JP4057318B2 - ステント - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管の動脈瘤付近に挿入・留置して使用されるステントに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、動脈瘤の治療にあたっては、外科的に動脈瘤を切除し、その部分に人工血管(人工的な材料で作製された管体)を移植するあるいは、バイパス手術と呼ばれる別の新たな血管流路を形成し、血液を確保するという治療法が行われていた。しかし、動脈瘤を発症する患者は一般的に高齢者が多く、このような大手術は、患者の負担が大きいため困難な場合が多く、また術中、術後の合併症も発生し易く、危険を伴うものであった。
【0003】
近年、大腿部等から経皮的に血管にカテーテルを導入し、X線透視下で当該カテーテルの先端部を目的部位である例えば脳内血管の動脈瘤の位置まで進め、カテーテル内に形成されたルーメンを介して動脈瘤内に塞栓物質を供給・充填する治療法(動脈瘤塞栓術)が開発されている。この治療法によれば、手術の危険性および患者の負担が大幅に軽減するという利点がある。
【0004】
しかしながら、この治療法では、動脈瘤内に充填した塞栓物質が動脈瘤から離脱(流出)するおそれがある。このような塞栓物質の離脱が生じると、塞栓物質によって血管が詰まってしまった場合、その下流の組織が壊死してしまうという危険性があった。また、血管が詰まることにより動脈瘤が破裂するという問題が生じる。
【0005】
そこで、これを防止するために、血管の動脈瘤付近にステントを挿入・留置し、このステントの側壁部に形成された1つの開口を介して動脈瘤内に塞栓物質を充填することが提案されている。
【0006】
しかしながら、この方法では、ステントを目的部位へ挿入・留置する際に、ステントの側壁部に形成された開口を動脈瘤の開口(入口部)に一致させるために、血管に対しステントを回転させてその周方向の位置を正確に位置決めしなければならず、ステントの挿入・留置の操作に手間がかかるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、充填された塞栓物質の離脱を防止するとともに、目的部位への挿入・留置の操作を容易に行なうことができるステントを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(8)の本発明により達成される。
【0009】
(1) 血管の動脈瘤付近に挿入・留置されるステントであって、
複数の線状体で構成され、全体形状がほぼ筒状をなすステント本体を有し、
前記ステント本体の長手方向中央部付近には、該ステント本体の周方向に沿って複数の箇所から動脈瘤に塞栓物質を供給するためのカテーテルを通過可能とし、かつ、カテーテル非挿通時は閉じた状態となる複数のスリットを有するシートで構成されたカテーテル通過部が設けられていることを特徴とするステント。
【0010】
(2) 前記ステント本体は、半径方向に作用する力で塑性的に伸長し、該作用力の除去でその外径が保持される上記(1)に記載のステント。
【0011】
(3) 前記ステント本体は、弾性力があり、外力を除くと元の形状に戻るように拡張する上記(1)または(2)に記載のステント。
【0012】
(4) 前記カテーテル通過部は、弾性を有している上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のステント。
【0013】
(5) 前記スリットの少なくとも一部は、前記ステント本体の長手方向またはこれと直交する方向に延在するものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のステント。
【0014】
(6) 生体内での前記カテーテル通過部の位置を示すマーカーを有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のステント。
【0015】
(7) 前記ステント本体は、その内面および/または外面を覆う膜を有する上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のステント。
【0016】
(8) 前記ステント本体は、前記線状体が交差した部位の間に窓が形成されており、
前記窓は、前記ステント本体の拡張状態において、前記スリットを前記カテーテルが通過する際に形成される開口よりも目が細かく、前記カテーテルが通過できないものである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のステント。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のステントを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、大動脈のような太い血管に用いる場合における本発明のステントの第1実施形態を示す側面図、図7は、本発明のステントが導入シース内に挿入された状態を示す部分縦断面図、図8および図9は、それぞれ、図1に示す本発明のステントの使用状態を示す部分断面側面図である。なお、以下の説明では、図1〜図9中の左側を「基端」、右側を「先端」と言う。
【0027】
図1、図8および図9に示すように、本発明のステント(血管内留置物)1は、血管10の動脈瘤11付近に挿入・留置して使用されるもので、全体形状がほぼ筒状をなすステント本体2を有する。
【0028】
ステント本体2は、好ましくは細長い部材の連なりとそれらが構成する複数の窓(開口)20から構成されている。以下、詳細に説明する。ステント本体2は、螺旋状に巻かれた複数本のストランド(線状体)21で構成されている。この場合、1つのストランド21と他のストランド21とは、その螺旋が互いに逆方向に巻かれている。これらのストランド21は、ステント本体2の骨格を形成している。
【0029】
ストランド21の形状、形態は、螺旋状のものに限らず、その他、例えばリング状(特に複数のリングを連結した形状)のものや格子状のものでもよい。
【0030】
ストランド21の交差した間に窓20が形成される。
ストランド21の構成材料としては、自己拡張型ステントの場合、例えば、ステンレス鋼、Ni-Ti系合金、Cu-Zn系合金、Ni-Al系合金等の擬弾性金属、タングステン、タングステン合金、チタン、チタン合金、タンタル等の各種金属が挙げられ、形状が復元できることが必要である。これを満たすことを条件に、ポリアミド、ポリイミド、超高分子量または高分子量のポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、フッ素系樹脂等の比較的高剛性の高分子材料を適宜組み合わせてもよい。
【0031】
また、ストランド21に造影性を持たせることもでき、この場合には、ストランド21の構成材料は、前記各種金属のようなX線造影性を有する材料であるのが好ましい。
【0032】
また、ストランド21の線径は、特に限定されないが、好ましくは0.02〜2mm程度とすることができ、より好ましくは0.1〜1mm程度とすることができる。
【0033】
このようなステント本体2は、弾性的に伸張性を有し、外力の除去によってその外径が変化、拡張するものであるのが好ましい。すなわち、ステント本体2は、自然状態(外力を作用させない状態)では、第1の外径である(以下、この状態を「拡径状態」と言う)が、外力を作用させる(例えばステント本体2に対し、その長手方向に引張力を作用させたり、その径方向に圧縮力を作用させたりする)と、前記第1の外径より小さい第2の外径となる(以下、この状態を「縮径状態」と言う)。
【0034】
この場合、第1の外径は、ステント本体2が動脈瘤11付近の血管10の内壁に十分に密着できる程度のものである。また、第2の外径は、図7に示す導入シース7に挿入可能な程度のものである。
【0035】
ステント本体2がこのような伸張性を有することにより、ステント1を目的部位へ容易に移送することができるとともに、目的部位に確実に留置、固定することができる。
【0036】
このようなステント本体2の内面および/または外面には、膜(図示せず)が被覆されていてもよい。この膜としては、ステント本体2の外径の変化に伴い伸縮するもの、または折り畳まれた状態から広がるものが挙げられる。
【0037】
この膜は、例えば、織物、編物、不織布、紙材のような繊維性多孔質膜、その他非繊維性多孔質膜、高分子シートのような緻密膜のいずれでもよい。
【0038】
膜の素材(繊維)としては、例えば、セルロース繊維、綿、リンター、カポック、亜麻、大麻、ラミー、絹、羊毛等の天然繊維、ナイロン(ポリアミド)、テトロン、レーヨン、キュプラ、アセテート、ビニロン、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(ポリエステル)、ポリプロピレン等の化学繊維、またはこれら天然および化学繊維のうちの2以上の組み合わせ(混紡等)を挙げることができる。
【0039】
また、膜の素材(高分子シート)の他の例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、天然ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ラテックスゴム等の各種ゴム、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0040】
また、膜は、同一または異なる材料による2層以上の積層体であってもよい。さらに、膜に対し親水化処理または疎水化処理が施されていてもよい。
【0041】
膜のステント本体2に対する設置箇所は、ステント本体2の全体でも、一部分でもよいが、好ましくはステント本体2の長手方向中央部分、より好ましくはステント本体2のほぼ全体の内面または外面を覆っているのが好ましい。
【0042】
このようなストランド21で構成されるステント本体2の窓20は、カテーテル通過部3をカテーテル9が通過する際に形成される開口(スリット31が開いたときの開口など)よりも目の細かいものであるのが好ましい。これにより、動脈瘤11に充填された塞栓物質13の動脈瘤11からの離脱をより有効に防止することができる。
【0043】
ステント本体2の窓20の大きさ(目開き)は、特に限定されないが、塞栓物質がコイル状のものの場合はコイルが突出しない程度の大きさである。
【0044】
塞栓物質が液状の場合は、ステント本体2のうち少なくとも動脈瘤の開口部(入口部)12を塞ぐ部分において、ステント本体2を液体が流出しない膜で覆う必要がある。
【0045】
このようなステント本体2には、後述する動脈瘤11に塞栓物質13を供給するための塞栓物質供給用のカテーテル(マイクロカテーテル)9が通過するカテーテル通過部3を有している。このカテーテル通過部3には、ステント本体2の周方向に沿って、複数のスリット31が形成されており、このスリット31を押し広げてカテーテル9がステント本体2の内側・外側間を通過する。
【0046】
カテーテル通過部3は、目的部位に挿入・留置された際に動脈瘤11の開口部12に対面する部分であり、ステント本体2の全周を回るような帯状、すなわちリング状(筒状)に形成されている。そして、カテーテル通過部3は、ステント本体2の長手方向の中央部付近に形成されているのが好ましい。これにより、動脈瘤11に対しステント1をより適正な位置および姿勢で留置すること、すなわち動脈瘤11の開口部12に対しステント1の長手方向の中央部付近を位置させて固定することができる(図8参照)。
【0047】
カテーテル通過部3は、例えば、シート、メッシュ、繊維材料(織物、編物、不織布等)等で構成されている。メッシュで構成されている場合、その網目の大きさは、ステント本体2の前記窓20の大きさよりも目の細かいものであるのが好ましい。これにより、動脈瘤11に充填された塞栓物質13の離脱をより有効に防止することができる。
【0048】
カテーテル通過部3をシートやメッシュで構成する場合、その構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等の各種樹脂材料、天然ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ウレタンゴム、ラテックスゴム等の各種ゴム、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられる。このなかでも、開口したスリット31の復元性が得られるように、ある程度の弾性を有するものが特に好ましい。
【0049】
また、カテーテル通過部3を繊維材料で構成する場合、その例として、セルロース繊維、綿、リンター、カポック、亜麻、大麻、ラミー、絹、羊毛等の天然繊維、ナイロン(ポリアミド)、テトロン、レーヨン、キュプラ、アセテート、ビニロン、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(ポリエステル)、ポリプロピレン等の化学繊維、またはこれら天然および化学繊維のうちの2以上の組み合わせ(混紡等)を挙げることができる。このような繊維材料による織物、編物、不織布等も、前述したような弾性を有しており、好ましい。
【0050】
カテーテル通過部3に形成された各スリット31は、ステント本体2の長手方向に沿って延在しており、それぞれがほぼ平行に配置されている。各スリット31は、カテーテル通過部3の幅方向(ステント本体2の長手方向)のほぼ中央部に形成されているのが好ましい。
【0051】
スリット31の長さは、特に限定されないが、通過するカテーテル9の外径やカテーテル9の通過抵抗を考慮して、1.0〜5.0mm程度とするのが好ましく、2.0〜3.5mm程度とするのがより好ましい。なお、各スリット31の長さは、異なっていてもよいが、全てのスリット31がほぼ同一の長さであるのが好ましい。
【0052】
また、隣接するスリット31の設置間隔は、特に限定されないが、カテーテル9が通過する際のスリットの選択性(スリット31が密に配置されているほど、選択性が向上する)とカテーテル通過部3の強度とを考慮して、0.5〜4.0mm程度とするのが好ましく、1.0〜2.0mm程度とするのがより好ましい。
【0053】
また、スリット31の形成本数も、特に限定されないが、通常、3〜12本程度が好ましく、4〜8本程度がより好ましい。
【0054】
以上のようなカテーテル通過部3では、カテーテル9をステント本体2の内側から挿入し、カテーテル9の先端でスリット31を押し広げてスリット31を通過させ、突出させることができる。一方、カテーテル9により塞栓物質13を動脈瘤11内に充填した後、カテーテル9を抜き取ると、カテーテル通過部3の復元力によりスリット31が閉じる。これにより、動脈瘤11内に充填された塞栓物質13がスリット31を介してステント本体2の内側に流出(離脱)することはない。
【0055】
カテーテル通過部3の基端部および先端部には、それぞれ、X線透視下でカテーテル通過部3の生体内での位置を確認するためのマーカー6が設置されている。このマーカー6は、ステント本体の周方向に沿って伸びる帯状に形成されている。
【0056】
マーカー6は、例えば、白金、金、銀、チタン、タングステン等の金属、またはこれらの合金等のX線不透過材料で構成されている。また、前記X線不透過材料や、その他例えば硫酸バリウム、炭酸バリウム、酸化ビスマス等のX線不透過材料が配合された層(例えば塗膜)であってもよい。
【0057】
本実施形態では、マーカー6は、ステント本体2の全周に渡って形成されたリング状のものであるが、マーカー6の形状等は、これに限られるものではない。例えば、マーカー6の形状は、粒状(点状)、チップ状、ブロック状などであってもよく、また、マーカー6の形成位置は、ステント本体2の内面や、カテーテル通過部3の中央部分、さらには、カテーテル通過部3から離間した位置であってもよい。
【0058】
また、このような位置表示機能を有するマーカーは、カテーテル通過部3の構成物自体に形成されていてもよい。この場合、カテーテル通過部3の構成材料中に、前述したようなX線不透過材料が配合されていてもよい。
【0059】
なお、このようなマーカーは、カテーテル通過部3の位置を示すものに限らず、例えば、スリット31の周辺位置、ステント本体2の先端の位置(先端開口の位置)、基端の位置(基端開口の位置)を示すものや、ステント本体2全体を示すものでもよい。
【0060】
なお、このようなマーカーは、X線透視下に限らず、CTスキャン、MRI等においてカテーテル通過部3等の位置を確認することができるものであってもよい。
【0061】
以上のようなステント1は、例えば図7に示すような、管状をなす導入シース7と、該導入シース7内に挿入されるプッシャー8とを用いて、血管10の目的部位(動脈瘤11の近傍)へ導入される。なお、導入シース7およびプッシャー8も、前記と同様にX線造影性が付与されているのが好ましい。
【0062】
また図示されていないが、導入シース7またはプッシャー8の少なくとも一方に、導入シース7内に挿入されたステント1のカテーテル通過部3に対応する位置にマーカーを設け、これにより、導入シース7を動脈瘤近傍に位置させる際、この導入シース7のマーカーと、予め造影剤で確認した動脈瘤の位置とをX線透視下で確認し、カテーテル通過部3を動脈瘤11の開口部12に確実に位置決めするようにしてもよい。
【0063】
図2は、本発明のステントの第2実施形態を示す側面図である。以下、この第2実施形態について説明するが、前述の第1実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0064】
図2に示すステント1は、カテーテル通過部3に形成されたスリットの構成が前記第1実施形態と異なり、それ以外は同様である。すなわち、図2に示すステント1は、複数のスリット32が、ステント本体2の周方向に沿って一列に間欠的に形成されている。各スリット32は、ステント本体2の長手方向と直交する方向に延在している。
【0065】
図3は、本発明のステントの第3実施形態を示す側面図である。以下、この第3実施形態について説明するが、前述の第1実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0066】
図3に示すステント1は、カテーテル通過部3に形成されたスリットの構成が前記第1実施形態と異なり、それ以外は同様である。すなわち、図3に示すステント1は、複数のスリット33、34が、ステント本体2の周方向に沿って二列に形成されている。この場合、基端側の列に属するスリット33と、先端側の列に属するスリット34とは、それぞれ、ステント本体2の周方向に沿って間欠的に形成されているが、スリット33とスリット34とは、半ピッチ分周方向に交互にずれて配置されている。
【0067】
図4は、本発明のステントの第4実施形態を示す側面図である。以下、この第4実施形態について説明するが、前述の第1実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0068】
図4に示すステント1は、カテーテル通過部3に形成されたスリットの構成が前記第1実施形態と異なり、それ以外は同様である。すなわち、図4に示すステント1は、複数のスリット35が、ステント本体2の周方向に沿って一列に間欠的に形成されている。このスリット35は、十文字状をなしている。すなわち、スリット35は、ステント本体2の長手方向に延在する部分と、ステント本体2の長手方向に直交する方向に延在する部分の双方を有している。
【0069】
このような形状のスリット35では、カテーテル9の通過抵抗をより小さくすることができる。
【0070】
なお、本発明において、カテーテル通過部3に形成されるスリットの形状、寸法、配置は、上述した第1〜第4実施形態のものに限定されないことは、言うまでもない。
【0071】
図5は、本発明のステントの第5実施形態を示す側面図である。以下、この第5実施形態について説明するが、前述の第1実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0072】
図5に示すステント1は、カテーテル通過部3の構成が前記第1実施形態と異なり、それ以外は同様である。すなわち、図5に示すステント1は、ステント本体2の外周部においてステント本体2の長手方向に掛け渡された複数の可撓性を有する細線(線状体)4によりカテーテル通過部3が形成されている。
【0073】
各細線4は、ステント本体2の長手方向に延在し、ほぼ平行に並設されている。そして、細線4間をカテーテル9が通過するよう構成されている。各細線4の両端は、ステント本体2に対し、例えば接着剤による接着、融着、溶接等の方法により固定されている。
【0074】
細線4の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン(特に、超高分子量または高分子量のポリオレフィン)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等の各種樹脂材料、各種ガラス繊維、ステンレス鋼、アルミニウム、Ni-Ti系合金、Cu-Zn系合金、Ni-Al系合金等の擬弾性金属、白金、金、銀、タングステン、タングステン合金、チタン、チタン合金、タンタル等の各種金属材料、その他前述した繊維材料(天然繊維、化学繊維)、あるいはこれらを適宜組み合わせたものが挙げられるが、その中でも、ステンレス鋼、Ni-Ti系合金が好ましい。
【0075】
細線4の線径は、特に限定されず、細線4の構成材料の強度(剛性)や配設密度等の諸条件を考慮して適宜設定すればよいが、通常は、0.01〜0.5mm程度が好ましく、0.03〜0.2mm程度がより好ましい。
【0076】
また、細線4の長さも、特に限定されないが、通常は、1.0〜8.0mm程度とするのが好ましく、2.0〜4.0mm程度とするのがより好ましい。
【0077】
なお、この細線4は、ステント本体2を構成する前述のストランド21とは独立して(別の部材で)設置されているものの他、ストランド21を延長して形成されたもの(ストランド21と一体的に形成されたもの)でもよい。
【0078】
ここで、細線4自体の強度(剛性)が不足し、カテーテル通過部3の形状を十分に維持できないおそれがある場合には、細線4の他に、補強部材(または骨組み)として、例えば図6に示すような形状の枠部材(芯材)5をカテーテル通過部3またはその近傍に設置することができる。これにより、細線4のたるみを防止することができる。
【0079】
また、このような枠部材5を設置した場合、各細線4にある程度の張力を作用させながら配設することができるので、細線4の復元性が増す。その結果、細線4間にカテーテル9を挿通させた状態からカテーテル9を抜き取った際に、その細線4間が瞬時に閉じるので、動脈瘤11内に充填された塞栓物質13の離脱をより確実に防止することができる。
【0080】
図示の枠部材5の場合、その両端のリング間に架設される支柱51は、ステント本体2とほぼ平行に配置されている。これにより、塞栓術用のカテーテル9のステント1内への導入方向と支柱51の延設方向がほぼ一致し、カテーテル9をステント1内に挿入した際にカテーテル9が支柱51に衝突しにくく、カテーテル9の通過がより円滑、容易となるという利点がある。
【0081】
図示の構成では、支柱51と細線4とはほぼ平行に配置されている。なお、本発明では、支柱51と細線4とをほぼ平行に配置する場合に限らず、支柱51と細線4とが交差するように配置することもできる。例えば、支柱51が、ステント本体2の長手方向に対し所定角度傾斜した方向に延在するものであってもよい。また、支柱51は、ステント本体2の長手方向と平行な方向に配置され、細線4が、ステント本体2の長手方向に対し所定角度傾斜した方向に延在するよう配設されているもの、例えば1重または多重の螺旋状に配設されているものでもよい。
【0082】
また、このように枠部材5と細線4とが交差するように配設される場合、枠部材5が細線4の内側に位置するのが好ましい。
【0083】
これにより、各細線4がステント本体2の外側(外周側)へ移動することは許容されるが、内側への移動は交差した支柱51により阻止される。よって、各細線4が外側へと移動することによって、カテーテル9が細線4間をステント本体2の内側から外側へと容易に通過することができるとともに、コイル状等の塞栓物質がステント本体2の内側へ侵入(逆流)しようとして細線4の外側に当接した際には、支柱51を越えて細線4がステント本体2の内側に移動し得ないため、塞栓物質がそれ以上ステント本体2の内側に侵入することがなく、よって、動脈瘤11からの塞栓物質の離脱をより確実に防止することができる。
【0084】
枠部材5の構成材料としては、必要かつ十分な強度を確保し得るものであれば特に限定されず、例えば各種硬質樹脂材料、各種金属材料が挙げられる。また、枠部材5をバネ材料のような弾性材料で構成し、その弾性により細線4に引張力を作用させるような構成であってもよい。また、枠部材5自体にX線造影性を持たせることもでき、これによりカテーテル通過部3の生体内での位置を確認することができる。
【0085】
なお、このような枠部材5は、前述した第1〜第4実施形態のカテーテル通過部3においても設置することができる。また、枠部材5の形状、構造は、図示のものに限定されないことは、言うまでもない。
【0086】
次に、ステント1の使用方法の一例について、図7〜図9を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、代表的に前記第1実施形態のステント1について説明するが、他の実施形態のステント1を用いた場合も同様である。
【0087】
導入シース7の先端部にステント1を挿入するとともに、導入シース7内に基端側からプッシャー8を挿入し、これらのものをX線透視下で大腿部等から経皮的に血管に導入し、導入シース7の先端を例えば大動脈血管のような太い血管10の動脈瘤(目的部位)11がある部分まで移送する。このとき予め造影剤で確認した動脈瘤11の位置とカテーテル通過部3の周辺に設けられたマーカー6との軸方向、円周方向位置を確認する。なお、ステント1が導入シース7内に挿入されている状態では、ステント本体2は、導入シース7の内面から応力を受け、前述した第2の外径(縮径状態)となっている。
【0088】
次に、プッシャー8を固定した状態で、導入シース7を基端方向に引き抜くように移動する。これにより、ステント1が導入シース7の先端開口71から血管10内に開放放出される。このとき、放出されたステント1は、動脈瘤11の開口部(入口部)12にカテーテル通過部3が対面するように位置決めがなされるが、カテーテル通過部3には、全周に渡ってスリット31が形成されているため、血管10に対するステント1の回転方向(周方向)の位置決めは行なわなくてもよい。
【0089】
また、放出されたステント1は、導入シース7の内面から受ける応力が解除されるので、第1の外径(拡径状態)となり、動脈瘤11付近の血管10の内壁に密着し、確実に固定される。
【0090】
このようにしてステント1を装着すると、少なくとも1つのスリット31が動脈瘤11の開口部12内に位置する。
【0091】
以上の操作が終わったら、導入シース7およびプッシャー8を血管10から抜き取る。
【0092】
次に、例えばセルジンガー法により大腿部等から経皮的に血管にカテーテル9を導入し、X線透視下で、ガイドワイヤー(図示せず)を用いてカテーテル9の先端をステント1の基端開口22付近まで進める。
【0093】
ここで、カテーテル9には、その内部に少なくとも一本のルーメン(塞栓物質供給用ルーメン)91が形成されている。このルーメン91は、カテーテル9の先端に開放し、先端開口92を形成している。このルーメン91は、カテーテル9を血管10の目的部位等へ誘導する際に用いられるガイドワイヤーを挿入するのにも用いられる。また、ガイドワイヤーは、その先端が湾曲したものを用いるのが好ましい。これにより、ガイドワイヤーの先端をスリット31に挿入し易くなり、このガイドワイヤーに沿ってカテーテル9の先端部をスリット31に挿入させ易くなる。
【0094】
なお、これとは逆に、カテーテル9の先端部が予め所定形状に湾曲しており、先端部が直線状のガイドワイヤーを用いて、カテーテル9の先端部を適宜直線状にする(湾曲を緩和する)ような構成のものを用いることもできる。
【0095】
さらに、ガイドワイヤーとカテーテル9をゆっくりと先端方向へ進め、ガイドワイヤーを先行させカテーテル9の先端をステント1の基端開口22よりステント1の内腔に挿入するとともに、ガイドワイヤーを操作してカテーテル9の先端部を動脈瘤11の開口部12がある方に向くように湾曲させる。この状態でカテーテル9をさらに進めると、カテーテル9の先端は、カテーテル通過部3の内面に当接し、カテーテル通過部3の内面からの反力を受けながら最も近くにあるスリット31を押し広げる。これにより、カテーテル9の先端がスリット31から動脈瘤11内に突出する(図9参照)。
この操作が終わったら、カテーテル9からガイドワイヤーを抜き取る。
【0096】
次に、カテーテル9のルーメン91の基端から塞栓物質13を導入し、ルーメン91を経て先端開口92から塞栓物質13を供給する。先端開口92から出た塞栓物質13は、動脈瘤11内に充填される。
【0097】
塞栓物質13としては、特に限定されず、任意のものが使用可能であるが、液状、ゲル状またはコイル状のものが好ましい。以下、塞栓物質13の一例を挙げる。
【0098】
[1] シアノアクリレート系材料(J.Biomed,Mater. Res.,17, 167-177(1983) M.C. Harpers)
【0099】
[2] 反応硬化型の液状物質(例えば、エポキシ系2液硬化型樹脂と硬化剤、アクリル系2液硬化型樹脂と硬化剤)
【0100】
[3] エチレン−ビニルアルコール共重合体のジメチルスルホキシド溶液(メディカルトリビューン、1989年10月26日、46〜47頁)
【0101】
[4] トロンビン、重金属およびポリエチレングリコールを含有する水性懸濁液(特開平5−17369号公報)
【0102】
[5] 複数の一価アニオン性の官能基を有する水溶性高分子を含む溶液を、多価カチオンを含む溶液中に析出させ、得られる析出物をさらに塩溶液に浸漬処理してなる高分子ゲル(特開平5−103802号公報)
【0103】
[6] 液状物質(例えば、溶質/溶媒の組み合わせとして、エチレン−ビニルアルコール共重合体/ジメチルスルホキシド、セルロースアセテート樹脂/エタノール、エチレン−ビニルアルコール共重合体/ノルマルプロパノール)を糸状に形成したもの
【0104】
[7] 光反応型液状物質(例えば、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等を有するアクリル系の光硬化樹脂、光ラジカル付加型および光カチオン重合型の感光性樹脂)
【0105】
[8] ポリビニルアルコールスポンジ
[9] コイル状塞栓物質(例えば、特表平5−500322号公報、特表平7−502674号公報、特表平8−501015号公報、特開平10−57385号公報等に記載のもの)
【0106】
[10] 送達用具から機械的または電気的(通電により)に分離可能なコイル状塞栓物質(米国特許第5250071、米国特許第5122136、米国特許第5354295、特開平8−299457号公報、特表平8−501015号公報等)
【0107】
[11] 離脱型バルーン
[12] 縫合糸等の糸状物、繊維
【0108】
塞栓物質13の充填が完了したら、カテーテル9を基端方向へ引き、血管10から抜き取る。このとき、カテーテル9の先端部はスリット31から抜き取られるが、カテーテル通過部3の復元力によりスリット31が閉じる。これにより、動脈瘤11内に充填された塞栓物質13がスリット31を介してステント本体2の内側に流出(離脱)することが防止される。
【0109】
次に、本発明の第6および第7実施形態(脳動脈やけい動脈等の細い末梢血管の動脈瘤の治療に用いる場合の実施形態)について説明する。
【0110】
図10および図11は、それぞれ、本発明のステントの第6および第7実施形態を示す側面図である。
【0111】
図10に示すステント1は、前記と同様のカテーテル通過部3を有している。このカテーテル通過部3は、カテーテル通過部3の両側部のステント本体2を繋ぐための比較的剛性の高い金属等から成る複数の補強線36と、カテーテル通過部3の長手方向に沿ってほぼ隙間なく懸架された複数のファイバー(例えばエラストマー製)37と、各ファイバー37がある程度の張力を持って架設されるようそれらの両端部を保持するリング状の保持部材38とを備えている。補強線36と各ファイバー37とは交差し、かつ補強線36がファイバー37の内側に位置し、ファイバー37の内側に補強線36がほぼ接触するように配置されている。
【0112】
このような構成とすることにより、各ファイバー37がステント本体2の外側(外周側)へ移動することは許容されるが、内側への移動は補強線36により防止される。よって、各ファイバー37が外側へと移動することによって、前記カテーテル9がステント本体2の内側から外側へと容易に通過することができるとともに、コイル状等の塞栓物質がステント本体2の内側へ侵入(逆流)しようとしてファイバー37の外側に当接した際には、補強線36を越えてファイバー37がステント本体2の内側に移動し得ないため、塞栓物質がそれ以上ステント本体2の内側に侵入することがなく、よって、動脈瘤11からの塞栓物質の離脱をより確実に防止することができる。
【0113】
なお、図10に示す構成では、ファイバー37がステント本体2の長手方向に沿って架設され、補強線36が螺旋状(コイル状)に、すなわちステント本体2の長手方向に対し所定角度傾斜するように配置され、これらが交差するように構成されている。
【0114】
しかし、補強線36とファイバー37とが交差する構成としては、上記に限定されるものではなく、例えば、図11に示す第7実施形態のように、ファイバー37をステント本体2の長手方向に対し所定角度傾斜する方向に架設し、補強線36をステント本体2の長手方向に沿って延設させてもよい。このようにすれば、各補強線36がステント1の長手方向に延設しているので、塞栓術用のカテーテル9の導入方向と補強線36の延設方向がほぼ一致し、カテーテル9をステント1内に挿入した際にカテーテル9が補強線36に衝突しにくく、カテーテル9の通過がより円滑、容易となる。
【0115】
また、図示されていないが、ファイバー37をステント本体2の長手方向に対し斜めに架設し、補強線36を該ファイバー37と反対方向に斜めに延設させてもよい。
【0116】
さらに、補強線36は、図10に示すような螺旋状のものに限定されず、例えば複数の環状部材を所定間隔で配置し、それらの間を線状体で繋いだ構成であってもよい。
【0117】
第6および第7実施形態において、ステント本体2は、径の増減(拡縮変形)が可能に構成された円筒フレーム状の構造を有する。すなわち、ステント本体2は、該円筒体の管壁を連通(貫通)する略菱形状の切欠部(貫通孔:前記窓20に相当する)23をその側面に複数有する構造をなし、応力を加えることによりその径を増減(拡縮変形)することが可能となっている。
【0118】
ステント本体2において、このような径の増減(拡縮変形)が可能なフレーム状の構造としては、前記メッシュ状のほか、コイル状、板バネコイル状、多重螺旋状、異型管状等が挙げられる。
【0119】
このようなステント本体2は、例えば、ステンレス鋼等の金属材料で構成された筒状体を、レーザ加工、切削加工、化学エッチング等により部分的に削除して複数の切欠部23を有するパターンを形成したものが挙げられる。このものは、薄肉、細径に形成するのに適しており、例えば脳動脈やけい動脈等の末梢血管(細い血管)内に挿入、留置されるステントとして好適である。
【0120】
図10および図11に示す構成例では、例えば1つのステンレス鋼製の管体に対し、レーザ加工を施して、所定パターンの切欠部23を有するステント本体2と補強線36とを一体に形成している。
【0121】
また、カテーテル通過部3の基端部および先端部には、それぞれ、前記と同様のマーカー6が設置されている。第6および第7実施形態においては、保持部材38にマーカー6が設置されているか、あるいは、保持部材38自体がマーカー6として機能する。
【0122】
上述のような脳動脈等の細い血管の動脈瘤に使用されるステント1を拡張する手段としては、例えば、PTCA拡張バルーンカテーテルが使用される。このバルーンカテーテルのバルーンの外面にステント1を収縮した状態で被せ、X線透視下で動脈瘤近傍の血管まで挿入した後、バルーンを膨らませることによりステント1に内側から応力を加えてステント1を拡張(拡径)し、血管の内壁に密着させる。ステントは、拡張状態を維持する。拡張したステント1の直径は、例えば1〜5mmの範囲内で適宜設定可能である。
【0123】
以上、本発明のステントを図示の各実施形態に基づき説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、ステントを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0124】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、ステントの挿入・留置操作や塞栓物質の充填操作を容易かつ確実に行うことができるとともに、充填した塞栓物質の動脈瘤からの離脱を防止することができる。
【0125】
特に、血管に対するステントの周方向の位置を位置決めする必要がないので、ステントの挿入・留置操作を容易かつ迅速に行なうことができ、患者の負担が軽減される。
【0126】
また、ステント本体が伸張性を有し、その外径が可変である場合には、目的部位への挿入・留置操作を容易に行うことができ、血管への固定がより確実になされる。
【0127】
また、生体内でカテーテル通過部等の位置を確認し得るマーカーを設けた場合には、カテーテル通過部やスリットの目的部位に対する位置決めをより正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステントの第1実施形態を示す側面図である。
【図2】本発明のステントの第2実施形態を示す側面図である。
【図3】本発明のステントの第3実施形態を示す側面図である。
【図4】本発明のステントの第4実施形態を示す側面図である。
【図5】本発明のステントの第5実施形態を示す側面図である。
【図6】枠部材(芯材)の構成例を示す斜視図である。
【図7】本発明のステントが導入シース内に挿入された状態を示す部分縦断面図である。
【図8】本発明のステントの使用状態を示す部分断面側面図である。
【図9】本発明のステントの使用状態を示す部分断面側面図である。
【図10】本発明のステントの第6実施形態を示す側面図である。
【図11】本発明のステントの第7実施形態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 ステント
2 ステント本体
20 窓
21 ストランド
22 基端開口
23 切欠部
3 カテーテル通過部
31 スリット
32 スリット
33 スリット
34 スリット
35 スリット
36 補強線
37 ファイバー(細線)
38 保持部材
4 細線
5 枠部材(芯材)
51 支柱
6 マーカー
7 導入シース
71 先端開口
8 プッシャー
9 カテーテル
91 ルーメン
92 先端開口
10 血管
11 動脈瘤(病変部)
12 開口部(入口部)
13 塞栓物質

Claims (8)

  1. 血管の動脈瘤付近に挿入・留置されるステントであって、
    複数の線状体で構成され、全体形状がほぼ筒状をなすステント本体を有し、
    前記ステント本体の長手方向中央部付近には、該ステント本体の周方向に沿って複数の箇所から動脈瘤に塞栓物質を供給するためのカテーテルを通過可能とし、かつ、カテーテル非挿通時は閉じた状態となる複数のスリットを有するシートで構成されたカテーテル通過部が設けられていることを特徴とするステント。
  2. 前記ステント本体は、半径方向に作用する力で塑性的に伸長し、該作用力の除去でその外径が保持される請求項1に記載のステント。
  3. 前記ステント本体は、弾性力があり、外力を除くと元の形状に戻るように拡張する請求項1または2に記載のステント。
  4. 前記カテーテル通過部は、弾性を有している請求項1ないし3のいずれかに記載のステント。
  5. 前記スリットの少なくとも一部は、前記ステント本体の長手方向またはこれと直交する方向に延在するものである請求項1ないし4のいずれかに記載のステント。
  6. 生体内での前記カテーテル通過部の位置を示すマーカーを有する請求項1ないし5のいずれかに記載のステント。
  7. 前記ステント本体は、その内面および/または外面を覆う膜を有する請求項1ないし6のいずれかに記載のステント。
  8. 前記ステント本体は、前記線状体が交差した部位の間に窓が形成されており、
    前記窓は、前記ステント本体の拡張状態において、前記スリットを前記カテーテルが通過する際に形成される開口よりも目が細かく、前記カテーテルが通過できないものである請求項1ないし7のいずれかに記載のステント。
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