JP2010052700A - 車両用ホィール - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の走行時におけるタイヤの回転によって、たとえ副気室部材に遠心力が生じたとしても、当該副気室部材がウェル部における第1の縦壁面および第2の縦壁面との間から容易に抜け出せないように構成した。
【解決手段】タイヤ空気室MC内に配置する副気室部材13の縁部13eを、リム11のウェル部11cに形成した第1の縦壁面15および第2の縦壁面16に係合設置した止め具部材13により、ウェル部11cの外周面11d側に押圧することにより止着して、副気室部材13が、ウェル部11cの外周面11d上に装着されるようにした。
【選択図】図2
【解決手段】タイヤ空気室MC内に配置する副気室部材13の縁部13eを、リム11のウェル部11cに形成した第1の縦壁面15および第2の縦壁面16に係合設置した止め具部材13により、ウェル部11cの外周面11d側に押圧することにより止着して、副気室部材13が、ウェル部11cの外周面11d上に装着されるようにした。
【選択図】図2
Description
本発明は、タイヤ空気室内の気柱共鳴(空洞共鳴)に伴う騒音を低減すべく構成した車両用ホィールに関する。
一般に、車両用車輪を構成するタイヤのタイヤ空気室内において、車両のロードノイズを要因として気柱共鳴が生じることが知られている。気柱共鳴とは、路面からのタイヤに伝わるランダムな振動がタイヤ空気室内の空気を振動させ、当該振動がタイヤ空気室の気柱共鳴周波数付近に達した際に起こす共鳴現象によって生ずる共鳴音のことをいう。
従来、この気柱共鳴に伴う騒音を低減するため、特許文献1に記載された車両用ホィールが知られている。かかる車両用ホィールは、リムと、該リムの外周面上に周方向に環状に形成された縦壁と、該縦壁の径方向外端部及び一方のビードシートとの間に固着された蓋部材とにより形成され、周方向に適宜間隔をあけて設けられた複数の隔壁により分割された複数の副気室を備えて、前記蓋部材にタイヤ主気室(タイヤ空気室)と前記副気室とを連通させる連通部を有し、前記副気室と前記連通部とでヘルムホルツ・レゾネータを構成して、タイヤ主気室内に生じた気柱共鳴音を低減するようにしていた。
特開2004−90669号公報
しかしながら、従来の車両用ホィールは、ウェル部から立ち上がるように縦壁を形成したホィールに、複数の隔壁および蓋部材を、機密性を保ちつつ、溶接、接着、嵌め込み、締結等により高精度で結合させる必要があり、機密性の確保、製造工数や製造コストの増大を考慮すると、量産化する際に課題を残している。
又、副気室を構成する部材として、金属等を使用することができるが、軽量化、量産性の向上或いは副気室の気密性確保等を考慮すると、軽量でブロー成形可能な樹脂を使用することが好ましいといえる。
しかしながら、材料として樹脂を使用した場合、金属を使用する場合に比べ、副気室を構成する壁材の面剛性が低いため、気柱共鳴によってタイヤ空気室内でプラス側、マイナス側、交互に変動する空気圧変動が生じたときに副気室の容積が僅かに増減し、ヘルムホルツ・レゾネータとしての消音性能が十分に得られない場合がある。
そこで、消音性能を十分発揮するヘルムホルツ・レゾネータを構成するために、前記壁材の肉厚を増して剛性を高めることが考えられるが、壁材の肉厚を増すことにより副気室部材の重量増となり、副気室部材に作用する遠心力も増加することから、副気室部材をウェル部に固定するための構造も高強度を必要とし、この結果益々ホィールの重量を増大させてしまう。
かかる点に鑑みて、本願出願人は、他の共同出願人と共に、特願2007−278300号特許出願によって、次のような車両用車輪のホィールの発明を提案している。
すなわち、かかる発明によれば、図12乃至図14に示すように、タイヤaの内周面及びタイヤaを装着するためのホィールxのリムbの外周面hとの間に環状の密閉空間であるタイヤ空気室cを形成して車輪を構成しており、タイヤ空気室c内で副気室部材dをリムbを構成するウェル部eの外周面上に固定した場合に、ウェル部eの外周面から径方向外側に立ち上がり外周面hの周方向に延びる第1の縦壁面fと、第1の縦壁面fと対向するようにウェル部eに形成された第2の縦壁面gを備え、副気室部材dが、樹脂で形成されると共に、ウェル部eの外周面h側の底板iと、底板iとの間で副気室jを形成する上板kと、副気室j及びタイヤ空気室cを連通する連通孔pと、からなる本体部mと、底板i及び上板kを結合すると共に本体部mから第1の縦壁面fおよび第2の縦壁面gに延出して、第1の縦壁面fおよび第2の縦壁面gのそれぞれに形成された溝部n、nに係止される縁部oとを有して構成するものである。なお、yは、リムbを車体側のハブ(不図示)に連結するためのディスクを示している。
かかる構成において、副気室jを有する副気室部材dをウェル部eに設けた第1の縦壁面fと第2の縦壁面gとの間に嵌め込むだけで製造され、量産性に富んでおり、しかも、本体部mを構成する底板i及び上板kが構成する壁材のうち上板kが、ウェル部eの外周面側から離間する方向に凸となる湾曲形状に形成することにより或いは底板i及び/又は上板kにビードを形成することにより、副気室j内の内圧が高まった場合でも、底板i或いは上板kの内外への凹みや膨張を抑制し、副気室jの容積変動を抑制することができて、壁材の肉厚を増加させることによる剛性を高める対策を必要とせず、車両用ホィールの軽量化に寄与することができるという効果を奏するものである。
又、上記先願発明によれば、副気室部材dは、縁部oが第1の縦壁面f及び第2の縦壁面gのそれぞれに形成した溝部nに嵌合することによりウェル部eに装着されて、車両の走行時等における車輪の回転により副気室部材dは、遠心力を受けてウェル部eの外周面側から離間する方向に凸状に反転して強く湾曲し、第1の縦壁面f及び第2の縦壁面gの縁部oへの押圧力を増大させて、ウェル部eへの装着状態を維持しようとしている。
しかしながら、副気室部材dを遠心力により反転させることによって縁部oにおける第1の縦壁面f及び第2の縦壁面gへの押圧力を増大させるためには、副気室部材dを構成する底板i、上板k或いは縁部oの肉厚をある程度増大させる必要があり、もしも、ホィールx延いては車輪の軽量化を意図して、底板i、上板k或いは縁部oの肉厚を抑えてしまった場合には、車両の走行時等に車輪の回転により、副気室部材dが、遠心力を受けて反転した場合、縁部oが溝部nから抜出してしまうおそれがあり、実際に抜出してしまうと、もはや、副気室jがタイヤ空気室cに連通しないことになって、タイヤ空気室c内に生じた気柱共鳴音を低減することができなくなってしまう。
そこで、本発明は、先願発明に係る車両用ホィールを更に改良するために、車両の走行時におけるタイヤの回転によって、たとえ副気室部材に遠心力が生じたとしても、当該副気室部材がウェル部における第1の縦壁面および第2の縦壁面との間から容易に抜け出せないように構成した車両用ホィールを提供することを目的としている。
本発明に係る車両用ホィールは、タイヤ空気室内に配置する副気室部材が、リムを構成するウェル部の外周面から径方向外側に立ち上がると共に前記外周面の周方向に延びるように形成された第1の縦壁面と、該第1の縦壁面に対向するように前記ウェル部に形成された第2の縦壁面との間に装着されて構成する車両用ホィールであって、前記副気室部材は、樹脂で形成され、且つ、前記ウェル部の外周面側に存する底板および前記タイヤ空気室側に存する上板を張り合わせることによって前記タイヤ室に連通する連通孔を有する副気室を形成して構成する副気室本体部と、該副気室本体部の外周部に延出して形成される縁部とを有して構成し、該縁部を、前記第1の縦壁面および前記第2の縦壁面に係合設置した止め具部材により、前記ウェル部の外周面側に押圧することにより止着して、前記副気室部材を前記ウェル部の外周面上に装着したことを特徴とする。
本発明によれば、上記従来の車両用ホィールのようにホィールに複数の隔壁や蓋部材を機密性を考慮しながら順次組付けて副気室を構成するものに比して、副気室部材をウェル部に設けた第1の縦壁面と第2の縦壁面との間に挿入して止め具部材をもってウェル部に装着するだけで製造できることから、量産性に富んでいる。
又、本発明は、副気室が副気室本体部を互いに構成するウェル部の外周面側に存する底板とタイヤ空気室側に存する上板とを張り合わせることによって形成していることから、例えば、上板をウェル部の外周面側から離間する方向に凸形状に湾曲形成することによって、副気室内の内圧が高まった場合にも、上板の外側への膨張が抑制され、副気室の容積変動が抑制されることになって、副気室を構成する上板或いは底板の肉厚を増して剛性を高める等の処置を施すことを必要とせず、この結果、副気室部材を軽量化でき、延いては車両用ホィール自体の軽量化に寄与することができる。
しかも、副気室部材は、その縁部を止め具部材によってウェル部に装着されていることから、車輪の回転により遠心力が発生したとしても、止め具部材により縁部がウェル部側に押さえ付けられることになって、第1の縦壁面及び第2の縦壁面の間から抜け出すことはなく、常時タイヤ空気室内に生じた気柱共鳴音を低減することが可能となる。
又、本発明にかかる止め具部材は、副気室部材の縁部をウェル部の外周面側に押し付け止着する取付け片部と、取付け片部の両先端部にそれぞれ一体に形成され且つ第1の縦壁面及び第2の縦壁面に係合される一対の係合片部とを有しており、各係合片部を第1の縦壁面及び第2の縦壁面にそれぞれ係合させた際に、取付け片部に弾性力を付与してウェル部の外周面側への押し圧力を生じさせるように構成するようにすれば、副気室部材の縁部が止め具部材の取付け片部の弾性力によってウェル部の外周面側へ押し付けられることができることになり、車輪の回転により遠心力が発生したとしても、副気室部材が第1の縦壁面及び第2の縦壁面の間から容易に抜け出すことはなく、常時タイヤ空気室内に生じた気柱共鳴音を低減することが可能となる。
又、本発明は、副気室部材をウェル部の外周面上に複数個並置した際に、互いに隣り合う副気室部材の縁部が共に単一の前記止め具部材を用いて橋渡し止着されるように構成すれば、止め具部材の使用個数を少なくすることができ、延いては車両用ホィール自体の軽量化に寄与することができる。
又、本発明は、取付け片部を幅広板状に形成することによって、互いに隣り合う副気室部材の縁部が共に橋渡し止着されるように構成するようにすれば、止め具部材の使用個数を少なくすることができ、延いては車両用ホィール自体の軽量化に寄与することができ、加えて、止め具部材における取付け片部を幅広に形成したために、止め具部材の断面剛性を高くすることができ、車輪の回転により生ずる遠心力に対して変形しにくく、副気室部材を第1の縦壁面及び第2の縦壁面の間からなお一層抜け出しにくくすることができる。
又、本発明は、取付け片部を、中央部に存する連結集合部より互いに第1及び第2の縦壁面側に延在するように二股状に分岐した脚片状部により構成して、各脚片状部が副気室部材の縁部を止着すると共に、両脚片状部の各先端部にそれぞれ前記係合片部を形成するようにすれば、二股状の脚片状部を互いに近付く方向に狭めながら、第1及び第2の縦壁面に形成した溝部に簡単に嵌合することができ、更なる量産性を向上させることができ、加えて、止め具部材における両脚片状部の中央部に連結集合部が存するために、止め具部材の断面剛性を高くすることができ、車輪の回転により生ずる遠心力に対して変形しにくく、副気室部材を第1の縦壁面及び第2の縦壁面の間からなお一層抜け出しにくくすることができる。
次に、本発明に係る実施の形態について、図を用いて説明する。
本実施の形態に係る車両用ホィールは、ウェル部側に副気室部材(ヘルムホルツ・レゾネータ)を設置する場合に、当該副気室部材を止め具部材を用いてウェル部の外周面側に押圧するように設置したことを主な特徴としている。
先ず、図1から図3を参照して、車両用ホィールの全体構成について説明する。
図1は、本発明に係る第1の実施の形態における車両用ホィールの斜視図、図2は、図1の車両用ホィールにタイヤを装着して構成した車輪の要部正面断面図、図3は、図1における車両用ホィールの側面断面図であって、副気室部材の配置位置を示す図である。
図1に示すように、車両用ホィール10は、タイヤ20(図2参照)を装着するためのリム11と、リム11を図示しないハブに連結するためのディスク12と、図2に示すように、リム11を構成するウェル部11cの外周面11d上に固定される副気室部材13とから構成されている。
図2に示すように、リム11は、ホィール幅方向の両端部に形成されるビードシート部11a、11aと、ビードシート部11a、11aからホィール径方向外側に向けてL字状に屈曲したリムフランジ部11b、11bと、ビードシート部11a、11a間においてホィール径方向内側に窪んだウェル部11cとを有する。
ビードシート部11a、11aには、タイヤ本体21及びインナライナ22を有して構成されるタイヤ20のビード部21aが装着される。これにより、車両用の車輪が形成されることになり、リム11の外周面11dとタイヤ20の内周面との間に環状の密閉空間からなるタイヤ空気室MCが形成される。
ウェル部11cは、タイヤ20をリム11に組付けるリム組み時に、タイヤ20のビード部21a、21aを落とし込むために設けられている。ウェル部11cの外周面11dには、縦壁14が立設されている。
ディスク12は、図2に示すように、リム11の車両外側の端部からホィール径方向内側に連続して形成される。リム11とディスク12とは、例えば、アルミ合金、マグネシウム合金等の軽量高強度材料や、スチール(鋼)等の材料から製造される。又、車両用ホィール10は、スポークホィールであってもよい。
図3に示すように、ウェル部11cのホィール周方向に沿って、副気室部材13が互いに離間した状態で等間隙に4つ配置されている。つまり、車両用ホィール10は、当該回転中心軸を挟んで対向する1対の副気室部材13を2組備えている。但し、副気室部材13は、必ずしも、4つ配置される場合に限定されるものではなく、タイヤ空気室MCにおける気柱共鳴の発生度合や副気室部材13の寸法的形状等によって、配置個数を適宜選択することは可能である。
副気室部材13は、ホィール周方向に長い部材であって、その内部にそれぞれ副気室SCを有して構成している。
次に、図4から図6を用いて、本実施の形態に係る副気室部材13について説明する。
図4は、本実施の形態における副気室部材の斜視図であり、又、図5(a)は、図4のA−A線における部分断面図、図5(b)は、図4におけるB−B断面図、図5(c)は、副気室部材の突出部を図4のD方向から見た部分平面図である。更に、図6は、副気室部材を取付けたウェル部を部分的に拡大した要部正面断面図である。
本実施の形態における副気室部材13は、図5(a)に示すように、ウェル部11cの外周面11dに沿うように、その長手方向に湾曲している。
副気室部材13は、図5(a)に詳しく示すように、底板25a及び上板25bの両端部同士を張り合わせて内部に副気室SCが形成された副気室本体部13aと、副気室本体部13aからその周囲に延出する板状の縁部13e(図4参照)とを備えている。
縁部13eは、ばね弾性を有してホィール周方向およびホィール幅方向に延在しており、図4に示すように、ホィール周方向に延び後述の突出部18が設けられている側を、縁部13e−1と称し、ホィール幅方向反対側に延びて設けられている側を、縁部13e−2と称し、ホィール幅方向に延びて設けられている側を、縁部13e−3と称することとする。
また、ホィール周方向の縁部13e−3の縁部13e−2寄り側のホィール周方向端からは、ホィール径方向内方側に斜めに折れてホィール幅方向に延出し、その先端部の面が更にホィール幅方向に沿うように折れ曲がった仮止め爪13f、13fが設けられている。
図5(a)に示すように、副気室SCを囲む壁材である副気室本体部13aの上板25bのうち、ホィール周方向側の端である端部25dは、ホィール周方向端において傾いて形成されている。又、図5(b)に示すように、副気室SCを囲む壁材である副気室本体部13aの上板25bのうち、ホィール幅方向側の端である幅方向端部25c、25cは、ホィール幅方向端において傾いて形成され、幅方向端部25c、25cの間の上板25bは、ホィール幅方向の断面において、底板25aがホィール径方向内側に凸に湾曲しているよりもホィール径方向外側(ウェル部11cの外周面11d側から離間する方向)に向かって強く凸形状となるよう湾曲して形成されている。
図6に示すように、縦壁14は、ウェル部11cの外周面11dからホィール径方向外側に立ち上がる第1の縦壁面15を形成するように外周面11dに立設されており、リム11を鋳造する際にウェル部11cと一体に成形される。そして、縦壁14は、外周面11dのホィール周方向に延びて環状となっている。又、ウェル部11cのホィール幅方向内側(車両内側)に形成される側面部11eには、第1の縦壁面15と対向するように、第2の縦壁面16が設けられている。
第1の縦壁面15及び第2の縦壁面16には、それぞれ機械加工を施すことにより溝部17、17が形成されている。溝部17、17は、ウェル部11cの外周面11dのホィール周方向に沿って環状溝に形成されおり、副気室部材13の縁部13eが嵌合することとなる。
更に、縦壁14には、図5(c)に示すように、切欠き部14aがリム11の鋳造時あるいは鋳造後機械加工を施すことによって形成されており、切欠き部14aには、副気室部材13の突出部18が嵌め込まれている。
突出部18は、図5(c)に示すように、副気室部材13の副気室本体部13aから車両用ホィール10の回転方向Xと交差する方向Yに突出するように形成されており、図5(b)に示すように、管部材Pにより構成されており、管部材Pの内側には、副気室SCとタイヤ空気室MC(図2参照)とを繋ぐ連通孔13bが形成されている。
図4に示す副気室部材13は、樹脂材料を使用して形成されており、軽量化や量産性の向上、製造コストの低減、副気室SCの気密性の確保等からすると、軽量で高剛性のブロー成形可能な材料が好ましく、中でも、繰り返しの曲げ疲労にも強いポリプロピレンが好ましい。
そして、副気室部材13は、図6に示すように、縁部13eのホィール幅方向側の縁部13e−3が、溝部17に嵌合した状態で、止め具部材19によってウェル部11cの外周面11d上に装着されている。
止め具部材19は、図7の斜視図に示すように、金属材料或いは樹脂材料等ばね性を有する材料により形成されており、ホィール幅方向を長手方向とした略板状体で構成している。
止め具部材19は、副気室部材13の縁部13eをウェル部11cの外周面11dに押し付ける取付け片部19−1と、取付け片部19−1の長手方向両端部をそれぞれホィール幅方向に二股状に形成した係合片部19−2とを有して構成しており、また、取付け片部19−1の長手方向略中央部には、位置決め孔19aが貫通形成されている。これに関連して、図4に示すように、副気室本体部13aの上板25bの略中央部には、位置決め孔19aが嵌合する位置決め突起13gが突設されている。
更に、止め具部材19の取付け片部19−1は、ホィール径方向内側に向かって弓なり状態となるように、長手方向が湾曲形状に形成されている。
かかる構成を有する止め具部材19は、副気室部材13のホィール周方向の両縁部13e−1における長手方向両先端部を溝部17に嵌合挿入した後に、位置決め孔19aを位置決め突起13gに嵌合することによって、副気室部材13に対する止め具部材19を位置決めし、係合片部19−2を第1の縦壁面15及び第2の縦壁面16の先端部にそれぞれ係合する。
この際、止め具部材19の取付け片部19−1は、その長手方向においてホィール径方向内側に向かって弓なり状態になるような湾曲形状を有するために、係合片部19−2が第1の縦壁面15及び第2の縦壁面16の先端部に係合した際に、ホィール周方向外側に弾性変形してばね力が付与され、副気室部材13のホィール幅方向の両縁部13e−3、13e−3をそれぞれウェル部11cの外周面11dに押し付けることになる(図3参照)。
この結果、副気室部材13は、ホィール幅方向の両縁部13e−3、13e―3およびホィール幅方向反対側の縁部13e−2が取付け片部19−1のばね力によってウェル部11cの外周面11dに押付けられた状態でウェル部11cに装着されていることになり、このために、車輪の回転により遠心力が発生したとしても、取付け片部19−1の押し付け力によって、第1の縦壁面15及び第2の縦壁面16の間から抜け出すことがなく、常時タイヤ空気室MC内に生じた気柱共鳴音を低減することができる。
又、副気室部材13は、ウェル部11cに設けた第1の縦壁面15と第2の縦壁面16とに挿入して、止め具部材19を用いてウェル部の外周面11dに押付け装着するだけで製造できることから、量産性に富んでいる。
又、副気室SCが副気室本体部13aを互いに構成するウェル部11cの外周面11d側に存する底板25aとタイヤ空気室MC側に存する上板25bとを張り合わせることによって形成しており、更に、上板25bがウェル部11cの外周面11d側から離間する方向に凸形状に湾曲形成されているために、副気室SCの内圧が高まった場合にも、上板25bの外側(ウェル部11cの外周面11d側から離間する方向)への膨張が抑制され、副気室SCの容積変動が抑制されることになって、副気室SCを構成する底板25a或いは上板25bの肉厚を増して剛性を高める等の処置を施す必要がなく、この結果、副気室部材13を軽量化でき、延いては車両用ホィール10自体の軽量化に寄与することができる。
次に、本発明における止め具部材19の他の実施の形態について、図8乃至図10を用いて説明する。
図8に示す第2の実施の形態における止め具部材19は、上記第1の実施の形態における止め具部材19をホィール周方向に幅広板状に形成したもので、図9に示すように、副気室部材13をウェル部11cのホィール周方向に例えば4個互いに離間するように並べて配置した際、互いに隣り合う副気室部材13の縁部13eを単一の止め具部材19により橋渡し装着すべく構成したものである。この場合、位置決め孔19aは、互いに隣り合う副気室部材13の位置決め突起13gにそれぞれ係合するように、一対形成されている。
又、同様に、図10に示す第2の実施の形態における止め具部材19は、やはり、単一構成により、副気室部材13の縁部13eを装着すべく構成するために、取付け片部19−1が、略中央部に存する連結集合部19−1aを有すると共に、連結集合部19−1aより互いに第1の縦壁面15及び第2の縦壁面16側に延在するように二股状に分岐して形成した脚片状部19−1b、19−1bを形成することによって構成されており、又、係合片部19−2は、二股状の脚片状部19−1b、19―1bの各先端部を薄板状に形成することにより構成している。
したがって、止め具部材19は、上記2つの実施の形態と異なって、副気室部材13の縁部13eを嵌合したウェル部11cの各溝部17内に係合片部19−2を嵌め込み、両縁部13e―3、13e―3をウェルc部11eの外周面11dとの間で挟着することによって、副気室部材13を装着するように構成したものである。
このように構成する第2及び第3の実施の形態は、上記第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏するものであると共に、互いに隣り合う2つの副気室部材13を同時に単一の止め具部材19によってウェル部11cの第1の縦壁面15と第2の縦壁面16の間に装着できることになって、止め具部材19の使用個数を少なくすることができ、延いては、車両用ホィール10自体の軽量化に寄与することができるものである。
加えて、図8及び図9に示す第2の実施の形態における止め具部材19の取付け片部19−1は、ホィール周方向に幅広板状に形成したため、止め具部材13の断面剛性を高くすることができて、車輪の回転により生ずる遠心力に対して変形しにくい構造となって、副気室部材13を第1の縦壁面15および第2の縦壁面の間からなお一層抜け出しにくくすることができる。
又、図10に示す第3の実施の形態における止め具部材19の取付け片部19−1は、二股状に分岐した脚片状部19−1b、19−1bを有することから、脚片状部19−1b、10−1bの各先端における係合片部19−2、19−2同士を互いに近付く方向に狭めながら、ウェル部11cに添設し、その後狭めた力を緩めて再び元の形状に復帰させる過程において、ホィール幅方向に移動して、第1の縦壁面15及び第2の縦壁面16の溝部17に簡単に嵌合することができ、更なる量産性を向上させることができ、加えて、止め具部材19における脚片状部19−1b同士の中央部に連結集合部19−1aが存するために、止め具部材19の断面剛性を高くすることができ、車輪の回転により生ずる遠心力に対して変形しにくい構造となって、副気室部材13を第1の縦壁面15および第2の縦壁面の間からなお一層抜け出しにくくすることができる。
以上説明したように、本発明は、副気室部材をウェル部に設けた第1の縦壁面と第2の縦壁面との間に挿入して止め具部材をもってウェル部に装着することができるため、タイヤ空気室内の気柱共鳴(空洞共鳴)に伴う騒音を低減すべく構成した車両用ホィール等に好適であるといえる。
10 車両用ホィール
11 リム
11c ウェル部
11d 外周面
13 副気室部材
13a 本体部
13b 連通孔
13e 縁部
15 第1の縦壁面
16 第2の縦壁面
12 挟着凹部
19 止め具部材
19−1 取付け片部
19−2 係合片部
MC タイヤ空気室
SC 副気室
11 リム
11c ウェル部
11d 外周面
13 副気室部材
13a 本体部
13b 連通孔
13e 縁部
15 第1の縦壁面
16 第2の縦壁面
12 挟着凹部
19 止め具部材
19−1 取付け片部
19−2 係合片部
MC タイヤ空気室
SC 副気室
Claims (5)
- タイヤ空気室内に配置する副気室部材が、リムを構成するウェル部の外周面から径方向外側に立ち上がると共に前記外周面の周方向に延びるように形成された第1の縦壁面と、該第1の縦壁面に対向するように前記ウェル部に形成された第2の縦壁面との間に装着されて構成する車両用ホィールであって、
前記副気室部材は、樹脂で形成され、且つ、前記ウェル部の外周面側に存する底板および前記タイヤ空気室側に存する上板を張り合わせることによって前記タイヤ室に連通する連通孔を有する副気室を形成して構成する副気室本体部と、該副気室本体部の外周部に延出して形成される縁部とを有して構成し、
該縁部を、前記第1の縦壁面および前記第2の縦壁面に係合設置した止め具部材により、前記ウェル部の外周面側に押圧することにより止着して、前記副気室部材を前記ウェル部の外周面上に装着したことを特徴とする車両用ホィール。 - 前記止め具部材は、前記副気室部材の縁部を前記ウェル部の外周面側に押し付け止着する取付け片部と、該取付け片部の両先端部にそれぞれ一体に形成され且つ前記第1の縦壁面及び前記第2の縦壁面に係合される一対の係合片部とを有しており、該各係合片部を前記第1の縦壁面及び第2の縦壁面にそれぞれ係合させた際に、前記取付け片部に弾性力が付与されて前記縁部を前記ウェル部の外周面側に押圧するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用ホィール。
- 前記副気室部材を前記ウェル部の外周面上に複数個並置した際に、互いに隣り合う副気室部材の縁部が共に単一の前記止め具部材を用いて橋渡し止着されるように構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用ホィール。
- 前記取付け片部を幅広板状に形成することによって、前記互いに隣り合う副気室部材の縁部が共に橋渡し止着されるように構成したことを特徴とする請求項3に記載の車両用ホィール。
- 前記取付け片部を、中央部に存する連結集合部より互いに前記第1及び第2の縦壁面側に延在するように二股状に分岐した脚片状部により構成して、該各脚片状部が前記副気室部材の縁部を止着すると共に、前記両脚片状部の各先端部にそれぞれ前記係合片部を形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一に記載の車両用ホィール。
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