まで延びており、
前記長手状のワイヤおよび前記自己拡張部材は、互いに連結されている状態で、第1長さ寸法を有しており、
当該キットは、さらに、送給カテーテルを有し、
その送給カテーテルは、第2長さ寸法を有するとともに、前記患者の前記脈管または体内導管内を誘導(navigate)されるために十分な柔軟性を有し、
前記送給カテーテルは、近位端と、遠位端と、内腔とを有し、
その内腔は、前記非拡張状態にある前記自己拡張部材を収容するのに十分な直径であって、前記非拡張状態にある前記自己拡張部材を、前記送給カテーテルの前記近位端から前記遠位端まで移動させることを可能にするものを有し、
前記第2長さ寸法は、前記第1長さ寸法より短く、それにより、前記自己拡張部材が前記送給カテーテルの前記遠位端を越えて遠位方向(distal、術者から遠ざかる方向であって、治療部位に接近する方向)に移動することが可能となり、それにより、前記自己拡張部材が、前記拡張状態となるように展開され、
前記送給カテーテルの前記遠位端および前記自己拡張部材は、前記自己拡張部材が前記送給カテーテルの前記遠位端の外側において部分的にまたは完全に展開される場合に、前記自己拡張部材が近位方向(proximal、術者に接近する方向)に進行して前記送給カテーテルの前記内腔内に格納されることを可能にするように構成されている。
一実施態様においては、前記自己拡張部材は、その自己拡張部材の全体長さのうちの少なくとも一部であって前記近位端と前記遠位端との間に位置するものに沿って延びる長手状スリットを有する。
一実施態様によれば、体内導管または脈管を治療するデバイスが提供され、
そのデバイスは、長手状の自己拡張部材を有し、その自己拡張部材は、第1送給位置から第2留置位置まで移動することが可能であり、
前記自己拡張部材は、前記第1送給位置においては、非拡張状態にあるとともに、第1公称直径を有するが、前記第2留置位置においては、半径方向に拡張された半径方向拡張状態にあるとともに、第2公称直径を有しており、
その第2公称直径は、患者の前記体内導管または脈管内での展開のために、前記第1公称直径より大きく、
前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメントを、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、互いに斜めに並ぶように対角的に配列された(diagonally disposed)複数のセル構造体を形成するように互いに連結された状態で、有しており、
前記自己拡張部材は、近位端部と、筒状を成す本体部と、遠位端部とを有し、
前記本体部に位置する複数のセル構造体は、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記近位端部および前記遠位端部に位置する複数のセル構造体は、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延びており、
前記近位端部において最も外側に位置するセル構造体は、最も近位寄りに位置する、直線的である複数の直線ウォール・セグメントである最近位直線ウォール・セグメントを有し、
それら最近位直線ウォール・セグメントは、2次元平面展開図で見ると、第1および第2の、実質的に直線的である複数の直線レール・セグメントを形成し、
それら直線レール・セグメントは、それぞれ、前記自己拡張部材のうちの、前記最も近位寄りの端上にあるかまたはそれに近接する位置から、前記筒状を成す本体部上にある遠位位置または前記本体部に近接する位置まで延びている。
一実施態様においては、前記自己拡張部材のうちの、前記最も近位寄りの端に、近位方向に延びる長手状のフレキシブルなワイヤが連結され、そのワイヤは、前記患者の前記脈管または体内導管内を誘導されるとともにそれら脈管または体内導管にアクセス(到達)するために十分な長さおよび柔軟性を有している。
別の実施態様によれば、脈管を治療するデバイスが提供され、
そのデバイスは、長手状の自己拡張部材を有し、
その自己拡張部材は、第1送給位置から第2留置位置まで移動することが可能であり、
前記自己拡張部材は、前記第1送給位置においては、非拡張状態にあるとともに、第1公称直径を有するが、前記第2留置位置においては、半径方向に拡張された半径方向拡張状態にあるとともに、第2公称直径を有しており、
その第2公称直径は、患者の脈管内での展開のために、前記第1公称直径より大きく、
前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメントを、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、前記自己拡張部材が前記非拡張状態から前記拡張状態に遷移するにつれて前記自己拡張部材の捩れが誘導されるように配置された複数のセル構造体を形成するように互いに連結された状態で、有しており、
前記自己拡張部材は、近位端部と、筒状を成す本体部と、遠位端部とを有し、
前記本体部に位置する複数のセル構造体は、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記近位端部および前記遠位端部に位置する複数のセル構造体は、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延びており、
前記近位端部において最も外側に位置するセル構造体は、最も近位寄りに位置する、直線的である複数の直線ウォール・セグメントである最近位直線ウォール・セグメントを有し、
それら最近位直線ウォール・セグメントは、2次元平面展開図で見ると、第1および第2の、実質的に直線的である複数の直線レール・セグメントを形成し、
それら直線レール・セグメントは、それぞれ、前記自己拡張部材の前記最も近位寄りの端上にあるかまたはそれに近接する位置から、前記筒状を成す本体部上にある遠位位置または前記本体部に近接する位置まで延びている。
一実施態様においては、前記自己拡張部材のうちの、前記最も近位寄りの端に、近位方向に延びる長手状のフレキシブルなワイヤが連結され、そのワイヤは、前記患者の前記脈管または体内導管内を誘導されるとともにそれら脈管または体内導管にアクセスするために十分な長さおよび柔軟性を有している。
別の実施態様によれば、体内導管または脈管を治療するデバイスが提供され、
そのデバイスは、長手状の自己拡張部材を有し、
その自己拡張部材は、第1送給位置から第2留置位置まで移動することが可能であり、
前記自己拡張部材は、前記第1送給位置においては、非拡張状態にあるとともに、第1公称直径を有するが、前記第2留置位置においては、半径方向に拡張された半径方向拡張状態にあるとともに、第2公称直径を有しており、
その第2公称直径は、患者の前記体内導管または脈管内での展開のために、前記第1公称直径より大きく、
前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメントを、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、互いに斜めに並ぶように対角的に配列された複数のセル構造体を形成するように互いに連結された状態で、有しており、
前記自己拡張部材は、筒状部と遠位端部とを有し、
前記筒状部に位置する複数のセル構造体は、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記遠位端部に位置する複数のセル構造体は、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延びており、
最も外側に位置するセル構造体は、前記筒状部において、複数の、最も近位寄りに位置する端点を有している。
前記自己拡張部材のうちの、最も近位寄りに位置する複数の端点のうちの一つまたは複数は、近位方向に延びる長手状のフレキシブルなワイヤを有し、
そのワイヤは、前記患者の前記脈管または体内導管内を誘導されるとともにそれら脈管または体内導管に到達するために十分な長さおよび柔軟性を有している。
別の実施態様によれば、キットが提供され、
そのキットは、長手状のフレキシブルなワイヤを有し、そのワイヤは、近位端および遠位端を有し、
その遠位端に長手状の自己拡張部材が連結されており、
前記自己拡張部材は、第1送給位置から第2留置位置まで移動することが可能であり、
前記自己拡張部材は、前記第1送給位置においては、非拡張状態にあるとともに、第1公称直径を有するが、前記第2留置位置においては、半径方向に拡張された半径方向拡張状態にあるとともに、第2公称直径を有しており、
その第2公称直径は、患者の体内導管または脈管内での展開のために、前記第1公称直径より大きく、
前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメントを、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、互いに斜めに並ぶように対角的に配列された複数のセル構造体を形成するように互いに連結された状態で、有しており、
前記自己拡張部材は、近位端を有する近位端部と、筒状を成す本体部と、遠位端を有する遠位端部とを有し、
前記本体部に位置する複数のセル構造体は、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記近位端部および前記遠位端部に位置する複数のセル構造体は、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延びており、
前記近位端部において最も外側に位置するセル構造体は、最も近位寄りに位置する、直線的である複数の直線ウォール・セグメントである最近位直線ウォール・セグメントを有し、
それら最近位直線ウォール・セグメントは、2次元平面展開図で見ると、第1および第2の、実質的に直線的である複数の直線レール・セグメントを形成し、
それら直線レール・セグメントは、それぞれ、前記自己拡張部材のうちの、前記最も近位寄りの端上にあるかまたはそれに近接する位置から、前記筒状を成す本体部上にある遠位位置または前記本体部に近接する遠位位置まで延びており、
前記長手状のワイヤおよび前記自己拡張部材は、互いに連結されている状態で、第1長さ寸法を有しており、
当該キットは、さらに、送給カテーテルを有し、
その送給カテーテルは、第2長さ寸法を有するとともに、前記患者の前記脈管または体内導管内を誘導されるために十分な柔軟性を有し、
前記送給カテーテルは、近位端と、遠位端と、内腔とを有し、
その内腔は、前記非拡張状態にある前記自己拡張部材を収容するのに十分な直径であって、前記非拡張状態にある前記自己拡張部材を、前記送給カテーテルの前記近位端から前記遠位端まで移動させることを可能にするものを有し、
前記第2長さ寸法は、前記第1長さ寸法より短く、それにより、前記自己拡張部材が前記送給カテーテルの前記遠位端を越えて遠位方向に移動することが可能となり、それにより、前記自己拡張部材が、前記拡張状態となるように展開され、
前記送給カテーテルの前記遠位端および前記自己拡張部材は、前記自己拡張部材が前記送給カテーテルの前記遠位端の外側において部分的にまたは完全に展開される場合に、前記自己拡張部材が近位方向に進行して前記送給カテーテルの前記内腔内に格納されることを可能にするように構成されている。
別の実施態様によれば、患者の管腔(vessel、血管)から塞栓(embolic obstruction、塞栓性閉塞)を除去する方法が提供され、
その方法は、
(a)送給カテーテルを前進させる(advance)工程であって、その送給カテーテルは、患者の頭蓋内脈管(intracranial vasculature、頭蓋内血管)内において前記塞栓が存在する部位(site)に対する近位端および遠位端を有する内腔を有し、それにより、前記内腔の前記遠位端が、前記塞栓に対して遠位側に位置し、前記内腔は、第1長さ寸法を有するものと、
(b)前記送給カテーテルの前記内腔の前記近位端内に塞栓回収デバイス(retrieval device、探索器具、回収器具)を導入する(introduce)とともに、長手状の自己拡張部材を前記内腔の前記遠位端まで前進させる(advance)工程であって、前記塞栓回収デバイスは、長手状のフレキシブルなワイヤを有し、そのワイヤは、近位端および遠位端を有し、その遠位端に前記自己拡張部材が連結されており、前記自己拡張部材は、第1送給位置から第2留置位置まで移動することが可能であり、前記自己拡張部材は、前記第1送給位置においては、非拡張状態にあるとともに、第1公称直径を有するが、前記第2留置位置においては、半径方向に拡張された半径方向拡張状態にあるとともに、第2公称直径を有しており、その第2公称直径は、患者の体内導管または脈管内での展開のために、前記第1公称直径より大きく、前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメントを、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、互いに斜めに並ぶように対角的に配列された複数のセル構造体を形成するように互いに連結された状態で、有しており、前記自己拡張部材は、近位端を有する近位端部と、筒状を成す本体部と、遠位端を有する遠位端部とを有し、前記本体部に位置する複数のセル構造体は、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記近位端部および前記遠位端部に位置する複数のセル構造体は、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延びており、前記近位端部において最も外側に位置するセル構造体は、最も近位寄りに位置する、直線的である複数の直線ウォール・セグメントである最近位直線ウォール・セグメントを有し、それら最近位直線ウォール・セグメントは、2次元平面展開図で見ると、第1および第2の、実質的に直線的である複数の直線レール・セグメントを形成し、それら直線レール・セグメントは、それぞれ、前記自己拡張部材のうちの、前記最も近位寄りの端上にあるかまたはそれに近接する位置から、前記筒状を成す本体部上にある遠位位置または前記本体部に近接する遠位位置まで延びており、前記長手状のワイヤおよび前記自己拡張部材は、互いに連結されている状態で、前記第1長さ寸法より長い第2長さ寸法を有するものと、
(c)前記送給カテーテルを、前記複数のセル構造体のうちの少なくとも一つが前記塞栓のうちの少なくとも一部を捕捉(entrap)するように前記自己拡張部材が展開するのに十分であるように近位方向に後退させる(retract)工程と、
(d)前記送給カテーテルおよび前記自己拡張部材を、近位方向に後退させて患者の体外に抜去する(retract)工程とを含んでいる。
別の実施態様においては、前記送給カテーテルおよび前記自己拡張部材が近位方向に後退させられて患者の体外に抜去される(retract)のに先立ち、前記自己拡張部材が部分的にまたは完全に前記送給カテーテルの前記内腔内に格納される(retract)。
別の実施態様によれば、デバイスが提供され、
そのデバイスは、長手状の自己拡張部材を有し、
その自己拡張部材は、第1送給位置から第2留置位置まで移動することが可能であり、
前記自己拡張部材は、前記第1送給位置においては、非拡張状態にあるとともに、第1公称直径を有するが、前記第2留置位置においては、半径方向に拡張された半径方向拡張状態にあるとともに、第2公称直径を有しており、
その第2公称直径は、患者の脈管または導管内での展開のために、前記第1公称直径より大きく、
前記自己拡張部材は、複数のセル構造体を有し、
前記自己拡張部材は、近位端を有する近位端部と、筒状を成す本体部とを有し、
前記本体部に位置する複数のセル構造体は、相手と交差するように連結される複数の第1交差ストラットを有するとともに、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延び、また、前記近位端部に位置する複数のセル構造体は、相手と交差するように連結される複数の第2交差ストラットを有するとともに、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延びており、
前記複数の第1交差ストラットのうちの少なくとも一部の厚さ寸法(半径方向寸法)の、幅寸法(周方向寸法)に対する比率は、1より大きい。
さらに別の実施態様によれば、デバイスが提供され、
そのデバイスは、送給ワイヤと、長手状の自己拡張部材とを有し、
その自己拡張部材は、第1送給位置から第2留置位置まで移動することが可能であり、
前記自己拡張部材は、前記第1送給位置においては、非拡張状態にあるとともに、第1公称直径を有するが、前記第2留置位置においては、半径方向に拡張された半径方向拡張状態にあるとともに、第2公称直径を有しており、
その第2公称直径は、患者の脈管または導管内での展開のために、前記第1公称直径より大きく、
前記自己拡張部材は、複数のセル構造体を有し、
前記自己拡張部材は、近位端を有する近位端部と、筒状を成す本体部とを有し、前記近位端は、その近位端から延びるようにその近位端と一体的に形成されたワイヤ・セグメントを有し、
そのワイヤ・セグメントの周囲にコイルが配置され、
そのコイルは、第1密巻きセグメントと、第2疎巻きセグメントであって少なくとも1つのギャップを有するものとを有し、
前記本体部に位置する複数のセル構造体は、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記近位端部に位置する複数のセル構造体は、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延びており、
前記ワイヤ・セグメントの近位端は、前記コイルの前記第2疎巻きセグメントの前記ギャップ内の接合剤(bonding agent)を用いて前記送給ワイヤの遠位端に連結される。
さらに別の実施態様によれば、デバイスが提供され、
そのデバイスは、送給ワイヤと、長手状の自己拡張部材とを有し、
その自己拡張部材は、第1送給位置から第2留置位置まで移動することが可能であり、
前記自己拡張部材は、前記第1送給位置においては、非拡張状態にあるとともに、第1公称直径を有するが、前記第2留置位置においては、半径方向に拡張された半径方向拡張状態にあるとともに、第2公称直径を有しており、
その第2公称直径は、患者の脈管または導管内での展開のために、前記第1公称直径より大きく、
前記自己拡張部材は、複数のセル構造体を有し、
前記自己拡張部材は、近位端を有する近位端部と、筒状を成す本体部とを有し、
前記本体部に位置する複数のセル構造体は、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記近位端部に位置する複数のセル構造体は、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延びており、
前記複数のセル構造体は、前記自己拡張部材が前記第1公称直径(非拡張状態)から最初に半径方向に約0.5mm拡張する初期直径拡張範囲内においては、前記自己拡張部材が半径方向に1mm拡張することを想定した場合に、前記自己拡張部材に作用する半径方向力が減少する量の、前記自己拡張部材の全長にわたる合計値が、約−1.5Nから約−3.5Nまでの範囲内となるとともに、前記初期直径拡張範囲に後続する直径範囲内においては、前記自己拡張部材が半径方向に1mm拡張することを想定した場合に、前記自己拡張部材に作用する半径方向力が減少する量の、前記自己拡張部材の全長にわたる合計値が、約−0.10Nから約−0.50Nまでの範囲内となる寸法特性および材料特性を有する。
一実施態様においては、前記長手状の自己拡張部材が、前記第2公称直径の最大設計値を有し、その最大設計値まで前記自己拡張部材が拡張したとき、その自己拡張部材に作用する半径方向力は、0より大きい。
さらに別の実施態様によれば、デバイスが提供され、
そのデバイスは、送給ワイヤと、長手状の自己拡張部材とを有し、
その自己拡張部材は、第1送給位置から第2留置位置まで移動することが可能であり、
前記自己拡張部材は、前記第1送給位置においては、非拡張状態にあるとともに、第1公称直径を有するが、前記第2留置位置においては、半径方向に拡張された半径方向拡張状態にあるとともに、第2公称直径を有しており、
その第2公称直径は、患者の脈管または導管内での展開のために、前記第1公称直径より大きく、
前記自己拡張部材は、複数のセル構造体を有し、
前記自己拡張部材は、近位端部と、筒状を成す本体部と、遠位端部とを有し、
前記本体部に位置する複数のセル構造体は、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記近位端部および前記遠位端部に位置する複数のセル構造体は、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延びており、
前記複数のセル構造体は、前記第1公称直径(非拡張状態)から最初に半径方向に約0.5mm拡張する初期直径拡張範囲内においては、前記自己拡張部材が半径方向に1mm拡張することを想定した場合に、前記自己拡張部材に作用する半径方向力が減少する量の、前記自己拡張部材の全長にわたる合計値が、約−1.5Nから約−3.5Nまでの範囲内となるとともに、前記初期直径拡張範囲に後続する直径範囲内においては、前記自己拡張部材が半径方向に1mm拡張することを想定した場合に、前記自己拡張部材に作用する半径方向力が減少する量の、前記自己拡張部材の全長にわたる合計値が、約−0.10Nから約−0.50Nまでの範囲内となる寸法特性および材料特性を有する。
一実施態様においては、前記長手状の自己拡張部材が、前記第2公称直径の最大設計値を有し、その最大設計値まで前記自己拡張部材が拡張したとき、その自己拡張部材に作用する半径方向力は、0より大きい。
別の実施態様によれば、血栓回収(clot retrieval)デバイスが提供され、
その血栓回収デバイスは、長手状の自己拡張部材を有し、
その自己拡張部材は、第1送給位置(first delivery position)から第2留置位置(second placement position)まで移動することが可能であり、
前記自己拡張部材は、前記第1送給位置においては、非拡張状態(unexpanded position)にあるとともに、第1公称直径(first nominal diameter)を有するが、前記第2留置位置においては、半径方向に拡張された半径方向拡張状態(radially expanded position、拡径状態)にあるとともに、第2公称直径(second nominal diameter)を有しており、
その第2公称直径は、患者の塞栓(embolic obstruction)内での展開(deployment、配備)のために、前記第1公称直径より大きく、
前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメント(undulating elements)を、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、互いに斜めに並ぶように対角的に配列された(diagonally disposed)複数のセル構造体(cell structure)を形成するように互いに連結された状態で、有しており、
前記自己拡張部材は、近位端部(proximal end portion)と筒状の本体部とを有し、
前記複数のセル構造体のうち、前記本体部に位置するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって(circumferentially)延びる一方、前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部に位置するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延び(less than circumferentially)、それにより、第1周縁レール(peripheral rail)および第2周縁レールであって、近位端セグメント(proximal end segment)および遠位端セグメント(distal end segment)を有するものを形成し、
前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部に位置するものは、前記第1周縁レールを形成するように配列された複数のセル構造体から成る第1セル構造体セットと、前記第2周縁レールを形成するように配列された複数のセル構造体から成る第2セル構造体セットと、前記第1周縁レールと前記第2周縁レールとの間に位置する複数のセル構造体から成る第3セル構造体セットとを有しており、
前記第1セル構造セットおよび前記第2セル構造体セットは、最も近位寄りに位置する最近位セル構造体(proximal-most cell structure)を両者に共通のものとして有しており、
前記複数のセル構造体のうち、前記本体部に位置するものは、複数のセル構造体から成る第4セル構造体セットを含み、
前記最近位セル構造体および前記第1セル構造体セットは、各々、筒状を成す(circumferential、周方向に延びる)とともに、最も外側に位置する(outer-most、長さ方向において最も外側に位置する)複数のストラット部材である周方向最外ストラット部材(outer-most strut member)であって前記第1周縁レールを規定するものを有しており、
前記最近位セル構造体および前記第2セル構造体セットは、各々、筒状を成す(circumferential、周方向に延びる)とともに、最も外側に位置する(outer-most、長さ方向において最も外側に位置する)複数のストラット部材である周方向最外ストラット部材であって前記第2周縁レールを規定するものを有しており、
前記複数の周方向最外ストラット部材のうちの少なくとも一部は、それぞれ互いに異なる幅寸法を有する(having different width dimensions)とともに、前記第1周縁レールおよび前記第2周縁レールが、前記近位端セグメントにおける第1幅寸法から、前記遠位端セグメントにおける第2幅寸法まで、長さに沿って変化する(vary)ように、配列されており、
前記第2幅寸法は、前記第1幅寸法より小さい。
一実施態様においては、前記第1周縁レールおよび前記第2周縁レールが、波状部(undulations)を有しておらず、かつ、前記第1幅寸法と前記第2幅寸法との間のパーセンテージ変化分(percentage change、百分率によって表現される変化率)が、約20.0%と約50.0%との間にある。
別の実施態様によれば、血栓回収(clot retrieval)デバイスが提供され、
その血栓回収デバイスは、長手状の自己拡張部材を有し、
その自己拡張部材は、第1送給位置から第2留置位置まで移動することが可能であり、
前記自己拡張部材は、前記第1送給位置においては、非拡張状態にあるとともに、第1公称直径を有するが、前記第2留置位置においては、半径方向に拡張された半径方向拡張状態にあるとともに、第2公称直径を有しており、
その第2公称直径は、患者の塞栓(embolic obstruction)内での展開(deployment、配備)のために、前記第1公称直径より大きく、
前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメントを、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、互いに斜めに並ぶように対角的に配列された複数のセル構造体を形成するように互いに連結された状態で、有しており、
前記自己拡張部材は、近位端部と筒状の本体部とを有し、
前記複数のセル構造体のうち、前記本体部に位置するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部に位置するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延び、それにより、第1周縁レール(rail)および第2周縁レールであって、近位端セグメントおよび遠位端セグメントを有するものを形成し、
前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部に位置するものは、前記第1周縁レールを形成するように配列された複数のセル構造体から成る第1セル構造体セットと、前記第2周縁レールを形成するように配列された複数のセル構造体から成る第2セル構造体セットと、前記第1周縁レールと前記第2周縁レールとの間に位置する複数のセル構造体から成る第3セル構造体セットとを有しており、
前記第1セル構造セットおよび前記第2セル構造体セットは、最も近位寄りに位置する最近位セル構造体を両者に共通のものとして有しており、
前記複数のセル構造体のうち、前記本体部に位置するものは、複数のセル構造体から成る第4セル構造体セットを含み、
前記最近位セル構造体および前記第1セル構造体セットは、各々、筒状を成す(circumferential、周方向に延びる)とともに、最も外側に位置する(outer-most、長さ方向において最も外側に位置する)複数のストラット部材である周方向最外ストラット部材であって前記第1周縁レールを規定するものを有しており、
前記最近位セル構造体および前記第2セル構造体セットは、各々、筒状を成す(circumferential、周方向に延びる)とともに、最も外側に位置する(outer-most、長さ方向において最も外側に位置する)複数のストラット部材である周方向最外ストラット部材であって前記第2周縁レールを規定するものを有しており、
前記複数の周方向最外ストラット部材のうちの少なくとも一部は、それぞれ互いに異なる幅寸法を有するとともに、前記第1周縁レールおよび前記第2周縁レールが、前記近位端セグメントにおける第1幅寸法から、前記遠位端セグメントにおける第2幅寸法まで、長さに沿って変化するように、配列されており、
前記第2幅寸法は、前記第1幅寸法より小さく、
前記第1幅寸法と前記第2幅寸法との間のパーセンテージ変化分(percentage change、百分率によって表現される変化率)が、約20.0%と約50.0%との間にあり、
前記第3セル構造体セットは、前記第2幅寸法より小さい第3幅寸法を有する複数のストラットを含み、
前記第4セル構造体セットは、前記第2幅寸法より小さい第4幅寸法を有する複数のストラットを含み、
前記第2幅寸法と前記第3幅寸法との間のパーセンテージ変化分(percentage change、パーセンテージ(百分率)によって表現される変化率)は、約10.0%と約25.0%との間にあり、
前記第2幅寸法と前記第4幅寸法との間のパーセンテージ変化分(percentage change、パーセンテージ(百分率)によって表現される変化率)は、約10.0%と約25.0%との間にある。
別の実施態様によれば、血栓回収(clot retrieval)デバイスが提供され、
その血栓回収デバイスは、長手状の自己拡張部材を有し、
その自己拡張部材は、第1送給位置から第2留置位置まで移動することが可能であり、
前記自己拡張部材は、前記第1送給位置においては、非拡張状態にあるとともに、第1公称直径を有するが、前記第2留置位置においては、半径方向に拡張された半径方向拡張状態にあるとともに、第2公称直径を有しており、
その第2公称直径は、患者の塞栓(embolic obstruction)内での展開(deployment、配備)のために、前記第1公称直径より大きく、
前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメントを、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、互いに斜めに並ぶように対角的に配列された複数のセル構造体を形成するように互いに連結された状態で、有しており、
前記自己拡張部材は、近位端部と筒状の本体部とを有し、
前記複数のセル構造体のうち、前記本体部に位置するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部に位置するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延び、それにより、第1周縁レール(rail)および第2周縁レールであって、近位端セグメントおよび遠位端セグメントを有するものを形成し、
前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部に位置するものは、前記第1周縁レールを形成するように配列された複数のセル構造体から成る第1セル構造体セットと、前記第2周縁レールを形成するように配列された複数のセル構造体から成る第2セル構造体セットと、前記第1周縁レールと前記第2周縁レールとの間に位置する複数のセル構造体から成る第3セル構造体セットとを有しており、
前記第1セル構造セットおよび前記第2セル構造体セットは、最も近位寄りに位置する最近位セル構造体を両者に共通のものとして有しており、
前記複数のセル構造体のうち、前記本体部に位置するものは、複数のセル構造体から成る第4セル構造体セットを含み、
前記最近位セル構造体および前記第1セル構造体セットは、各々、筒状を成す(circumferential、周方向に延びる)とともに、最も外側に位置する(outer-most、長さ方向において最も外側に位置する)複数のストラット部材である周方向最外ストラット部材であって前記第1周縁レールを規定するものを有しており、
前記最近位セル構造体および前記第2セル構造体セットは、各々、筒状を成す(circumferential、周方向に延びる)とともに、最も外側に位置する(outer-most、長さ方向において最も外側に位置する)複数のストラット部材である周方向最外ストラット部材であって前記第2周縁レールを規定するものを有しており、
前記複数の周方向最外ストラット部材のうちの少なくとも一部は、それぞれ互いに異なる幅寸法を有するとともに、前記第1周縁レールおよび前記第2周縁レールが、前記近位端セグメントにおける第1幅寸法から、前記遠位端セグメントにおける第2幅寸法まで、長さに沿って変化するように、配列されており、
前記第2幅寸法は、前記第1幅寸法より小さく、
前記第1幅寸法と前記第2幅寸法との間のパーセンテージ変化分(percentage change、百分率によって表現される変化率)が、約20.0%と約50.0%との間にあり、
前記第3セル構造体セットは、前記第2幅寸法より小さい第3幅寸法を有する複数のストラットを含み、
前記第4セル構造体セットは、前記第2幅寸法と実質的に等しい第4幅寸法を有する複数のストラットを含み、
前記第2幅寸法と前記第3幅寸法との間のパーセンテージ変化分(percentage change、パーセンテージ(百分率)によって表現される変化率)は、約10.0%と約25.0%との間にある。
別の実施態様によれば、血栓回収(clot retrieval)デバイスが提供され、
その血栓回収デバイスは、長手状の自己拡張部材を有し、
その自己拡張部材は、第1送給位置から第2留置位置まで移動することが可能であり、
前記自己拡張部材は、前記第1送給位置においては、非拡張状態にあるとともに、第1公称直径を有するが、前記第2留置位置においては、半径方向に拡張された半径方向拡張状態にあるとともに、第2公称直径を有しており、
その第2公称直径は、患者の塞栓(embolic obstruction)内での展開(deployment、配備)のために、前記第1公称直径より大きく、
前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメントを、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、互いに斜めに並ぶように対角的に配列された複数のセル構造体を形成するように互いに連結された状態で、有しており、
前記自己拡張部材は、近位端部と筒状の本体部とを有し、
前記複数のセル構造体のうち、前記本体部に位置するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部に位置するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延び、それにより、第1周縁レール(rail)および第2周縁レールであって、近位端セグメントおよび遠位端セグメントを有するものを形成し、
前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部に位置するものは、前記第1周縁レールを形成するように配列された複数のセル構造体から成る第1セル構造体セットと、前記第2周縁レールを形成するように配列された複数のセル構造体から成る第2セル構造体セットと、前記第1周縁レールと前記第2周縁レールとの間に位置する複数のセル構造体から成る第3セル構造体セットとを有しており、
前記第1セル構造セットおよび前記第2セル構造体セットは、最も近位寄りに位置する最近位セル構造体を両者に共通のものとして有しており、
前記複数のセル構造体のうち、前記本体部に位置するものは、複数のセル構造体から成る第4セル構造体セットと、複数のセル構造体から成る第5セル構造体セットとを含み、
前記最近位セル構造体および前記第1セル構造体セットは、各々、筒状を成す(circumferential、周方向に延びる)とともに、最も外側に位置する(outer-most、長さ方向において最も外側に位置する)複数のストラット部材である周方向最外ストラット部材であって前記第1周縁レールを規定するものを有しており、
前記最近位セル構造体および前記第2セル構造体セットは、各々、筒状を成す(circumferential、周方向に延びる)とともに、最も外側に位置する(outer-most、長さ方向において最も外側に位置する)複数のストラット部材である周方向最外ストラット部材であって前記第2周縁レールを規定するものを有しており、
前記複数の周方向最外ストラット部材のうちの少なくとも一部は、それぞれ互いに異なる幅寸法を有するとともに、前記第1周縁レールおよび前記第2周縁レールが、前記近位端セグメントにおける第1幅寸法から、前記遠位端セグメントにおける第2幅寸法まで、長さに沿って変化するように、配列されており、
前記第2幅寸法は、前記第1幅寸法より小さく、
前記複数のセル構造体のうち、前記第3セル構造体セットに位置するもののサイズと、前記複数のセル構造体のうち、前記第5セル構造体セットに位置するもののサイズとは、互いに実質的に等しく、
前記複数のセル構造体のうち、前記第4セル構造体セットに位置するもののサイズは、前記複数のセル構造体のうち、前記第3セル構造体セットに位置するもののサイズより大きく、
前記複数のセル構造体のうち、前記第3セル構造体セット、前記第4セル構造体セットおよび前記第5セル構造体セットに位置するものは、それぞれ、第3ストラット、第4ストラットおよび第5ストラットを含み、
それら第4スラットおよび第5ストラットのうちの少なくとも一部またはそれらのセグメントは、前記第3ストラット(複数の第3ストラット)の幅寸法より大きい幅寸法を有する。
別の実施態様によれば、血栓回収(clot retrieval)デバイスが提供され、
その血栓回収デバイスは、長手状の自己拡張部材を有し、
その自己拡張部材は、第1送給位置から第2留置位置まで移動することが可能であり、
前記自己拡張部材は、前記第1送給位置においては、非拡張状態にあるとともに、第1公称直径を有するが、前記第2留置位置においては、半径方向に拡張された半径方向拡張状態にあるとともに、第2公称直径を有しており、
その第2公称直径は、患者の塞栓(embolic obstruction)内での展開(deployment、配備)のために、前記第1公称直径より大きく、
前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメントを、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、互いに斜めに並ぶように対角的に配列された複数のセル構造体を形成するように互いに連結された状態で、有しており、
前記自己拡張部材は、近位端部と筒状の本体部とを有し、
前記複数のセル構造体のうち、前記本体部に位置するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部に位置するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延び、それにより、第1周縁レール(rail)および第2周縁レールであって、近位端セグメントおよび遠位端セグメントを有するものを形成し、
前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部に位置するものは、前記第1周縁レールを形成するように配列された複数のセル構造体から成る第1セル構造体セットと、前記第2周縁レールを形成するように配列された複数のセル構造体から成る第2セル構造体セットと、前記第1周縁レールと前記第2周縁レールとの間に位置する複数のセル構造体から成る第3セル構造体セットとを有しており、
前記第1セル構造セットおよび前記第2セル構造体セットは、最も近位寄りに位置する最近位セル構造体を両者に共通のものとして有しており、
前記複数のセル構造体のうち、前記本体部に位置するものは、複数のセル構造体から成る第4セル構造体セットと、複数のセル構造体から成る第5セル構造体セットとを含み、
前記最近位セル構造体および前記第1セル構造体セットは、各々、筒状を成す(circumferential、周方向に延びる)とともに、最も外側に位置する(outer-most、長さ方向において最も外側に位置する)複数のストラット部材である周方向最外ストラット部材であって前記第1周縁レールを規定するものを有しており、
前記最近位セル構造体および前記第2セル構造体セットは、各々、筒状を成す(circumferential、周方向に延びる)とともに、最も外側に位置する(outer-most、長さ方向において最も外側に位置する)複数のストラット部材である周方向最外ストラット部材であって前記第2周縁レールを規定するものを有しており、
前記複数の周方向最外ストラット部材のうちの少なくとも一部は、それぞれ互いに異なる幅寸法を有するとともに、前記第1周縁レールおよび前記第2周縁レールが、前記近位端セグメントにおける第1幅寸法から、前記遠位端セグメントにおける第2幅寸法まで、長さに沿って変化するように、配列されており、
前記第2幅寸法は、前記第1幅寸法より小さく、
前記複数のセル構造体のうち、前記第3セル構造体セットに位置するもののサイズと、前記複数のセル構造体のうち、前記第5セル構造体セットに位置するもののサイズとは、互いに実質的に等しく、
前記複数のセル構造体のうち、前記第4セル構造体セットに位置するもののサイズは、前記複数のセル構造体のうち、前記第3セル構造体セットに位置するもののサイズより大きく、
前記複数のセル構造体のうち、前記第3セル構造体セット、前記第4セル構造体セットおよび前記第5セル構造体セットに位置するものは、それぞれ、第3ストラット、第4ストラットおよび第5ストラットを含み、
前記第3ストラットの幅寸法は、前記第2幅寸法より小さく、
前記第4スラットおよび前記第5ストラットのうちの少なくとも一部またはそれらのセグメントは、前記第2幅寸法と実質的に等しい幅寸法を有する。
別の実施態様によれば、血栓回収(clot retrieval)デバイスが提供され、
その血栓回収デバイスは、長手状の自己拡張部材を有し、
その自己拡張部材は、第1送給位置から第2留置位置まで移動することが可能であり、
前記自己拡張部材は、前記第1送給位置においては、非拡張状態にあるとともに、第1公称直径を有するが、前記第2留置位置においては、半径方向に拡張された半径方向拡張状態にあるとともに、第2公称直径を有しており、
その第2公称直径は、患者の塞栓(embolic obstruction)内での展開(deployment、配備)のために、前記第1公称直径より大きく、
前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメントを、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、互いに斜めに並ぶように対角的に配列された複数のセル構造体を形成するように互いに連結された状態で、有しており、
前記自己拡張部材は、近位端部と筒状の本体部と遠位端部とを有し、
前記複数のセル構造体のうち、前記本体部に位置するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部に位置するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延び、それにより、第1周縁レール(rail)および第2周縁レールであって、近位端セグメントおよび遠位端セグメントを有するものを形成し、
前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部に位置するものは、前記第1周縁レールを形成するように配列された複数のセル構造体から成る第1セル構造体セットと、前記第2周縁レールを形成するように配列された複数のセル構造体から成る第2セル構造体セットと、前記第1周縁レールと前記第2周縁レールとの間に位置する複数のセル構造体から成る第3セル構造体セットとを有しており、
前記第1セル構造セットおよび前記第2セル構造体セットは、最も近位寄りに位置する最近位セル構造体を両者に共通のものとして有しており、
前記複数のセル構造体のうち、前記本体部に位置するものは、複数のセル構造体から成る第4セル構造体セットを含み、
前記複数のセル構造体のうち、前記遠位端部に位置するものは、複数のセル構造体から成る第6セル構造体セットを含み、
前記最近位セル構造体および前記第1セル構造体セットは、各々、筒状を成す(circumferential、周方向に延びる)とともに、最も外側に位置する(outer-most、長さ方向において最も外側に位置する)複数のストラット部材である周方向最外ストラット部材であって前記第1周縁レールを規定するものを有しており、
前記最近位セル構造体および前記第2セル構造体セットは、各々、筒状を成す(circumferential、周方向に延びる)とともに、最も外側に位置する(outer-most、長さ方向において最も外側に位置する)複数のストラット部材である周方向最外ストラット部材であって前記第2周縁レールを規定するものを有しており、
前記複数の周方向最外ストラット部材のうちの少なくとも一部は、それぞれ互いに異なる幅寸法を有するとともに、前記第1周縁レールおよび前記第2周縁レールが、前記近位端セグメントにおける第1幅寸法から、前記遠位端セグメントにおける第2幅寸法まで、長さに沿って変化するように、配列されており、
前記第2幅寸法は、前記第1幅寸法より小さい。
一実施態様においては、前記第1周縁レールおよび前記第2周縁レールが、波状部(undulations)を有しておらず、かつ、前記第1幅寸法と前記第2幅寸法との間のパーセンテージ変化分(percentage change、百分率によって表現される変化率)が、約20.0%と約50.0%との間にある。
別の実施態様によれば、血栓回収(clot retrieval)デバイスが提供され、
その血栓回収デバイスは、長手状の自己拡張部材を有し、
その自己拡張部材は、第1送給位置から第2留置位置まで移動することが可能であり、
前記自己拡張部材は、前記第1送給位置においては、非拡張状態にあるとともに、第1公称直径を有するが、前記第2留置位置においては、半径方向に拡張された半径方向拡張状態にあるとともに、第2公称直径を有しており、
その第2公称直径は、患者の塞栓(embolic obstruction)内での展開(deployment、配備)のために、前記第1公称直径より大きく、
前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメントを、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、互いに斜めに並ぶように対角的に配列された複数のセル構造体を形成するように互いに連結された状態で、有しており、
前記自己拡張部材は、近位端部と筒状の本体部と遠位端部とを有し、
前記複数のセル構造体のうち、前記本体部に位置するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部および前記遠位端部に位置するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延び、それにより、第1周縁レール(rail)および第2周縁レールであって、近位端セグメントおよび遠位端セグメントを有するものを形成し、
前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部に位置するものは、前記第1周縁レールを形成するように配列された複数のセル構造体から成る第1セル構造体セットと、前記第2周縁レールを形成するように配列された複数のセル構造体から成る第2セル構造体セットと、前記第1周縁レールと前記第2周縁レールとの間に位置する複数のセル構造体から成る第3セル構造体セットとを有しており、
前記第1セル構造セットおよび前記第2セル構造体セットは、最も近位寄りに位置する最近位セル構造体を両者に共通のものとして有しており、
前記複数のセル構造体のうち、前記本体部に位置するものは、複数のセル構造体から成る第4セル構造体セットと、複数のセル構造体から成る第5セル構造体セットとを含み、
前記複数のセル構造体のうち、前記遠位端部に位置するものは、複数のセル構造体から成る第6セル構造体セットを含み、
前記最近位セル構造体および前記第1セル構造体セットは、各々、筒状を成す(circumferential、周方向に延びる)とともに、最も外側に位置する(outer-most、長さ方向において最も外側に位置する)複数のストラット部材である周方向最外ストラット部材であって前記第1周縁レールを規定するものを有しており、
前記最近位セル構造体および前記第2セル構造体セットは、各々、筒状を成す(circumferential、周方向に延びる)とともに、最も外側に位置する(outer-most、長さ方向において最も外側に位置する)複数のストラット部材である周方向最外ストラット部材であって前記第2周縁レールを規定するものを有しており、
前記複数の周方向最外ストラット部材のうちの少なくとも一部は、それぞれ互いに異なる幅寸法を有するとともに、前記第1周縁レールおよび前記第2周縁レールが、前記近位端セグメントにおける第1幅寸法から、前記遠位端セグメントにおける第2幅寸法まで、長さに沿って変化するように、配列されており、
前記第2幅寸法は、前記第1幅寸法より小さく、
前記複数のセル構造体のうち、前記第3セル構造体セットに位置するもののサイズと、前記複数のセル構造体のうち、前記第5セル構造体セットに位置するもののサイズと、前記複数のセル構造体のうち、前記第6セル構造体セットに位置するもののサイズとは、互いに実質的に等しく、
前記複数のセル構造体のうち、前記第4セル構造体セットに位置するもののサイズは、前記複数のセル構造体のうち、前記第3セル構造体セット、前記第5セル構造体セットおよび前記第6セル構造体セットに位置するもののサイズより大きく、
前記複数のセル構造体のうち、前記第3セル構造体セット、前記第4セル構造体セット、前記第5セル構造体セットおよび前記第6セル構造体セットに位置するものは、それぞれ、第3ストラット、第4ストラット、第5ストラットおよび第6ストラットを含み、
前記第4スラットおよび前記第5ストラットのうちの少なくとも一部またはそれらのセグメントは、前記第3ストラットおよび前記第6ストラットの幅寸法より大きい幅寸法を有する。
別の実施態様によれば、血栓回収(clot retrieval)デバイスが提供され、
その血栓回収デバイスは、長手状の自己拡張部材を有し、
その自己拡張部材は、第1送給位置から第2留置位置まで移動することが可能であり、
前記自己拡張部材は、前記第1送給位置においては、非拡張状態にあるとともに、第1公称直径を有するが、前記第2留置位置においては、半径方向に拡張された半径方向拡張状態にあるとともに、第2公称直径を有しており、
その第2公称直径は、患者の塞栓(embolic obstruction)内での展開(deployment、配備)のために、前記第1公称直径より大きく、
前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメントを、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、互いに斜めに並ぶように対角的に配列された複数のセル構造体を形成するように互いに連結された状態で、有しており、
前記自己拡張部材は、近位端部と筒状の本体部と遠位端部とを有し、
前記複数のセル構造体のうち、前記本体部に位置するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部および前記遠位端部に位置するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延び、それにより、第1周縁レール(rail)および第2周縁レールであって、近位端セグメントおよび遠位端セグメントを有するものを形成し、
前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部に位置するものは、前記第1周縁レールを形成するように配列された複数のセル構造体から成る第1セル構造体セットと、前記第2周縁レールを形成するように配列された複数のセル構造体から成る第2セル構造体セットと、前記第1周縁レールと前記第2周縁レールとの間に位置する複数のセル構造体から成る第3セル構造体セットとを有しており、
前記第1セル構造セットおよび前記第2セル構造体セットは、最も近位寄りに位置する最近位セル構造体を両者に共通のものとして有しており、
前記複数のセル構造体のうち、前記本体部に位置するものは、複数のセル構造体から成る第4セル構造体セットと、複数のセル構造体から成る第5セル構造体セットとを含み、
前記複数のセル構造体のうち、前記遠位端部に位置するものは、複数のセル構造体から成る第6セル構造体セットを含み、
前記最近位セル構造体および前記第1セル構造体セットは、各々、筒状を成す(circumferential、周方向に延びる)とともに、最も外側に位置する(outer-most、長さ方向において最も外側に位置する)複数のストラット部材である周方向最外ストラット部材であって前記第1周縁レールを規定するものを有しており、
前記最近位セル構造体および前記第2セル構造体セットは、各々、筒状を成す(circumferential、周方向に延びる)とともに、最も外側に位置する(outer-most、長さ方向において最も外側に位置する)複数のストラット部材である周方向最外ストラット部材であって前記第2周縁レールを規定するものを有しており、
前記複数の周方向最外ストラット部材のうちの少なくとも一部は、それぞれ互いに異なる幅寸法を有するとともに、前記第1周縁レールおよび前記第2周縁レールが、前記近位端セグメントにおける第1幅寸法から、前記遠位端セグメントにおける第2幅寸法まで、長さに沿って変化するように、配列されており、
前記第2幅寸法は、前記第1幅寸法より小さく、
前記複数のセル構造体のうち、前記第3セル構造体セットに位置するもののサイズと、前記複数のセル構造体のうち、前記第5セル構造体セットに位置するもののサイズと、前記複数のセル構造体のうち、前記第6セル構造体セットに位置するもののサイズとは、互いに実質的に等しく、
前記複数のセル構造体のうち、前記第4セル構造体セットに位置するもののサイズは、前記複数のセル構造体のうち、前記第3セル構造体セット、前記第5セル構造体セットおよび前記第6セル構造体セットに位置するもののサイズより大きく、
前記複数のセル構造体のうち、前記第3セル構造体セット、前記第4セル構造体セット、前記第5セル構造体セットおよび前記第6セル構造体セットに位置するものは、それぞれ、第3ストラット、第4ストラット、第5ストラットおよび第6ストラットを含み、
前記第4スラットおよび前記第5ストラットのうちの少なくとも一部またはそれらのセグメントは、前記第2幅寸法と実質的に等しい幅寸法を有する。
別のいくつかの実施態様によれば、塞栓(embolic obstruction)を回収する塞栓回収デバイスが提供され、
その血栓回収デバイスは、長手状の自己拡張部材を有し、
その自己拡張部材は、第1送給位置から第2留置位置まで移動することが可能であり、
前記自己拡張部材は、前記第1送給位置においては、非拡張状態にあるとともに、第1公称直径を有するが、前記第2留置位置においては、半径方向に拡張された半径方向拡張状態にあるとともに、第2公称直径を有しており、
その第2公称直径は、患者の塞栓(embolic obstruction)内での展開(deployment、配備)のために、前記第1公称直径より大きく、
前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメントを、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、互いに斜めに並ぶように対角的に配列された複数のセル構造体を形成するように互いに連結された状態で、有しており、
前記自己拡張部材は、近位アンテナと近位端部と筒状の本体部とを有し、
前記複数のセル構造体のうち、前記本体部に位置するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部に位置するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延びており、
前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部に位置するもののうち、最も外側に位置する複数のセル構造体である最外セル構造体は、最も近位寄りに位置する複数の最近位ウォール(wall)・セグメントを有し、
それら最近位ウォール・セグメントは、第1レール(rail)・セグメントおよび第2レール・セグメントを形成し、
それら第1レール・セグメントおよび第2レール・セグメントは、それぞれ、前記自己拡張部材のうち、最も近位寄りに位置する最近位端と同じ位置またはそれの近傍位置から、前記筒状の本体部と同じ位置またはそれの近傍位置まで延びており、
前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部に位置するもののうち、最も近位寄りに位置する複数のセル構造体である最近位セル構造体は、第1外側ストラットおよび第2外側ストラットを含み、
それら第1外側ストラットおよび第2外側ストラットは、前記近位アンテナから遠位方向に、かつ、2次元的展開状態において、それら第1外側ストラットおよび第2外側ストラットの各々のうちの少なくとも一部分が、直線セグメントを含むように、延びており、
それら第1外側ストラットおよび第2外側ストラットのそれぞれの直線セグメントは、前記近位アンテナまで、互いに一緒に(coextensive、並列的に)延びることが可能である。
別のいくつかの実施態様によれば、塞栓(embolic obstruction)を回収する塞栓回収デバイスが提供され、
その血栓回収デバイスは、長手状の自己拡張部材を有し、
その自己拡張部材は、第1送給位置から第2留置位置まで移動することが可能であり、
前記自己拡張部材は、前記第1送給位置においては、非拡張状態にあるとともに、第1公称直径を有するが、前記第2留置位置においては、半径方向に拡張された半径方向拡張状態にあるとともに、第2公称直径を有しており、
その第2公称直径は、患者の塞栓(embolic obstruction)内での展開(deployment、配備)のために、前記第1公称直径より大きく、
前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメントを、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、互いに斜めに並ぶように対角的に配列された複数のセル構造体を形成するように互いに連結された状態で、有しており、
前記自己拡張部材は、近位アンテナと近位端部と筒状の本体部とを有し、
前記複数のセル構造体のうち、前記本体部に位置するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部に位置するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延びており、
前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部に位置するもののうち、最も外側に位置する複数の最外セル構造体から成る第1のセル構造体セットは、各々、最も近位寄りに位置する複数の最近位ウォール・セグメントを有し、
それら最近位ウォール・セグメントは、非波状レール・セグメントを形成し、
その非波状レール・セグメントは、前記自己拡張部材のうち、最も近位寄りに位置する最近位端と同じ位置またはそれの近傍位置から、前記筒状の本体部と同じ位置またはそれの近傍位置まで延びており、
前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部に位置するもののうち、最も外側に位置する複数の最外セル構造体から成る第2のセル構造体セットは、各々、最も近位寄りに位置する複数の最近位ウォール・セグメントを有し、
それら最近位ウォール・セグメントは、波状レール・セグメントを形成し、
その波状レール・セグメントは、前記自己拡張部材のうち、最も近位寄りに位置する最近位端と同じ位置またはそれの近傍位置から、前記筒状の本体部と同じ位置またはそれの近傍位置まで延びている。
別のいくつかの実施態様によれば、塞栓(embolic obstruction)を回収する塞栓回収デバイスが提供され、
その塞栓回収デバイスは、長手状の自己拡張部材を含み、
その自己拡張部材は、半径方向に拡張された半径方向拡張状態と半径方向に拡張されない半径方向非拡張状態とを有し、
前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメントを、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、互いに斜めに並ぶように対角的に配列された複数のセル構造体を形成するように互いに連結された状態で有しており、
前記自己拡張部材は、近位アンテナと、近位端部と、筒状本体部とを有し、
その筒状本体部は、近位セクションと遠位セクションとを有し、
前記複数のセル構造体のうち、前記筒状本体部内に存在するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部内に存在するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延びており、
前記半径方向拡張状態において、前記筒状本体部の前記遠位セクションは、前記筒状本体部の前記近位セクションの平均直径より大きい平均直径を有する。
いくつかの実施態様においては、前記複数のセル構造体のうち、前記筒状本体部の前記遠位セクション内に存在するものは、前記複数のセル構造体のうち、前記筒状本体部の前記近位セクション内に存在するものの平均直径より大きい平均直径を有し、
前記複数のセル構造体のうち、前記筒状本体部の前記近位セクション内に存在するものは、前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部内に存在するものの平均直径より大きい平均直径を有し、
前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部および前記筒状本体部内に存在するものの長さ寸法の、幅寸法に対する比である平均長/幅比は、前記自己拡張部材が前記拘束状態にある場合および非拘束状態にある場合に、1より大きい。
別のいくつかの実施態様によれば、塞栓を回収する塞栓回収デバイスが提供され、
その塞栓回収デバイスは、長手状の自己拡張部材を含み、
その自己拡張部材は、半径方向に拡張された半径方向拡張状態と半径方向に拡張されない半径方向非拡張状態とを有し、
前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメントを、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、互いに斜めに並ぶように対角的に配列された複数のセル構造体を形成するように互いに連結された状態で有しており、
前記自己拡張部材は、近位アンテナと、近位端部と、筒状本体部とを有し、
その筒状本体部は、近位セクションと遠位セクションとを有し、
前記複数のセル構造体のうち、前記筒状本体部内に存在するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部内に存在するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延びており、
前記複数のセル構造体のうち、前記筒状本体部の前記遠位セクション内に存在するものは、前記複数のセル構造体のうち、前記筒状本体部の前記近位セクション内に存在するものの長さ寸法の、幅寸法に対する比である平均長/幅比より大きい平均長/幅比を有し、
前記複数のセル構造体のうち、前記筒状本体部の前記近位セクション内に存在するものは、前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部内に存在するものの長さ寸法の、幅寸法に対する比である平均長/幅比より大きい平均長/幅比を有し、
前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部内に存在するものの長さ寸法の、幅寸法に対する比である平均長/幅は、前記自己拡張部材が前記半径拡張状態にある場合および前記半径非拡張状態にある場合に、1より大きい。
別のいくつかの実施態様によれば、塞栓を回収する塞栓回収デバイスが提供され、
その塞栓回収デバイスは、長手状の(elongate、長軸を有する)自己拡張部材を含み、
その自己拡張部材は、半径方向に拡張された半径方向拡張状態と半径方向に拡張されない半径方向非拡張状態とを有し、
前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメントを、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、互いに斜めに並ぶように対角的に配列された複数のセル構造体を形成するように互いに連結された状態で有しており、
前記自己拡張部材は、近位アンテナと、近位端部と、筒状本体部とを有し、
前記複数のセル構造体のうち、前記筒状本体部内に存在するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部内に存在するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延びており、
前記複数のセル構造体のうち、前記筒状本体部内に存在するものは、近位方向を向く(proximal facing、自己拡張部材のうちの近位端を向く)近位V字状構造体と、遠位方向を向く(dismal facing、自己拡張部材のうちの遠位端を向く)遠位V字状構造体とを含み、
それら近位V字状構造体および遠位V字状構造体は、対角方向に延びる(diagonally extending、自己拡張部材の長軸に対して斜めに延びる)とともに周方向に互いにすきまを隔てて並んだ一対の対角・周方向離間ストラットによって互いに連結されており、
前記近位V字状構造体および前記遠位V字状構造体は、第1の平均幅寸法を有し、
前記一対の対角・周方向離間ストラットは、前記第1の平均幅寸法より大きい第2の平均幅寸法を有する。
別のいくつかの実施態様によれば、塞栓を回収する塞栓回収デバイスが提供され、
その塞栓回収デバイスは、長手状の自己拡張部材を含み、
その自己拡張部材は、半径方向に拡張された半径方向拡張状態と半径方向に拡張されない半径方向非拡張状態とを有し、
前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメントを、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、互いに斜めに並ぶように対角的に配列された複数のセル構造体を形成するように互いに連結された状態で有しており、
前記自己拡張部材は、近位アンテナと、近位端部と、筒状本体部とを有し、
その筒状本体部は、近位セクションと遠位セクションとを有し、
前記複数のセル構造体のうち、前記筒状本体部内に存在するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部内に存在するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延びており、
前記複数のセル構造体のうち、前記筒状本体部内に存在するものは、近位方向を向く近位V字状構造体と、遠位方向を向く遠位V字状構造体とを含み、
それら近位V字状構造体および遠位V字状構造体は、対角方向に延びるとともに周方向に互いにすきまを隔てて並んだ一対の対角・周方向離間ストラットによって互いに連結されており、
前記対角・周方向離間ストラットは、第1端セグメントと、第2端セグメントと、それら第1端セグメントと第2端セグメントとの間に位置する中間セグメントとを含み、
前記第1端セグメントは、前記近位V字状構造体に連結される一方、前記第2端セグメントは、前記遠位V字状構造体に連結され、
前記近位V字状構造体および前記遠位V字状構造体は、第1の平均幅寸法を有し、
前記対角・周方向離間ストラットの前記中間セグメントは、前記第1の平均幅寸法より大きい第2の平均幅寸法を有し、
前記対角・周方向離間ストラットの前記第1端セグメントおよび前記第2端セグメントは、前記第1の平均幅寸法より大きいが前記第2の平均幅寸法より小さい第3の平均幅寸法を有する。
別のいくつかの実施態様によれば、塞栓を回収する塞栓回収デバイスが提供され、
その塞栓回収デバイスは、長手状の自己拡張部材を含み、
その自己拡張部材は、半径方向に拡張された半径方向拡張状態と半径方向に拡張されない半径方向非拡張状態とを有し、
前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメントを、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、互いに斜めに並ぶように対角的に配列された複数のセル構造体を形成するように互いに連結された状態で有しており、
前記自己拡張部材は、近位アンテナと、近位端部と、筒状本体部とを有し、
その筒状本体部は、近位セクションと遠位セクションとを有し、
前記複数のセル構造体のうち、前記筒状本体部内に存在するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部内に存在するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延びており、
前記複数のセル構造体のうち、前記筒状本体部内に存在するものは、近位V字状構造体と、遠位V字状構造体とを含み、
それらV字状構造体は、対角方向に延びるとともに周方向に互いにすきまを隔てて並んだ一対の対角・周方向離間ストラットによって互いに連結されており、
それら対角・周方向離間ストラットのうちの少なくとも一部は、それに巻き付けられている1本または複数本のワイヤまたはリボンを、前記自己拡張部材が前記半径方向拡張状態にある場合に、前記筒状本体部の全体または一部の、撓みに対する剛性である平均撓み剛性を増加させるために有する。
本明細書に開示されている事項についての他のいくつかの実施態様が以下の図面を参照しつつ本明細書に記載されている。
図1Aは、本発明の一実施形態に従う治療デバイスのうちの自己拡張部材を示す2次元平面展開図である。 図1Bは、図1Aに示す自己拡張部材を示す斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態に従う自己拡張部材から遠位方向に延びる遠位ワイヤ・セグメントを示す。 図3は、非外傷性(非侵襲性)の先端を有する自己拡張部材の遠位端を示す。 図4Aは、本発明の別の実施形態に従う治療デバイスのうちの自己拡張部材を示す2次元平面展開図である。 図4Bは、図4Aに示す自己拡張部材のうち、最も近位寄りに位置するセグメンを示す拡大図である。 図5は、本発明の一実施形態に従う自己拡張部材の遠位端を示す。 図6Aは、本発明の別の実施形態に従う治療デバイスのうちの自己拡張部材を示す2次元平面展開図である。 図6Bは、図6Aに示す自己拡張部材を示す斜視図である。 図7Aは、本発明の別の実施形態に従う治療デバイスのうちの自己拡張部材を示す2次元平面展開図である。 図7Bは、図7Aに示す自己拡張部材を示す斜視図である。 図7Cは、本発明の別の実施形態に従う治療デバイスのうちの自己拡張部材を示す2次元平面展開図である。 図8は、本発明の別の実施形態に従う治療デバイスのうちの自己拡張部材を示す2次元平面展開図である。 図9は、拡張状態にある自己拡張部材であってバルジすなわち大径部を有するもの示す。 図10は、本発明の一実施形態に従う治療デバイスのうちの自己拡張部材を示す2次元平面展開図である。 図11Aは、本発明の一実施形態に従う治療デバイスのうちの自己拡張部材を示す2次元平面展開図である。 図11Bは、図11Aに示す自己拡張部材を示す斜視図である。 図12は、本発明の別の実施形態に従う治療デバイスのうちの自己拡張部材を示す2次元平面展開図である。 図13Aは、本発明の一実施形態に従って塞栓を回収する方法を示す。 図13Bは、本発明の一実施形態に従って塞栓を回収する方法を示す。 図13Cは、本発明の一実施形態に従って塞栓を回収する方法を示す。 図14は、本発明の別の実施形態に従う治療デバイスのうちの自己拡張部材を示す2次元平面展開図である。 図15は、本発明のさらに別の実施形態に従う治療デバイスのうちの自己拡張部材を示す2次元平面展開図である。 図16は、本発明の別の実施形態に従う自己拡張部材であって内部ワイヤ・セグメントを有するものを示す斜視図である。 図17は、本発明の別の実施形態に従う自己拡張部材であって外部ワイヤ・セグメントを有するものを示す斜視図である。 図18は、本発明のさらに別の実施形態に従う自己拡張部材であって塞栓を捕捉するデバイスを遠位側に有するものを示す斜視図である。 図19は、本発明の別の実施形態に従う治療デバイスのうちの自己拡張部材を示す2次元平面展開図である。 図20は、図19に示す自己拡張部材であって長軸方向に延びる(longitudinal、長さ方向に延びる、直線的に延びる)スリットを有するものを示す。 図21は、図19に示す自己拡張部材であってらせん状を成すスリットを有するものを示す。 図22は、図19に示す自己拡張部材であって部分的にらせん状を成すスリットを有するものを示す。 図23は、本発明の別の実施形態に従う治療デバイスのうちの自己拡張部材を示す2次元平面展開図である。 図24Aは、本発明のさらに別の実施形態に従う治療デバイスのうちの自己拡張部材を示す2次元平面展開図である。 図24Bは、図24Aに示す自己拡張部材を示す斜視図である。 図25は、本発明の一実施形態に従い、自己拡張部材のうちの、近位方向に延びるワイヤ・セグメントを送給ワイヤに連結する仕方を示す。 図26は、本発明のさらに別の実施形態に従う治療デバイスのうちの自己拡張部材を示す2次元平面展開図である。 図27Aは、図26に示す自己拡張部材を示す斜視図である。 図27Bは、図26に示す自己拡張部材を示す平面図である。 図28Aは、本発明の一実施形態に従う自己拡張部材のうちの近位ワイヤ・セグメントを示す。 図28Bは、本発明の一実施形態に従う自己拡張部材のうちの遠位ワイヤ・セグメントを示す。 図29は、本発明の一実施形態に従う自己拡張部材における半径方向力の変化を示すカーブを表すグラフである。 図30は、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図31は、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図32Aは、図31に示すいくつかの実施形態に従う複数のセル構造体を示している。 図32Bは、図31に示すいくつかの実施形態に従う複数のセル構造体を示している。 図32Cは、図31に示すいくつかの実施形態に従う複数のセル構造体を示している。 図33Aは、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図33Bは、図33Aに示す血栓回収デバイスを示す平面図である。 図33Cは、図33Aに示す血栓回収デバイスを示す側面斜視図である。 図34Aは、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図34Bは、図34Aに示す血栓回収デバイスを示す平面図である。 図34Cは、図34Aに示す血栓回収デバイスを示す側面斜視図である。 図35Aは、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図35Bは、図35Aに示す血栓回収デバイスを示す平面図である。 図35Cは、図35Aに示す血栓回収デバイスを示す側面斜視図である。 図36は、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図37は、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図38は、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図39は、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図40Aは、本発明の一実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図40Bは、図40Aに示す血栓回収デバイスを3次元的に示す図である。 図41は、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図42Aは、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図42Bは、図4Aに示す血栓回収デバイスのうち、近位テーパ端部を拡大して示す2次元平面展開図である。 図43は、本発明のいくつかの実施形態に従う最近位セル構造体を示す2次元平面展開図である。 図44は、本発明のいくつかの実施形態に従う最近位セル構造体を示す2次元平面展開図である。 図45Aは、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図45Bは、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図45Cは、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図46は、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図47Aは、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスのうちの遠位端を示す2次元平面展開図である。 図47Bは、図47Aに示す遠位端を3次元的に示す図である。 図48Aは、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図48Bは、図48Aに示す血栓回収デバイスを3次元的に示す図である。 図49は、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図50は、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスのうちの遠位セグメントを示す2次元平面展開図である。 図51Aは、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図51Bは、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図51Cは、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図51Dは、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図52Aは、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図52Bは、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図53は、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図54は、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図55は、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図56Aは、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図56Bは、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図57は、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図58Aは、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイスを示す2次元平面展開図である。 図58Bは、図58Aに示す複数のセル構造体を拡大して示す図である。 図59Aは、本発明の一実施形態に従うジョイント部材を示す側面図である。 図59Bは、図59Aに示すジョイント部材を示す断面図である。 図60Aは、本発明のいくつかの実施形態に従うワイヤ装着部の構成態様を示している。 図60Bは、本発明のいくつかの実施形態に従うワイヤ装着部の構成態様を示している。
図1Aおよび図1Bは、脈管または体内導管を治療する脈管治療デバイス(塞栓回収デバイス、血管治療デバイス)10であって、本発明の一実施形態に従うものを示している。この脈管治療デバイス10は、患者の頭蓋内脈管(intracranial vasculature、頭蓋内血管)に到達してそれを治療するという用途、例えば、動脈瘤(aneurysms)を治療するという用途、塞栓(embolic obstructions、塞栓性閉塞)を捕捉して除去するという用途に特に適している。しかし、この脈管治療デバイス10は、前記脈管内の他の部位または他の体内導管に到達してそれを治療するという用途に利用可能であることが理解される。他の用途には、例えば、狭窄部(stenoses)の治療や、脈管についての他の種類の疾患または異常の治療がある。図1Aは、この脈管治療デバイス10を、自身を切断して一表面上に平らに展開したかのように、2次元平面展開図で示している。図1Bは、この脈管治療デバイス10を、製造された状態および/または拡張された状態で示している。この脈管治療デバイス10は、自己拡張(expandable、拡径)部材12を有しており、その自己拡張部材12は、長手状のフレキシブル・ワイヤ40に装着されるかまたは他の方法で連結されており、そのフレキシブル・ワイヤ40は、自己拡張部材12から近位方向に(proximally、術者に接近する方向に)延びている。一実施態様においては、自己拡張部材12は、形状記憶材料、例えば、ニチノール(Nitinol、登録商標)により構成され、また、望ましくは、チューブをレーザで切断することによって製造される。一実施態様においては、自己拡張部材12が、それと一体的に形成されてそれから近位方向に延びるワイヤ・セグメント42(近位ワイヤ・セグメント)を有し、そのワイヤ・セグメント42は、長手状のフレキシブル・ワイヤ40を自己拡張部材12に連結するために使用される。この種の実施態様においては、フレキシブル・ワイヤ40を、ワイヤ・セグメント42に、半田、溶接、接着剤または他の既知の装着方法を用いて連結することが可能である。別の実施態様においては、フレキシブル・ワイヤ40の遠位端(distal end、術者から遠い端)が自己拡張部材12の近位端(proximal end、術者に近い端)に直接的に装着される。一実施態様においては、フレキシブル・ワイヤ40の遠位端が、約0.005インチ(約0.127mm)の幅寸法を有する平坦形状を有し、これに伴い、ワイヤ・セグメント42の幅寸法は約0.0063インチ(約0.160mm)、厚さ寸法は約0.0035インチ(約0.089mm)である。
一実施態様においては、フレキシブル・ワイヤ40の遠位端が、近位方向に延びるワイヤ・セグメント42(近位ワイヤ・セグメント)に、後述の方法によって装着され、その結果、図25に示す連結部が実現される。一実施態様においては、コイル41が、ワイヤ・セグメント42上に配置され、そのコイル41は、密巻きセグメント41aであって、自己拡張部材12の近位端20に接触するものと、疎巻きセグメント41bであって、少なくとも一つのギャップ41cを有するものとを有する。そのギャップ41cは、疎巻きセグメント41bの内部空洞内に接合剤が少なくとも充填されるのに十分なサイズを有する。一実施態様においては、ワイヤ・セグメント42の長さとコイル41の長さとが互いに一致する。一実施態様においては、ワイヤ・セグメント42の長さが、4.0mmであり、これに伴い、コイル41も同じ長さを有する。コイル41がワイヤ・セグメント42上に設置されると、フレキシブル・ワイヤ40の遠位端が、疎巻きセグメント41b内に設置され、それにより、その遠位端が、ワイヤ・セグメント42の近位端部に接触するとともにその近位端部と長さ方向にオーバラップする。その後、接合剤がコイル41のギャップ41cを通過するように塗布され、それにより、フレキシブル・ワイヤ40がワイヤ・セグメント42に接合される。その接合剤は、接着剤、半田または他の適切な接合剤とすることが可能である。その接合剤が半田である場合、当該プロセスのうちの先行するステップが、フレキシブル・ワイヤ40の遠位端部およびワイヤ・セグメント42の近位端部を、錫(tin)または他の適切な湿潤剤(wetting agent)で被覆するステップを含む。一実施態様においては、その半田が、金であって、前記連結部のX線不透過性(放射線不透過性)が向上し、それにより、その連結部が、近位側に位置するX線不透過マーカとして作用するように使用される。金を使用することに加えて、コイル41の全体または一部を、X線不透過材料で構成し、それにより、前記連結部のX線不透過性をさらに向上させることが可能である。一実施形態によれば、フレキシブル・ワイヤ40とワイヤ・セグメント42との間に位置するオーバラップ部の長さが、0.75mmと1.0mmとの間の範囲内にある。同じ実施態様であるかまたは別の実施態様において、疎巻きセグメント41bの長さが、フレキシブル・ワイヤ40とワイヤ・セグメント42との間に位置するオーバラップ部の長さと一致するかまたは実質的に一致する。別の実施態様においては、1巻き分のコイル41に代えて、巻数が2以上であるコイル(2本以上のコイル)であって互いに接触するものを、例えば、第1の密巻きコイルが、自己拡張部材12の近位端20に接触し、第2の疎巻きコイルが、前記第1の密巻きコイルに対して近位方向に位置するギャップを有する状態で使用することが可能である。いずれの図面にも図示しないが、一実施態様においては、フレキシブル・ワイヤ40の遠位端部のうちのある長さ部分が、遠位方向に進むにつれて先細となって、公称直径から、それより小さい寸法に減少するテーパ部である。その長さ部分に沿って、テーパ部を有しない遠位ワイヤ・コイルであって外径が一定であるものが与えられる。一実施態様によれば、コイル41の直径(外径)が、前記遠位ワイヤ・コイルの外径と一致する。
上述の連結構造による一つの利点は、その連結構造が、脈管治療デバイス10が送給カテーテル内を通過するように押し続けられる間、座屈し難い一方で、脈管治療デバイス10が、患者の、屈曲蛇行した解剖学的部位内を通過するように送給されることを可能にするのに十分な程度の柔軟性を有するということである。一方、前記連結構造は、破断することなく、大きな引張荷重および大きなトルク荷重に耐えることができる。荷重テストにより、前述の実施形態についての前記連結構造は、2ポンドを超える大きさの引張応力に耐えることが可能であることが証明された。一実施態様においては、コイル41が、近位側に位置するX線不透過マーカとしても機能するように、X線不透過材料により構成される。
図28Aは、近位ワイヤ・セグメント4002(自己拡張部材4004から近位方向に延びるワイヤ・セグメント)についての別の構成を示している。図示されているように、近位ワイヤ・セグメント4002は、第1部分4002aと、第2部分4002bとを有し、その第2部分4002bは、第1部分4002aの幅寸法より広い幅寸法Wを有する。一実施態様においては、テーパ遷移部4003が、第1部分4002aおよび第2部分4002bを互いに連結する。一実施態様においては、第1部分4002aの幅寸法Wが、約0.0063インチであり、これに伴い、第2部分4002bの幅寸法Wが、約0.0085インチと約0.0105インチとの間の範囲内にある。一実施態様においては、自己拡張部材4004の近位端4005と、近位ワイヤ・セグメント4002のうちの第2部分4002bとの間の長さ寸法Lが、約0.017インチと約0.022インチとの間の範囲内にある。第2部分4002bを有することの利点は、幅寸法Wが広いほど、近位セグメント・ワイヤ4002を長手状のフレキシブル・ワイヤ40に接合するのに使用可能な表面積が増加するということであり、フレキシブル・ワイヤ40は、自己拡張部材4004を患者の導管まで送給したり、その導管から抜去する際に使用される。一実施態様においては、第1部分4002aが、円形断面構造または円形断面構造に実質的に等しい構造を有し、第2部分4002bが、加圧/コイニングというプロセスによって形成された平坦形状を有する。
図1Aおよび図1Bに示す実施態様においては、自己拡張部材12が、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメント24を有しており、それら波状エレメント24のうち互いに隣接するもの同士は、互いに位相が一致しない非同位相状態で、かつ、対角的に並んだ(互いに斜めに並ぶように対角的に配列された)複数のセル構造体26を形成するように、互いに連結されている。自己拡張部材12は、近位端部14と、筒状を成す本体部16と、遠位端部18とを有し、本体部16に位置する複数のセル構造体26は、連続的に、かつ、自己拡張部材12の長軸30まわりを全周にわたって延びている。近位端部14および遠位端部18に位置する複数のセル構造体26は、自己拡張部材12の長軸30まわりを全周にわたってではなく部分的に延びている。
一実施態様においては、自己拡張部材12が、約33.0mmという全長を有し、それの本体部16は、約16.0mmの長さを有し、近位端部14および遠位端部18はそれぞれ、約7.0mmという長さを有する。別の実施態様においては、本体部16の長さが、概して、近位端部14および遠位端部18の長さより約2.5−約3.5倍大きい。
使用中、自己拡張部材12は、第1公称直径を有する非拡張状態すなわち収縮(圧縮)状態(図示しない)で、患者の、屈曲蛇行した脈管または体内導管内を通過するように治療部位まで前進させられ、この自己拡張部材12は、非拡張状態から、半径方向に拡張した拡張状態まで動くこと(変形すること)が可能であり、その拡張状態は、自己拡張部材12が前記治療部位において展開するために、前記第1公称直径より大きい第2公称直径を有する。別の例示的な実施態様においては、前記第1公称直径(例えば、本体部16の平均直径)が、約0.017インチ(約0.43mm)から約0.030インチ(約0.76mm)までの範囲内にあり、これに対し、前記第2公称直径(例えば、本体部16の平均直径)は、約2.5mmから約5.0mmまでの範囲内にある。一実施態様においては、セル構造体26のうち、自己拡張部材12のうちの本体部16内に存在する部分につき、寸法特性および材料特性が、患者から塞栓(塞栓性閉塞)を部分的にまたは完全に除去することが可能な方法で、前記脈管内に存在する塞栓との係合をセル構造体26に行わせるのに十分な大きさの半径方向力および接触相互作用を生成するように、選択される。別の実施態様においては、セル構造体26のうち、自己拡張部材12のうちの本体部16内に存在する部分につき、寸法特性および材料特性が、単位長さ当たりに発生する半径方向力(引き裂き強度、引張強さ)が、約0.005N/mmから約0.050N/mmまでの範囲内にあり、望ましくは、約0.010N/mmから約0.050N/mmまでの範囲内にあり、さらに望ましくは、約0.030N/mmから約0.050N/mmまでの範囲内にあるように、選択される。一実施態様においては、本体部16の直径が、完全に拡張した状態において、約4.0mmであり、これに伴い、セル構造体26のセル・パターン(セル配列)、ストラット寸法および材料が、本体部16の直径が、約1.0mmから約1.5mmまでの範囲内の値まで減少すると、発生する半径方向力が、約0.040N/mmから約0.050N/mmまでの範囲内にあるように選択される。それと同じかまたは別の実施態様においては、セル構造体26のセル・パターン、ストラット寸法および材料が、本体部16の直径が3.0mmまで減少すると、発生する半径方向力が、約0.010N/mmから約0.020N/mmまでの範囲内にあるように選択される。
図1Aおよび図1Bに示すいくつかの実施態様においては、各セル構造体26が同じ寸法を有するように示されており、これに伴い、各セル構造体26は、一対の短いストラット32と、一対の長いストラット34とを有する。例示的な一実施態様においては、ストラット32が、約0.080インチと約0.100インチとの間の範囲内の長さ寸法を有し、ストラット34が、約0.130インチと約0.140インチとの間の範囲内の長さ寸法を有し、これに伴い、各ストラット32,34は、切断時の(as-cut、展開のために切断が行われて平面状を成す時の、アズカット)幅寸法(レーザ切断されるチューブの周方向寸法)および厚さ寸法(半径方向寸法)として約0.003インチおよび約0.0045インチをそれぞれ有し、また、研磨後(post-polishing)の幅寸法および厚さ寸法として約0.0022インチおよび約0.0039インチをそれぞれ有する。各ストラット32,34の厚さ寸法の、幅寸法に対する比率が1より大きいことによる利点は、ストラット32,34が前記塞栓に係合すること(integration)が促進(容易化)されるということである。別の実施態様においては、研磨後の幅寸法が、約0.0020インチから約0.0035インチまで変化するとともに、研磨後の厚さ寸法が、約0.0030インチから約0.0040インチまで変化し、これに伴い、厚さ寸法の、幅寸法に対する比率は、約1.0から約2.0まで、望ましくは、約1.25から約1.75まで変化する。
一実施態様においては、本体部16に位置するストラット32および34のみにつき、厚さ寸法の、幅寸法に対する比率が1より大きい。別の実施態様においては、本体部16および遠位端部18に位置するストラット32および34のみにつき、厚さ寸法の、幅寸法に対する比率が1より大きい。別の実施態様においては、複数のストラット32および34の一部のみにつき、厚さ寸法の、幅寸法に対する比率が1より大きい。さらに別の実施態様においては、同じ自己拡張部材12のうちの、互いに異なる複数の部分に位置する複数のストラット32および34が、厚さ寸法の、幅寸法に対する比率に関して互いに異なり、前記互いに異なる複数の部分のそれぞれの前記比率は、1より大きい。一例としては、自己拡張部材12の近位端部14および遠位端部18に作用する半径方向力は、本体部16に作用する半径方向力より概して小さい可能性があるため、近位端部14および/または遠位端部18に位置する複数のストラット32および34の厚さ寸法の、幅寸法に対する比率は、本体部16に位置する複数のストラット32および34の厚さ寸法の、幅寸法に対する比率より大きい。この構成による利点は、自己拡張部材12が塞栓に係合する能力が、自己拡張部材12の長さに沿ってより一様であるように達成されることである。
他の実施態様においては、複数のストラット32および34のうちの一部または全部が、テーパ形状(先細形状)を有し、そのテーパ形状は、ストラット32,34の外面の幅寸法が、内面の幅寸法より狭いというものである。他の実施態様においては、自己拡張部材12が、概して矩形状を成す断面を有する複数のストラット32および34と、テーパ形状を有する複数のストラット32および34との双方を有することが可能である。
注記することが重要であることは、本発明の適用対象は、一様な複数のセル構造体26を有する自己拡張部材12にも、特別の寸法特性を有する複数のセル構造体26にも限定されないということである。一例として、別の実施態様においては、近位端部14または/および遠位端部18に位置する複数のセル構造体26のサイズが、本体部16に位置する複数のセル構造体26より大きいかまたは小さい。一実施態様においては、近位端部14および遠位端部18に位置する複数のセル構造体26のサイズが、本体部16に位置する複数のセル構造体26より大きく、その結果、近位端部14および遠位端部18に作用する半径方向力が、本体部16に作用する半径方向力より小さくなる。
自己拡張部材12の半径方向強度は、自己拡張部材12の長さに沿って種々の方法で変化させることが可能である。一つの方法は、質量(例えば、幅寸法および/または厚さ寸法)を自己拡張部材12の長さに沿って変化させることである。別の方法は、セル構造体26のサイズを自己拡張部材12の長さに沿って変化させることである。セル構造体26は、一般に、サイズが小さい場合には、サイズが大きい場合より、大きな半径方向力を発生させる。作用する半径方向力を自己拡張部材12の長さに沿って変化させることは、塞栓を捕捉して回収するという用途において特に有利である。例えば、一実施態様においては、半径方向力が、拡張状態にある自己拡張部材12の本体部16のうちの遠位部分において、本体部16のうちの近位部分より大きい。このような構成によれば、半径方向に拡張して塞栓内に侵入する量が、前記遠位部分の方が、前記近位部分に比較して大きいことが促進(容易化)される。自己拡張部材12は、塞栓を患者から除去する除去過程において、近位方向に引っ張られるため、上述の構成によれば、患者から塞栓を除去する上記除去過程において、その塞栓からそれの一部が粒子として離散(dislodge、ディスロッジ、分断、離脱、飛散)してしまう可能性が減少する。別の実施態様においては、半径方向力が、拡張状態にある自己拡張部材12の本体部16のうちの近位部分において、本体部16のうちの遠位部分より大きい。さらに別の実施態様においては、自己拡張部材12の本体部16が、近位部分と、中間部分と、遠位部分とを有し、自己拡張部材12が拡張状態にあるとき、半径方向力が、それら近位部分および遠位部分において、中間部分より大きい。
図9に例示するように、いくつかの他の実施態様においては、本体部16が、大径部すなわちバルジ(膨出部)70を有することが可能であり、その大径部70によれば、自己拡張部材12が塞栓を捕捉するかまたは他の方法で塞栓に係合する能力が向上する。図9においては、単一の大径部70が、本体部16の中央部内に設けられている。別のいくつかの実施態様においては、大径部70が、前記中央部に対して近位寄りの位置または遠位寄りの位置に配置される。別のいくつかの実施態様においては、2以上の大径部70が、本体部16の長さに沿って配置される。一実施態様においては、それら2以上の大径部70が、製造時における公称直径に関して本質的に互いに共通する。別の実施態様においては、それら大径部70のうち、最も遠位寄りに位置するものが、それより近位寄りに位置する他の大径部70より、製造時における公称直径に関して大きい。別の例示的ないくつかの実施態様においては、大径部70の公称直径が、本体部16の公称直径より約25.0−約45.0%大きい。例えば、一実施態様においては、本体部16の、拡張状態における公称直径が約3.0mmである一方、大径部70の公称直径が約4.0mmである。別の実施態様においては、本体部16の、拡張状態における公称直径が約3.50mmである一方、大径部70の公称直径が約5.00mmである。一実施態様においては、拡張(拡径)可能なマンドレルを本体部16の内部通路内に配置し、そのマンドレルを、目標直径を有する大径部70が形成されるように拡張することにより、1以上の大径部70が形成される。別の実施態様においては、所定の幅寸法および直径寸法を有するマンドレルを本体部16内に配置し、その後、自己拡張部材12を、本体部16のうちの少なくとも一部が前記マンドレルに押し付けられるように収縮させることにより、1以上の大径部70が形成される。
一実施態様においては、1つまたは2つ以上の大径部70の位置におけるストラット32および34が、厚さ寸法の、幅寸法に対する比率に関し、本体部16に位置する他のストラット32および34より大きい。さらに別の実施態様においては、1つまたは2つ以上の大径部70の位置におけるストラット32および34が、厚さ寸法の、幅寸法に対する比率に関し、本体部16に位置する他のストラット32および34より小さい。
一実施態様においては、遠位ワイヤ・セグメント50であって、自己拡張部材12に装着されるかまたは一体的に形成されたものが、自己拡張部材12の遠位端22から遠位方向に延びるとともに、自己拡張部材12を患者の治療部位まで送給するために自己拡張部材12を誘導することを支援するように構成されている。図2は、一実施態様に従う遠位ワイヤ・セグメント50を示しており、この遠位ワイヤ・セグメント50は、一様断面を有する第1部分52と、遠位方向に行くにつれて断面積が減少するテーパ断面を有する第2部分54とを有する。例示的な一実施態様においては、第1部分52が、約3.0mmの長さを有し、さらに、切断時の断面寸法として、約0.0045インチ×約0.003インチを有し、これに対し、第2部分54が、約4.0mmの長さを有し、さらに、最も遠位寄りの位置まで断面が減少し、その最も遠位寄りの位置の、切断時の断面寸法は、約0.002インチ×約0.003インチである。研磨後に脈管治療デバイス10について行われるプロセスには、一般に、エッチング・プロセスがあり、このプロセスが行われると、一般に、切断時の断面寸法が40%から50%までの範囲内で減少する。別の実施態様においては、図3に示すように、遠位ワイヤ・セグメント50が、一様断面を有するスプリング部材57を有し、さらに、非外傷性(非侵襲性)の遠位先端部58を備えている。別の実施態様においては、スプリング部材(要素)57および/または非外傷性先端部58が、例えばプラチナのようなX線不透過材料によって構成されるかまたは被覆されている。
図28bは、遠位ワイヤ・セグメントについての別の構成を示している。図示されているように、遠位ワイヤ・セグメント4010は、第1部分4011aと、第2部分4011bとを有し、その第2部分4011bは、第1部分4011aの幅寸法より広い幅寸法Wを有する。一実施態様においては、テーパ遷移部4012が、第1部分4011aと第2部分4011bとを互いに連結する。一実施態様においては、第2部分4011bの幅寸法Wが、約0.003インチと約0.004インチとの間の範囲内にあり、これに伴い、自己拡張部材4014の遠位端4013と、遠位ワイヤ・セグメント4010のうちの第2部分4011bとの間の長さ寸法Lが、約0.015インチと約0.020インチとの間の範囲内にある。第2部分4011bを有することの利点は、幅寸法Wが広いほど、コイル/スプリング・セグメント(スプリング部材)57を遠位セグメント・ワイヤ4010に接合するのに使用可能な表面積が増加するということである。一実施態様においては、第1部分4011aが、円形断面構造または円形断面構造に実質的に等しい構造を有し、第2部分4011bが、加圧/コイニングというプロセスによって形成された平坦形状を有する。
一実施態様においては、後に詳述するように、自己拡張部材12が、送給カテーテルの内腔を通過して、患者の治療部位まで送給され、その送給カテーテルは、自己拡張部材12の送給に先立ち、前記治療部位に留置されている。別の実施態様においては、脈管治療デバイス10が、シース(鞘)を有し、そのシースは、自己拡張部材12が前記治療部位まで送給される間、自己拡張部材12を収縮状態(非拡張状態)に拘束し、そのシースは、自己拡張部材12が拡張状態に移行するために、近位方向に抜去可能である。
一実施態様においては、拡張状態にある自己拡張部材12が、例えば、それ自身、前記治療部位に存在する塞栓(血栓)内に挿入される(embed)というプロセスにより、前記治療部位に存在する塞栓(血栓)に係合することが可能であり、さらに、長手状のフレキシブル・ワイヤ40のうち、患者の体外に存在する部分を、自己拡張部材12および前記塞栓のうちの少なくとも一部が患者から抜去されるまで、引っ張ることにより、自己拡張部材12を患者から抜去することが可能である。
別の実施態様において、前記複数のセル構造体26のうちの少なくとも一部を形成するために、複数の波状エレメント24が位相が互いに一致しないように(非同位相で)互いに連結されたものを使用することは、いくつかの利点を有する。第1に、セル構造体26が曲線形状を有するという性質により、自己拡張部材12が患者の、屈曲蛇行した解剖学的部位を通過して前記治療部位まで送給される期間における自己拡張部材12の柔軟性が向上する。さらに、複数の波状エレメント24が非同位相であるという非同位相位置関係により、自己拡張部材12を構成する複数のエレメントがよりコンパンクな入り子構造となり、それにより、自己拡張部材12が収縮時に示す直径が減少する。自己拡張部材12において複数のストラット32および34が示すパターンであって、図1Aに示すものや、本明細書に記載されている別の種々の実施態様におけるものについての具体的な利点は、自己拡張部材12を構成する複数のエレメントが順々にはまり込んで入れ子(sequential nesting)となり、これにより、自己拡張部材12が部分的にまたは完全に展開した後に引き続いて送給カテーテルの内腔内に挿入されることが可能となるということである。上述の非同位相位置関係により、さらに、複数のセル構造体26の対角的配向(配列)が生成され、その対角的配向(配列)は、自己拡張部材12が収縮状態と拡張状態との間を遷移するにつれて、ねじれ動作を誘発する可能性があり、そのねじれ動作は、自己拡張部材12が前記塞栓にうまく係合することを助ける。別の実施態様においては、自己拡張部材12が拡張する間に、必要なねじれ動作が発生するように、自己拡張部材12の複数のセル構造体26が特別に配列される。この方法によれば、例えば、異なる複数の種類の塞栓に対処するために、互いに異なる複数の自己拡張部材12であって、それぞれに発生するねじれ動作の程度が互いに異なるものを利用することが可能である。
蛍光透視下で(under fluoroscopy、X線透視下で)脈管治療デバイス10を視認できる能力(可視性)を向上させるために、自己拡張部材12を、タングステン、プラチナ、プラチナ/イリジウム、タンタルおよび金のようなX線不透過材料によって完全にまたは部分的に被覆することが可能である。これに代わるか、またはX線不透過被膜の使用と組み合わせて、X線不透過マーカ60を、自己拡張部材12の近位端20および遠位端22と同じ位置かまたはそれらの近傍位置に配置するか、および/または近位ワイヤ・セグメント42および遠位ワイヤ・セグメント50に沿って配置するか、および/または自己拡張部材12の複数のストラット32および34のうち選択されたものに配置することが可能である。一実施態様においては、X線不透過マーカ60が、プラチナ製コイルのようなX線不透過コイルである。
図4Aは、本発明の別の実施形態に従う脈管治療デバイス100を2次元平面展開図で示す。この脈管治療デバイス100は、製造されたチューブの状態および/または拡張されたチューブの状態において、図1Bに示す脈管治療デバイス10と同様な構成を有する。図1Aおよび図1Bに関連付けて前述した脈管治療デバイス10のように、脈管治療デバイス100は、自己拡張部材112を有し、その自己拡張部材112は、長手状のフレキシブル・ワイヤ140に連結されている。自己拡張部材112は、近位端部114と、筒状を成す本体部116と、遠位端部118とを有する。上述のように、自己拡張部材112を非拡張状態で患者の治療部位まで送給するために、自己拡張部材112を送給カテーテルの近位端内に挿入して留置し、自己拡張部材112が、治療部位と同じ位置に予め留置されたかまたはその治療部位を通過するように予め留置された前記送給カテーテルの遠位端に到達するまで、自己拡張部材112を前記送給カテーテルの内腔内を通過するように押すという一方法を行う。近位方向に延びている長手状のフレキシブル・ワイヤ140は、自己拡張部材112の近位端120に装着されるかまたは連結されており、そのフレキシブル・ワイヤ140は、自己拡張部材112に作用した押出力を、自己拡張部材112のうち、長手状のフレキシブル・ワイヤ140との連結部に伝達するように設計されている。図4Aに示すとともに、図4Bにより詳細に示すように、脈管治療デバイス100は、脈管治療デバイス10についての前述のいくつかの実施態様に対し、複数のセル構造体のうち、最も近位寄りに位置するセル構造体128および130であって近位端部114内に存在するものが、複数のストラット・エレメントであって、自己拡張部材112内の他のストラット・エレメントの幅寸法W2より広い(拡大された)幅寸法W1を有するものを有する点で異なっている。図示されているように、最も近位寄りのセル構造体(複数のセル構造体)128を構成する複数のウォール・セグメント(ウォール部、壁部)のうち、最も近位寄りに位置するウォール・セグメント160,162および164は、幅寸法W1を有するストラットにより構成されている。さらに、最も近位寄りのセル構造体(一つのセル構造体)130を構成するすべてのストラットは、拡大幅寸法W1を有する。幅寸法W1を有する複数のストラットが存在するおかげで、いくつかの利点が得られる。ある利点は、それらストラットにより、フレキシブル・ワイヤ140の遠位端により自己拡張部材112の近位端120に加えられた押出力が、自己拡張部材112が患者の、屈曲蛇行した解剖学的部位内を進行させられる際に、自己拡張部材112の外周まわりにより均等に分散されるということである。そのようにより均等に分散された押出力により、局部的に発生する大きな力成分が最小化され、その力成分が最小化されないと、その力成分が自己拡張部材112内のそれぞれのまたは複数のストラット・エレメントに作用して、それらストラット・エレメントに座屈を発生させる。さらに、幅寸法W1を有する複数のストラット・エレメントを近位端部114の外周部に配置することにより、それらストラット・エレメントのおかげで、フレキシブル・ワイヤ140によって近位端部114に加えられる押出力のもとその近位端部114に座屈が発生する傾向が大きく低減される。一実施態様においては、切断時の幅寸法W1が約0.0045インチであり、切断時の幅寸法W2が約0.003インチである。前述のように、研磨後に脈管治療デバイス100について行われるプロセスには、一般に、エッチング・プロセスがあり、このプロセスが行われると、一般に、切断時の断面寸法が40%から50%までの範囲内で減少する。
注記することが重要であることは、幅寸法W1が、幅広であるすべてのストラットの間において互いに同一であるように図示されているが、このことは不可欠ではない。例えば、一実施態様においては、ウォール・セグメント158が、ウォール・セグメント160の拡大幅寸法より広い拡大幅寸法を有する態様や、ウォール・セグメント160が、ウォール・セグメント162の拡大幅寸法より広い拡大幅寸法を有する態様、その他の態様が可能である。さらに、最も近位寄りのセル構造体130の内側ストラット・エレメント166が、ウォール・セグメント(ストラット)158の拡大幅寸法より広い拡大幅寸法を有する態様が可能である。また、別の実施態様においては、ウォール・セグメント(ストラット)158,160,162,164などにつき、それぞれの幅寸法を拡大することに代わるか、または、それと組み合わせて、それぞれの半径方向厚さ寸法を拡大することが可能である。
さらに別の実施態様においては、図5に示すように、自己拡張部材112の遠位端部118に位置する複数のストラット・エレメント180のうちの一部が、他のストラット・エレメント180より大きい質量(重量)を有しており、それにより、脈管治療デバイス100が患者の治療部位まで進行させられる際、ストラット・エレメント180の座屈およびあり得る破断に対する耐性を向上させる。図示する実施態様においては、ストラット・エレメント180が、遠位ワイヤ・セグメント150と同じ幅寸法を有するように、形状が設定されている。別の実施態様においては、ストラット・エレメント180につき、それの幅寸法を拡大することに代わるか、または、それと組み合わせて、それの厚さ寸法を拡大することが可能である。
図6Aおよび図6Bは、本発明の別の実施形態に従う脈管治療デバイス200を示している。図6Aは、この脈管治療デバイス200を、自身を切断して一表面上に平らに展開したかのように、2次元平面展開図で示している。図6Bは、この脈管治療デバイス200を、製造された状態および/または拡張された状態で示している。この脈管治療デバイス200は、自己拡張部材212を有しており、その自己拡張部材212は、近位端部214と、筒状を成す本体部216と、遠位端部218とを有し、自己拡張部材212の近位端220に長手状のフレキシブル・ワイヤ240が装着されるかまたは他の方法で連結されている。この脈管治療デバイス200の構成は、図4Aに関連付けて前述された脈管治療デバイス100の構成と類似するが、セル構造体228および230の複数の近位ウォール・セグメント260が、図6Aにおいて2次元平面展開図で見ると、直線的であるかまたは実質的に直線的である複数のストラット・エレメントを有する点では異なる。一実施態様においては、直線的である複数の近位ウォール・セグメント260が、連続するとともに実質的に直線的である複数の直線レール・セグメント270を形成するように配列されており、それら直線レール・セグメント270は、近位端部214の近位端220から、本体部216のうちの、最も近位寄りの端まで延びており(同様に、図6Aにおいて2次元平面展開図で見ると)、また、望ましくは、それら直線レール・セグメント270は、互いに同じ長さ寸法を有するが、互いに異なる長さ寸法を有してもよい。図6Aに示すパターンが、チューブ構造体を切断するレーザに適用されると、自己拡張部材212が、最終的に、図6Bに示す構成を有することになる。図6Bに示すように、それら直線レール・セグメント270は、実際には、直線的ではなく、曲線的でかつ波状部を有しない形状を有する。有利なことは、この構成によれば、それら直線レール・セグメント270が波状部を有しないものとなり、それにより、押出力(軸方向力)がそれら直線レール・セグメント270に作用したときに、それら直線レール・セグメント270が力を分散させる能力と座屈に耐える能力とが向上するということである。別の望ましい実施態様においては、ワイヤ・セグメント240とそれら直線レール・セグメント270との成す角度qが、約140度から約150度までの範囲内にある。一実施態様においては、直線レール・セグメント270(2本、第1および第2の直線レール・セグメント)のうちの一方または両方が、幅寸法W1を有し、その幅寸法W1は、セル構造体228および230のうちの、互いに隣接した複数のストラット・エレメントの幅寸法より大きい。直線レール・セグメント270のうちの一方または両方の幅寸法W1が他の部位の幅寸法より拡大されているということによっても、押出力(軸方向力)がそれら直線レール・セグメント270に作用したときに、それら直線レール・セグメント270が力を分散させる能力と座屈に耐える能力とが向上する。別の実施態様においては、直線レール・セグメント270のうちの一方または両方が、他の部位より拡大された幅寸法を有しないが、その場合と同じかまたは類似した効果を得るために、他の部位より拡大された厚さ寸法を有する。さらに別の実施態様においては、直線レール・セグメント270のうちの一方または両方につき、幅寸法も厚さ寸法も、他の部位より拡大され、それにより、上述の効果と同じかまたは類似した効果が得られる。さらに別の実施態様においては、自己拡張部材212が送給カテーテルまたはシース(図示しない)内に装填されるかまたは収容されるときに、自己拡張部材212の近位端部214の圧縮力がさらに均等に分散するように、各直線レール・セグメント270の幅寸法および/または厚さ寸法が、位置によって変化させられる(分布させられる)。
図7Aおよび図7Bは、本発明の別の実施形態に従う脈管治療デバイス300を示している。図7Aは、この脈管治療デバイス300を、自身を切断して一表面上に平らに展開したかのように、2次元平面展開図で示している。図7Bは、この脈管治療デバイス300を、製造された状態および/または拡張された状態で示している。この脈管治療デバイス300は、自己拡張部材312を有しており、その自己拡張部材312は、近位端部314と、筒状を成す本体部316と、遠位端部318とを有し、自己拡張部材312の近位端320に長手状のフレキシブル・ワイヤ340が装着されるかまたは他の方法で連結されている。この脈管治療デバイス300の構成は、図6Aおよび図6Bに関連付けて前述された脈管治療デバイス200の構成と類似するが、複数のセル構造体のうち、最も近位寄りの1つのセル構造体330が、図7Aにおいて2次元平面展開図で見ると、実質的にダイアモンド形状を有する点では異なる。実質的にダイアモンド形状を有するセル構造体330は、一対の外側ストラット・エレメント358および358と、一対の内側ストラット・エレメント(第1および第2の内側レール)360および360とを有し、それぞれのストラット・エレメント358,360は、図4に示す実施形態および図6に示す実施形態に関連して前述したように、幅寸法および/または厚さ寸法に関し、他の部位より拡大されている。別の望ましい実施態様においては、図7Aにおいて2次元平面展開図で見ると、内側ストラット・エレメント360が、外側ストラット・エレメント358に、約25.0度から約45.0度までの範囲内の角度bで交差する。内側ストラット・エレメント360と外側ストラット・エレメント358とが配向される角度を上述の範囲内に維持すると、自己拡張部材312が座屈することなく、しかも、自己拡張部材312が、送給過程において、収縮時の直径が減少する能力を実質的に阻害することなく、自己拡張部材312の可推性(pushability、押出性、押圧性、押し易さ)が向上する。
一実施態様においては、内側ストラット・エレメント360が、外側ストラット・エレメント350より少ない重量を有し、それにより、自己拡張部材312が拡張状態から収縮状態に移行する際に、それらストラット・エレメント358および360が簡単に曲がることが可能となる。このことにより、自己拡張部材312が収縮時に示す直径が減少することが促進(容易化)される。別の実施態様においては、図7Cに示すように、内側ストラット・エレメント360が外側ストラット・エレメント358に、曲線セグメント(曲線コネクタ)361を介して連結されており、それにより、自己拡張部材312が送給状態(収縮状態)に収縮されるとき、内側ストラット・エレメント360が簡単に曲がることが可能となる。
図8は、本発明の別の実施形態に従う脈管治療デバイス400を示している。この脈管治療デバイス400の構成は、図6Aおよび図6Bに示す脈管治療デバイス200の構成と類似するが、この脈管治療デバイス400の自己拡張部材412が、それの近位端部414において、長手状の2本のフレキシブル・ワイヤ440および441であって、共に遠位方向に延びるものに連結されている点では異なる。図示されているように、フレキシルブ・ワイヤ440は、近位端部414のうちの、最も近位寄りの端である最近位端420に装着されるかまたは他の方法で連結されており、一方、フレキシルブ・ワイヤ441は、近位端部414のうちの、最も遠位寄りの端である最遠位端422に、レール・セグメント470との連結点の位置において、装着されるかまたは他の方法で連結されている。さらに別の実施態様においては、長手状の別のフレキシブル・ワイヤ(図示しない)を最遠位端422に装着することが可能である。2本またはそれ以上の本数のフレキシブル・ワイヤ440および441を、押出力を自己拡張部材412の近位端部414に加えるために使用することは、その近位端部414に作用する押出力を複数の装着点(接続点)に分散させるため、有利である。
図10は、本発明の別の実施形態に従う脈管治療デバイス500を示している。図10に示す実施形態においては、自己拡張部材512が、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメント524を有しており、それら波状エレメント524のうち互いに隣接するものは、互いに位相が一致しない非同位相状態で、かつ、対角的に並んだ(互いに斜めに並ぶように対角的に配列された)複数のセル構造体526を形成するように互いに連結されている。自己拡張部材512は、筒状を成す本体部516と、遠位端部518とを有し、本体部516に位置する複数のセル構造体526は、連続的に、かつ、自己拡張部材512の長軸530まわりを全周にわたって延びている。遠位端部518に位置する複数のセル構造体526は、自己拡張部材512の長軸530まわりを全周にわたってではなく部分的に延びている。複数のセル構造体526のうち、最も近位寄りに位置する複数のセル構造体(最近位セル構造体)528に装着されるかまたは他の方法で連結されているのは、各々、近位方向に延びる長手状の複数本のフレキシブル・ワイヤ540である。長手状のフレキシブル・ワイヤ540を複数本使用することにより、自己拡張部材512の近位端に作用する押出力が、その自己拡張部材512のうちの、近位側における周囲部まわりに、より均等に分散されることが可能となる。別の実施態様においては、図10に示されていないが、複数の最近位セル構造体528の複数のストラット532が、同じ自己拡張部材512の他の部位に位置するストラットより大きな幅寸法および/または厚さ寸法を有する。このような構成によっても、前記押出力が、自己拡張部材512のうちの、近位側における周囲部まわりに、より均等に分散されることが促進(容易化)され、さらに、前記押出力を直接的に受ける複数のストラット532が座屈することが阻止される。
図11Aおよび図11Bは、本発明の別の実施形態に従う脈管治療デバイス600を示している。図11Aは、この脈管治療デバイス600を、自身を切断して一表面上に平らに展開したかのように、2次元平面展開図で示している。図11Bは、この脈管治療デバイス600を、製造された状態および/または拡張された状態で示している。図11Aおよび図11Bに示す実施形態においては、自己拡張部材612が、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメント624を有しており、それら波状エレメント624のうち互いに隣接するものは、曲線コネクタ(連結部)628によって互いに連結され、それにより、自己拡張部材612の長さのまわりに配置された複数のクローズド・セル構造体626が形成されている。図示された実施形態においては、自己拡張部材612が、近位端部612と、筒状部(本体部)616とを有し、筒状部616に位置する複数のセル構造体626は、連続的に、かつ、自己拡張部材612の長軸630まわりを全周にわたって延びている。近位端部614に位置する複数のセル構造体626は、自己拡張部材612の長軸630まわりを全周にわたってではなく部分的に延びている。別の実施態様においては、自己拡張部材612が、図1Aおよび図1Bに示す自己拡張部材12によく類似するように、近位端部と、筒状を成す本体部と、遠位端部とを有する。この種の実施態様においては、自己拡張部材612の遠位端部に位置する複数のセル構造体626が、図11Aに示す近位端部614と同様な方法で、自己拡張部材612の長軸630まわりを全周にわたってではなく部分的に延びている。さらに、図1A,図4A,図6A,図7A,図7C,図10,図14,図15および図19−図24に示す複数の自己拡張部材は、遠位端部(例えば、図1Aにおいては、遠位端部18)が省略され、それにより、図11Aに示す自己拡張部材612のように、近位端部および本体部のみが存在するように、変更することが可能である。
図12は、本発明の別の実施形態に従う脈管治療デバイス700を示している。図12は、この脈管治療デバイス700を、自身を切断して一表面上に平らに展開したかのように、2次元平面展開図で示している。図12に示す実施形態においては、自己拡張部材712が、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメント724を有しており、それら波状エレメント724のうち互いに隣接するものは、曲線コネクタ(連結部)728によって互いに連結され、それにより、自己拡張部材712の長さのまわりに配置された複数のクローズド・セル構造体726が形成されている。図示された実施形態においては、自己拡張部材712が、筒状部(本体部)716と、遠位端部718とを有し、筒状部716に位置する複数のセル構造体726は、連続的に、かつ、自己拡張部材712の長軸730まわりを全周にわたって延びている。遠位端部718に位置する複数のセル構造体726は、自己拡張部材712の長軸730まわりを全周にわたってではなく部分的に延びている。図10に示す実施形態い関連して記載されたものと同様な方法で、複数のセル構造体726のうち、最も近位寄りに位置する複数の最近位セル構造体732の各々に、各々近位方向に延びる複数本の長手状のフレキシブル・ワイヤ740が装着されるかまたは他の方法で連結されている。この構成により、自己拡張部材712の近位端に作用する押出力が、その自己拡張部材712のうちの、近位側における周囲部まわりに、より均等に分散されることが可能となる。別の実施態様においては、図12に示されていないが、複数の最近位セル構造体732の複数のストラットが、同じ自己拡張部材712の他の部位に位置するストラットより大きな幅寸法および/または厚さ寸法を有する。このような構成によっても、前記押出力が、自己拡張部材712のうちの、近位側における周囲部まわりに、より均等に分散されることが促進(容易化)され、さらに、前記押出力を直接的に受ける前記複数のストラットが座屈することが阻止される。
前述のように、使用中、本発明に係る自己拡張部材は、第1公称直径を有する非拡張状態すなわち収縮(圧縮)状態で、患者の、屈曲蛇行した脈管または体内導管内を通過して、例えば塞栓(embolic obstruction、塞栓性閉塞、閉塞部、血栓)のような治療部位まで挿入され、この自己拡張部材は、非拡張状態から、半径方向に拡張した拡張状態まで動くこと(変形すること)が可能であり、その拡張状態は、この自己拡張部材が前記治療部位において展開するために、前記第1公称直径より大きい第2公称直径を有する。図13Aないし図13Cには、自己拡張部材912を、塞栓950の存在部位まで送給してその場所において展開する一方法が示されている。図13Aに示すように、送給カテーテル960であって内腔962を有するものが、塞栓950まで挿入され、それにより、その送給カテーテル960の遠位端964が、塞栓950に対して遠位寄りとなる位置に位置させられる。送給カテーテル960が塞栓950に適切に位置させられた後、塞栓回収デバイス(脈管治療デバイス)900が送給カテーテル960内に挿入されるが、その挿入は、自己拡張部材912を送給カテーテル960の近位端(図示しない)内に導入し、その後、その自己拡張部材912を、押出力を長手状のフレキシブル・ワイヤ940に作用させることにより、送給カテーテル960の内腔962内を通過するように前進させることによって行われる。送給カテーテル960および塞栓回収デバイス900上に配置されたX線不透過マーカおよび/またはX線不透過被膜を使用することにより、図13Bに示すように、自己拡張部材912が送給カテーテル960の遠位端964に位置決めされ、それにより、自己拡張部材912の本体部916が、長さ方向において、塞栓950と位置合わせされる。図13Cに示すように、送給カテーテル960を近位方向に引っ張る一方で、自己拡張部材912を定位置に保持することにより、自己拡張部材912が展開される。塞栓950内において自己拡張部材912が拡張状態まで展開されると、自己拡張部材912が、送給カテーテル960と一緒に、患者の体外位置まで抜去される。一実施態様においては、塞栓回収デバイス900を患者から完全に抜去するのに先立ち、自己拡張部材912が、最初に、部分的に後退させられ、それにより、自己拡張部材912が送給カテーテル960の遠位端964に係合させられる。
一実施態様においては、自己拡張部材912が塞栓950において拡張されると、ある長さの時間、同じ場所に留置され、それにより、塞栓950を通過するように最終的に生成される血流により、塞栓950が溶解させられるように塞栓950を通過する灌流(perfusion)通路が形成される。この種の実施態様においては、塞栓950を患者の体外に回収するために塞栓950の一部を自己拡張部材912によって捕捉することが不要である。塞栓950を通過する目標通路を形成するために塞栓950の大部分がすでに溶解させられているか、または、最終的に生成される血流によって塞栓950が完全に除去される場合には、自己拡張部材912を送給カテーテル960内に回収(withdraw)し、その後、自己拡張部材912を患者から抜去することが可能である。
別の実施態様においては、自己拡張部材912が塞栓950において拡張され、ある長さの時間、同じ場所に留置され、それにより、塞栓950を通過するように最終的に生成される血流により、塞栓950が変化させられるように塞栓950を通過する灌流(perfusion)通路が形成されるが、塞栓950の変化は、塞栓を、自己拡張部材912によってより簡単に捕捉されるものにする方法、および/または、塞栓を患者の管腔壁(vessel wall、血管壁)からより簡単に分離されるものにする方法によって行われる。例えば、塞栓950を通過するように形成される血流を、塞栓の組織を変化させるのに十分な長さの時間、塞栓950を通過するように生成することが可能であり、その時間の長さは、塞栓を自己拡張部材912によってより簡単に捕捉されるものとする長さおよび/または塞栓を前記管腔壁からより簡単に分離されるものにする長さとすることが可能である。上述の方法を行う場合のように、塞栓950を通過するように血流を生成することは、さらに、組織を保全するためにも役立つ。一実施態様においては、塞栓950を通過する血流を、塞栓子を溶解させるために使用することが可能である。しかし、このように変更された方法では、塞栓子の溶解が、塞栓が自己拡張部材912によってより簡単に捕捉されるように塞栓子を調製する(prepare、準備する)という目的のために行われる。例えば目標の公称(代表、平均)直径を有する塞栓950を形成することにより、塞栓950が適切に調製された場合には、自己拡張部材912が、送給カテーテル940の遠位端964から展開(配備)され、それにより、自己拡張部材912が塞栓950に係合させられる。塞栓950の全部または一部を患者から除去することは、前述の方法に類似する方法によって行われる。
さらに別の実施態様においては、自己拡張部材912が塞栓950内に送給されて拡張されると、自己拡張部材912を、長手状のフレキシブル・ワイヤ940から分離し、それにより、自己拡張部材912を患者の体内に永久的に留置することが可能である。この種の実施態様においては、長手状のフレキシブル・ワイヤ940を自己拡張部材912に装着する方法により、それら2つの部品を互いに分離することが可能である。このことは、例えば、自己拡張部材912と長手状のフレキシブル・ワイヤ940との間に位置する機械的なインタロック(連結機構、連動装置)または腐食可能な電解質接合部を使用することにより、行うことが可能である。
本明細書に記載されているように、本発明の種々の実施形態に従う自己拡張部材は、自身の遠位端に装着される遠位ワイヤ・セグメントを有してもよいし、有しなくてもよい。別の望ましい実施態様においては、塞栓に自己拡張部材を永久的に留置するように設計された脈管治療デバイスが、自己拡張部材の遠位端に装着される遠位ワイヤ・セグメントを有しない。
本発明に係る自己拡張部材におけるセル・パターン(セル配列)に付随する利点の一つは、長手状のフレキシブル・ワイヤに引張力を作用することによって自己拡張部材を回収すると、拡張状態での自己拡張部材の直径が小さくなり、この状態で自己拡張部材が患者から回収され、それにより、脈管が損傷する可能性が減少するということである。さらに、血栓回収(除去)中、自己拡張部材のサイズが減少するにつれて、複数のセル構造体が折り畳まれて血栓をつかんで保持し(pinch down on the clot)、それにより、血栓回収(除去)能力が向上する。別の利点は、セル・パターンにより、自己拡張部材が部分的にまたは完全に展開した後に、自己拡張部材を送給カテーテルの内腔内に格納することが可能となるということである。したがって、いずれかの時点において、自己拡張部材が、不適切な位置で、部分的にまたは完全に展開してしまったと判断されると、その自己拡張部材を、送給カテーテルの遠位端内に格納し、そして、正規な位置に再度、位置決めすることが可能である。
図14を参照するに、図6Aに示す脈管治療デバイス200の一変形例が示されており、その変形例は、自己拡張部材212のうちの筒状を成す本体部216に位置する複数のセル構造体226のうちの少なくとも一部に交差する複数の幅狭ストラット・エレメント280を有する。それら幅狭ストラット・エレメント280は、セル構造体226を形成する複数のストラット・エレメント282より狭い幅寸法を有するように形状が設計されている。別のいくつかの例示的な実施態様においては、幅狭ストラット・エレメント280の切断時または研磨後の幅寸法が、他のストラット・エレメント282の切断時または研磨後の幅寸法よりそれぞれ、約25−約50%狭い。血栓回収という目的で使用する場合、幅狭ストラット・エレメント282の目的は、自己拡張部材212が塞栓に係合して捕捉する能力を向上させることにある。この目的は、いくつかの要因のおかげで達成される。第1に、幅狭ストラット・エレメント280の幅寸法が狭いことにより、それら幅狭ストラット・エレメント280が塞栓を貫通する(塞栓に入り込む)することが容易になる。第2に、自己拡張部材212が塞栓内において展開されるにつれて、それら幅狭ストラット・エレメント280は、捕捉した塞栓のうちのいくつかの部分を、それら幅狭ストラット・エレメント280より外側に位置してそれらより幅広であるストラット・エレメント282との間で挟んでつまむように作用する。第3に、それら幅狭ストラット・エレメント280は、塞栓に作用する半径方向力を局部的に増加させるために使用することが可能である。注目することが重要であることは、幅狭ストラット・エレメント280の用途は、自己拡張部材212の筒状を成す本体部216内に位置する複数のセル構造体226内において使用するという用途に限定されないということである。それら幅狭ストラット・エレメント280は、機能向上という観点から、自己拡張部材212を構成する複数のセル構造体226の一部または全部に配置することが可能である。さらに、注目することが重要であることは、幅狭ストラット・エレメント280の用途は、図6に示す実施形態に限定されるのではなく、本明細書に開示されている種々の実施形態のすべてに適用可能であるということである。最後に、別のいくつかの例示的な実施態様においては、図15に示すように、複数の幅狭ストラット・エレメント280が、一つまたは2つ以上のセル構造体226内に配置され、また、それら幅狭ストラット・エレメント280は、さらに、単一の幅狭ストラット・エレメント280を有するセル構造体226および/または幅狭ストラット・エレメント280を有しないセル構造体226と協働するように使用することも可能である。
動脈瘤の治療においては、血流をダイバート(方向変換)するという用途のために脈管治療デバイス200が使用される場合、複数のセル構造体226が、動脈瘤嚢から遠ざかる向きに血流を効果的に方向変換するのに十分である密度を有する。別の実施態様においては、セル構造体226の密度を調整することに代わるか、または、それと組み合わせて、図14および図15に示す幅狭ストラット・エレメント280に類似した複数の中間ストラット・エレメントが、自己拡張部材212の有効壁表面を増加させるために使用される。それら実施態様においては、それら中間ストラット・エレメントが、セル構造体226の他のストラット・エレメントと同じ寸法か、それより小さい寸法か、もしくは、それより大きい寸法か、またはそれら寸法を組み合わせたものを有する。逆に、別の実施態様であって、複数のコイルまたはそれと似た構造体を動脈瘤嚢の内部に留置することを目的とする動脈瘤の治療に使用されるものにおいては、複数のセル構造体226が、それらコイルを、複数のセル構造体226内を通過することを促進(容易化)するのに十分なサイズを有する。
図16は、図6Aおよび図6Bに示す実施形態に従う脈管治療デバイス200の変形例を示しており、その変形例においては、自己拡張部材212が患者の治療部位まで前進する際における自己拡張部材212の可推性(pushability)が、自己拡張部材212の近位端220と遠位端222との間を延びる内部ワイヤ・セグメント241の追加によって向上させられている。この方法により、長手状のフレキシブル・ワイヤ240によって加えられる押出力が、自己拡張部材212の近位端220と遠位端222との双方に伝達される。内部ワイヤ・セグメント241は、自己拡張部材212の近位端220および遠位端222に装着された独立の部品としてもよいし、望ましくは、長手状のフレキシブル・ワイヤ240から一体的に延びるものとしてもよい。自己拡張部材212が収縮状態で治療部位まで送給される過程において、内部ワイヤ・セグメント241は、前記押出力のうちの少なくとも一部を自己拡張部材212の遠位端222に十分に分配(伝達)するように、実質的に直線的である構造を有する。自己拡張部材212が拡張するとき、自己拡張部材212は、図16に示すように、長さ方向に収縮して、内部ワイヤ・セグメント241にスラック(弛み)を発生させ、自己拡張部材212内において長いピッチを有するらせんが形成される。内部ワイヤ・セグメント241を使用することに付随する別の利点は、自己拡張部材212が拡張されて内部らせんが形成されることにより、自己拡張部材212が塞栓を捕捉することが促進(容易化)されるということである。
別の実施態様においては、図17に示すように、自己拡張部材212が患者の治療部位まで前進する際における自己拡張部材212の可推性(pushability)が、自己拡張部材212の近位端220と遠位端222との間を延びる外部ワイヤ・セグメント243の追加によって向上させられている。この方法により、長手状のフレキシブル・ワイヤ240によって加えられる押出力が、自己拡張部材212の近位端220と遠位端222との双方に伝達される。外部ワイヤ・セグメント243は、自己拡張部材212の近位端220および遠位端222に装着された独立の部品としてもよいし、望ましくは、長手状のフレキシブル・ワイヤ240から一体的に延びるものとしてもよい。自己拡張部材212が収縮状態で治療部位まで送給される過程において、外部ワイヤ・セグメント243は、前記押出力のうちの少なくとも一部を自己拡張部材212の遠位端222に十分に分配(伝達)するように、実質的に直線的である構造を有する。自己拡張部材212が拡張するとき、自己拡張部材212は、図17に示すように、長さ方向に収縮して、外部ワイヤ・セグメント243にスラック(弛み)を発生させる。外部ワイヤ・セグメント243を使用することに付随する別の利点は、自己拡張部材212が拡張されて、自己拡張部材212が塞栓に係合して捕捉することを促進(容易化)しつつ、外部ワイヤ・セグメント243が直接、塞栓に作用するということである。
別の実施態様においては、図18に示すように、遠位塞栓捕捉(distal emboli capture)デバイス251が、自己拡張部材212の遠位ワイヤ・セグメント250上に配置されるか、または、自己拡張部材212の遠位端222に装着される。この遠位塞栓捕捉デバイス251は、自己拡張部材212が拡張される過程、または、遠位閉塞(distal embolization)を予防するために自己拡張部材212が患者から抜去される過程において、塞栓(embolic obstruction)から離散するかもしれない塞栓片(emboli、血栓子、塞栓子)を捕捉するという機能を有する。図18においては、遠位塞栓捕捉デバイス251が、コイルとして示されている。別の実施態様においては、バスケット、塞栓フィルタまたは他の既知の遠位塞栓捕捉デバイスを、自己拡張部材212の遠位端222または遠位ワイヤ・セグメント250に装着することが可能である。
反復するに、図14および図15に示すいくつかの実施態様と同様に、注記することが重要であることは、図16、図17および図18に関連して前述した特徴は、図6に示す実施形態に限定されることなく、本明細書に開示されている種々の実施形態のすべてに適用可能であるということである。
図19は、本発明の別の実施形態に従う、体内導管または脈管(血管)を治療する脈管治療デバイス1000を示している。図19は、この脈管治療デバイス1000を、自身を切断して一表面上に平らに展開したかのように、2次元平面展開図で示している。この脈管治療デバイス1000は、自己拡張部材1012を有し、その自己拡張部材1012は、近位端部1024と、筒状を成す本体部1026と、遠位端部1028とを有し、これに伴い、長手状のフレキシブル・ワイヤ1014が、自己拡張部材1012の近位端1020に装着されるかまたは他の方法で連結されている。この脈管治療デバイス1000の構成は、図6Aに関連して前述した脈管治療デバイス200の構成に類似しているが、近位端部1024に位置する複数のセル構造体1018および1019が、脈管治療デバイス200(図6A)の近位端部214に位置する複数のセル構造体より空間的に詰めて、かつ、より対称的に配列されている点では異なる。この脈管治療デバイス1000の近位端部1024に位置する複数のセル構造体の、より実質的に対称的に並んだ配列により、送給カテーテルまたはシース(図示しない)に対する自己拡張部材1012の装填または離脱が促進(容易化)され、それら装填または離脱は、近位端部1024を、収縮中、より均等に折り畳むことによって行われる。複数のセル構造体1018および1019を構成する複数の近位ウォール・セグメント1016は、図19の2次元平面展開図で見ると、直線的であるかまたは実質的に直線的である複数の直線ストラット・エレメント1016を有する。一実施態様においては、それら直線ストラット・エレメント1016が、各々、連続的であり、かつ、実質的に直線的である複数の直線レール・セグメント1017を形成するように並んでおり、それら直線レール・セグメント1017は、近位端部1024の近位端1020から、本体部1026のうちの、最も近位寄りの端まで延びており(再び、図19の2次元平面展開図で見ると)、また、望ましくは、それぞれが互いに同じ長さを有する。別の実施態様においては、ワイヤ・セグメント1014と直線レール・セグメント1017との成す角度qが、約140度から約150度までの範囲内にある。一実施態様においては、直線レール・セグメント1017および1017(2本、第1および第2の直線レール・セグメント)のうちの一方または両方が、幅寸法W1を有しており、その幅寸法W1は、セル構造体1018および/または1019および/または1030を構成する複数のストラット・エレメントのうち、互いに隣接するものの幅寸法より拡大されている。直線レール・セグメント1017および1017のうちの一方または両方の幅寸法W1が拡大されていることにより、さらに、押出力がそれら直線レール・セグメント1017に作用する場合に、それら直線レール・セグメント1017が力を分散させる能力および座屈に耐える能力が向上する。別の実施態様においては、直線レール・セグメント1017のうちの一方または両方が、他の部位より拡大された幅寸法を有しないが、その場合と同じかまたは類似した効果を得るために、他の部位より拡大された厚さ寸法を有する。さらに別の実施態様においては、直線レール・セグメント1017のうちの一方または両方につき、幅寸法も厚さ寸法も、他の部位より拡大され、それにより、上述の効果と同じかまたは類似した効果が得られる。さらに別の実施態様においては、自己拡張部材1012が送給カテーテルまたはシース内に装填されるかまたは収容されるように自己拡張部材1012が折り畳まれるときに、自己拡張部材1012の近位端部1024の圧縮力がさらに均等に分散するように、各直線レール・セグメント1017の幅寸法および/または厚さ寸法が、位置によって変化させられる(分布させられる)。
後述の説明は図19に示す実施形態に向けられているが、注目することが重要であることは、図20ないし図22に示すいくつかの実施形態によって採用されているスリットが、本明細書に記載されているすべての脈管治療デバイス、それら脈管治療デバイスについての多数の実施態様およびそれらの変形例に適用可能であるということである。
ここで図20を参照するに、図19に示す脈管治療デバイス1000は、長軸方向に延びるスリット1040を有しており、そのスリット1040は、自己拡張部材1012の近位端1020から遠位端1022まで延びている。スリット1040により、セル構造体1018,1019および1030が相対的に移動する(接近および離隔する)ことが可能であり、その相対移動は、自己拡張部材1012が送給カテーテルまたはシース内に装填されるかまたは収容されていて自己拡張部材1012が収縮状態にあるときに、自己拡張部材1012のそれぞれのストラット・エレメント1032が座屈することが阻止される方法で行われる。別の実施態様においては、スリット1040が、自己拡張部材1012の全長より短い長さで延びるとともに、機能向上のために重要である(strategically important)ストラット・エレメントの座屈を阻止するように配置されており、そのストラット・エレメントは、自己拡張部材1012が送給カテーテルまたはシース内に効果的に装填されるかまたは回収される能力に対して最も大きな影響を及ぼす。例えば、一実施態様においては、スリット1040が、自己拡張部材1012の近位端部1024であってストラット・エレメント1032が座屈するかまたは折れ曲がる可能性が最も高い場所にのみ配置される。別の実施態様においては、スリット1040が、自己拡張部材1012の近位端部1024と筒状を成す本体部1026との双方に配置される。
図21は、図19に示す脈管治療デバイス1000であって、自己拡張部材1012の全周を延びる対角的配置(長軸に対して斜めに交差する方向に延びる配向)型/らせん状のスリット1050を有するものを示している。一実施態様においては、図21に示すように、らせん状スリット1050が、自己拡張部材1012の近位端部1024のうちの、遠位点、または、その遠位点に隣接する位置から延び出している。図19に示す直線レール・セグメント1017のような直線レール・セグメントを有するこの実施形態に関して言えば、らせん状スリット1050は、複数の直線レール・セグメント1017のうちのいずれかの遠位位置1021、またはその遠位位置1021に遠位方向に隣接する位置から延び出している。本明細書に記載された種々の脈管治療デバイスを試験した結果、座屈が、自己拡張部材の近位端部のうちの遠位位置に隣接するストラット・エレメントにおいて発生する傾向があることが判明した。この現象は、近位端部において直線レール・セグメントを有する自己拡張部材において悪化する。この理由により、そして、図21を参照すると、らせん状スリット1050の始端が、いずれかの直線レール・セグメント1017の遠位位置1021に位置するか、またはその遠位位置1021に隣接した位置に位置する。図19に示す対角的配置および/またはらせん状のスリット1050の構成による利点は、らせん状スリット1050が、座屈が発生し易い場所から延びており、さらに、ストラット・エレメント1032が自己拡張部材1012の長さ方向に座屈することを阻止する。図22に示すように、別の実施態様においては、スリット1050が、自己拡張部材1012の筒状を成す本体部1026の外周部のうちの一部のみに沿って対角的に(斜めに)延びている。図22に示す実施態様においては、スリット1050が、直線レール・セグメント1017の遠位位置1021から延び出している。別の実施態様においては、それぞれのストラット・エレメント1032の座屈が、自己拡張部材1012の近位端部1024のうちの遠位位置ではない位置から開始する場合に、スリット1050の始端が、前記座屈の開始点(スリット1050が存在しなかったならその座屈が開始するであろう位置)に位置するとともに、その開始点から遠位方向に長軸に沿って延びている。
図23は、本発明の別の実施形態に従う、体内導管または脈管(血管)を治療する脈管治療デバイス2000を示している。図23は、この脈管治療デバイス2000を、自身を切断して一表面上に平らに展開したかのように、2次元平面展開図で示している。この脈管治療デバイス2000は、自己拡張部材2012を有し、その自己拡張部材2012は、長手状のフレキシブル・ワイヤ2040に装着されるかまたは他の方法で連結されており、そのフレキシブル・ワイヤ2040は、自己拡張部材2012から近位方向に延びている。一実施態様においては、自己拡張部材2012が、ニチノール(Nitinol、登録商標)により構成され、また、望ましくは、チューブをレーザで切断することによって製造される。一実施態様においては、自己拡張部材2012が、それと一体的に形成されてそれから近位方向に延びるワイヤ・セグメント2042(近位ワイヤ・セグメント)を有し、そのワイヤ・セグメント2042は、長手状のフレキシブル・ワイヤ2040を自己拡張部材2012に連結するために使用される。この種の実施態様においては、フレキシブル・ワイヤ2040を、ワイヤ・セグメント2042に、半田、溶接、接着剤または他の既知の装着方法を用いて連結することが可能である。別の実施態様においては、フレキシブル・ワイヤ2040の遠位端が、自己拡張部材2012の近位端2020に直接的に装着される。
図23に示す実施形態においては、自己拡張部材2012が、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメント2024を有しており、それら波状エレメント2024のうち互いに隣接するものは、周方向に並んだ複数のセル構造体2026を形成するように互いに連結されている。自己拡張部材2012は、近位端部2013と、筒状を成す本体部2014と、遠位端部2015とを有し、本体部2014に位置する複数のセル構造体2026は、連続的に、かつ、自己拡張部材2012の長軸2032まわりを全周にわたって延びている。近位端部2013および遠位端部2015に位置する複数のセル構造体2026は、自己拡張部材2012の長軸2032まわりを全周にわたってではなく部分的に延びている。複数のセル構造体2027,2028,2029および2030を構成する複数の近位ウォール・セグメント2016は、図23の2次元平面展開図で見ると、直線的であるかまたは実質的に直線的である複数の直線ストラット・エレメント2016を有する。一実施態様においては、それら直線ストラット・エレメント2016が、各々、連続的であり、かつ、実質的に直線的である複数の直線レール・セグメント2017を形成するように並んでおり、それら直線レール・セグメント2017は、近位端部2013の近位端2020から、本体部2014のうちの、最も近位寄りの端まで延びており(再び、図23の2次元平面展開図で見ると)、また、望ましくは、それぞれが互いに同じ長さを有する。図6Aおよび図6Bを参照して前述したように、それら直線レール・セグメント2017は、実際には、直線的ではなく、曲線的でかつ波状部を有しない形状を有する。有利なことは、この構成によれば、それら直線レール・セグメント2017が波状部を有しないものとなり、それにより、押出力(軸方向力)がそれら直線レール・セグメント2017に作用したときに、それら直線レール・セグメント2017が力を分散させる能力と座屈に耐える能力とが向上するということである。別の望ましい実施態様においては、ワイヤ・セグメント2042または2040のうち該当するものとそれら直線レール・セグメント2017との成す角度qが、約140度から約150度までの範囲内にある。一実施態様においては、直線レール・セグメント2017が、幅寸法を有し、その幅寸法は、セル構造体2027および/または2028および/または2029および/または2030および/または2026を構成する複数のストラット・エレメントのうち互いに隣接したものの幅寸法より拡大されている。直線レール・セグメント2017の幅寸法が他の部位の幅寸法より拡大されているということによっても、押出力(push force、軸方向力)が自己拡張部材2012に作用したときに、それら直線レール・セグメント2017が力を分散させる能力と座屈に耐える能力とが向上する。別の実施態様においては、直線レール・セグメント2017が、他の部位より拡大された幅寸法を有しないが、その場合と同じかまたは類似した効果を得るために、他の部位より拡大された厚さ寸法を有する。さらに別の実施態様においては、直線レール・セグメント2017につき、幅寸法も厚さ寸法も、他の部位より拡大され、それにより、上述の効果と同じかまたは類似した効果が得られる。
一実施態様においては、最も近位寄りのセル構造体2027を構成する内側ストラット・エレメント2080の幅寸法および/または厚さ寸法も、自己拡張部材2012がシースまたは送給カテーテル内を通過するように押し出される間に、それら内側ストラット・エレメント2080の座屈に対抗するように、他の部位の寸法より拡大されている。例示的な実施態様においては、他の部位より寸法が拡大されたストラット・エレメント2016および2080の、切断時における公称幅寸法が約0.0045インチであり、一方、他のストラット・エレメントの、切断時の公称幅寸法は約0.003インチである。
図24Aおよび図24Bは、本発明の別の実施形態に従う脈管治療デバイス3000を示している。図24Aは、この脈管治療デバイス3000を、自身を切断して一表面上に平らに展開したかのように、2次元平面展開図で示している。図24Bは、この脈管治療デバイス3000を、製造された状態および/または拡張された状態で示している。この脈管治療デバイス3000の全体の設計構造は、図23に示すとともにその図を参照して前述された脈管治療デバイス2000の設計構造に類似している。それら2つの設計構造間の主要な違いは、セル構造体2026,2027,2028,2029および2030の長さ寸法Lの、幅寸法Wに対する比率にある。図24Aに示すセル構造体の長さ寸法の、幅寸法に対する比率は、概して、図23に示すセル構造体の長さ寸法の、幅寸法に対する比率より大きいということである。図示されているように、図24Aに示す脈管治療デバイス3000のセル構造体についての長さ寸法Lは、切断時の状態でいうと、概して、図23に示すそれぞれのセル構造体についての長さ寸法より大きく、一方、図24Aに示す脈管治療デバイス3000のセル構造体についての幅寸法Wは、概して、図23に示すそれぞれのセル構造体についての幅寸法より小さい。その結果、図24Aに示すセル構造体におけるそれぞれのストラット・エレメント2040のスロープ(傾斜)が、概して、図23に示すセル構造体におけるそれぞれのストラット・エレメントのスロープより小さい。ストラット・エレメント2040のスロープを小さくするとともに他の寸法特性および材料特性を維持することにより、ストラット・エレメント2040の長さに沿った有効力成分(有効半径方向力)が減少する。この減少によってもたらされる効果は、図24Aに示す脈管治療デバイス3000において、複数の軸方向力成分を、AA線に沿って合計した値が、BB線に沿って合計した値に近似するレベルが、図23に示す脈管治療デバイス2000より高い。実験によって本発明者らが発見したことは、切断時のセル構造体の長さ寸法の、幅寸法に対する比率が約2.0より大きいことと、拡張時のセル構造体の長さ寸法の、幅寸法に対する比率が約1.25より大きいこととの組合せにより、自己拡張部材2012の長さに沿った、長軸方向における半径方向力の分布であって、自己拡張部材2012が送給カテーテルの内腔内を通過するように押し出されるとともにその内腔内に回収される能力を向上させるものが結果的に利点として発生するということである。
図26、図27Aおよび図27Bは、本発明の別の実施形態に従う自己拡張部材5000を示す。その自己拡張部材5000は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメント5024を有しており、それら波状エレメント5024のうち互いに隣接するものは、互いに位相が一致しない非同位相状態で、かつ、対角的に配列されただ複数のセル構造体5026であって互いに約40.0度から約50.0度までの範囲内の角度を成すものを形成するように互いに連結されている。一実施態様においては、それらセル構造体5026が、約45.0度を有する直線に沿って斜めに配置されている。自己拡張部材5000は、近位端部5014と、筒状を成す本体部5016と、遠位端部5018とを有し、本体部5016に位置する複数のセル構造体5026は、連続的に、かつ、自己拡張部材5000の長軸まわりを全周にわたって延びている。近位端部5014および遠位端部5018に位置する複数のセル構造体5026は、自己拡張部材5000の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延びている。一実施態様においては、自己拡張部材5000が、非拡張状態すなわちクリンプ状態で約1.0mmの公称直径を有し、また、設計上、移植可能な状態で約4.0mmの最大直径を有する。
一実施態様においては、自己拡張部材5000が、約36.0プラス・マイナス2.0mmという全長Aを有し、それの本体部5016は、約19.0プラス・マイナス2.0mmの長さPを有する。一実施態様においては、本体部5016内のストラットの幅寸法Nおよび厚さ寸法Oがそれぞれ、約0.0021プラス・マイナス0.0004インチおよび約0.0032プラス・マイナス0.0005インチであり、一方、近位レール・セグメント5030のストラットの幅寸法Lは、約0.0039プラス・マイナス0.004インチである。
使用中、自己拡張部材5000は、第1公称直径を有する非拡張状態すなわち収縮(圧縮)状態(図示しない)で、患者の、屈曲蛇行した脈管または体内導管内を通過するように治療部位まで前進させられ、この自己拡張部材5000は、非拡張状態から、半径方向に拡張した拡張状態まで動くこと(変形すること)が可能であり、その拡張状態は、自己拡張部材5000が前記治療部位において展開するために、前記第1公称直径より大きい第2公称直径を有する。別の例示的な実施態様においては、前記第1公称直径(例えば、本体部16の平均直径)が、約0.017インチ(約0.43mm)から約0.030インチ(約0.76mm)までの範囲内にあり、これに対し、前記第2公称直径(例えば、本体部5016の平均直径)は、約2.5mmから約5.0mmまでの範囲内にある。一実施態様においては、セル構造体5026のうち、自己拡張部材5000のうちの本体部5016内に存在する部分につき、寸法特性および材料特性が、患者から塞栓(塞栓性閉塞)を部分的にまたは完全に除去することが可能な方法で、前記脈管内に存在する塞栓との係合をセル構造体5026に行わせるのに十分な大きさの半径方向力および接触相互作用を生成するように、選択される。別の実施態様においては、セル構造体5026のうち、自己拡張部材5000のうちの本体部5016内に存在する部分につき、寸法特性および材料特性が、単位長さ当たりに発生する半径方向力(引き裂き強度、引張強さ)が、約0.005N/mmから約0.050N/mmまでの範囲内にあり、望ましくは、約0.010N/mmから約0.050N/mmまでの範囲内にあり、さらに望ましくは、約0.030N/mmから約0.050N/mmまでの範囲内にあるように、選択される。一実施態様においては、本体部5016の直径が、設計上、完全に拡張した移植状態において、約4.0mmであり、これに伴い、セル構造体5026のセル・パターン(セル配列)、ストラット寸法および材料が、本体部5016の直径が1.5mmまで減少すると、生成される半径方向力が、約0.040N/mmから約0.050N/mmまでの範囲内にあるように選択される。それと同じかまたは別の実施態様においては、セル構造体5026のセル・パターン、ストラット寸法および材料が、本体部5016の直径が3.0mmまで減少すると、生成される半径方向力が、約0.010N/mmから約0.020N/mmまでの範囲内にあるように選択される。
一実施態様においては、図29のグラフで示すように、セル構造体5026が、特定の寸法特性および材料特性を有するように構成されており、それら寸法特性および材料特性は、自己拡張部材5000が収縮状態すなわちクリンプ状態にあるときに、自己拡張部材5000に作用する半径方向力の、自己拡張部材5000の全長にわたる合計値が、約1.50Nと約2.50Nとの間の範囲内にある状態を生起する。自己拡張部材5000が、収縮状態すなわちクリンプ状態から最初に半径方向に約0.50mm拡張する初期直径拡張範囲内においては、前記自己拡張部材が半径方向に1mm拡張することを想定した場合に、自己拡張部材5000に作用する半径方向力が減少する量の、自己拡張部材5000の全長にわたる合計値が、約−1.5Nから約−3.5Nまでの範囲内となる。自己拡張部材5000が、前記初期直径拡張範囲に後続して約0.5mm拡張する直径範囲内においては、前記自己拡張部材が半径方向に1mm拡張することを想定した場合に、自己拡張部材5000に作用する半径方向力が減少する量の、自己拡張部材5000の全長にわたる合計値が、約−0.10Nから約−0.50Nまでの範囲内となり、このことは、自己拡張部材5000が前記設計上の、完全に拡張した移植状態に移行して、0ではない半径方向力になるまで、継続する。有利であることは、前記初期直径拡張範囲の間、自己拡張部材5000が、比較的大きい半径方向力を発生させ、それにより、当該脈管治療デバイスの初期展開状態において、自己拡張部材5000のストラット・エレメントが患者の導管内の塞栓に係合する可能性が増加するということである。さらに、半径方向力が減少するレート(減少勾配)の初期値が、前記初期直径拡張範囲において、それより後続する直径拡張範囲におけるより、はるかに大きい。図29によって示される例示的な実施態様においては、概して前記初期直径拡張範囲において、半径方向力の減少レート(減少勾配)の初期値が、後続する直径拡張範囲における半径方向力の減少レート(減少勾配)より約20.0−約30.0倍大きい。このような半径方向力特性によってもたらされる利点は、半径方向力の大きな値を、自己拡張部材5000の初期展開段階で実現し得、それにより、自己拡張部材5000のストラット・エレメントが、前記導管内の塞栓内に入り込むことが促進され、これに伴い、前記初期展開段階に後続する段階において、半径方向力の減少量が大きくなり、その大きな減少量により、合併症を併発することなく、かつ、前記導管に対する不良な相互作用が制限されつつ(例えば、導管壁に対する損傷が少なくて済むなど)、塞栓が患者の導管から除去される能力が向上する。前記半径方向力特性によってもたらされる別の利点は、半径方向力の、自己拡張部材5000の全長にわたる合計値が減少するレート(減少勾配)が、線形性に似た特性で減少し、非常に減少した減少レートにおいては、自己拡張部材5000に作用している半径方向力を予測できる精度が、自己拡張部材5000の直径の大小の如何を問わず、均一化されるということである。さらに、有利なことは、自己拡張部材5000に作用する半径方向力が、自己拡張部材5000が、設計上の、移植可能な最大直径の直径を示すときに、0ではない値を実現するように設計されるということである。
図30は、本発明のいくつかの実施形態に従う血栓回収デバイス6000を示しており、その血栓回収デバイス6000においては、特に、レール・セグメント6001および6002を構成する複数のストラット・エレメント(ストラット、レール・ストラット)が、それぞれ互いに異なる幅寸法(have varying width dimensions)を有している。図30は、この血栓回収デバイス6000を、自身を切断して一表面上に平らに展開したかのように、2次元平面展開図で示している。図30は、この血栓回収デバイス6000を、それが製造された(切断時の(as-cut、展開のために切断が行われて平面状を成す))状態で示している。一実施態様においては、レール・セグメント6001が、自身の近位端6014と同じ位置またはそれの近傍位置における最大幅寸法(最大レール幅寸法)から、当該レール・セグメント6001の遠位端6015と同じ位置またはそれの近傍位置における最小幅寸法(最小レール幅寸法)まで変化する。同様にして、レール・セグメント6002が、自身の近位端6014と同じ位置またはそれの近傍位置における最大幅寸法から、当該レール・セグメント6002の遠位端6016と同じ位置またはそれの近傍位置における最小幅寸法まで変化する。前述のように、それらレール・セグメント6001および6002のそれぞれの幅寸法は、押出力(push force、軸方向力)が当該脈管治療デバイス(血栓回収デバイス6000)の近位端6014に作用する場合に、力を分散するとともに座屈に耐える能力を増強するように、選択される。いくつかの実施態様においては、前記最大レール幅寸法と前記最小レール幅寸法との間のパーセンテージ変化分(percentage change、百分率によって表現される変化率)が、約20.0%と約50.0%との間にある。いくつかの別の実施態様においては、前記最大レール幅寸法と前記最小レール幅寸法との間のパーセンテージ変化分(percentage change)が、約25.0%と約45.0%との間にある。いくつかの別の実施態様においては、前記最大レール幅寸法と前記最小レール幅寸法との間のパーセンテージ変化分(percentage change)が、約35.0%と約45.0%との間にある。ある望ましい実施態様においては、レール・セグメント6001および6002のそれぞれの幅寸法が、約0.0047プラス・マイナス0.0004インチという最大幅寸法から、約0.0027プラス・マイナス0.0004インチという最小幅寸法まで変化する。別の望ましい実施態様においては、レール・セグメント6001および6002のそれぞれの幅寸法が、約0.0047プラス・マイナス0.0004インチという最大幅寸法から、約0.0035プラス・マイナス0.0004インチという最小幅寸法まで変化する。別の望ましい実施態様においては、レール・セグメント6001および6002のそれぞれの幅寸法が、約0.0047プラス・マイナス0.0004インチという最大幅寸法から、約0.0037プラス・マイナス0.0004インチという最小幅寸法まで変化する。前述のように、研磨後に当該血栓回収デバイス6000について行われるプロセスには、一般に、エッチング・プロセスがあり、このプロセスが行われると、一般に、切断時の断面寸法(as-cut cross-section dimensions)が40%から50%までの範囲内で減少する。
本明細書において前述したように、図30は、波状部を有しない複数のレール・セグメントを示しているが、理解されることは、図1Aおよび図4Aに示すようなレール・セグメントも本実施形態の適用対象となるということである。さらに、理解されることは、レール幅寸法についての特性であって上述したものとは別に、図1−図29に関連して本明細書において先に開示された複数の脈管治療デバイス(血栓回収デバイス)の複数の特徴部および/または複数の特性(例えば、寸法に関するもの、空間に関するもの(spatial)、相互の関係に関するもの(relational)など)のうちの任意の数のものを、図30に従う血栓回収デバイス6000に組み込むことが可能であるということである。
いくつかの実施態様においては、レール・セグメント6001および6002のそれぞれの幅寸法が、それぞれの全長(またはその全長の一部)に沿って、実質的な、一定の減少率で減少するという方法(substantial uniform and diminishing fashion)で、テーパ化している。いくつかの実施態様においては、レール・セグメント6001および6002のそれぞれのうち、互いに離散する複数のレール部分が、それぞれ、実質的に一様な幅寸法を有する一方で、それらレール部分であって幅寸法が互いに異なるものを互いに結合するために、複数の遷移的テーパ部(transitional tapers、レール部分間に介在して、幅寸法が徐々に変化する部品)が使用される。いくつかの実施態様においては、レール・セグメント6001および6002のそれぞれのうち、互いに離散する複数のレール部分が、それぞれ、実質的に一様な幅寸法を有する一方で、それらレール部分であって幅寸法が互いに異なるものを互いに結合するために、複数の階段状遷移部(stepped transitions、レール部分間に介在して、幅寸法が段階的に変化する部品)が使用される。別のいくつかの実施態様においては、上述の複数の方法であって幅寸法を遷移させるもののうちの2つまたはそれより多数のものが利用される。不可欠ではないが、複数の遷移部が、前述の複数のレール・ストラットの連結点(例えば、複数の連結点6030)においてではなく、それらレール・ストラットに沿った複数の部分において出現することが望ましい。
いくつかの実施態様においては、前述のように、複数のセル構造体のうち最も近位寄りに位置する最近位セル構造体6018のストラット6012および6013が、当該血栓回収デバイス6000が患者の、屈曲蛇行した解剖学的部位(tortuous anatomy)内を進行させられる際における当該血栓回収デバイス6000の可推性(pushability)を向上させることを目的として、他の部位より拡大された幅寸法であって、前記最大レール幅寸法と等しいかまたはそれより小さい可能性があるものをも有する。いくつかの実施態様においては、ストラット6012および6013の全長より短い長さの部分に、他の部位より拡大された幅寸法が付与される。例えば、いくつかの実施態様においては、他の部位より幅寸法が拡大された幅広部(enhanced width portion)が、ストラット6012および6013のそれぞれのうち、最も近位寄りの端である最近位端から延びるとともに、連結点6026よりある距離だけ手前の位置において終端となる。それらストラット6012および6013の構成態様も、前述のいくつかの方法によって変更することが可能である。
続けて図30を参照するに、いくつかの望ましい実施態様においては、ストラット6003および6004のそれぞれの全部または一部(さらに、任意選択的に、ストラット6005および6006のそれぞれのうちの近位部分の全部または一部を追加することも可能)が、約0.0045インチと約0.0050インチとの間の幅寸法を有し、また、ストラット6007および6008のそれぞれの全部または一部(さらに、任意選択的に、ストラット6005および6006のそれぞれのうちの遠位部分の全部または一部を追加することも可能)が、約0.0035インチと約0.0036インチとの間の幅寸法を有し、また、ストラット6009および6010のそれぞれの全部または一部(さらに、任意選択的に、ストラット6007および6008のそれぞれのうちの遠位部分の全部または一部を追加することも可能)が、約0.0027インチと約0.0035インチとの間の幅寸法を有し、また、当該デバイス(血栓回収デバイス6000)(セクションA,BおよびC)のうちの残りの部分に位置する複数のストラット・エレメントのそれぞれのうちの大部分(substantial portion、実質的な部分、半分以上の部分)は、約0.0027インチと約0.0034インチとの間の幅寸法を有する。直前に説明したいくつかの実施態様のうちの一つまたは複数のものにおいては、ストラット6012および6013のそれぞれの幅寸法が、約0.0033インチと約0.0047インチとの間にあり、望ましくは、約0.0033インチと約0.0040インチとの間にある。理解すべきことは、本明細書の全体に開示されている複数の寸法は、望ましいいくつかの実施態様に関連するとともに、慣用的な製作寸法公差に左右されることもあるということである。それら寸法についての複数の変形例(variations)が存在する可能性があり、それらが本実施形態の適用対象とされる(contemprated)。
不可欠ではないが、複数の幅寸法遷移部が、前述の複数のストラットの連結点(例えば、複数の連結点6030および6032)においてではなく、それらレール自体に沿った複数の部分において出現することが望ましい。
望ましい一実施態様においては、ストラット6003−6006がそれぞれ、約0.0047インチの幅寸法を有し、また、ストラット6007と、ストラット6008と、ストラット6010のうちの近位部とがそれぞれ、約0.0036インチの幅寸法を有し、また、ストラット6009と、ストラット6011と、ストラット6010のうちの遠位部とがそれぞれ、約0.0035インチの幅寸法を有し、また、ストラット6012と、ストラット6013とがそれぞれ、約0.0036インチの幅寸法を有し、また、当該治療デバイス(血栓回収デバイス6000)のうちの残りの複数のストラット・エレメントのうちの全部または大部分(substantial portion、実質的な部分、半分以上の部分)は、それぞれ、約0.0027インチの幅寸法を有する。
実験により、図30に示す当該治療デバイス(血栓回収デバイス6000)のうちの近位テーパ部(proximal taper region、近位寄りの位置においてテーパを有する部分)が、良好な力伝達特性を、良好な半径方向力特性と共に有することが証明され、それら特性は、前記近位テーパ部をイントロデューサのシースおよび/または送給カテーテル内に挿入してそれらによって被覆するシージング工程(sheathing)およびそれの再度の履行であるリシージング工程(re-sheathing)を良好に行うことを可能にする。
別の望ましい実施態様においては、ストラット6003−6006がそれぞれ、約0.0047インチの幅寸法を有し、また、ストラット6007と、ストラット6008と、ストラット6010のうちの近位部とがそれぞれ、約0.0036インチの幅寸法を有し、また、ストラット6009と、ストラット6011と、ストラット6010のうちの遠位部とがそれぞれ、約0.0035インチの幅寸法を有し、また、ストラット6012および6013がそれぞれ、約0.0036インチの幅寸法を有し、また、当該血栓回収デバイス6000のうちのセクションAに位置する複数のストラット・エレメントであって残りのものは、約0.0033インチの幅寸法を有し、また、ストラット6012および6013がそれぞれ、約0.0036インチの幅寸法を有し、また、当該血栓回収デバイス6000のうちのセクションBおよびCに位置する複数のストラット・エレメントであって残りのものは、約0.0027インチの幅寸法を有する。有利なことに、セクションA内の複数のストラットの、拡大された幅寸法により、当該血栓回収デバイス6000のうちの前記近位テーパ部内においてストラットが座屈する可能性が軽減され、さらに、前記近位テーパ部の半径方向強度が増加させられることも行われる。
別の望ましい実施態様においては、ストラット6003−6006がそれぞれ、約0.0047インチの幅寸法を有し、また、ストラット6007と、ストラット6008と、ストラット6010のうちの近位部とがそれぞれ、約0.0036インチの幅寸法を有し、また、ストラット6009と、ストラット6011と、ストラット6010のうちの遠位部とがそれぞれ、約0.0035インチの幅寸法を有し、また、当該血栓回収デバイス6000のうちのセクションDに位置する複数のストラット・エレメントであって残りのものが、約0.0033インチの幅寸法を有し、また、当該治療デバイス(血栓回収デバイス6000)のうちのセクションBおよびCに概して位置する複数のストラット・エレメントであって残りのものが、約0.0027インチの幅寸法を有する。有利なことに、セクションA内の複数のストラットの、拡大された幅寸法により、当該血栓回収デバイス6000が患者の治療部位まで送給される間、当該血栓回収デバイス6000のうちの前記近位テーパ部内においてストラットが座屈する可能性が軽減され、さらに、前記近位テーパ部の半径方向強度が増加させられることも行われる。
別の望ましい実施態様においては、ストラット6003−6006がそれぞれ、約0.0047インチの幅寸法を有し、また、ストラット6007と、ストラット6008と、ストラット6010のうちの近位部とがそれぞれ、約0.0036インチの幅寸法を有し、また、ストラット6009と、ストラット6011と、ストラット6010のうちの遠位部とがそれぞれ、約0.0035インチの幅寸法を有し、また、ストラット6012および6013がそれぞれ、約0.0036インチの幅寸法を有し、また、当該血栓回収デバイス6000のうちのセクションCに概して位置する複数のストラット・エレメントが、約0.0033インチの幅寸法を有し、また、当該血栓回収デバイス6000のうちのセクションAおよびBに位置する複数のストラット・エレメントであって残りのものが、約0.0027インチの幅寸法を有する。有利なことに、セクションC内の複数のストラットの、拡大された幅寸法により、当該血栓回収デバイス6000が患者の治療部位まで送給される間、当該血栓回収デバイス6000のうちの遠位テーパ部(distal taper region、遠位寄りにおいてテーパを有する部分)内においてストラットが座屈する可能性が軽減される。その拡大された幅寸法により、さらに、前記近位テーパ部の半径方向強度であって、当該血栓回収デバイス6000が患者から退去される間、前記遠位テーパ部が開状態(open、開口部を有する状態)に保持される能力が増強されるものが増加させられる。この特徴は、当該血栓回収デバイス6000が塞栓除去のために用いられる場合に、次のような点で特に有利であり、その有利な点は、当該血栓回収デバイス6000が患者から退去させられつつある状態において、当該特徴により、前記遠位テーパ部が開状態に保持されることが可能となるとともに、塞栓の残留部分を掃いて除去する(sweep away)ことが可能となる点である。
いくつかの実施態様によれば、図30に従う血栓回収デバイス6000が、内径が約2.667mmで、壁厚が約0.102mmから約0.126mmまでの範囲内にあるチューブをレーザで切断することによって製造される。使用状態においては、図30に示す実施態様に従う血栓回収デバイス6000が、患者の、屈曲蛇行する脈管解剖学的部位または体内脈管(bodily duct)を通過して、治療部位に到達するまで、第1の公称(nominal、代表)寸法を有する非拡張状態すなわち圧縮状態で前進させられ、また、血栓回収デバイス6000を前記治療部位に配備するために、前記非拡張状態から半径方向拡張状態であって前記第1の公称寸法より大きい第2の公称寸法を有するものに変位することが可能である(movable)。別のいくつかの望ましい実施態様においては、前記第2の公称寸法(例えば、本体部の平均直径)が約4.0プラス・マイナス0.5mmである。いくつかの実施態様においては、拡張可能材料より成る本体部(セクションB)内に概して留置させられる複数のセル構造体6020の寸法特性および材料特性が、それらセル構造体6020を、前記塞栓を患者から部分的にまたは完全に除去する仕方で、前記脈管内に留置されている塞栓/血栓に係合させるのに十分な半径方向力および接触相互作用(contact interaction)を発生させるように選択される。
いくつかの実施態様においては、血栓回収デバイス6000の、拡張可能な長さに沿った複数のエレメントの寸法特性および材料特性が、血栓回収デバイス6000の外径が1.5mmに拘束される場合に、単位長さ当たり、約0.030N/mmから約0.055N/mmまでの範囲内にある半径方向力を発生させるように選択される。いくつかの実施態様においては、血栓回収デバイス6000の、拡張可能な長さに沿った複数のエレメントの寸法特性および材料特性が、血栓回収デバイス6000の外径が1.5mmに拘束される場合に、単位長さ当たり、約0.035N/mmから約0.050N/mmまでの範囲内にある半径方向力を発生させるように選択される。いくつかの実施態様においては、血栓回収デバイス6000の、拡張可能な長さに沿った複数のエレメントの寸法特性および材料特性が、血栓回収デバイス6000の外径が1.5mmに拘束される場合に、単位長さ当たり、約0.037N/mmから約0.049N/mmまでの範囲内にある半径方向力を発生させるように選択される。同一のまたは互いに異なるいくつかの実施態様においては、血栓回収デバイス6000の、拡張可能な長さに沿った複数のエレメントの寸法特性および材料特性が、前記本体部の公称直径寸法が約3.0プラス・マイナス0.5mmである場合に、単位長さ当たり、約0.010N/mmから約0.020N/mmまでの範囲内にある半径方向力を発生させるように選択される。
図30に示す実施態様においては、前記複数のセル構造体のうちの多くのもの(レール・セグメント6001および6002によって少なくとも部分的に形成された複数のセル構造体を除く)が、前記複数のセル構造体のうちの大部分であって一対のショート・ストラット6022および一対のロング・ストラット6023を含むものと同様な形状を有するように図示されている。いくつかの実施態様によれば、前記複数のセル構造体のそれぞれの面積は、約4.00プラス・マイナス0.5mmである。望ましい一実施態様においては、各セル構造体の面積が、4.2mmである。いくつかの望ましい実施態様においては、各ショート・ストラット6022が、約0.080インチと約0.100インチとの間の範囲内の長さを有し、また、各ロング・ストラット6023が、約0.130インチと約0.140インチとの間の範囲内の長さを有し、それにより、当該治療デバイス(血栓回収デバイス6000)の外周に沿って延びる(about、を包囲する)複数のセル構造体の千鳥セル配列が生成される。いくつかの実施態様においては、血栓回収デバイス6000のうち、拡張可能な部分の全長が、約35.0mmと約45.00mmとの間の範囲内にあり、これに伴い、前記本体部(セクションB)は、約20.0mmと約25.0mmとの間の範囲内の長さを有する。望ましい一実施態様においては、血栓回収デバイス6000のうち、拡張可能な部分の全長が、約42.7mmであり、これに伴い、前記本体部(セクションB)は、約21.7mmの長さを有し、また、前記近位テーパ部および前記遠位テーパ部は、それぞれ、約12.4mmの長さおよび約8.6mmの長さを有する。
図31は、他のいくつかの実施態様に従う血栓回収デバイス6050を示しており、この血栓回収デバイス6050においては、特に、レール・セグメント6051および6052を構成する複数のストラット・エレメントが、それぞれ互いに異なる幅寸法を有している。血栓回収デバイス6050は、小径の脈管(vessels、血管)/導管(duct)の治療に特に適合するようになっている。一実施態様においては、図31に示すように、本体部(セクションA)の外周が3つのセル構造体6080を有するが、本体部の構成はこれに限定されない。図31は、この血栓回収デバイス6050を、自身を切断して一表面上に平らに展開したかのように、2次元平面展開図で示している。図31は、この血栓回収デバイス6050を、それが製造された(切断された(as-cut、展開のために切断が行われて平面状を成す))状態で示している。一実施態様においては、レール・セグメント6051が、自身の近位端6053と同じ位置またはそれの近傍位置における最大幅寸法から、当該レール・セグメント6051の遠位端6054と同じ位置またはそれの近傍位置における最小幅寸法まで変化する。同様にして、レール・セグメント6052が、自身の近位端6053と同じ位置またはそれの近傍位置における最大幅寸法から、当該レール・セグメント6052の遠位端6055と同じ位置またはそれの近傍位置における最小幅寸法まで変化する。前述のように、それらレール・セグメント6051および6052のそれぞれの幅寸法は、押出力(push force、軸方向力)が当該脈管治療デバイス(血栓回収デバイス6050)の近位端6053に作用する場合に、力を分散するとともに座屈に耐える能力を増強するように、選択される。いくつかの実施態様においては、前記最大レール幅寸法と前記最小レール幅寸法との間のパーセンテージ変化分(percentage change、百分率によって表現される変化率)が、約20.0%と約30.0%との間にあり、望ましくは、約20.0%と約25.0%との間にある。ある望ましい実施態様においては、レール・セグメント6051および6052のそれぞれの幅寸法が、約0.0047プラス・マイナス0.0004インチという最大幅寸法から、約0.0036プラス・マイナス0.0004インチという最小幅寸法まで変化する。
本明細書において前述したように、図31は、波状部を有しない複数のレール・セグメント6051,6052を示しているが、図1Aおよび図4Aに示すようなレール・セグメントも本実施形態の適用対象となることが理解される。さらに、レール幅寸法についての特性であって上述したものとは別に、図1−図29に関連して本明細書において先に開示された複数の脈管治療デバイス(血栓回収デバイス)の複数の特徴部および/または複数の特性(例えば、寸法に関するもの、空間に関するもの(spatial)、相互の関係に関するもの(relational)など)のうちの任意の数のものを、図31に従う血栓回収デバイス6050に組み込むことが可能であることが理解される。
いくつかの実施態様においては、レール・セグメント6051および6052のそれぞれの幅寸法が、それぞれの全長(またはその全長の一部)に沿って、実質的な、一定の減少率で減少するという方法(substantial uniform and diminishing fashion)で、テーパ化している。いくつかの実施態様においては、レール・セグメント6051および6052のそれぞれのうち、互いに離散する複数のレール部分のそれぞれが、実質的に一様な幅寸法を有する一方で、それらレール部分であって幅寸法が互いに異なるものを互いに結合するために、複数の遷移的テーパ部(transitional tapers、レール部分間に介在して、幅寸法が徐々に変化する部品)が使用される。いくつかの実施態様においては、レール・セグメント6051および6052のそれぞれのうち、互いに離散する複数のレール部分のそれぞれが、個々に、実質的に一様な幅寸法を有する一方で、それらレール部分であって幅寸法が互いに異なるものを互いに結合するために、複数の階段状遷移部(stepped transitions、レール部分間に介在して、幅寸法が段階的に変化する部品)が使用される。別のいくつかの実施態様においては、上述の複数の方法であって幅寸法を遷移させるもののうちの2つまたはそれより多数のものが利用される。不可欠ではないが、複数の遷移部が、前述の複数のレール・ストラットの連結点(例えば、複数の連結点6064)においてではなく、それらレール・ストラットに沿った複数の部分において出現することが望ましい。
いくつかの実施態様においては、前述のように、複数のセル構造体のうち最も近位寄りに位置する最近位セル構造体のストラット6056および6057が、当該血栓回収デバイス6050が患者の、屈曲蛇行した解剖学的部位(tortuous anatomy)内を進行させられる際における当該血栓回収デバイス6050の可推性(pushability)を向上させることを目的として、他の部位より拡大された幅寸法であって、前記最大レール幅寸法と等しいかまたはそれより小さい可能性があるものをも有する。いくつかの実施態様においては、ストラット6056および6057の全長より短い長さの部分に、他の部位より拡大された幅寸法が付与される。例えば、いくつかの実施態様においては、他の部位より拡大された幅広部が、ストラット6056および6057のそれぞれのうち、最も近位寄りの端である最近位端から延びるとともに、連結点6058よりある距離だけ手前の位置において終端となる。それらストラット6056および6057の構成態様も、前述のいくつかの方法によって変更することが可能である。
続けて図31を参照するに、いくつかの望ましい実施態様においては、レール部6060および6061のそれぞれが、約0.0047インチの幅寸法を有し、また、レール部6062および6063のそれぞれが、約0.0036インチの幅寸法を有し、当該デバイス(血栓回収デバイス6050)のうちの残りの部分に位置する複数のストラット・エレメントのそれぞれのうちの大部分(substantial portion、実質的な部分、半分以上の部分)は、約0.0027インチの幅寸法を有する。他のいくつかの望ましい実施態様においては、レール部6060および6061のそれぞれが、約0.0047インチの幅寸法を有し、また、レール部6062および6063のそれぞれが、約0.0036インチの幅寸法を有し、当該デバイス(血栓回収デバイス6050)のうちの遠位部6070(同図において破線で示す)に位置する複数のストラットのそれぞれは、約0.0023インチの幅寸法を有し、また、残りの複数のストラットの大部分のそれぞれは、約0.0027インチの幅寸法を有する。遠位部6070の幅寸法が小さいと、半径方向強度が低い領域である低半径方向強度域を生成し、その低半径方向強度域は、より小径の脈管または導管内において、遠位部6070と前記脈管または導管との間における表面相互作用(surface interactions)を低下させ、それにより、血栓回収デバイス6050が患者から近位方向に抜去される際に、前記脈管または導管が損傷することが防止されるかまたは軽減される。
実験により、血栓回収デバイス6050のうちの近位テーパ部(proximal taper region、近位寄りの位置においてテーパを有する部分)が、良好な力伝達特性を、良好な半径方向力特性と共に有することが証明され、それら特性は、前記近位テーパ部をイントロデューサのシースおよび/または送給カテーテル内に挿入してそれらによって被覆するシージング工程およびそれの再度の履行であるリシージング工程を良好に行うことを可能にする。
いくつかの実施態様によれば、図31に従う血栓回収デバイス6050が、内径が約2.130mmで、壁厚が約0.104mmから約0.128mmまでの範囲内にあるチューブをレーザで切断することによって製造される。使用状態においては、図31に示す実施態様に従う血栓回収デバイス6050が、患者の、屈曲蛇行する脈管解剖学的部位または体内脈管(bodily duct)を通過して、治療部位に到達するまで、第1の公称(nominal、代表)寸法を有する非拡張状態すなわち圧縮状態で前進させられ、また、血栓回収デバイス6050を前記治療部位に配備するために、前記非拡張状態から半径方向拡張状態であって前記第1の公称寸法より大きい第2の公称寸法を有するものに変位することが可能である(movable)。別のいくつかの望ましい実施態様においては、前記第2の公称寸法(例えば、本体部の平均直径)が約3.0プラス・マイナス0.5mmである。いくつかの実施態様においては、拡張可能材料より成る本体部(セクションA)内に概して留置させられる複数のセル構造体6080の寸法特性および材料特性が、それらセル構造体6080を、前記塞栓を患者から部分的にまたは完全に除去する仕方で、前記脈管内に留置されている塞栓/血栓に係合させるのに十分な半径方向力および接触相互作用(contact interaction)を発生させるように選択される。
いくつかの実施態様においては、血栓回収デバイス6050の、拡張可能な長さに沿った複数のエレメントの寸法特性および材料特性が、血栓回収デバイス6050の外径が1.5mmに拘束される場合に、単位長さ当たり、約0.015N/mmから約0.035N/mmまでの範囲内にある半径方向力を発生させるように選択される。いくつかの実施態様においては、血栓回収デバイス6050の、拡張可能な長さに沿った複数のエレメントの寸法特性および材料特性が、血栓回収デバイス6050の外径が1.5mmに拘束される場合に、単位長さ当たり、約0.017N/mmから約0.033N/mmまでの範囲内にある半径方向力を発生させるように選択される。同一のまたは互いに異なるいくつかの実施態様においては、血栓回収デバイス6050の、拡張可能な長さに沿った複数のエレメントの寸法特性および材料特性が、前記本体部の公称直径寸法が約2.0プラス・マイナス0.5mmである場合に、単位長さ当たり、約0.010N/mmから約0.020N/mmまでの範囲内にある半径方向力を発生させるように選択される。
図31に示す実施態様においては、前記複数のセル構造体のうちの多くのもの(レール・セグメント6051および6052によって少なくとも部分的に形成された複数のセル構造体を除く)が、前記複数のセル構造体のうちの大部分であって一対のショート・ストラット6081および一対のロング・ストラット6082を含むものと同様な形状を有するように図示されており、それらショート・ストラット6081および一対のロング・ストラット6082は、コネクタ領域6083によって互いに連結されている。いくつかの望ましい実施態様(図32A−図32Cに示す)においては、各ショート・ストラット6081が、約0.055プラス・マイナス0.010インチという直線長さ寸法Lを有し、また、各ロング・ストラット6082が、約0.128プラス・マイナス0.010インチという直線長さ寸法 を有し、また、コネクタ領域6083が、約0.0371プラス・マイナス0.010インチという直線長さ寸法Lを有する。一または複数の実施態様においては、複数のセル構造体6080が、それぞれ、約4.5mmから約5.5mmまでの範囲内の面積を有する。望ましい一実施態様においては、それらセル構造体6080が、それぞれ、5.0mmの面積を有する。いくつかの実施態様においては、血栓回収デバイス6050のうち、拡張可能な部分の全長が、約25.0mmと約35.00mmとの間の範囲内にあり、これに伴い、前記本体部(セクションA)は、約10.0mmと約15.0mmとの間の範囲内の長さを有する。望ましい一実施態様においては、血栓回収デバイス6050のうち、拡張可能な部分の全長が、約30.7mmであり、これに伴い、前記本体部(セクションA)は、約13.1mmの長さを有し、前記近位テーパ部および前記遠位テーパ部は、それぞれ、約10.9mmの長さおよび約6.7mmの長さを有する。
次に、図33Aを参照するに、上述のいくつかの血栓回収デバイスとは別の実施態様が図30に関連付けて(in conjunction with)示されている。図33Bおよび図33Cは、図33Aに示す血栓回収デバイス7000の、望ましい3次元的な平面図および側面図を示している。この治療デバイス(血栓回収デバイス7000)のうちの複数のセクション(分割された複数の部分)であってセクションEおよびGとして全体的に特定されるものは、前述の血栓回収デバイス6000のうち、それらセクションEおよびGと概して同じ(same、相当する)複数の領域に対し、多くの点で互いに近似しており、また、いくつかの状況において互いに同一である。一例としては、セクションGに概して位置する複数のストラットのそれぞれの幅寸法は、互いに異なる複数の実施態様においては、互いに異なる値を有しており、それにより、前述のように、前記遠位テーパ部の、望ましい複数の種々の特性のうち任意のものを達成することが可能である。一方、セクションEは、前述の複数の種々の実施態様のうち任意のものを、図30に示す血栓回収デバイス6000に関連付けて使用することが可能である。図33Aに示すように、中央セクションFに概して位置する複数のセル構造体7002のそれぞれのサイズは、前述の血栓回収デバイス6000のいくつかの実施態様におけるサイズより大きい。血栓回収デバイス7000の中央セクションFにおいてストラットの密度が低いことによる利点は、塞栓/血栓がこの血栓回収デバイス7000のセクションF内において一体化する(integration within、集合する、結合する)ことが促進されるということである。図33A−図33Cに示す治療デバイス(血栓回収デバイス7000)においては、血栓回収デバイス6000における複数のロング・ストラット6023のうち選択されたものが省略され、それにより、セル構造体6020のサイズの約2倍の面積を有するセル構造体7002が形成され、それにより、血栓回収デバイス6000のセル構造体より大形の複数のセル構造体が形成されている。一実施態様においては、それらセル構造体7020が、それぞれ、約8.0mmから約8.5mmまでの範囲内の面積を有する。望ましい一実施態様においては、それらセル構造体7020が、それぞれ、約8.3mmの面積を有する。重要なことは、他の多数の方法のうちのいずれも、そのような大形の複数のセル構造体を形成するために用いることが可能であることに留意することである。図33A−図33Cに示す実施態様のある利点は、血栓回収デバイス7000が送給中にロー・プロファイルとなることを促進するために、複数のストラットが相互に入れ子構造(nesting)となる特性が良好であることが維持されるということである。
ある領域内においてストラット密度が低いと、概して、その領域内において半径方向強度が低下することになる。血栓回収デバイスにおいては、この半径方向強度低下が、この血栓回収デバイスが塞栓/血栓と一体化する(integrate with)能力に悪影響を与える。この半径方向強度低下分を補償するために、いくつかの実施態様においては、選択的な複数のストラット部7006(破線で示す)であってこの血栓回収デバイスのうちのセクションFに概して位置するものに、複数のストラット部7004(実線で示す)の幅寸法より大きい幅寸法が付与される。いくつかの実施態様に従い、ストラット部7006の幅寸法は、この血栓回収デバイス7000のうちの拡張可能な部分の単位長さ当たりの総合半径方向強度(over-all radial strength)が、前述の、大形の複数のセル構造体を形成するために複数本のストラットを除去することを行わなかった場合の半径方向強度と同等となるように、選択される。一例としては、上述のいくつかの実施態様であって、図30に示す血栓回収デバイス6000内において複数本の特定のロング・ストラット6023を省略することによってストラット密度が低下させられるものにおいて、ストラット7006の幅寸法が、血栓回収デバイス7000のうちの拡張可能な部分の単位長さ当たりの総合半径方向強度(over-all radial strength)が、前述の血栓回収デバイス6000の総合半径方向強度と同等となるように、選択される。例えば、いくつかの実施態様においては、ストラット部7004が、約0.0027インチの幅寸法を有し、これに伴い、ストラット部7006は、約0.0035インチの幅寸法を有し、それにより、血栓回収デバイス7000のうちの拡張可能な部分の単位長さ当たりの総合半径方向強度(over-all radial strength)が、大部分のセル構造体は単一のサイズを有し、かつ、ストラット幅寸法は約0.0027インチである血栓回収デバイス6000のうちの同じ面積の部分についての総合半径方向強度と同等となる。
不可欠ではないが、図33Aに図示するように、ストラット幅寸法の遷移(変化)は、複数の連結点7008を除く複数の位置(「x」で示す)において発生することが望ましい。不可欠ではないが、ストラット幅が遷移する複数の幅遷移部は、複数のテーパ部であって、幅寸法が異なる部分間において幅寸法が比較的にスムーズに遷移するものを含むことが望ましい。
拡大された幅寸法を有する複数のストラット部7006は、単位長さ当たりの総合半径方向強度(over-all radial strength)の目標値を実現するための一つの手法である。他のいくつかの手法も利用可能である。例えば、それに代えて、複数のストラット部7006は、複数のストラット部7004より拡大された厚さ寸法を有することが可能であるか、または、拡大された厚さ寸法と拡大された幅寸法との組み合わせを有することが可能である。別のいくつかの実施態様においては、セクションFに概して位置する複数本のストラットのうちの大部分、実質的に全部または完全に全部のそれぞれの幅寸法が、ストラット密度の低下分を補償するために拡大される。
図34Aを参照するに、前述のいくつかの血栓回収デバイスに対する別のいくつかの実施態様が図30に示すものに関連付けて示されている。図34Bおよび図34Cは、図34Aに示す血栓回収デバイス7020の、望ましい3次元的な平面図および側面図を示している。この治療デバイス(血栓回収デバイス)7020のうちの複数のセクション(分割された複数の部分)であってセクションEおよびGとして全体的に特定されるものは、前述の血栓回収デバイス6000のうち、それらセクションEおよびGと概して同じ(same、相当する)複数の領域に対し、多くの点で互いに近似しており、また、いくつかの状況において互いに同一である。一例としては、セクションGに概して位置する複数のストラットのそれぞれの幅寸法は、互いに異なる複数の実施態様においては、互いに異なる値を有しており、それにより、前述のように、前記遠位テーパ部の、望ましい複数の種々の特性のうち任意のものを達成することが可能である。一方、セクションEは、前述の複数の種々の実施態様のうち任意のものを、図30に示す血栓回収デバイス6000に関連付けて使用することが可能である。図34Aに示すように、中央セクションJに概して位置する複数のセル構造体7022のそれぞれのサイズは、前述の血栓回収デバイス6000のいくつかの実施態様におけるサイズより大きく、それにより、低いストラット密度を有する複数のゾーンであって、各々、周方向に延びるものを生成し、それらゾーンは、各々、拡大されない複数のセル構造体7024が並んだ複数の列であって周方向に延びるものによって概して分断される。図34A−図34Cに示す治療デバイス(血栓回収デバイス)7020においては、図30に示す血栓回収デバイス6000における複数のロング・ストラット6023のうち選択されたものが省略され、それにより、約2倍の面積を有するセル構造体7022が形成され、それにより、大形の複数のセル構造体が形成されている。一実施態様においては、それらセル構造体7022が、それぞれ、約8.3mmの面積を有する。注目することが重要であることは、他の多数の方法のうちのいずれも、そのような大形の複数のセル構造体を形成するために用いることが可能であるということである。図34A−図34Cに示す実施態様のある利点は、血栓回収デバイス7020が送給中にロー・プロファイルとなることを促進するために、複数のストラットが相互に入れ子構造(nesting)となる特性が良好であることが維持されるということである。
前述のように、ある領域内においてストラット密度が低いと、概して、その領域内において半径方向強度が低下することになる。血栓回収デバイスにおいては、この半径方向強度低下が、この血栓回収デバイスが塞栓/血栓と一体化する(integrate with)能力に悪影響を与える。この半径方向強度低下分を補償するために、いくつかの実施態様においては、選択的な複数のストラット部7026(破線で示す)であってセクションJに概して位置するものに、複数のストラット部7025(実線で示す)の幅寸法より大きい幅寸法が付与される。いくつかの実施態様に従い、ストラット部7026の幅寸法は、この血栓回収デバイス7020のうちの拡張可能な部分の単位長さ当たりの総合半径方向強度(over-all radial strength)が、前述の、大形の複数のセル構造体を形成するために複数本のストラットを除去することが行われなかった場合の半径方向強度と同等となるように、選択される。一例としては、上述のいくつかの実施態様であって、図30に示す血栓回収デバイス6000内において複数本の特定のロング・ストラット6023を省略することによってストラット密度が低下させられるものにおいて、ストラット7026の幅寸法が、血栓回収デバイス7020のうちの拡張可能な部分の単位長さ当たりの総合半径方向強度(over-all radial strength)が、前述の血栓回収デバイス6000の総合半径方向強度と同等となるように、選択される。例えば、いくつかの実施態様においては、ストラット部7025が、約0.0027インチの幅寸法を有し、これに伴い、ストラット部7026は、約0.0035インチの幅寸法を有し、それにより、血栓回収デバイス7020のうちの拡張可能な部分の単位長さ当たりの総合半径方向強度(over-all radial strength)が、大部分のセル構造体は単一のサイズを有し、かつ、ストラット幅寸法は約0.0027インチである血栓回収デバイス6000のうちの同じ面積の部分についての総合半径方向強度と同等となる。いくつかの実施態様においては、ストラット7029が、約0.0031インチと約0.0033インチとの間の範囲内の幅寸法を有し、これは、血栓回収デバイス6000についてのいくつかの実施態様に関連して前述された幅寸法と同等である。
いくつかの実施態様においては、図34Aにおいて図示するように、複数のストラット幅のうちの一部または全部が、それぞれ、複数の連結点7028を除く複数の位置において遷移する(変化する)が、別のいくつかの実施態様においては、複数のストラット幅のうちの一部または全部が、それぞれ、複数の連結点7028の位置において遷移する(変化する)。不可欠ではないが、ストラット幅が遷移する複数の幅遷移部は、複数のテーパ部であって、幅寸法が異なる部分間において幅寸法が比較的にスムーズに遷移するものを含むことが望ましい。
拡大された幅寸法を有する複数のストラット部7026は、単位長さ当たりの総合半径方向強度(over-all radial strength)の目標値をセクションJ内において実現するための一つの手法である。他のいくつかの手法も利用可能である。例えば、それに代えて、複数のストラット部7026は、複数のストラット部7025より拡大された厚さ寸法を有することが可能であるか、または、拡大された厚さ寸法と拡大された幅寸法との組み合わせを有することが可能である。
図35Aを参照するに、前述のいくつかの血栓回収デバイスに対する別の実施態様が図30に示すものに関連付けて示されている。図35Bおよび図35Cは、図35Aに示す血栓回収デバイス7050の、望ましい3次元的な平面図および側面図を示している。この治療デバイス(血栓回収デバイス)7050のうちの複数のセクション(分割された複数の部分)であってセクションEおよびGとして全体的に特定されるものは、前述の血栓回収デバイス6000のうち、それらセクションEおよびGと概して同じ(same、相当する)複数の領域に対し、多くの点で互いに近似しており、また、いくつかの状況において互いに同一である。一例としては、セクションGに概して位置する複数のストラットのそれぞれの幅寸法は、互いに異なる複数の実施態様においては、互いに異なる値を有しており、それにより、前述のように、前記遠位テーパ部の、望ましい複数の種々の特性のうち任意のものを達成することが可能である。一方、セクションEは、前述の複数の種々の実施態様のうち任意のものを、図30に示す血栓回収デバイス6000に関連付けて使用することが可能である。図35Aに示すように、中央セクションKに概して位置する複数のセル構造体7052のそれぞれのサイズは、前述の血栓回収デバイス6000のいくつかの実施態様におけるサイズより大きく、それにより、低いストラット密度を有する複数のゾーンを生成し、それらゾーンは、各々、拡大されない複数のセル構造体7054の中で分散している。図35A−図35Cに示す治療デバイス(血栓回収デバイス)7050においては、図30に示す血栓回収デバイス6000における複数のロング・ストラット6023のうち選択されたものが省略され、それにより、セル構造体7054のサイズの約2倍の面積を有するセル構造体7052が形成され、それにより、大形の複数のセル構造体が形成されている。一実施態様においては、それらセル構造体7052が、それぞれ、約8.3mmの面積を有する。望ましい一実施態様においては、それらセル構造体7052が、それぞれ、約8.3mmの面積を有する。注目することが重要であることは、他の多数の方法のうちのいずれも、そのような大形の複数のセル構造体を形成するために用いることが可能であるということである。図35A−図35Cに示す実施態様のある利点は、血栓回収デバイス7050が送給中にロー・プロファイルとなることを促進するために、複数のストラットが相互に入れ子構造(nesting)となる特性が良好であることが維持されるということである。
前述のように、ある領域内においてストラット密度が低いと、概して、その領域内において半径方向強度が低下することになる。血栓回収デバイスにおいては、この半径方向強度低下が、この血栓回収デバイスが塞栓/血栓と一体化する(integrte with)能力に悪影響を与える。この半径方向強度低下分を補償するために、いくつかの実施態様においては、選択的な複数のストラット部7056(破線で示す)であって血栓回収デバイスのうちのセクションKに概して位置するものに、複数のストラット部7055(実線で示す)の幅寸法より大きい幅寸法が付与される。いくつかの実施態様に従い、ストラット部7056の幅寸法は、この血栓回収デバイス7050のうちの拡張可能な部分の単位長さ当たりの総合半径方向強度(over-all radial strength)が、前述の、大形の複数のセル構造体を形成するために複数本のストラットを除去することが行われなかった場合の半径方向強度と同等となるように、選択される。一例としては、上述のいくつかの実施態様であって、図30に示す血栓回収デバイス6000内において複数本の特定のロング・ストラット6023を省略することによってストラット密度が低下させられるものにおいて、ストラット7056の幅寸法が、血栓回収デバイス7050のうちの拡張可能な部分の単位長さ当たりの総合半径方向強度(over-all radial strength)が、前述の血栓回収デバイス6000の総合半径方向強度と同等となるように、選択される。例えば、いくつかの実施態様においては、ストラット部7055が、約0.0027インチの幅寸法を有し、これに伴い、ストラット部7056は、約0.0035インチの幅寸法を有し、それにより、血栓回収デバイス7050のうちの拡張可能な部分の単位長さ当たりの総合半径方向強度(over-all radial strength)が、大部分のセル構造体は単一のサイズを有し、かつ、ストラット幅寸法は約0.0027インチである血栓回収デバイス6000のうちの同じ面積の部分についての総合半径方向強度と同等となる。いくつかの実施態様においては、ストラット7059が、約0.0031インチと約0.0033インチとの間の範囲内の幅寸法を有し、これは、血栓回収デバイス6000についてのいくつかの実施態様に関連して前述された幅寸法と同等である。
不可欠ではないが、図35Aにおいて図示するように、ストラット幅寸法の遷移(変化)は、複数の連結点7058を除く複数の位置において発生することが望ましい。不可欠ではないが、ストラット幅が遷移する複数の幅遷移部は、複数のテーパ部であって、幅寸法が異なる部分間において幅寸法が比較的にスムーズに遷移するものを含むことが望ましい。
拡大された幅寸法を有する複数のストラット部7056は、単位長さ当たりの総合半径方向強度(over-all radial strength)の目標値を実現するための一つの手法である。他のいくつかの手法も利用可能である。例えば、それに代えて、複数のストラット部7056は、複数のストラット部7055より拡大された厚さ寸法を有することが可能であるか、または、拡大された厚さ寸法と拡大された幅寸法との組み合わせを有することが可能である。
図36は、血栓回収デバイス6090を示しており、その血栓回収デバイス6090は、図30に示すものと同様であるが、この血栓回収デバイス6090のうちのセクションBに概して位置する複数のセル構造体6091のサイズに関しては異なっている。図36に示すように、セル構造体6091は、図30に示す血栓回収デバイス6000のセル構造体6020より大きいサイズを有する。前述のように、血栓回収デバイスのうちの本体部内に大形のセル構造体が存在することの利点は、その本体部の半径方向強度が適正に実現される場合に、血栓が本体部と一体化されること(integration into)を促進するということである。血栓回収デバイス6090のうちのセクションBにおいて十分な半径方向強度を実現することを目的として、セクションBに概して位置する複数本のストラット6092(破線で示す)は、拡大された幅寸法を有しており、一実施態様においては、その幅寸法は、約0.0035インチである。一実施態様においては、セクションBに概して位置する複数本のストラット6092のそれぞれの幅寸法が、レール・セグメント6001および/または6002のうちの遠位セクションの幅寸法と同じであるかまたは同等である(例えば、ストラット6009,6010および6011のうちの1または複数のそれぞれの幅寸法と同じであるかまたは同等である)。不可欠ではないが、図36に図示するように、ストラット幅寸法の遷移(変化)は、複数の連結点6045を除く複数の位置において発生することが望ましい。
図37は、他のいくつかの実施態様に従う血栓回収デバイス8000を示しており、この血栓回収デバイス8000においては、特に、レール・セグメント8001および8002を構成する複数のストラット・エレメントが、それぞれ互いに異なる幅寸法を有している。図37は、この血栓回収デバイス8000を、自身を切断して一表面上に平らに展開したかのように、2次元平面展開図で示している。図37は、この血栓回収デバイス8000を、それが製造された(切断された(as-cut、展開のために切断が行われて平面状を成す))状態で示している。一実施態様においては、レール・セグメント8001が、自身の近位端8014と同じ位置またはそれの近傍位置における最大幅寸法から、当該レール・セグメント8001の遠位端8015と同じ位置またはそれの近傍位置における最小幅寸法まで変化する。同様にして、レール・セグメント8002が、自身の近位端8014と同じ位置またはそれの近傍位置における最大幅寸法から、当該レール・セグメント8002の遠位端8016と同じ位置またはそれの近傍位置における最小幅寸法まで変化する。前述のように、それらレール・セグメント8001および8002のそれぞれの幅寸法は、押出力(push force、軸方向力)が当該血栓回収デバイス8000の近位端8014に作用する場合に、力を分散するとともに座屈に耐える能力を増強するように、選択される。いくつかの実施態様においては、前記最大レール幅寸法と前記最小レール幅寸法との間のパーセンテージ変化分(percentage change、百分率によって表現される変化率)が、約20.0%と約35.0%との間にある。他のいくつかの実施態様においては、前記最大レール幅寸法と前記最小レール幅寸法との間のパーセンテージ変化分(percentage change、百分率によって表現される変化率)が、約25.0%と約30.0%との間にある。ある望ましい実施態様においては、レール・セグメント8001および8002のそれぞれの幅寸法が、約0.0047プラス・マイナス0.0004インチという最大幅寸法から、約0.0027プラス・マイナス0.0004インチという最小幅寸法まで変化する。別の望ましい実施態様においては、レール・セグメント8001および8002のそれぞれの幅寸法が、約0.0047プラス・マイナス0.0004インチという最大幅寸法から、約0.0034プラス・マイナス0.0004インチという最小幅寸法まで変化する。
本明細書において前述したように、図37は、波状部を有しない複数のレール・セグメント8001,8002を示しているが、図1Aおよび図4Aに示すようなレール・セグメントも本実施形態の適用対象となることが理解される。さらに、図30に示す血栓回収デバイス6000と同様に、レール幅寸法についての特性であって上述したものとは別に、図1−図29に関連して本明細書において先に開示された複数の脈管治療デバイス(血栓回収デバイス)の複数の特徴部および/または複数の特性(例えば、寸法に関するもの、空間に関するもの(spatial)、相互の関係に関するもの(relational)など)のうちの任意の数のものを、図37に従う血栓回収デバイス8000に組み込むことが可能である。
いくつかの実施態様においては、レール8001および8002のそれぞれの幅寸法が、それぞれの全長(またはその全長の一部)に沿って、実質的な、一定の減少率で減少するという方法(substantial uniform and diminishing fashion)で、テーパ化している。いくつかの実施態様においては、レール8001および80022のそれぞれのうち、互いに離散する複数のレール部分のそれぞれが、実質的に一様な幅寸法を有する一方で、それらレール部分であって幅寸法が互いに異なるものを互いに結合するために、複数の遷移的テーパ部(transitional tapers、レール部分間に介在して、幅寸法が徐々に変化する部品)が使用される。いくつかの実施態様においては、レール8001および8002のそれぞれのうち、互いに離散する複数のレール部分のそれぞれが、個々に、実質的に一様な幅寸法を有する一方で、それらレール部分であって幅寸法が互いに異なるものを互いに結合するために、複数の階段状遷移部(stepped transitions、レール部分間に介在して、幅寸法が段階的に変化する部品)が使用される。別のいくつかの実施態様においては、上述の複数の方法であって幅寸法を遷移させるもののうちの2つまたはそれより多数のものが利用される。不可欠ではないが、複数の遷移部が、前述の複数のストラットの連結点(例えば、複数の連結点8030)においてではなく、それらストラットに沿った複数の部分において出現することが望ましい。
いくつかの実施態様においては、前述のように、複数のセル構造体のうち最も近位寄りに位置する最近位セル構造体8018のストラット8012および8013が、当該血栓回収デバイス8000が患者の、屈曲蛇行した解剖学的部位(tortuous anatomy)内を進行させられる際における当該血栓回収デバイス8000の可推性(pushability)を向上させることを目的として、他の部位より拡大された幅寸法であって、前記最大レール幅寸法と等しいかまたはそれより小さい可能性があるものをも有する。いくつかの実施態様においては、ストラット8012および8013の全長より短い長さの部分に、他の部位より拡大された幅寸法が付与される。例えば、いくつかの実施態様においては、他の部位より拡大された幅広部が、ストラット8012および8013のそれぞれのうち、最も近位寄りの端である最近位端から延びるとともに、それらストラット8012および8013の連結点よりある距離だけ手前の位置において終端となる。それらストラット8012および8013の構成態様も、前述のいくつかの方法によって変更することが可能である。
続けて図37を参照するに、いくつかの望ましい実施態様においては、ストラット8003および8004の全部または一部(任意選択的であるが、ストラット8005および8006の全部または一部も追加される)のそれぞれが、約0.0045インチから約0.0050インチの範囲内の幅寸法を有し、また、ストラット8007および8008の全部または一部(任意選択的であるが、ストラット8005および8006の全部または一部も追加される)のそれぞれが、約0.0036インチから約0.0040インチの範囲内の幅寸法を有し、また、ストラット8009および8010の全部または一部(任意選択的であるが、ストラット8007および8008の全部または一部も追加される)のそれぞれが、約0.0034インチから約0.0036インチの範囲内の幅寸法を有する。いくつかの実施態様においては、当該デバイス(血栓回収デバイス8000)のうちのセクションMに概して位置する複数のストラット・エレメントのうち残りのもののそれぞれは、約0.0027インチの幅寸法を有し、また、セクションNに概して位置する複数のストラット・エレメントのそれぞれは、約0.0034インチから約0.0036インチの範囲内の幅寸法を有し、また、セクションOに概して位置する複数のストラット・エレメントのそれぞれは、約0.0031インチから約0.0033インチの範囲内の幅寸法を有する。直前に説明したいくつかの実施態様のうちの一つまたは複数のものにおいては、ストラット8012および8013のそれぞれの幅寸法が、約0.0036インチと約0.0047インチとの間にある。理解すべきことは、本明細書の全体に開示されている複数の寸法は、望ましいいくつかの実施態様に関連するとともに、慣用的な製作寸法公差に左右されることもあるということである。それら寸法についての複数の変形例(variations)が存在する可能性があり、それらが本実施形態の適用対象とされる(contemprated)。
不可欠ではないが、ストラット幅が遷移する複数の遷移部が、前述の複数のストラットの連結点(例えば、複数の連結点8030および8032)においてではなく、それらストラットに沿った複数の部分において出現することが望ましい。
図37に示すように、「N」によって全体的に特定される領域におけるストラット密度は、「M」によって全体的に特定される領域および「O」によって全体的に特定される領域におけるストラット密度より、特に、低い。その結果、セクションNに概して位置する複数のセル構造体8020は、セクションおよびOに概して位置する複数のセル構造体8021より大きいサイズを有する。前述のように、当該血栓回収デバイス8000のうちの本体部内に大形のセル構造体が存在することの利点は、その本体部の半径方向強度が適正に実現される場合に、血栓が本体部(セクションN)と一体化されること(integration into)を促進するということである。血栓回収デバイス8000のうちのセクションNにおいて十分な半径方向強度を実現することを目的として、セクションに位置する複数本のストラットは、セクションMに概して位置する複数のセル構造体(ストラット8003−8013を除く)およびセクションOに概して位置する複数のセル構造体に比較すると、拡大された幅寸法を有している。一実施態様においては、セクションNに位置する複数本のストラットのそれぞれの幅寸法が、レール・セグメント8001および/または8002のうちの遠位ストラット8009,8010および/または8011の幅寸法と同じであるかまたは同等である。
望ましい一実施態様においては、ストラット8003−8006のそれぞれが、約0.0047インチの幅寸法を有し、また、ストラット8007および8008ならびにストラット8010のうちの近位部のそれぞれが、約0.0040インチの幅寸法を有し、また、ストラット8009および8011ならびにストラット8010のうちの遠位部のそれぞれが、約0.0034インチの幅寸法を有し、また、ストラット8012−8013のそれぞれが、約0.0040インチの幅寸法を有する。いくつかの実施態様においては、当該デバイス(血栓回収デバイス8000)のうちのセクションMに位置する複数本のストラットのうち残りのもののそれぞれが、約0.0027インチの幅寸法を有し、また、セクションNに位置する複数本のストラットのそれぞれが、約0.0034インチの幅寸法を有し、また、セクションOに位置する複数本のストラットのそれぞれが、約0.0031インチの幅寸法を有する。有利なことに、セクションO内の複数のストラットの、拡大された幅寸法により、当該血栓回収デバイス8000が患者の治療部位まで送給される間、当該血栓回収デバイス8000のうちの遠位テーパ部(distal taper region、遠位寄りにおいてテーパを有する部分)内においてストラットが座屈する可能性が軽減される。その拡大された幅寸法により、さらに、前記近位テーパ部の半径方向強度であって、当該血栓回収デバイス8000が患者から退去される間、前記遠位テーパ部が開状態(open、開口部を有する状態)に保持される能力が増強されるものが増加させられ、それにより、当該血栓回収デバイス8000により、塞栓の残留部分を掃いて除去する(sweep away)ことが可能となる。
いくつかの実施態様によれば、図37に従う血栓回収デバイス8000が、内径が約3.77mmで、壁厚が約0.097mmから約0.131mmまでの範囲内にあるチューブをレーザで切断することによって製造される。使用状態においては、図37に示す実施態様に従う血栓回収デバイス8000が、患者の、屈曲蛇行する脈管解剖学的部位または体内脈管(bodily duct)を通過して、治療部位に到達するまで、第1の公称(nominal、代表)寸法を有する非拡張状態すなわち圧縮状態で前進させられ、また、血栓回収デバイス8000を前記治療部位に配備するために、前記非拡張状態から半径方向拡張状態であって前記第1の公称寸法より大きい第2の公称寸法を有するものに変位することが可能である。別のいくつかの望ましい実施態様においては、前記第2の公称寸法(例えば、本体部の平均直径)が約5.5プラス・マイナス0.5mmである。いくつかの実施態様においては、本体部(セクションN)内に概して留置させられる複数のセル構造体8020の寸法特性および材料特性が、それらセル構造体8020を、前記塞栓を患者から部分的にまたは完全に除去する仕方で、前記脈管内に留置されている塞栓/血栓に係合させるのに十分な半径方向力および接触相互作用(contact interaction)を発生させるように選択される。
いくつかの実施態様においては、血栓回収デバイス8000の、拡張可能な長さに沿った複数のエレメントの寸法特性および材料特性が、血栓回収デバイス8000の外径が1.5mmに拘束される場合に、単位長さ当たり、約0.040N/mmから約0.065N/mmまでの範囲内にある半径方向力を発生させるように選択される。いくつかの実施態様においては、血栓回収デバイス8000の、拡張可能な長さに沿った複数のエレメントの寸法特性および材料特性が、血栓回収デバイス8000の外径が1.5mmに拘束される場合に、単位長さ当たり、約0.045N/mmから約0.060N/mmまでの範囲内にある半径方向力を発生させるように選択される。いくつかの実施態様においては、血栓回収デバイス8000の、拡張可能な長さに沿った複数のエレメントの寸法特性および材料特性が、血栓回収デバイス8000の外径が1.5mmに拘束される場合に、単位長さ当たり、約0.050N/mmから約0.060N/mmまでの範囲内にある半径方向力を発生させるように選択される。いくつかの実施態様においては、血栓回収デバイス8000の、拡張可能な長さに沿った複数のエレメントの寸法特性および材料特性が、血栓回収デバイス8000の外径が1.5mmに拘束される場合に、単位長さ当たり、約0.049N/mmから約0.057N/mmまでの範囲内にある半径方向力を発生させるように選択される。同一のまたは互いに異なるいくつかの実施態様においては、血栓回収デバイス8000の、拡張可能な長さに沿った複数のエレメントの寸法特性および材料特性が、前記本体部の公称直径寸法が約4.5プラス・マイナス0.5mmである場合に、単位長さ当たり、約0.010N/mmから約0.020N/mmまでの範囲内にある半径方向力を発生させるように選択される。
図37に示すいくつかの実施態様においては、前記複数のセル構造体のうち、セクションMおよびOに位置するもの(レール・セグメント8001および8002によって少なくとも部分的に形成された複数のセル構造体を除く)が、形状に関し、一対のショート・ストラット8022および一対のロング・ストラット8024を有する複数のセル構造体8021と同様であるように図示されている。いくつかの望ましい実施態様においては、セル構造体8021の面積は、約4.5mmと約5.5mmとの範囲内にある。一実施態様においては、セクションNに概して位置するセル構造体8020が、互いに隣接する2つのセル構造体8021により構成される形状を有し、これに伴い、それら2つのセル構造体8021間において、ロング・ストラット8024が省略される。他の形式の大形の複数のセル構造体を本実施形態の適用対象として考慮することが可能であるが、図37に示すセル構成態様の利点は、そのセル構成態様は、血栓回収デバイス8000が送給中にロー・プロファイルとなることを可能にするために、複数のストラットが相互に入れ子構造(nesting)となる特性が良好であることを保有するということである。
いくつかの望ましい実施態様においては、血栓回収デバイス8000のうち、拡張可能な部分の全長が、約55.0mmと約65.00mmとの間の範囲内にあり、これに伴い、前記本体部(セクションN)は、約25mmと約35.0mmとの間の範囲内の長さを有し、また、前記近位テーパ部および前記遠位テーパ部は、それぞれ、約10.0mmと約20.0mmとの間の範囲内の長さを有する。望ましい一実施態様においては、血栓回収デバイス8000のうち、拡張可能な部分の全長が、約58.4mmであり、これに伴い、前記本体部(セクションN)は、約29.3mmの長さを有し、前記近位テーパ部および前記遠位テーパ部は、それぞれ、約16.6mmの長さおよび約12.5mmの長さを有する。
図38は、他のいくつかの実施態様に従う血栓回収デバイス8050を示しており、この血栓回収デバイス8050においては、特に、レール・セグメント8051および8052を構成する複数のストラット・エレメントが、それぞれ互いに異なる幅寸法を有している。図38は、この血栓回収デバイス8050を、自身を切断して一表面上に平らに展開したかのように、2次元平面展開図で示している。図38は、この血栓回収デバイス8050を、それが製造された(切断された(as-cut、展開のために切断が行われて平面状を成す))状態で示している。一実施態様においては、レール・セグメント8051が、自身の近位端8066と同じ位置またはそれの近傍位置における最大幅寸法から、当該レール・セグメント8051の遠位端8067と同じ位置またはそれの近傍位置における最小幅寸法まで変化する。同様にして、レール・セグメント8052が、自身の近位端8066と同じ位置またはそれの近傍位置における最大幅寸法から、当該レール・セグメント8052の遠位端8068と同じ位置またはそれの近傍位置における最小幅寸法まで変化する。前述のように、それらレール・セグメント8051および8052のそれぞれの幅寸法は、押出力(push force、軸方向力)が当該血栓回収デバイス8050の近位端8066に作用する場合に、力を分散するとともに座屈に耐える能力を増強するように、選択される。いくつかの実施態様においては、前記最大レール幅寸法と前記最小レール幅寸法との間のパーセンテージ変化分(percentage change、百分率によって表現される変化率)が、約20.0%と約35.0%との間にある。他のいくつかの実施態様においては、前記最大レール幅寸法と前記最小レール幅寸法との間のパーセンテージ変化分(percentage change、百分率によって表現される変化率)が、約22.0%と約27.0%との間にある。ある望ましい実施態様においては、レール・セグメント8051および8051のそれぞれの幅寸法が、約0.0047プラス・マイナス0.0004インチという最大幅寸法から、約0.0035プラス・マイナス0.0004インチという最小幅寸法まで変化する。
本明細書において前述したように、図38は、波状部を有しない複数のレール・セグメント8051,8052を示しているが、図1Aおよび図4Aに示すようなレール・セグメントも本実施形態の適用対象となることが理解される。さらに、図30に示す血栓回収デバイス6000と同様に、レール幅寸法についての特性であって上述したものとは別に、図1−図29に関連して本明細書において先に開示された複数の脈管治療デバイス(血栓回収デバイス)の複数の特徴部および/または複数の特性(例えば、寸法に関するもの、空間に関するもの(spatial)、相互の関係に関するもの(relational)など)のうちの任意の数のものを、図38に従う血栓回収デバイス8050に組み込むことが可能である。
いくつかの実施態様においては、レール8051および/または8052のそれぞれの幅寸法が、それぞれの全長(またはその全長の一部)に沿って、実質的な、一定の減少率で減少するという方法(substantial uniform and diminishing fashion)で、テーパ化している。いくつかの実施態様においては、レール8051および80522のそれぞれのうち、互いに離散する複数のレール部分のそれぞれが、実質的に一様な幅寸法を有する一方で、それらレール部分であって幅寸法が互いに異なるものを互いに結合するために、複数の遷移的テーパ部(transitional tapers、レール部分間に介在して、幅寸法が徐々に変化する部品)が使用される。いくつかの実施態様においては、レール8051および8052のそれぞれのうち、互いに離散する複数のレール部分のそれぞれが、個々に、実質的に一様な幅寸法を有する一方で、それらレール部分であって幅寸法が互いに異なるものを互いに結合するために、複数の階段状遷移部(stepped transitions、レール部分間に介在して、幅寸法が段階的に変化する部品)が使用される。別のいくつかの実施態様においては、上述の複数の方法であって幅寸法を遷移させるもののうちの2つまたはそれより多数のものが利用される。不可欠ではないが、複数の遷移部が、前述の複数のレールの連結点(例えば、複数の連結点8070)においてではなく、それらレール・ストラット(レール8051および/または8052)に沿った複数の部分において出現することが望ましい。
いくつかの実施態様においては、前述のように、複数のセル構造体のうち最も近位寄りに位置する最近位セル構造体のストラット8064および8065が、当該血栓回収デバイス8050が患者の、屈曲蛇行した解剖学的部位(tortuous anatomy)内を進行させられる際における当該血栓回収デバイス8050の可推性(pushability)を向上させることを目的として、他の部位より拡大された幅寸法であって、前記最大レール幅寸法と等しいかまたはそれより小さい可能性があるものをも有する。いくつかの実施態様においては、ストラット8064および8065の全長より短い長さの部分に、他の部位より拡大された幅寸法が付与される。例えば、いくつかの実施態様においては、他の部位より拡大された幅広部(enhanced width portion)が、ストラット8064および8065のそれぞれのうち、最も近位寄りの端である最近位端から延びるとともに、それらストラット8064および8065の連結点よりある距離だけ手前の位置において終端となる。それらストラット8064および8065の構成態様も、前述のいくつかの方法によって変更することが可能である。
続けて図38を参照するに、いくつかの望ましい実施態様においては、ストラット8053および8054の全部または一部(任意選択的であるが、ストラット8055および8056の全部または一部も追加される)のそれぞれが、約0.0045インチから約0.0050インチの範囲内の幅寸法を有し、また、ストラット8057および8058の全部または一部(任意選択的であるが、ストラット8055,8056,8059および8060の全部または一部も追加される)のそれぞれが、約0.0036インチから約0.0040インチの範囲内の幅寸法を有し、また、ストラット8059および8060の全部または一部(任意選択的であるが、ストラット8061,8062および8063の全部または一部も追加される)のそれぞれが、約0.0034インチから約0.0036インチの範囲内の幅寸法を有する。いくつかの実施態様においては、当該デバイス(血栓回収デバイス8050)のうちのセクションPに概して位置する複数のストラットのうち残りのもののそれぞれは、約0.0027インチの幅寸法を有し、また、セクションQに概して位置する複数のストラットのそれぞれは、約0.0034インチから約0.0036インチの範囲内の幅寸法を有し、また、セクションRに概して位置する複数のストラットのそれぞれは、約0.0031インチから約0.0033インチの範囲内の幅寸法を有する。直前に説明したいくつかの実施態様のうちの一つまたは複数のものにおいては、ストラット8064および8065のそれぞれの幅寸法が、約0.0036インチと約0.0047インチとの間にある。理解すべきことは、本明細書の全体に開示されている複数の寸法は、望ましいいくつかの実施態様に関連するとともに、慣用的な製作寸法公差に左右されることもあるということである。それら寸法についての複数の変形例(variations)が存在する可能性があり、それらが本実施形態の適用対象とされる(contemprated)。
不可欠ではないが、ストラット幅が遷移する複数の遷移部が、前述の複数のレールの連結点(例えば、複数の連結点8070および8071)においてではなく、それらストラットに沿った複数の部分において出現することが望ましい。
図38に示すように、「Q」によって全体的に特定される領域におけるストラット密度は、「P」によって全体的に特定される領域および「R」によって全体的に特定される領域におけるストラット密度より、特に、低い。その結果、セクションQに概して位置する複数のセル構造体8080は、セクションPおよびRに概して位置する複数のセル構造体8081より大きいサイズを有する。前述のように、当該血栓回収デバイス8050のうちの本体部内に大形のセル構造体が存在することの利点は、その本体部の半径方向強度が適正に実現される場合に、血栓が本体部(セクションQ)と一体化されること(integration into)を促進するということである。血栓回収デバイス8050のうちのセクションQにおいて十分な半径方向強度を実現することを目的として、セクションQに概して位置する複数本のストラットは、セクションPに概して位置する複数のセル構造体(ストラット8053−8065を除く)およびセクションRに概して位置する複数のセル構造体に比較すると、拡大された幅寸法を有している。一実施態様においては、セクションQに位置する複数本のストラットのそれぞれの幅寸法が、レール8051および8052のそれぞれのうちの遠位セクション(例えば、ストラット8061,8062および/または8063)の幅寸法と同じであるかまたは同等である。
望ましい一実施態様においては、ストラット80538054のそれぞれと、ストラット8055および8056のそれぞれの近位部が、約0.0047インチの幅寸法を有し、また、ストラット8057および8058のそれぞれと、各ストラット8055,8056のうちの遠位部および各ストラット8059,8060のうちの近位部が、それぞれ、約0.0040インチの幅寸法を有し、また、ストラット8061,8062,8063のそれぞれと、ストラット8059および8060のそれぞれの遠位部とが、それぞれ、約0.0035インチの幅寸法を有する。いくつかの実施態様においては、当該デバイス(血栓回収デバイス8050)のうちのセクションPに概して位置する複数本のストラットのうち残りのもののそれぞれが、約0.0027インチの幅寸法を有し、また、セクションQに概して位置する複数本のストラットのそれぞれが、約0.0035インチの幅寸法を有し、また、セクションRに概して位置する複数本のストラットのそれぞれが、約0.0031インチの幅寸法を有する。有利なことに、セクションR内の複数のストラットの、拡大された幅寸法により、当該血栓回収デバイス8050が患者の治療部位まで送給される間、当該血栓回収デバイス8050のうちの遠位テーパ部(distal taper region、遠位寄りにおいてテーパを有する部分)内においてストラットが座屈する可能性が軽減される。その拡大された幅寸法により、さらに、前記近位テーパ部の半径方向強度であって、当該血栓回収デバイス8050が患者から退去される間、前記遠位テーパ部が開状態(open、開口部を有する状態)に保持される能力が増強されるものが増加させられ、それにより、当該血栓回収デバイス8050により、塞栓の残留部分を掃いて除去する(sweep away)ことが可能となる。
いくつかの実施態様によれば、図38に従う血栓回収デバイス8050が、内径が約3.77mmで、壁厚が約0.097mmから約0.131mmまでの範囲内にあるチューブをレーザで切断することによって製造される。使用状態においては、図38に示す実施態様に従う血栓回収デバイス8050が、患者の、屈曲蛇行する脈管解剖学的部位または体内脈管(bodily duct)を通過して、治療部位に到達するまで、第1の公称(nominal、代表)寸法を有する非拡張状態すなわち圧縮状態で前進させられ、また、血栓回収デバイス8050を前記治療部位に配備するために、前記非拡張状態から半径方向拡張状態であって前記第1の公称寸法より大きい第2の公称寸法を有するものに変位することが可能である(movable)。別のいくつかの望ましい実施態様においては、前記第2の公称寸法(例えば、本体部の平均直径)が約6.0プラス・マイナス0.5mmである。いくつかの実施態様においては、本体部(セクションQ)内に留置させられる複数のセル構造体8080の寸法特性および材料特性が、それらセル構造体8080を、前記塞栓を患者から部分的にまたは完全に除去する仕方で、前記脈管内に留置されている塞栓/血栓に係合させるのに十分な半径方向力および接触相互作用(contact interaction)を発生させるように選択される。いくつかの実施態様においては、血栓回収デバイス8050の、拡張可能な長さに沿った複数のエレメントの寸法特性および材料特性が、前記本体部の直径が約5.0プラス・マイナス0.5mmに減少させられる場合に、単位長さ当たり、約0.010N/mmから約0.020N/mmまでの範囲内にある半径方向力を発生させるように選択される。
図38に示す実施態様においては、前記複数のセル構造体のうち、セクションPおよRに概して位置するもの(レール・セグメント8051および8052によって少なくとも部分的に形成された複数のセル構造体を除く)が、形状に関し、一対のショート・ストラット8082および一対のロング・ストラット8084を有する複数のセル構造体8081と同様であるように図示されている。望ましい一実施態様においては、セル構造体8081の面積は、約9.2mmである。一実施態様においては、セクションQに概して位置するセル構造体8080が、互いに隣接する2つのセル構造体8081により構成される形状を有し、これに伴い、それら2つのセル構造体8081間において、ロング・ストラット8084が省略される。他の形式の大形の複数のセル構造体を本実施形態の適用対象として考慮することが可能であるが、図38に示すセル構成態様の利点は、そのセル構成態様は、血栓回収デバイス8050が送給中にロー・プロファイルとなることを可能にするために、複数のストラットが相互に入れ子構造(nesting)となる特性が良好であることを保有するということである。
いくつかの実施態様においては、血栓回収デバイス8050のうち、拡張可能な部分の全長が、約65.0mmと約75.00mmとの間の範囲内にあり、これに伴い、前記本体部(セクションQ)は、約25.0mmと約35.0mmとの間の範囲内の長さを有する。望ましい一実施態様においては、血栓回収デバイス8050のうち、拡張可能な部分の全長が、約71.9mmであり、これに伴い、前記本体部(セクションQ)は、約32.3mmの長さを有し、また、前記近位テーパ部および前記遠位テーパ部は、それぞれ、約22.5mmの長さおよび約17.1mmの長さを有する。
図39は、別の実施態様に従う導管塞栓回収デバイス370を2次元的に見た図を示している。前述の他のいくつかの実施態様と同様に、この回収デバイス370は、近位テーパ端部371と、筒状の本体部372と、遠位テーパ端部373とを有する。その遠位テーパ端部373は、前述の遠位テーパ端部とは異なる点を有しており、その点は、遠位テーパ端部373は、その遠位テーパ端部373の長さ寸法を短縮するために、3列分の完全セル列であってそれに属するセル構造体はすべて完全な大きさを有するもの(three full rows)より小さい構造を有するということである。図39の一例においては、その遠位テーパ端部373が、2列分の完全セル構造体列(full row)374および375(完全なセル構造体が並んだ列374と、完全なセル構造体が並んだ列375)と、部分的なセル構造体(完全なセル構造体の一部が欠落したもの)が並んだ1列分の部分セル構造体列(partial row)376とを有する。(説明を明確にするために、図39の実施態様において、列375は、1つのセル構造体しか有しないが、いずれの場合でも、複数のセル構造体から成る列であると考える。)当該回収デバイス370が遠位テーパ端部373であってそれの頂点が遠位アンテナ379につながるものを有することにより、丸みを帯びた終端を有する(terminate in a blunt end)回収デバイスでは得られない多数の利点が得られる。1つの利点は、ひとたび当該回収デバイス370が患者の血管内に配置されて拡張されると、前記テーパ端部(遠位テーパ端部373)は、丸みを帯びた端(a blunt end)を有する回収デバイスより高い配置の自由度(degree of placement)を実現するということである。別の利点は、遠位テーパ端部373は、丸みを帯びた端(a blunt end)より、非外傷性(atraumatic、非侵襲性)が良好であるということである。遠位テーパ端部373の構造を、3列分の完全セル構造体列より小さい構造に抑えることによってテーパ長の短縮が実現され、その結果、より多数のセル構造体列を有する場合より、安定性も非外傷性も良好である遠位テーパ部(distal taper、遠位テーパ端部373)が得られるという利点が得られた。サイズが異なる複数のセル構造体を有する回収具(retriever、回収デバイス)においては、セル構造体376および377のそれと同様に、遠位テーパ端部373における前述の複数列分の完全セル構造体列を、図39に示すものと同様に、複数のセル構造体377であってそれらのうち実質的な全部が小形であるものによって構成することが望ましい。
いくつかの実施態様によれば、切断時の製造後状態(as-cut manufactured state、製造後に、展開のために切断が行われて平面状を成す状態)における遠位テーパ端部373の長さ寸法が、本体部372の長さ寸法の約30%という寸法より短く、また、望ましくは、本体部372の長さ寸法の約25%という寸法より短い。一実施態様においては、本体部372の長さ寸法および遠位テーパ端部373の長さ寸法が、それぞれ、約26mmおよび約6mmである。別の実施態様においては、遠位テーパ端部373が、約4.5mmと約5.0mmとの間の範囲内の長さ寸法を有する。いくつかの実施態様によれば、遠位テーパ端部373の長さ寸法と遠位アンテナ379の長さ寸法とを組み合わせた寸法(combined length)が約10mmより短い。
図40Aは、別の実施態様に従う導管塞栓回収デバイス380を2次元的に見た図を示している。図39に示す回収デバイス370と同様に、この回収デバイス380は、遠位テーパ端部であって、3列分の完全セル構造体列より小さい構造を有するものを有する。この回収デバイス380は、それの遠位テーパ端部が、第1のセル構造体セット386と第2のセル構造体セット387とに分岐した複数のセル構造体を有し、これに伴い、第1のセル構造体セット386の終端が第1の遠位アンテナ388に位置する一方、第2のセル構造体セット387の終端が第2の遠位アンテナ389に位置する点で、回収デバイス370とは異なっている。図40Bは、回収デバイス380を3次元的に見た図を示しており、この図においては、符号383が当該回収デバイス380のうちの遠位テーパ端部を示している。図40Bに示すように、遠位アンテナ388および遠位アンテナ389は、互いに結合されることにより、閉じた端(a closed end、開口部を有しない先端)を有する遠位テーパ端部383を有する回収デバイス380を形成する。
注目することが重要なことは、上記において回収デバイス370および380が遠位アンテナを有するものとして説明されてきたが、他のいくつかの実施態様においては、同様な回収デバイスが遠位アンテナを有することなく提供されるということである。同じことは、本明細書に開示されるとともに考慮対象とされた前述のいくつかの実施態様のそれぞれに当てはまる。一方、図40に示す回収デバイス380に対し、別の実施態様においては、1本の遠位アンテナであって、遠位アンテナ388と遠位アンテナ389との間に位置するように選択されたものが設けられる。この種の実施態様においては、この回収デバイス380が、開いた遠位端(an open distal end、開口部を有する遠位端)を保有することになり、これに伴い、第2のセル構造体セット387は、飛散した材料を捕捉するために、治療部位である脈管をそれに沿って掃くために利用可能である。
図41は、別の実施態様に従う導管塞栓回収デバイス390を2次元的に見た図を示しており、その回収デバイス390は、近位テーパ端部であって、3列分の完全セル構造体列より小さい構造を有するものを有する。回収デバイス380と同様に、この回収デバイス390の遠位テーパ端部は、第1のセル構造体セット396と第2のセル構造体セット397とに分岐した複数のセル構造体を有し、これに伴い、第1のセル構造体セット396の終端が第1の遠位アンテナ398に位置する一方、第2のセル構造体セット397の終端が第2の遠位アンテナ399に位置する。図41に示すように、第1および第2の遠位アンテナ398および399は、互いに縦軸(長軸)方向にずらされたオフセット構造を有する。一実施態様においては、X線不透過材料、特徴部(例えば、フレア付きのストラット)または部品(例えば、コイル)が、第1および第2の遠位アンテナ398および399のそれぞれに配置される。そのオフセット構造を採用するおかげで、X線不透過材料、例えば、第1および第2の遠位アンテナ398および399のそれぞれに配置されたものにより、この回収デバイス390の遠位端の位置(輪郭)と、この回収デバイス390の遠位テーパ端部の位置(輪郭)とが、治療中、可視化される。
図42Aは、別の実施態様に従う導管塞栓回収デバイス450を2次元的に見た図(2次元展開図)を示している。その回収デバイス450は、自己拡張部材を有し、その自己拡張部材は、近位テーパ端部451と、筒状本体部452と、遠位テーパ端部453とを有する。近位テーパ端部451において、最も近位寄りに位置する複数の最近位セル構造体は、複数の外側ウォール・セグメントを有し、それら外側ウォール・セグメントは、第1レール・セグメント454および第2レール・セグメント455を形成する。それらレール・セグメント454および455のそれぞれは、前記自己拡張部材のうち最も近位寄りの端である最近位端から、筒状本体部452のうちの近位端と同じ位置または近傍位置まで延びている。図42に示す実施態様においては、レール・セグメント454および455のそれぞれが、波状部を有する。近位アンテナ457が、最近位セル構造体456から近位方向に延びている。
図42Bにより詳細に示すように、最近位セル構造体456は、第1の外側ストラット460および第2の外側ストラット461のそれぞれと、第1の内側ストラット462および第2の内側ストラット463のそれぞれとを有する。図42Bのレイアウト(2次元展開図)に示すように、第1の外側ストラット460と、第2の外側ストラット461のうちの第1部分461aとは、前記2次元展開図(two dimensional layout)において直線的に延びている一方、第1の内側ストラット462と、第2の内側ストラット463と、第1の外側ストラット461のうちの第2部分461bとは、前記2次元展開図において曲線的に延びている。製造後の3次元状態においては、第1の外側ストラット460と、第2の外側ストラット461のうちの第1部分461aとは、曲線であるとともに、波状部を有しない。最近位セル構造体456のうちの、上述の複数の直線ストラット・セグメントは、前記自己拡張部材のうちの近位端を向いているとともに、近位アンテナ457まで一緒に(coextensive、並列的に)延びている結果、回収デバイス450が患者の解剖学的部位を通過するように送給される際の回収デバイス450の可推性(pushability)を、前記2次元展開図において曲線ストラットしか有しない最近位セル構造体を有する回収デバイスより向上させる。
いくつかの実施態様においては、ストラット460および462の合計長さ(L1)と、ストラット461および463の合計長さ(L2)とは、実質的に同一であり、その目的は、前記自己拡張部材が拡張状態から非拡張状態に変化する際にそれらストラットが相互に入れ子構造(nesting)となることを促進することにある。いくつかの実施態様によれば、合計長さL1とL2との差は5.0%より少ないが、他のいくつかの実施態様においては、合計長さL1とL2との差は1.0%より少ない。
図43は、最近位セル構造体456の一変形例を示している。図示するように、ストラット460および461の各々は、幅が狭い幅狭部464および465を有し、それら幅狭部464および465は、それら幅狭部464および465と近位アンテナ457との連結点466に隣接した位置に位置している。幅狭部464および465を有することにより、最近位セル構造体456の潰れ(collapse、潰れ、崩壊)を開始して実行するのに必要な力を小さくすることによって最近位セル構造体456が潰れる(collapse)能力(潰れ易さ)を局部的に向上させることが可能となる。よって、例えば、この回収デバイス450が、送給カテーテル内に留置するためにイントロデューサ・シース内に最初に導入されるか、または前記自己拡張部材が患者の体内に配備された後に送給カテーテル内に引き込まれる場合に、幅狭部464および465により、ストラット460および461が、連結点466のエリア内において、幅狭部464および465がない場合に必要な力より小さい力で、幅狭部464および465がない場合より容易に折り畳まれる。このことにより、この回収デバイス450が、この回収デバイス450が最初に前記送給カテーテル内に導入されつつあるときに介護従事者によって扱われる場合に、扱い易くなり、それにより、この回収デバイス450が上記導入過程において損傷を受ける可能性が低下する。前述のように、この回収デバイス450が前記送給カテーテル内に導入されることが完了し、かつ、この回収デバイス450が患者の導管内において拡張することが完了した後、この回収デバイス450が近位方向に(proximally、前記送給カテーテルに接近する方向に)引き戻されて前記送給カテーテル内に挿入される状況(occasions)がいくつかあるかもしれない。このことは、例えば、この回収デバイス450が前記導管内に不適切に配置された後か、または、回収のための処置が完了した後に、発生するかもしれない。それらの状況(instances)のそれぞれにおいては、この回収デバイス450の自己拡張部材を潰すのに必要な力が小さいため、いくつかの利点が実現される。一つの利点は、そのことにより、この回収デバイス450が、患者の導管内において前記送給カテーテルを不注意に変位させてしまうような方法で、前記送給カテーテルに対して作用してしまう可能性が、軽減されるということである。別の利点は、そのことにより、近位アンテナ457と前記長手状ワイヤ(例えば、図1Aに示す長手状のフレキシブル・ワイヤ40)との間の装着部に過大な力が作用する可能性が軽減されるということであり、そのような過大な力は、前記連結点での損傷(failure、故障)を生じさせてしまうであろう。
図43に示す実施態様においては、幅狭部464および465がそれぞれテーパ部を有する。他のいくつかの実施態様においては、幅狭部464および465が、それぞれ、ストラット幅が段階的に減少するストラット幅段階的減少部によって示されている。幅狭部464および465のそれぞれにおける幅寸法の減少量は、ストラット460および461のそれぞれの公称幅寸法に従って変化するであろう。いずれの場合にも、重要なことは、幅の減少量が、自己拡張部材についての半径方向力の要求事項および構造的一体性(structural integrity、構造的安全性、構造的健全性、構造的整合性)の要求事項と整合している(consistent、釣り合う)ということである。切断時の製造後状態(as-cut manufactured state、製造後に、展開のために切断が行われて平面状を成す状態)における幅寸法の減少量が約5.0%と約20.0%との間の範囲内にあることは、公称幅寸法が約0.0057インチから約0.0027インチまでの間の範囲内にある複数本のストラットに適しており、そのとき、幅寸法の減少量が約10.0%と約20.0%との間の範囲内にあることが望ましいことが判明した。一実施態様においては、ストラット460および461のそれぞれの幅寸法W1が約0.0053インチであり、これに伴い、幅狭部464および465のそれぞれの最小幅寸法は約0.0047インチである。別の実施態様においては、ストラット460と461とのそれぞれの幅寸法W1が約0.0057インチであり、これに伴い、前記幅狭部の最小幅寸法は約0.0046インチである。
いくつかの実施態様においては、ストラット460および461のそれぞれの、切断時幅寸法(as-cut width dimension、展開のために切断が行われて平面状を成す時の幅寸法)が互いに不一致であり、これに伴い、幅狭部464および465のそれぞれの幅寸法も互いに不一致である。例えば、一実施態様においては、ストラット460が、約0.0050インチの幅寸法を有し、また、ストラット461が、約0.0057インチの幅寸法を有し、また、幅狭部464および465がそれぞれ、約0.0042インチの幅寸法および約0.0046インチの幅寸法を有する。
図44は、最近位セル構造体457の別の変形例を示しており、その最近位セル構造体457においては、外側ストラット460および461がそれぞれ、近位セクション467と、中央セクション468と、遠位セクション469とを有する。最近位セル構造体457の外側ストラット460および461のそれぞれの幅寸法が、当該自己拡張部材の可推性を向上させることを目的として、この回収デバイス450のうち、残りの部分に位置する複数本のストラットのうちの大部分より大きいものとなるように概して製作されており、それが理由で、ストラット460および461の遠位端に位置する連結点471および472における材料の固まり(bulk of material)が、当該自己拡張部材が潰れる能力(ability to collapse、潰れ易さ、折畳み性、伸縮性、崩壊性)を阻害するかもしれない。そのため、図44に示す実施態様においては、遠位セクション469が幅狭部を有し、その目的は、連結点471および472の領域を占める材料の量を減少させることにある。図44はさらに、幅狭部(上述のものと同様)を有する近位セクション467をも示しているが、いくつかの実施態様においては、これとは異なっている。上述の方法で、幅狭部を有するセクションがテーパ部および/または階段状部を有するかもしれない。
図44に示す実施態様の別の利点は、ストラット460および461のそれぞれの中央セクション468が、X線透視下(under fluoroscopy)でのこの回収デバイスの視認性を向上させるほどに十分な幅寸法を与えられるということであり、その視認性の向上は、近位テーパ部451の近位端が潰れるかまたはその他の方法で非拡張状態を示す能力に大きな影響を与えることなく行われる。一実施態様によれば、ストラット内の中央セクション468の幅寸法が、約0.0053インチであり、近位セクション467の最小幅寸法および遠位セクション469の最小幅寸法が、それぞれ約0.0047インチおよび約0.0041インチである。図43に示すいくつかの実施態様のうちの一部と同様に、図44に示す実施態様においては、ストラット460および461のそれぞれの幅寸法が互いに不一致であり、これに伴い、それぞれの近位セクション467、中央セクション468および遠位セクション469のうちの1つまたは複数の幅寸法が互いに不一致である。
図45Aは、別の実施態様に従う導管塞栓回収デバイス800を示す2次元的な図である。この回収デバイス800は、自己拡張部材を有し、その自己拡張部材は、近位テーパ端部801と、筒状本体部802と、遠位テーパ端部803とを有する。近位テーパ端部801内において最も外側に位置する複数の最外セル構造体は、複数の外側ウォール・セグメントを有し、それら外側ウォール・セグメントは、一側においては、非波状レール・セグメント(レール)804を形成する一方、他側においては、波状レール・セグメント805(レール)を形成する。レール・セグメント804および805のそれぞれは、前記自己拡張部材のうちの最近位端から筒状本体部802のうちの近位端と同じ位置かまたはその近傍位置まで延びている。近位アンテナ806が、最も近位寄りに位置する最近位セル構造体807から近位方向に(proximally、術者に接近する方向)延びる一方、遠位アンテナ807が遠位テーパ端部803のうちの遠位端から遠位方向(distally、術者から遠ざかる方向)に延びている。遠位テーパ端部803は、図39に関連付けて説明されたものと同様である。いくつかの実施態様においては、最近位セル構造体807が、前述の図42−図44に示すいくつかの実施態様における最近位セル構造体456と同じ特徴および特性を有する。
この回収デバイス800において複数のセル構造体が対角方向に配列される結果、レール804および805がそれぞれ通過する直線の長さは、切断時の製造後状態(as-cut manufactured state、製造後の、展開のために切断が行われて平面状を成す状態)において、互いに不一致であり、これに伴い、レール804が通過する直線の長さは、レール805が通過する直線の長さより長い。レール804の直線的構成は、レール805の波状的構成との組合せにより、利点をもたらし、その利点は、この回収デバイス800が非拡張状態/送給状態を示す場合に、レール804および805のそれぞれの長さが互いにより接近するということである。一実施態様によれば、レール804および805は、この回収デバイス800が非拡張状態/送給状態を示す場合に、互いに実質的に一致する長さをそれぞれ達成するように構成される。いくつかの実施態様においては、レール804および805間の長さの差が、この回収デバイス800が非拡張状態/送給状態を示す場合に、約0%と約5%との間の範囲内にある。
前述のように、本明細書に開示されているとともに考慮の対象とされているいくつかの回収デバイスは、チューブをレーザによって切断することによって概して製造され、それら回収デバイスが実際に3次元構成態様をとる場合に、チューブに似た構造体を概して有する。他の図面のうちの多くのものと同様に、図45は、ある回収デバイスを、2次元平面展開状態で、すなわち、自身をその長さ方向に沿って切断して一平面上に展開したかのように示している。このことを前提にして図45Bを参照するに、前記2次元展開状態において、複数のセル構造体が、複数本のストラットを有する複数のポリゴンである。図示するように、レール・セグメント804および805が、近位テーパ端部810内の最外セル構造体807,810および811のそれぞれの外側ウォールによって構成されている。波状レール・セグメント805が、最近位セル構造体807のうちの第1外側ウォール812と、複数の外側セル構造体810のうちの複数の外側ウォール814とによって形成され、これに対し、非波状レール・セグメント804が、最近位セル構造体807のうちの第2外側ウォール813と、複数の外側セル構造体811のうちの複数の外側ウォール815とによって形成されている。図45Bに示すように、前記2次元展開状態においては、外側ウォール814が曲線的である一方、外側ウォール815が直線的である。理解されるように、チューブという形態をとる場合には、前記自己拡張部材が拡張状態にあると、レール804が曲線的なものになるが、それにもかかわらず、波状部を有するには至らない。レール805は、また、それの3次元状態にあると、曲線的である程度(degree of curvature、曲り度)が増すが、レール804とは異なり、波状部を有するに至る。
近位テーパ端部801という設計を採用する利点は、非波状レール・セグメント804が、可推性および耐キンク性(kink resistance)に関連する前述のいくつかの効果を奏する一方、波状レール・セグメント805は、近位テーパ端部801が、形状が対称である複数のポリゴン、および/または、形状が対称に近い複数のポリゴンを有することを許容するということである。近位テーパ端部801において、形状が対称であるよりポリゴン、および/または、形状が対称に近いポリゴンの数が多いほど、近位テーパ端部801が非拡張状態すなわち圧縮状態を示す能力が向上し、さらに、近位テーパ端部801の構造上の一様性およびコンパクト性が向上する。形状が対称的であるセル構造体は、それの対照をなす、形状が非対称であるセル構造体より、入れ子構造をとる傾向が増すため、前述のいくつかの効果が、形状が対称的であるより多数のセル構造体が近位テーパ端部801内に配置されることによって少なくとも部分的に達成される。
近位テーパ端部801が1本の非波状レール・セグメント804および1本の波状レール・セグメント805を有することによる別の利点は、波状レール・セグメント805を有することにより、2本の非波状レールを用いる設計構成を採用する場合とは異なり、近位テーパ端部801内の複数のセル構造体の構成を設計する自由度が向上するということである。図45Bに示すように、複数の外側セル構造体811に沿って非波状レール・セグメント804が形成され、それら外側セル構造体811は、例えば図30に示すものと同様な複数の構造体よりかなり強い対称性を有する複数の構造体を有する。
図45Cを参照するに、一実施態様によれば、この回収デバイス800は、次のような切断時(as-cut、展開のために切断が行われて平面状を成す時の)寸法特性を有しており、具体的には、L1=56.44mmプラス・マイナス0.50mmと、L2=26.85mmプラス・マイナス0.50mmと、L3=2.0mmプラス・マイナス0.1mmと、L4=4.0mmプラス・マイナス0.3mmと、W1=0.0054インチ・プラス・マイナス0.0004インチと、W2=0.0056インチ・プラス・マイナス0.0004インチと、W3=0.0047インチ・プラス・マイナス0.0004インチと、W4=0.0047インチ・プラス・マイナス0.0004インチと、W5=0.0040インチ・プラス・マイナス0.0004インチと、W6=0.0027インチ・プラス・マイナス0.0004インチと、W7=0.0034インチ・プラス・マイナス0.0004インチと、W8=0.0031インチ・プラス・マイナス0.0004インチと、W9=0.010インチ・プラス・マイナス0.007インチと、W10=0.0035インチ・プラス・マイナス0.0004インチと、W11=0.0025インチ・プラス・マイナス0.0004インチとである。一実施態様においては、近位テーパ端部801の長さ寸法および遠位テーパ端部803の長さ寸法が、それぞれ、約13mmおよび約7mmである。
図46は、別の実施態様に従う塞栓回収デバイス830を示しており、その実施態様においては、この回収デバイス830のうちの遠位テーパ端部831におけるいくつかのストラット832のうちのいくつかの部分833がフレア部(flare、円錐部、末広がり部)を有しており、それにより、この回収デバイス830の遠位部のX線不透過性(radiopacity)が向上する。いくつかの実施態様においては、製造中、それら部分833のそれぞれが、レーザ切断され、それにより、ストラット832のうちの残りの部分より拡大された幅広部を有する。それら部分833自体でX線不透過性を向上させることに加えて、それらフレア部(flared portions)(または幅広部のうちのいくつかの部分)により、X線不透過膜、例えば、金膜のようなものを受け入れるのにすぐれたプラットフォームが実現される。図46に示す実施態様においては、それらフレア部88が、ストラット間の連結点834から、この回収デバイス830が圧縮される能力(圧縮性)を阻害しないように十分な距離を隔てて配置されている。図46に示す実施態様においては、それらフレア部833が、さらに、長軸方向に互いにずらされており、それにより、この回収デバイス830が圧縮状態にある場合に、1個のフレア部833のみが長軸方向上の位置を占有する。このような構成態様により、それらフレア部833が、遠位テーパ端部831に沿った位置においてこの回収デバイス830が達成可能な直径寸法の最小値に与えるかもしれない影響を軽減する。図46に示す実施態様においては、それらフレア部833が、複数のノードを有し、それらノードは、一実施態様においては、それぞれ、約0.015インチの直径を有する。別のいくつかの実施態様においては、それらフレア部833が、それぞれ、約0.0035インチと約0.0045インチとの間の範囲内の幅寸法を有することが可能である。
図47Aおよび図47Bは、一実施態様に従う塞栓回収デバイス480のうちの遠位セグメントを示している。図47Aは、回収デバイス480を、2次元平面展開状態で、すなわち、自身をその長さ方向に沿って切断して一平面上に展開したかのように示している。図47Aは、回収デバイス480を、切断時の形状(as-cut configuration、展開のために切断が行われて平面状を成す時の形状)で示す一方、図47Bの3次元表示は、回収デバイス480を、切断後の製造後状態(post-cut manufactured state、製造のためにレーザ切断が行われて筒状を成す状態)で示す。
図47Aを参照するに、この回収デバイス480のうちの遠位セグメントは、遠位寄りに位置する複数のセル構造体488−491を有し、これに伴い、1セットのアンテナ481,482および483が、セル構造体488−491の連結部492−494から遠位方向に延びている。いくつかの実施態様においては、複数のタブ485−487または複数の他の、寸法が拡大された寸法拡大特徴部が、最も遠位寄りに位置する複数の最遠位セル構造体488−491の1または複数の端に設けられ、その目的は、X線透視下においてこの回収デバイス480の遠位端を識別することにあり、その識別は、前記寸法拡大特徴部の特性および/またはX線不透過材料の恩恵の結果、行われる。図47Aに示すように、いくつかの実施態様においては、複数の最遠位セル構造体488−491が、この回収デバイス480の本体部内において互いに隣接するセル構造体より小さい。
図47Bに示すように、この回収デバイス480が例えばレーザ切断などの方法で形成された後のある時点において、アンテナ481,482および483のそれぞれの遠位端が、連結点484において互いに結合され、それにより、回収デバイス480の内部空洞に、閉じた端(a closed-end、開口部を有しない先端)が与えられる。実際、その閉じた端は、バスケット(basket、かご)を形成し、そのバスケットは、複数の粒子、例えば、塞栓物(embolic material)であって、回収作業中に飛散する可能性があるものの収集を促進する。いくつかの実施態様においては、連結点484が、アンテナ481−483のそれぞれの遠位端を半田付けで互いに結合することによって形成される。いくつかの実施態様においては、アンテナ481−483のそれぞれの遠位端が、コイル・スプリングまたは他の、複数個の穴を有する(perforated)構造体のような収容部(encasement、ケース、入れ子)内に配置され、これに伴い、半田または他の接合剤(bonding agent)が前記収容部内に塗布されるかおよび/または前記収容部の周囲に塗布され、それにより、アンテナ481−483のそれぞれの遠位端が相互に接合される。いくつかの実施態様においては、前記収容部が、丸みを帯びた非外傷性の遠位先端を有する。いくつかの実施態様においては、前記収容部が、X線不透過材料を有する。
図48Aおよび図48Bは、一実施態様に従う塞栓回収デバイス850を示している。図48Aは、回収デバイス850を、2次元平面展開状態で、すなわち、自身をその長さ方向に沿って切断して一平面上に展開したかのように示している。図48Aは、回収デバイス850を、切断時の形状(as-cut configuration、展開のために切断が行われて平面状を成す時の形状)で示す一方、図48Bの3次元表示は、回収デバイス850を、切断後の製造後状態(post-cut manufactured state、製造のためにレーザ切断が行われて筒状を成す状態)で示す。この回収デバイス850は、近位アンテナ851と、近位テーパ部852と、本体部853と、遠位部855とを有する。切断後の製造後状態(post-cut manufactured state、製造のためにレーザ切断が行われて筒状を成す状態)においては、本体部853と遠位部855とが、完全に同じかまたは実質的に同じ直径を有する。この回収デバイス850が例えばレーザ切断などの方法で形成された後のある時点において、この回収デバイス850が、遠位部855の非拘束時の形状(unconstrained configuration)が、非拘束状態にある本体部853より大きい直径を有するように、形成される。この回収デバイス850の、切断後の形状(post as-cut form、製造のためにレーザ切断が行われて筒状を成す形状)は、マンドレルまたは別のツールおよびこの分野において公知の方法の使用によって達成してもよい。いくつかの実施態様においては、遠位部855(形状遷移部854が存在しない場合)の非拘束時の直径と本体部853の直径との比率が、約1.2/1.0と約2.0/1.0との間の範囲内にある。例えば、一実施態様によれば、本体部853の非拘束時の平均直径が、約2.0mmであり、また、形状遷移部854が存在しない場合に、遠位部855の非拘束時の平均直径が、約4.0mmである。いくつかの実施態様によれば、遠位部855(形状遷移部854が存在しない場合)の非拘束時の長さと本体部853の長さとの比率が、約0.2と約0.7との間の範囲内にある。例えば、一実施態様によれば、本体部853の非拘束時の長さが、約15mmと約25mmとの間の範囲内にあり、また、遠位部855(形状遷移部854が存在しない場合)の非拘束時の長さが、約5mmと約10mmとの間の範囲内にある。
いくつかの実施態様によれば、図48Aに示すように、本体部853内の複数のセル構造体は、遠位部855内の複数のセル構造体より大きいサイズを有する。本体部853のストラット密度が他の部位より低いことにより、塞栓内に回収デバイス850が一体化されること(integration)が促進される。遠位部855のストラット密度が他の部位より高いことにより、後に詳述するように、飛散した複数の粒子の捕捉が促進される。さらに、いくつかの実施態様においては、この回収デバイス850が、ある方法で構成され、その方法が用いられる結果、この回収デバイス850は、この回収デバイス850が患者の導管内に配備される場合に、遠位部855に発生する半径方向力より大きな半径方向力が本体部853に発生するように構成される。このような実施態様においては、本体部853が塞栓を捕捉するように位置決めされ、その際、遠位部855は、前記導管の管壁のうち前記塞栓から離れた部分を押し付けるように、より穏やかに作用し、それにより、前記塞栓の複数の部分であって、前記捕捉の最中およびその終了後に飛散状態となるものが捕捉される。したがって、ある方法によれば、この回収デバイス850が、本明細書において前述したように、送給カテーテルの使用により、患者の治療部位に位置決めされる。この回収デバイス850は、前記送給カテーテルのうちの遠位端に位置決めされ、それにより、本体部853が、回収されるべき塞栓のある場所に位置決めされる。本体部853および遠位部855は、前記送給カテーテル内に包囲される(sheathed)と、完全にまたは実質的に同じ直径を有する。その後、前記送給カテーテルが近位方向に引っ張られ、その目的は、拘束状態にある回収デバイス850を前記治療部位において拡張させることにあり、その拡張は、本体部853が少なくとも部分的に前記塞栓に押し付けられるとともに、遠位部855のうちの少なくとも一部が、前記導管の管壁のうち前記塞栓から離れた部分によってより穏やかに支持されるように行われる。前記塞栓がこの回収デバイス850の本体部853内に捕捉されると、この回収デバイス850は、患者から、本明細書において前述した複数の方法のうちの1または複数と整合する方法によって抜去してもよい。そのような抜去行為の遂行中、この回収デバイス850が近位方法に引っ張られるにつれて、遠位部855が前記管壁に沿って掃き、それにより、前記塞栓のうち、飛散状態になっていたかもしれない複数の部分が捕捉される。直径寸法が拡張されるおかげで、遠位部855は、前記抜去行為の全部または一部の工程の遂行中、前記管壁に接触し続ける。
前述のように、本体部853のストラット密度が他の部位より低いことにより、塞栓内に回収デバイス850が一体化されることが促進される。しかし、いくつかの実施態様においては、この回収デバイス850が、ある方法で構成され、その方法が用いられる結果、この回収デバイス850は、この回収デバイス850が患者の導管内に配備される場合に、遠位部855が加える半径方向力より大きな半径方向力を本体部853が加えるように構成される。その方法によれば、この回収デバイス850が最終的に、本体部853が、この回収デバイス850が患者の導管内に配備される場合に、遠位部855に発生する半径方向力より大きな半径方向力が本体部853に発生するように構成される。半径方向力の大きさが部位によって異なる状態を達成するために、いくつかの実施態様においては、この回収デバイス850の本体部853内の複数本のストラットのそれぞれの幅寸法が、遠位部855内の複数本のストラットのうちの少なくとも一部または全部のそれぞれの幅寸法より大きくなるように切断される。
図48Aおよび図48Bに示すように、いくつかの実施態様においては、遠位部855のストラット密度が、複数の非直線ストラット860を複数のセル構造体のうちの少なくともいくつかに設けることにより、一層増加させられている。いくつかの実施態様においては、非直線ストラット860が、複数のセル構造体のそれぞれの近位端864と遠位端866との間を延びている。いくつかの実施態様においては、非直線ストラット860が、複数のセル構造体のそれぞれの近位端864と遠位端866との間を延び、これに伴い、非直線ストラット860は、切断時の形状(as-cut configuration、展開のために切断が行われて平面状を成す時の形状)において、上側ストラット861および/または下側ストラット862と実質的に同じ長さを有する。このような構成により、それらセル構造体用ストラットが相互に入れ子となる能力を向上させ、その結果、この回収デバイス850の拘束時の直径であって達成可能なものが小径化される。いくつかの実施態様においては、非直線ストラット860が、複数のセル構造体のそれぞれの近位端864と遠位端866との間を延び、これに伴い、上側ストラット861、下側ストラット862および非直線ストラット860は、それぞれ、前記切断時の形状(as-cut configuration、展開のために切断が行われて平面状を成す時の形状)において、実質的に互いに一致する長さを有する。遠位部855内に生成される半径方向力に大きな影響が与えられないようにするために、いくつかの実施態様においては、非直線ストラット860が、上側ストラット861および下側ストラット862の幅寸法より小さい幅寸法を有する。いくつかの実施態様においては、非直線ストラット860の幅寸法と上側ストラット861の幅寸法との比と、非直線ストラット860の幅寸法と下側ストラット862の幅寸法との比が、いずれも、約0.70と約0.80との間の範囲内にある。例えば、一実施態様によれば、上側ストラット861および下側ストラット862のそれぞれが、約0.0035インチの幅寸法を有し、これに伴い、非直線ストラット860は、約0.0025インチの幅寸法を有する。
図49は、図48Aに示す切断時の形状(as-cut configuration、展開のために切断が行われて平面状を成す時の形状)に対する一変形例を示している。図49に示すように、この回収デバイス870は、近位部871と、本体部872と、遠位部873とを有し、その遠位部873は、図48Aに示す遠位部855より短い長さを有する。
図50は、図47Aおよび図47Bに示す回収デバイスに近似する回収デバイスのうちの遠位セグメントを示しており、その遠位セグメントは、X線不透過性を有する1本または複数本のワイヤ495またはリボン495であって、複数のセル構造体488−492を形成する複数本のストラットの周囲を巻き付けられているものを有する。本明細書のうちの残りの部分の全体を通じて、「ワイヤ」という用語は、ワイヤ、リボンまたはその他同様の構造体を含むように広義に用いられる。複数のセル構造体488−492を形成する複数のセル用ストラットの全部に、図50に示すように、X線不透過性を有する1本または複数本のワイヤ495を巻き付けてもよいが、いくつかの別の実施態様においては、それらストラットのうち選択されたもののみが、X線不透過性を有するワイヤ495の巻部(windings、巻線部)を有してもよい。X線不透過性を有するワイヤ495の巻部をこの回収デバイスの遠位セグメント内に組み込むことによる利点は、X線透視下(under fluoroscopy)でのこの回収デバイスの遠位端の視認性が向上するということである。一方、例えば図50に示すように、十分な本数の遠位ストラットが巻線部の恩恵を受ける場合、その巻線部により、遠位セグメントの剛性が向上する。遠位セグメントの剛性が向上することの利点は、この回収デバイスが送給カテーテルまたは患者の導管を通過して前進させられる際に、遠位セグメントの潰れが阻止されるということである。一実施態様においては、1本または複数本のワイヤ495が、プラチナを含有する。しかし、理解すべきことは、複数本の他のX線不透過材料のうちのいずれを用いてもよいということである。1本または複数本のワイヤ495は、ステンレス鋼のようなコア構造体であって、X線不透過材料によってクラッドされる(clad)かまたは他の方法によってコーティングされる(coated)ものを有してもよい。1本または複数本のワイヤ495は、さらに、ポリマー製構造体であって、X線不透過材料が含侵される(impregnated)か、ドーピングされる(doped)か、または他の方法によってコーティングされた(coated)ものを有してもよい。いくつかの実施態様においては、1本または複数本のワイヤ495の断面積が、遠位セグメント内において不透過性および/または剛性が変化するように、変化させられる。いくつかの実施態様においては、1本または複数本のワイヤ495の直径または幅寸法が、遠位セグメントを形成する複数本のストラットより約20%小さい値と約50%小さい値との間の範囲内にある。
図50に示されていないが、いくつかの実施態様においては、小さな複数の凹部が、複数のセル構造体488−492を形成する複数本のストラットのうちの少なくとも一部に設けられ、その目的は、決められた位置に前記巻線部を設置することを案内することにある。望ましくは、それら凹部は、ワイヤ495の一部のみが前記凹部内に留置されるとともに、ワイヤ495の一部は、前記凹部の外側に配置されるように、ワイヤ495の一部のみを収容するサイズを有する。
図51A−図51Dは、血栓回収デバイス550の別のいくつかの側面を示しており、それら側面は、図48Aおよび図48Bに示す回収デバイス850といくつかの点で共通している。図51A−図51Dは、回収デバイス550を、2次元平面展開状態で、すなわち、自身をその長さ方向に沿って切断して一平面上に展開したかのように示している。この回収デバイス550は、近位アンテナ561と、近位テーパ部551と、本体部552aと、遠位部552bとを有する。切断後の製造後状態(as-cut manufactured state、製造後に、展開のために切断が行われて平面状を成す状態)においては、本体部552aと遠位部552bとが、完全に同じかまたは実質的に同じ直径を有する。この回収デバイス550が例えばレーザ切断などの方法で形成された後のある時点において、この回収デバイス550が、遠位部552bの非拘束時の形状(unconstrained configuration)が、非拘束状態にある本体部552aより大きい直径を有するように、形成される。この回収デバイス550の、切断後の形状(post as-cut form、製造のためにレーザ切断が行われて筒状を成す形状)は、マンドレルまたは別のツールおよびこの分野において公知の方法の使用によって達成してもよい。いくつかの実施態様においては、遠位部552bの非拘束時の直径と本体部552aの直径との比率が、約1.2/1.0と約2.0/1.0との間の範囲内にある。例えば、一実施態様によれば、本体部552aの非拘束時の平均直径が、約2.0mmであり、また、遠位部552bの非拘束時の平均直径が、約4.0mmである。いくつかの実施態様によれば、遠位部552bの非拘束時の長さと本体部552aの長さとの比率が、約0.2と約0.7との間の範囲内にある。例えば、一実施態様によれば、本体部552aの非拘束時の長さが、約15mmと約25mmとの間の範囲内にあり、また、遠位部552bの非拘束時の長さが、約5mmと約10mmとの間の範囲内にある。
いくつかの実施態様によれば、近位テーパ部(近位端部)551、本体部(本体部のうちの近位部)552aおよび遠位部(本体部のうちの近位部)552b内の複数のセル構造体は、互いに異なるサイズを有する。図51Aに示す例においては、それらセル構造体のそれぞれのセル・サイズ(面積)が互いに倍数の関係にあり、これに伴い、セル構造体554は、2つ分のセル構造体553とほぼ等しい面積を有し、セル構造体555は、3つ分のセル構造体553とほぼ等しい面積を有する。注目することが重要であることは、それらセル構造体のそれぞれのセル・サイズ(面積)が互いに倍数の関係にあることは不可欠ではないということである。図51Bは、セル構造体553の長さ寸法L1および幅寸法W1を示している。図51Cは、セル構造体554の長さ寸法L2および幅寸法W2を示している。図51Dは、セル構造体555の長さ寸法L3および幅寸法W3を示している。
いくつかの実施態様によれば、セル構造体553,554および555のそれぞれは、この回収デバイス550が非拡張状態にある場合および拡張状態にある場合に、1より大きい平均長/幅比(length to width ratio)を有する。セル構造体553,554および555が1より大きい平均長/幅比(length to width ratio)を維持する能力により、それらセル構造体553,554および555が、この回収デバイス550が送給カテーテルまたは患者の導管を通過して進行させられる際に、長軸方向に潰れる(座屈する)ことが阻止される。すなわち、この回収デバイス550の複数のセル構造体は、それらの長/幅比が1より大きいということに起因し、蛇腹状に重なり合う方法で(in an accordion like fashion)、長軸方向に、かつ、それらセル構造体自身の上に潰れる(座屈する)ことが阻止される。
別の側面が、この回収デバイス550の遠位部552b内の複数のセル構造体555のそれぞれの長さ寸法L3に反映されている。その遠位部552bは、拡張時の直径を、この回収デバイス550のうちそれ以外の部分の拡張時の直径より大きい直径として有するため、長さ寸法L3は、幅寸法W3に比較して十分に長くなり、その結果、セル構造体555が、自身の長さ寸法を、この回収デバイス550が非拡張状態から拡張状態に遷移する場合に、幅寸法より大きい寸法のままに維持されることが確保される。
いくつかの実施態様においては、本体部のうちの遠位部552b内の複数のセル構造体の平均長/幅比が、本体部のうちの近位部552a内の複数のセル構造体の平均長/幅比より大きく、また、本体部のうちの近位部552a内の複数のセル構造体の平均長/幅比が、近位端部551内の複数のセル構造体の平均長/幅比より大きく、また、近位端部551内の複数のセル構造体の平均長/幅比が、自己拡張部材が非拡張状態および拡張状態にある場合に、1より大きい。
いくつかの実施態様においては、この回収デバイス550が、ある方法で構成され、その方法が用いられる結果、この回収デバイス550は、この回収デバイス550が患者の導管内に配備される場合に、遠位部552bに発生する半径方向力より大きな半径方向力が本体部552aに発生するように構成される。このような実施態様においては、本体部552aが塞栓を捕捉するように位置決めされ、その際、遠位部552bは、前記導管の管壁のうち前記塞栓から離れた部分を押し付けるように、より穏やかに作用し、それにより、前記塞栓の複数の部分であって、前記捕捉の最中およびその終了後に飛散状態となるものが捕捉される。したがって、ある方法によれば、この回収デバイス550が、本明細書において前述したように、送給カテーテルの使用により、患者の治療部位に位置決めされる。この回収デバイス550は、前記送給カテーテルのうちの遠位端に位置決めされ、それにより、本体部552aが、回収されるべき塞栓のある場所に位置決めされる。本体部552aおよび遠位部552bは、前記送給カテーテル内に包囲されると、完全にまたは実質的に同じ直径を有する。その後、前記送給カテーテルが近位方向に引っ張られ、その目的は、拘束状態にある回収デバイス550を前記治療部位において拡張させることにあり、その拡張は、本体部552aが少なくとも部分的に前記塞栓に押し付けられるとともに、遠位部552bのうちの少なくとも一部が、前記導管の管壁のうち前記塞栓から離れた部分によってより穏やかに支持されるように行われる。前記塞栓がこの回収デバイス550の本体部552a内に捕捉されると、この回収デバイス550は、患者から、本明細書において前述した複数の方法のうちの1または複数と整合する方法によって抜去してもよい。そのような抜去行為の遂行中、この回収デバイス550が近位方法に引っ張られるにつれて、遠位部552が前記管壁に沿って掃き、それにより、前記塞栓のうち、飛散状態になっていたかもしれない複数の部分が捕捉される。直径寸法が拡張されるおかげで、遠位部552bは、前記抜去行為の全部または一部の工程の遂行中、前記管壁に接触し続ける。
前述のように、本体部552aのストラット密度が低い(近位テーパ部551のストラット密度と比較して)ことにより、塞栓内に回収デバイス550が一体化されることが促進される。しかし、いくつかの実施態様においては、この回収デバイス550が、ある方法で構成され、その方法が用いられる結果、この回収デバイス550は、この回収デバイス550が患者の導管内に配備される場合に、遠位部552bが加える半径方向力より大きな半径方向力を本体部552aが加えるように構成される。半径方向力の大きさが部位によって異なる状態を達成するために、いくつかの実施態様においては、この回収デバイス550の本体部552a内の複数本のストラットのそれぞれの幅寸法が、遠位部552b内の複数本のストラットのうちの少なくとも一部または全部のそれぞれの幅寸法より大きくなるように切断される。
図51Aに示すように、いくつかの実施態様においては、遠位部552bのストラット密度が、複数の非直線ストラット562を複数のセル構造体のうちの少なくともいくつかに設けることにより、一層増加させられている。いくつかの実施態様においては、非直線ストラット562が、複数のセル構造体のそれぞれの近位端556と遠位端557との間を延びている。いくつかの実施態様においては、非直線ストラット562(すなわち、中間ストラット(intermediate struts、セル構造体の中央を通過するストラット))が、複数のセル構造体のそれぞれの近位端556と遠位端557との間を延び、これに伴い、非直線ストラット562は、切断時の形状(the as-cut configuration、展開のために切断が行われて平面状を成す時の形状)において、上側ストラット558および/または下側ストラット559と同じ長さを有する。このような構成により、それらセル構造体用ストラットが相互に入れ子となる能力を向上させ、その結果、この回収ストラット550の拘束時の直径であって達成可能なものが小径化される。遠位部552b内に生成される半径方向力に大きな影響が与えられないようにするために、いくつかの実施態様においては、非直線ストラット562が、上側ストラット558および下側ストラット559の幅寸法より小さい幅寸法を有する。いくつかの実施態様においては、非直線ストラット562の幅寸法と上側ストラット558の幅寸法との比と、非直線ストラット562の幅寸法と下側ストラット559の幅寸法との比が、いずれも、約0.70と約0.90との間の範囲内にある。例えば、一実施態様によれば、上側ストラット558および下側ストラット559のそれぞれが、約0.0035インチの、切断時幅寸法(as-cut width dimention、展開のために切断が行われて平面状を成す時の幅寸法)を有し、これに伴い、非直線ストラット562は、約0.0025インチの、切断時幅寸法(as-cut width dimention、展開のために切断が行われて平面状を成す時の幅寸法)を有する。
図51A−図51Dに示されていないが、いくつかの実施態様においては、遠位部552b内の複数のセル構造体が、複数の巻線部を有しており、それら巻線部は、複数本のストラットを通過するように選択的に織り込まれており、その目的は、図50に関連付けて前述したように、遠位部552bに、望ましいX線不透過性および/または剛性を与えるためである。
いくつかの実施態様においては、アンテナ560a,560bおよび560cが、遠位部552b内において、各々、周方向に並んだ複数のセル構造体から成る複数の列のうち最も遠位寄りのものから遠位方向に延びている。図47Aおよび図47Bに示す回収デバイス480に関連付けて前述されたような方法で、アンテナ560a,560bおよび560cのそれぞれの遠位端が互いに結合され、それにより、回収デバイス550の内部空洞に、部分的に閉じた端(a partially closed-end、部分的に開口部を有しない端)が与えられる。実際、その閉じた端は、バスケット(basket、かご)を形成し、そのバスケットは、複数の粒子、例えば、塞栓物(embolic material)であって、回収作業中に飛散する可能性があるものの収集を促進する。いくつかの実施態様においては、アンテナ560a,560bおよび560cの連結点が、アンテナ560a,560bおよび560cのそれぞれの遠位端を半田付けで互いに結合することによって形成される。いくつかの実施態様においては、アンテナ560a,560bおよび560cのそれぞれの遠位端が、コイル・スプリングまたは他の、複数個の穴を有する(perforated)構造体のような収容部(encasement、ケース、入れ子)内に配置され、これに伴い、半田または他の接合剤(bonding agent)が前記収容部内に塗布されるかおよび/または前記収容部の周囲に塗布され、それにより、アンテナ560a,560bおよび560cのそれぞれの遠位端が相互に接合される。いくつかの実施態様においては、前記収容部が、丸みを帯びた非外傷性の遠位先端を有する。いくつかの実施態様においては、前記収容部が、X線不透過材料を有する。
図52Aは、図51A−図51Dに開示されたものと同様な回収デバイスを示している。相違点が、複数本の非直線/中間ストラット570の構成態様にあり、それら中間ストラット570は、遠位部に位置する複数のセル構造体555内に配置されている。図52Aに示すように、中間ストラット570は、第1および第2曲線エレメント571,572を有し、それら第1および第2曲線エレメント571,572の間に、分岐ストラット(bifurcation)573aおよび573bを有する。ストラット570の構成を採用することによる利点は、ストラット562と比較すると、塞栓性破片を捕捉することを支援するための別のカバレッジ(coverage、適用範囲)が提供されるということである。いくつかの実施態様においては、非直線ストラット570が、セル構造体555の近位端556と遠位端557との間を延びている。いくつかの実施態様においては、非直線ストラット570が、セル構造体555の近位端556と遠位端557との間を延び、これに伴い、切断時の形状(as-cut configuration、展開のために切断が行われて平面状を成す時の形状)において、第1曲線エレメント571の長さと第2曲線エレメント572の長さと分岐ストラット573aの長さとを組み合わせた長さ寸法が上側ストラット558の長さとほぼ等しいか、および/または第1曲線エレメント571の長さと第2曲線エレメント572の長さと分岐ストラット573bの長さとを組み合わせた長さ寸法が下側ストラット559の長さとほぼ等しい。遠位部552b内に生成される半径方向力に大きな影響が与えられないようにするために、いくつかの実施態様においては、非直線ストラット570が、上側ストラット558および下側ストラット559の幅寸法より小さい幅寸法を有する。いくつかの実施態様においては、非直線ストラット570の幅寸法と上側ストラット558の幅寸法との比と、非直線ストラット570の幅寸法と下側ストラット559の幅寸法との比が、いずれも、約0.70と約0.90との間の範囲内にある。例えば、一実施態様によれば、上側ストラット558および下側ストラット559のそれぞれが、約0.0035インチの、切断時幅寸法(as-cut width dimension、展開のために切断が行われて平面状を成す時の幅寸法)を有し、これに伴い、非直線ストラット570は、約0.0025インチの切断時幅寸法を有する。
図52Bは、図52Aに示す回収デバイスの一変形例を示しており、その変形例は、図52Aとの相違点として、本体部のうちの近位セクション575内のセル構造体579のサイズの点と、本体部のうちの遠位セクション576に複数のセル構造体577を有する点とが存在する。図52Bに示すように、セル構造体579のサイズを実質的に半分にするために別の複数本のストラット(破線で示す)が追加された結果、セル構造体579のサイズは、図52Aに示す回収デバイス内に、セル構造体579と同様にして配置されたセル構造体より小さい。上述のように、別の相違点が、複数のセル構造体577がこの回収デバイスの遠位端に設けられ、それにより、この回収デバイスに、実質的な、筒状を成す端(circumferential end)であって、長さ方向位置が一様であるもの(uniform)が与えられることにある。一実施態様においては、中間ストラット578が、セル構造体577の両端の間を、中間ストラット562に関して前述されたものと同様な方法で、延びている。
図53は、回収デバイス580を示しており、その回収デバイス580は、それの長さ方向において長さ寸法が互いに異なる複数のセル構造体を有しており、それらセル構造体は、図51A−図51Dに示す回収デバイス550に関連付けて前述された複数のセル構造体と同様である。図53は、回収デバイス580を、2次元平面展開状態で、すなわち、自身をその長さ方向に沿って切断して一平面上に展開したかのように示している。この回収デバイス580は、近位アンテナ581と、近位テーパ部582と、本体部583と、遠位部584とを有する。切断時の製造後状態(as-cut manufactured state、製造後に、展開のために切断が行われて平面状を成す状態)においては、本体部583と遠位部584とが、完全に同じかまたは実質的に同じ直径を有する。この回収デバイス580が例えばレーザ切断などの方法で形成された後のある時点において、この回収デバイス580が、遠位部584の非拘束時の形状(unconstrained configuration)が、非拘束状態にある本体部583より大きい直径を有するように、形成される。この回収デバイス580の、切断後の形状(post as-cut form、製造のためにレーザ切断が行われて筒状を成す形状)は、マンドレルまたは別のツールおよびこの分野において公知の方法の使用によって達成してもよい。いくつかの実施態様においては、遠位部584の非拘束時の直径と本体部583の直径との比率が、約1.2/1.0と約2.0/1.0との間の範囲内にある。例えば、一実施態様によれば、本体部583の非拘束時の平均直径が、約2.0mmであり、また、遠位部584の非拘束時の平均直径が、約4.0mmである。
図53に示すように、近位テーパ部(近位端部)582、本体部583および遠位部584内の複数のセル構造体は、互いに異なるサイズを有する。図53に示す例においては、それらセル構造体のそれぞれのセル・サイズ(面積)が互いに倍数の関係にあり、これに伴い、セル構造体586は、2つ分のセル構造体585とほぼ等しい面積を有し、セル構造体587は、3つ分のセル構造体585とほぼ等しい面積を有する。注目することが重要であることは、それらセル構造体のそれぞれのセル・サイズ(面積)が互いに倍数の関係にあることは不可欠ではないということである。前述の回収デバイス550内のセル構造体553,554および555と同様に、セル構造体585,586および587のそれぞれは、この回収デバイス580が非拡張状態にある場合および拡張状態にある場合に、1より大きい平均長/幅比(length to width ratio)を有する。前述のように、セル構造体585,586および587が1より大きい平均長/幅比(length to width ratio)を維持する能力により、それらセル構造体585,586および587が、この回収デバイス580が送給カテーテルまたは患者の導管を通過して進行させられる際に、長軸方向に潰れる(座屈する)ことが阻止される。すなわち、この回収デバイス580の複数のセル構造体は、それらの長/幅比が1より大きいということに起因し、蛇腹状に重なり合う方法で(in an accordion like fashion)、長軸方向に、かつ、それらセル構造体自身の上に潰れる(座屈する)ことが阻止される。
別の側面が、この回収デバイス580の遠位部584内の複数のセル構造体587のそれぞれの長さ寸法に反映されている。その遠位部584は、拡張時の直径を、この回収デバイス580のうちそれ以外の部分の拡張時の直径より大きい直径として有するため、セル構造体587の長さ寸法は、自身の幅寸法に比較して十分に長くなり、その結果、セル構造体587が、自身の長さ寸法を、この回収デバイス580が非拡張状態から拡張状態に遷移する場合に、幅寸法より大きい寸法のままに維持されることが確保される。
いくつかの実施態様においては、この回収デバイス580が、ある方法で構成され、その方法が用いられる結果、この回収デバイス580は、この回収デバイス580が患者の導管内に配備される場合に、遠位部584に発生する半径方向力より大きな半径方向力が本体部583に発生するように構成される。このような実施態様においては、本体部583が塞栓を捕捉するように位置決めされ、その際、遠位部584は、前記導管の管壁のうち前記塞栓から離れた部分を押し付けるように、より穏やかに作用し、それにより、前記塞栓の複数の部分であって、前記捕捉の最中およびその終了後に飛散状態となるものが捕捉される。したがって、ある方法によれば、この回収デバイス580が、本明細書において前述したように、送給カテーテルの使用により、患者の治療部位に位置決めされる。この回収デバイス580は、前記送給カテーテルのうちの遠位端に位置決めされ、それにより、本体部583が、回収されるべき塞栓のある場所に位置決めされる。本体部583および遠位部584は、前記送給カテーテル内に包囲されると、完全にまたは実質的に同じ直径を有する。その後、前記送給カテーテルが近位方向に引っ張られ、その目的は、拘束状態にある回収デバイス580を前記治療部位において拡張させることにあり、その拡張は、本体部583が少なくとも部分的に前記塞栓に押し付けられるとともに、遠位部584のうちの少なくとも一部が、前記導管の管壁のうち前記塞栓から離れた部分によってより穏やかに支持されるように行われる。前記塞栓がこの回収デバイス580の本体部583内に捕捉されると、この回収デバイス580は、患者から、本明細書において前述した複数の方法のうちの1または複数と整合する方法によって抜去してもよい。そのような抜去行為の遂行中、この回収デバイス580が近位方法に引っ張られるにつれて、遠位部552が前記管壁に沿って掃き、それにより、前記塞栓のうち、飛散状態になっていたかもしれない複数の部分が捕捉される。直径寸法が拡張されるおかげで、遠位部584は、前記抜去行為の全部または一部の工程の遂行中、前記管壁に接触し続ける。
図53に示されていないが、いくつかの実施態様においては、遠位部584内の複数のセル構造体が、複数の巻線部を有しており、それら巻線部は、複数本のストラットを通過するように選択的に織り込まれており、その目的は、図50に関連付けて前述したように、遠位部584に、望ましい不透過性および/または剛性を与えるためである。
図54に示す回収デバイス590は、図58に示す回収デバイス580と共通するが、複数のセル構造体587が相互に連結される点では異なる。複数のセル構造体587は、近位サイド591と、遠位サイド592と、トップ・サイド593と、ボトム・サイド594とを有する。図54に示すように、複数のセル構造体587は、それらに隣接するセル構造体586と、近位サイド591のうちの少なくとも一部に沿って、連結されている。しかし、複数のセル構造体587のトップ・サイド593およびボトム・サイド594は、他と連結されていない。前述のように、セル構造体587の長/幅比は、この回収デバイス590が送給カテーテルまたは患者の導管内を移動する際に、1より大きい値に維持されることが望ましい。セル構造体587をトップ・サイド593およびボトム・サイド594という部位において非連結状態とすることにより、通常であれば複数のセル構造体587に拡張中に加えられてそれらセル構造体587の幅寸法をかなり拡張させることになる力が、大きく排除される。このことにより、セル構造体587の長/幅比が、この回収デバイス590が拡張状態を示す場合に1より大きい値に維持されることが支援される。図55に示すように、最も遠位寄りの位置において周方向に一列に並ぶ複数のセル構造体体の列が互いに非連結状態とされる結果、他より小形となる複数のセル構造体を選択することが可能となる。例えば、図55に示すように、最も遠位寄りの位置において周方向に一列に並ぶ複数のセル構造体596は、近位寄りに位置する複数のセル構造体586と同じであるかまたは似ている複数のセル構造体を有することが可能である。しかし、理解すべきことは、最も遠位寄りの位置において周方向に一列に並ぶ複数のセル構造体596のそれぞれのサイズおよび形状は、近位寄りに位置する複数のセル構造体586のそれぞれのサイズおよび形状に近似させることは不可欠ではないということである。
次に、図56Aを参照するに、回収デバイス630が示されており、この回収デバイス630は、図45Aに示す回収デバイス800と共通する構成を有しているが、セル構造体の数が少ない点と、より小径の血管(vessels、管腔)/導管(ducts)を用途としている点では異なる。図56Aが、別の実施態様に従う回収デバイス630を2次元的に見た図を示している。この回収デバイス630は、自己拡張部材を有しており、その自己拡張部材は、近位テーパ端部631と、筒状本体部632と、遠位テーパ端部633とを有する。近位テーパ端部631内において最も外側に位置する複数の最外セル構造体は、複数の外側ウォール・セグメントを有し、それら外側ウォール・セグメントは、一側においては、非波状レール・セグメント(レール)636を形成する一方、他側においては、波状レール・セグメント(レール)637を形成する。レール・セグメント636および637のそれぞれは、前記自己拡張部材のうちの最近位端から筒状本体部632のうちの近位端と同じ位置かまたはその近傍位置まで延びている。近位アンテナ634が、最も近位寄りに位置する最近位セル構造体638から近位方向に延びる一方、遠位アンテナ635が遠位テーパ端部633のうちの遠位端から遠位方向に延びている。筒状本体部632内の複数のセル構造体640のそれぞれは、近位撓みエレメント(proximal flexure element)641と遠位撓みエレメント(distal flexure element)642とを互いに向かい合う状態で有しており、それら近位撓みエレメント641および遠位撓みエレメント642は、それぞれ、例えば、V字状構造体およびU字状構造体のような、凸状および/または凹状構造体を概して有する。近位撓みエレメント641および遠位撓みエレメント642は、一対のストラット643および644によって相互に連結されており、それら一対のストラット(斜め配向ストラット)643および644は、それぞれ、対角方向に延びる(diagonally extending、斜めに延びる)とともに、周方向において互いに距離を隔てている。
図56Bは、一実施態様に従う近位テーパ端部631内の種々のストラットの、切断時幅寸法(as-cut width dimention、展開のために切断が行われて平面状を成す時の幅寸法)をインチという単位で示しており、各幅寸法は、プラス・マイナス0.004インチという寸法公差を有する。一実施態様によれば、近位テーパ端部631内の複数本のストラットのそれぞれは、0.0045プラス・マイナス0.004インチという切断時厚さ寸法(as-cut thickness dimention、展開のために切断が行われて平面状を成す時の厚さ寸法)を有する。
前述のように、筒状本体部632は、それの複数本のストラットが、完全にまたは部分的に除外される標的部位である塞栓を少なくとも部分的に一体化すること(integration)を行うのに十分な半径方向強度を有することが望ましい。しかし、筒状本体部632の半径方向強度は、治療中、前記血管または導管に不当な損傷を与えないように十分に低いことが必要である。望ましい半径方向強度を実現するために、筒状本体部632を形成する複数本のストラットの各々の断面積および/または幅寸法および/または厚さ寸法を適切に決定することが必要である。
考慮すべき別の特徴は、柔軟性に関する特徴である。筒状本体部632は、回収デバイス630が患者の、蛇行屈曲した解剖学的部位を通過するように前進および後退させられることが可能であるのに十分な柔軟性を有するべきである。しかし、筒状本体部632は、さらに、自身の上に重なるように潰れる(座屈する)ことなく、送給カテーテルおよび患者の導管を通過するように押し出されることが可能であるのに十分な剛性をも有するべきである。気づいたことは、剛性は、この回収デバイス630が、患者の体内に配備された後のある時点で、送給カテーテルから抜去される能力におけるファクターとして作用するということである。前述のように、この回収デバイス630が患者の導管内において間違った位置に留置(misplacement、誤留置)されたり、時々は、この回収デバイス630が患者から抜去されたりすると、この回収デバイス630は、前記送給カテーテル内に完全にまたは部分的に引き戻されて収容される。気づいたことは、必要な剛性を筒状本体部632が有しない場合には、この回収デバイス630を、配備(deployment、展開、拡張)後に、前記送給カテーテル内に引き戻すことが困難であるということである。数回の試験によれば、筒状本体部632内のすべてのストラットが一様な断面を有するいくつかの場合に、それらストラットが適切な半径方向力を達成するためのサイズを有すると、剛性が不足することが証明された。
気づいたことは、近位撓みエレメント641および遠位撓みエレメント642のそれぞれの断面が、筒状本体部632内の半径方向力に対して大きな影響を及ぼすのに対し、斜め配向ストラット643および644のそれぞれの断面は、筒状本体部632内において発生する半径方向力に対して、寄与するとしてもわずかしか寄与しないということである。いくつかの実施態様によれば、筒状本体部632内における半径方向強度および剛性の適切なバランスを達成するために、近位撓みエレメント641および遠位撓みエレメント642のそれぞれの断面が、斜め配向ストラット643および644のそれぞれの断面とは異なっている。多くの場合、この回収デバイス630は、厚さ寸法が一様であるチューブを切断することによって製作されるため、近位撓みエレメント641および遠位撓みエレメント642のそれぞれの幅寸法および斜め配向ストラット643および644のそれぞれの幅寸法は、半径方向力および剛性についての望ましい特性を達成するために、変化させられる。しかし、理解すべきことは、幅寸法を除くいくつかの寸法を、同じかまたは同様な効果を達成するために変化させてもよいということである。
いくつかの実施態様によれば、筒状本体部632内の複数本のストラットの全部または一部が、同一の厚さ寸法を有し、これに伴い、近位撓みエレメント641および遠位撓みエレメント642のそれぞれが、第1平均幅寸法を有し、また、斜め配向ストラット643および644のそれぞれが、第2平均幅寸法であって前記第1平均幅寸法より長いものを有する。その第2平均幅寸法は、その第2平均幅寸法が前記第1平均幅寸法と同じであったならば存在するであろう剛性の不足分を補償するのに十分な長さを有する。いくつかの実施態様においては、切断時の(as-cut、展開のための切断が行われて平面状を成す時の)第2平均幅寸法は、切断時の(as-cut)第1平均幅寸法を約1.1倍した値から約2.0倍した値までの範囲内にある。別のいくつかの実施態様においては、切断時の(as-cut)第2平均幅寸法は、切断時の(as-cut)第1平均幅寸法を約1.2倍した値から約1.5倍した値までの範囲内にある。ある実験例によれば、切断時の(as-cut)第1平均幅寸法は、約0.0032インチであり、また、切断時の(as-cut)第2平均幅寸法は、約0.0040インチであった。それらの実験結果が示したことは、筒状本体部632の平均撓み剛性が、斜め配向ストラット643および644のそれぞれの幅寸法を0.0032インチから0.0040インチまで増加させた結果、約40%から約50%までの範囲内の増分で増加したということである。このことは、半径方向力の顕著な増加を伴わない。
図57は、回収デバイス650を示しており、この回収デバイス650は、回収デバイス630と共通する構成を有しているが、斜め配向ストラット643および644の構成態様においては異なる。それら図(図56Aおよび図57)に示すように、回収デバイス630における斜め配向ストラット643および644は、それぞれ、曲線的であるのに対し、この回収デバイス650における斜め配向ストラット643および644は、それぞれ、直線的である。
いくつかの実施態様によれば、斜め配向ストラット643および644のそれぞれの幅寸法は、それらの長さ方向に沿って一様である(uniform、一定である)。寸法に関する前述の例に関連して言えば、その例は、斜め配向ストラット643および644のそれぞれが、それぞれの全長にわたり、0.0040インチという平均幅寸法を有するであるということを意味することになる。他のいくつかの実施態様においては、斜め配向ストラット643および644のそれぞれが、中央セグメントであって、互いに対を成す近位端セグメントと遠位端セグメントとの間に位置するものを有し、これに伴い、その近位端セグメントは、前記近位撓みセグメント641に連結され、また、前記遠位端セグメントは、前記遠位撓みセグメント642に連結される。寸法に関する前述の例と同じものを用いれば、近位撓みセグメント641および遠位撓みセグメント642は、斜め配向ストラット643および644のそれぞれのうちの近位端セグメントおよび遠位端セグメントと共に、0.0032インチという平均幅寸法を有する可能性があり、一方、斜め配向ストラット643および644のそれぞれのうちの中央セグメントは、0.0040インチという平均幅寸法を有する可能性がある。別のいくつかの実施態様においては、斜め配向ストラット643および644のそれぞれが、中央セグメントであって、互いに対を成す近位テーパ端セグメントと遠位テーパ端セグメントとの間に位置するものを有し、これに伴い、その近位テーパ端セグメントは、前記近位撓みセグメント641に連結され、また、前記遠位テーパ端セグメントは、前記遠位撓みセグメント642に連結される。寸法に関する前述の例と同じものを用いれば、近位撓みセグメント641および遠位撓みセグメント642は、0.0032インチという平均幅寸法を有し、これに伴い、斜め配向ストラット643および644のそれぞれのうちの中央セグメントが0.0040インチという平均幅寸法を有し、また、前記近位テーパ端セグメントおよび前記遠位テーパ端セグメントのそれぞれの平均幅寸法は、0.0032インチから0.0040インチまで変化する。
図50に示す回収デバイスの説明部において前述したように、回収デバイスの複数本のストラットの周囲にワイヤまたはリボンを編み合わせる(weaving)/巻き付ける(winding)方法を、回収デバイスのX線不透過性を向上させるという目的と、回収デバイスの剛性を変化させるという目的とのために用いることが可能である。前述のいくつかの実施態様においては、そこでの説明が、このような特徴部を回収デバイスの遠位部に組み込むことに限定されていた。これから説明することは、この種のワイヤ巻付部(wire windings、巻線部)を回収デバイスのうちの別の部分に使用することに関するものである。
図58Aは、回収デバイス660を示しており、この回収デバイス660は、図56に示す回収デバイス650と同様の構造を有する。この回収デバイス660は、複数本のワイヤを有し、それらワイヤは、この回収デバイス660のX線不透過性を向上させるという目的および/またはこの回収デバイス660のうち、1または複数の部分の剛性を変化させるという目的のために、複数本のストラットのうち選択されたものの周囲に巻き付けられている。図58Aに示す望ましい実施態様においては、3本のX線不透過性ワイヤ(またはリボン)661,662および663が、この回収デバイス660の長さ寸法に沿って編み込まれており、その目的は、この回収デバイス660のX線不透過性を、実質的にそれの全長にわたって向上させるということと、少なくとも筒状本体部666の剛性を向上させるということとにある。図58Aに示す実施態様においては、ワイヤ661−663が、筒状本体部666内において、斜め下方に延びている複数本のストラット(同図を左から右に向かって見た場合)の周囲に編み込まれており、それにより、複数本の撓みエレメント670のそれぞれのうちのショート・レッグ670aのみがワイヤ巻付部を有する。図58Bに詳細に示すように、各撓みエレメント670のうちのロング・レッグ670bは、完全にまたは実質的にワイヤ巻付部を有しない。このような巻付部の構成のおかげで、ワイヤ661−663がこの回収デバイス660、特に、筒状本体部666に、剛性と半径方向力とを互いに不均等に変化させる(disproportionally affect)方法で、装着される(applied)ことが可能となる。例えば、筒状本体部666の平均撓み剛性は、筒状本体部666の非拡張状態(unexpanded state、収縮状態、拘束状態)において、緩やかな程度(moderately)から急な程度(significantly)まで、増加させることが可能であり、その増加に伴い、筒状本体部666によって付与される半径方向力は、同じ程度で増加することはない。いくつかの試作品によって証明されたことは、筒状本体部666の平均撓み剛性が、最大50%増加し、その増加に伴う半径方向力の増加量は比較的に少ないかまたはゼロである可能性があるということである。
望ましい一実施態様によれば、筒状本体部666内の複数本のストラットのそれぞれは、切断時の(as-cut)厚さ寸法として約0.0045インチを有し、これに伴い、ストラット670a,670bおよび671は、それぞれ、約0.0032インチ、約0.0032インチおよび約0.0040インチの幅寸法を有する。一実施態様においては、ワイヤ661−663が、幅寸法および/または直径が約0.0020インチと約0.0025インチとの間の範囲内にあるプラチナ(platinum)を有しており、これに伴い、平均的には、1本のストラット当たりのワイヤ巻数が約1回から約10回までの範囲内にあり、また、最も一般的には、1本のストラット当たりのワイヤ巻数が約1回から約5回までの範囲内にある。理解すべきことは、1本のワイヤまたは複数本のワイヤを、図58Aに示すワイヤ661−663の構造の代わりに用いることが可能であるということである。さらに、注目することが重要であることは、X線不透過性を増加させる場合に、1本または複数本のワイヤは、図50に関連付けて前述した複数のX線不透過材料のうちのいずれか1つの不透過材料またはそれらのうちの複数のX線不透過材料の組合せを有することが可能であるということである。複数のワイヤ巻付部が剛性を変化させることのみを目的として装着される場合には、1本または複数本のワイヤは、その目的に適合するいなかる材料、例えば、金属材料、ポリマー材料および複合材料のようなものを有することが可能である。いくつかの実施態様においては、1本または複数本のワイヤのそれぞれの断面積が、回収デバイスの長さ寸法に沿ってX線不透過性が変化する状態を実現するために、ワイヤの長さ寸法に沿って変化することが可能である。
いくつかの実施態様によれば、筒状本体部666は、ワイヤまたはリボン661−663(1本または複数本)が存在しない場合には、第1平均撓み剛性を有し、存在する場合には、第2平均撓み剛性を有し、また、ワイヤまたはリボン661−663の寸法特性および材料特性と、筒状本体部666内において斜めに延びる(diagonally extending)とともに、周方向において互いに距離を隔てている複数本のストラットの単位長さ当たりのワイヤ巻数は、筒状本体部666が非拡張状態になると、第2平均撓み剛性が第1平均撓み剛性より、約1.2倍から約1.8倍までの範囲内で(by a factor of between about 1.2 to about 1.8、約1.2倍から約1.8倍までの範囲内のファクター(倍率)で)増加するように選択されており、その平均撓み剛性の増加に伴い、その増加率とは不釣り合いであるように低い増加率(a disproportionally lower increase)で、筒状本体部666によって付与される半径方向力が増加する。
いくつかの実施態様によれば、図59に示すように、ワイヤ661−663のそれぞれのうちの近位端セグメントがこの回収デバイス660に連結され、また、図60に示すように、ワイヤ661−663のそれぞれのうちの遠位端セグメントがこの回収デバイス660に連結されている。注目することが重要であることは、装着/連結のための他の構成態様も存在し得るということである。図59Aは、ワイヤ661−663の近位装着部を示しており、その近位装着部は、長手状ワイヤ40(例えば、図1Aを参照されたい)の遠位端が近位アンテナ675に装着される位置と同じ位置にある。一実施態様においては、ワイヤ40のうちの遠位端が、約0.005インチの幅寸法を有する扁平形状を有し、これに伴い、近位アンテナ675の幅寸法および厚さ寸法はそれぞれ、約0.0063インチおよび約0.0035インチである。図59Bは、最終的に形成される連結部(joint)の断面図を示しており、その連結部においては、一実施態様においては、ワイヤ661−663のそれぞれのうちの近位端(近位端セグメント)が近位アンテナ675のうちのボトム・サイドに配置され、また、長手状ワイヤ40のうちの遠位端が近位アンテナ675のうちのトップ・サイドに配置されている。
一実施態様においては、長手状ワイヤ40の遠位端と、ワイヤ661−663のそれぞれの近位端と、近位アンテナ675の近位端とが、コイル構造体(コイル)680内において互いに結合されている。一実施態様においては、そのコイル構造体680が、密巻き遠位セグメント(closely wrapped distal segment、遠位コイル・セグメント)680aと、疎巻き近位セグメント(loosely wrapped distal segment、近位コイル・セグメント)680bであって、1または複数のギャップ680cを有するものとを有する。一実施態様においては、近位アンテナ675の長さ寸法とコイル構造体680の長さ寸法とが、互いに実質的に一致する。コイル構造体680が、互いにオーバラップしている複数の部品上に設置されると、長手状ワイヤ40と、近位アンテナ675と、ワイヤ661−663とを、コイル構造体680のうちの少なくとも一部と共に、互いに接合する(bond)ために、接合剤がコイル構造体680の内部空洞内に導入される。一実施態様においては、ワイヤ661−663のそれぞれの端セグメントが、密巻き遠位セグメント(遠位コイル・セグメント)680a内に全体的に留置される。前記接合剤は、接着剤、半田または他の適切な接合剤とすることが可能である。その接合剤が半田である場合、当該プロセスのうちの先行するステップが、上述の種々の部品を、錫(tin)または他の適切な湿潤剤(wetting agent)で被覆するステップを含む。一実施態様においては、その半田が、金であって、上述の連結部のX線不透過性(放射線不透過性)が向上し、それにより、その連結部が、近位側に位置するX線不透過マーカとして作用するように使用される。金を使用することに加えて、コイル構造体680の全体または一部を、X線不透過材料で構成し、それにより、前記連結部のX線不透過性をさらに向上させることが可能である。別のいくつかの実施態様においては、1本のコイル680を使用することに代えて、2本またはそれ以上の本数のコイル680であって互いに接触するものを、例えば、遠位密巻きコイルと、近位疎巻きコイルであって前記遠位密巻きコイルに対して近位方向に位置するギャップを有するものとを有する状態で使用することが可能である。
図60Aおよび図60Bは、ワイヤ661−663のそれぞれの遠位端セグメントを遠位アンテナ676に装着することが可能であるいくつかの方法を示している。図60Aに示す実施態様においては、ワイヤ661−663のそれぞれの遠位端が、半田または糊などの接合剤を用いて遠位アンテナ676に直接的に接合される。図60Bは、別の実施態様を示しており、その実施態様においては、ワイヤ661−663のそれぞれの遠位端が、遠位アンテナ676と、その遠位アンテナ676を包囲するコイル685との間に介在させられている。この種の実施態様においては、コイル685と、遠位アンテナ676と、ワイヤ661−663とを互いに接合するために、接合剤をコイル685の内部に導入することが可能である。
上述の説明は、多くの具体的事項を含むが、それら具体的事項は、本明細書の開示の範囲を制限するものと解釈すべきではなく、単に、本明細書の開示についての望ましいいくつかの実施態様の例示であると解釈すべきである。例えば、本明細書に列挙されている寸法値以外の寸法値も本実施形態の適用対象となる。例えば、塞栓回収デバイスであって、拡張時における直径が1.0mmと100.0mmとの間にあり、かつ、長さが最大で、5.0cmから10.0cmまでの範囲内にあるものも本実施形態の適用対象となる。さらに、本明細書に開示されている複数の特徴のうちの大部分が、前述の種々の実施態様の間で置換可能であることも理解される。当業者であれば、本明細書の開示の範囲および主旨の範囲内にある他の多くの潜在的な変形例を想起する。さらに、本明細書に開示されている複数の実施態様に従う脈管治療デバイスを送給するために、カテーテル、シースまたは他の器具であって当該デバイスを、収縮状態にある自己拡張部材と一緒に治療部位まで送給することが可能であるとともにその自己拡張部材が続いて、脈管内の治療部位において展開することを可能にするものを使用することが可能であることも理解すべきである。その脈管内の治療部位は、(1)血流の方向を変換(ダイバート)するという目的および/またはコイルまたは他の同様な構造体を動脈瘤嚢内に留置するという目的のために、動脈瘤のある頚部である可能性、(2)塞栓を除去するという目的のために、その塞栓が存在する部位である可能性、(3)脈管を通過する血流の速度を増加させるために狭窄部を拡径するという目的のために、その狭窄部が存在する部位である可能性などがある。

Claims (20)

  1. 塞栓を回収する塞栓回収デバイスであって、
    長手状の自己拡張部材を含み、
    その自己拡張部材は、半径方向に拡張された半径方向拡張状態と半径方向に拡張されない半径方向非拡張状態とを有し、
    前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメントを、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、互いに斜めに並ぶように対角的に配列された複数のセル構造体を形成するように互いに連結された状態で有しており、
    前記自己拡張部材は、近位アンテナと、近位端部と、筒状本体部とを有し、
    その筒状本体部は、近位セクションと遠位セクションとを有し、
    前記複数のセル構造体のうち、前記筒状本体部内に存在するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部内に存在するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延びており、
    前記複数のセル構造体のうち、前記筒状本体部内に存在するものは、近位方向を向く近位V字状構造体と、遠位方向を向く遠位V字状構造体とを含み、
    それら近位V字状構造体および遠位V字状構造体は、対角方向に延びるとともに周方向に互いにすきまを隔てて並んだ一対の対角・周方向離間ストラットによって互いに連結されており、
    前記近位V字状構造体および前記遠位V字状構造体は、第1の平均幅寸法を有し、
    前記一対の対角・周方向離間ストラットは、前記第1の平均幅寸法より大きい第2の平均幅寸法を有する塞栓回収デバイス。
  2. 請求項1に記載の塞栓回収デバイスであって、前記対角・周方向離間ストラットは、実質的に直線的である塞栓回収デバイス。
  3. 請求項1に記載の塞栓回収デバイスであって、前記対角・周方向離間ストラットは、曲線的である塞栓回収デバイス。
  4. 請求項1に記載の塞栓回収デバイスであって、前記第2の平均幅寸法は、前記第1の平均幅寸法の1.1倍の大きさから2.0倍の大きさまでの範囲内にある塞栓回収デバイス。
  5. 請求項1に記載の塞栓回収デバイスであって、前記第2の平均幅寸法は、前記第1の平均幅寸法の1.2倍の大きさから1.5倍の大きさまでの範囲内にある塞栓回収デバイス。
  6. 塞栓を回収する塞栓回収デバイスであって、
    長手状の自己拡張部材を含み、
    その自己拡張部材は、半径方向に拡張された半径方向拡張状態と半径方向に拡張されない半径方向非拡張状態とを有し、
    前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメントを、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、互いに斜めに並ぶように対角的に配列された複数のセル構造体を形成するように互いに連結された状態で有しており、
    前記自己拡張部材は、近位アンテナと、近位端部と、筒状本体部とを有し、
    その筒状本体部は、近位セクションと遠位セクションとを有し、
    前記複数のセル構造体のうち、前記筒状本体部内に存在するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部内に存在するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延びており、
    前記複数のセル構造体のうち、前記筒状本体部内に存在するものは、近位方向を向く近位V字状構造体と、遠位方向を向く遠位V字状構造体とを含み、
    それら近位V字状構造体および遠位V字状構造体は、対角方向に延びるとともに周方向に互いにすきまを隔てて並んだ一対の対角・周方向離間ストラットによって互いに連結されており、
    前記対角・周方向離間ストラットは、第1端セグメントと、第2端セグメントと、それら第1端セグメントと第2端セグメントとの間に位置する中間セグメントとを含み、
    前記第1端セグメントは、前記近位V字状構造体に連結される一方、前記第2端セグメントは、前記遠位V字状構造体に連結され、
    前記近位V字状構造体および前記遠位V字状構造体は、第1の平均幅寸法を有し、
    前記対角・周方向離間ストラットの前記中間セグメントは、前記第1の平均幅寸法より大きい第2の平均幅寸法を有し、
    前記対角・周方向離間ストラットの前記第1端セグメントおよび前記第2端セグメントは、前記第1の平均幅寸法より大きいが前記第2の平均幅寸法より小さい第3の平均幅寸法を有する塞栓回収デバイス。
  7. 請求項6に記載の塞栓回収デバイスであって、前記対角・周方向離間ストラットの前記第1端セグメントおよび前記第2端セグメントは、テーパ状である塞栓回収デバイス。
  8. 請求項6に記載の塞栓回収デバイスであって、前記対角・周方向離間ストラットは、実質的に直線的である塞栓回収デバイス。
  9. 請求項6に記載の塞栓回収デバイスであって、前記対角・周方向離間ストラットは、曲線的である塞栓回収デバイス。
  10. 請求項6に記載の塞栓回収デバイスであって、前記第2の平均幅寸法は、前記第1の平均幅寸法の1.1倍の大きさから2.0倍の大きさまでの範囲内にある塞栓回収デバイス。
  11. 請求項6に記載の塞栓回収デバイスであって、前記第2の平均幅寸法は、前記第1の平均幅寸法の1.2倍の大きさから1.5倍の大きさまでの範囲内にある塞栓回収デバイス。
  12. 塞栓を回収する塞栓回収デバイスであって、
    長手状の自己拡張部材を含み、
    その自己拡張部材は、半径方向に拡張された半径方向拡張状態と半径方向に拡張されない半径方向非拡張状態とを有し、
    前記自己拡張部材は、各々、概して長軸方向に延びる複数の波状エレメントを、それらのうち互いに隣接する波状エレメント同士が、互いに斜めに並ぶように対角的に配列された複数のセル構造体を形成するように互いに連結された状態で有しており、
    前記自己拡張部材は、近位アンテナと、近位端部と、筒状本体部とを有し、
    その筒状本体部は、近位セクションと遠位セクションとを有し、
    前記複数のセル構造体のうち、前記筒状本体部内に存在するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたって延びる一方、前記複数のセル構造体のうち、前記近位端部内に存在するものは、前記自己拡張部材の長軸まわりを全周にわたってではなく部分的に延びており、
    前記複数のセル構造体のうち、前記筒状本体部内に存在するものは、近位V字状構造体と、遠位V字状構造体とを含み、
    それら近位V字状構造体および遠位V字状構造体は、対角方向に延びるとともに周方向に互いにすきまを隔てて並んだ一対の対角・周方向離間ストラットによって互いに連結されており、
    それら対角・周方向離間ストラットのうちの少なくとも一部は、その周りに巻き付けられている1本または複数本のワイヤまたはリボンを、前記自己拡張部材が前記半径方向拡張状態にある場合に、前記筒状本体部の全体または一部の、撓みに対する剛性である平均撓み剛性を増加させるために有する塞栓回収デバイス。
  13. 請求項12に記載の塞栓回収デバイスであって、前記1本または複数本のワイヤまたはリボンは、放射線不透過性を有する材料を含む塞栓回収デバイス。
  14. 請求項12に記載の塞栓回収デバイスであって、前記1本または複数本のワイヤまたはリボンは、金属材料を含む塞栓回収デバイス。
  15. 請求項12に記載の塞栓回収デバイスであって、前記1本または複数本のワイヤまたはリボンは、ポリマー材料を含む塞栓回収デバイス。
  16. 請求項12に記載の塞栓回収デバイスであって、前記筒状本体部は、前記1本または複数本のワイヤまたはリボンが存在しない場合に、第1の平均撓み剛性を有する一方、前記1本または複数本のワイヤまたはリボンが存在する場合に、第2の平均撓み剛性を有し、
    前記1本または複数本のワイヤまたはリボンの寸法および材料の特性と、前記1本または複数本のワイヤまたはリボンの巻き数であって前記対角・周方向離間ストラットの単位長さ当たりに測定されるものは、前記第2の平均撓み剛性が、前記第1の平均撓み剛性より約1.2倍から約1.8倍までの範囲内で大きくなるように選択される塞栓回収デバイス。
  17. 請求項12に記載の塞栓回収デバイスであって、前記複数の対角・周方向離間ストラットのうちの少なくとも一部は、巻き線をガイドするための1または複数の巻き線ガイド特徴部を含む塞栓回収デバイス。
  18. 請求項17に記載の塞栓回収デバイスであって、前記1または複数の巻き線ガイド特徴部は、前記1本または複数本のワイヤまたはリボンの一部のみを収容可能な複数の凹部を含む塞栓回収デバイス。
  19. 請求項12に記載の塞栓回収デバイスであって、さらに、長手状を成して近位方向に延びる第1フレキシブル・ワイヤであって前記近位アンテナに連結されたものを含む塞栓回収デバイス。
  20. 請求項19に記載の塞栓回収デバイスであって、前記1本または複数本のワイヤまたはリボンの一端は、前記近位アンテナに、その近位アンテナに前記第1フレキシブル・ワイヤが連結される位置において連結される塞栓回収デバイス。
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