JP4736906B2 - 複合材成形体及びその製造方法 - Google Patents

複合材成形体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4736906B2
JP4736906B2 JP2006099751A JP2006099751A JP4736906B2 JP 4736906 B2 JP4736906 B2 JP 4736906B2 JP 2006099751 A JP2006099751 A JP 2006099751A JP 2006099751 A JP2006099751 A JP 2006099751A JP 4736906 B2 JP4736906 B2 JP 4736906B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
washer
fiber
composite material
reinforcing fiber
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006099751A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007268941A (ja
Inventor
良平 辻
隆太 神谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2006099751A priority Critical patent/JP4736906B2/ja
Publication of JP2007268941A publication Critical patent/JP2007268941A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4736906B2 publication Critical patent/JP4736906B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、複合材成形体及びその製造方法に係り、詳しくは他の部品との締結状態で使用するのに好適な複合材成形体及びその製造方法に関する。
繊維強化複合材(以下、単に複合材と言う。)は軽量の構造材として広く使用されている。構造材は単体で使用される場合は少なく、他の部品と接合されて使用される。そして、他の部品との接合には、接着剤による接着やリベットによる接合に比べて、分解、組立が容易で、金属材料とも容易に接合が可能であるボルト(ねじ)による締結がメンテナンス性の観点から好ましい。しかし、母材(マトリックス)を樹脂とした複合材の場合は、樹脂のクリープ/応力緩和現象による軸力低下が発生し、取り付けガタ等の原因となる。
この対策として、複合材に金属部品をインサート成形あるいは圧入するとともに、金属部品に孔を開けて金属部品の部分でボルトによる締結を行う方法がある。また、めねじ接合部を有する繊維強化プラスチック製部材であって、連続する強化繊維が、該めねじのねじ山内を通過してピッチ間を斜行し、かつ該部材内で該めねじのねじ谷頂部を越えていることを特徴とする繊維強化プラスチック製部材が提案されている(特許文献1参照。)。
特開平11−325024号公報
ところが、複合材に金属部品をインサート成形あるいは圧入する方法では、ボルトによる締結は良好となるが、金属−樹脂間の熱膨張係数の差による残留応力が発生し、他の不具合の原因となる。また、製造コストが高くなる。一方、特許文献1の場合は、製造コストが高く、使用できる部材の形状が限られる。
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、樹脂をマトリックスとした複合材部品において、ボルト締結で他の部品と接合した際に、軸力の低下を抑制することができるとともに生産性良く製造することができる複合材成形体及びその製造方法を提供することにある。
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、強化繊維及びマトリックス樹脂からなる成形体を有する複合材成形体であって、前記成形体には、孔を有する座金が一体に形成されており、前記座金が設けられることにより、前記強化繊維体の前記座金と対応する部分における繊維体積率が前記座金と対応しない部分の繊維体積率より高く形成されており、前記成形体における前記座金の孔に対向する部分には、孔が形成されている
ここで、「強化繊維体」とは、繊維が織物、編物、不織布等の二次元の繊維構造体や三次元織物、三次元編物、組み紐等の三次元構造体に加工されたプリフォームだけを意味するのではなく、未加工の繊維(繊維束)を配置したものや繊維に樹脂が含浸された半硬化状態(Bステージ状態)のプリプレグをも意味する。
この発明では、強化繊維体において、座金に対応する部分の繊維体積率が座金と対応しない部分より高く形成されているため、当該部分のクリープ変形が抑制される。そして、孔に挿通されるボルトを介して他の部品と接合された場合、ボルトの軸力低下が抑制される。また、クリープ対策のための別部品(金属部品)を必要としないため、製造に際して工程の一部変更で簡単に対応でき、製造コストを低減することができる。
請求項2に記載の発明は、孔が形成された座金を成形型のキャビティ内に配置する座金配置工程と、前記キャビティ内に強化繊維体を配置する強化繊維体配置工程と、前記成形型を閉じた状態において、前記強化繊維体の前記座金と対応する部分における繊維体積率が前記座金と対応しない部分の繊維体積率より高くなるように、前記キャビティ内に配置された前記強化繊維体及び前記座金をプレスする強化繊維体プレス工程と、前記プレスされた強化繊維体に含浸された樹脂を硬化させる樹脂硬化工程と、樹脂硬化後の成形体の前記座金の孔に対向する部分に孔を形成する孔加工工程とを備える
この発明では、成形型のキャビティ内に座金及び強化繊維体が配置された状態で成形型を閉じることにより、キャビティ内に配置された強化繊維体の座金と対応する部分における繊維体積率が座金と対応しない部分における繊維体積率より高くなる。従って、座金の孔に対向する部分にボルトが挿通される孔を形成する部分にすることで、樹脂をマトリックスとした複合材(FRP)部品において、ボルト締結で他の部品と接合した際に、軸力の低下を抑制することができる複合材成形体を生産性良く製造することができる。
本発明によれば、樹脂をマトリックスとした複合材部品において、ボルト締結で他の部品と接合した際に、軸力の低下を抑制することができるとともに生産性良く製造することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。なお、図1〜図3は、複合材成形体や成形型の構成を模式的に示したものであり、図示の都合上、一部の寸法を誇張して分かり易くするために、それぞれの部分の長さ、厚さ等の寸法の比は実際の比と異なっている。このことは、他の実施形態でも同じである。
図1に示すように、複合材成形体11は、強化繊維12及び図示しないマトリックス樹脂からなり、一部に孔13が形成されている。孔13の周囲部分11aは、繊維体積率Vfが他の部分11bより高く形成されている。孔13の周囲部分11aは、単位体積当たりの樹脂量が減少して繊維体積率Vfが他の部分11bより高く形成されている。複合材成形体11の孔13が形成されている部分は、片面(図1では上面)が凹部14となっている。
強化繊維としては、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維(炭素繊維)、アラミド繊維等が使用されるが、炭素繊維が好ましい。樹脂としては不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が使用される。
次に前記のように構成された複合材成形体11の製造方法について説明する。
複合材成形体11を製造する場合は、成形型を使用する。図2(a)に示すように、成形型20は、キャビティ21aを有する下型21と、キャビティ21a全体を覆うとともに、一部にキャビティ21a内に突出する凸部22aを備えた上型22とを備えている。また、成形型20は、図示はしないが、レジントランスファーモールディング(RTM)法で使用される樹脂含浸用金型(成形金型)と同様に、型締め状態においてキャビティ21a内を減圧にする減圧通路と、キャビティ21a内に樹脂を注入する樹脂注入通路とを備えている。
先ず、図2(a)に示すように、上型22が開放位置に配置された状態で、下型21のキャビティ21a内に強化繊維12を配置する強化繊維体配置工程が行われる。この実施形態では強化繊維12には、繊維束が使用され、繊維束が複数層に、かつ隣接する層を構成する繊維束の配列方向が直交する状態で配置されてキャビティ21a内に満たされることで強化繊維体15が構成される。
次に強化繊維体プレス工程が行われる。強化繊維体プレス工程では、図2(b)に示すように、上型22を閉鎖位置に配置して成形型20を閉じた状態する。上型22が閉じた状態(閉鎖位置)に配置されると、凸部22aと対応する部分の強化繊維12がプレスされて、凸部22aと対応する部分の強化繊維体15の繊維体積率Vfが他の部分の繊維体積率Vfより高くなる。
次にキャビティ21a内が真空に近い状態まで減圧された状態で、熱硬化性樹脂がキャビティ21a内に注入されて、熱硬化性樹脂が強化繊維体15に含浸される。
次に成形型20が図示しない加熱手段によって樹脂の熱硬化温度以上に加熱され、強化繊維体15に含浸された熱硬化性樹脂を硬化させる樹脂硬化工程が行われる。その後、成形型20の温度が低下した後、成形型20が開かれて、樹脂硬化後の成形体が下型21から取り出され、成形体の繊維体積率Vfの高くなった部分に孔13を形成する孔加工工程が行われる。孔加工は、例えば、ドリルによる機械加工や、打抜き加工、ウォータージェット加工等で行われる。その後、バリ取りや不要部の切断等の外形加工が行われて、図2(c)に示すように複合材成形体11の製造が完了する。
前記のように構成された複合材成形体11は、図3に示すように、他の部品16に対して孔13に貫通されるボルト17及びナット18で締め付け固定された状態で接合(固定)されて使用される。複合材成形体11は、ボルト17による締結部のみ局所的に母材の強化繊維12の繊維体積率Vfが高められている。そのため、締結部のクリープ変形の原因となる樹脂の絶対量が減少して軸力低下が抑制される。
複合材の強化繊維の量が同じ場合、図4(a)に示すように、繊維体積率Vfは複合材の厚さが薄くなるに伴って増加する。例えば、厚さを5mmから4mmに減少させると、Vfは50%から62.5%に増加する。また、図4(b)に示すように、複合材の面外方向の弾性率(非軸方向の弾性率)Etと、樹脂の弾性率Emとの比Et/Emの値は、繊維体積率Vfの増加に伴って増加する。その増加割合は、繊維体積率Vfの値が10%増加、例えば、50%から60%へ増加すると、Et/Emの値はほぼ25%増加する。そのため、複合材成形体11の板厚を減少させて繊維体積率Vfを高めると、面外方向の弾性率Etの向上及び表面樹脂層の低減により、へたり(表面陥没)が抑制され、高い軸力に耐えうる接合部(締結部)が得られる。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)複合材成形体11は、強化繊維12及びマトリックス樹脂からなり、一部に孔13が形成されるとともに、孔13の周囲部分11aの繊維体積率Vfが他の部分より高く形成されている。従って、孔13の周囲部分11aのクリープ変形が抑制されるので、孔13に挿通されるボルト17を介して他の部品16と接合された場合、ボルト17の軸力低下が抑制される。また、クリープ対策のための別部品(金属部品)を必要としないため、製造に際して工程の一部変更で簡単に対応でき、コストを低下させることができる。
(2)孔13の周囲部分11aは、単位体積当たりの樹脂量が減少して繊維体積率Vfが他の部分11bより高く形成されている。従って、強化繊維12の量を増加させる必要が無く、樹脂量が低減されるため、強化繊維12を増量して繊維体積率Vfを高める場合に比較して、材料費が安くなる。
(3)孔13が形成されている部分は、片面が凹部14となっている。従って、成形型20の一方の型(この実施形態では上型22)に凸部22aを設けることで、成形時に強化繊維12の一部を他の部分より圧縮して一部の繊維体積率Vfが高い複合材成形体11を容易に製造することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図5にしたがって説明する。この第2の実施形態は、複合材成形体11の一部の繊維体積率Vfを高める方法として、成形型20は従来技術を変更せずに、別部品を用いている点が第1の実施形態と異なっている。第1の実施形態と基本的に同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
図5(a)〜(c)に示すように、成形型20は、下型21及び上型22を備え、上型22は第1の実施形態と異なり凸部22aがなく一定板厚に形成されており、従来技術と同じ構成である。そして、型閉じ状態において、強化繊維体15の一部の繊維体積率Vfを他の部分の繊維体積率Vfより高めるために、成形型20と別部品として座金19を用いる。座金19は、円錐台状に形成されている。
複合材成形体11を形成する際は、先ず、図5(a)に示すように、上型22が開放位置に配置された状態で、下型21のキャビティ21a内の所定位置に座金19を底部がキャビティ21aの内面と当接する状態に配置する。その状態で強化繊維12を配置する強化繊維体配置工程が行われる。そして、図5(a)に示すように、強化繊維12がキャビティ21a内に満たされることで強化繊維体15が構成される。
次に図5(b)に示すように、上型22を閉鎖位置に配置して成形型20を閉じた状態にする強化繊維体プレス工程が行われる。上型22が閉じた状態(閉鎖位置)に配置されると、座金19と対応する部分の強化繊維12が、座金19と対応しない部分の強化繊維12より強くプレスされて、座金19と対応する部分の強化繊維体15の繊維体積率Vfが他の部分の繊維体積率Vfより高くなる。
次に第1の実施形態と同様にして、熱硬化性樹脂が強化繊維体15に含浸された後、樹脂硬化工程が行われる。そして、成形型20の温度が低下した後、樹脂硬化後の成形体が下型21から取り出され、成形体の繊維体積率Vfの高くなった部分の座金19の孔と対向する部分に孔13を形成する孔加工工程が行われる。その後、バリ取りや不要部の切断等の外形加工が行われて、図5(c)に示すように複合材成形体11の製造が完了する。即ち、この実施形態の複合材成形体11は、座金19が一体に形成されている。この複合材成形体11も他の部品16に対して孔13に貫通されるボルト17及びナット18で締め付け固定された状態で接合(固定)されて使用される。
従って、この実施形態によれば、第1の実施形態における(1)及び(2)と同様の効果の他に次の効果を得ることができる。
(4)複合材成形体11の一部の繊維体積率Vfを高める方法として、成形型20は従来技術を変更せずに、別部品としての座金19を用いている。従って、既存の金型を成形型20として使用でき、製造コストが安くなる。
(5)繊維体積率Vfを高める部分の面積あるいは数を変更する場合、第1の実施形態の構成では、上型22をそれに対応して準備する必要があるが、この実施形態の場合は座金19の大きさや数を変更することにより簡単に対応することができる。
(6)座金19が複合材成形体11に一体化されているため、複合材成形体11を他の部品16に対してボルト17及びナット18で締結する際、一方の座金を準備する必要がない。
(7)成形型20の構成上、上型22を開く際に、上型22を下型21に対して上側に離れるように移動させることができない場合でも、上型22にキャビティ21a内に突出する凸部22aが存在しないため、上型22を下型21と平行にスライドさせて開くことが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した第3の実施形態を図6にしたがって説明する。この第3の実施形態は、複合材成形体11の一部の繊維体積率Vfを高める方法として、成形型20は従来技術を変更しない点は第2の実施形態と同じであるが、別部品を用いない点が第2の実施形態と大きく異なっている。第2の実施形態と基本的に同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
図6(a),(b)に示すように、成形型20は、下型21及び上型22を備え、上型22は第1の実施形態と異なり凸部22aがなく一定板厚に形成されており、従来技術と同じ構成である。
複合材成形体11を形成する際は、先ず、上型22が開放位置に配置された状態で、下型21のキャビティ21a内に強化繊維12,12aを配置する強化繊維体配置工程が行われる。その際、図6(a)に示すように、繊維体積率Vfを高めるべき部分に配置する強化繊維12,12aの量を他の部分に配置される強化繊維12の量より増加させた状態で配置する。この実施形態では、強化繊維12,12aの量を増加させる部分では、強化繊維12aを強化繊維12と配列方向が異なる状態(直交する状態)で積層している。
そして、所定量の強化繊維12,12aが配置されて、強化繊維体配置工程が終了すると、図6(b)に示すように、上型22を閉鎖位置に配置して成形型20を閉じた状態にする強化繊維体プレス工程が行われる。上型22が閉じた状態(閉鎖位置)に配置されると、強化繊維12aが強化繊維12に加えられて繊維量が増加された強化繊維体15の部分は、下型21及び上型22により他の部分より強く押圧される。その結果、当該部分の繊維体積率Vfが他の部分の繊維体積率Vfより高くなる。
次に前記両実施形態と同様にして、熱硬化性樹脂が強化繊維体15に含浸された後、樹脂硬化工程が行われる。そして、成形型20の温度が低下した後、樹脂硬化後の成形体が下型21から取り出され、成形体の繊維体積率Vfの高くなった部分に孔13を形成する孔加工工程が行われる。その後、バリ取りや不要部の切断等の外形加工が行われて、図6(c)に示すように複合材成形体11の製造が完了する。この複合材成形体11も他の部品16に対して孔13に貫通されるボルト17及びナット18で締め付け固定された状態で接合(固定)されて使用される。
従って、この実施形態によれば、第1の実施形態における(1)、(2)及び第2の実施形態における(7)と同様の効果の他に次の効果を得ることができる。
(8)複合材成形体11の一部の繊維体積率Vfを高める方法として、成形型20は従来技術を変更せずに、キャビティ21a内に強化繊維12,12aを配置する際に、繊維体積率Vfを高めるべき部分と対応する箇所に他の部分より多く強化繊維12,12aを配置する。従って、複合材成形体11の厚さが一定でも、孔13が形成される部分の単位体積当たりの繊維量が増加して繊維体積率Vfが他の部分より高く形成される。その結果、製造時に複合材成形体11の成形型20からの取り出しが容易になる。
(9)繊維体積率Vfを高める部分の面積あるいは数を変更する場合、当該部分に配置する強化繊維12aを加えることで、簡単に対応することができる。例えば、図6(a),(b)の紙面と垂直方向に並ぶように複数の孔13を形成する必要がある場合は、強化繊維12aを長くすることで容易に対応することができる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 第2の実施形態において、座金19を下型21のキャビティ21aに当接する状態で配置する代わりに、キャビティ21a内に配置した強化繊維体15の上に座金19を配置してもよい。この場合も、第2の実施形態と同じ複合材成形体11を製造することができる。
○ 第2の実施形態において、孔13を形成すべき所定位置と対応する部分のキャビティ21aに当接する位置と、キャビティ21a内に配置した強化繊維体15の上とにそれぞれ座金19を配置してもよい。この場合、複合材成形体11として、孔13の両端と対応する箇所にそれぞれ座金19が一体化されたものを製造することができる。
○ 第2の実施形態において、別部品として座金19を使用する代わりに、別部品を強化繊維体15の所定部分の繊維体積率Vfを高める役割を果たすためだけに使用して、複合材成形体11が形成された後、複合材成形体11から別部品を除去するようにしてもよい。この場合、別部品の形状の自由度が高くなる。
○ 成形型20の上型22に凸部22aを設ける代わりに、下型21に強化繊維体15を押圧して繊維体積率Vfを部分的に高めるための凸部を設けてもよい。この場合も、第1の実施形態と同様に複合材成形体11を製造することができる。
○ 複合材成形体11は平板に限らず、厚さの異なる部分や湾曲部、あるいは屈曲部を備えた部材であってもよい。
○ キャビティ21a内に強化繊維12を配置して強化繊維体15を形成する代わりに、強化繊維体15としてキャビティ21aの外で強化繊維を加工したプリフォームを使用してもよい。プリフォームとしては、織物、編物、不織布等の二次元の繊維構造体や三次元織物、三次元編物、組み紐等の三次元構造体が挙げられる。
○ 複合材成形体11を構成する樹脂は熱硬化性樹脂に限らず、熱可塑性樹脂であってもよい。熱可塑性樹脂を使用する場合は、成形型20を樹脂の溶融温度以上に加熱した状態で樹脂の含浸を行う。
○ 強化繊維体15として予め繊維に樹脂が含浸されて半硬化状態(Bステージ状態)に加工されたプリプレグをキャビティ21a内に配置したり、プリプレグと強化繊維12を混合して配置してもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)成形型のキャビティ内の前記強化繊維体の所定部分と対応する箇所に成形型と別体の部品を配置して、型閉じ状態において前記別体の部品で前記強化繊維体の所定部分を押圧して当該部分の繊維体積率Vfを他の部分の繊維体積率Vfより高めるようにする。
(2)前記強化繊維体としてプリフォームを使用する。
第1の実施形態における複合材成形体の模式断面図。 (a)〜(c)は複合材成形体の製造方法を説明する模式断面図。 複合材成形体の使用状態を示す模式断面図。 (a)は複合材の厚さと繊維体積率との関係を示すグラフ、(b)は複合材の面外方向弾性率Etと樹脂弾性率Emの比と、繊維体積率との関係を示すグラフ。 (a)〜(c)は第2の実施形態における複合材成形体の製造方法を説明する模式断面図。 (a)〜(c)は第3の実施形態における複合材成形体の製造方法を説明する模式断面図。
符号の説明
11…複合材成形体、11a…周囲部分、11b…部分、12,12a…強化繊維、13…孔、14…凹部、15…強化繊維体、20…成形型、21a…キャビティ。

Claims (2)

  1. 強化繊維及びマトリックス樹脂からなる成形体を有する複合材成形体であって、
    前記成形体には、孔を有する座金が一体に形成されており、前記座金が設けられることにより、前記強化繊維体の前記座金と対応する部分における繊維体積率が前記座金と対応しない部分の繊維体積率より高く形成されており、
    前記成形体における前記座金の孔に対向する部分には、孔が形成されていることを特徴とする複合材成形体。
  2. 孔が形成された座金を成形型のキャビティ内に配置する座金配置工程と、
    前記キャビティ内に強化繊維体を配置する強化繊維体配置工程と、
    前記成形型を閉じた状態において、前記強化繊維体の前記座金と対応する部分における繊維体積率が前記座金と対応しない部分の繊維体積率より高くなるように、前記キャビティ内に配置された前記強化繊維体及び前記座金をプレスする強化繊維体プレス工程と、
    前記プレスされた強化繊維体に含浸された樹脂を硬化させる樹脂硬化工程と、
    樹脂硬化後の成形体の前記座金の孔に対向する部分に孔を形成する孔加工工程と
    を備えることを特徴とする複合材成形体の製造方法。
JP2006099751A 2006-03-31 2006-03-31 複合材成形体及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4736906B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006099751A JP4736906B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 複合材成形体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006099751A JP4736906B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 複合材成形体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007268941A JP2007268941A (ja) 2007-10-18
JP4736906B2 true JP4736906B2 (ja) 2011-07-27

Family

ID=38672223

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006099751A Expired - Fee Related JP4736906B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 複合材成形体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4736906B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5625260B2 (ja) * 2009-04-21 2014-11-19 株式会社豊田自動織機 繊維強化複合材及び繊維強化複合材の締結構造
JP5568388B2 (ja) * 2010-06-24 2014-08-06 三光合成株式会社 外観の良い繊維強化樹脂成形品
US10654246B2 (en) * 2012-04-28 2020-05-19 General Electric Company Composite article and methods therefor
JP6415885B2 (ja) * 2014-07-25 2018-10-31 株式会社イノアックコーポレーション 孔あき炭素繊維複合材の製造方法
KR101819130B1 (ko) * 2016-04-28 2018-01-17 주식회사 에스컴텍 양방향 z-피닝 패치를 이용한 광폭 섬유강화수지패널 제조방법

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5590433U (ja) * 1978-12-19 1980-06-23
JPS5941519U (ja) * 1982-09-07 1984-03-17 三菱電機株式会社 成形治具
JPH01110131A (ja) * 1987-10-23 1989-04-26 Topy Ind Ltd 繊維強化樹脂製品における穴部の加工方法
JPH05269868A (ja) * 1992-03-25 1993-10-19 Sumitomo Metal Ind Ltd 孔明き中空複合材料の製造方法
JPH07256769A (ja) * 1994-03-18 1995-10-09 Honda Motor Co Ltd 繊維強化樹脂部材
JP2003071942A (ja) * 2001-09-05 2003-03-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 高強度周辺部を有する複合材構造体の製造方法及び複合材構造体
JP2004338271A (ja) * 2003-05-16 2004-12-02 Mitsubishi Rayon Co Ltd 穿孔加工に好適な繊維強化樹脂複合材及び穿孔繊維強化樹脂複合材の製造方法
JP2005193587A (ja) * 2004-01-09 2005-07-21 Toray Ind Inc Rtm成形方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5590433A (en) * 1978-12-28 1980-07-09 Fujitsu Ltd Preparation of optical fiber
JPS5941519A (ja) * 1982-08-30 1984-03-07 Daito Juki Koji Kk 複数結合の反力増強アンカ−杭工法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5590433U (ja) * 1978-12-19 1980-06-23
JPS5941519U (ja) * 1982-09-07 1984-03-17 三菱電機株式会社 成形治具
JPH01110131A (ja) * 1987-10-23 1989-04-26 Topy Ind Ltd 繊維強化樹脂製品における穴部の加工方法
JPH05269868A (ja) * 1992-03-25 1993-10-19 Sumitomo Metal Ind Ltd 孔明き中空複合材料の製造方法
JPH07256769A (ja) * 1994-03-18 1995-10-09 Honda Motor Co Ltd 繊維強化樹脂部材
JP2003071942A (ja) * 2001-09-05 2003-03-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 高強度周辺部を有する複合材構造体の製造方法及び複合材構造体
JP2004338271A (ja) * 2003-05-16 2004-12-02 Mitsubishi Rayon Co Ltd 穿孔加工に好適な繊維強化樹脂複合材及び穿孔繊維強化樹脂複合材の製造方法
JP2005193587A (ja) * 2004-01-09 2005-07-21 Toray Ind Inc Rtm成形方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007268941A (ja) 2007-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2438866C2 (ru) Способ изготовления конструктивного компонента из армированного волокнами композиционного материала, предназначенного для авиакосмической отрасли, формовочный стержень для изготовления такого компонента и конструктивный компонент, полученный этим способом и/или посредством этого стержня
JP5474506B2 (ja) 炭素繊維強化プラスチック成形体及びその製造方法
WO2010150682A1 (ja) 補強部材及びその補強部材を用いた締結構造
JP4736906B2 (ja) 複合材成形体及びその製造方法
JP2013532596A (ja) 連続強化繊維層を備えた成形プラスチック多層構成部品およびその製造方法
CA2635363C (en) Method for producing structures from composite materials, including embedded precured tools
JP6229881B2 (ja) 繊維強化複合成形品の製造方法
JP4384221B2 (ja) 繊維強化樹脂中空部品の成形方法
JP6294298B2 (ja) プラスチック材料から車両構成要素/構造構成要素を製造するための方法
JP4429341B2 (ja) フランジ付き繊維強化樹脂中空部品
JP6455594B2 (ja) 複合部材
JP6721107B2 (ja) 複合材料部材、複合材料部材の製造方法及びその成形用型
JP5036381B2 (ja) 繊維強化複合材料
JP4838719B2 (ja) 繊維複合材料製部品の製造方法及びその製造方法のための中間生産物
CN108621531B (zh) 复合构造体的制造方法
WO2017026355A1 (ja) 防振部材及び防振部材の製造方法
JP5064981B2 (ja) 繊維強化複合材料
KR102349669B1 (ko) 섬유 강화 플라스틱의 성형방법
JP5958569B2 (ja) 繊維強化樹脂板材の製造方法
JP2010522652A (ja) 熱可塑性複合部品の成形による製造方法
KR20130105873A (ko) 성형형
JP6212764B1 (ja) 繊維強化樹脂製サンドイッチ構造体及び繊維強化樹脂製サンドイッチ構造体の製造方法
CN106573420B (zh) 复合纤维组成物及制造复合纤维组成物的方法
CN110116522B (zh) 包含主层和加强层的预浸渍部件
JP2015030286A (ja) 車両構造体およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080304

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100921

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110418

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4736906

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees