JP2014509637A - チエノ[2,3−d]ピリミジン誘導体及び不整脈を処置するためのそれらの使用 - Google Patents

チエノ[2,3−d]ピリミジン誘導体及び不整脈を処置するためのそれらの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、カリウムチャネル阻害剤であるチエノピリミジン化合物に関する。また、本化合物を含む医薬組成物及び不整脈の処置におけるそれらの使用も記載する。

Description

本発明は、カリウムチャネル阻害剤であるチエノピリミジン化合物に関する。また、本化合物を含む医薬組成物及び不整脈の処置におけるそれらの使用も提供する。
イオンチャネルは、細胞膜の脂質二重層にまたがるタンパク質であり、Na、K、Ca2+及びClなどの特定のイオンが通過することができる水性経路を提供する(Herbert, 1998)。カリウムチャネルは、イオンチャネルの最大で最も多様なサブグループであり、これらは、膜電位の調節及び細胞興奮性の制御において中心的な役割を担っている(Armstrong & Hille, 1998)。カリウムチャネルは、それらのアミノ酸配列及びそれらの生物物理学的特性に基づいて遺伝子ファミリーに分類されている(命名については、Gutman et al., 2003を参照されたい)。
カリウムチャネルをモジュレートする化合物は、心臓血管性、ニューロン性、聴覚性、腎臓性、代謝性及び細胞増殖性の疾患を含む、いくつかの疾患領域において多様な治療用途を有する(Shieh et al., 2000; Ford et al., 2002)。より具体的には、Kv4.3、Kir2.1、hERG、KCNQ1/minK及びKv1.5などのカリウムチャネルは、心筋細胞における活動電位の再分極相に関与している。これらのカリウムチャネルのサブタイプは、QT延長症候群、肥大、心室細動及び心房細動(これらの全ては心不全及び心臓死の原因となりうる)を含む、心臓血管の疾患及び障害と関連している(Marban, 2002)。
ヒトの遅延整流電位依存性カリウムチャネルサブユニットのKv1.5は心房筋細胞にのみ発現しており、いくつかの異なる理由によって心房細動を管理するための治療機会を与えると考えられている(Brendel及びPeukert, 2002の総説を参照されたい):(i)同様の生物物理学的及び薬理学的な特性により、Kv1.5が、ヒトの心臓の超高速遅延整流(Kv(ur))生理電流に関わっている証拠がある(Wang et al., 1993;及びFedida et al., 1993)。これは、ヒトの心房筋細胞においてKv(ur)振幅を減少させることが明らかとなった、Kv1.5に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドによって支持されている(Feng et al., 1997)。(ii)電気生理学的記録法から、Kv(ur)が心房筋細胞で選択的に発現しており、そのため、心室の再分極を妨げることによって、死に至る可能性がある心室性不整脈の誘発が避けられることが実証された(Amos et al., 1996; Li et al., 1996;及びNattel, 2002)。(iii)心房細動型のヒト心房筋細胞においてKv(ur)を阻害することによって、正常な健常ヒト心房筋細胞と比較して、活動電位期間が延長した(Courtemanche et al., 1999)。(iv)Kv1.5を選択的に阻害することにより活動電位期間を延長することで、心室の不応期が未変化のまま心房の不応期を延長することによって、伝統的なクラスIII抗不整脈薬と比較して、心房細動及び心房粗動などのリエントリー性の心房性不整脈を防ぐためのより安全な薬理学的介入を提供することができる(Nattel et al., 1999, Knobloch et al., 2002;及び Wirth et al., 2003)。クラスIII抗不整脈薬は、心臓の不整脈を処置するための好ましい方法として広く報告されている(Colatsky et al., 1990)。
伝統的及び新規のクラスIII抗不整脈カリウムチャネル遮断薬は、Kv1.5又はKv(ur)を直接モジュレートすることによる作用機序を有すると報告されている。公知のクラスIII抗不整脈薬のアンバシリド(Feng et al. , 1997)、キニジン(Wang et al., 1995)、クロフィリウム(Malayev et al., 1995)及びベルトサミル(Godreau et al., 2002)は全て、ヒトの心房筋細胞におけるKv(ur)のカリウムチャネル遮断薬として報告されている。新規のベンゾピラン誘導体のNIP−142は、イヌのin vivoモデルにおいて、Kv1.5チャネルを遮断して、心房の不応期を延長し、そして、心房の細動及び粗動を停止させ(Matsuda et al., 2001)、また、S9947は、アフリカツメガエル卵母細胞及びチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞の両方において安定的に発現されるKv1.5を阻害し、そして、ネイティブなラット及びヒトの心筋細胞においてKv(ur)を阻害した(Bachmann et al., 2001)。他に、Kv1.5又はKv(ur)を標的とする他の新規のカリウムチャネルモジュレーターが、心臓の不整脈の処置に関して記載されており、これらには、ビフェニル(Peukert et al 2003)、チオフェンカルボン酸アミド(WO0248131)、ビスアリール誘導体(WO0244137、WO0246162)、カルボンアミド誘導体(WO0100573、WO0125189)、アントラニル酸アミド(WO2002100825、WO02088073、WO02087568)、ジヒドロピリミジン(WO0140231)、シクロアルキル誘導体(WO03063797)、インダン誘導体(WO0146155、WO9804521)、テトラリンベンゾシクロヘプタン誘導体(WO9937607)、チアゾリドン(thiazolindone)及びメタチアゾノン(metathiazanone)誘導体(WO9962891)、ベンズアミド誘導体(WO0025774)、イソキノリン誘導体(WO0224655)、ピリダジノン誘導体(WO9818475、WO9818476)、クロマン誘導体(WO9804542)、ベンゾピラン誘導体(WO0121610、WO03000675、WO0121609、WO0125224、WO02064581)、ベンゾオキサジン誘導体(WO0012492)、ならびに海洋性物質から精製した新規化合物A1998(Xu & Xu, 2000)が含まれる。一般的な電位依存性カリウムチャネル阻害剤は、Kv1.5もモジュレートすることができると報告されている(US05753676、US05821251、EP0743936B)。
チエノピリミジンは、抗炎症剤、抗真菌剤、抗骨粗鬆症薬及び抗菌剤として、また、とりわけ、心臓血管薬(酵素のホスホジエステラーゼ基の調節を介して、又はナトリウム/プロトン交換系の調節を介して作用する)として有用であると報告されている。
場合により置換されているベンジルアミン又はフェネチルアミン部分で4位が、そして、メチル基で5位が置換されているチエノ[2,3−d]−ピリミジンは、抗炎症剤又は抗骨粗鬆症薬として機能しうる(Katada et al., 1999)。そのような化合物は、骨髄の造血前駆細胞由来の白血球を含む、いくつかの細胞型の活性をモジュレートすることが示された。白血球の活性の増加は、様々な炎症性疾患をもたらしうるため、白血球に対して細胞毒性の化合物は、抗炎症薬として機能しうる。そのような化合物は、白血球表面のインテグリンに結合して、下流の細胞のシグナル伝達イベントを妨害することによって細胞活動を抑制すると考えられる。ヘテロアリールチオール、アリールチオール、アリールメチルチオール、ヘテロアリールアミン、ベンジルアミン、ヒドロキシル及びクロロ基で4位が置換されているチエノ[2,3−d]ピリミジンは、また、有用な抗炎症薬でありうる(Stewart et al., 2001)。この一連の化合物は、血管内皮の管腔表面の細胞接着分子の誘導発現を阻害し、それによって、炎症部位における白血球の接着を妨害することが示された。
4位に置換ヒドラジン及び5位にフェニル基を有するチエノ[2,3−d]ピリミジン(Hozien et al., 1996)、テトラヒドロベンゾ[b]チエノ[2,3−d]ピリミジン(Ismail et al., 1995)、2位に水素、クロロ、ヒドラジン、ヘテロシクリル、アミノ、メチル、エチル又はフェニル基、4位にアルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、アミノ、ジアルキルアミノ又はヒドラジノ置換基、5位に水素又はメチル基、6位に水素、メチルアセトアミド又はフェニル基、あるいは5,6位にテトラメチレンを有するチエノ[2,3−d]ピリミジン(GB7549025)、ならびに2位にメチル又はフェニル及び4位にアルキルアミノ又はアリールアミノを有する5−フェニル−及び5,6−テトラメチレンチエノ[2,3−d]ピリミジンの主要系列(Konno et al., 1989)は全て、抗菌作用を有することが示された。4位に2−オキソ−3−ピロリジニルメチレン−ヒドラジノ部分を有するテトラヒドロベンゾチエノ[2,3−d]ピリミジンは、ベルベットリーフに対していくらかの除草作用を示した(Ram et al., 1981)。また、4−クロロテトラヒドロベンゾチエノ[2,3−d]ピリミジンは、除草性であり、4位にチオール、ヒドラジン、2−フルオロアニリノ、3−フルオロアニリノ又は4−ジエチルアニリノ置換基を有するテトラヒドロベンゾチエノ−[2,3−d]ピリミジンは、大便連鎖球菌(Streptococcus fecales)に対して抗菌性であり、そして、4位に2,4−ジクロロベンジルアミノ又は2−フルオロアニリノ置換基を有するテトラヒドロベンゾ(tetrahyrobenzo)チエノ[2,3−d]ピリミジンは、フハイカビ(Pythium)に対して抗真菌性であることが報告された(Ram, 1979)。2位に水素、ヒドロキシル、チオール、ハロゲン又はシアノ基、4位にアルキルアミノ、アリールアルキルアミノ又はヒドロキシアルキルアミノ基、5位及び/又は6位に水素、アルキル又はハロゲン、あるいは5,6位にアルキレンを有するチエノ[2,3−d]ピリミジンは、ダニ抑制剤として報告されている(AU 521790)。
他に、テトラヒドロベンゾ[b]チエノ[2,3−d]ピリミジンは、抗腫瘍作用(Shehata et al., 1996)及びアスピリンの半分の鎮痛作用(Moneer et al., 1994)を示し、4−アルキルアミノ又はアリールアミノ、5−H又は5−メチル、6−メチル又は5,6−テトラメチレンを有する一連のチエノ[2,3−d]ピリミジンは、抗サイトカイニンとしての可能性を有することが示され(Jordis et al., 1986)、共に2位がアリールアミン又は複素環アミンで、そして、4位がアリールアミンで置換されている、一連の5,6−ジメチル−チエノ[2,3−d]ピリミジン及び5,6−テトラメチレンチエノ[2,3−d]ピリミジンは、血小板凝集阻害特性を示し(DD 226893)、4位がアミノ、ブチルアミン、アニリン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン及び2−ヒドロキシエチルアミンで置換されているピラノ−及びチオピラノ[3,4−b]チエノ[5,4−d]ピリミジンは、抗痙攣作用を示すことが報告されており(Noravyan et al., 1977)、そして、4−[(ベンゾ−2,1,3−チアジアゾリル−4)アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロベンゾチエノ−(2,3−d)−ピリミジンは、幼虫の多包条虫症において駆虫作用を有することが報告されている(RU 2116309)。
4位に置換アミノ基、5位及び6位に水素、アルキル又はハロ置換、ならびに2位にアルキル鎖を有するチエノ[2,3−d]ピリミジンは、ホスホジエステラーゼVの阻害剤であり、心臓血管疾患の処置及び性的能力の障害に有用であると主張されている(DE10104802)。
他に、4位にピペラジニル置換基を有する5−アルキルチエノ[2,3−d]ピリミジンは、ナトリウム/プロトン交換体の阻害剤であり、様々な心臓血管障害(狭心症及び不整脈を含む)の処置に有用であることが見出された(WO 01/27107)。
5−チオフェニル置換基及び2−メチル置換基を有する4−[(フェニル)アミノ]−チエノ[2,3−d]ピリミジンは、軟体動物駆除(molluscicidal)作用を有することが見出された(Hosni et al, Acta Poloniae Pharmaceutica, 1999, 56(1), 49-56)。
また、最近、チエノピリミジンが強力なVEGFR阻害剤として報告された(Munchhof, 2004)。
いくつかの刊行物は、カリウムチャネルに作用するものとして示される化合物を開示している。従って、US6531495は、2’−アミノメチルビフェニル−2−カルボキサミドを開示し、WO2002/100825は、抗不整脈薬としてアントラニル酸アミドを開示し、そして、WO2002/036556は、心臓血管薬としてアシルアミノアルキルベンゼンスルホンアミドを開示している。
カリウムチャネル阻害剤として、特に、カリウムチャネルKv1.5又はKv(ur)を阻害するために有用なチエノピリミジン化合物は、WO 2004/111057に報告されている。
発明の開示
本発明の第一の態様は、式(Ia):
Figure 2014509637

で表される化合物又はその薬学的に許容しうるエステルもしくは塩を提供する。
一実施態様において、該化合物は、式(Ib):
Figure 2014509637

で表される化合物である。
別の実施態様において、該化合物は、式(Ic):
Figure 2014509637

で表される化合物である。
別の実施態様において、式(Ia)の化合物は、式(Ib)の化合物と(Ic)の化合物の混合物を含む。さらなる実施態様において、式(Ia)の化合物は、式(Ib)の化合物と(Ic)の化合物のラセミ混合物を含む。別のさらなる実施態様において、式(Ia)の化合物は、エナンチオマー過剰率の式(Ib)の化合物又はエナンチオマー過剰率の式(Ic)の化合物を含む。
本発明の第二の態様は、少なくとも1つの上記化合物、及び場合により、1つ又は複数の薬学的に許容しうる賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。
本発明の化合物及び組成物は、心房細動などの心房における心臓の不整脈を処置するための、カリウムチャネルKv1.5又はKv(ur)を阻害するために特に有用なカリウムチャネル阻害剤である。本発明は、心臓の不整脈を処置することに限定されず、本化合物は、また、カリウムチャネル阻害を必要とする疾患を処置するために有用である(例えば、Shieh et al., 2000; Ford et al., 2002)。
従って、本発明の第三の態様は、有効量の少なくとも1つの本発明の化合物又は組成物を対象に投与することを含む、カリウムチャネル阻害の方法を提供する。本発明のこの態様は、カリウムチャネル阻害において使用するための本発明の化合物又は組成物をさらに提供する。また、本発明のこの態様は、カリウムチャネル阻害において使用するための医薬を製造するための本発明の化合物の使用をさらに提供する。本明細書において使用するように、「カリウムチャネル阻害の方法」及び「カリウムチャネル阻害における使用」は、カリウムチャネル機能の阻害に応答する障害を治療又は予防するための方法及び使用を含む。この障害は、不整脈でありうる。
本発明の化合物は、特に、有効性及び/又は選択性に関して、先行技術に勝る有利な特性を有する。
発明の詳細な説明
ラセミ混合物
「ラセミ混合物」は、式(Ib)の化合物と式(Ic)の化合物をほぼ等量含有する。言い換えれば、式(Ib)の化合物と式(Ic)の化合物の「ラセミ混合物」を含む化合物又は組成物は、該化合物のほぼ1:1又は50:50の混合物を含有する。
エナンチオマー過剰率
「エナンチオマー過剰率」の式(Ib)の化合物又は式(Ic)の化合物を含む化合物又は組成物は、そのエナンチオマーを他のエナンチオマーより多く含む(スカレミック混合物としても知られる)。
エナンチオマー過剰率とは、ある1つの化合物がその他の化合物より過剰であることであり、これは全体の百分率として表される。例えば、式(Ib)の化合物と式(Ic)の化合物の98:2混合物は、96%のエナンチオマー過剰率の式(Ib)の化合物を有する。従って、本発明の化合物及び組成物は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%以下(すなわち、エナンチオピュア、純度の検出限界以下)のエナンチオマー過剰率の式(Ib)の化合物を含みうる。あるいは、本発明の化合物及び組成物は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70 %、75%、80%、85 %、90%、95%又は100%以下のエナンチオマー過剰率の式(Ic)の化合物を含みうる。
R及びS命名法
本明細書において使用するように、用語「R」又は「S」異性体は、国際純正・応用化学連合(International Union of Pure and Applied Chemistry)(IUPAC)で採用されているCahn-Ingold-Prelog体系に従う、2つの可能なエナンチオマーを指す。従って、式(Ib)の化合物は、「S異性体」であり、式(Ic)の化合物は、「R異性体」である。
その薬学的に許容しうるエステル又は塩
用語「薬学的に許容しうるエステル」には、アルコール基の水素原子が置き換えられて、エステルを形成しうる(例えば、水素原子が、−C(O)C1−6アルキルにより置き換えられうる)本発明の化合物が含まれる。
用語「薬学的に許容しうる塩」には、薬学的に許容しうる非毒性の酸又は塩基(無機又は有機の酸及び塩基を含む)から調製される塩が含まれる。
本発明の化合物の薬学的に許容しうる酸付加塩には、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸、臭化水素酸及びヨウ化水素酸)、硫酸、硝酸及びリン酸などの無機酸の塩が含まれるが、これらに限定されない。また、本発明の化合物の薬学的に許容しうる酸付加塩には、有機酸の脂肪族、芳香族、カルボン酸及びスルホン酸クラスなどの有機酸の塩が含まれるが、これらに限定されない。それらの例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸又は酪酸などの脂肪族モノカルボン酸;乳酸、クエン酸、酒石酸又はリンゴ酸などの脂肪族ヒドロキシ酸;マレイン酸又はコハク酸などのジカルボン酸;安息香酸、p−クロロ安息香酸、フェニル酢酸、ジフェニル酢酸又はトリフェニル酢酸などの芳香族カルボン酸;o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、1−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸又は3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸などの芳香族ヒドロキシル酸;ならびにメタンスルホン酸、エタンスルホン酸又はベンゼンスルホン酸などのスルホン酸である。他の本発明の化合物の薬学的に許容しうる酸付加塩には、グリコール酸、グルクロン酸、フロン酸、グルタミン酸、アントラニル酸、サリチル酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、パントテン酸、ステアリン酸、スルファニル酸、アルギン酸(algenic acid)及びガラクツロン酸の塩が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の化合物の薬学的に許容しうる塩基性塩には、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩(例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム又はカルシウム塩)及び亜鉛又はアルミニウム塩などの金属塩が含まれるが、これらに限定されない。また、本発明の化合物の薬学的に許容しうる塩基性塩には、アンモニア又は薬学的に許容しうる有機アミンもしくは複素環塩基、例えば、エタノールアミン(例えば、ジエタノールアミン)、ベンジルアミン、N−メチル−グルカミン、アミノ酸(例えば、リシン)又はピリジンと形成された塩が含まれるが、これらに限定されない。
合成
式(I)の化合物は、下記のスキーム1に記載の経路を使用して、ラセミ体として、スカレミック混合物として、又はキラル的に純粋なエナンチオマーとして調製することもできる:
Figure 2014509637
これは、式(II)の化合物及びアミノエタノールから、WO2004/111057に開示されている合成経路と同様の「直線経路」を使用する、式(I)の化合物の調製を含む。典型的には、この反応は、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)又は2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)などのカップリング試薬を使用して、当業者によく知られた標準的な方法、例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリル又はジメチルホルムアミドなどの溶媒中、周囲温度〜還流温度の温度範囲での反応を用いて行われる。あるいは、式(I)の化合物は、式(III)の化合物から、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基及びN−メチルピロリジノンなどの溶媒の存在下、従来の加熱又はマイクロ波照射を用いて、2−クロロ置換基を式(IX)の化合物で置換することによって調製することもできる。
Figure 2014509637
式(II)の化合物は、式(III)の化合物から、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基及びN−メチルピロリジノンなどの溶媒の存在下、従来の加熱又はマイクロ波照射を用いて、2−クロロ置換基を市販のニペコチン酸で置換することによって調製することもできる。
Figure 2014509637
式(III)の化合物は、式(IV)の化合物から、2−アミノメチルピリジンによる求核置換反応によって、場合により、溶媒及び塩基の存在下、及び場合により、高温又はマイクロ波照射を用いて容易に合成される。好ましくは、溶媒(存在する場合)は、アルコール、好ましくは、エタノールであり、塩基は、トリエチルアミンなどの嵩高い窒素塩基である。反応は、周囲温度で行われる。
Figure 2014509637
式(IV)の化合物は、式(V)の化合物と塩素化試薬(フェニルホスホン酸ジクロリド又はオキシ塩化リンなど)との反応によって合成することもできる。
Figure 2014509637
式(V)の化合物は、式(VI)の化合物とシアン酸アルカリ金属、好ましくは、シアン酸カリウムとの反応によって合成することもできる。
Figure 2014509637
式(VI)の化合物は、「Gewald反応」によって調製することができ、その反応では、式(VII)の化合物を、塩基性条件下及びエタノールなどの適切な溶媒中で粉末硫黄と反応させる。好ましくは、塩基は、ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基)であり、溶媒は、アルコールであってもよく、好ましくは、エタノールであり、反応は、25〜65℃で行われる。
Figure 2014509637
式(VII)の化合物は、酸及び酢酸アンモニウムの存在下、トルエンなどの適切な溶媒中(場合により、共沸して水を除去して)、式(VIII)の化合物をシアノ酢酸エチル(NCCHCOEt)と共に加熱することによる、Knoevenagel縮合反応によって調製することができる。好ましくは、酸は、酢酸である。これは、アルキリデンシアノエステルを一対の(E及びZ)幾何異性体として与える。
Figure 2014509637
式(IX)の化合物は、式(X)の化合物から、ジクロロメタンなどの溶媒中、カルバミン酸t−ブチル(BOC)保護基を強酸で加水分解することによって調製することもできる。典型的には、酸は、トリフルオロ酢酸である。
Figure 2014509637
式(X)の化合物は、式(XI)の化合物及びアミノエタノールから調製することもできる。典型的には、この反応は、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)又は2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)などのカップリング試薬を使用して、当業者によく知られた標準的な方法、例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリル又はジメチルホルムアミドなどの溶媒中、周囲温度〜還流温度の温度範囲での反応を用いて行われる。
Figure 2014509637
医薬組成物
本明細書において考察するように、本発明の化合物は、様々な病状の処置に有用である。従って、本発明の第二の態様は、少なくとも1つの本発明の化合物、及び場合により、1つ又は複数の薬学的に許容しうる賦形剤を含む、医薬組成物又は製剤を提供する。
典型的な薬学的に許容しうる賦形剤には、以下:
・ 希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース及び/又はグリシン;
・ 潤滑剤、例えば、シリカ、タルカン、ステアリン酸、そのマグネシウムもしくはカルシウム塩及び/又はポリエチレングリコール;
・ 結合剤、例えば、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、デンプン粉、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び/又はポリビニルピロリドン;
・ 崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸もしくはそのナトリウム塩、又は起沸性混合物;及び/又は
・ 吸収剤、着色剤及び/又は甘味料
が含まれる。
本発明の組成物は、用量あたり所定量の各活性成分を含有する単位投与剤形で提供することもできる。そのような単位は、5〜100mg/日、好ましくは、5〜15mg/日、10〜30mg/日、25〜50mg/日、40〜80mg/日又は60〜100mg/日の本化合物を提供するように適合してもよい。本発明の化合物については、100〜1000mg/日、好ましくは、100〜400mg/日、300〜600mg/日又は500〜1000mg/日の範囲の用量が提供される。そのような用量は、単位用量で又はいくつかの別々の用量として提供することができる。最終的な用量は、処置される病状、投与経路ならびに患者の年齢、体重及び病状に依存し、そして、医師の判断によるであろう。
本発明の組成物は、任意の適当な経路、例えば、経口(頬部又は舌下を含む)、直腸、鼻腔内、局所(頬部、舌下又は経皮を含む)、膣内又は非経口(皮下、筋肉内、静脈内又は皮内を含む)経路で投与するように適合してもよい。そのような製剤は、薬学分野において公知の任意の方法、例えば、活性成分を担体又は賦形剤と会合させることにより調製することもできる。
経口投与に適合した医薬製剤は、カプセル剤又は錠剤;粉剤又は顆粒剤;水性又は非水性液体中の液剤又は懸濁剤;食用の泡剤又はホイップ剤;あるいは水中油型液体エマルジョン剤又は油中水型液体エマルジョン剤などの個別の単位として提供することもできる。
経皮投与に適合した医薬製剤は、長期間にわたり被験体の表皮と密接に接触し続けることを意図する個別のパッチとして提供することもできる。例えば、活性成分は、一般的にPharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986)に記載されるように、イオン導入によりパッチから送達させてもよい。
局所投与に適合した医薬製剤は、軟膏、クリーム剤、懸濁剤、ローション剤、粉剤、液剤、ペースト剤、ゲル剤、スプレー剤、エアロゾル又は油剤として製剤化することもできる。
眼又は他の外部組織、例えば、口腔及び皮膚への適用のために、製剤は、好ましくは、局所軟膏又はクリーム剤として適用される。軟膏中に製剤化する場合、活性成分は、パラフィン系又は水混和性の軟膏基剤と共に用いてもよい。あるいは、活性成分は、水中油型クリーム基剤又は油中水型基剤と共にクリーム中に製剤化してもよい。
眼への局所投与に適合した医薬製剤には、活性成分が適切な担体、特に、水性溶媒中に溶解又は懸濁されている、点眼薬が含まれる。
口腔中の局所投与に適合した医薬製剤には、ロゼンジ剤、トローチ剤及び口腔洗浄液が含まれる。
直腸投与に適合した医薬製剤は、坐剤又は浣腸剤として提供することもできる。
担体が固体である、鼻腔内投与に適合した医薬製剤には、例えば、20〜500ミクロンの範囲の粒径を有する粗粉剤が含まれ、これは、嗅剤を吸うように、すなわち、鼻に密接して保持された粉末の容器から鼻腔を介した急速な吸入によって投与される。担体が液体である、鼻腔内スプレー剤又は点鼻薬としての投与に適した製剤には、活性成分の水性又は油性液剤が含まれる。
吸入による投与に適合した医薬製剤には、様々なタイプの定量加圧エアロゾル、噴霧器又は吸入器によって発生させることができる、微粒子のダスト剤又はミスト剤が含まれる。
膣内投与に適合した医薬製剤は、ペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、泡剤又はスプレー製剤として提供することもできる。
非経口投与に適合した医薬製剤には、水性及び非水性の無菌の注射剤(酸化防止剤、緩衝剤、静菌薬、及び該製剤を意図する被験体の血液と等張にする溶質を含有してもよい);ならびに水性及び非水性の無菌の懸濁剤(懸濁化剤及び増粘剤を含んでもよい)が含まれる。製剤は、単位用量又は多用量容器、例えば、密閉アンプル及びバイアル中に提供することもでき、そして、使用直前に無菌の液体担体、例えば、注射用水を添加するだけでよい、凍結乾燥状態で保存することもできる。即時注射剤及び懸濁剤は、無菌の粉剤、顆粒剤及び錠剤から調製することもできる。
好ましい単位用量製剤は、本明細書において上述したような、活性成分の1日用量もしくは分割用量、又はそれらの適当な分画を含有する製剤である。
成分(特に、前述の)の他に、製剤はまた、当該製剤のタイプを考慮して、当技術分野において常用の他の成分を含むこともできることを理解すべきであり、例えば、経口投与に適する製剤は、香味剤を含むこともできる。
発明を実施するための形態
下記のプロトコールは、以下の調製:
1.「収束経路」を使用して製造したラセミ体(実施例1〜6)
2.「収束経路」を使用して製造したエナンチオマー(実施例1〜5及び7〜12)
3.「直線経路」を使用して製造したエナンチオマー(実施例1〜5及び13〜16)
を記載する。
エナンチオマーの合成及び決定
所望のエナンチオピュアな化合物は、特に、キラル中心を形成する工程及びそれに続く反応に関して、試薬を精選し、適当な実験条件及び順序を使用することによって得た。合成過程において、「直線経路」は、最後のアミド形成結合を、「収束経路」(良好な収率を与えるが、検出可能なラセミ化を伴う)とは対照的に、より低い温度で行うことができるので、ラセミ化する傾向が小さいことが認められた。
「直線経路」の場合、ニペコチン酸の純粋なエナンチオマーは、分割剤として1−(S)−カンファースルホン酸を使用する、安価な市販のラセミ体ニペコチン酸の古典的な分割によって得て、ee分析は、試料のBOC誘導体を形成した後に決定した。
エナンチオマーの純度は、キラルHPLCにより決定した。
分析方法
プロトン磁気共鳴(H NMR)スペクトルは、Varian 400MHz Mercury Plus分光計で記録した。スペクトルは全て、特に指定のない限りDMSO−d6で測定し、化学シフトは、内部標準のテトラメチルシラン(TMS)から低磁場の(シグマ)単位で報告し、そして、プロトン間のカップリング定数は、ヘルツ(Hz)で報告し、分裂パターンは、以下のように表示する:s、シングレット;d、ダブレット;t、トリプレット;q、カルテット;m、マルチプレット;br、ブロードピーク;dd、ダブルダブレット;dt、ダブルトリプレット;bs、ブロードシングレット;dq、ダブルカルテット。
IRスペクトルは、Perkin Elmer Spectrum One装置で測定した。
質量スペクトルは、Agilent 6310 Ion trap装置で測定した。
HPLC分析(方法(a))は、ZORBAX SB C-18(4.6×50mm)カラムを使用するWaters 2695システムで行った;
移動相:A:0.05%TFA(AQ)、B:0.05%TFA(MeCN);T%B:0/20、5/90、8/90、8.1/20;流速1.0mL/分;
キラルカラム:Chiralpak IC(4.6×250mm)5u、移動相:A:ヘキサン、B:EtOH(70:30);流速0.8ml/分を40分間かけて実行した。
融点は、EX-Melt装置(モデル:MPA120)で測定した。
あるいは、HPLC分析(方法(b))は、Waters 616流体操作システム、Waters 996フォトダイオードアレイ検出器で行った。
キラルカラム:Daicel Chiralpak AD-H(Chiral technologies)(244nmでのキラル純度を報告する);移動相80%ヘキサン:20%EtOH;流速0.8ml/分;温度40℃。
質量スペクトルは、Agilent 1100シリーズ装置(モデル:G1946C)で測定した。
本明細書に概説した情報を使用して、下記の化合物を合成することができるが、これらは単に例示を目的に提供される。本発明の化合物の薬理学的プロファイルは、本明細書において説明される手順及び技術ならびにFord et al., 2002において詳述される手順及び技術などのルーチン実験を用いて、当業者が容易に評価することができる。
実施例1
(Z)−2−シアノ−3−フェニル−ブタ−2−エン酸エチルエステル(VII)
Figure 2014509637

アセトフェノン(VIII)(180g、1.5mol)、シアノ酢酸エチル(170g、1.3mol)、酢酸アンモニウム(23.1g)、酢酸(72g)及びトルエン(300ml)の撹拌混合物を、共沸蒸留により反応物から水を除去しながら18時間加熱還流した。混合物を周囲温度まで放冷し、トルエン(100ml)を加え、次に、混合物を水(3×100ml)で洗浄した。合わせた水性洗浄物をトルエン(50ml)と振盪し、次に、合わせたトルエン溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、溶媒を真空下で除去した。残留油状物を減圧下で蒸留して、2−シアノ−3−フェニル−ブタ−2−エン酸エチルエステルを油状物(309g)として得て、これをさらに精製することなく使用した。
実施例2
2−アミノ−4−フェニル−チオフェン−3−カルボン酸エチルエステル(VI)
Figure 2014509637

2−シアノ−3−フェニル−ブタ−2−エン酸エチルエステル(513.25g、2.3mol)を、周囲温度で、エタノール(500ml)中の粉末硫黄(76g、2.3mol)の激しく撹拌した懸濁液に加えた。ジエチルアミン(200ml)を20分間かけて少しずつ加え、その間に反応物の温度が62℃まで昇温した。混合物を36℃まで放冷し、次に、これを50℃まで加熱し、その温度で撹拌を1時間続けた。この後、撹拌を中断し、デカンテーションによって未反応の硫黄から温かい溶液を取り出し、次に、これを周囲温度まで放冷した。得られた固体を濾過により回収して、少量の冷エタノールで洗浄し、真空下で乾燥させて、2−アミノ−4−フェニルチオフェン−3−カルボン酸エチルエステルを橙色の固体(195g)として得て、これをさらに精製することなく使用した。
実施例3
5−フェニル−1H−チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジオン(V)
Figure 2014509637

2−アミノ−4−フェニル−チオフェン−3−カルボン酸エチルエステル(2.0g、8.1mmol)及びシアン酸カリウム(Aldrich、2.0g、24.3mmol)を氷酢酸(VWR、20ml)に加え、周囲温度で18時間撹拌した。反応物を水(50ml)で希釈し、得られた沈殿物を濾過して、水で洗浄し、湿ったケーキにまで乾燥させた。固体を水(100ml)に懸濁し、濃水酸化ナトリウムを加えてアルカリ性(pH12〜14)にした。得られた懸濁液を撹拌しながら100℃で2時間加熱し、次に、周囲温度まで冷まして、氷酢酸を加えて酸性にした。得られた固体を濾過により回収して、水で洗浄し、真空下、40℃で乾燥させて、5−フェニル−1H−チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジオンを白色の固体として得た。収量=(1.1g、56%)。
実施例4
2,4−ジクロロ−5−フェニル−チエノ[2,3−d]ピリミジン(IV)
Figure 2014509637

5−フェニル−1H−チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジオン(1.07g、4.39mmol)及びフェニルホスホン酸ジクロリド(Aldrich、10ml、過剰)の撹拌混合物を150℃で7時間加熱し、次に、周囲温度で18時間静置した。得られた暗色の溶液を氷水に注ぎ、DCM(3×150ml)で抽出した。合わせた抽出物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(150ml)で洗浄して、乾燥(MgSO)させた。溶媒を真空下で除去し、油性残渣を40〜60℃の石油エーテルでトリチュレートして、2,4−ジクロロ−5−フェニル−チエノ[2,3−d]ピリミジンを淡黄色の固体として得た。収量=(0.82g、66%)。
実施例5
(2−クロロ−5−フェニル−チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピリジン−2−イルメチル−アミン(III)
Figure 2014509637

2,4−ジクロロ−5−フェニル−チエノ[2,3−d]ピリミジン(1.77g、6.3mmol)、2−アミノメチルピリジン(Aldrich、782μl、7.6mmol)及びトリエチルアミン(VWR、1.06ml、7.63mmol)の混合物をエタノール(30ml)中で3時間還流した。冷却して、反応物を水(300ml)に注ぎ、1時間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、水(2×30ml)で洗浄し、真空下、40℃で乾燥させて、(2−クロロ−5−フェニル−チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピリジン−2−イルメチル−アミンを淡黄色の固体として得た。収量=(1.55g、70%)。
ラセミ体−収束経路
実施例6
(ラセミ体)1−{5−フェニル−4−[(ピリジン−2−イルメチル)−アミノ]−チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル}−ピペリジン−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド(Ia)
Figure 2014509637

(2−クロロ−5−フェニル−チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピリジン−2−イルメチル−アミン(44mg、0.124mmol)、ピペリジン−3−カルボン酸(2−ヒドロキシエチル)アミド(Fluorochem、32mg、0.188mmol、1.5当量)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(Aldrich、0.188mmol)を、Biotageマイクロ波管中、N−メチルピロリジノン(1.5ml)に溶解し、200℃に加熱して、この温度で30分間維持した。冷却して、溶媒を真空下で除去した。残渣をDCM(2×10ml)でトリチュレートして、抽出物を合わせ、濃縮し、分取TLC(溶離剤、10%MeOH/DCM)により精製して、生成物を黄色の油状物として得て、これを静置しロウ状固体までゆっくり固化させた。このロウ状固体は、ジエチルエーテル中で1〜2時間撹拌することにより自由流動性の粉末物に変換することもできる(10ml中0.5g)。収量=18.3mg(30%)。
エナンチオマー−収束経路
実施例7
(S)−3−(2−ヒドロキシ−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2014509637

脱水DCM(10ml)中、(S)−ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(500mg、2.2mmol)、HATU(833mg、2.2mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(761μL、4.4mmol)を氷浴内で5分間、次に、室温で5分間撹拌した。エタノールアミン(198μL、3.28mmol)を加え、反応物を室温で3時間撹拌した。反応物をDCM(40ml)で希釈して、水(50ml)で洗浄し、DCM層を分離して、乾燥(MgSO)させて、濃縮した。残渣をシリカカラムで処理した(20g isolute)。溶離:MeOH/DCM 0〜5% 5CV、MeOH/DCM 5%〜5% 10CV、MeOH/DCM 5〜10% 5CV。TLCは、KMnOで可視化した。これから生成物を無色の油状物(327mg)として得た。
同様に調製した:
実施例8
(R)−3−(2−ヒドロキシ−エチルカルバモイル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
実施例9
(S)−ピペリジン−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド
Figure 2014509637

上記反応の生成物をTFA/DCM(1:1)中で2時間撹拌し、次に、真空下で油状物まで濃縮した。これをMeOH(5ml)に溶解し、5gのSCXカートリッジに装填した。カートリッジをMeOH(10ml)で洗浄し、次に、2M NH/MeOH(10ml)で生成物を溶離させた。フラクションを濃縮して、白色の固体を得た。収量=260mg。
同様に調製した:
実施例10
(R)−ピペリジン−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド
実施例11
(S)−1−{5−フェニル−4−[(ピリジン−2−イルメチル)−アミノ]−チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル}−ピペリジン−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド(Ib)
Figure 2014509637

上記実施例6と同様に、(S)−ピペリジン−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミドを(2−クロロ−5−フェニル−チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピリジン−2−イルメチル−アミンと反応させて、(S)−1−{5−フェニル−4−[(ピリジン−2−イルメチル)−アミノ]−チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル}−ピペリジン−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミドを黄色の泡状物(188mg)として得た。
同様に調製した:
実施例12
(R)−1−{5−フェニル−4−[(ピリジン−2−イルメチル)−アミノ]−チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル}−ピペリジン−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド(Ic)
エナンチオマー−直線経路を経由
実施例13
(S)−ニペコチン酸−(S)−カンファースルホン酸塩
市販のラセミ混合物からの(S)−ニペコチン酸のキラル分割
Figure 2014509637

アセトン(127kg)中の(S)−カンファースルホン酸(18kg、77mol)の溶液に、55〜58℃で、水(20kg)中の(R,S)−ニペコチン酸(10kg、77mol)の溶液を素早く投入した。固体が全て溶解するまで混合物を55〜58℃で維持した。溶液を20〜25℃までゆっくり冷却すると、塩が沈殿し、次に、一晩撹拌して、単離した。ジアステレオマー純度をさらに高めるために、得られた塩をアセトン(16kg)及び水(4kg)から55〜58℃で再結晶した。再度、温かい溶液を20〜25℃に冷却して、一晩撹拌し、単離して、精製(S)−ニペコチン酸−(S)−カンファースルホン酸塩(14kg)を得た。
実施例14
(S)−ピペリジン−3−カルボン酸塩酸塩
Figure 2014509637

(S)−ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(20kg、87.2mol)を酢酸(189kg)中でスラリーにし、15℃に冷却した。過剰の塩化水素ガス(9.6kg)を投入し、〜4時間撹拌して、脱保護を完了した。スラリーを単離し、フィルターケーキを酢酸(2×31.5kg)ですすいだ。次に、フィルターケーキを真空下で乾燥させて、生成物(14.4kg)を得た。
実施例15
(S)−1−{5−フェニル−4−[(ピリジン−2−イルメチル)−アミノ]−チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル}−ピペリジン−3−カルボン酸
Figure 2014509637

(2−クロロ−5−フェニル−チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピリジン−2−イルメチル−アミン(5.9kg、16.7mol)及び(S)−ニペコチン酸塩酸塩(4.15kg、25.1mol)をブチロニトリル(butyrolnitrile)(13.9kg)に溶解した。過剰のジイソプロピルエチルアミン(8.6kg、66.9mol)を加え、混合物を110℃で24〜48時間加熱して、反応を完了した。カップリングが完了したら(<2%のニペコチン酸が残留)、反応物を室温に冷まし、水(29kg)を投入した。25%水酸化ナトリウム水溶液(4.5L)で混合物のpHを〜10に調整し、層を分離した。生成物の水層を酢酸エチル(15.9L)で2回抽出し、次に、塩化メチレン(23.5kg)を水層に加え、濃塩酸(6.3kg)でpHを〜2.5に調整した。層を分離し、水層を塩化メチレン(2×15.7kg)で再抽出した。塩化メチレン層を合わせ、水(18kg)で洗浄し、次に、硫酸ナトリウム(5.9kg)で乾燥させて、次の工程(実施例16)で処理するために生成物を溶液で保持した。
実施例16
(S)−1−{5−フェニル−4−[(ピリジン−2−イルメチル)−アミノ]−チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル}−ピペリジン−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド(Ib)
Figure 2014509637

(S)−1−{5−フェニル−4−[(ピリジン−2−イルメチル)−アミノ]−チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル}−ピペリジン−3−カルボン酸溶液(7.4kg、16.63mol)(実施例15から)を0℃に冷却し、ジイソプロピルアミン(4.51kg、35mol)及びエタノールアミン(2.03kg、33.3mol)を加えた。反応温度を10℃未満に維持し、ベンゾトリアゾリル(bezotriazolyl)テトラメチルウロニウム−BF4(TBTU)(5.9kg、18.3mol)を少しずつ投入し、次に、カップリングが完了するまで〜5℃で撹拌した。次に、反応溶液を濾過して、TBTU塩を除去し、水(22.2L)、続いて、クエン酸/水酸化ナトリウム緩衝水溶液(pH〜5)(2.88kg、15mol)で2回、最後に、ブライン溶液(4L)で洗浄した。その後、混合物にブチロニトリル(17.4L)を投入し、部分的に揮散させると、ジアステレオマー生成物が沈殿した。スラリーを濾過して、ジアステレオ異性体を除去し、濾液を〜1/2容量までさらに揮散させた。この混合物にヘプタン(30.4L)を投入して、生成物を沈殿させ、スラリーを室温まで冷ました。スラリーを濾過し、ヘプタン(10.1L)ですすいで、真空下で乾燥させて、生成物(4.1kg)を得た。
(R)−1−{5−フェニル−4−[(ピリジン−2−イルメチル)−アミノ]−チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル}−ピペリジン−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド(Ic)は、実施例13〜16と同様の経路に従って調製することもできる。
実施例17
上記実施例で表される化合物の解析データを下記の表に示す。
Figure 2014509637

Figure 2014509637
実施例18
Kv1.5の電気生理学法
Kv1.5カリウムチャネルに対する本発明の化合物の阻害能を、全細胞パッチクランプ実験にて、対象のチャネルを発現する組換え細胞を使用した電気生理学実験で計測した。
外部槽溶液は、150 NaCl、10 KCl、3 MgCl、1 CaCl、10 HEPES(pH7.4)(mM)を含有する。パッチピペットに組成物の電極液(160 KCl、0.5 MgCl、10 HEPES、1 EGTA、KOHによりpH7.2)(mM)を満たした。
化合物をDMSO(100%)に溶解し、外部槽中にて新たに所望の濃度で作製した(最終DMSO濃度=0.1%)。実験は全て室温で実施した。
全細胞パッチクランプ研究では、細胞(hKv1.5で安定的にトランスフェクトしたCHO)をガラスカバースリップ上に播種した後、記録を行った。単離細胞をパッチクランプ実験で選択可能な密度で、無菌の30mmペトリディッシュに細胞を播種した。使用するまで、ディッシュを加湿インキュベーター(5%COガス)にて37℃で保存した。
膜電流の全細胞パッチクランプ記録法は、パッチ電極と細胞の間にギガオームシールを形成した後、Pulseソフトウェア(Ver8.5x/8.6x, HEKA, Germany)で制御したHEKA EPC-9/10増幅器を使用して行った。細胞を播種したカバースリップを、倒立顕微鏡のステージ上に取り付けられた記録チャンバー内に置いた。実験の間、対象の細胞を、細胞に近接して置かれたカニューレを介して送達される槽溶液で連続的に灌流して、細胞外液環境を制御できるようにした。電流>500pAの細胞のみを実験に使用した。実験の間、総直列抵抗は10MΩを越えず、70%以上に補正した。リーク減算は、PulseのP/nプロトコールを使用してオンラインで実施した。
電気生理学の電圧ステッププロトコール及びデータ解析を以下のように実施した。データを5kHzで取得し、2.5kHzの−3dBバンド幅でフィルタリングした。細胞を−80mVの電圧で保持した。電圧ステップを0mV(900ms)に脱分極することによって電流を惹起させた後、最初に−40mV(100ms)に再分極して、−80mVに戻した。実験を通して、指令波形を5秒毎に繰り返し印加した。0mVまでの脱分極ステップの75〜95%の間の平均電流を、Pulsefitソフトウェア(v8.x, HEKA, Germany)を使用して解析した。電圧プロトコールを適用して、槽内の安定な電流ベースラインを達成した後、カニューレを介して試験物質を灌流した。輸液交換には、約15秒必要であった。試験物質を平衡化させ、その間に、電圧プロトコールを繰り返し適用し、記録した。試験物質の存在下での電流の阻害率を、対照の投薬前の値(pre-drug value)に対して相対的に計算した。
Figure 2014509637
実施例19
選択性のスクリーニング
本発明の化合物及び比較化合物を下記のアッセイでスクリーニングした:
1.Nav1.5;異種hNav1.5cDNAで安定的にトランスフェクトしたhNav1.5電流を発現するCHO細胞を使用して、Sophion QPatchでスクリーニングした。
2.Kv4.3;異種Kv4.3cDNAで安定的にトランスフェクトしたhKv4.3電流を発現するCHO細胞を使用して、手動全細胞パッチクランプによりスクリーニングした。
3.hERG;異種hERGcDNAで安定的にトランスフェクトしたhERG電流を発現するHEK293細胞を使用して、手動全細胞パッチクランプによりスクリーニングした。
4.Kir3.1/3.4;異種rKir3.1及びrKir3.4cDNAで安定的にトランスフェクトしたrKir3.1/3.4電流を発現するHEK293細胞を使用して、手動全細胞パッチクランプによりスクリーニングした。
5.KCNQ1;異種hKCNQ1/hminkcDNAで安定的にトランスフェクトしたhKCNQ1/hmink電流を発現するCHO細胞を使用して、手動全細胞パッチクランプによりスクリーニングした。
6.Kir2.1;異種hKir2.1cDNAで安定的にトランスフェクトしたhKir2.1電流を発現するHEK293細胞を使用して、手動全細胞パッチクランプによりスクリーニングした。
7.Cav1.2;異種hCav1.2cDNAで安定的にトランスフェクトしたhCav1.2電流を発現するGH3細胞又はHEK293細胞を使用して、スクリーニングした。
上記イオンチャネルと比較したKv1.5の選択性の比率を下記に示す:
Figure 2014509637
実施例20
解離ヒト心房筋細胞におけるIKur電流の阻害
ヒト心房筋細胞の単離
ヒト心耳(左右のどちらか)の標本は、様々な心臓外科手術を受けた患者から得た。Local Research Ethical Approval Committeeの承認に従って、Papworth Hospital NHS Trust, Cambs. UK.の同意した患者から組織を得た。筋細胞の機械−酵素的単離は、Wang et al. (1993)及びDobrev et al. (2005)によって記載されるような改変プロトコールを用いて実施した。使用するまで、単離した筋細胞を改変「Krafte-bruhe」(KB)溶液に懸濁した。
記録システム
筋細胞を、倒立顕微鏡のステージ上に取り付けられた、ガラスカバースリップベースを備えた小容量記録チャンバー内に置いた。実験の間、対象の細胞を、細胞に近接して置かれたカニューレを介して送達される槽溶液で連続的に灌流して、細胞外液環境を制御できるようにした。膜電流の全細胞パッチクランプ記録法は、パッチ電極と筋細胞の間にギガオームシールを形成した後、HEKA EPC-9/10増幅器を使用して行った。ガラスパッチピペットをホウケイ酸ガラスから作製した。線状の横紋筋細胞だけを選択して使用した。Pulseソフトウェアを使用して、電気容量及び直列抵抗を補正した。Pulseソフトウェアを使用して電圧クランプ指令を発生させ、PCのハードディスクにデータを記録した。リーク減算は実施せず、有意なリークを有する細胞を不採用にした。実験は室温で実施した。他のイオン電流からの混入を最小限にするために、実験溶液には、10mM塩化テトラエチルアンモニウム(I)、100nMアトロピン(IK,ACh)、200μM CdCl(ICa,L;及びICl,Ca)、0.5mM BaCl(IK1及びIKACh)を含有させた。遮断薬は、IKurに影響を与えないと予想される濃度で使用した。ナトリウム電流(INa)は、塩化コリンベースの槽を使用することにより抑制した。電圧ステップの脱分極を10秒毎に適用して、過度的及び持続的成分からなる外向きのカリウム電流を誘発した。300μM 4−APに感受性が高い持続電流を、超高速遅延整流電流、IKurとして定義した。
Figure 2014509637
略語
HGNC HUGO遺伝子命名委員会
Kv(ur) 心臓の超高速遅延整流
CHO チャイニーズハムスター卵巣細胞
IP イノシトール三リン酸
CRAC Ca2+放出活性化Ca2+電流
DMEM ダルベッコ改変イーグル培地
DMSO ジメチルスルホキシド
FCS ウシ胎仔血清
EBSS アール平衡塩溶液
WCPC 全細胞パッチクランプ
HEK293 ヒト胚腎臓293細胞
Figure 2014509637

Figure 2014509637

Figure 2014509637

Figure 2014509637

Figure 2014509637

Claims (15)

  1. 式(Ia):
    Figure 2014509637

    で表される化合物又はその薬学的に許容しうるエステルもしくは塩。
  2. 式(Ib):
    Figure 2014509637

    で表される化合物である、請求項1に記載の化合物。
  3. 式(Ic):
    Figure 2014509637

    で表される化合物である、請求項1に記載の化合物。
  4. 式(Ia)の化合物が、式(Ib)の化合物と(Ic)の化合物の混合物を含む、請求項1に記載の化合物。
  5. 式(Ia)の化合物が、式(Ib)の化合物と(Ic)の化合物のラセミ混合物を含む、請求項4に記載の化合物。
  6. 式(Ia)の化合物が、エナンチオマー過剰率の式(Ib)の化合物を含む、請求項4に記載の化合物。
  7. 式(Ia)の化合物が、エナンチオマー過剰率の式(Ic)の化合物を含む、請求項4に記載の化合物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に請求される少なくとも1つの化合物、及び場合により、1つ又は複数の薬学的に許容しうる賦形剤を含む、医薬組成物。
  9. 治療において使用するための、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物又は組成物。
  10. 有効量の少なくとも1つの請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物又は組成物を対象に投与することを含む、カリウムチャネル阻害の方法。
  11. 不整脈を治療又は予防するための方法である、請求項10に記載の方法。
  12. カリウムチャネル阻害において使用するための、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物又は組成物。
  13. 不整脈の治療又は予防において使用するための化合物又は組成物である、請求項12に記載の化合物又は組成物。
  14. カリウムチャネル阻害において使用するための医薬を製造するための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  15. 医薬が、不整脈の治療又は予防において使用するための医薬である、請求項14に記載の使用。
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