JP5091748B2 - 車両用ホイール - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ空気室内の気柱共鳴(空洞共鳴)に伴う騒音を低減する車両用ホイールに関するものである。
一般に、タイヤの空気室(以下、「タイヤ空気室」という。)内で生じる気柱共鳴が、自動車のロードノイズの要因となることが知られている。気柱共鳴とは、路面からタイヤに伝わるランダムな振動がタイヤ空気室内の空気を振動させ、その結果、タイヤ空気室の気柱共鳴周波数付近で共鳴現象が起こり、共鳴音が発生する現象である。
従来、この気柱共鳴に伴う騒音を低減するため、特許文献1に記載された車両用ホイールが知られている。この車両用ホイールは、リムの周方向に沿って複数の副気室を有している。さらに詳しく説明すると、この車両用ホイールでは、ホイール周方向に延びるようにウェル部に立設された環状の縦壁と、ビードシート部側に向かうウェル部の立ち上り側壁との間に形成される環状の空間部分が蓋部材で塞がれている。そして、蓋部材とウェル部と縦壁とで区画されることとなるこの空間部分がホイール周方向に所定の間隔をあけて配置された複数の隔壁で仕切られることで各副気室が形成されている。また、タイヤ空気室と各副気室とは、蓋部材に形成された連通孔で連通している。この車両用ホイールによれば、連通孔と副気室とがヘルムホルツ・レゾネータを構成し、タイヤ空気室内の気柱共鳴音を低減することができる。
特許第3992566号明細書
しかしながら、従来の車両用ホイールは現実的な構造ではなかった。すなわち、ウェル部から立ち上がるように縦壁を形成したホイールに、複数の隔壁と蓋部材とを、気密性を保ちつつ、溶接、接着、嵌め込み、締結により高精度で結合させる必要があり、気密性の確保、製造工数や製造コストの増大を考慮すると、量産化に不適であるという問題があった。
そこで、本発明は、量産性を向上させることができる車両用ホイールを提供することを課題とする。
前記課題を解決した本発明は、タイヤ空気室内で副気室部材をウェル部の外周面上に固定した車両用ホイールであって、前記ウェル部の前記外周面から径方向外側に立ち上がり、前記外周面の周方向に延びるように形成される第1の縦壁面と、前記第1の縦壁面と対向するように前記ウェル部に形成される第2の縦壁面と、を備え、前記副気室部材は、樹脂で形成され、前記ウェル部の前記外周面側の底板と、この底板との間で副気室を形成する上板と、前記副気室と前記タイヤ空気室を連通させて前記副気室と共にヘルムホルツレゾネータを構成する連通孔とからなる本体部と、前記底板と前記上板とを結合すると共に、前記本体部から前記第1の縦壁面と前記第2の縦壁面に延出して、前記第1の縦壁面と前記第2の縦壁面のそれぞれに形成された溝部に係止される縁部と、を有し、前記副気室は、ホイール周方向の両端部において、内部空間がホイール幅方向に拡張され、前記両端部における前記縁部のホイール幅方向の長さが、前記両端部間における前記縁部のホイール幅方向の長さよりも短いことを特徴とする。
この車両用ホイールによれば、従来の車両用ホイール(例えば、特許文献1参照)のようにホイールに複数の隔壁や蓋部材を順次に組み付けて気密性を考慮しながら高精度にこれらを結合させて副気室を形成していくものと異なって、予め副気室を有する副気室部材をウェル部に設けた第1の縦壁面と第2の縦壁面との間に嵌め込むだけで製造される。
本発明の車両用ホイールによれば、予め副気室を有する副気室部材をウェル部に設けた第1の縦壁面と第2の縦壁面との間に嵌め込むだけで製造されるので、従来の車両用ホイールと比較して、製造工数や製造コストを削減することができると共に、量産性を向上させることができる。
以下に、本発明の実施形態について図を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態に係る車両用ホイールは、ウェル部に副気室部材(ヘルムホルツ・レゾネータ)を嵌め込んで固定したことを主な特徴としている。ここでは、先ず車両用ホイールの全体構成について説明した後に、副気室部材の構成について説明する。
《車両用ホイールの全体構成》
ここで参照する図面において、図1は、本実施形態に係る車両用ホイールの斜視図である。図2は、図1の車両用ホイールにタイヤを装着した車輪の要部正面断面図である。図3は、図2中に示したウェル部を部分的に拡大した図である。
図1に示すように、本実施形態に係る車両用ホイール10は、リム11と、このリム11を図示しないハブに連結するためのディスク12と、リム11のウェル部11cの外周面に固定された副気室部材13とで主に構成されている。
図2に示すように、リム11は、ホイール幅方向Yの両端部に形成されるビードシート部11a,11aと、このビードシート部11a,11aからホイール径方向Zの外側(図2の紙面上側、以下同じ)に向かってL字状に屈曲したリムフランジ部11b,11bと、ビードシート部11a,11a同士の間の部分がホイール径方向Zの内側(図2の紙面下側、以下同じ)に向かって凹んだウェル部11cとを有する。
ビードシート部11aには、タイヤ20のビード部21aが装着される。これにより、リム11の外周面とタイヤ20の内周面との間に環状の密閉空間からなるタイヤ空気室MCが形成される。
ウェル部11cは、タイヤ20をリム11に組み付けるリム組時に、タイヤ20のビード部21a,21aを落とし込むために設けられている。
このウェル部11cの外周面には、リム11の周方向に延びるように環状の縦壁14が立設されている。
この縦壁14は、図3に示すように、ウェル部11cの外周面11dからホイール径方向Zの外側(図3の紙面上側、以下同じ)に立ち上がる第1の縦壁面15を形成するように外周面11dに立設されている。
また、ウェル部11cのホイール幅方向Yの内側(図3の紙面右側、以下同じ)に形成される側面部11eには、第1の縦壁面15と対向するように第2の縦壁面16が設けられている。なお、本実施形態での縦壁14は、リム11を鋳造する際にウェル部11cと一体に成形される。
そして、これらの第1の縦壁面15及び第2の縦壁面16には、それぞれ溝部17が形成されている。これらの溝部17,17は、ウェル部11cの外周面11dの周方向に沿って形成されて環状の溝となっている。これらの溝部17,17には、後記する副気室部材13の縁部13eが嵌め込まれることとなる。なお、本実施形態での溝部17,17は、縦壁14及び側面部11eのそれぞれに機械加工を施して形成される。
ディスク12は、図2に示すように、ウェル部11cのホイール幅方向Yの外側(図2の紙面左側)からホイール径方向Zの内側に連続して形成されている。リム11とディスク12とは、例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の軽量高強度材料等から製造される。なお、これらの材料は限定されるものではなく、スチール(鋼)等から形成されるものであっても良い。また、車両用ホイール10は、スポークホイールであっても良い。
《副気室部材の構成》
次に、副気室部材13について説明する。ここで参照する図面において、図4は、副気室部材の配置位置を示す車両用ホイールの側面断面図である。図5(a)は、副気室部材の全体斜視図、図5(b)は、(a)のVb方向から副気室部材の端部を見た部分平面図である。図6(a)は、副気室部材の突出部(管部材)を図3のVIa方向から見た斜視図、図6(b)は、図5(a)のVIb−VIb断面図である。
図4に示すように、本実施形態に係る車両用ホイール10では、副気室部材13がウェル部11cのホイール周方向Xに沿って等間隔に4つ配置されている。つまり、ホイール中心軸Axを挟んで対向する1対の副気室部材13が2組配置されている。なお、図4中、符号SCは、副気室部材13の内部に形成された後記する副気室を示す。
副気室部材13は、図5に示すように、ホイール周方向Xに長い部材であって、本体部13aと、突出部18と、縁部13eとを備えている。そして、副気室部材13は、長手方向に沿って湾曲しており、図4に示すように、ウェル部11cの外周面11dに沿うように配置されている。
(本体部)
前記した本体部13aは、図3に示すように、底板25aと、この底板25a上に配置される上板25bとを備えている。なお、本実施形態での底板25a及び上板25bのそれぞれは、同じ厚さとなっているが、これらの厚さは相互に異なっていてもよい。
底板25aは、後記するように、第1の縦壁面15側及び第2の縦壁面16側に延出する縁部13eと一体になってウェル部11cの外周面11d側に凸となる湾曲面を形成している。
上板25bは、ウェル部11cの外周面11d側に沿うように配置された底板25a上でホイール径方向Zの外側に凸となるように湾曲して膨らみを形成している。
また、上板25bは、図5(a)に示すように、ホイール周方向Xの両端部において、ホイール幅方向Yに膨らみを形成している。
本体部13aは、このような底板25aと上板25bとの間に次に説明する副気室SCを形成している。
本実施形態での副気室SCは、図3に示すように、ホイール径方向Zに薄い扁平形状となっている。ちなみに、本実施形態での副気室部材13では、図2に示すように、リム中心からの最大径D1が、リム中心からのビードシート部11aの径D2よりも小さく設定されている。
そして、副気室SCは、図5(b)に示すように、ホイール周方向Xの端部において、その内部空間がホイール幅方向Yに拡張されている。ちなみに、図5(b)では、副気室部材13の一方の端部のみ示しているが、この副気室部材13は、他方の端部においても同様の構造を有している。
副気室SCの容積は、50〜250cc程度が好ましい。副気室SCの容積をこの範囲内に設定することで、副気室部材13は、消音効果を充分に発揮しつつ、その重量の増大を抑制して車両用ホイール10の軽量化を図ることができる。また、ホイール周方向の副気室部材13の長さは、リム11の周長と同じ長さを最大として、車両用ホイール10の重量の調整やウェル部11cに対する組付け容易性を考慮して適宜に設定することができる。
(突出部)
前記した突出部18は、図1に示す車両用ホイール10が回転した際に副気室部材13の回り止めをより確実に行うものである。
この突出部18は、図5(a)に示すように、ホイール周方向X(車両用ホイール(図1参照)の回転方向)と交差する方向に本体部13aから突出している。
更に詳しく説明すると、この突出部18は、図6(a)に示すように、本体部13aの上板25bの根元部18aから縦壁14側に延びている。
そして、突出部18の先端部は、縦壁14に形成された切欠き部14aに嵌り込んでいる。なお、本実施形態での切欠き部14aは、リム11(図1参照)を鋳造する際に縦壁14と同時に形成されるか、縦壁14に機械加工を施して形成される。
本実施形態での突出部18は、管部材で形成されており、図6(b)に示すように、管部材の内側には、副気室SCとタイヤ空気室MC(図2参照)とを繋ぐ連通孔13bが形成されている。
連通孔13bの断面形状は、特に制限はなく、本実施形態では楕円形(図6(a)参照)となっているが、円形、多角形等のいずれであってもよい。連通孔13bの直径は、断面が円形の場合には、5mm以上が好ましい。また、円形以外の断面形状の連通孔13bは、その断面積で同じ断面積の円形に換算して直径5mm以上のものが好ましい。
連通孔13bの長さは、次の(式1)で示されるヘルムホルツ・レゾネータの共鳴周波数を求める式を満たすように設定される。
=C/2π×√(S/V(L+α×√S))・・・(式1)
(Hz):共鳴周波数
C(m/s):副気室SC内部の音速(=タイヤ空気室MC内部の音速)
V(m):副気室SCの容積
L(m):連通孔13bの長さ
S(m):連通孔13bの開口部断面積
α:補正係数
なお、前記共鳴周波数fは、タイヤ空気室MCの共鳴周波数に合わせられる。この際、図4に示す4つの副気室部材13の共鳴周波数fは、全て同じに設定してもよいし、違えてもよい。具体的には、タイヤ空気室MC(図2参照)の共鳴周波数に2つの共鳴周波数(f,f)が認められる場合に、4つの副気室部材13の共鳴周波数fを(f+f)/2に設定することができる。また、リム中心を挟んで対向する1対の副気室部材13の共鳴周波数fをfに設定し、他の1対の副気室部材13の共鳴周波数fをfに設定することもできる。更に4つの副気室部材13の全ての共鳴周波数fをf、fのいずれか一方に設定しても良い。
(縁部)
前記した縁部13eは、図5(a)に示すように、本体部13aからその周囲に延出する板状体で形成されている。更に詳しく説明すると、縁部13eは、図3に示すように、底板25aと上板25bとを結合している。そして、縁部13eは、本体部13aからホイール幅方向Yに延出してその先端部が第1の縦壁面15及び第2の縦壁面16の溝部17(図3参照)に嵌り込んでいる。
なお、本体部13aからホイール幅方向Yに延出する縁部13eは、特許請求の範囲にいう「縁部」に相当する。
そして、図5(b)に示すように、本体部13aから第1の縦壁面15及び第2の縦壁面16のそれぞれに延出する縁部13eの長さは、ホイール周方向Xの端部における長さL2が、ホイール周方向Xの中程の長さL1よりも短くなっている。つまり、前記したように、ホイール周方向Xの両端部において、副気室SCの内部空間がホイール幅方向Yに拡張されていることで、ホイール周方向Xの両端部における縁部13eのホイール幅方向Yの長さL2が、前記両端部間における縁部13eのホイール幅方向Yの長さL1よりも短くなっている。更に本体部13aからホイール周方向Xに延出する縁部13eの長さL3は短いほど望ましく、前記長さL2と同程度かそれよりも短くなるように設定されることが望ましい。
第1の縦壁面15側及び第2の縦壁面16側に延出する縁部13eは、前記したように、湾曲する底板25aと一体になってウェル部11cの外周面11d側に凸となる湾曲面を形成している(図3参照)。
このような本実施形態での縁部13eの厚さは、底板25a及び上板25bの厚さと同じ厚さに設定されている。なお、本実施形態での縁部13eは、その厚さや樹脂材料を適宜に選択することでバネ弾性を有している。
以上のような副気室部材13は、樹脂で形成されており、その軽量化や量産性の向上、製造コストの削減、副気室SCの気密性の確保等を考慮すると、軽量で高剛性のブロー成形可能な樹脂が望ましい。中でも、繰り返しの曲げ疲労にも強いポリプロピレンが特に望ましい。
次に、本実施形態に係る車両用ホイール10の作用効果について説明する。
本実施形態における車両用ホイール10は、従来の車両用ホイール(例えば、特許文献1参照)のようにリムに複数の隔壁や蓋部材を順次に組み付けて気密性を考慮しながら高精度にこれらを結合させて副気室を形成していくものと異なって、予め副気室SCを有する副気室部材13をリム11(ウェル部11c)に嵌め込むだけで製造される。したがって、車両用ホイール10は、前記した特許文献1のような従来の車両用ホイールと比較して、製造工数や製造コストを削減することができ、量産性を向上させることができる。また、車両用ホイール10は、従来の車両用ホイールと異なって、副気室SCの気密性の確保に対する特別な配慮も不要であるため、消音性能の品質を安定させることができる。
そして、副気室部材13が樹脂で形成されているので、車両用ホイール10は従来の車両用ホイール(例えば、特許文献1参照)と比較して、より軽量化を図ることができる。また、副気室部材13がブロー成形等で形成することができるので、車両用ホイール10は従来の車両用ホイール(例えば、特許文献1参照)と比較して、より量産性に優れる。
また、この車両用ホイール10では、図2に示すように、リム中心からの最大径D1が、リム中心からのビードシート部11aの径D2よりも小さく設定されているので、タイヤ20のリム組時に、レバー等の工具やタイヤ20(ビード部21a等)が副気室部材13と接触する恐れが低減される。その結果、タイヤ20の組付け性能が向上する。
また、この車両用ホイール10では、図3に示すように、副気室SCがホイール径方向Zに薄い扁平形状となっているので、リム中心から副気室部材13の最大径D1を小さくしながらも、副気室SCの所定の容積を確保することができる。
また、本実施形態に係る車両用ホイール10は、前記したように、副気室部材13をウェル部11cに固定する際に、縁部13eを第1の縦壁面15と第2の縦壁面16のそれぞれに設けられた溝部17に嵌め込むことで固定する。このとき、縁部13eは、前記したバネ弾性を有しているので、副気室部材13は、第1の縦壁面15と第2の縦壁面16の間に簡単にかつ強固に固定される。
また、本実施形態における車両用ホイール10は、副気室部材13をリム11に嵌め込む前に副気室部材13単独で共鳴周波数の確認及び修正が可能なので不良品を削減することができる。
また、本実施形態に係る車両用ホイール10は、前記したように、図3に示す副気室部材13の底板25a及び縁部13eがウェル部11cの外周面11d側(車両用ホイール10の径方向内側)に凸となるように湾曲している。そして、車両用ホイール10の回転時の遠心力が副気室部材13に作用すると、底板25a及び縁部13eは逆にホイール径方向Zの外側に凸となるように反転しようとする。ここで参照する図7(a)は、遠心力が作用した本実施形態での副気室部材の挙動を示す概念図、図7(b)は、本実施形態に係る副気室部材の平面図、図7(c)は、比較例に係る副気室部材の平面図である。
本実施形態での副気室部材13は、図7(a)に示すように、遠心力F1が作用する前の副気室部材13における底板25a及び縁部13eのスパンW1よりも、遠心力F1が作用した点線で示すそのスパンW2は長くなる。
一方、図3に示すように、副気室部材13の縁部13eは、第1の縦壁面15及び第2の縦壁面16に形成された溝部17,17に嵌め込まれているので、遠心力F1(図7(a)参照)が副気室部材13に作用した際に、第1の縦壁面15と第2の縦壁面16とに対する押圧力を増大させる。その結果、副気室部材13は、より一層確実にウェル部11c側に固定される。
また、本実施形態での副気室部材13は、前記したように、上板25bが底板25a上で膨らみをもつように湾曲している。その結果、この副気室部材13を備えた車両用ホイール10では、気柱共鳴の周期に合わせてタイヤ空気室MC(図2参照)の圧力が増減を繰り返した際に、例えば上板25bが平坦なものと比較して、副気室SCの容積の変動が効果的に抑制される。したがって、この車両用ホイール10は、ヘルムホルツ・レゾネータとしての所期の消音性能を安定して発揮することができる。
そして、この副気室部材13は、副気室SCの容積の変動を効果的に抑制することができるので、上板25bが平坦なものよりも上板25bの厚さを低減することができる。その結果、この副気室部材13を備えた車両用ホイール10は、上板25bが平坦なものよりも軽量化を図ることができる。
また、本実施形態での副気室部材13は、図7(b)に示すように、縁部13eの長さL2が縁部13eの長さL1よりも短くなっているので、車両用ホイール10の回転時にホイール周方向Xの両端部がウェル部11cから浮き上がることが防止される。このことを次の比較例に係る副気室部材13cと対比しながら更に詳しく説明する。
図7(c)に示すように、比較例に係る副気室部材13cは、ホイール幅方向Yの本体部13aの幅がホイール周方向Xに沿って同じになるように形成されている。そして、本体部13aからホイール周方向Xに延出する縁部13eの長さL3´は、図7(b)に示す縁部13eの長さL3よりも長くなっている。なお、図7(b)および(c)中、符号15及び符号16は、副気室部材13,13cの縁部13e,13eを固定する第1の縦壁面及び第2の縦壁面を示している。
このような副気室部材13cを備える車両用ホイールが超高速(車速換算で200km/h以上)で回転すると、副気室部材13cは、生じた遠心力F1(図7(a)参照)でウェル部11c(図1参照)から浮き上がる。この浮き上がり量を、シミュレーション(ホイール回転速度2500rpm)を実施して計算したところ、両端部A,Aでの浮き上がり量は、中央部Bでの浮き上がり量の約2倍であった。
そして、この副気室部材13cでは、前記した超高速での回転時に、第1の縦壁面15及び第2の縦壁面16に固定されている縁部13eが、その角、つまり両端部A,A側から外れ始めて副気室部材13cがウェル部11cから脱離することが判明した。
これに対して、図7(b)に示す本実施形態での副気室部材13は、前記したように、縁部13eの長さL2が縁部13eの長さL1よりも短くなっているので、比較例の副気室部材13c(図7(c)参照)と異なって、高速回転時に外れ易いとされる両端部A,Aにおける縁部13eの曲げ剛性が高められている。その結果、この副気室部材13は、比較例に係る副気室部材13cよりもウェル部11cに対する固定力が向上している。
また、本実施形態での副気室部材13は、本体部13aからホイール周方向Xに延出する縁部13eの長さL3が、比較例に係る副気室部材13cの縁部13eの長さL3´よりも短くなっているので、両端部A,Aにおける縁部13eの曲げ剛性が更に高められている。したがって、実施形態での副気室部材13は、比較例に係る副気室部材13cよりもウェル部11cに対する固定力が、より一層向上することとなる。
ちなみに、実施形態での副気室部材13について前記したシミュレーションを実施して浮き上がり量を計算したところ、両端部A,Aでの浮き上がり量は、中央部Bでの浮き上がり量の約二分の一であった。このことからも実施形態での副気室部材13は、比較例に係る副気室部材13cよりもウェル部11cに対する固定力に一段と優れることが確認された。
また、この車両用ホイール10では、ホイール周方向Xと交差する方向に突出した突出部18が、縦壁14の切欠き部14aに嵌め込まれているので、車両用ホイール10が回転した際の副気室部材13の回り止めが確実に行われる。
そして、突出部18の内側には、連通孔13bが形成されているので、突出部18と別途に連通孔13bを形成するための部材を設けなくてもよく、車両用ホイール10は、その構造が簡素化されて更なる軽量化を図ることができる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。なお、以下に説明する他の実施形態に係る車両用ホイールにおいて、前記実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
本発明の車両用ホイール10は、前記したように、ホイール周方向Xの両端部における縁部13eのホイール幅方向Yの長さL2が、前記両端部間における縁部13eのホイール幅方向Yの長さL1よりも短くなっていれば、前記両端部における副気室SCを形成する底板25a及び上板25bの形状には特に制限がない。ここで参照する図8は、副気室部材の変形例を示す図であって、ホイール周方向の端部を示す斜視図である。
図8に示すように、この副気室部材13は、前記実施形態と同様に、ホイール周方向Xの両端部における縁部13eのホイール幅方向Yの長さL2が、前記両端部間における縁部13eのホイール幅方向Yの長さL1よりも短くなっている。
そして、この副気室部材13は、ホイール周方向Xの端部における本体部13aの部分形状が、ホイール幅方向Yの中央部の高さよりも両方の端の高さが低くなるように段差S,Sが形成されている。これにより、ホイール周方向Xの端部において、本体部13aの表面積が増加したことによるこの部分の面剛性の低下を段差S,Sにより防止できる。
前記実施形態では、第2の縦壁面16をウェル部11cの側面部11eに設けた車両用ホイール10について説明したが、本発明はウェル部11cの他の立上り部に第2の縦壁面16を形成するものであってもよい。ここで参照する図9は、他の実施形態に係る車両用ホイールに使用するリムの断面図である。
図9に示すように、この車両用ホイール10に使用されるリム11のウェル部11cは、小径部23aと、この小径部23aに段差部11fを介して連続する大径部23bを有している。ちなみに、このリム11では、大径部23bの外側にウェル部11cの側面部11eを介してビードシート部11aが形成されている。つまり、ここでの他の実施形態では、前記実施形態で副気室部材13(図3参照)の一方の縁部13eが嵌め込まれる側面部11eよりも更にホイール径方向の内側の段差部11fに縁部13eが嵌め込まれることとなる。
したがって、ここでの他の実施形態に係る車両用ホイール10では、副気室部材13を固定するウェル部11cの外周面11dが、前記実施形態に係る車両用ホイール10と比較して、更にホイール径方向の内側に形成されることとなる。
その結果、この他の実施形態に係る車両用ホイール10は、ウェル部11cの外周面11dの周長が短くなるので、更に軽量化を図ることができる。そして、この車両用ホイール10では、前記実施形態での車両用ホイール10と比較して、副気室部材13が、ビードシート部11aから離れるように、更にホイール径方向の内側にシフトすることとなるので、タイヤ20の組み付け性能が更に向上する。
前記実施形態では、副気室部材13がウェル部11cの周面に沿って等間隔に4つ配置されているが、本発明は副気室部材13の数が5以上、又は3以下であってもよい。ここで参照する図12(a)及び(b)は、他の実施形態に係る車両用ホイールの側面断面図であって、副気室部材の配置の変形例を示す図である。
図12(a)に示す車両用ホイール10は、副気室部材13をウェル部11cの周面に沿って等間隔に2つ配置している。
図12(b)に示す車両用ホイール10は、副気室部材13をウェル部11cの周面に沿って等間隔に3つ配置している。
以上のように、車両用ホイール10は、副気室部材13の数に特に制限はないが、消音効率を考慮すると4つ以上(2対以上)の副気室部材13のそれぞれを、ホイール中心軸Axを挟んで対向させて配置したものが望ましい。そして、車両用ホイール10の軽量化や量産性の向上を考慮すると2つから4つの副気室部材13をウェル部11cの周面に沿って等間隔に配置したものが望ましい。
また、前記実施形態では、連通孔13bが副気室部材13の長手方向の中程に形成されているが、本発明はタイヤ20のリム組みに悪影響を及ぼさない限り、連通孔13bを形成する位置に特に制限はない。ここで参照する図11(a)及び(b)は、連通孔を形成する位置を示す副気室部材の平面図である。
図11(a)に示す副気室部材13は、その長手方向の一端側に、連通孔13bを内側に有する管部材が配置されている。この管部材は、前記した回り止めを兼ねており、縦壁14(図6(a)参照)に形成した切欠き部14a(図6(a)参照)に嵌め込まれる。そして、管部材は、ホイール周方向Xと交差する方向に向かって本体部13aから突出している。なお、図11(a)中、符号13eは、縁部である。
図11(b)に示す副気室部材13は、その長手方向の一端側でホイール周方向Xに向かって本体部13aから突出するように、連通孔13bを内側に有する管部材が配置されている。そして、この副気室部材13は、前記した周り止めとしての突出部18を前記した管部材とは別に備えている。この突出部18は、副気室部材13の長手方向の中程で、ホイール周方向Xと交差する方向に向かって縁部13eから突出している。この突出部18は、縦壁14(図6(a)参照)に形成した切欠き部14a(図6(a)参照)に嵌め込まれることとなる。
本実施形態に係る車両用ホイールの斜視図である。 図1の車両用ホイールにタイヤを装着した車輪の要部正面断面図である。 図2中のウェル部を部分的に拡大した図である。 副気室部材の配置位置を示す車両用ホイールの側面断面図である。 (a)は、副気室部材の全体斜視図、(b)は、(a)のVb方向から副気室部材の端部を見た部分平面図である (a)は、副気室部材の突出部(管部材)を図3のVIa方向から見た斜視図、(b)は、図5(a)のVIb−VIb断面図である。 (a)は、遠心力が作用した本実施形態での副気室部材の挙動を示す概念図、(b)は、本実施形態に係る副気室部材の平面図、(c)は、比較例に係る副気室部材の平面図である。 副気室部材の変形例を示す図であって、ホイール周方向の端部を示す斜視図である。 他の実施形態に係る車両用ホイールに使用するリムの断面図である。 (a)及び(b)は、他の実施形態に係る車両用ホイールの側面断面図であって、副気室部材の配置の変形例を示す図である。 (a)及び(b)は、連通孔を形成する位置を示す副気室部材の平面図である。
符号の説明
10 車両用ホイール
11c ウェル部
11d ウェル部の外周面
13 副気室部材
13a 本体部
13e 縁部
14 縦壁
15 第1の縦壁面
16 第2の縦壁面
17 溝部
18 突出部
25a 底板
25b 上板
MC タイヤ空気室
SC 副気室
X ホイール周方向
Y ホイール幅方向

Claims (1)

  1. タイヤ空気室内で副気室部材をウェル部の外周面上に固定した車両用ホイールであって、
    前記ウェル部の前記外周面から径方向外側に立ち上がり、前記外周面の周方向に延びるように形成される第1の縦壁面と、
    前記第1の縦壁面と対向するように前記ウェル部に形成される第2の縦壁面と、
    を備え、
    前記副気室部材は、
    樹脂で形成され、
    前記ウェル部の前記外周面側の底板と、この底板との間で副気室を形成する上板と、前記副気室と前記タイヤ空気室を連通させて前記副気室と共にヘルムホルツレゾネータを構成する連通孔とからなる本体部と、
    前記底板と前記上板とを結合すると共に、前記本体部から前記第1の縦壁面と前記第2の縦壁面に延出して、前記第1の縦壁面と前記第2の縦壁面のそれぞれに形成された溝部に係止される縁部と、
    を有し、
    前記副気室は、ホイール周方向の両端部において、内部空間がホイール幅方向に拡張され、前記両端部における前記縁部のホイール幅方向の長さが、前記両端部間における前記縁部のホイール幅方向の長さよりも短いことを特徴とする車両用ホイール。
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