JP2014226990A - 車両用ホイール - Google Patents
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Abstract
Description
このホイールは、ウェル部の外周面に立設される縦壁に、前記外周面の周方向に延びるように形成される第1の縦壁面と、ウェル部の一方の立上り部に周方向に延びるように形成され、第1の縦壁面と前記外周面の幅方向で対向する第2の縦壁面と、を備えている。また、第1の縦壁面と第2の縦壁面のそれぞれには周方向に延びる溝部が形成され、副気室部材は、第1の縦壁面と第2の縦壁面との間に嵌まり込んでいる。
しかしながら、副気室の容積が減少すると、副気室部材はタイヤ空気室の気柱共鳴音に対する消音効果が低下してタイヤ空気室の気柱共鳴音に起因するロードノイズを十分に低減できなくなる問題を生じる。
この車両用ホイールは、ウェル部に係止させる副気室部材の一対の縁部のうち、一方の縁部の長さを他方の縁部の長さよりも短くしたことを主な特徴とする。以下では、車両用ホイールの全体構成について説明した後に、副気室部材について詳細に説明する。
車両用ホイール100は、図1に示すように、リム11と、このリム11をハブ(図示省略)に連結するためのディスク12とを備えている。
リム11は、図1に示すホイール幅方向Yの両端部に形成されるタイヤのビードシート部(図示省略)同士の間で、ホイール径方向の内側(回転中心側)に向かって凹んだウェル部11cを有している。
図2は、副気室部材10の全体斜視図である。
副気室部材10は、図2に示すように、一方向に長い部材であって、内側に後記する副気室SC(図4参照)を有する中空の本体部13と、縁部14a,14bと、を備えている。
なお、縁部14aは、特許請求の範囲にいう「第1の縁部」に相当し、縁部14bは、特許請求の範囲にいう「第2の縁部」に相当する。
図3(a)に示すように、副気室部材10は、平面視で長い矩形を呈している。本体部13の平面形状は、管体18の形成領域(後に詳しく説明する結合部35の形成領域を含む)を合わせると、副気室部材10の平面形状よりも一回り小さい略矩形を呈している。
内側に後記する副気室SC(図4参照)が形成される本体部13、つまり管体18及び結合部35を除く本体部13は、図3(a)に示す上面視(平面視)で略ハット形状(略凸字形状)を呈している。
ちなみに、これら溝D1及び溝D2は、上板25aと底板25bとを部分的に結合させて後記の仕切り壁W(図4参照)を構成しており、この仕切り壁Wが本体部13の中空部を二分することで、本体部13内には後記する一対の副気室SC(図4参照)が形成される。
図3(a)中、符号26は、後に詳しく説明する突出部である。符号33aは、上側結合部であり、図3(b)中、符号30は、ビードであり、符号33bは、下側結合部である。これら上側結合部33a、ビード30、及び下側結合部33bについては、次の図4及び図5を参照しながら説明する。
図4及び図5に示すように、副気室部材10の本体部13は、底板25bと、この底板25bとの間に副気室SCを形成する上板25aとを備えている。なお、本実施形態での上板25a及び底板25bを構成する樹脂材料のそれぞれは、同じ厚さとなっているが、これらの厚さは相互に異なっていてもよい。
ちなみに、ホイール周方向Xに延在する管体18の連通孔20は、図4に示すように、ホイール周方向Xの一端側で副気室SCと連通し、他端側で外部に開口している。
連通孔20の断面形状は、特に制限はなく、楕円形、円形、多角形、D字形状等のいずれであってもよい。連通孔20の直径は、断面が円形の場合には、5mm以上が望ましい。また、円形以外の断面形状の連通孔20は、その断面積で同じ断面積の円形に換算して直径5mm以上のものが望ましい。
f0(Hz):共鳴振動周波数
C(m/s):副気室SC内部の音速(=タイヤ空気室MC内部の音速)
V(m3):副気室SCの容積
L(m):連通孔20の長さ
S(m2):連通孔20の開口部断面積
α:補正係数
なお、前記共鳴振動周波数f0は、タイヤ空気室MCの共鳴振動周波数に合わせられる。
これらの下側結合部33bは、底板25bが上板25a側に向かって窪むように形成されたものであり、平面視で円形を呈している。これらの下側結合部33bは、その先端部が、上板25aの上側結合部33aの先端部と一体になって、上板25aと底板25bとを部分的に結合している。
ちなみに、副気室SC内で相互に結合された上側結合部33aと下側結合部33bは、副気室部材10の機械的強度を向上させると共に、副気室SCの容積の変動を抑制して後記する消音機能を、より効果的に発揮させる構成となっている。
なお、本発明においては、このような上側結合部33a及び下側結合部33bを有しない構造とすることもできる。
そして、前記したように、副気室部材10は、仕切り壁Wを境に2つのヘルムホルツレゾネータ19a,19b同士が一体に形成された構成となっている。
なお、仕切り壁Wは、本体部13の中空部を仕切って2つ副気室SCを形成することができればよく、例えば、溝D2を形成することなく溝D1のみで上板25aと底板25bとを接合して形成したものでもよい。また、仕切り壁Wは、溝D1を形成することなく溝D2のみで上板25aと底板25bとを接合して形成したものでもよい。
結合部35は、図4及び図5に示すように、膨出部分13bと管体18との間で上板25aと底板25bとが部分的に一体となるように接合されて形成されたものである。
具体的には、結合部35は、図5に示すように、本体部13の全幅部分13aのホイール周方向Xの端部で上板25aと底板25bとが接合されて1つになって基端35aを形成している。また、結合部35は、この基端35aからホイール周方向Xに向けて延出する途中でホイール径方向Zの外側に突出する屈曲部を形成する屈曲板体で構成されている。ちなみに、本実施形態での結合部35の基端35aと先端35bとは、底板25bと同じ高さで(ホイール周方向Xの同じ湾曲面上に)形成されている。
図6に示すように、縁部14a及び縁部14bは、前記したように、上板25a及び底板25bで形成される本体部13からホイール幅方向Yに延出するように形成されている。
図6中、符号SCは、副気室であり、符号MCは、図示しないタイヤとウェル部11cとの間に形成されるタイヤ空気室である。符号26は、縦壁15の切欠き部15aに嵌め込まれる突出部である。
図7(a)に示すように、突出部26は、副気室部材10の縁部14aの先端において、ホイール径方向Zの外側(矢印Zの上方)に突出するように形成される切片(ホイール周方向Xに長い直方体)で構成されている。この突出部26のホイール周方向Xの幅は、縦壁15に形成される切欠き部15aに収まる程度の幅で形成されている。
これにより、突出部26は、副気室部材10が縁部14aを介して縦壁15に係止された際に、縦壁15の切欠き部15aに嵌り込むことで、副気室部材10のホイール周方向Xへの回り止めとして機能する。
図8(a)は本発明の実施形態に係る車両用ホイール100において副気室部材10がウェル部11c上に配置された様子を示す模式図であり、(b)は他の実施形態に係る車両用ホイール100において副気室部材10がウェル部11c上に配置された様子を示す模式図である。
符号Bは、カウンタウエイトであり、ウェル部11cに副気室部材10を取り付けたことによって生ずるホイールアンバランス(静バランス)を相殺するものである。
なお、本実施形態でウェル部11cに対する副気室部材10の取付けには、図9(a)及び(b)に示すように、溝部17a寄りの位置で縁部14aをウェル部11cの外周面11dに向けて押圧するプッシャ(押圧装置)60を使用することを想定している。
なお、図9(a)及び(b)中、プッシャ60は、作図の便宜上、仮想線(二点鎖線)で示している。
そして、図9(a)中、仮想線で示すプッシャ60が長さの長い縁部14aに当てられる。符号11dは、ウェル部11cの外周面である。
この際、バネ弾性を有する長さの長い縁部14aは、プッシャ60の押圧力の大きさに応じて撓むこととなる。
この車両用ホイール100によれば、縁部14a(第1の縁部)と縁部14b(第2の縁部)のうちの一方の縁部14b(第2の縁部)のホイール幅方向Yの長さを他方の縁部14a(第1の縁部)のホイール幅方向Yの長さよりも短くしたので、左右対称で同じ長さの第1及び第2の縁部を有する従来のもの(例えば、特許文献1参照)に比べ、長さの短い一方の縁部14b(第2の縁部)側に副気室SCを拡張することができる。これにより、車両用ホイール100は、ホイール径やホイール幅が減少した場合でも、副気室SCの容積の必要量を確保することができるようになる。そして、この車両用ホイール100によれば、副気室SCの容積が減少することによってタイヤの気柱共鳴音に対する消音効果が低下して、ロードノイズを十分に低減できなくなるという問題を解消することができる。
前記実施形態では、縁部14aの長さL1よりも短い長さL2の縁部14b側を第2の縦壁面16bに部分的に係止させた状態で、縁部14a全体をプッシャ60で押圧することを想定しているが、本発明は縁部14aの長さL1を縁部14bの長さL2よりも短くし、縁部14aを第1の縦壁面16aに部分的に係止させた状態で、縁部14b全体をプッシャ60で押圧する構成とすることもできる。
10a 第1の副気室部材
10b 第2の副気室部材
11c ウェル部
11d 外周面
13 本体部
13a 全幅部分
13b 膨出部分
14a 縁部(第1の縁部)
14b 縁部(第2の縁部)
15 縦壁
15a 切欠き部
16a 第1の縦壁面
16b 第2の縦壁面
17a 溝部
17b 溝部
18 管体
19a ヘルムホルツレゾネータ
19b ヘルムホルツレゾネータ
19c ヘルムホルツレゾネータ
19d ヘルムホルツレゾネータ
20 連通孔
20a 連通孔
20b 連通孔
20c 連通孔
20d 連通孔
25a 上板
25b 底板
26 突出部
35 結合部
60 プッシャ
100 車両用ホイール
MC タイヤ空気室
SC 副気室
X ホイール周方向
Y ホイール幅方向
W 仕切り壁
Z ホイール径方向
Claims (2)
- タイヤ空気室内でヘルムホルツレゾネータとしての副気室部材をウェル部の外周面に有する車両用ホイールであって、
前記ウェル部の前記外周面に立設された縦壁に前記外周面の周方向に延びるように形成される第1の縦壁面と、
前記ウェル部の一方の立上り部に前記周方向に延びるように形成され、第1の縦壁面と前記外周面の幅方向で対向する第2の縦壁面と、
を備え、
第1の縦壁面と第2の縦壁面のそれぞれに前記周方向に延びる溝部が形成され、
前記副気室部材は、
第1の縦壁面と第2の縦壁面との間に嵌まり込み、
副気室と、前記副気室を前記タイヤ空気室に連通する連通孔と、からなる樹脂製の本体部と、
前記本体部から第1の縦壁面に向けて延出すると共に前記周方向に延びるように形成され、第1の縦壁面の前記溝部に係止される第1の縁部と、
前記本体部から第2の縦壁面に向けて延出すると共に前記周方向に延びるように形成され、第2の縦壁面の前記溝部に係止される第2の縁部と、
を備え、
第1の縁部と第2の縁部のうちの一方の縁部を、当該一方の縁部側の前記縦壁面の前記溝部に部分的に係止させた状態で、第1の縁部と第2の縁部のうちの他方の縁部全体を前記外周面側に押圧することにより前記一方の縁部全体を、当該一方の縁部側の前記縦壁面の前記溝部に係止させると共に、前記他方の縁部全体を、当該他方の縁部側の前記縦壁面の前記溝部に係止させて、前記副気室部材を前記外周面に固定するものにおいて、
前記一方の縁部の前記幅方向の長さを前記他方の縁部の前記幅方向の長さよりも短くしたことを特徴とする車両用ホイール。 - 請求項1に記載の車両用ホイールにおいて、
ホイール回転中心を挟んで一対の前記副気室部材を互いに対向するように配置したことを特徴とする車両用ホイール。
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