JP5819340B2 - 車両用ホイール - Google Patents
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Description
この車両用ホイールは、2つのヘルムホルツレゾネータが一体化した副気室部材をウェル部の外周面に2組有しており、タイヤ空気室に連通するように各ヘルムホルツレゾネータに設けられる連通孔(合計4つの連通孔)がホイール回転中心周りに略90°の角度間隔で配置されていることを主な特徴とする。なお、ここで略90°とは厳密な意味での90°に誤差範囲を含む角度を許容することを意味している(以下「略90°」についてこれと同じ)。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用ホイール1の斜視図である。
本実施形態の車両用ホイール1は、後に詳しく説明するように、第1のヘルムホルツレゾネータ19a及び第2のヘルムホルツレゾネータ19b(図5参照)が一体に形成された第1の副気室部材10aと、第3のヘルムホルツレゾネータ19c及び第4のヘルムホルツレゾネータ19d(図5参照)が一体に形成された第2の副気室部材10bと、をホイール周方向Xに等間隔(ホイール回転中心周りに180°の角度間隔)となるように設けて構成されている。そして、本実施形態の車両用ホイール1は、前記のとおり、4つの前記ヘルムホルツレゾネータ19a,19b,19c,19d(図5参照)の各連通孔20a,20b,20c,20d(図5参照)がホイール回転中心周りに略90°の角度間隔で配置されている。
リム11は、図1に示すホイール幅方向Yの両端部に形成されるタイヤのビードシート部(図示省略)同士の間で、ホイール径方向の内側(回転中心側)に向かって凹んだウェル部11cを有している。
なお、図1中、符号Yは、ホイール幅方向を示す矢印である。
副気室部材10は、図2に示すように、一方向に長い部材であって、後記する中空部を有する本体部13と、連通孔20が形成される一対の管体18と、縁部14とを備えている。そして、副気室部材10の長手方向(ホイール周方向X)は、ウェル部11c(図1参照)の外周面11d(図1参照)に沿うように湾曲している。
そして、一対の管体18に形成される連通孔20のそれぞれは、これら2つの副気室SC(図4参照)を個別に外部と連通させることとなる。なお、図2中、符号33aは、後記する上側結合部である(図3参照)。
図3に示すように、副気室部材10の本体部13は、底板25bと、この底板25bとの間に副気室SCを形成する上板25aとを備えている。なお、本実施形態での上板25a及び底板25bのそれぞれは、同じ厚さとなっているが、これらの厚さは相互に異なっていてもよい。
上板25aには、本体部13を構成する部分に、上側結合部33aが形成されている。この上側結合部33aは、上板25aが副気室SC側に向かって窪むように形成されたものであり、平面視で円形を呈している。この上側結合部33aは、図2に示すように、副気室部材10の長手方向(ホイール周方向X)に沿って本体部13の中央線上で1列に並ぶように10個形成されている。
これらの底側結合部33bは、底板25bが副気室SC側に向かって窪むように形成されたものであり、平面視で円形を呈している。これらの底側結合部33bは、その先端部が、上板25aの上側結合部33aの先端部と一体になって、上板25aと底板25bとを結合している。
なお、本発明においては、このような上側結合部33a及び底側結合部33bを有しない構造とすることもできる。
副気室部材10は、前記のように、本体部13の内側が仕切り壁Wで2つの副気室SCに仕切られている。
ちなみに、仕切り壁Wは、前記したように上板25aが本体部13の内側に窪むように溝D1が形成されたことによって、上板25aと底板25bとが部分的に一体となるように結合して形成されたものである。更に詳しく説明すると、本実施形態での仕切り壁Wは、この溝D1と対応するように底板25bが本体部13の内側に窪むように溝D2が形成され、これらの溝D1,D2により上板25aと底板25bとが部分的に一体となるように接合されて形成されている。
つまり、副気室部材10は、一対の管体18に形成された連通孔20のそれぞれが2つの副気室SCを個別に外部と連通させることで、仕切り壁Wを境に2つのヘルムホルツレゾネータ19,19同士が一体に形成された構成となっている。
連通孔20の断面形状は、特に制限はなく、本実施形態では楕円形(図2参照)となっているが、円形、多角形等のいずれであってもよい。連通孔20の直径は、断面が円形の場合には、5mm以上が望ましい。また、円形以外の断面形状の連通孔20は、その断面積で同じ断面積の円形に換算して直径5mm以上のものが望ましい。
f0(Hz):共鳴振動周波数
C(m/s):副気室SC内部の音速(=タイヤ空気室MC内部の音速)
V(m3):副気室SCの容積
L(m):連通孔20の長さ
S(m2):連通孔20の開口部断面積
α:補正係数
なお、前記共鳴振動周波数f0は、タイヤ空気室MCの共鳴振動周波数に合わせられる。
また、図2に示すように、ホイール周方向Xに本体部13から延出する縁部14c及び縁部14dと、ホイール周方向Xと直交する方向(ホイール幅方向Y)に本体部13から延出する縁部14a及び縁部14bとによって縁部14は構成されている。つまり、縁部14(14a,14b,14c,14d)は、本体部13を囲むように本体部13から周囲に延出している板状体で形成されている。
ちなみに、第1の縦壁面16aは、縦壁15のホイール幅方向Yの内側(図3の紙面左側)の側面で規定される。また、第2の縦壁面16bは、第1の縦壁面16aと対向するウェル部11cの側面部11eに規定される。また、溝部17a,17bは、ウェル部11cの外周面11dの周方向に沿って形成されて環状の周溝を形成している。本実施形態での縦壁15及び側面部11eは、リム11を鋳造する際にウェル部11cと一体に成形され、溝部17a,17bは、縦壁15及び側面部11eのそれぞれに機械加工を施して形成される。
車両用ホイール1は、前記のように、2つのヘルムホルツレゾネータ19,19(図4参照)が一体化した副気室部材10(図4参照)をウェル部11c(図1参照)の外周面11d(図1参照)に2組有している。
図5は、1組の副気室部材10である第1の副気室部材10a及び第2の副気室部材10b、並びに各々の連通孔20a,20b,20c,20dの位置を模式的に示す側面図である。
本実施形態に係る車両用ホイール1は、ホイール周方向Xに略90°の角度間隔で配置される連通孔20a,20b,20c,20dをそれぞれ有する第1から第4のヘルムホルツレゾネータ19a,19b,19c,19dの4つのヘルムホルツレゾネータ19をウェル部11cに備えながらも第1及び第2のヘルムホルツレゾネータ19a,19b同士が一体化された第1の副気室部材10aと、第3及び第4のヘルムホルツレゾネータ19c,19dが一体化された第2の副気室部材10bとの2部材がウェル部11cに配置される構成となっている。そのため、車両用ホイール1によれば、従来の4つのヘルムホルツレゾネータ(4つの副気室部材)を備える車両用ホイール(例えば、特許文献1参照)と同様に消音むらの発生を防止して気柱共鳴音によるロードノイズ、加振を十分に抑制することができると共に、従来の車両用ホイール(例えば、特許文献1参照)と異なって、ウェル部11cに配置される副気室部材を4つから2つに減じることができる。よって、この車両用ホイール1は、優れた消音効果に加えて、製造コストの低減、製造工程の簡素化、ホイール重量の低減を達成することができる。
本発明においては、副気室部材10の一対の連通孔20はホイール回転中心Ax周りに略90°の角度間隔で離間していれば連通孔20の形成位置については制限がない。
図6(a)及び(b)は、連通孔20の形成位置を模式的に示す図であり、副気室部材10を長手方向の曲率に沿う曲面で切断した模式断面図である。
また、連通孔20は、図6(b)に示すように、副気室部材10の上側(図3に示す上板25a側)に開口する構成とすることもできる。
このような連通孔20を有する副気室部材10は、管体18が副気室部材10のホイール幅方向Yの中央部寄りに配置されることとなるので、ホイールアンバランス(動アンバランス)を低く抑えることができる。
なお、図6(a)及び(b)中、符号19は、ヘルムホルツレゾネータであり、符号SCは、副気室である。
図7(a)から(c)は、仕切り壁Wを介してホイール幅方向Yに2つの副気室SCが並ぶように2つのヘルムホルツレゾネータ19を一体化した副気室部材10の模式図であり、副気室部材10を長手方向の曲率に沿う曲面で切断した模式断面図である。
これにより、副気室部材10の2つのヘルムホルツレゾネータ19は、仕切り壁Wを介してホイール幅方向Yに互いに並ぶように一体化している。
ちなみに、このような副気室部材10は、樹脂で形成されるものを想定している。
10 副気室部材
10a 第1の副気室部材
10b 第2の副気室部材
11c ウェル部
11d ウェル部の外周面
13 本体部
14(14a,14b,14c,14d) 縁部
19 ヘルムホルツレゾネータ
19a 第1のヘルムホルツレゾネータ
19b 第2のヘルムホルツレゾネータ
19c 第3のヘルムホルツレゾネータ
19d 第4のヘルムホルツレゾネータ
20(20a,20b,20c,20d) 連通孔
25a 上板
25b 底板
W 仕切り壁
X ホイール周方向
Y ホイール幅方向
Ax ホイール回転中心
SC 副気室
MC タイヤ空気室
Claims (2)
- タイヤ空気室と連通孔を介して連通する副気室を有するヘルムホルツレゾネータを4つ備え、
4つの前記ヘルムホルツレゾネータの各連通孔がホイール回転中心周りに略90°の角度間隔で配置される車両用ホイールであって、
4つの前記ヘルムホルツレゾネータは、そのうちの2つの前記ヘルムホルツレゾネータからなる第1の組と、残りの2つの前記ヘルムホルツレゾネータからなる第2の組とからなり、
前記第1の組の前記ヘルムホルツレゾネータ同士は一体に形成されて第1の副気室部材を構成し、
前記第2の組の前記ヘルムホルツレゾネータ同士は一体に形成されて第2の副気室部材を構成し、
前記タイヤ空気室内に配置される前記第1の副気室部材及び前記第2の副気室部材の各々は、内側に形成される中空部が2つの副気室に仕切られる本体部と、前記本体部を囲むように当該本体部から周囲に延出する板状体で形成される縁部と、2つの前記副気室を個別に前記タイヤ空気室に連通する連通孔と、を備え、
前記本体部は、当該本体部を横切るように延びる溝部で前記中空部が2つに仕切られ、
前記縁部は、前記本体部における前記溝部の端部に対応した箇所にも当該本体部に沿うように連続して形成されていることを特徴とする車両用ホイール。 - 請求項1に記載の車両用ホイールにおいて、
前記第1の副気室部材及び前記第2の副気室部材は、互いにホイール回転中心を挟んで対向するように前記タイヤ空気室内に配置されることを特徴とする車両用ホイール。
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