JP2009126056A - 繊維強化複合材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】布状繊維樹脂材と短繊維樹脂材との境界部に発生する応力を緩和させ、該部分の強度低下を抑えることができる繊維強化複合材料を提供する繊維強化複合材料を提供する。
【解決手段】 短強化繊維21及び樹脂22からなる短繊維樹脂材20の表面の少なくとも一部に、布状強化繊維基材31と該布状強化繊維基材に含浸された樹脂とからなる布状繊維樹脂材30の一方の面30aを、接合させた繊維強化複合材料10であって、布状繊維樹脂材30の周縁端30bの少なくとも一部と、周縁端30bの一部に連続した布状繊維樹脂材の他方の面30cの一部30dとが、短繊維樹脂材20の一部によって覆われるように、短繊維樹脂材20に接合されてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、強化繊維と該繊維に含浸した樹脂とかなる繊維強化複合材料に係り、特に、短強化繊維及び樹脂からなる短繊維樹脂材の少なくとも表面の一部に、布状強化繊維基材と該布状強化繊維基材に含浸された樹脂とからなる布状繊維樹脂材を接合した繊維強化複合材料に関する。
強化繊維とマトリクス樹脂(以下樹脂)からなる繊維強化複合材料は、金属材に比べて軽量であり、かつ、強化繊維を含むため樹脂材料に比べて機械的強度及び弾性率が高いことから、近年注目されている材料である。
例えば、繊維強化複合材料の一つであるシートモールディングコンパウンド(SMC)は、1インチ程度の長さの短強化繊維と該繊維に含浸した樹脂から構成された材料であり、短強化繊維に樹脂組成物を混ぜ合わせてシート状とし、シート状のSMCを金型内で加圧圧縮することにより、製品に成形される。前記SMCは、上述した利点に加え、さらに布状強化繊維基材を用いた場合に比べて成形性も良いことから複雑な形状の成形体を容易に得ることができ、生産性も高い。さらには、短強化繊維自体が織布繊維に比べて安価に入手可能であり、製品コストを抑えることができる。この結果、SMCは、工業用品、自動車用部品、建築住宅用品等の分野にわたって幅広く利用されている。
しかし、前記SMCは、短強化繊維を用いているので、布状強化繊維基材を用いた複合材料に比べて機械的強度は低い。よって、前記の如く成形体をより複雑な形状に成形するに従って、構造的に剛性が足りない箇所も現れる場合がある。また、成形体の適用箇所によっては、成形体の一部に局所的な荷重を受ける場合もある。このような場合には、成形体の損傷を防止すべく、成形体の剛性不足が発生する箇所、及び、負荷荷重が作用する箇所を部分的に補強する必要がある。
このような問題に鑑みて、例えば、短強化繊維及び樹脂からなるシート状の短繊維樹脂材の少なくとも一部の表面に、布状強化繊維基材と該布状強化繊維基材に含浸された樹脂とからなる布状繊維樹脂材の一方の面を、接合させて一体化した繊維強化複合材料が提案されている。
このような繊維強化複合材料は、短強化繊維と未硬化樹脂とを含む短繊維強化複合材料(SMC)を準備し、該複合材料の補強すべき箇所に布状強化繊維基材と未硬化樹脂とを含む布状繊維強化複合材料(プリプレグ)を配置した状態で、これら複合材料を金型内により加圧成形すると共に、前記未硬化樹脂を加熱して硬化させることにより製造することができる。このようにして得られた繊維強化複合材料は、短繊維樹脂材に比べ強度の高い布状繊維樹脂材を補強すべき箇所に適宜配置することができるので、全体として剛性の高い繊維強化複合材料を得ることができる。
国際公開第00/56539号パンフレット
しかし、前記繊維強化複合材料は、布状繊維樹脂材を設けることにより、全体的に剛性を高めることができるが、布状繊維樹脂材は短繊維樹脂材に比べて強度が非常に高いため、短繊維樹脂材と布状繊維樹脂材との境界部、特に、布状繊維樹脂材の幅方向の端部近傍は、応力集中し易い。
このように強度不足しかつ応力集中し易い境界部は、その他の箇所に比べて高い負荷荷重が作用する布状繊維樹脂材の近傍であるため、比較的に高い荷重が作用する場合が多い。この結果、繊維強化複合材料の表面の布状繊維樹脂材と短繊維樹脂材との境界が破壊の起点となって、境界部に沿って亀裂が進展し、最終的には、布状繊維樹脂材と短繊維樹脂材との厚さ方向の界面から相間せん断が発生する場合がある。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、布状繊維樹脂材と短繊維樹脂材との境界部に発生する応力を緩和させ、該部分の強度低下を抑えることができる繊維強化複合材料を提供することにある。
前記課題を解決すべく、本発明に係る繊維強化複合材料は、短強化繊維及び樹脂からなる短繊維樹脂材の表面の少なくとも一部に、布状強化繊維基材と該布状強化繊維基材に含浸された樹脂とからなる布状繊維樹脂材の一方の面を、接合させた繊維強化複合材料であって、前記布状繊維樹脂材の周縁端の少なくとも一部と、該周縁端の一部に連続した前記布状繊維樹脂材の他方の面の一部とが、前記短繊維樹脂材の一部によって覆われるように、前記短繊維樹脂材に接合されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、布状繊維樹脂材に接合された短繊維樹脂材の部分の補強を行うことができるばかりでなく、布状繊維樹脂材の周縁端の少なくとも一部と、該周縁端の一部に連続した布状繊維樹脂材の他方の面の一部とを、短繊維樹脂材の一部で覆うことにより、繊維強化複合材料に曲げ応力等が作用したとしても、短繊維樹脂材の表面と、布状繊維樹脂材の他方の面との界面からの剥離を抑制することができる。
また、本発明に係る繊維強化複合材料は、前記布状繊維樹脂材が、複数の前記布状繊維基材を前記繊維強化複合材料料の厚さ方向に積層した積層構造であり、前記布状繊維樹脂材の前記周縁端の一部を構成する前記布状強化繊維基材の端部が階段状となるように積層されていることがより好ましい。
本発明によれば、繊維強化複合材料は、階段状に布状強化繊維基材の端部が配置されることにより、布状繊維樹脂材の布状強化繊維基材の繊維量が、布状繊維樹脂材の周縁端に進むに従って、布状強化繊維基材の繊維密度が減少するようになるので、この周縁端の近傍において曲げ応力等が作用した場合であっても、短繊維樹脂材と布状繊維樹脂材との強度差が起因となった応力集中を低減することができる。
また、本発明に係る繊維強化複合材料は、前記繊維強化複合材料の厚さ方向において、前記布状繊維樹脂材が接合されていない前記短繊維樹脂材の部分の厚さに対して、前記布状繊維樹脂材の前記一方の面が接合された前記短繊維樹脂材の部分の厚さが減少しないように、前記短繊維樹脂材と前記布状繊維樹脂材とが接合されている。
本発明によれば、前記構成、すなわち、前記繊維強化複合材料の厚さ方向において、前記布状繊維樹脂材が接合されていない前記短繊維樹脂材の部分の厚さに対して、前記布状繊維樹脂材の前記一方の面が接合された前記短繊維樹脂材の部分の厚さが同等またはそれ以上の厚さとなるように、前記短繊維樹脂材と前記布状繊維樹脂材とが接合されているので、短繊維樹脂材には欠肉が存在せず、このような構造の繊維強化複合材料を成形した場合には、成形時において、短繊維樹脂材内に樹脂溜まりができにくく、繊維強化複合材料の部分的な強度不足の発生をさらに、抑制することができる。
より好ましくは、本発明に係る繊維強化複合材料は、短繊維樹脂材の樹脂と、前記布状繊維樹脂材の樹脂とが、同種の熱硬化性樹脂からなる。このように同種の熱硬化性樹脂を用いることにより、短繊維樹脂材と布状繊維樹脂材との接合性は向上する。また、熱硬化性樹脂とは、例えばエポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、シリコーン系樹脂、マレイミド系樹脂、ビニルエステル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、シアネート系樹脂、又はポリイミド系樹脂等の樹脂を挙げられることができ、強化繊維と合わせて所定の強度を保つことができるのであれば特にその種類は限定されるものではない。なお、本発明にいう「同種の熱硬化性樹脂」とは、上記に例示した樹脂の系が同じ熱硬化性樹脂のことをいう。
本発明にいう「強化繊維」とは、複合材料の機械的強度を強化するための樹脂強化用の繊維をいい、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、スチール繊維、PBO繊維、又は高強度ポリエチレン繊維などの繊維が挙げられ、短繊維樹脂材と布状繊維樹脂材に含まれる繊維は異なる種類の繊維であってもよい。
また、本発明に係る繊維強化複合材料の布状強化繊維基材は、織布、不織布いずれであってもよく、織布である場合には、その織り方としては、平織、綾織、朱子織などの織組織からなる基材であってもよく、強化繊維を一方向に引き揃えた複数層を隣接する層の繊維軸が30°〜90°程度ずれるように交差積層させた、いわゆる多軸の繊維構造の基材であってもよい。
さらに本発明において、前記繊維強化複合材料を製造するに好適な製造方法をも以下に開示する。本発明に係る繊維強化複合材料の製造方法は、前記短強化繊維及び樹脂からなる短繊維樹脂材と、布状強化繊維基材と該布状強化繊維基材に含浸された樹脂とからなる布状繊維樹脂材と、を金型内の所定の位置に配置する工程と、前記短繊維樹脂材と前記布状繊維樹脂材とを加熱して、前記短繊維樹脂材の表面の少なくとも一部に、前記布状繊維樹脂材の一方の面が接合するように繊維強化複合材料を成形する工程とを、少なくとも含む繊維強化複合材料の製造方法であって、前記成形工程において、前記布状繊維樹脂材の周縁端の少なくとも一部と、該周縁端の一部に連続した前記布状繊維樹脂材の他方の面の一部とに、前記短繊維樹脂材の一部が覆うように、前記短繊維樹脂材を流動させて、該短繊維樹脂材を前記布状繊維樹脂材の前記一部に接合させることを特徴とするものである。
また、本発明に係る繊維強化複合材料の製造方法は、前記短繊維樹脂材及び布状繊維樹脂材を金型内に配置する工程において、複数の前記布状繊維樹脂材を、該布状繊維樹脂材の前記周縁端が階段状となるように積層配置することがより好ましい。
さらに、本発明に係る繊維強化複合材料の製造方法は、前記成形工程において、前記布状繊維樹脂材が接合されていない前記短繊維樹脂材の部分の厚さに対して、前記布状繊維樹脂材の前記一方の面が接合された短繊維樹脂材の部分の厚さが減少しないように、短繊維樹脂材を流動させて、短繊維樹脂材に布状繊維樹脂材を接合させることがより好ましい。
また、本発明に係る繊維強化複合材料の製造方法は、前記短繊維樹脂材の樹脂と、前記布状繊維樹脂材の樹脂とに、同種の熱硬化性樹脂を用いることがより好ましい。
本発明によれば、布状繊維樹脂材と短繊維樹脂材との境界部に発生する応力を緩和させ、該部分の強度低下を抑え、繊維強化複合材料に曲げ応力等が負荷された場合であっても、短繊維樹脂材から布状繊維樹脂材が剥離することを抑制することができる。
以下に、図面を参照して、本発明に係る繊維強化複合材料の一実施形態に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る繊維強化複合材料の要部拡大図を示している。図1に示すように、本実施形態の繊維強化複合材料10は短繊維樹脂材20と布状繊維樹脂材30とを少なくとも備えており、短繊維樹脂材20の表面20aの一部に、布状繊維樹脂材30の一方の面30aを接合させた構造となっている。短繊維樹脂材20は、繊維強化複合材料10を強化するためのガラス繊維からなる短強化繊維21と、該短強化繊維21に含浸されるビニルエステル系樹脂からなる樹脂22と、を少なくとも含んでいる。また、短強化繊維21の繊維径は、5〜10μm程度の太さ同等の繊維径を有するガラス繊維を、5〜30mm程度に切断したものであり、切断した短強化繊維21は、樹脂22に均一に分散されている。なお、前記繊維径及び繊維長さの範囲のガラス繊維が好ましいが、樹脂に対しての繊維強化材として機能するのであれば、前記範囲に限定されるものでない。
布状繊維樹脂材30は、平織されたガラス繊維材料からなる布状強化繊維基材31と、該布状強化繊維基材31を含浸したビニルエステル系樹脂(図示せず)とからなる。布状強化繊維基材31は、布状強化繊維基材31の織り目部分が繊維強化複合材料10の一部の表面層を構成するように配置されている。
さらに、布状繊維樹脂材30の周縁端30bの少なくとも一部と、該周縁端30bの一部に連続した布状繊維樹脂材30の他方の面30cの一部30dとが、短繊維樹脂材20の一部によって覆われるように、短繊維樹脂材20に接合されている。
このような構造にすることにより、布状繊維樹脂材30に接合された短繊維樹脂材20の部分20Bが補強される。また、布状繊維樹脂材30の周縁端30bの少なくとも一部と、該周縁端30bの一部に連続した布状繊維樹脂材30の他方の面30cの一部30dとを、短繊維樹脂材20の一部で覆うことにより、繊維強化複合材料10に曲げ応力等が作用したとしても、短繊維樹脂材20の表面20aと、布状繊維樹脂材30の他方の面30aとの界面からの剥離を抑制することができる。
また、布状繊維樹脂材30は、布状強化繊維基材31が繊維強化複合材料10の厚さ方向Tに沿って積層された積層構造となっている。さらに、布状繊維樹脂材30の周縁端30bの一部を構成する布状強化繊維基材31の端部が階段状となるように積層されている。すなわち、厚さ方向に積層された各布状強化繊維基材31は、各周縁端30bが厚さ方向Tに進むに従って、幅方向Bの少なくとも一方向にずれるように積層されているので、布状繊維樹脂材30の幅方向Bの周縁端30bの一部が幅方向Bに突出した構造となっている。
この結果、繊維強化複合材料10は、布状繊維樹脂材30の布状強化繊維基材31の繊維量が、布状繊維樹脂材30の幅方向Bの周縁端30bに進むに従って、布状強化繊維基材31の繊維密度が減少するので、この周縁端30bの近傍において曲げ応力等が作用した場合であっても、短繊維樹脂材20と布状繊維樹脂材30との強度差が起因となった応力集中を低減することができる。
さらに、繊維強化複合材料10は、繊維強化複合材料10の厚さ方向Tにおいて、布状繊維樹脂材30が接合されていない短繊維樹脂材20の部分20Aの厚さT1に対して、布状繊維樹脂材30の一方の面30aが接合された短繊維樹脂材20の部分の厚さT2が減少しないように、短繊維樹脂材20と布状繊維樹脂材30とが一体的に接合されている。すなわち、本実施形態の繊維強化複合材料10は、図中の厚さT1とT2が略等しく、短繊維樹脂材20の幅方向Bに沿った厚みが、略一定となっている。
このような構造にすることにより、短繊維樹脂材20には欠肉が存在せず、このような構造の繊維強化複合材料10を成形した場合には、成形時において、短繊維樹脂材20内(特に部分20Aと部分20Bとの境界部分)に樹脂溜まりができにくく、繊維強化複合材料10の部分的な強度不足の発生を抑制することができる。
なお、剛性の必要な箇所に布状繊維樹脂材30を配置可能なように、短繊維樹脂材20と布状繊維樹脂材30との一体成形が可能であれば、布状繊維樹脂材30の繊維及び樹脂の種類、及び布状強化繊維の織り方等は、特に限定されるものではない。
たとえば、布状強化繊維基材31は、平織されたガラス繊維からなるが、該織り方としては綾織、朱子織などの織組織であってもよく、ガラス繊維を一方向に引き揃えた複数層を隣接する層の繊維軸が30°〜60°程度ずれるように、いわゆる交差積層させてもよい。このような積層構造にすることにより、複合材料が機械的に等方性をえることができる。
さらに、短繊維樹脂材20及び布状繊維樹脂材30を構成する繊維は、ガラス繊維の他にも、使用環境などに応じて、炭素繊維、ボロン繊維、スチール繊維、PBO繊維、高強度ポリエチレン繊維、又はアラミド繊維などから選択されてもよく、これらを単独、または複数を組み合わせて用いてもよい。
また、短繊維樹脂材20及び布状繊維樹脂材30に含浸する樹脂は、同種の熱硬化性樹脂であるビニルエステル系樹脂を用いたので、短繊維樹脂材20と布状繊維樹脂材30との馴染み性が良く、短繊維樹脂材20の表面20aと、布状繊維樹脂材30の他方の面30aとの界面からの剥離をさらに抑制することができる。
なお、短繊維樹脂材20と布状繊維樹脂材30とに使用される樹脂として、同種の熱硬化性樹脂を用いるのであれば、ビニルエステル系樹脂の他にも、例えば、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ビスマレイミド系樹脂、BT系樹脂、シアネートエステル系樹脂、または、ベンゾオキサジン系樹脂等を主成分とした熱硬化性樹脂であってもよい。
以下に、図2を用いて、繊維強化複合材料10の製造方法について説明する。図2は、図1の繊維強化複合材料の製造方法を説明するための図である。(a)は、繊維強化複合材料を成形する金型の模式図であり、(b)は(a)に示す金型を用いた本実施形態に係る配置工程を説明するための図であり、(c)は、(b)に示す配置工程後に行う成形工程を説明するための図である。
まず、短繊維樹脂材として、ガラス繊維からなる短強化繊維を、該繊維を未硬化のビニルエステル系樹脂に含浸させたシートモールディングコンパウンド(SMC)を製作する。なお、シートモールディングコンパウンド(SMC)は、前記繊維が、20〜50体積%、樹脂が50〜80体積%程度含まれていることが好ましい。
一方、繊維強化複合材料(SMC成形品)を部分的に補強すべき部材として、ガラス繊維からなる布状強化繊維基材と、布状強化繊維基材に含浸させた樹脂とからなるシート状の布状繊維樹脂材を製作する。このシート状の布状繊維樹脂材は、一般的には、プリプレグと呼ばれるものであり、本実施形態では、後述するように、このシート状の布状繊維材を、繊維強化複合材料の厚さ方向に沿って積層させて使用する。
そして、図2(a)に示す金型70を用いて、繊維強化複合材料10を成形する。図2(a)に示すように、金型70は、上型50と下型60とからなり、下型60のキャビティを形成するための壁面には、シート状の布状繊維樹脂材を配置する繊維樹脂配置部61が形成されている。繊維樹脂配置部61の布状繊維樹脂材の配置面61aは、布状繊維樹脂材が配置されない下型の他の壁面62aよりも、布状繊維樹脂材を積層した厚みtだけ低い位置に形成されている。さらに、配置面61aと壁面62aとの間には、成形時に、積層した布状繊維樹脂材の端部に周り込むように短繊維樹脂材を流動させるための凹部63が形成されている。
この金型70を用いて、図2(b)に示す配置工程を実施する。まず、複数のシート状の布状繊維樹脂材(シート状のプリプレグ)32を、該布状繊維樹脂材32の周縁端32bが階段状になるように、一方向にずらして繊維樹脂配置部61に積層配置する。布状繊維樹脂材32を積層させた積層体30(図1でいう布状繊維樹脂材30)の一方の面30aに、複数のシート状の短繊維樹脂材20を重ねて配置する。
この配置した短繊維樹脂材20と布状繊維樹脂材32との積層体30を、金型70を介して加熱し、上型50と下型60の型締めにより、繊維強化複合材料10に成形する(成形工程)。この際に、図2(b)に示すように、加熱された複数のシート状の短繊維樹脂材20は流動し、幅方向Bに流動する。さらに、下型60に凹部63を設けたことにより、積層体30の周縁端30bすなわち各布状繊維樹脂材32の周縁端32bの少なくとも一部と、周縁端30bの一部に連続した積層体30の他方の面30cの一部30dとに、短繊維樹脂材20の一部が覆われるように、短繊維樹脂材20を流動させ、短繊維樹脂材20を布状繊維樹脂材32の一部30b,30dに接合させることができる(図2(c)参照)。
さらに、繊維樹脂配置部61の布状繊維樹脂材の配置面61aを、下型60の他の壁面62aよりも、布状繊維樹脂材を積層した厚みtだけ低い位置に形成したことにより、積層体30の一方の面30aと、下型60の短繊維樹脂材20が通過する壁面62aとの高さが同等になる。この結果、図2(b)に示すように、成形時に幅方向Bを流れる短繊維樹脂材20の流路は絞り等がないので、短繊維樹脂材20は、その流れを妨げられることはない。すなわち、積層体30が接合されていない短繊維樹脂材20の部分20Aの厚さT1に対して、積層体30の一方の面30aが接合された短繊維樹脂材20の部分20Bの厚さT2が減少しないように、短繊維樹脂材20を流動させて、短繊維樹脂材20を布状繊維樹脂材30の一部に接合させることができる。このようにして、成形された短繊維樹脂材20に欠肉、樹脂溜まり(短強化繊維が部分的に無い箇所)が殆どなく、繊維強化複合材料10の強度を確保することができる。
さらに、図2(c)の状態を保持し、熱硬化性樹脂の熱硬化開始温度以上まで、樹脂を加熱して硬化させ、さらに、金型から成形品を脱型することにより、繊維強化複合材料を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、短繊維樹脂材及び布状繊維樹脂材いずれにもガラス繊維を用いたが、布状繊維樹脂材には、繊維強化複合材のより高い補強を行う場合には、炭素繊維を用いてもよい。また、本実施形態では、布状繊維樹脂材の一部の周縁端を覆うように、短繊維樹脂材の一部を接合させたが、場合によっては、布状繊維樹脂材の全周縁端を覆うように、短繊維樹脂材の一部を接合させてもよい。
本発明に係る繊維強化複合材料は、量産が必要とされ、かつ、部分的に剛性が低い複雑な形状の部材に特に好適である。具体的には、オートバイフレーム、カウル等の二輪車用途や、ドア、ボンネット、テールゲート、サイドフェンダー、側面パネル、フェンダー、トランクリッド、ハードップ、エンジンシリンダーカバー、エンジンフード、シャシー、エアースポイラー、プロペラシャフト等の自動車用部品などの用途が挙げられる。
本実施形態に係る繊維強化複合材料の要部拡大図。 本実施形態に係る繊維強化複合材料の製造方法を説明するための図であり、(a)は、繊維強化複合材料を成形する金型の模式図であり、(b)は(a)に示す金型を用いた本実施形態に係る配置工程を説明するための図であり、(c)は、(b)に示す配置工程後に行う成形工程を説明するための図。
符号の説明
10:繊維強化複合材料、20:短繊維樹脂材、21:短強化繊維、22:樹脂、30:積層体、30:布状繊維樹脂材(積層体)、30b:周縁端、31:布状強化繊維基材、32:シート状の布状繊維樹脂材、50:上型、60:下型、61:繊維樹脂配置部、61a:配置面、62a:壁面、63:凹部、70:金型

Claims (8)

  1. 短強化繊維及び樹脂からなる短繊維樹脂材の表面の少なくとも一部に、布状強化繊維基材と該布状強化繊維基材に含浸された樹脂とからなる布状繊維樹脂材の一方の面を、接合させた繊維強化複合材料であって、
    前記布状繊維樹脂材の周縁端の少なくとも一部と、該周縁端の一部に連続した前記布状繊維樹脂材の他方の面の一部とが、前記短繊維樹脂材の一部によって覆われるように、前記短繊維樹脂材に接合されていることを特徴とする繊維強化複合材料。
  2. 前記布状繊維樹脂材は、複数の前記布状繊維基材を前記繊維強化複合材料の厚さ方向に積層した積層構造であり、
    前記布状繊維樹脂材の前記周縁端の一部を構成する前記布状強化繊維基材の端部が階段状となるように積層されていることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化複合材料。
  3. 前記繊維強化複合材料の厚さ方向において、前記布状繊維樹脂材が接合されていない前記短繊維樹脂材の部分の厚さに対して、前記布状繊維樹脂材の前記一方の面が接合された前記短繊維樹脂材の部分の厚さが減少しないように、前記短繊維樹脂材と前記布状繊維樹脂材とが接合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維強化複合材料。
  4. 前記短繊維樹脂材の樹脂と、前記布状繊維樹脂材の樹脂とは、同種の熱硬化性樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
  5. 前記短強化繊維及び樹脂からなる短繊維樹脂材と、布状強化繊維基材と該布状強化繊維基材に含浸された樹脂とからなる布状繊維樹脂材と、を金型内の所定の位置に配置する工程と、
    前記短繊維樹脂材と前記布状繊維樹脂材とを加熱して、前記短繊維樹脂材の表面の少なくとも一部に、前記布状繊維樹脂材の一方の面が接合するように繊維強化複合材料を成形する工程とを、少なくとも含む繊維強化複合材料の製造方法であって、
    前記成形工程において、前記布状繊維樹脂材の周縁端の少なくとも一部と、該周縁端の一部に連続した前記布状繊維樹脂材の他方の面の一部とに、前記短繊維樹脂材の一部が覆うように、前記短繊維樹脂材を流動させて、該短繊維樹脂材を前記布状繊維樹脂材の前記一部に接合させることを特徴とする繊維強化複合材料の製造方法。
  6. 前記短繊維樹脂材及び布状繊維樹脂材を金型内に配置する工程において、複数の前記布状繊維樹脂材を、該布状繊維樹脂材の前記周縁端が階段状となるように積層配置することを特徴とする請求項5に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  7. 前記成形工程において、前記布状繊維樹脂材が接合されていない前記短繊維樹脂材の部分の厚さに対して、前記布状繊維樹脂材の前記一方の面が接合された短繊維樹脂材の部分の厚さが減少しないように、短繊維樹脂材を流動させて、短繊維樹脂材に布状繊維樹脂材を接合させることを特徴とする請求項5又は6に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  8. 前記短繊維樹脂材の樹脂と、前記布状繊維樹脂材の樹脂とに、同種の熱硬化性樹脂を用いることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
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