JP2019065914A - 連結部材 - Google Patents

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真章 中村
Masaaki Nakamura
真章 中村
洋一郎 福永
Yoichiro Fukunaga
洋一郎 福永
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Abstract

【課題】所定の方向から過大な力(衝撃力)が作用する場合であっても、この力を効果的に吸収することができる連結部材を提供する。【解決手段】連結部材10は、中空部21を形成する繊維強化樹脂からなる内周層11と、内周層11の外周面11aに沿って被覆された発泡樹脂からなる発泡層12と、発泡層12の外周面12aに沿って被覆された繊維強化樹脂からなる外周層13と、を備える。本体部14は、延在方向Lに対して直交する断面において、台形状の外形の輪郭を有しており、本体部14は、前記断面において、力が作用する方向に対して直交する方向に延在した底辺部23と、底辺部23に連続し、底辺部23から離れる方向に進むに従って、相互に近づくように延在した一対の側辺部24、24と、一対の側辺部24、24を繋ぐように形成された頂辺部25と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、一対の支持部材の間に連結されるに好適な連結部材に関する。
従来から、一対の支持部材の間を連結する際には、筒状の連結部材が利用されることが多い。たとえば、特許文献1には、以下に示す連結部材が提案されている。この連結部材は、円筒状の成形体であり、繊維強化樹脂からなる外側層および内側層と、これらの間に配置されたゴムなどからなる制振層とを備えている。
この連結部材によれば、外側層と内側層とにより、連結部材の剛性を確保することができるとともに、外側層と内側層との間に形成された制振層により、連結部材に作用する力を、制振層で吸収することができる。
特開2011−024311号公報
しかしながら、特許文献1の連結部材は、円筒状であるため、様々な方向から作用する力に対して、連結部材に作用する力を分散させることができるが、所定の方向から過大な力(衝撃力)が作用する場合には、その形状に起因して、制振材で十分に力を吸収できないことがある。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、所定の方向から過大な力(衝撃力)が作用する場合であっても、この力を効果的に吸収することができる連結部材を提供することにある。
前記課題を鑑みて、本発明に係る連結部材は、一対の支持部材を連結することにより、前記一対の支持部材に支持され、所定の方向に力が作用する連結部材であって、前記連結部材は、中空部を有した筒状であり、前記中空部を形成する繊維強化樹脂からなる内周層と、前記内周層の外周面に沿って被覆された発泡樹脂からなる発泡層と、前記発泡層の外周面に沿って被覆された繊維強化樹脂からなる外周層と、を備えており、前記連結部材は、前記一対の支持部材の間において、前記連結部材が延在する延在方向に対して直交する断面において、台形状の外形の輪郭を有しており、前記連結部材は、前記断面において、前記力が作用する方向に対して直交する方向に延在した平板状の底辺部と、前記底辺部に連続し、前記底辺部から離れる方向に進むに従って、相互に近づくように延在した一対の側辺部と、前記一対の側辺部を繋ぐように形成された頂辺部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、アーム本体の内周層と外周層との間に、発泡樹脂からなる発泡層が形成されているので、連結部材に作用する力(たとえば衝撃力)を、発泡層で吸収することができる。具体的には、平板状の底辺部は、力が作用する方向に対して直交する方向に延在しているので、これまでの円筒状の連結部材に比べて、底辺部は、前記力に対して広い受け部となり、底辺部の発泡層が圧縮変形するため、このような力を底辺部で効果的に受けることができる。
さらに、底辺部に対して作用した力の一部は、底辺部の内側層から、底辺部に対して傾斜した一対の側辺部の発泡層でも吸収され、最終的には、頂辺部の発泡層で吸収することができる。このような結果、所定の方向から過大な力(衝撃力)が作用する場合であっても、この力を効果的に吸収することができる。
なお、本発明でいう「所定方向に作用する力」とは、底辺部が平板状に延在する表面に対して、直交する方向から作用する外力、および、支持部材の相対的な位置の変化により、連結部材に曲げモーメントが作用した際に底辺部(の外周層)に生じる、曲げに起因した力である。この曲げに起因した力は、外周層、発泡層、および内周層を筒状に構成した際に、この構造に生じる特有の力(見かけ上の力)である。
さらに好ましい態様としては、前記断面において、前記頂辺部の中央が、前記底辺部から離れる方向に、膨らむように湾曲している。この態様によれば、前記断面において、前記頂辺部の中央が、底辺部から離れる方向に、膨らむように湾曲しているので、底辺部に作用する力(たとえば衝撃力)を、頂辺部で集中させることなく、効率的に逃がすことができる。
さらに好ましい態様としては、前記断面において、前記底辺部を構成する前記発泡層の厚みは、前記側辺部および前記頂辺部を構成する発泡層の厚みよりも厚い。この態様によれば、前記力が作用する底辺部の発泡層の厚みを厚くすることにより、底辺部に作用する力を、より効率的に吸収することができる。なお、本明細書でいう、その部位の発泡層の厚みとは、その部位における平均厚みである。例えば、底辺部の発泡層の厚みとは、底辺部の平板状の部分における発泡層の平均厚みのことである。
さらに好ましい態様としては、前記底辺部と前記側辺部との境界部分に位置する前記発泡層の厚みは、前記底辺部、前記側辺部、および前記頂辺部を構成する発泡層の厚みよりも、薄い。
この態様によれば、連結部材が捩じれた際には、底辺部と側辺部との境界部分に、他の部分に比べて大きな力が作用するが、この境界部分の発泡層の厚みは薄いため、この境界部分の外周層と内周層の距離が、他の部分に比べて近く、外周層と内周層とが一体となって、この捩じれによる力を受けるため、連結部材の剛性を高めることができる。
さらに、好ましい態様としては、前記底辺部と前記側辺部との境界部分に位置する前記発泡層の発泡樹脂の密度は、前記底辺部、前記側辺部、および前記頂辺部を構成する発泡層の発泡樹脂の密度よりも、高い。この態様によれば、境界部分に位置する発泡層の発泡樹脂の密度が高いので、連結部材が捩じれた際には、他の部分に比べて、外周層と内周層とが一体となって、この捩じれによる力を受け、連結部材の剛性をさらに高めることができる。なお、本明細書でいう、その部位の発泡樹脂の密度とは、その部位における発泡樹脂の平均密度である。例えば、底辺部の発泡層の発泡樹脂の平均密度とは、底辺部の平板状の部分における発泡層の発泡樹脂の平均密度のことである。
本発明に係る連結部材によれば、所定の方向から過大な力(衝撃力)が作用する場合であっても、この衝撃力を効果的に吸収することができる。
本発明の第1実施形態に係る連結部材の模式的斜視図である。 図1に示す連結部材のA−A線に沿った矢視方向の断面図である。 図2に示す連結部材のB−B線に沿った矢視方向の断面図である。 図2に示す連結部材のC−C線に沿った矢視方向の断面図である。 図4に相当する変形例に係る連結部材の断面図である。 図5に相当する別の変形例に係る連結部材の断面図である。 図5に相当するさらなる変形例に係る連結部材の断面図である。
以下の本発明のいくつかの実施形態に係る連結部材10を、図1〜図7を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る連結部材10の模式的斜視図である。図2は、図1に示す連結部材10のA−A線に沿った矢視断面図である。図3は、図2に示す連結部材10のB−B線に沿った矢視断面図である。図4は、図2に示す連結部材10のC−C線に沿った矢視断面図である。
なお、図1に示す、各支持部材30の形状は同じ形状であり、各支持部材30と連結部材10との接続状態は、同じである。したがって、図2および図3では、一方側の支持部材30とこれに接続された連結部材10の一方側の端部の断面のみを示し、本明細書では、他方側の支持部材30と、これに接続された連結部材10の他方側の端部の構造についての説明は省略する。
本実施形態に係る連結部材10は、図1に示すように、一対の支持部材30、30を連結し、所定の方向に力が作用する部材である。連結部材10は、一対の支持部材30、30の間に配置され、各支持部材30に接続された状態で、一対の支持部材30、30と共に接続構造を成している。
本実施形態では、各支持部材30は、連結部材10を支持する四角筒状の支持柱であり、2つの支持部材30、30は、上述した如く同じ形状である。各支持部材30は、鉛直方向に延在した本体部31と、本体部31から水平方向に突出した接続部32とを備えている。本体部31は、四角形の筒状部分であり、接続部32は、後述する連結部材10の中空部21の形状に応じた台形状の筒状部分である。
ここで、本実施形態では、支持部材30の一例として、連結部材10を支持する四角筒状の支持柱を示しているが、一対の支持部材30、30により、連結部材10を支持するような構造であれば、その構造は特に限定されるものではなく、支持部材30が、たとえば、構造物または機械等に固定されるフランジを含む部材であってもよい。
図1に示すように、連結部材10は、中空部21を有した筒状であり、本体部14と、本体部14の両側において本体部14に一体的に形成された接続部15と、を備えている。
本実施形態では、図4に示すように、本体部14は、中空部21を有した筒状である。本体部14は、中空部21を形成する繊維強化樹脂からなる筒状の内周層11と、内周層11の外周面11aに沿って被覆された発泡樹脂からなる発泡層12と、発泡層12の外周面12aに沿って被覆された繊維強化樹脂からなる外周層13と、を備えた3層構造である。
なお、本実施形態では、周回する内周層11、発泡層12、および外周層13のそれぞれの厚みは、略一定である。内周層11および外周層13の繊維強化樹脂の強化繊維の種類、強化繊維の密度、および合成樹脂は、同じであり、本実施形態では、好ましい態様として、内周層11の厚みに対して、外周層13の厚みが厚い。これにより、連結部材10の剛性を高めることができる。なお、本実施形態では周方向の沿った発泡層12の発泡倍率は、同じである。
本実施形態では、各接続部15は、繊維強化樹脂からなる。各接続部15を構成する繊維強化樹脂の層は、本体部14の内周層11および外周層13を構成する繊維強化樹脂の層と連続している。より具体的には、接続部15と内周層11には、連続した強化繊維がわたされ、接続部15と外周層13にも、連続した強化繊維がわたされる。このような結果、本体部14と、接続部15との強度を高めることができる。
図2および図3に示すように、各接続部15の中空部21には、支持部材30の接続部32が挿入されている。連結部材10の接続部15と、支持部材30の接続部32とは、相互に嵌合することにより、固定されていてもよく、接着剤、リベット、または締結部材の少なくとも1つを介して、相互に固定されていてもよい。
本実施形態では、連結部材10の両端に、接続部15、15を設けたが、支持部材30と連結部材10との接続性(連結性)を確保することとができるのであれば、連結部材10に対して、一方の接続部15または両方の接続部15、15を省略してもよい。
ここで、本体部14の内周層11、外周層13、および接続部15、15は、上述した如く、繊維強化樹脂からなり、個別の複数の繊維強化樹脂からなるプリプレグを積層することにより成形される。繊維強化樹脂は、以下に示す強化繊維に合成樹脂を含浸させたものである。
繊維強化樹脂の強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チラノ繊維、玄武岩繊維、セラミックス繊維などの無機繊維;ステンレス繊維やスチール繊維などの金属繊維;アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサドール(PBO)繊維などの有機繊維;またはボロン繊維などが挙げられる。強化繊維は、一種単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。なかでも、炭素繊維、ガラス繊維、またはアラミド繊維が好ましく、炭素繊維がより好ましい。これらの強化繊維は、軽量であるにも関わらず優れた機械的強度を有している。
このような強化繊維としては、長繊維または短繊維のいずれであってもよいが、所望の形状に加工された強化繊維基材として用いられることが好ましい。強化繊維基材としては、強化繊維を用いてなる織物基材、編物基材、不織布、または強化繊維を一方向に引き揃えた繊維束(ストランド)を糸で結束(縫合)してなる面材などが挙げられる。本実施形態では、また、強化繊維基材は、長繊維が織り込まれた織物基材であり、織物基材の織り方としては、平織、綾織、朱子織などが挙げられる。繊維強化基材は、一枚の繊維強化基材のみを積層せずに用いてもよく、複数枚の繊維強化基材を積層して積層繊維強化基材として用いてもよい。
合成樹脂は、強化繊維に含浸されて、強化繊維同士を結合する樹脂である。含浸させた合成樹脂によって、強化繊維同士を結着一体化させることができる。強化繊維に含浸させる合成樹脂は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂のいずれの樹脂であってもよいが、より好ましくは、熱硬化性樹脂である。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、マレイミド系樹脂、ビニルエステル系樹脂、シアン酸エステル系樹脂、またはマレイミド系樹脂とシアン酸エステル系樹脂を予備重合した樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なかでも、エポキシ系樹脂、またはビニルエステル系樹脂が好ましい。これらの合成樹脂によれば、弾性に優れた繊維強化樹脂を形成することができ、得られる連結部材10の耐衝撃性を向上させることができる。また、熱硬化性樹脂には、硬化剤、硬化促進剤などの添加剤が含有されていてもよい。繊維強化樹脂は、シート・モールディング・コンパウンド(SMC)により成形されてもよい。
本体部14を構成する発泡層12は、素材として発泡した合成樹脂を含んでいる。発泡層12用いられる合成樹脂として、具体的には、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリメタクリルイミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、またはポリプロピレン系樹脂などが挙げられる。なお、合成樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なかでも、発泡層12と、内周層11および外周層13とをより強固に一体化することができることから、熱可塑性ポリエステル系樹脂またはポリアミド系樹脂が好ましく、熱可塑性ポリエステル系樹脂がより好ましい。
合成樹脂は、シアノ基、ヒドロキシ基(水酸基)、カルボニル基、アミノ基、エポキシ基、ハロゲン原子、オキソ基、またはフェニル基などの極性基を有していることが好ましい。極性基を有している合成樹脂を用いることによって、これを含む本体部14の発泡層12と、内周層11および外周層13とを強固に一体化させることができる。これにより、連結部材10に衝撃力が加わった際に発泡層12との内周層11および外周層13の剥離を低減させて、連結部材10の耐衝撃性をより向上させることが可能となる。
ここで、本実施形態では、本体部14の形状が、これまでの円筒形状とは異なる。具体的には、本体部14は、一対の接続部15、15の間において、本体部14が延在する延在方向Lに対して直交する断面(図4に示す断面参照)において、台形状の外形の輪郭を有している。なお、図4では、この台形の形状を上下反転させて、示している。
具体的には、本体部14は、底辺部23と、一対の側辺部24、24と、頂辺部25とにより構成され、外形の輪郭は台形形状であり、上述した中空部21も台形形状となっている。ここで、底辺部23は、平板状であり、上述した内周層11、発泡層12、および外周層13の一部が積層された3層構造からなる。底辺部23は、図4に示す力(白抜矢印)が作用する方向に対して直交する方向に延在している。
なお、図4に示す力としては、底辺部が平板状に延在する表面に対して、直交する方向から作用する外力(たとえば衝撃力)などを挙げることができる。また、この他にも、支持部材30、30の相対的な位置の変化(図1に示す上下方向の位置ずれ)により、連結部材10に曲げモーメントが作用した際に、底辺部23(の外周層13)に生じる、曲げに起因した力(衝撃力)である。この曲げに起因した力は、図4に示す断面形状を有した、内周層11、発泡層12、および外周層13を筒状構造体に生じる特有の力(見かけ上の力)である。
一対の側辺部24、24は、平板状であり、底辺部23の両側から連続しており、上述した断面において、底辺部23から離れる方向に進むに従って、相互に近づくように延在している。各側辺部24は、底辺部23と同様に、内周層11、発泡層12、および外周層13の一部が積層された3層構造からなる。
頂辺部25は、平板状であり、上述した断面において、底辺部23に連続した側を基端としたときに、その先端側において、一対の側辺部24、24を繋ぐように形成されている。頂辺部25は、底辺部23と同様に、内周層11、発泡層12、および外周層13の一部が積層された3層構造からなる。なお、底辺部23と各側辺部24との境界は湾曲した形状になっており、頂辺部25と各側辺部24との境界も湾曲した形状になっている。
このようにして、底辺部23と、一対の側辺部24、24と、頂辺部25とは、内周層11、発泡層12、および外周層13のそれぞれが連続した3層構造となる。本実施形態によれば、図4に示すように、本体部14の内周層11と外周層13との間に、発泡樹脂からなる発泡層12が形成されているので、図4に示すような力(たとえば衝撃力)が作用しても、この力を、発泡層12で吸収することができる。
具体的には、上述したように、一対の支持部材30、30のそれぞれに、異なる衝撃荷重が上下方向に作用した場合には、本体部14の底辺部23の外周層13にも曲げの衝撃力が作用する。また、連結部材10の外部から衝撃力が作用することもある。
このような場合であっても、上述した断面において、底辺部23が、これまでの円筒状の本体部に比べて、作用する力(衝撃力)に対してより広い受け部となり、底辺部23の発泡層12が圧縮変形するため、このような力を底辺部23で効果的に受けることができる。
さらに、底辺部23に対して作用した力の一部は、底辺部23の内側層11から伝達され、一対の側辺部24の発泡層12でも吸収される。この一対の側辺部24は、底辺部23に対して傾斜していることから、力が作用する方向に対しても傾斜しているため、一対の側辺部24の発泡層12でも、より効果的に、作用する力を受けることができる。最終的には、この作用する力を頂辺部25の発泡層12で吸収することができる。このような結果、連結部材10に作用した力を効果的に吸収することができる。
このような連結部材10を製造する際には、まず、本体部14の中空部21に相当する形状の芯材(図示せず)に、内周層11に相当する繊維強化樹脂のプリプレグ、発泡層12に相当する未発泡または予備発泡させた樹脂製のシート材、および外周層13に相当する繊維強化樹脂のプリプレグを、この順で、積層するように巻き付ける。このときに、接続部15に相応するプリプレグも合わせて巻き付ける。これにより、筒状体を賦形する。
次に、賦形した筒状体を、上型(図示せず)および下型(図示せず)を挟み込んで、熱圧し、成形体を成形する。その後、連結部材10に相当する成形体を上型および下型から脱型後、成形体から芯材を引き抜く。以上の工程を経て、本体部14に接続部15、15が一体的に形成され、本体部14に、内周層11、発泡層12、および外周層13が順次一体的に形成された連結部材10を成形することができる。
図5は、図4に相当する変形例に係る連結部材10の断面図である。この変形例に係る連結部材10が、図4に示すものと相違する点は、図4に示す頂辺部25は、平板状であるのに対して、この変形例では、頂辺部25の中央は、底辺部23から離れる方向(すなわち下方向)に、膨らむように湾曲している点である。
このように、頂辺部25の中央が、底辺部23から離れる方向に、膨らむように湾曲していることにより、図4に示す平板状の頂辺部25に比べて、底辺部23に作用する衝撃力を、頂辺部25で集中させることなく、効率的に分散して逃がすことができる。
図6は、図5に相当する別の変形例に係る連結部材10の断面図である。この変形例に係る連結部材10が、図5に示すものと相違する点は、発泡層12の厚みである。具体的には、図5に示す連結部材10では、底辺部23、側辺部24、および頂辺部25を構成する発泡層12の厚みが同じであったが、この変形例では、底辺部23を構成する発泡層12の厚みが、側辺部24および頂辺部25を構成する発泡層12の厚みよりも、厚い。
この変形例の如く、力が作用する底辺部23の発泡層12の厚みを、他の部分の発泡層12よりも厚くすることにより、底辺部23に作用する衝撃力を、底辺部23を構成する発泡層12により効率的に吸収することができる。
なお、このような発泡層12は、成形時において、底辺部23の発泡層12に相当する部分のシート材を巻き付け時にラップさせる、または、その部分のシート材の厚みを厚くすることにより得ることができる。
図7は、図5に相当するさらなる変形例に係る連結部材10の断面図である。この変形例に係る連結部材10が、図5に示すものと相違する点は、発泡層12の部分的な厚みとその部分的な密度である。
具体的には、図5に示す連結部材10では、周回する発泡層12の厚みが、略同じであったが、この変形例では、底辺部23と側辺部24との境界部分26(すなわち角部)に位置する発泡層12の厚みが、底辺部23、側辺部24、および頂辺部25を構成する発泡層12の厚みよりも、薄い。なお、この変形例では、図7に示すように、底辺部23、側辺部24、および頂辺部25の厚みは同じである。
このように構成することにより、連結部材10が捩じれた際には、底辺部23と側辺部24との境界部分26に、他の部分に比べて大きな力が作用するが、この境界部分26の発泡層12の厚みは薄いため、この境界部分26の外周層13と内周層11の距離が、他の部分に比べて近く、外周層13と内周層11とが一体となって、この捩じれによる力を受けるため、連結部材10の捩じれに対する剛性を高めることができる。
この変形例では、さらに好ましい態様として、底辺部23と側辺部24との境界部分26に位置する発泡層12の発泡樹脂の密度が、底辺部23、側辺部24、および頂辺部25を構成する発泡層12の発泡樹脂の密度よりも、高い。なお、この変形例では、底辺部23、側辺部24、および頂辺部25の発泡樹脂の密度は、同じである。
たとえば、底辺部23、側辺部24、および頂辺部25を構成する発泡層12の発泡樹脂の密度は、0.05〜0.3g/cmの範囲にあり、この範囲の密度よりも高いことを前提として、境界部分26に位置する発泡層12の発泡樹脂の密度は、0.2〜0.9g/cmの範囲にある。なお、本明細書でいう発泡樹脂の密度は、JIS K7222:2005「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」に準拠して測定される値をいう。
このように、境界部分26に位置する発泡層12の発泡樹脂の密度が高いため、連結部材10が捩じれた際には、他の部分に比べて、外周層13と内周層11とが一体となって、この捩じれによる力を受けるため、連結部材10の捩じれに対する剛性をさらに高めることができる。
このような連結部材10を製造する際は、外周層13に相当するプリプレグを巻き付けるタイミングで、他の部分の巻き付け力よりも強い巻付け力で、この境界部分を巻き付けることにより、発泡層を圧縮変形させる。これにより、境界部分26の発泡層12の厚さが薄く、かつ、発泡樹脂の密度が高い連結部材10を得ることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
図7に示す変形例では、境界部分に位置する発泡層の発泡樹脂の密度を、底辺部、側辺部、および頂辺部を構成する発泡層の発泡樹脂の密度よりも高くしたが、連結部材の捩じれによる剛性を確保することができるのであれば、これらの密度は同じであってもよい。
10:連結部材、11:内周層、12:発泡層、13:外周層、14:本体部、15:接続部、21:中空部、23:底辺部、24:側辺部、25:頂辺部、26:境界部分、30:支持部材、31:本体部、32:接続部

Claims (5)

  1. 一対の支持部材を連結することにより、前記一対の支持部材に支持され、所定の方向に力が作用する連結部材であって、
    前記連結部材は、中空部を有した筒状であり、
    前記中空部を形成する繊維強化樹脂からなる内周層と、
    前記内周層の外周面に沿って被覆された発泡樹脂からなる発泡層と、
    前記発泡層の外周面に沿って被覆された繊維強化樹脂からなる外周層と、を備えており、
    前記連結部材は、前記一対の支持部材の間において、前記連結部材が延在する延在方向に対して直交する断面において、台形状の外形の輪郭を有しており、
    前記連結部材は、前記断面において、前記力が作用する方向に対して直交する方向に延在した平板状の底辺部と、
    前記底辺部に連続し、前記底辺部から離れる方向に進むに従って、相互に近づくように延在した一対の側辺部と、
    前記一対の側辺部を繋ぐように形成された頂辺部と、
    を備えることを特徴とする連結部材。
  2. 前記断面において、前記頂辺部の中央が、前記底辺部から離れる方向に、膨らむように湾曲していることを特徴とする請求項1に記載の連結部材。
  3. 前記断面において、前記底辺部を構成する前記発泡層の厚みは、前記側辺部および前記頂辺部を構成する発泡層の厚みよりも厚いことを特徴とする請求項1または2に記載の連結部材。
  4. 前記底辺部と前記側辺部との境界部分に位置する前記発泡層の厚みは、前記底辺部、前記側辺部、および前記頂辺部を構成する発泡層の厚みよりも、薄いことを特徴とする請求項1または2に記載の連結部材。
  5. 前記底辺部と前記側辺部との境界部分に位置する前記発泡層の発泡樹脂の密度は、前記底辺部、前記側辺部、および前記頂辺部を構成する発泡層の発泡樹脂の密度よりも、高いことを特徴とする請求項4に記載の連結部材。
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