JP2014226892A - パイプ成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】剛性の確保及び振動減衰特性の向上を図ることができるパイプ成形体を提供する。【解決手段】パイプ成形体1は、荷重作用方向に平行な方向において対向する一対の第1側壁21及び荷重作用方向に垂直な方向において対向する一対の第2側壁22を有する管状のベース部2と、一対の第1側壁21のそれぞれの外側に配置された一対の第1補強部3と、一対の第2側壁22のそれぞれの外側に配置された一対の第2補強部4と、ベース部2及び各補強部3,4の少なくとも1つに埋設された制振弾性層5と、を備える。ベース部2及び各補強部3,4は、繊維強化樹脂からなる。制振弾性層5は、繊維強化樹脂のマトリックス樹脂よりも低い引張弾性率を有する樹脂からなる。各補強部3,4は、パイプ成形体1の長手方向からみた場合に、縁部から中心部に向かうにつれて厚さが増すような凸形状を呈している。【選択図】図3
Description
本発明は、例えば物品を搬送する際又は物品を保管する際等に、物品を支持するパイプ成形体に関する。
物品を支持するパイプ成形体として、特許文献1には、軸方向に断面略正方形状の中空部を備える円筒状に成形された繊維強化樹脂製のサポートバーが記載されている。このサポートバーは、液晶ディスプレイ(LCD)の製造工程等においてガラス基板を基板収納カセット内に保管する際に当該ガラス基板を支持するために使用される。
ところで、上述したような液晶ディスプレイの製造工程等においては、ガラス基板等の物品を安定的に支持する観点から、パイプ成形体の剛性の確保及び振動減衰特性の向上が強く望まれている。
そこで、本発明は、剛性の確保及び振動減衰特性の向上を図ることができるパイプ成形体を提供することを目的とする。
本発明のパイプ成形体は、物品を支持するパイプ成形体であって、第1繊維強化樹脂からなり、荷重作用方向に平行な方向において対向する一対の第1側壁及び荷重作用方向に垂直な方向において対向する一対の第2側壁を有する管状のベース部と、第2繊維強化樹脂からなり、一対の第1側壁のそれぞれの外側に配置された一対の第1補強部と、第3繊維強化樹脂からなり、一対の第2側壁のそれぞれの外側に配置された一対の第2補強部と、第1繊維強化樹脂、第2繊維強化樹脂及び第3繊維強化樹脂のマトリックス樹脂よりも低い引張弾性率を有する樹脂からなり、ベース部、一対の第1補強部及び一対の第2補強部の少なくとも1つに埋設された制振弾性層と、を備え、一対の第1補強部及び一対の第2補強部のそれぞれは、パイプ成形体の長手方向からみた場合に、縁部から中心部に向かうにつれて厚さが増すような凸形状を呈している。
このパイプ成形体では、ベース部、一対の第1補強部及び一対の第2補強部の少なくとも1つに埋設された制振弾性層によって、振動減衰時間の短縮化等、振動減衰特性の向上が図られる。更に、ベース部、一対の第1補強部及び一対の第2補強部からなる形状によって、制振弾性層の適用に起因した剛性の低下が防止される。よって、このパイプ成形体によれば、剛性の確保及び振動減衰特性の向上を図ることができる。なお、引張弾性率とは、短冊状サンプルを試験片とし、通常用いられる引張試験機を用いて実施する引張試験により、得られるものである。
本発明のパイプ成形体では、制振弾性層は、ベース部、一対の第1補強部及び一対の第2補強部のうち、一対の第1補強部のそれぞれのみに埋設されていてもよい。この構成によれば、荷重作用方向に平行な方向における振動減衰時間を著しく短縮化することができる。
本発明のパイプ成形体では、制振弾性層は、ベース部、一対の第1補強部及び一対の第2補強部のうち、ベース部のみに埋設されていてもよいし、或いは、制振弾性層は、ベース部、一対の第1補強部及び一対の第2補強部のうち、一対の第1補強部のそれぞれ及びベース部のみに埋設されていてもよい。これらの場合に、制振弾性層は、ベース部の周方向において連続するようにベース部に埋設されていてもよい。これらの構成によれば、荷重作用方向に平行な方向における振動減衰時間を十分に短縮化することができる。
本発明のパイプ成形体では、制振弾性層は、片持ち支持されるベース部の固定端を含む部分において、ベース部、一対の第1補強部及び一対の第2補強部の少なくとも1つに埋設されていてもよい。この構成によれば、制振弾性層の材料の量を抑えつつ、例えば、片持ち支持されるベース部の自由端を含む部分に制振弾性層が設けられている場合に比べ、振動減衰特性の向上を図ることができる。
本発明のパイプ成形体では、第1繊維強化樹脂の繊維は、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維又はガラス繊維であってもよい。また、第2繊維強化樹脂の繊維は、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維又はガラス繊維であってもよい。また、第3繊維強化樹脂の繊維は、PAN系炭素繊維又はガラス繊維であってもよい。これらの構成によれば、剛性の確保をより好適に図ることができる。
本発明のパイプ成形体では、制振弾性層の樹脂は、ゴム系樹脂であってもよい。この構成によれば、振動減衰特性の向上をより好適に図ることができる。
本発明によれば、剛性の確保及び振動減衰特性の向上を図ることができるパイプ成形体を提供することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1及び図2に示されるように、パイプ成形体1は、長尺状の管体であり、例えば、液晶ディスプレイの製造工程等において、ガラス基板を搬送するロボットハンド又はガラス基板を保管する基板収納カセット等に使用されて、ガラス基板等の物品を支持する。パイプ成形体1の長手方向に平行な方向をY軸方向とした場合、X軸方向におけるパイプ成形体1の幅は、一定となっており、Z軸方向におけるパイプ成形体1の幅は、基端1aから所定位置までは一定、当該所定位置から先端1bまでは先端1bに向かって漸減している。ただし、Z軸方向におけるパイプ成形体1の幅の一方の側(図2では上側)は、平坦となっている。
図3に示されるように、パイプ成形体1は、管状のベース部2と、一対の第1補強部3と、一対の第2補強部4と、を備えている。ベース部2は、Z軸方向において対向する一対の第1側壁21及びX軸方向において対向する一対の第2側壁22を有している。ベース部2において隣り合う第1側壁21と第2側壁22とは、外側に凸となるように湾曲する湾曲部23によって接続されている。第1補強部3は、各第1側壁21の外側の表面に配置されている。第2補強部4は、各第2側壁22の外側の表面に配置されている。なお、ベース部2において隣り合う第1側壁21と第2側壁22とは、湾曲部23に替えて、平坦状の傾斜部によって接続されていてもよいし、或いは、直接接続されていてもよい。
パイプ成形体1では、Z軸方向が荷重作用方向となっている。したがって、一対の第1側壁21は、荷重作用方向に平行な方向において対向し、一対の第2側壁22は、荷重作用方向に垂直な方向において対向することになる。なお、荷重作用方向とは、パイプ成形体1がガラス基板等の物品を支持した際に、当該物品の荷重がパイプ成形体1に主に作用する面に垂直な方向である。
各第1補強部3は、パイプ成形体1の長手方向からみた場合に、縁部から中心部に向かうにつれて厚さが増すような凸形状を呈している。同様に、各第2補強部4は、パイプ成形体1の長手方向からみた場合に、縁部から中心部に向かうにつれて厚さが増すような凸形状を呈している。これらにより、Y軸に垂直なパイプ成形体1の断面形状の外形は、円形状乃至楕円形状を呈することになる。
ベース部2、第1補強部3及び第2補強部4は、GFRP(glass fiber reinforced plastics)又はCFRP(carbon fiber reinforced plastics)等の繊維強化樹脂からなり、1又は複数のプリプレグが積層されることにより構成されている。一例として、ベース部2を構成する繊維強化樹脂(第1繊維強化樹脂)の繊維は、PAN系炭素繊維(引張弾性率:好ましくは160〜650GPa、より好ましくは200〜500GPa)、ピッチ系炭素繊維(引張弾性率:好ましくは400〜900GPa、より好ましくは600〜900GPa)又はガラス繊維(引張弾性率:好ましくは50〜100GPa、より好ましくは60〜80GPa)である。第1補強部3を構成する繊維強化樹脂(第2繊維強化樹脂)の繊維は、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維又はガラス繊維である。第2補強部4を構成する繊維強化樹脂(第3繊維強化樹脂)の繊維は、PAN系炭素繊維又はガラス繊維である。プリプレグとしては、一方向プリプレグ、織物プリプレグ等が使用される。一方向プリプレグは、繊維が一方向のみに配向されたプリプレグであり、強度及び剛性を得たい部位に使用される。織物プリプレグは、平織り、綾織り等されたプリプレグであり、成形体の角部での割れ発生の防止、真空パッド穴等の機械加工部位でのバリ発生の防止のために使用される。
パイプ成形体1は、複数の制振弾性層5を更に備えている。制振弾性層5は、一対の第1補強部3のそれぞれに複数ずつ埋設されている。制振弾性層5は、ベース部2、一対の第1補強部3及び一対の第2補強部4のうち、一対の第1補強部3のそれぞれのみに埋設されている。パイプ成形体1の基端1aは、ロボットハンド又は基板収納カセット等においてパイプ成形体1が片持ち支持される際に固定端となるが、このとき、制振弾性層5は、ベース部2の固定端(すなわち、基端1aに対応する端)を含む部分(例えば、基端1aから全長の40〜75%の位置までの部分)において、一対の第1補強部3のそれぞれに埋設されている。
制振弾性層5は、ベース部2、第1補強部3及び第2補強部4を構成する繊維強化樹脂のマトリックス樹脂よりも低い引張弾性率を有する樹脂からなる。制振弾性層5の樹脂は、0.1〜500MPa(好ましくは0.1〜100MPa、より好ましくは0.1〜50MPa)の引張弾性率を有するものが望ましい。一例として、制振弾性層5の樹脂としては、ゴム系樹脂(スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPM,EPDM)、柔軟鎖を持つポリマーであるゴム等)並びにエラストマー(ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、低弾性エポキシ樹脂等)が挙げられる。
以上のように構成されたパイプ成形体1では、一対の第1補強部3のそれぞれに埋設された制振弾性層5によって、振動減衰時間の短縮化等、振動減衰特性の向上が図られる。特に、荷重作用方向(すなわち、Z軸方向)に平行な方向における振動減衰時間が著しく短縮化される。更に、ベース部2、一対の第1補強部3及び一対の第2補強部4からなる形状によって、制振弾性層5の適用に起因した剛性の低下が防止される。よって、パイプ成形体1によれば、剛性の確保及び振動減衰特性の向上を図ることができる。
また、パイプ成形体1では、ベース部2を構成する繊維強化樹脂の繊維が、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維又はガラス繊維であり、第1補強部3を構成する繊維強化樹脂の繊維が、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維又はガラス繊維であり、第2補強部4を構成する繊維強化樹脂の繊維が、PAN系炭素繊維又はガラス繊維となっている。これにより、パイプ成形体1の剛性の確保をより好適に図ることができる。
また、パイプ成形体1では、制振弾性層5の樹脂が、ゴム系樹脂となっている。これにより、パイプ成形体1の振動減衰特性の向上をより好適に図ることができる。
なお、ベース部2、第1補強部3及び第2補強部4に、パイプ成形体1の長手方向に対して+45°及び−45°の方向に繊維が配向されたプリプレグを使用すれば、パイプ成形体1のねじり剛性を高めることができ、また、製造時のパイプ成形体1のねじり不良を防止することができる。更に、第2補強部4に使用することで、第2補強部4のせん断剛性を高め、パイプ成形体1をたわみにくくすることができる。
また、ベース部2の最内層部、ベース部2の最外層部及び第1補強部3の外層部に織物プリプレグを使用したり、パイプ成形体1の最外層部に織物プリプレグを使用したりすれば、成形体の角部での割れ発生、真空パッド穴等の機械加工部位でのバリ発生を防止することができる。
次に、パイプ成形体1の製造方法について説明する。まず、図4及び図5に示されるように、芯材としてマンドレルMを準備し、ベース部2を構成するように所定形状に切り出された1又は複数のプリプレグ20をマンドレルMに巻き付ける。マンドレルMは、パイプ成形体1のベース部2の中空部分に対応する形状を有している。マンドレルMの材料としては、後の加熱硬化工程において変質しないこと、及びプリプレグ20のマトリックス樹脂よりも熱膨張率が大きいこと(加熱硬化工程の後に抜き出し易くなるため)を満たすものが好ましい。
続いて、図6に示されるように、マンドレルMに巻き付けられたプリプレグ20の外側の表面に、第1補強部3及び第2補強部4を構成するようにそれぞれ所定形状に切り出された複数のプリプレグ30及び複数のプリプレグ40を積層する。複数のプリプレグ30を積層する際には、所定位置に制振弾性層5を介在させる。これにより、予備成形体10を得る。続いて、図7に示されるように、予備成形体10の長手方向に少しずつずらし且つ張力を掛けながら、ラッピングテープTを予備成形体10に螺旋状に巻き付ける。ラッピングテープTの材料としては、巻き付け時の引張強さ及び伸び特性に優れること、加熱硬化工程における加熱温度に追従した熱収縮特性及び熱応力特性を有すること、並びに成形後に剥がれ易いことを満たすものが好ましい。
続いて、ラッピングテープTが巻き付けられた予備成形体10を加熱炉内で加熱する。加熱温度及び加熱時間は、プリプレグ20,30,40が含有する熱硬化剤の種類及び予備成形体10の形状等によって適宜決定される。加熱炉内での加熱により、マンドレルMとラッピングテープTとで加圧された状態で、プリプレグ20,30,40のマトリックス樹脂が軟化・一体化されて、予備成形体10の外側の表面が楕円柱状に整形される。続いて、予備成形体10を加熱炉から取り出して室温まで冷却することにより、一体化されたマトリックス樹脂を硬化させる。最後に、マンドレルMを抜き出し、ラッピングテープTを剥がして、パイプ成形体1を得る。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明のパイプ成形体は、ガラス基板を支持するものに限定されず、様々な物品を支持するものとして用いることができる。
また、本発明のパイプ成形体では、制振弾性層は、ベース部、一対の第1補強部及び一対の第2補強部の少なくとも1つに埋設されていればよい。例えば、制振弾性層は、ベース部、一対の第1補強部及び一対の第2補強部のうち、ベース部のみに埋設されていてもよいし、或いは、制振弾性層は、ベース部、一対の第1補強部及び一対の第2補強部のうち、一対の第1補強部のそれぞれ及びベース部のみに埋設されていてもよい。そして、これらの場合に、制振弾性層は、ベース部の周方向において連続するようにベース部に埋設されていてもよい。これらの構成によっても、荷重作用方向に平行な方向における振動減衰時間を十分に短縮化することができる。
また、本発明のパイプ成形体では、制振弾性層は、片持ち支持されるベース部の固定端を含む部分において、ベース部、一対の第1補強部及び一対の第2補強部の少なくとも1つに埋設されていてもよい。この構成によれば、制振弾性層の材料の量を抑えつつ、例えば、片持ち支持されるベース部の自由端を含む部分に制振弾性層が設けられている場合に比べ、振動減衰特性の向上を図ることができる。
また、一対の第1補強部のそれぞれに埋設される制振弾性層は、パイプ成形体の全長に渡って1層又は複数層設けられていてもよいし、基端から全長の途中までの部分に渡って1層又は複数層設けられていてもよい。また、一対の第1補強部のそれぞれに埋設される制振弾性層が複数層設けられる場合、そのうちの一部の制振弾性層がパイプ成形体の全長に渡って設けられ、残りの制振弾性層が基端から全長の途中までの部分に渡って設けられるなど、各制振弾性層の先端側の位置は揃っていなくてもよい。
[実施例]
[実施例]
本実施例では引張弾性率は、以下の方法で測定した。荷重及び変位増加量から引張弾性率を測定した。
(1)試験機:株式会社エイ・アンド・デイ製「テンシロン万能試験機(型式UCT−1T)」(最大容量1トン)
(2)引張速度:5mm/分
(3)試験環境:温度23℃、湿度50%
(4)試験片サイズ:幅50mm、長さ300mm
(1)試験機:株式会社エイ・アンド・デイ製「テンシロン万能試験機(型式UCT−1T)」(最大容量1トン)
(2)引張速度:5mm/分
(3)試験環境:温度23℃、湿度50%
(4)試験片サイズ:幅50mm、長さ300mm
図3に示されるように、制振弾性層5が一対の第1補強部3のそれぞれのみに埋設されたパイプ成形体1と同様の構成を有するパイプ成形体を、実施例1として用意した。実施例1のパイプ成形体の具体的な仕様は、表1のとおりである。また、実施例1のパイプ成形体の寸法は、次のとおりである。なお、表1における層番号は、内側の層から順に付した番号である(後述の表2〜4においても同様)。
(1)長さ:2967mm(図1における1aから1bの距離)
(2)荷重作用方向に平行な方向における基端の幅:40mm(図2の1aの長さ)
(3)荷重作用方向に垂直な方向における基端の幅:66mm(図1の1aの長さ)
(4)荷重作用方向に平行な方向における先端の幅:26mm(図2の1bの長さ)
(5)荷重作用方向に垂直な方向における先端の幅:66mm(図1の1bの長さ)
(1)長さ:2967mm(図1における1aから1bの距離)
(2)荷重作用方向に平行な方向における基端の幅:40mm(図2の1aの長さ)
(3)荷重作用方向に垂直な方向における基端の幅:66mm(図1の1aの長さ)
(4)荷重作用方向に平行な方向における先端の幅:26mm(図2の1bの長さ)
(5)荷重作用方向に垂直な方向における先端の幅:66mm(図1の1bの長さ)
図8に示されるように、制振弾性層5がベース部2のみに埋設されたパイプ成形体1と同様の構成を有するパイプ成形体を、実施例2として用意した。実施例2のパイプ成形体の具体的な仕様は、表2のとおりである。また、実施例2のパイプ成形体の寸法は、実施例1のパイプ成形体の寸法と略同等である。なお、図8に示されるパイプ成形体1では、制振弾性層5が、ベース部2の周方向において連続するようにベース部2に埋設されている。
図9に示されるように、制振弾性層5が一対の第1補強部3のそれぞれ及びベース部2のみに埋設されたパイプ成形体1と同様の構成を有するパイプ成形体を、実施例3として用意した。実施例3のパイプ成形体の具体的な仕様は、表3のとおりである。また、実施例3のパイプ成形体の寸法は、実施例1のパイプ成形体の寸法と略同等である。なお、図9に示されるパイプ成形体1では、制振弾性層5が、ベース部2の周方向において連続するようにベース部2に埋設されている。
図10に示されるように、制振弾性層5が設けられていないパイプ成形体100と同様の構成を有するパイプ成形体を、比較例として用意した。比較例のパイプ成形体の具体的な仕様は、表4のとおりである。また、比較例のパイプ成形体の寸法は、実施例1のパイプ成形体の寸法と略同等である。
表1〜表4におけるプリプレグ及び制振弾性層の性状は、次のとおりである。
(1)PAN系平織りの炭素繊維(ポリアクリロニトリルを原料とする炭素繊維)の引張弾性率:230GPa
(2)PAN系平織りのマトリックス樹脂:130℃硬化エポキシ
(3)PAN系230GPaの炭素繊維(ポリアクリロニトリルを原料とする炭素繊維)の引張弾性率:230GPa
(4)PAN系230GPaのマトリックス樹脂:130℃硬化エポキシ
(5)ピッチ系800GPaの炭素繊維(コールタールピッチ等を原料とする炭素繊維)の引張弾性率:800GPa
(6)ピッチ系800GPaのマトリックス樹脂:130℃硬化エポキシ
(7)制振弾性層:厚さ0.15mm、引張弾性率85MPaのスチレン−ブタジエンゴム製シート
(1)PAN系平織りの炭素繊維(ポリアクリロニトリルを原料とする炭素繊維)の引張弾性率:230GPa
(2)PAN系平織りのマトリックス樹脂:130℃硬化エポキシ
(3)PAN系230GPaの炭素繊維(ポリアクリロニトリルを原料とする炭素繊維)の引張弾性率:230GPa
(4)PAN系230GPaのマトリックス樹脂:130℃硬化エポキシ
(5)ピッチ系800GPaの炭素繊維(コールタールピッチ等を原料とする炭素繊維)の引張弾性率:800GPa
(6)ピッチ系800GPaのマトリックス樹脂:130℃硬化エポキシ
(7)制振弾性層:厚さ0.15mm、引張弾性率85MPaのスチレン−ブタジエンゴム製シート
以上のように構成された実施例1〜3及び比較例のパイプ成形体について、次のように、減衰自由振動波形を計測した。まず、図15に示されるように、直方体状の本体部51と、本体部51から突出する突出部52と、を有し、アルミニウム等の金属により一体的に形成された支持部材50を準備した。続いて、突出部52を実施例1のパイプ成形体1の基端1aの開口から挿入し、接着剤で固定した。そして、支持部材50の本体部51の平坦面を台座53の上面に固定した。このようにして、実施例1のパイプ成形体1を、基端1aを固定端とし、先端1bを自由端とした状態で、水平に片持ち支持した。そして、先端1bに糸54で重り55を吊り下げることにより先端1bに初期荷重2kgを付与し、糸54を切断することによりその初期荷重を除荷した後の減衰自由振動波形を計測した。実施例2,3及び比較例のパイプ成形体についても同様である。
実施例1のパイプ成形体の結果は図11に示されるとおりとなり、実施例2のパイプ成形体の結果は図12に示されるとおりとなり、実施例3のパイプ成形体の結果は図13に示されるとおりとなり、比較例のパイプ成形体の結果は図14に示されるとおりとなった。これらの結果から分かるように、比較例に対し、実施例1のパイプ成形体で最も良好な結果が得られ、以下、実施例2のパイプ成形体、実施例3のパイプ成形体の順で良好な結果が得られた。特に、実施例1のパイプ成形体のように、制振弾性層5を一対の第1補強部3のそれぞれのみに埋設すると、振動減衰時間の短縮化が顕著になることが分かった。
1…パイプ成形体、2…ベース部、3…第1補強部、4…第2補強部、5…制振弾性層、21…第1側壁、22…第2側壁。
Claims (10)
- 物品を支持するパイプ成形体であって、
第1繊維強化樹脂からなり、荷重作用方向に平行な方向において対向する一対の第1側壁及び前記荷重作用方向に垂直な方向において対向する一対の第2側壁を有する管状のベース部と、
第2繊維強化樹脂からなり、一対の前記第1側壁のそれぞれの外側に配置された一対の第1補強部と、
第3繊維強化樹脂からなり、一対の前記第2側壁のそれぞれの外側に配置された一対の第2補強部と、
前記第1繊維強化樹脂、前記第2繊維強化樹脂及び前記第3繊維強化樹脂のマトリックス樹脂よりも低い引張弾性率を有する樹脂からなり、前記ベース部、一対の前記第1補強部及び一対の前記第2補強部の少なくとも1つに埋設された制振弾性層と、を備え、
一対の前記第1補強部及び一対の前記第2補強部のそれぞれは、パイプ成形体の長手方向からみた場合に、縁部から中心部に向かうにつれて厚さが増すような凸形状を呈している、パイプ成形体。 - 前記制振弾性層は、前記ベース部、一対の前記第1補強部及び一対の前記第2補強部のうち、一対の前記第1補強部のそれぞれのみに埋設されている、請求項1記載のパイプ成形体。
- 前記制振弾性層は、前記ベース部、一対の前記第1補強部及び一対の前記第2補強部のうち、前記ベース部のみに埋設されている、請求項1記載のパイプ成形体。
- 前記制振弾性層は、前記ベース部、一対の前記第1補強部及び一対の前記第2補強部のうち、一対の前記第1補強部のそれぞれ及び前記ベース部のみに埋設されている、請求項1記載のパイプ成形体。
- 前記制振弾性層は、前記ベース部の周方向において連続するように前記ベース部に埋設されている、請求項3又は4記載のパイプ成形体。
- 前記制振弾性層は、片持ち支持される前記ベース部の固定端を含む部分において、前記ベース部、一対の前記第1補強部及び一対の前記第2補強部の少なくとも1つに埋設されている、請求項1〜5のいずれか一項記載のパイプ成形体。
- 前記第1繊維強化樹脂の繊維は、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維又はガラス繊維である、請求項1〜6のいずれか一項記載のパイプ成形体。
- 前記第2繊維強化樹脂の繊維は、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維又はガラス繊維である、請求項1〜7のいずれか一項記載のパイプ成形体。
- 前記第3繊維強化樹脂の繊維は、PAN系炭素繊維又はガラス繊維である、請求項1〜8のいずれか一項記載のパイプ成形体。
- 前記制振弾性層の前記樹脂は、ゴム系樹脂である、請求項1〜9のいずれか一項記載のパイプ成形体。
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