JP2006138040A - 繊維強化複合材製ヘルドフレーム - Google Patents

繊維強化複合材製ヘルドフレーム Download PDF

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Toshikazu Takeda
敏和 竹田
Masaki Shimada
政紀 島田
Yoshiki Tanaka
良樹 田中
Hiroharu Oishibashi
弘治 大石橋
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Abstract

【課題】限られた構造の中で、最大の強度、剛性を発揮し、且つ軽量で疲労強度に強い構成とされ、それによって、今まで達成できなかった幅広化した織機の生産性を大きく改善することのできる繊維強化複合材製ヘルドフレームを提供する。
【解決手段】フレーム本体2と、このフレーム本体2に一体に連接された支持突起部3とを備え、繊維強化複合材を用いて成形された織機のヘルドフレーム1において、フレーム本体2は、内層にハニカム構造体4を有し、表面層に長繊維強化複合材11を配置し、且つ内層のハニカム構造体4の周囲端面の一部若しくは全部が、幅3mm〜30mmの範囲で、短繊維強化複合材、樹脂又は発泡材をハニカム構造体4内に詰めこむことによって補強部5を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、織機に用いられるヘルドフレームの構造に関し、特に、繊維強化複合材製ヘルドフレームに関するものである。
ヘルドフレームは、織機において経糸を通すためのヘルド(ソウコウ)を支持するものであり、製織に際し、一対のヘルドフレームを交互に上下運動させて経糸を開口させ、その開口に緯糸を打ち込むためのものである。
一般に、ヘルドフレーム1は、図11にその一例を示すように、長手方向(矢印A方向)に延在した上下枠フレームステーブ、即ち、フレーム本体2と、図11には図示されていないが、フレーム本体2の長手方向両側部に配置されたサイドステーとを有する。また、フレーム本体2の長手方向に直交する短手方向(矢印B方向)の一端側、即ち、下端側には、フレーム本体2の長手方向に沿ってキャリヤロッドを支持するフックハンガー用の支持突起部3が一体に形成されている。
ヘルドフレーム1は、現在ほとんどはアルミ製である。アルミ製のヘルドフレーム1の場合は、図示するように、中空構造であるが、中空部分の強度を出すために数本の横リブ21の入った構造となっている。
しかし、織機の織りスピードを上げると、アルミニウムの強度、特に疲労強度がもたず、現況では、連続使用で1週間もたずに取替えを余儀なくされている。
近年、織機の高速化に対応するために、種々の軽い繊維強化複合材(FRP)製ヘルドフレームが提案されている。
例えば特許文献1には、FRP製フレームステーブとサイドステーとの結合構造が開示され、特許文献2には、FRP製ヘルドフレームの剛性、強度を確保しつつ、破損、磨耗したミドルフックハンガ、ロッド受部等の部品交換を容易にする構造が提案されている。
特開平8−269836公報 特開平11−61589公報
現在、織機の高速化、幅広化が世界の潮流となってきており、幅広化は、織機として既に、幅、即ち、図11にて長手方向長さ(L)が3500mmを超えるものの製作まで進んでいる。この機種のヘルドフレームは、アルミ製だが、幅広化に伴いヘルドフレームにかかる荷重が増加し、それに強度や剛性が充分追従できず、速度を上げるとヘルドフレームの破損に至る。そのために、速度をあげての織りができず、広幅化のメリットを享受していないのが実情である。
一方、強化繊維として炭素繊維を用いた繊維強化複合材、即ち、CFRPを用いたヘルドフレームが提案され、一部使用されているが、まだ製品の強度や剛性が足りないため、幅(L)が1500mm程度のものにしか適用されていないのが実情である。その理由は軽量化になっても、強度不足から織機の速度を上げられないためである。
つまり、CFRP製でありながら、強度不足から幅広化に対応できない理由の一つとして、CFRP製ヘルドフレーム構造が、中空構造若しくは内部に発泡材を入れただけの構造になっているため、充分な強度を確保できず、特に疲労強度を確保するのが難しいからである。そのために、現状では、幅の狭い織機でしか用いられず、しかも充分な高速化を図れないものとなっている。
CFRP製ヘルドフレームの強度、剛性を確保するために、中実構造にすれば、それなりの効果はでるが、重量的にアルミ製より重くなり、且つコストも高くなり、使用するメリットはほとんどなくなる。
従って、本発明の目的は、限られた構造の中で、最大の強度、剛性を発揮し、且つ軽量で疲労強度に強い構成とされ、それによって、今まで達成できなかった幅広化した織機の生産性を大きく改善することのできる繊維強化複合材製ヘルドフレームを提供することである。
上記目的は本発明に係る繊維強化複合材製ヘルドフレームにて達成される。要約すれば、第1の本発明によれば、フレーム本体と、このフレーム本体に一体に連接された支持突起部とを備え、繊維強化複合材を用いて成形された織機のヘルドフレームにおいて、
前記フレーム本体は、内層にハニカム構造体を有し、表面層に長繊維強化複合材を配置し、且つ内層のハニカム構造体の周囲端面の一部若しくは全部が、幅3mm〜30mmの範囲で、短繊維強化複合材、樹脂又は発泡材をハニカム構造体内に詰めこむことによって補強されたことを特徴とする繊維強化複合材製ヘルドフレームが提供される。
第2の本発明によれば、フレーム本体と、このフレーム本体に一体に連接された支持突起部とを備え、繊維強化複合材を用いて成形された織機のヘルドフレームにおいて、
前記フレーム本体は、内層にハニカム構造体又は樹脂発泡製構造体を有し、表面層に長繊維強化複合材を配置し、且つ内層のハニカム構造体又は樹脂発泡製構造体の周囲端面に隣接した外側の一部若しくは全部が、幅3mm〜30mmの範囲で短繊維強化複合材又は樹脂で補強されたことを特徴とする繊維強化複合材製ヘルドフレームが提供される。
本発明の一実施態様によれば、前記短繊維強化複合材に使用される強化繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、又は、PBO(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール)繊維が単独で、又は、複数種混入してハイブリッドで使用される。
本発明の他の実施態様によれば、前記短繊維強化複合材に使用されるマトリックス樹脂は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、フェノール樹脂のいずれかである。
本発明の他の実施態様によれば、前記ハニカム構造体の周囲に詰め込む樹脂は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、ウレタン樹脂のいずれかである。
本発明の他の実施態様によれば、前記ハニカム構造体の外周囲に詰め込む発泡材は、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂のいずれかの発泡材である。
本発明の他の実施態様によれば、前記ハニカム構造体又は樹脂発泡製構造体の外周囲に配置する樹脂は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、ウレタン樹脂のいずれかである。
本発明の他の実施態様によれば、前記ハニカム構造体は、紙製ハニカム、アルミ製ハニカム、若しくはアラミド製ハニカムである。
本発明の他の実施態様によれば、前記樹脂発泡製構造体は、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂の発泡材である。
本発明の他の実施態様によれば、前記長繊維強化複合材に使用される強化繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、又は、PBO(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール)繊維が単独で、又は、複数種混入してハイブリッドで使用される。
本発明の他の実施態様によれば、前記長繊維強化複合材に使用される長繊維の形態が、一方向に引き揃えられたUD形状、2軸に織られた平織り若しくは朱子織り形状、又は、3軸に織られた3軸織り形状が単独で、又は、複数組み合わされて使用される。
本発明の他の実施態様によれば、前記長繊維強化複合材に使用されるマトリックス樹脂は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、フェノール樹脂のいずれかである。
本発明の他の実施態様によれば、ヘルドフレームの長軸方向で且つ平板面の平均曲げ弾性率が、35GPa以上である。
以上説明したように、本発明によれば、ヘルドフレームの曲げ強度や曲げ弾性率が大幅に向上するのみでなく、端面の応力集中に対しても補強され、曲げ疲労に対しても強いものとなり、広幅の織機において、従来以上の織りスピードアップのみならず、連続織り時間も、大幅に向上させることができる。
以下、本発明に係る繊維強化複合材製ヘルドフレームを図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
(ヘルドフレームの全体構成)
図1に、本発明の繊維強化複合材製ヘルドフレーム1の一実施例の概略構成を示す。図1では、ヘルドフレーム1は、図11に示すようなヘルドフレームの使用時の状態とは異なり、水平に置かれた状態で図示されている。以下の説明では、本実施例のヘルドフレーム1の構成をよりよく理解し得るように、単に説明のために、図1にてY方向を上下方向といい、X方向を左右方向という。
図1に示す本実施例にて、ヘルドフレーム1は、全体構成としては従来と同様に、長手方向(A方向)に延在したフレームステーブ、即ち、フレーム本体2と、図1には図示されていないが、フレーム本体2の長手方向両側部に配置されたサイドステーとを有する。
フレーム本体2の長手方向に直交する短手方向(B方向)の一端側には、図1にて、左端側にフレーム本体2の長手方向に沿ってキャリヤロッドを支持するフックハンガー用の支持突起部3が一体に形成されている。
本実施例の繊維強化複合材製ヘルドフレーム1にて、そのフレーム本体2は、芯材4とされる内層のハニカム構造体と、ハニカム構造体4の短手方向左右両端面4a、4bに設けられた補強部5(5a、5b)と、ハニカム構造体4及び補強部5の上下外表面を被覆して接着配置された表面層としての長繊維強化複合材11(11a、11b)とにて形成される。後述するように、補強部5は、ハニカム構造体4の長手方向両側部にも設けることができる。つまり、補強部5は、内層のハニカム構造体4の周囲端面の一部若しくは全部において所定の幅(w)にて形成される。この幅(w)は、後述するが、通常、3mm〜30mmの範囲とされる。
つまり、本実施例の繊維強化複合材製ヘルドフレーム1は、内層のハニカム構造体4の外周囲端面の一部若しくは全部を所定の幅(w)にて形成された補強部5で補強し、その両表面に長繊維強化複合材11を接着することで得られる。
上記構成の本実施例の繊維強化複合材製ヘルドフレーム1によれば、次のような作用効果を有している。
つまり、内層に芯材としてのハニカム構造体4を配置することで、中空の場合に比較して、曲げ強度、弾性率とも向上する。中空構造で曲げ荷重がかかった場合、フレーム本体4の長手方向中央付近の平面部が凹み等の変形を起こし、ヘルドフレーム1の断面剛性が低下し、低い荷重で壊れることとなる。
この対策として、図11に示す従来のアルミ製ヘルドフレーム1のように、フレーム本体2の長手方向に沿って中空部分に数本の横リブ21を入れた構造のものも考えられるが、このような構造のヘルドフレーム1を繊維強化複合材で成形するには煩雑な手間を伴い、生産性が極端に低下し、コストアップとなり採用は難しい。
このような課題に対し、本実施例では、内層にハニカム構造体4を配置することで解決せんとするものであるが、単にハニカム構造体4を配置したのみでは、外周端面のハニカム構造体4が開放状態となるため、曲げ等の荷重がかかった場合、その端部のハニカム構造体4に応力集中が発生し、繰り返しの荷重に対し極端に弱いものとなる。
この対策として、ハニカム構造体4の上下表面層に配置される長繊維強化複合材11(11a、11b)を用いて、ハニカム構造体全体を包むようにして成形する方法がある。
しかしながら、本発明者らの研究実験の結果によれば、この方法で成形された成形品は、成形された後の寸法出しのための切断加工ができないため、成形する際に、所要の精度をもった成形品が必要となる。このような成形品の製造は、非常に難しく、複雑な成形方法となり、生産性が悪く、コスト的にも高くなるということが分かった。
そこで、本実施例の繊維強化複合材製ヘルドフレーム1は、上述のように、内層にハニカム構造体4を有し、その上下表面層として長繊維強化複合材11(11a、11b)を配置し、且つ内層のハニカム構造体4の周囲端面の一部若しくは全部に所定の幅(w)にて補強部5(5a、5b)が形成される。
次に、本実施例の繊維強化複合材製ヘルドフレーム1の各部材について更に詳しく説明する。
(長繊維強化複合材)
本実施例の繊維強化複合材製ヘルドフレーム1にて、長繊維強化複合材11に使用される強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、又は、PBO(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール)繊維のいずれかを単独で、又は、複数種混入してハイブリッドにて使用することができる。
また、長繊維強化複合材11に使用される長繊維の形態は、一方向に引き揃えられたUD形状、2軸に織られた平織り及び朱子織り形状、又は、3軸に織られた3軸織り形状が単独で、又は、複数組み合わされて使用することができる。
また、長繊維強化複合材11に使用されるマトリックス樹脂は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、又は、フェノール樹脂のいずれかが使用できる。
長繊維強化複合材11の繊維体積含有率は、30〜70%、通常、50〜60%とされる。
(芯材及び補強部)
本実施例にて、フレーム本体2の芯材、即ち、内層としては、ハニカム構造体4が使用され、ハニカム構造体4としては、軽量部材、例えば、通常使用されるアルミニウム、アラミド樹脂、或いは紙などで作製したものが使用可能であり、特に、ノーメックスハニカム(商品名:ディーアイシーヘクセル株式会社製)を好適に使用することができる。
フレーム本体2の補強部5は、一実施態様によれば、図1及び図2(a)に示すように、ハニカム構造体4の左右両端面の開放部4a、4b、即ち、孔部に短繊維強化複合材、樹脂、或いは、発泡材を詰め込むことによって形成される。
また、図2(b)に示すように、補強部5は、ハニカム構造体4の長手方向両側面端部4cにも形成することができる。図2(b)には、一方の側面端部の補強部5cのみが図示されているが、他方の側面端部にも補強部5cが形成されている。即ち、図2(b)の実施例では、フレーム本体2の内層とされるハニカム構造体4の端面全周が補強部5(5a、5b、5c)で強化された構成とされる。
補強部5は、少なくとも芯材4の外側端面、即ち、図1及び図2(a)、(b)にて右側端面4aには、フレーム本体2の長手方向に沿って配置されるが、その他の、例えば、他方側の左側端面4b、或いは、芯材の長手方向両側部端面4cなどには、ヘルドフレームが取り付けられる装置との取り合いで必要箇所のみに設けることができる。
また、補強部5の幅(w)は、上述のように、3〜30mmの範囲とされるが、本発明者らの研究実験の結果によれば、3mm未満だと、繰り返し荷重がかかった際、強度低下が早期に起こったことから、3mm以上は必須であり、上限は重量面から、現状のアルミ製品の重量以下となる30mm以下が妥当である。
上述のように、補強部5は、ハニカム構造体4の端部に、端面よりw=3mm〜30mmの範囲の領域に、補強材として、軽量な短繊維強化複合材、樹脂、或いは、樹脂発泡材等を、ハニカム構造体4内に詰め込むことによって、ハニカム構造体4の周囲を補強する。
ハニカム構造体4に詰め込む短繊維強化複合材としては、チョップドストランドなどとされる強化繊維をマトリックス樹脂に混入したものが好適に使用される。
短繊維強化複合材に使用する強化繊維及びマトリックス樹脂は、上記長繊維強化複合材に使用される強化繊維及びマトリックス樹脂と同様のものを使用し得る。
短繊維強化複合材の繊維体積含有率は、30〜70%、通常、40〜50%とされる。
また、ハニカム構造体4の周囲に詰め込む樹脂は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、ウレタン樹脂のいずれかが好適である。
上述のように、ハニカム構造体4の孔部には、短繊維強化複合材及び樹脂以外に、樹脂発泡材を埋め込むことも可能であり、ハニカム構造体4と発泡材の両方で強度を補完しあい、充分補強効果を発揮することができる。樹脂発泡材としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、又は、フェノール樹脂のいずれかの発泡材を使用し得る。
上記実施例では、補強部5は、図2(a)、(b)に示すように、ハニカム構造体4の外周囲において、ハニカム構造体4の端面開放部、即ち、孔部に短繊維強化複合材、樹脂、或いは、発泡材を詰め込むことによって形成されるものとして説明したが、他の実施態様によれば、ハニカム構造体4の周囲端面4a、4b、4cに隣接した外側の一部若しくは全部が、幅3mm〜30mmの範囲で短繊維強化複合材又は樹脂を配置して、補強部5(5a、5b、5c)を形成することもできる。
この場合、短繊維強化複合材は、SMC(Sheet Molding Compound)の形態にて提供することができる。つまり、ハニカム構造体4の外周囲にSMCをw=3mm〜30mmの範囲の領域に積層し、硬化することによって、ハニカム構造体4を補強することができる。この場合には、短繊維強化複合材に使用する強化繊維は、その長さは、3〜50mm程度にカットされたものである。
本実施例によれば、フレーム本体2を構成するハニカム構造体とされる芯材4の端部に、補強部5を設けることによって、ハニカム構造体4の端部の弱さを補強し、曲げ強度、疲労強度に強い繊維強化複合材製ヘルドフレーム1を提供することができる。
上記補強部5は又、ヘルドフレーム1を構成する他の部品をヘルドフレーム1に取り付ける座面を強化する機能をも有している。
上記実施例の説明では、芯材、即ち、内層4としてハニカム構造体を使用するものとしたが、ハニカム構造体の代わりに樹脂発泡製構造体を用いることができる。その他の構成、材料などは、先に説明した実施例と同様であるので、説明は省略する。
樹脂発泡製構造体としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、又は、フェノール樹脂の発泡材のいずれかが好適である。
樹脂発泡製構造体を芯材(内層)4として使用する場合には、補強部5として、樹脂発泡製構造体4の周囲端部の3mm〜30mmの範囲に、先の実施例と同様に軽量な短繊維強化複合材若しくは樹脂を隣接して配置し、樹脂発泡製構造体4を補強する。この構成によっても、曲げ強度、疲労強度の強い繊維強化複合材製ヘルドフレーム1を提供できる。
補強部5は、上記実施例と同様に、少なくとも芯材4の外側端面、即ち、図1にて右側端面4aには配置されるが、その他の、例えば、他方側の左側端面4b、或いは、芯材4の長手方向両側部端面4cなどには、ヘルドフレーム1が取り付けられる装置との取り合いで必要箇所のみに設けることができる。
また、補強部5の幅(w)は、上述のように、3〜30mmの範囲とされるが、3mm未満だと、繰り返し荷重がかかった際、強度低下が早期に起こったことから、3mm以上は必須であり、上限は重量面から、現状のアルミ製品の重量以下となる30mm以下が妥当である。
(支持突起部)
上記フレーム本体2に連接して一体に設けられるフックハンガー用の支持突起部3は、フレーム本体2の両側面に形成された表面層11を形成する長繊維強化複合材11a、11bを互いに接着することにより形成される。また、支持突起部3の先端部は、フックハンガー用として機能するために所定の形状寸法を有した突起3aを形成するために、両表面層を形成する長繊維強化複合材11a、11bの間に、上記補強部5を構成する短繊維強化複合材、樹脂、或いは、樹脂発泡材を介在させて補強部5dを一体に形成することができる。
(具体的寸法例)
上記構成の本実施例による繊維強化複合材製ヘルドフレーム1の具体的な諸寸法の一例を挙げれば、次の通りである。図1を参照して、
(1)ヘルドフレーム1の長手方向の全長(L):1000〜3000mm
(2)ヘルドフレーム1の短手方向の全長(W):155mm
(3)フレーム本体2の短手方向の長さ(W1):120mm
(4)支持突起部3の短手方向の長さ(W2):35mm
(5)先端突起部3の短手方向の長さ(W3):8mm
ここで、フレーム本体2の厚さ(T1)は15mm、内層(ハニカム構造体又は樹脂発泡製構造体)4の厚さ(T2)は11mm、表面層(長繊維強化複合材)11の厚さ(T3)は2mmとすることができる。
(ヘルドフレームの製造方法)
先ず、本実施例の繊維強化複合材製ヘルドフレーム1を製造するに際しては、周囲を端面補強された補強部5を有するハニカム構造体又は樹脂発泡製構造体とされる芯材4の上下両表面に、長繊維強化複合材11(11a、11b)を接着、硬化し、その後、所定の寸法に切断、加工することにより、本発明の繊維強化複合材製ヘルドフレーム1が提供される。
本実施例のヘルドフレーム1は、図1にて、下表面層としての長繊維強化複合材11bの上に、周囲を端面補強された芯材4を乗せ、さらに、芯材4の上表面に上表面層としての長繊維強化複合材11aを乗せて、これら部材を互いに接着することで製作される。
従って、成形が非常に簡単であり、また最初から全体を大きめに製作し、後で正確な寸法に切断、加工することができるメリットもある。
つまり、最初から周囲の端部補強部5を、その加工代を予測して大きくしておけば、加工時にハニカム構造体4が端面に出てくる心配はない。
また、成形の時の寸法精度が、それ程よくなくても、後加工で処理できることから、この面からも成形が楽になり、安価なコストでの成形が可能となる。
更に、上下層に配置される長繊維強化複合材11に使用する繊維を選択することで、高強度のヘルドフレーム、高剛性のヘルドフレーム、電気絶縁性をもったヘルドフレーム等の設計、製作が容易にできる利点もある。
例えば、長繊維強化複合材11の強化繊維として、高強度炭素繊維T−700(東レ株式会社製)を採用すると、アルミと同じ厚みで、アルミ製の3倍以上の強度が得られ、高弾性率炭素繊維XN−60(日本グラファイトファイバー株式会社製)を採用すると、アルミと同じ厚みで、アルミ製の2倍以上の曲げ剛性が得られる。
また、高強度炭素繊維と高弾性率炭素繊維を組み合わせて採用すると、強度、弾性率両方を満足したものが得られる。一方、PBO繊維を採用すると、アルミと同じ厚みで、アルミ製並みの曲げ剛性を持ち、且つ電気絶縁性をもったものが得られる。
本実施例によれば、ヘルドフレームの曲げ強度や曲げ弾性率が大幅に向上するのみでなく、端面の応力集中に対しても補強され、曲げ疲労に対しても強いものとなり、広幅の織機において、従来以上の織りスピードアップのみならず、連続織り時間も、大幅に向上させることができる。
実施例2
図4及び図5に、本発明の繊維強化複合材製ヘルドフレームの他の実施例を示す。
図4に示す本実施例の繊維強化複合材製ヘルドフレーム1は、実施例1にて図1、図2(a)、(b)を参照して説明したと同様に、内層のハニカム構造体4の周囲端面の一部若しくは全部が、幅(w)3mm〜30mmの範囲で、短繊維強化複合材、樹脂又は発泡材をハニカム構造体4内に詰めこむことによって補強部5を形成して補強し、その両表面層として両外側面に長繊維強化複合材11(11a、11b)を接着することで得られる。
また、図5に示す本実施例の繊維強化複合材製ヘルドフレーム1は、実施例1にて図3を参照して説明したと同様に、内層に芯材4としてハニカム構造体又は樹脂発泡製構造体を有し、内層の芯材4の周囲端面4a、4b、4cに隣接した外側の一部若しくは全部が、幅(w)3mm〜30mmの範囲で短繊維強化複合材又は樹脂で補強し、補強部5(5a、5b、5c)を形成し、その表面層11(11a、11b)として長繊維強化複合材をを接着することで得られる。
このように、図4及び図5に示す本実施例の繊維強化複合材製ヘルドフレーム1は、図1〜図3に示す実施例と同様の構造とされるが、ただ、ヘルドフレーム1の外側表面層を形成する長繊維強化複合材11(11a、11b)が、上下層にて同形状とされる点において異なるだけである。使用材料、材料構成、作製方法、など全く同じである。
従って、図1〜図3にて説明した繊維強化複合材製ヘルドフレーム1と同じ構成及び作用をなす部材には同じ参照番号を付し、実施例1の説明を援用する。
一般に、実施例1で説明したヘルドフレーム1の構造は、外国の織機によく使用される形状であり、実施例2で示すヘルドフレーム1の構造は、国内の織機によく使用されるということができる。
本実施例の繊維強化複合材製ヘルドフレーム1も又、実施例1で説明した繊維強化複合材製ヘルドフレーム1と同様の作用効果を達成し得る。
次に、本発明の繊維強化複合材製ヘルドフレーム1の実験例について説明する。
実験例1
本実験例1では、図6〜図10に示す曲げ試験サンプルを製作し、本発明の繊維強化複合材製ヘルドフレーム1が達成し得る効果を確認した。
曲げ試験サンプルの寸法は、長さ(L1)600mm、幅(W1)100mm、厚み(T1)15mmでその内層のハニカム構造材4の厚み(T2)を11mm、上下層の長繊維強化複合材11(11a、11b)の厚み(T3)をそれぞれ2mmとした。
第1の試験サンプルは、図6に示すように、ハニカム構造材4の長辺側の両端4a、4bを、そのハニカム構造体4に隣接して幅(w)5mm程度、SMCとされる短繊維強化複合材を積層配置して、補強部5a、5bを形成して補強した。
図示してはいないが、図6と同様に、第2及び第3の試験サンプルとして、ハニカム構造材4の長辺側の両端部に隣接して幅(w)5mm程度、樹脂、及び、樹脂発泡材を配置して補強部を形成して補強したものも準備した。
更に、第4の試験サンプルは、図7に示すように、図6と同寸法で、芯材4としてハニカム構造体の替わりに樹脂発泡製構造体を用いたもので、樹脂発泡製構造体4の長辺側の両端4a、4bを、その樹脂発泡製構造体に隣接して幅(w)5mm程度、SMCとされる短繊維強化複合材を積層配置して、補強部5a、5bを形成して補強した。また、第5の試験サンプルとして、SMCとされる短繊維強化複合材の代わりに、樹脂で補強したものも準備した。
第6、第7、第8の試験サンプルは、比較材として、図6と同寸法で、(1)図8に示すような中空部材とされるもの、(2)図9に示すように、内層の芯材4がハニカム構造体であり、補強部5を有さないもの、及び(3)図10で示すように、内層の芯材4が樹脂発泡製構造体であり、補強部5を有さないものとした。
以上のように、試験体(試験サンプル)は、合計で8種類用意した。
次に、上記試験サンプルの製作方法について説明する。
(1)第1の試験サンプル
ハニカム構造体は、ディーアイシーヘクセル株式会社製のノーメックスハニカム11mm厚のものを幅90mmの寸法に切断し、その長さ方向の端面に、幅5mmに切断した三菱レイヨン株式会社製のAMC8590の炭素繊維製SMCを配置したものをまず準備し、もう一方で三菱レイヨン株式会社製の炭素繊維製プリプレグを10層積層したものを2セット製作し、前に準備したハニカム構造体の両面にこの炭素繊維を積層したプリプレグを貼り付け、その後金型で固定して硬化炉に入れ、樹脂を硬化させて試験サンプルを製作した。
(2)第2の試験サンプル
第1の試験サンプルと同様の作り方で、図6に示す構造で、ハニカム構造体の両端が樹脂補強されたものは、長瀬産業株式会社製のアラルダイトAW136Hを炭素繊維製SMCの替わりに用いてサンプルを製作した。
(3)第3の試験サンプル
ハニカム構造体の両端が発泡材で補強されたものは、ディーアイシーヘクセル株式会社製のノーメックスハニカム11mm厚のものを100mm幅に切断し、その長辺側の両端面5mm幅にナガセケムテック株式会社製のDENAT00Lの発泡エポキシ樹脂を詰め込み、その後は、試験サンプル1と同様の方法でサンプルを製作した。
(4)第4の試験サンプル
図7のサンプルは、先ず、ナガセケムテック株式会社製のDENAT00Lの発泡エポキシ樹脂を前もって厚み11mm、幅90mmに発泡させたものを準備し、その長辺側の両端面5mm幅に、三菱レイヨン株式会社製のAMC8590の炭素繊維製SMCを配置し、その両面に、試験サンプル1と同じ方法で製作した炭素繊維積層のプリプレグを貼り付け、その後金型で固定して硬化炉に入れ、樹脂を硬化させて試験サンプルを製作した。
(5)第5の試験サンプル
また、前記の炭素繊維製SMCの替わりに長瀬産業株式会社製のアラルダイトAW136Hの樹脂を配置し、第2の試験サンプルと同様の方法でもう一つのサンプルを製作した。
(6)第6の試験サンプル
図8の比較材は、中空断面の長尺の金属製のマンドレルを準備し、その表面に三菱レイヨン株式会社製の炭素繊維製プリプレグを10層巻きつけた後、硬化炉に入れ、樹脂を硬化後、マンドレルから試験サンプルを引き抜いて製作した。
(7)第7の試験サンプル
図9の比較材は、図6のハニカム構造材の長辺側端部に補強部がないだけで、図6と同様の方法でサンプルを製作した。
(8)第8の試験サンプル
図10の比較材は、図7の樹脂発泡製構造体の長辺端部に補強部がないだけで、図6と同様な方法でサンプルを製作した。
次に、試験方法について説明する。
試験方法は、長さ600mmの両端から100mm程中に入ったところを支点(支点間距離400mm)とした4点曲げ強度試験と同支点間距離での3点曲げ疲労試験を実施した。
4点曲げ強度試験は、全量のサンプルで試験し、その結果を表1に示す。3点曲げ疲労試験は、図6に示す炭素繊維製SMCで補強された第1の試験サンプル、樹脂製発泡材で補強された第3の試験サンプル、図8に示す第6の試験サンプル、及び、図9に示す第7の試験サンプルの4サンプルで実施し、その結果を表2に示す。
Figure 2006138040
Figure 2006138040
表1から、中空材や、ハニカム構造体のみ若しくは発泡材構造体のみで補強された試験サンプルよりも、ハニカム構造体や発泡材構造体の周囲を炭素繊維製SMCや樹脂等で補強したサンプルの方が、曲げ強度、曲げ弾性率とも大きく向上することが、理解できる。
表2から、曲げ疲労に対しても、ハニカム構造体の周囲を炭素繊維製SMCや、樹脂製発泡材で補強したサンプルのほうが、圧倒的に強いことが理解できる。
実験例2
本実験例2では、図1で示す実際形状のヘルドフレーム1000mm長さのサンプルを製作し、現状のアルミ製ヘルドフレームとの重量、曲げ強度、弾性率等の比較を行い、本発明の効果を確認した。
図11に現状のアルミ製ヘルドフレームの寸法、形状を示す。全幅(W)155mm、中空部幅(W1)120mm、中空部厚み(T1)8.5mm、アルミ肉厚(t)1.5mm、長さ(L)1000mmのサンプルを比較材として準備した。
同じ形状、寸法の本発明のヘルドフレームを試験サンプルとして製作した。
製作方法は、先ず、幅110mm、長さ1000mmのハニカム構造体の両長辺側に、隣接して炭素繊維製SMCを幅5mm配置したものを準備する。
次に、幅155mm、長さ1000mmの炭素繊維製プリプレグ7層積層したものと、幅165mm、長さ1000mmの炭素繊維製プリプレグ7層積層したものを、前記の炭素繊維製SMC補強のハニカム構造体の上下面に接着し、同時にハニカム構造体と反対側に炭素繊維製SMCでボルト座を製作し、この後、これらの表面に金型を配置、固定し、硬化炉に入れ樹脂を硬化させる。
本実験例で用いたそれぞれの材料は、実験例1で用いたものと同じものを使用した。
次に、試験法について説明する。
試験方法は、試験サンプルの長辺側端部から50mm中に入ったところを支点(支点間距離900mm)とした4点曲げ試験を実施した。曲げ試験結果、及び製品重量を表3に示す。
表3から重量的に約30%軽くなり、且つ曲げ強度、弾性率共に大幅に向上することが理解できる。
本発明によれば、繊維強化複合材料製ヘルドフレームは、その長軸方向で且つ平板面の平均曲げ弾性率が、35GPa以上であることが分かる。
以上説明したように、本発明によれば、ヘルドフレームの曲げ強度や曲げ弾性率が大幅に向上するのみでなく、端面の応力集中に対しても補強され、曲げ疲労に対しても強いものとなり、広幅の織機において、従来以上の織りスピードアップのみならず、連続織り時間も、大幅に向上させることができる。
Figure 2006138040
本発明のヘルドフレームの一実施例を示す斜視図である。 ヘルドフレームの補強部を説明するための一部詳細斜視図である。 本発明のヘルドフレームの他の実施例を示す斜視図である。 本発明のヘルドフレームの他の実施例を示す斜視図である。 本発明のヘルドフレームの他の実施例を示す斜視図である。 本発明のヘルドフレームの効果を確認する試験サンプルの斜視図である。 本発明のヘルドフレームの効果を確認する試験サンプルの斜視図である。 本発明のヘルドフレームの効果を確認する比較材サンプルの斜視図である。 本発明のヘルドフレームの効果を確認する比較材サンプルの斜視図である。 本発明のヘルドフレームの効果を確認する比較材サンプルの斜視図である。 従来のアルミ製ヘルドフレームの斜視図である。
符号の説明
1 繊維強化複合材製ヘルドフレーム
2 フレーム本体
3 支持突起部
4 内層(芯材)(ハニカム構造体、樹脂発泡製構造体)
4a〜4c 芯材端面
5(5a〜5d) 補強部(短繊維強化複合材、樹脂又は発泡材)
11(11a、11b) 表面層(長繊維強化複合材)

Claims (13)

  1. フレーム本体と、このフレーム本体に一体に連接された支持突起部とを備え、繊維強化複合材を用いて成形された織機のヘルドフレームにおいて、
    前記フレーム本体は、内層にハニカム構造体を有し、表面層に長繊維強化複合材を配置し、且つ内層のハニカム構造体の周囲端面の一部若しくは全部が、幅3mm〜30mmの範囲で、短繊維強化複合材、樹脂又は発泡材をハニカム構造体内に詰めこむことによって補強されたことを特徴とする繊維強化複合材製ヘルドフレーム。
  2. フレーム本体と、このフレーム本体に一体に連接された支持突起部とを備え、繊維強化複合材を用いて成形された織機のヘルドフレームにおいて、
    前記フレーム本体は、内層にハニカム構造体又は樹脂発泡製構造体を有し、表面層に長繊維強化複合材を配置し、且つ内層のハニカム構造体又は樹脂発泡製構造体の周囲端面に隣接した外側の一部若しくは全部が、幅3mm〜30mmの範囲で短繊維強化複合材又は樹脂で補強されたことを特徴とする繊維強化複合材製ヘルドフレーム。
  3. 前記短繊維強化複合材に使用される強化繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、又は、PBO(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール)繊維が単独で、又は、複数種混入してハイブリッドで使用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維強化複合材製ヘルドフレーム。
  4. 前記短繊維強化複合材に使用されるマトリックス樹脂は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、フェノール樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項3の繊維強化複合材製ヘルドフレーム。
  5. 前記ハニカム構造体の周囲に詰め込む樹脂は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、ウレタン樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化複合材製ヘルドフレーム。
  6. 前記ハニカム構造体の外周囲に詰め込む発泡材は、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂のいずれかの発泡材であることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化複合材製ヘルドフレーム。
  7. 前記ハニカム構造体又は樹脂発泡製構造体の外周囲に配置する樹脂は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、ウレタン樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の繊維強化複合材製ヘルドフレーム。
  8. 前記ハニカム構造体は、紙製ハニカム、アルミ製ハニカム、又は、アラミド製ハニカムであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかの項に記載の繊維強化複合材製ヘルドフレーム。
  9. 前記樹脂発泡製構造体は、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂の発泡材であることを特徴とする請求項2又は7に記載の繊維強化複合材製ヘルドフレーム。
  10. 前記長繊維強化複合材に使用される強化繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、又は、PBO(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール)繊維が単独で、又は、複数種混入してハイブリッドで使用されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかの項に記載の繊維強化複合材製ヘルドフレーム。
  11. 前記長繊維強化複合材に使用される長繊維の形態が、一方向に引き揃えられたUD形状、2軸に織られた平織り若しくは朱子織り形状、又は、3軸に織られた3軸織り形状が単独で、又は、複数組み合わされて使用されることを特徴とする請求項10に記載の繊維強化複合材製ヘルドフレーム。
  12. 前記長繊維強化複合材に使用されるマトリックス樹脂は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、フェノール樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項10又は11に記載の繊維強化複合材製ヘルドフレーム。
  13. ヘルドフレームの長軸方向で且つ平板面の平均曲げ弾性率が、35GPa以上であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかの項に記載の繊維強化複合材製ヘルドフレーム。
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