JP2019129915A - 塞栓物質捕捉用デバイス - Google Patents

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徹 倉谷
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筒井 康弘
Yasuhiro Tsutsui
康弘 筒井
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Hironari Kato
宏成 加藤
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Abstract

【課題】血管内に配置された塞栓物質捕捉用デバイスの塞栓捕捉フィルターに対して、治療用のデバイス、例えば、血管拡張用のステント等を配置する際に使用されるガイドワイヤによって、塞栓フィルターの位置がずれたり、塞栓捕捉フィルターの形態が変形したりすることを低減する。【解決手段】塞栓物質捕捉用デバイス100は、シャフト部材10と、主として複数の弾性又は形状記憶性の線状部材によって形成されてなり、一方側がメッシュの袋状に形成されたメッシュ部と、他方側が少なくとも2本以上に集約された集約部を有し、前記集約部の間が開口に形成された塞栓捕捉フィルター20と、を有する塞栓物質捕捉用デバイスにおいて、前記シャフト部材は、少なくとも遠位端部が中空に形成されている中空部を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、塞栓物捕捉用デバイスに関する。
従来、総頸動脈、鎖骨下動脈、大動脈等の血管における血管狭窄部において、インターベンション術によるステントグラフト留置による経皮的血管形成手術やバルーンカテーテルによる拡張手術等が行われている。こうした手術の術中に遊離したデブリスや血栓等の塞栓物質が血管末梢に流れると、血管等を梗塞させる可能性がある。
フィルターデバイスは、こうした手術において、血管などの塞栓物質が末梢側に流出することを防止するために、治療部位より末梢側に設置されて塞栓物質を捕捉するためのデバイスである。このフィルターデバイスとして、袋状の開口部をガイドワイヤの近位後端側に配置し、袋部を遠位先端側に配置した袋状のフィルターが取り付けられたデバイスが使用されている(特許文献1)。
しかし、この塞栓捕捉フィルターからなるフィルターデバイスを設置した後、治療用のデバイス、例えば血管拡張用のステントグラフト等の留置手術を行う場合、ステントグラフトを誘導するためのガイドワイヤが、設置された塞栓捕捉フィルターに接触して、塞栓捕捉フィルターの位置をずらしてしまったり、塞栓捕捉フィルターの形態を変形させたりする可能性がある。
このように、塞栓捕捉フィルターの位置がずれたり、塞栓捕捉フィルターの形態が変形したりすると、塞栓物を捕捉することができず、末端側に流出してしまう可能性がある。
特表2005−537856号公報
そこで、本発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、血管内に配置された塞栓物質捕捉用デバイスの塞栓捕捉フィルターに対して、治療用のデバイス、又は血管拡張用のステント等の血管治療用デバイスを配置する際に、これらによって塞栓フィルターの位置がずれたり、塞栓捕捉フィルターの形態が変形したりすることを低減することができる塞栓物質捕捉用デバイスを提供することを主たる目的とする。
また、一つのデバイスによって、塞栓捕捉フィルター及びステントグラフト等の血管治療用デバイスの両方を留置し、操作可能とすることができる塞栓物質捕捉用デバイスを提供することも目的とする。
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の塞栓物質捕捉用デバイスは、
操作用ワイヤ又は治療用デバイスが挿入可能となるように全長に亘って中空に形成された中空部を有するシャフト部材と、
前記シャフト部材の遠位端又は、遠位端側に設けられかつ遠位端側が開口し、近位端側が閉口している塞栓捕捉フィルターと、
を備えていることを特徴とする。
本発明にかかる塞栓物質捕捉デバイスによれば、塞栓捕捉フィルターが取付けられているシャフト部材の全長に亘って中空部が形成されているので、内部に異なる機能を有する操作用ワイヤを挿入することができる。そのため、この操作用ワイヤを利用することによって、ステントグラフト、バルーンカテーテル及び血管内異物除去用のカテーテル等の医療用デバイスを設置するのに使用するガイドワイヤを挿入したり、ステントグラフト、バルーンカテーテル及び血管内異物除去用のカテーテル等の医療用デバイスを中空部に挿入したりすることができる。
さらに、本発明にかかる塞栓物質捕捉用デバイスにおいて、
前記塞栓捕捉フィルターは、主として複数の弾性又は形状記憶性のワイヤによって作製されており、
前記塞栓捕捉フィルターの近位端側は、メッシュの袋状に形成されてなるメッシュ部とからなり、
前記塞栓捕捉フィルターの遠位端側は、少なくとも2本以上に集約され、開口部を有する集約部とからなる、
ことを特徴とするものであってもよい。
メッシュ状の塞栓捕捉フィルターを使用することによって、メッシュによる空隙が多く血流が流れやすくなるので、手術中に血流を阻害することを低減することができる。また、一つ一つのメッシュ孔は塞栓物より小さいので、より確実に塞栓物を捕捉することができる。
さらに、本発明にかかる塞栓物質捕捉用デバイスにおいて、前記塞栓捕捉フィルターは、近位端側が固定されており、かつ遠位端側がスライド自在に形成されていることを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、塞栓捕捉フィルターの一方側(近位端側)の位置をずらすことなく、塞栓捕捉フィルターを開くことができるため、血管内でより正確な位置に塞栓捕捉フィルターを留置することができる。
さらに、本発明にかかる塞栓物質捕捉用デバイスにおいて、前記塞栓捕捉フィルターは、形状記憶を有する複数の線状の骨部材と、前記骨部材に取付けられてなる複数の細孔が形成された薄膜と、からなることを特徴とするものであってもよい。
塞栓捕捉フィルターを骨部材と薄膜で作製することによって、閉じた際の塞栓捕捉フィルターの外周の厚さを薄くすることができる。そのため、より細い塞栓物質捕捉用デバイスとすることができる。また、外周が同じ太さであってもシャフト部材の太さを太くすることができるため、中空部の直径を大きくすることができる。
さらに、本発明にかかる塞栓物質捕捉用デバイスにおいて、前記シャフト部材及び塞栓捕捉フィルターが収納可能な外鞘を備えていることを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、使用前には塞栓捕捉フィルターを閉じた状態に保持することができ、血管内の患部に到達した段階で外鞘を外すだけで、自動的に塞栓捕捉フィルターを血管内で広げて留置することができる。
さらに、本発明に係る塞栓物質捕捉用デバイスにおいて、前記中空部に挿入可能な操作用ワイヤ又は治療用デバイスを備えていることを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、操作用ワイヤの先端に様々な治療器具を取り付けることによって様々な治療手段を付加したり、種々の治療用デバイスを予め挿入しておくことで、様々な治療方法に対応することが可能になる。
さらに、本発明にかかる塞栓物質捕捉用デバイスにおいて、前記操作用ワイヤの先端には、係合部材が設けられていることを特徴とするものであってもよい。
このような係合部材を設けることによって、例えば、本発明に係る塞栓物質捕捉デバイスの挿入方向に対して、反対方向の血管から挿入されたガイドワイヤを容易に係合させることができる。係合させることによって、反対側の血管から挿入されたガイドワイヤの先端の動きを規制することができ、ガイドワイヤが塞栓捕捉フィルターに接触する可能性を低減することができる。
さらに、本発明にかかる塞栓物質捕捉用デバイスにおいて、前記治療用デバイスは、ステントグラフト、バルーンカテーテル又は血管内異物除去用カテーテルであることを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、本発明の塞栓物質捕捉用デバイスのみで、塞栓捕捉フィルター及び、ステントグラフト、バルーンカテーテル又は血管内異物除去用カテーテルを同時に血管内に設置することができるようになる。
本発明にかかる塞栓物質捕捉用デバイスによれば、一旦、血管内に留置した塞栓捕捉フィルターを、ステントグラフト、バルーンカテーテル又は血管内異物除去用カテーテル等、又はこれらを設置するときに使用されるガイドワイヤによって、塞栓捕捉フィルターの位置をずらしたり、塞栓捕捉フィルターの形態を変形させたりすることを低減することができる。また、塞栓捕捉フィルター及びステントグラフト等の治療用デバイスの両方を操作可能な塞栓物質捕捉用デバイスを提供することができる。
図1は、実施形態にかかる塞栓物質捕捉用デバイス100の構成の概略を示す図である。 図2は、図1のA部の拡大図である。 図3は、実施形態にかかる塞栓物質捕捉用デバイス100の塞栓捕捉フィルター20の構成の概略を示す図である。 図4は、実施形態にかかる塞栓物質捕捉用デバイス100において、塞栓捕捉フィルター20のメッシュ部側スリーブ41の断面を示す図である。 図5は、実施形態にかかる塞栓物質捕捉用デバイス100において、束部側スリーブ42の断面を示す図である。 図6は、実施形態にかかる塞栓物質捕捉用デバイス100において、束部側スリーブ42の断面の別実施形態を示す図である。 図7は、実施形態にかかる塞栓物質捕捉用デバイス100の塞栓捕捉フィルター20が外鞘内に配置されている状態を示す図である。 図8は、別実施形態にかかる塞栓物質捕捉用デバイス100の構成の概略を示す図である。 図9は、別実施形態にかかる塞栓物質捕捉用デバイス100の塞栓捕捉フィルター20とシャフト部材10との結合部の構成の概略を示す図である。 図10は、実施形態にかかる塞栓物質捕捉用デバイス100の塞栓捕捉フィルター20が外鞘から露出された状態を示す図である。 図11は、実施形態にかかる塞栓物質捕捉用デバイス100の使用方法を説明する図である。 図12Aは、実施形態にかかる塞栓物質捕捉用デバイス100のシャフト部材10の中空部にガイドワイヤを挿入した状態を示す図である。図12Bは、ガイドワイヤによって塞栓捕捉フィルターを変形させた状態を示す図である。 図13は、第2の使用方法を説明するための説明図である。 図14は、第4の使用方法を説明するための説明図である。 図15は、塞栓物質捕捉用デバイス100の別実施形態を示す参考図である。
次に、本発明にかかる塞栓物質捕捉用デバイス100の実施形態について、図を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
図1は、第1実施形態にかかる塞栓物質捕捉用デバイス100の概略図が示されている。第1実施形態にかかる塞栓物質捕捉用デバイス100は、主としてシャフト部材10と、塞栓捕捉フィルター20と、手元側操作部材70及び外鞘80とを備えている。さらに、任意に先端ガイド部30、デリバリーカテーテルその他の部材を含んでもよい。
シャフト部材10は、略先端に塞栓捕捉フィルター20が取り付けられており、手元側操作部材70を操作することによって、塞栓捕捉フィルター20を所望の血管内に誘導したり、塞栓捕捉フィルター20の拡張状態を調整したりすることができる。
シャフト部材10は、遠位端側又は遠位端側近傍に塞栓捕捉フィルター20が設けられている。塞栓捕捉フィルター20には、主としてシャフト部材10に対して先端と後端の両方に取付部あるタイプの塞栓捕捉フィルター20(図1参照)と、先端が開口しており先端側にシャフト部材10との固定部がないタイプの塞栓捕捉フィルター20(図8参照)と、を有する。詳細は、後述する。
シャフト部材10の先端には、任意に先端ガイド部30を設けても良い。シャフト部材10の素材として、例えば、ステンレス鋼、Ni−Ti(ニッケルチタン)合金、Ni−Ti−Co(ニッケルチタンコバルト)合金等や合成樹脂が使用される。
シャフト部材10は、遠位端に向かって硬度が低くなるように形成するとよい。遠位端側の硬度を低く形成することで、先端が柔軟になり血管の追従性を高めることができる。特に先端から30cm〜50cmの長さの範囲を柔軟に形成するとよい。かかる範囲を柔軟に設定することによって、血管内の追従性が効果的に向上し、より挿入しやすくすることができる。
また、シャフト部材10は、塞栓物質捕捉用デバイス100を挿入する際の挿入性を向上させるため、又は治療デバイスの通過性を向上させるため、又は血栓の付着を防止させるため等のために、フッ素コーティングや親水性コーティング等の滑り性を向上させるための加工を施してもよい。親水性コーティングは、シャフト部材10が金属の場合に直接コーティングしてもよいが、樹脂を被覆した後にコーティングするとよい。シャフト部材10の滑り性を向上させることによって、外鞘80やデリバリーカテーテル内で塞栓捕捉フィルター20をよりスムーズに移動させることができる。
さらに、シャフト部材10には、外鞘80に挿入した長さを分かりやすくするために、シャフト部材10を所定長さごとに色分けしたマーキングを設けて、視認によって挿入長さを確認できるようにしてもよい。また、シャフト部材10の表面のコーティングを剥がしたり、粗面化したり、シリコン系の樹脂やゴム等で被覆又はコーティングしたりして、シャフト部材10の部位によって手触りが異なるようにしたマーキングを設けてもよい。手触りが異なるようにすれば、術者が手元を見なくても手の感触で挿入長さを確認することができるようになる。この際に、塞栓捕捉フィルター20から外鞘80の長さと同じ長さ又はその近傍の位置にマーキングを設けるとよい。この位置にマーキングを設けることによって、塞栓捕捉フィルター20が外鞘80の先端に到達したことを容易に認識することができる。そのため、シャフト部材10を挿入しすぎることにより、塞栓捕捉フィルター20が飛び出して誤った場所に拡張させる可能性を低減することができる。
また、シャフト部材10の手元側の一部、好ましくは、身体内に挿入しない領域であって、かつ、医師等の術者が手で操作する範囲に滑り止め加工を施してもよい。例えば、シャフト部材10の表面を粗面化したり、シリコン系の樹脂やゴム等で被覆したり、コーティングしたりするとよい。手元側に滑り止め加工を施すことよって、手元側でシャフト部材10を操作する際に使用するトルカーを保持する際の滑り止めとして機能させることができる。また、医師が塞栓物質捕捉用デバイス100を血管内に挿入する際は、シャフト部材10の表面に他の部分と異なる質感を与えることによって、必ずしも手元を視認することなく手の感覚によってシャフト部材10の挿入長さをある程度知ることができるようになる。また、塞栓捕捉フィルター20が患部に留置された後の細かい動きを行う場合等にトルカーを使わずに、直接、シャフト部材10を操作する場合にも操作しやすくなる。
先端ガイド部30は、シャフト部材10が血管内を進行する際のガイドの機能を有する部位であり、血管の追従性の確保及び血管を傷つけることを防止するために、柔軟に形成されている。好ましくは、コイル状に巻きつけられたコイルワイヤや編み込まれたワイヤを使用するとよい。先端ガイド部30は、X線によって先端ガイド部30の位置を視認することができるように、白金、タングステン等のX線不透過性の素材を使用するか、先端に取り付けるとよい。先端ガイド部30の先端には、先端チップ部31が設けられている。この先端チップ部31は、表面を粗面にしたり、シリコンやゴム等の滑りにくい素材をコーティングしたりしてもよい。先端チップ部31の表面を滑りづらくすることによって、シャフト部材10を血管内に進行させる際に、手元側のシャフト部材10に先端の感触を伝達しやすくすることができる。なお、この先端ガイド部30は、先端が開口しており先端側にシャフト部材10との固定部がないタイプの塞栓捕捉フィルター20の場合には、設ける必要はない。
さらに、本発明にかかるシャフト部材10は、図2に示すように、先端ガイド部30の先端からシャフト部材10の全長に亘って、中空に形成された中空部15が形成されている。詳細は後述するが、この中空部15は、先端に種々の機能を有する形状を有する操作用ワイヤ85(例えば、係合機能を有するもの)や治療用デバイス(例えば、ステントやバルーン)が挿入される。なお、全長に亘って中空部15が設けられているため、手元側に血液が中空部15に流れ込むことを防止するため、弁を設けるとよい。
塞栓捕捉フィルター20は、先述したように、主として、シャフト部材10の先端と後端の両方に取付部があるタイプの塞栓捕捉フィルター20と、先端が開口しており先端側のシャフト部材10との固定部がないタイプの塞栓捕捉フィルター20と、がある。
まず、先端と後端の両方に取付部があるタイプの塞栓捕捉フィルター20の例について図3に沿って説明する。このタイプの塞栓捕捉フィルター20は、弾性又は形状記憶性を有する細いワイヤ21を織り込み又は編み込んでメッシュ状に形成されたメッシュ部22と、これらメッシュ部22を形成するワイヤ21を束ねて線状に形成された束部24と、を有している。なお、図3を除きその他の図は、メッシュ部22の斜線は、実施形態を反映しているものではなく、メッシュ部22の場所を特定しているにすぎない。メッシュ部22側の端部(以下「メッシュ部側端部22a」という。)は、メッシュ状に織り込まれた又は編まれたワイヤ21の端部が集約してメッシュ部側スリーブ41を介してシャフト部材10に取り付けられており、近位端側は閉塞されて袋状に形成される。メッシュ部22のメッシュ孔は、50μm〜1000μm程度に形成するのが好ましいが、これに限定するものではない。より好ましくは、100μm〜500μmである。他方、束部24側の端部(以下、「束部側端部24a」という。)は、メッシュ部22から伸びたワイヤ21が複数の束部24に束ねられており、束ねられた状態で束部側スリーブ42を介してシャフト部材10に取り付けられている。本実施形態においては、3つの束部で形成されているが、3つに限定するものではなく、2つ又は4つ以上の束部で形成しても構わない。こうして、本発明にかかる塞栓捕捉フィルター20は、一方側が複数のメッシュ孔を有する袋状に形成され、他方側は束部24間に開口した塞栓流入口26が形成される。
メッシュ部22に配置されるそれぞれのワイヤ21は、それぞれS字状に湾曲して形成されており、並列して形成されたS字状のワイヤ21aと、並列して配置された逆S字状のワイヤ21bとが、互い違いに織り込まれるようにして形成されている。なお、図3は、一部のワイヤ21しか図示していない。ワイヤ21は、最終製品の状態では、S字形状に形状記憶されている。S字形状は、塞栓捕捉フィルター20が自然に拡張している状態で、メッシュ部側端部22aから塞栓捕捉フィルター20の全長に対して5分の1の範囲(図3中αの範囲)で大きく湾曲させ、メッシュ部側端部22aから塞栓流入口26のメッシュ部側端部26aまでの間(図3中βの範囲)は、あまり湾曲させずに略平行に配置するとよい。このようにワイヤ21をS字状に形成することによって、直線によって織り込まれ又は編まれたものと比較してS字の形状記憶により、効果的にメッシュ部22を膨らませることができる。また、メッシュ部側端部22aから塞栓流入口26のメッシュ部側端部26aまでの間(図3中αβの範囲)で、直線状のワイヤ21で織り込み又は編み込んだ場合と比較して、ワイヤ21の角度をシャフト部材10の長手方向と比較して大きな角度を取れるので、より大きな塞栓流入口26を形成することができる。さらに、S字状に湾曲させなかった場合は、ワイヤ21を複数本束ねた場合、メッシュ孔を同一又は近似の大きさにすることは難しいが、S字状に湾曲したワイヤ21を使用することによって、束部側端部24aでワイヤ21を複数本束ねた場合であっても、周方向のメッシュ孔の形状及び大きさを同一又は近似させることができる。これにより、大きなメッシュ孔が形成されることを防止でき、血栓の捕獲もれを防止することができる。
また、メッシュ部22に配置されるワイヤ21のうち、少なくとも1本以上にX線不透過性の拡張確認ワイヤ21cを使用するとよい。メッシュ部22に拡張確認ワイヤ21cを使用することにより、塞栓捕捉フィルター20の位置に加えて、拡張状態をも確認することができる。拡張確認ワイヤ21cの数は、限定するものではないが、3本以上設けることが好ましい。少なくとも3本設けることによって、上述したように、発明にかかるワイヤ21はS字状に形成されているので、塞栓捕捉フィルター20全体の大きさを認識しやすくすることができる。なお、プラチナや金のように剛性や復元性が弱い素材を使用する場合には、拡張確認ワイヤ21c以外のワイヤ21(以下、「主たるワイヤ21」ともいう。)の拡張力への影響を最小限に留めるために、多くとも5分の1以下の本数にすることが好ましい。また、拡張確認ワイヤ21cは、主たるワイヤ21の直径よりも太い直径を有するものを使用してもよい。太い拡張確認ワイヤ21cを使用することによって、X線で視認したときに、塞栓捕捉フィルター20の拡張状態をより視認しやすくすることができる。一方で、拡張確認ワイヤ21cに、主たるワイヤ21と同程度の剛性を有しているものであれば、すべてのワイヤ21を拡張確認ワイヤ21cにしてもよい。例えば、ニッケルチタンプラチナ芯ワイヤや、ニッケルチタンワイヤに金メッキをしたもの等が考えられる。また、主たるワイヤ21に使用されている素材と同じ素材、同じ太さのものにX線不透過性ワイヤを撚ったものや、さらに、細いX線不透過性のワイヤ21を巻回したものを使用してもよい。このように、主たるワイヤ21に使用されているワイヤ21と同じ素材を使用することによって、主たるワイヤ21と剛性の強さをほぼ同一とすることができる。
束部24は、メッシュ部22から伸びたワイヤ21を束ねて、近位端側に塞栓流入口26を形成したものである。束部24を構成するワイヤ21は、それぞれ結束することなくばらばらの状態であってもよいが、好ましくは、撚り糸にしたり、編み込んだりするとよい。例えば、1本の束部をさらに複数の束にして三つ編み状にしたりしてもよい。束部24を撚り糸にしたり、編み込んだりすることによって、ワイヤ21がばらつくことを防止することができ、ばらついたワイヤ21に塞栓が引っかかることを低減することができる。また、束部24の剛性を向上させることができ、拡張力の向上及び拡張後の拡張状態を維持しやすくすることができる。
次に、塞栓物質捕捉用デバイス100の作製方法について説明する。まず、塞栓捕捉フィルター20の作製方法について説明する。
まず、塞栓捕捉フィルター20の拡張形態に形成された型を使用して、メッシュ部22を作製する。この際に、あらかじめメッシュ部22のワイヤ21がS字を描くように織り込み又は編み込んでいく。織り込み又は編み込む際には、交互に互い違いに織り込んだいわゆる平織りタイプであってもよいし、複数のワイヤを通過させたいわゆる斜文織り又は朱子織りタイプであってもよい。
その後、束部24を形成するワイヤ21に捻りを加えるか、編み込む等により束を拘束する。そして、各ワイヤの形状付けを行う。すなわち、塞栓捕捉フィルター20が拡張した状態のまま加熱して形状を記憶させる。こうして中央が膨らんだ状態の塞栓捕捉フィルター20が作製される。
次に、こうして作製された塞栓捕捉フィルター20の両端にメッシュ部側スリーブ41及び束部側スリーブ42を取り付ける。
メッシュ部側端部22aにメッシュ部側スリーブ41を取付けるには、図4に示すように、内スリーブ41aと外スリーブ41bを有するスリーブ40の間に、集約されたワイヤ21の先端を挿入する。使用する内スリーブ41a又は外スリーブ41bは、プラチナ等のX線不透過性素材を使用するとよい。挿入した後、内スリーブ41aと外スリーブ41bとの間に接着剤又は半田を流し込むか、浸漬することによってそれぞれを固定する。この際に、ワイヤ21のスリーブ40内に挿入される部分を細径化しておくとよい。細径化することによって、外スリーブ41bの外径を小さくすることができる。細径化には、電解研磨、物理研磨、又は化学研磨等を使用することができる。これによって、スリーブ40の外径を先端ガイド部30の外径と同じ太さ又は先端ガイド部30との段差を小さくすることができる。先端ガイド部30と段差をなくすか、段差を小さくすることによって、先端ガイド部0を血管内で進行させる際に、スムーズに進行させることができる。また、メッシュ部側スリーブ41の近位端先端は、丸みを帯びるように作製するとよい。これは、スリーブ自体の形状としてもよいし、半田や接着剤で作製してもよい。
束部側端部24aに束部側スリーブ42を取付ける場合も同様に、図5に示すように、内スリーブ42aと外スリーブ42bとの間に束部24の端部を挿入した後、内スリーブ42aと外スリーブ42bとの間を接着剤や半田を流し込んで固定する。束部側スリーブ42に使用する内スリーブ42a又は外スリーブ42bは、プラチナ等のX線不透過性素材を使用するとよい。メッシュ部側スリーブ41と束部側スリーブ42の両方ともX線不透過性素材を使用することによって、それぞれの距離を認識することで塞栓捕捉フィルター20の拡張状態を確認することもできる。メッシュ部側端部22aと同様に束部側スリーブ42内に挿入される端部部分を細径化しておくとよい。特に、束部側端部24aは、複数のワイヤ21が束に集約されているため、細径化することにより束全体が細くなるため、効果的である。なお、内スリーブ42aと外スリーブ42bに挿入する際には、必ずしも均等に配置する必要はない。図6に示したように、内スリーブ42aと外スリーブ42bが偏心された状態で挿入してもよい。このように偏心させることによって、編み込んで束ねた束の塊であっても、同心円の場合と比較して、容易に内スリーブ42aと外スリーブ42bとの間にワイヤ21の束部側端部24aを挿入することができる。また、内スリーブ42aと外スリーブ42bとの間に均等に配置したときよりも、大きな隙間が形成されやすいため、半田や接着剤を流したり、浸透させたりしやすくなり、より確実にワイヤ21の束部側端部24aに固定することができる。また、束部側スリーブ42の遠位端側先端は、丸みを帯びるように形成するとよい。これは、スリーブ自体の形状としてもよいし、半田や接着剤で作製してもよい。
こうして作製された塞栓捕捉フィルター20は、シャフト部材10の先端からスリーブ40内に通すようにして、塞栓捕捉フィルター20を開口部が遠位端側に配置されるようにシャフト部材10に取り付ける。取り付ける際には、メッシュ部側スリーブ41は、シャフト部材10に固定して取り付けられ、束部側スリーブ42は、シャフト部材10に対してスライド自在となるように設けられる。これにより、束部側スリーブ42が遠位端側から近位端側に移動することで、塞栓捕捉フィルター20が閉じた状態から開いた状態に変化させることができる。
以上のようにシャフト部材10に塞栓捕捉フィルター20が取り付けられた後、先端に先端ガイド部30を取り付け、図7に示すように、外鞘80によって塞栓捕捉フィルター20を閉じた状態に維持した状態で準備される。
次に、先端が開口しており先端側のシャフト部材10との固定部がないタイプの塞栓捕捉フィルター20の例について、図8及び図9に沿って説明する。
このタイプの塞栓捕捉フィルター20は、図8に示すように、形状記憶されたワイヤ等の線材からなる複数の骨部材27と、複数の細孔が形成された薄膜28とを有している。
骨部材27は、血管内で薄膜を広げる機能を有する部材であり、シャフト部材10の遠位端からシャフト部材10の外周にほぼ同間隔に遠位側に延びるように配置されている。骨部材27は、血管内で自動的に広がるように形状が記憶されており、薄膜28を広げることができる程度の弾性を有する金属製又は樹脂製の線材で作製されている。限定するものではないが、例えば、0.05mm〜0.5mm程度の太さを有するニッケルチタン合金を使用するとよい。骨部材27の数は、5本から10本程度が好ましいが、特に限定するものではない。
薄膜28は、塞栓物を捕捉する部分であり、プラスチック又はウレタン製の薄い袋状のシートで作製されており、血流は流れるが血栓等の塞栓物は捕捉可能な細孔28aが多数形成されている。細孔28aの大きさは、30μm〜150μm程度が好ましい。
骨部材27は、シャフト部材10の外周に均等に配置した状態で、図9に示すように、骨部材固定用スリーブ29を取り付け、接着剤や半田を流し込んで固定する。薄膜28は、骨部材27に遠位端が開口するように取り付けられる。好ましくは、骨部材27の内側に貼り付けると良い。
以上のようにシャフト部材10に塞栓捕捉フィルター20が取り付けられた後、図8Bに示すように、外鞘80内に塞栓捕捉フィルター20を閉じた状態で準備される。
先端が開口しており先端側のシャフト部材10との固定部がないタイプの塞栓捕捉フィルター20であれば、薄膜で袋状部が形成されているので、閉じた場合の塞栓捕捉フィルター20の周囲の厚さを薄くすることができる。そのため、より細い塞栓物質捕捉用デバイス100とすることができる。また、外周が同じ太さであってもシャフト部材10の太さを太くすることができるため、中空部15の直径を大きくすることができる。そのため、ステントグラフト等の治療器具を収納するのに適したものとすることができる。
手元側操作部材70は、図8に示すように、シャフト部材10を操作するシャフト操作部材71と、外鞘80を操作する外鞘操作部材72と、を有している。シャフト操作部材71は、シャフト部材10と連結されており、シャフト部材10に取り付けられている塞栓捕捉フィルター20を血管を介して患部まで誘導したり、また取り出したりする。シャフト操作部材71は、末端に三方弁等が接続可能な接続部を有するコネクタ71aが取付けられている。一方、外鞘操作部材72は、外鞘80に連結されており、外鞘80とシャフト部材10との相対位置を変更するためのものである。すなわち、血管内に塞栓物質捕捉用デバイス100を挿入する際には、塞栓捕捉フィルター20は、外鞘80内に収納された状態であるが、血管内で患部に到達した後、外鞘80をシャフト部材10に対して後方側に引くことによって、塞栓捕捉フィルター20を外鞘80の外に露出することができる。露出によって骨部材27が拡張し、血管内で固定される。
外鞘80は、塞栓物質捕捉用デバイス100の使用前にあらかじめ塞栓捕捉フィルター20を閉じておくための筒状の部材であり、少なくとも遠位端部は、塞栓捕捉フィルター20が閉じた状態で内部に収納可能な程度の内径を有している。
次に、本実施形態にかかる塞栓物質捕捉用デバイス100の使用方法について説明する。
まず、操作用ワイヤ85を使用した方法について説明する。まず、操作用ワイヤ85自体に機能性を設けた場合について説明する。
(第1使用方法)
塞栓物質捕捉用デバイス100の第1の使用方法について、塞栓捕捉フィルター20を鎖骨下動脈に配置する場合を例として説明する。まず、デリバリーカテーテル(図示しない。)を内肘から挿入して治療部位近傍まで挿入する。デリバリーカテーテルを挿入する際には、ガイドワイヤ等を使用してもよい。
そして、デリバリーカテーテルの後端、すなわち、体外から塞栓物質捕捉用デバイスを挿入していく。そして、塞栓捕捉フィルター20を血管内の狭窄箇所等の治療部位まで導入したことが確認できたら、外鞘操作部材72をシャフト部材10に対して、後方に移動させることによって、図10に示すように、塞栓捕捉フィルター20が露出される。露出された塞栓捕捉フィルター20は、ワイヤ21が拡張する方向へ形状記憶がされているので、ワイヤ21の復元力により塞栓捕捉フィルター20は拡張される。この拡張により、塞栓捕捉フィルター20は、図11に示すように、塞栓捕捉フィルター20は、鎖骨下動脈の椎骨動脈と大動脈弓との間に、血管内壁に塞栓捕捉フィルター20が接触した状態に配置される。こうして塞栓捕捉フィルター20の留置が完了する。この際に、本発明にかかる塞栓捕捉フィルター20は、ワイヤ21の一部が拡張確認ワイヤ21cで作製されているので、塞栓捕捉フィルター20の位置及び拡張状態を確認することができる。なお、この場合は、塞栓流入口26が大動脈弓側を向くことになる。
その後、目的の血管治療用器具200が挿入され目的の治療がなされる。例えば、狭窄箇所を拡張するためにバルーンカテーテルによる狭窄部拡張手術や、塞栓物質除去カテーテルによる塞栓物質除去手術、又は大動脈弓部など頭頸部や腕に分岐する部分にステントグラフトの留置手術等のインターベンション手術等に使用される血管治療用器具200が挿入される。ステントグラフトの留置手術を例として説明する。まず、ガイドワイヤ201を脚部の大腿動脈からガイドワイヤ201を挿入し、治療領域まで挿入する。そして、図12Aに示すように、ガイドワイヤ201の先端を塞栓物質捕捉用デバイス100のシャフト部材10の中空部15に挿入する。その後、血管治療用器具200(ステントグラフト)を塞栓捕捉フィルター20に隣接するように鎖骨下動脈に留置し、所定の血管内治療が行われる。
この一連の過程において、ガイドワイヤ201を挿入する際や血管治療中にガイドワイヤ201が挿入されすぎて、塞栓捕捉フィルター20に接触してしまう可能性がある。一般にガイドワイヤ201は、約1.0mm程度の太さを有しているが、本発明にかかる塞栓物質捕捉用デバイス100の塞栓捕捉フィルター20のメッシュ部22は、前述したように、50μm〜1000μm程度に形成するのが好ましいことから、ガイドワイヤ201の先端によって、メッシュ部22に突き刺さると、メッシュ部22の形状を変形させたり、又は、図12Bに示すように、塞栓捕捉フィルター20の外側から袋の形態自体を変形させたりする可能性がある。しかし、本発明にかかる塞栓物質捕捉用デバイス100によれば、ガイドワイヤ201の先端をシャフト部材10の中空部15にあらかじめ挿入することができるので、ガイドワイヤ201が誤って塞栓物質捕捉用デバイス100の塞栓捕捉フィルター20を突き刺してメッシュ部22の形状を変形させたり、又は、塞栓捕捉フィルター20の外側から袋の形態自体を変形させたりする可能性を低減することができる。このような使用方法をする場合は、シャフト部材10の中空部15は、ガイドワイヤ201に対して、1.1倍〜2.0倍程度の内径を有するように作製するとよい。
(第2使用方法)
次に、塞栓物質捕捉用デバイス100の第2の使用方法について説明する。塞栓物質捕捉用デバイス100の塞栓捕捉フィルター20を血管内の治療領域に留置するまでは、第1使用方法と同様である。また、血管治療用器具200は、ガイドワイヤ201を治療領域に挿入するまでは同様である。異なるのは、ガイドワイヤ201をシャフト部材10の中空部15に挿入する方法が異なる。
第2の使用方法では、シャフト部材10の全長に亘って中空部15に形成されているタイプのものを使用し、この中空部15に、図13に示すように、先端が鉤状の係止部17を有している操作用ワイヤ85をシャフト部材10の手元側から通し、シャフト部材10の先端から突出させる。一方、血管治療用器具200のガイドワイヤ201に、リング部205を設けたものを使用する。かかる構成を採用することによって、ガイドワイヤ201のリング部205に係止部17を引っ掛けて、操作用ワイヤ85を手元側から引くことによって、ガイドワイヤ201を中空部15に挿入させることができる。このような方法を採用することによって、第1使用方法と比較して、容易にガイドワイヤ201を中空部15に挿入することができる。また、ガイドワイヤ201が操作用ワイヤ85で係止されているので、手術中等にガイドワイヤ201が中空部15から外れる可能性を低減することができる。この場合には、リング部205をガイドワイヤ201より細いものを使用するか、又は中空部15の内径をリング部205が挿入可能な程度の内径を有するように作製する必要がある。なお、図13Bに示すように、係止部17をガイドワイヤ201に設け、リング部205を操作用ワイヤ85に設けても構わない。
(第3使用方法)
次に、第3の使用方法について説明する。第3の使用方法について説明する。第3の使用方法では、先に血管治療用器具200のガイドワイヤ201を脚部から挿入し、大動脈弓部を通過させて、内肘より体外に取り出す。そして、体外でガイドワイヤ201をシャフト部材10の中空部15に挿入する。この状態で、塞栓物質捕捉用デバイス100及びガイドワイヤ201の両方を収容した状態でデリバリーカテーテルを挿入し、治療領域まで挿入する。その後、塞栓物質捕捉用デバイス100及びガイドワイヤ201の両方を治療領域に移動し、デリバリーカテーテルを除去する。その後、外鞘80を塞栓捕捉フィルター20から外して、塞栓捕捉フィルター20を拡張させて大動脈弓部に留置する。その後、血管治療用器具200のガイドワイヤ201を治療領域に移動させ、血管の治療がなされる。
以上の方法により、設置された塞栓物質捕捉用デバイス100によれば、血管治療用器具200によって、破壊された塞栓物の一部が血流によって下流側に運ばれた場合であっても、塞栓物は、塞栓捕捉フィルター20の開口からメッシュ部22に捕捉されるため、塞栓物が抹消側に流れることが防止される。本発明にかかる塞栓捕捉フィルター20は、捕捉部全体がメッシュ状に形成されているため、塞栓物が捕捉された場合でも多くのメッシュ孔が形成されているので、血流の流れを大きく阻害することが防止される。
また、ガイドワイヤ201の先端をシャフト部材10の中空部15にあらかじめ挿入することで、ガイドワイヤ201が誤って、塞栓物質捕捉用デバイス100の塞栓捕捉フィルター20を突き刺してメッシュ部22の形状を変形させたり、又は、塞栓捕捉フィルター20の外側から袋の形態自体を変形させたりする可能性を低減することができる。
次に、治療用デバイスを本塞栓物質捕捉用デバイス100に挿通して使用する場合について説明する。
(第4使用方法)
第4使用方法は、先端が開口しており先端側のシャフト部材10との固定部がないタイプの塞栓捕捉フィルター20を使用しており、シャフト部材10の中空部15に治療用デバイスとして、ステントグラフト87を格納するデリバリーシース86を挿入して、ステントグラフト87を大動脈弓部に留置する場合を例に説明する。この第4使用方法による塞栓物質捕捉用デバイス100は、初め、図8Bに示すように、外鞘80内に塞栓捕捉フィルター20が閉じられた状態で配置されている。また、ステントグラフト87は、閉じた状態でデリバリーシース86に収納されている。
塞栓物質捕捉用デバイス100は、図14に示すように、外部から患部へ挿入し、治療部位の少し手前に塞栓捕捉フィルター20を留置する。留置する方法は、第1使用方法と同様に、塞栓捕捉フィルター20を血管内の狭窄箇所等の治療部位の直前まで導入したことが確認できたら、外鞘操作部材72をシャフト部材10に対して、後方に移動させることによって、外鞘80から塞栓捕捉フィルター20を露出される。露出された塞栓捕捉フィルター20は、骨部材27が拡張する方向へ形状記憶がされているので、骨部材27の復元力により塞栓捕捉フィルター20は拡張される。この拡張により、塞栓捕捉フィルター20は、大動脈弓部の治療患部より若干手前に留置される。そして、ステントグラフト87は、デリバリーシース86を引き抜くことにより拡張して治療部位に留置される。その際に、破壊された塞栓物88の一部が血流によって下流側に運ばれた場合であっても、塞栓物88は、塞栓捕捉フィルター20の開口から塞栓捕捉フィルター20に捕捉されるため、塞栓物88が抹消側に流れることが防止される。
なお、治療用デバイスとしては、ステントグラフトに限定するものではなく、図15Aに示すようにバルーンカテーテル、図15Bに示すようにスネアカテーテル等の血栓回収デバイス又は血管内異物除去用カテーテル等の種々の血管内治療用のデバイスを中空部15に挿入して操作することができる。
なお、使用方法においては、鎖骨下動脈又は動脈弓部に塞栓物質捕捉用デバイス100及び血管治療用器具を配置する場合を例に説明したが、勿論血管はこれに限定するものではなく、静脈を含む他の血管でも使用することができる。
上述した実施の形態で示すように、特に、血栓やデブリスの飛散を防止するのに利用することができる。
10…シャフト部材、15…中空部、17…係止部、20…塞栓捕捉フィルター、21…ワイヤ、21a…ワイヤ、21b…ワイヤ、21c…拡張確認ワイヤ、22…メッシュ部、22a…メッシュ部側端部、24…束部、24a…束部側端部、26…塞栓流入口、26a…メッシュ部側端部、27…骨部材、28…薄膜、28a…細孔、29…骨部材固定用スリーブ、30…先端ガイド部、31…先端チップ部、40…スリーブ、41…メッシュ部側スリーブ、41a…内スリーブ、41b…外スリーブ、42…束部側スリーブ、42a…内スリーブ、42b…外スリーブ、70…手元側操作部材、71…シャフト操作部材、72…外鞘操作部材、80…外鞘、85…操作用ワイヤ、86…デリバリーシース、87…ステントグラフト、88…塞栓物、100…塞栓物質捕捉用デバイス、200…血管治療用器具、201…ガイドワイヤ、205…リング部

Claims (8)

  1. 操作用ワイヤ又は治療用デバイスが挿入可能となるように、全長に亘って中空に形成された中空部を有するシャフト部材と、
    前記シャフト部材の遠位端又は、遠位端側に設けられかつ遠位端側が開口し、近位端側が閉口している塞栓捕捉フィルターと、
    を備えていることを特徴とする塞栓物質捕捉用デバイス。
  2. 前記塞栓捕捉フィルターは、主として複数の弾性又は形状記憶性のワイヤによって作製されており、
    前記塞栓捕捉フィルターの近位端側は、メッシュの袋状に形成されてなるメッシュ部とからなり、
    前記塞栓捕捉フィルターの遠位端側は、少なくとも2本以上に集約され、開口部を有する集約部とからなる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の塞栓物質捕捉用デバイス。
  3. 前記塞栓捕捉フィルターは、近位端側が固定されており、かつ遠位端側がスライド自在に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の塞栓物質捕捉用デバイス。
  4. 前記塞栓捕捉フィルターは、形状記憶を有する複数の線状の骨部材と、前記骨部材に取付けられてなる複数の細孔が形成された薄膜と、からなることを特徴とする請求項1に記載の塞栓物質捕捉用デバイス。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の塞栓物質捕捉デバイスにおいて、
    前記シャフト部材及び塞栓捕捉フィルターが収納可能な外鞘を備えていることを特徴とする塞栓捕捉用デバイス。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の塞栓物質捕捉用デバイスにおいて、
    前記中空部に挿入可能な操作用ワイヤ又は治療用デバイスを備えていることを特徴とする塞栓物質捕捉用デバイス。
  7. 前記操作用ワイヤの先端には、係合部材が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の塞栓物質捕捉用デバイス。
  8. 前記治療用デバイスは、ステントグラフト、バルーンカテーテル又は血管内異物除去用カテーテルであることを特徴とする請求項6に記載の塞栓物質捕捉用デバイス。

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