JP3632846B2 - ロボットハンド部材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業用ロボットに装着されるロボットハンドに関し、特に、ロボットハンド部材の精度及び剛性を向上させるロボットハンド部材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
部品又は製品の製造工程では、生産ラインの自動化に伴い、産業用ロボットに装着されたロボットハンドにより、ワークの搬送が行なわれている。そして、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、半導体ウェハ等の精密品の製造工程で使用される基板搬送用のロボットハンドは、LCD等の普及と共に大きくなるガラス基板に対応すべく、そのサイズが益々大きくなってきている。
【0003】
従来、ロボットハンドの素材としては、鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属が使われてきた。しかし、近年のロボットハンドの大型化に伴って軽量化が求められ、繊維強化複合材料(Fiber Reinforced Plastic:以下「FRP」という)が使われるようになってきた。特に、基板搬送用のロボットハンドは、搬送精度を高める必要があることから、曲げ剛性、耐熱性、振動減衰性の優れた素材が要求されるので、炭素繊維強化複合材料(Carbon Fiber Reinforced Plastic:以下「CFRP」という)の無垢材が使用されることが多かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、さらに大型化が進んでいる現状では、これまで使用されてきたCFRPの無垢材では、ロボットハンドそのものが重くなり、自重による撓みが大きくなってしまうおそれがある。また、ロボットハンドが重くなると、ロボット駆動系への負担も大きくなり、ロボットそのものの設計やコストにも影響を及ぼしてしまうこともある。
【0005】
このような状況において、ロボットハンド部材の厚みを薄くしたり、ワーク支持面の幅を狭くしたりして軽量化することで、自重撓みをある程度減少させることができる。しかし、この場合、ロボットハンドの曲げ剛性が低下するので、ワークを支持した際の撓み(荷重撓み)が大きくなってしまう。特に、長尺のロボットハンド部材を片持ちとした場合には、この問題が顕著に現れ、ワーク支持性能及び搬送性能に支障を来してしまうおそれがあった。
【0006】
また、ロボットハンドを軽量化するため、CFRPを素材とする中空矩形形状のロボットハンド部材を使用して、ロボットハンドを構成する技術も提案されている。ところで、精密品を搬送するロボットハンド部材には、ワークを傷付けないようにするため、十分な平面性が要求される。しかしながら、ロボットハンド部材を中空構造としただけでは、その中央部分に窪みが生じ易くなってしまうため、精密品搬送用のロボットハンドにはそのままでは適用できなかった。この問題を解決するには、ロボットハンド部材の肉厚を厚くする方法があるが、CFRPが高価であること、及び、重量増加に伴って自重撓みが大きくなること等を考えると、適切な解決方法ではない。
【0007】
そこで、本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、中空構造のロボットハンド部材の内部空間にリブを設けることで、精度及び剛性を向上させたロボットハンド部材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に係るロボットハンド部材は、炭素繊維を含むプリプレグシートを積層して矩形状断面とされたものを熱硬化させた繊維強化複合材料から成り、産業用ロボットのアーム部に取り付けられるロボットハンド部材であって、所定温度以下では加熱非変形性を有し且つ前記繊維強化複合材料より熱膨張率が大きい金属又は樹脂を用いて矩形状断面とされた芯材の外周面に、最内層にはPAN系炭素繊維をその配向方向が芯材の長手方向に対して90度に配向されたプリプレグシートを積層し、中間層には引張弾性率が上記PAN系炭素繊維よりも高いピッチ系炭素繊維をその配向方向が芯材の長手方向に対して0度に配向されたプリプレグシートを積層し、最外層には二方向の炭素繊維が90度で交わるように配向されたクロスプリプレグシートを巻き付けて被覆することによりプリプレグシートを複数層に巻き付け、この複数層に巻き付けられたプリプレグシートを熱硬化させて繊維強化複合材料とされた部材から前記芯材を抜き取って該部材の横断面を中空の矩形状に形成し、長手方向に延びる部材の内部空間に、前記横断面の相対する長辺間に亘って延び、かつ、前記内部空間の長手方向に延びるリブが少なくとも1つ形成されたものである。
【0009】
ここで、「繊維強化複合材料」とは、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、炭化珪素繊維等の強化繊維に熱硬化性樹脂を含侵させたプリプレグシートを所定形状に形成した後、所定温度に加熱して硬化させたものをいう。
かかる構成によれば、繊維強化複合材料からなり、横断面が中空矩形形状に形成され、長手方向に延びる構成部材の内部空間に、横断面の相対する長辺間に亘って延び、かつ、内部空間の長手方向に延びるリブが少なくとも1つ形成される。このため、横断面を構成する各長辺は、リブを介して相互に連結されることとなり、長辺の実質長さが短くなることで、その剛性が向上する。そして、横断面における長辺の剛性が向上することで、長辺の中央部における窪みが減少し、ロボットハンド部材の平面性が向上する。
【0010】
請求項2に係るロボットハンド部材の製造方法は、炭素繊維を含むプリプレグシートを積層して矩形状断面とされたものを熱硬化させた繊維強化複合材料から成り、産業用ロボットのアーム部に取り付けられるロボットハンド部材を製造する方法において、横断面が矩形状に形成され所定温度以下では加熱非変形性を有し且つ前記繊維強化複合材料より熱膨張率が大きい金属又は樹脂を用いて矩形状断面とされた芯材を、横断面が矩形状に形成され炭素繊維を含んで構成されるリブ構成部材の両側面に配置し、全体として矩形断面形状の複合構造体を形成する工程と、該複合構造体の外周面に、最内層にはPAN系炭素繊維をその配向方向が芯材の長手方向に対して90度に配向されたプリプレグシートを積層し、中間層には引張弾性率が前記PAN系炭素繊維よりも高いピッチ系炭素繊維をその配向方向が芯材の長手方向に対して0度に配向されたプリプレグシートを積層し、最外層には二方向の炭素繊維が90度で交わるように配向されたクロスプリプレグシートを巻き付けて被覆することによりプリプレグシートを所定厚さに積層する工程と、該プリプレグシートが積層された複合構造体を加熱し、前記リブ構成部材とプリプレグシートとが一体となった繊維強化複合材料を形成する工程と、該形成された繊維強化複合材料から前記芯材を抜き取る工程と、を行うものである。
【0011】
ここで、「強化繊維」とは、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、炭化珪素繊維等の繊維のことをいう。また、「炭素繊維を含むプリプレグシート」とは、炭素繊維に熱硬化性樹脂を含侵させた未硬化状態のシートのことをいう。一般的に、繊維強化複合材料は、このプリプレグシートを原料素材として、積層及び熱硬化させることで製造される。
【0012】
かかる構成によれば、ロボットハンド部材は、芯材をリブ構成部材の両側面に配置して矩形断面形状の複合構造体を形成し、その外周面にプリプレグシートを所定厚さに積層し、これを加熱してリブ構成部材とプリプレグシートとが一体となった繊維強化複合材料を形成した後、芯材を抜き取ることで製造される。このため、異なる寸法の芯材及びリブ構成部材を複数種用意しておけば、これらを任意に組み合わせることで、内部空間にリブを備えた所定寸法のロボットハンド部材が容易に製造される。そして、かかる製造方法により製造されたロボットハンド部材は、その内部空間にリブが備えられるため、請求項1に記載の発明と同様な作用が奏されることとなる(以下同様)。
【0013】
請求項3に係るロボットハンド部材の製造方法は、炭素繊維を含むプリプレグシートを積層して矩形状断面とされたものを熱硬化させた繊維強化複合材料から成り、産業用ロボットのアーム部に取り付けられるロボットハンド部材を製造する方法において、横断面が矩形状に形成され所定温度以下では加熱非変形性を有し且つ前記繊維強化複合材料より熱膨張率が大きい金属又は樹脂を用いて矩形状断面とされた芯材の外周面に、前記プリプレグシートの炭素繊維の配向方向が芯材の長手方向に対して少なくとも0度と90度に配向されたものを含み、最内層のプリプレグシートの炭素繊維の配向方向を90度としてプリプレグシートを所定厚さに積層する工程と、該プリプレグシートが積層された複数の芯材の一側面同士を当接させ、全体として矩形断面形状の複合構造体を形成する工程と、該複合構造体の外周面に、最内層にはPAN系炭素繊維をその配向方向が芯材の長手方向に対して90度に配向されたプリプレグシートを積層し、中間層には引張弾性率が前記PAN系炭素繊維よりも高いピッチ系炭素繊維をその配向方向が芯材の長手方向に対して0度に配向されたプリプレグシートを積層し、最外層には二方向の炭素繊維が90度で交わるように配向されたクロスプリプレグシートを巻き付けて被覆することによりプリプレグシートを所定厚さに積層する工程と、該プリプレグシートが積層された複合構造体を加熱し、前記芯材に積層されたプリプレグシートと前記複合構造体に積層されたプリプレグシートとが一体となった繊維強化複合材料を形成する工程と、該形成された繊維強化複合材料から前記芯材を抜き取る工程と、を行うものである。
【0014】
かかる構成によれば、ロボットハンド部材は、芯材の外周面にプリプレグシートを所定厚さに積層すると共に、その一面同士を当接させて矩形断面形状の複合構造体を形成し、その外周面にプリプレグシートを所定厚さに積層し、これを加熱して芯材に積層されたプリプレグシートと複合構造体に積層されたプリプレグシートとが一体となった繊維強化複合材料を形成した後、芯材を抜き取ることで製造される。このため、異なる寸法の芯材を複数種用意しておけば、その中から任意の芯材を選択すると共にその数を決定することで、内部空間にリブを備えた所定寸法のロボットハンド部材が容易に製造される。この場合、請求項2記載の発明に比べて、リブ構成部材が不要であるという利点がある。
【0015】
請求項4に係る発明では、前記プリプレグシートを所定厚さに積層する工程は、前記複合構造体又は芯材の各面それぞれに対して、該面形状に合わせて形成されたプリプレグシートを複数貼り合わせて積層するものである。
かかる構成によれば、複合構造体又は芯材の各面それぞれに対して面形状に合わせて形成されたプリプレグシートを複数貼り付けることで、プリプレグシートが所定厚さに積層される。
【0016】
請求項5に係る発明では、前記プリプレグシートを所定厚さに積層する工程は、前記複合構造体又は芯材の外周面に対してプリプレグシートを複数層巻き付けて積層するものである。
かかる構成によれば、複合構造体又は芯材の外周面に対してプリプレグシートを複数層巻き付けることで、プリプレグシートが所定厚さに積層される。
【0017】
請求項6に係るロボットハンド部材の製造方法は、炭素繊維を含むプリプレグシートを積層して矩形状断面とされたものを熱硬化させた繊維強化複合材料から成り、産業用ロボットのアーム部に取り付けられるロボットハンド部材を製造する方法において、横断面が中空の矩形状に形成され炭素繊維を含んで構成される複数の単位構成部材の一側面同士を当接させ、全体として矩形断面形状の複合構造体を形成する工程と、該複合構造体の前記当接面に対して交差する同一側の側面相互に亘り、最内層にはPAN系炭素繊維をその配向方向が単位構成部材の長手方向に対して90度に配向されたプリプレグシートを積層し、中間層には引張弾性率が前記PAN系炭素繊維よりも高いピッチ系炭素繊維をその配向方向が単位構成部材の長手方向に対して0度に配向されたプリプレグシートを積層し、最外層には二方向の炭素繊維が90度で交わるように配向されたクロスプリプレグシートを積層してプリプレグシートを貼り付ける工程と、該プリプレグシートが貼り付けられた複合構造体を加熱し、前記単位構成部材とプリプレグシートとが一体となった繊維強化複合材料を形成する工程と、を行うものである。
【0018】
かかる構成によれば、ロボットハンド部材は、複数の単位構成部材の一側面同士を当接させて矩形断面形状の複合構造体を形成し、その当接面に対して交差する同一側の側面相互に亘りプリプレグシートを貼り付けた後、これを加熱して単位構成部材とプリプレグシートとが一体となった繊維強化複合材料を形成することで製造される。このため、異なる寸法の単位構成部材を複数種用意しておけば、これらを任意に組み合わせることで、内部空間にリブを備えた所定寸法のロボットハンド部材が容易に製造される。
【0019】
請求項7に係るロボットハンド部材の製造方法は、炭素繊維を含むプリプレグシートを積層して矩形状断面とされたものを熱硬化させた繊維強化複合材料から成り、産業用ロボットのアーム部に取り付けられるロボットハンド部材を製造する方法において、横断面が中空の矩形状に形成され炭素繊維を含んで構成される複数の単位構成部材の一側面同士を当接させ、全体として矩形断面形状の複合構造体を形成する工程と、該複合構造体の外周面に、最内層にはPAN系炭素繊維をその配向方向が単位構成部材の長手方向に対して90度に配向されたプリプレグシートを積層し、中間層には引張弾性率が前記PAN系炭素繊維よりも高いピッチ系炭素繊維をその配向方向が単位構成部材の長手方向に対して0度に配向されたプリプレグシートを積層し、最外層には二方向の炭素繊維が90度で交わるように配向されたクロスプリプレグシートを巻き付けて被覆することによりプリプレグシートを貼り付ける工程と、該プリプレグシートが貼り付けられた複合構造体を加熱し、前記単位構成部材とプリプレグシートとが一体となった繊維強化複合材料を形成する工程と、を行うものである。
【0020】
請求項8に係る発明では、前記プリプレグシートが積層又は貼り付けられた複合構造体の外周面に、強化繊維を含んで構成されるクロスプリプレグシートを巻き付けて被覆する工程を更に行うものである。
ここで、「クロスプリプレグシート」とは、複数の方向に織り込んだ強化繊維に熱硬化性樹脂を含侵させた未硬化状態のシートのことをいう。
【0021】
かかる構成によれば、複合構造体の最外層は、クロスプリプレグシートにより被覆されるので、後加工として切削や研磨したときに毛羽立ちが少なくなり、ロボットハンド部材としての加工性が向上すると共に、製品の美観が良くなる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、添付された図面を参照して本発明を詳述する。
図1は、本発明に係るロボットハンド部材を使用したロボットハンドの全体構成を示す。
ロボットハンド10は、図1(A)に示すように、取付孔12Aを介して産業用ロボットへ取り付けられる取付部材12と、ワーク14の支持部材となる一対のロボットハンド部材16と、を含んで構成される。
【0023】
ロボットハンド部材16は、ワーク14として、LCD、PDP、半導体ウェハ等のガラス基板を支持搬送すべく、軽量性、平面性、曲げ剛性、耐熱性等に優れたFRPから製造される。ロボットハンド部材16は、図1(B)に示すように、横断面が中空矩形形状に形成され、長手方向に延びる構成部材16Aの内部空間に、横断面の相対する長辺間に亘って延び、かつ、内部空間の長手方向に延びるリブ16Bが少なくとも1つ形成された形状をなす。そして、ロボットハンド部材16は、取付部材12にネジ止等により2本平行に取り付けられる。
【0024】
ここで、「FRP」とは、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、炭化珪素繊維等の強化繊維に熱硬化性樹脂を含侵させたプリプレグシートを所定形状に形成した後、所定温度に加熱して硬化させたものをいう。
なお、取付部材12とロボットハンド部材16とは、一体的に形成されてもよい。また、リブ16Bにより区画されたロボットハンド部材16の内部空間は、ワーク14を支持搬送するための空気吹出又は空気吸引を行なうチューブなどの配置、ワーク14の存在又は保持を検出するセンサ用の電気配線などにも利用することができる。
【0025】
このようにすれば、ロボットハンド部材16の横断面を構成する各長辺は、リブ16Bを介して相互に連結されることとなり、長辺の実質長さが短くなることで、その剛性を向上することができる。そして、長辺の中央部における窪みが減少し、ロボットハンド部材16の平面性、即ち、精度を向上することができる。また、この場合、ロボットハンド部材16の肉厚を厚くしなくとも十分な強度が得られるので、重量増加による先端部の撓み増加も防止することができる。
【0026】
次に、ロボットハンド部材の製造方法について説明する。
ロボットハンド部材は、炭素繊維等の強化繊維を含むプリプレグシートを矩形状断面となるように所定形状に積層した後、これを所定温度(例えば、100〜190℃)に加熱して熱硬化させることで製造される。
「プリプレグシート」とは、強化繊維を一方向に配向させた一方向平織物、一方向不織シート等の一方向材や、強化繊維を二方向に配向させた平織物、綾織物、朱子織物等の二方向材や、強化繊維を三方向に配向させた三軸織物等の三方向材などをシート化したものに、予めマトリックス樹脂を含侵させ、少し粘着性を有した未硬化状態にしたものをいう。この場合、強化繊維には、剛性及び軽量性の観点から一般的には炭素繊維が使用される。しかし、炭素繊維以外にも、ガラス繊維、アラミド繊維、炭化珪素繊維等も使用され得る。即ち、積層される複数のプリプレグシートは、例えば、炭素繊維プリプレグシートを主体として使用し、ロボットハンド部材としての支持性能又は搬送性能を損なわない限りにおいて、ガラス繊維等又は他の繊維を含むプリプレグシートを一部に加えることも可能である。
【0027】
炭素繊維には、原料の違いによって、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維及びピッチ系炭素繊維がある。この場合、ピッチ系炭素繊維は、弾性が高いという特性を有する一方、PAN系炭素繊維は、引張強度が高いという特性を有する。
マトリックス樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂等の熱硬化性樹脂が使用される。この場合、ゴム加硫等のような高温高湿環境に耐え得るものが好ましい。また、耐衝撃性及び靭性を付与する目的で、熱硬化性樹脂にゴムや樹脂からなる微粒子を添付したものや、熱硬化性樹脂に熱可塑性樹脂を溶解させたものを使用してもよい。
【0028】
ここで、微粒子としてのゴムには、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−ニトリルゴム、アクリルゴム、ブチルゴム等がある。一方、微粒子としての樹脂には、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂がある。熱硬化性樹脂には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ボリエステル樹脂、アミノ樹脂、ウレタン樹脂等がある。熱可塑性樹脂には、ポリイミド樹脂、ボリアクリレート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ボリアミド樹脂、ボリアラミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等がある。さらに、熱硬化性樹脂に溶解させる熱可塑性樹脂には、ポリスルホン樹脂、ボリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ボリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等がある。
【0029】
図2は、ロボットハンド部材の製造方法の第1実施形態を示す。
第1工程(図2(A)参照)では、横断面が矩形形状に形成され所定温度以下では加熱非変形性を有する芯材20を、横断面が矩形形状に形成された強化繊維を含んで構成されるリブ構成部材22の両側面に配置し、全体として矩形断面形状の複合構造体Aを形成する。
【0030】
芯材20は、プリプレグシートを加熱して熱硬化させる所定温度よりやや高い温度以下では、加熱により殆ど変形しない性質を有し、かつ、加熱硬化後のFRPから容易に抜き取れる素材で形成されている。ここで、「加熱により殆ど変形しない」とは、加熱時に、芯材20が溶融したり、反り、曲がり、撓み、捩れ、皺、褶曲等の変形が生じないことをいう。芯材20の素材としては、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属や、MCナイロン樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂等がある。金属や樹脂等は、FRPより熱膨張率が大きいため、加熱後の冷却により収縮して、FRPからの抜き取りが容易になる。また、必要に応じて、芯材20の表面に離型材を施してもよい。離型材としては、スプレー等による薬剤(例えば、界面活性材)の塗布、又は、テフロンシート等の離型シートの使用などいずれでもよい。
【0031】
一方、リブ構成部材22は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、炭化珪素繊維等の強化繊維を含んで構成され、プリプレグシートの熱硬化時に、プリプレグシートと一体となる素材により形成される。リブ構成部材22は、強化繊維の配向方向を異ならせて積層したプリプレグシートを加熱硬化させて板状に形成したFRPを、所定寸法に切断することで形成されることが好ましい。なお、プリプレグシートの強化繊維の配向方向を異ならせて積層する理由等は後述する。
【0032】
第2工程(図2(B)参照)では、複合構造体Aの外周面に、強化繊維を含むプリプレグシート24を所定厚さ(例えば、1〜7mm程度)に積層する。この場合の積層厚さは、プリプレグシート24が加熱硬化されるときの体積減少分を見越して、ロボットハンド部材の要求肉厚よりも僅かに厚い程度が好ましい。ここで、プリプレグシート24を所定厚さに積層するには、図3(A)に示すように、複合構造体Aの各面(上下左右)に対して、各面の面形状に合わせて形成されたプリプレグシートを複数貼り合わせて積層すればよい。また、図3(B)に示すように、複合構造体Aの外周面に、プリプレグシート24を複数層巻き付けて積層してもよい。プリプレグシート24の貼り合わせ及び巻き付けは、気泡が入り込まないように、例えば、アイロンで熱を加えながらできるだけ密着させて行なうことが好ましい。
【0033】
このとき、図4に示すように、プリプレグシート24は、その強化繊維の配向方向を異ならせて積層されることが好ましい。即ち、或る層の強化繊維の配向方向を0度とし、他の層の強化繊維の配向方向を90度とし、更に、これらのプリプレグシートに加えて、二方向の強化繊維が配向角度90度又は±45度で交わったクロスプリプレグシートを積層してもよい。
【0034】
プリプレグシート24を積層するときには、複合構造体Aに接する最下層のプリプレグシートは、ロボットハンド部材の長手方向に対して、強化繊維が90度に配向されたもの(以下「90度配向シート」という。以下同様)とすることが、芯材20の抜き取り易さの観点から好ましい。なぜならば、強化繊維はマトリックス樹脂よりも熱収縮率が小さいので、強化繊維の配向方向への収縮率は、その配列方向への収縮率より小さくなるので、最下層に90度配向シートを使用することで、芯材20の外周を囲むように強化繊維が配向し、熱硬化後に、中空形状のロボットハンド部材がそれほど縮径しなくて済むからである。
【0035】
最下層の上の第2層目に積層されるプリプレグシートには、ロボットハンド部材の長手方向の撓み防止や、振動減衰特性を向上する目的から、0度配向シートが使用される。第3層目のプリプレグシートには、最下層及び第2層のプリプレグシートと合わせて、曲げ剛性や振動減衰特性を向上すると共に、反り及び撓みを防止する目的から、90度配向シートが使用される。即ち、上層に積層されるプリプレグシートほど、ロボットハンド部材の特性(曲げ剛性等)への寄与が高いので、0度配向シートを90度配向シートよりも上層に積層するのが、撓み防止の観点から好ましい。なお、これらのプリプレグシートに加えて、±45度配向シートの層を追加してもよい。この場合には、ロットハンド部材の捩り剛性及び捩り振動減衰特性を向上することができる。
【0036】
さらに、図3(C)及び(D)に示すように、プリプレグシート24が積層された複合構造体Aの外周面に、強化繊維を含んで構成されるクロスプリプレグシート26を巻き付けて被覆するようにしてもよい。クロスプリプレグシート26は、強化繊維の織物で構成されたプリプレグシートであって、強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維又は炭化珪素繊維等を使用することが好ましい。織り構造としては、平織り、綾織り、朱子織り、三軸織り等が適宜使用され得る。クロスプリプレグシート26で被覆することで、後加工として切削や研磨を行なったときに、毛羽立ちが少なくなり、ロボット部材としての加工性を向上できると共に、製品の美観を良くすることができる。また、クロスプリプレグシート26は、複合構造体Aに積層されたプリプレグシート24の接合強化にも寄与する。
【0037】
そして、以上のような点を考慮しつつ、使用すべきプリプレグシート24の組み合わせ及び積層順序を決定すればよい。
第3工程(図2(C)参照)では、プリプレグシート24が積層された複合構造体Aの外周面に、所定形状を有する外型28A,28Bを押し付け、その外面形状を所定寸法に成形する。外型28A,28Bとしては、プリプレグシート24の積層形態(図3参照)に応じて、内周面形状がコ字形に形成されたチャンネル状の2つの外型(図示のもの)、板状の4つの外型、などを使用すればよい。
【0038】
第4工程(図示せず)では、成形された複合構造体Aを所定温度に加熱し、リブ構成部材22とプリプレグシート24とが一体となったFRPを形成する。このとき、複合構造体全体Aを、例えば、真空バッグに入れて加熱する。加熱温度条件は、例えば、室温から2〜10℃/分の割合で加熱昇温させ、約100〜190℃で60分程度保持し、その後加熱を停止して、自然冷却により室温まで降温させる。これにより、リブ構成部材22とプリプレグシート24とが熱硬化されて、FRPが形成される。
【0039】
このとき、芯材20は、所定温度以下では加熱非変形性を有する素材からできているので、複合構造体Aを加熱するときに殆ど変形せず、その断面形状を正しく保つことができる。また、複合構造体Aを真空バッグに入れるのは、プリプレグシート24を積層するときにシート間に封入された気泡等を吸引するためと、プリプレグシート24が積層された複合構造体Aに対して外圧(大気圧)を略均等に作用させるためである。
【0040】
第5工程(図2(D)参照)では、FRPから芯材20を抜き取り、内部空間にリブを備えたロボットハンド部材Bが完成する。
かかる製造方法によれば、ロボットハンド部材Bは、芯材20をリブ構成部材22の両側面に配置して全体として矩形断面形状の複合構造体Aを形成し、その外周面にプリプレグシート24を所定厚さに積層してから外型28A,28Bで成形し、これを所定温度に加熱してリブ構成部材22とプリプレグシート24とが一体となったFRPを形成した後、芯材20を抜き取ることで製造される。このため、異なる寸法の芯材20及びリブ構成部材22を複数種用意しておけば、これらを任意に組み合わせることで、内部空間にリブを備えた所定寸法のロボットハンド部材Bを容易に製造することができる。
【0041】
このとき、ロボットハンド部材Bの内部空間にはリブが備えられるため、その横断面を構成する各長辺は、リブを介して相互に連結されることとなり、長辺の実質長さが短くなることで、その剛性を向上することができる。そして、長辺の中央部における窪みが減少し、ロボットハンド部材Bの平面性、即ち、精度を向上することができる。
【0042】
また、芯材20及びリブ構成部材22の数を変更することで、内部空間の室数(分割数)を変えることができる。この場合、リブ構成部材22により区画された内部空間は、ワークを支持搬送するための空気吹出又は空気吸引を行なうチューブなどの配置、ワークの存在又は保持を検出するセンサ用の電気配線などにも利用することができる。なお、従来技術における中実断面形状のロボットハンドでは、機械加工により空気吸引路等を形成しているので、この機械加工に要する費用も削減することができる。
【0043】
図5は、ロボットハンド部材の製造方法の第2実施形態を示す。
第1工程(図5(A)参照)では、横断面が矩形形状に形成され所定温度以下では加熱非変形性を有する芯材30の外周面に、強化繊維を含むプリプレグシート32を所定厚さに積層する。このとき、第1実施形態と同様に、芯材30の各面(上下左右)に対して各面の面形状に合わせて形成されたプリプレグシートを複数貼り合わせて積層するか、芯材30の外周面にプリプレグシートを複数巻き付けて積層すればよい(以下同様)。また、プリプレグシートの強化繊維の配向方向等は、第1実施形態と同様な技術的思想をもって決定すればよい(以下同様)。
【0044】
第2工程(図5(B)参照)では、プリプレグシート32が積層された複数(本実施形態では2つ)の芯材30の一側面同士を当接させ、全体として矩形断面形状の複合構造体Aを形成する。
第3工程(図5(C)参照)では、複合構造体Aの外周面に、強化繊維を含むプリプレグシート34を所定厚さに積層する。このとき、第1実施形態と同様に、プリプレグシート34が積層された複合構造体の外周面に、強化繊維を含んで構成されるクロスプリプレグシートを巻き付けて被覆するようにしてもよい。
【0045】
第4工程(図5(D)参照)では、プリプレグシート34が積層された複合構造体Aの外周面に、所定形状を有する外型36A,36Bを押し付け、その外面形状を所定寸法に成形する。外型36A,36Bとしては、第1実施形態と同様に、プリプレグシート34の積層形態に応じたものを使用すればよい。
第5工程(図示せず)では、成形された複合構造体Aを所定温度に加熱し、芯材30に積層されたプリプレグシート32と複合構造体Aに積層されたプリプレグシート34とが一体となったFRPを形成する。なお、加熱温度条件等は、第1実施形態と同様である(以下同様)。
【0046】
第6工程(図5(E)参照)では、FRPから芯材30を抜き取り、内部空間にリブを備えたロボットハンド部材Bが完成する。
かかる製造方法によれば、ロボットハンド部材Bは、芯材30の外周面にプリプレグシート32を所定厚さに積層すると共に、その一側面同士を当接させて全体として矩形断面形状の複合構造体Aを形成し、その外周面にプリプレグシート34を所定厚さに積層してから外型36A,36Bで成形し、これを所定温度に加熱して芯材30に積層されたプリプレグシート32と複合構造体Aに積層されたプリプレグシート34とが一体となったFRPを形成した後、芯材30を抜き取ることで製造される。このため、異なる寸法の芯材30を複数種用意しておけば、その中から任意の芯材30を選択すると共にその数を決定することで、内部空間にリブを備えた所定寸法のロボットハンド部材Bを容易に製造することができる。この場合、先の第1実施形態におけるリブ構成部材22が不要となる、という利点がある。
【0047】
図6は、ロボットハンド部材の製造方法の第3実施形態を示す。
第1工程(図6(A)参照)では、横断面が中空矩形形状に形成された強化繊維を含んで構成される複数の単位構成部材40の一側面同士を当接させ、全体として矩形断面形状の複合構造体Aを形成する。単位構成部材40は、例えば、板形状のFRPを所定寸法の矩形形状に切断し、その両端面同士を接着剤で連結することで形成する。また、単位構成部材40は、先の実施形態で使用された技術を用い、横断面が矩形形状に形成され所定温度以下では加熱非変形性を有する芯材の外周面に、プリプレグシートを積層した後、これを所定温度に加熱してプリプレグシートを熱硬化させることで形成してもよい。要するに、何らかの製造方法を用いて、横断面が中空矩形形状の単位構成部材40を形成すればよい。
【0048】
第2工程(図6(B)参照)では、複合構造体Aの当接面に対して交差する同一側の側面相互(図示の例では、上・下面)に亘り、強化繊維を含むプリプレグシート42を貼り付ける。なお、プリプレグシート42に代えて、クロスプリプレグシートを貼り付けるようにしてもよい。
第3工程(図示せず)では、プリプレグシート42が貼り付けられた複合構造体Aを所定温度に加熱し、単位構成部材40とプリプレグシート42とが一体となったFRPを形成する。これにより、内部空間にリブを備えたロボットハンド部材Bが完成する。
【0049】
かかる製造方法によれば、ロボットハンド部材Bは、横断面が中空矩形形状に形成された複数の単位構成部材40の一側面同士を当接させて全体として矩形断面形状の複合構造体Aを形成し、その当接面に対して交差する同一側の側面相互に亘りプリプレグシート42を貼り付けた後、これを加熱して単位構成部材40とプリプレグシート42とが一体となったFRPを形成することで製造される。このため、異なる寸法を有する単位構成部材40を複数種用意しておけば、これらを任意に組み合わせることで、内部空間にリブを備えた所定寸法のロボットハンド部材Bを容易に製造することができる。この場合、単位構成部材40の当接面により、リブが構成される。
【0050】
ここで、複合構造体Aにプリプレグシート42を貼り付ける第2工程では、図6(C)に示すように、複合構造体Aの外周面にプリプレグシート42を巻き付けて貼り付けるようにしてもよい。この場合、複数の単位構成部材40からなる複合構造体Aの外面全周に亘ってプリプレグシート42が貼り付けられるため、当接部における段差が目立たなくなり、ロボットハンド部材Bの見栄えがよくなり、その商品価値を高めることができる。また、プリプレグシート42が貼り付けられた複合構造体Aの外周面に、クロスプリプレグシートを巻き付けてこれを被覆するようにしてもよい。
【0051】
ロボットハンド部材Bが長尺である場合には、図7に示すように、その先端部における荷重撓みを抑制すべく、大きな曲げモーメントが作用する基端部を多層にて構成してもよい。この場合、単位構成部材40を多層に当接させて複合構造体Aを形成した後、その外周面全体にプリプレグシート42を積層して、これを加熱硬化させればよい。なお、かかる技術は、先の第2実施形態にも適用可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係るロボットハンド部材によれば、芯材が、所定温度以下では加熱非変形性を有し且つ繊維強化複合材料より熱膨張率が大きい金属又は樹脂を用いて矩形状断面とされ、該芯材の外周面に、最内層にはPAN系炭素繊維をその配向方向が芯材の長手方向に対して90度に配向されたプリプレグシートを積層し、中間層には引張弾性率が上記PAN系炭素繊維よりも高いピッチ系炭素繊維をその配向方向が芯材の長手方向に対して0度に配向されたプリプレグシートを積層し、最外層には二方向の炭素繊維が90度で交わるように配向されたクロスプリプレグシートを巻き付けて被覆することによりプリプレグシートを複数層に巻き付け、この複数層に巻き付けられたプリプレグシートを熱硬化させて繊維強化複合材料とされた部材から前記芯材を抜き取って該部材の横断面を中空の矩形状に形成した部材の内部空間に、前記横断面の相対する長辺間に亘って延び、かつ、前記内部空間の長手方向に延びるリブを少なくとも1つ形成したことにより、横断面を構成する各長辺はリブを介して相互に連結されることとなり、長辺の実質長さが短くなることで、その剛性を向上することができる。
この場合、前記芯材は、所定温度以下では加熱非変形性を有し且つ繊維強化複合材料より熱膨張率が大きい金属又は樹脂を用いて矩形状断面とされているので、加熱硬化後には収縮して繊維強化複合材料から容易に抜き取ることができる。また、前記芯材の外周面に複数層に巻き付けられる最内層のプリプレグシートは、PAN系炭素繊維の配向方向が該芯材の長手方向に対して90度とされているので、加熱硬化した際に繊維強化複合材料があまり縮径せず、芯材の抜き取りが容易である。さらに、中間層のプリプレグシートは、引張弾性率が上記PAN系炭素繊維よりも高いピッチ系炭素繊維をその配向方向が芯材の長手方向に対して0度とされているので、熱硬化により繊維強化複合材料とされた部材の長手方向の撓み防止や、振動減衰特性を向上することができる。さらにまた、最外層のプリプレグシートは、二方向の炭素繊維が90度で交わるように配向されたクロスプリプレグシートとされているので、ロボットハンド部材の後加工として切削や研磨加工をしたときに毛羽立ちが少なく部材としての加工性を向上し、製品としての美観を向上することができる。また、前記長手方向に延びる部材の内部空間に少なくとも1つのリブが形成されているので、前記横断面における長辺の剛性が向上して長辺の中央部における窪みが減少し、ロボットハンド部材の平面性、即ち、精度を向上することができる。
【0053】
請求項2に係るロボットハンド部材の製造方法によれば、横断面が矩形状に形成され所定温度以下では加熱非変形性を有し且つ繊維強化複合材料より熱膨張率が大きい金属又は樹脂を用いて矩形状断面とされた芯材を、横断面が矩形状に形成され炭素繊維を含んで構成されるリブ構成部材の両側面に配置し、全体として矩形断面形状の複合構造体を形成し、この複合構造体の外周面に、最内層にはPAN系炭素繊維をその配向方向が芯材の長手方向に対して90度に配向されたプリプレグシートを積層し、中間層には引張弾性率が前記PAN系炭素繊維よりも高いピッチ系炭素繊維をその配向方向が芯材の長手方向に対して0度に配向されたプリプレグシートを積層し、最外層には二方向の炭素繊維が90度で交わるように配向されたクロスプリプレグシートを巻き付けて被覆することによりプリプレグシートを所定厚さに積層し、このプリプレグシートが積層された複合構造体を加熱し、前記リブ構成部材とプリプレグシートとが一体となった繊維強化複合材料を形成し、この繊維強化複合材料から前記芯材を抜き取ってロボットハンド部材を製造することができる。
この場合、前記芯材は、所定温度以下では加熱非変形性を有し且つ繊維強化複合材料より熱膨張率が大きい金属又は樹脂を用いて矩形状断面とされているので、加熱硬化後には収縮して繊維強化複合材料から容易に抜き取ることができる。また、前記複合構造体の外周面に所定厚さに積層される最内層のプリプレグシートは、PAN系炭素繊維の配向方向が芯材の長手方向に対して90度とされているので、加熱硬化した際に繊維強化複合材料があまり縮径せず、芯材の抜き取りが容易である。したがって、中空構造のロボットハンド部材を容易に製造することができる。さらに、中間層のプリプレグシートは、引張弾性率が上記PAN系炭素繊維よりも高いピッチ系炭素繊維をその配向方向が芯材の長手方向に対して0度とされているので、熱硬化により繊維強化複合材料とされた部材の長手方向の撓み防止や、振動減衰特性を向上することができる。さらにまた、最外層のプリプレグシートは、二方向の炭素繊維が90度で交わるように配向されたクロスプリプレグシートとされているので、ロボットハンド部材の後加工として切削や研磨加工をしたときに毛羽立ちが少なく部材としての加工性を向上し、製品としての美観を向上することができる。これらのことから、熱硬化により繊維強化複合材料とされた部材の長手方向の撓み防止や、振動減衰特性を向上すると共に、全体部材の曲げ剛性を向上することができる。したがって、ロボットハンド部材の寸法精度を向上することができる。そして、異なる寸法の芯材及びリブ構成部材を複数種用意しておけば、これらを任意に組み合わせることで、内部空間にリブを備えた所定寸法のロボットハンド部材を容易に製造することができる。
請求項3に係るロボットハンド部材の製造方法によれば、横断面が矩形状に形成され所定温度以下では加熱非変形性を有し且つ繊維強化複合材料より熱膨張率が大きい金属又は樹脂を用いて矩形状断面とされた芯材の外周面に、プリプレグシートの炭素繊維の配向方向が芯材の長手方向に対して少なくとも0度と90度に配向されたものを含み、最内層のプリプレグシートの炭素繊維の配向方向を90度としてプリプレグシートを所定厚さに積層し、このプリプレグシートが積層された複数の芯材の一側面同士を当接させ、全体として矩形断面形状の複合構造体を形成し、この複合構造体の外周面に、最内層にはPAN系炭素繊維をその配向方向が芯材の長手方向に対して90度に配向されたプリプレグシートを積層し、中間層には引張弾性率が前記PAN系炭素繊維よりも高いピッチ系炭素繊維をその配向方向が芯材の長手方向に対して0度に配向されたプリプレグシートを積層し、最外層には二方向の炭素繊維が90度で交わるように配向されたクロスプリプレグシートを巻き付けて被覆することによりプリプレグシートを所定厚さに積層し、このプリプレグシートが積層された複合構造体を加熱し、前記芯材に積層されたプリプレグシートと前記複合構造体に積層されたプリプレグシートとが一体となった繊維強化複合材料を形成し、この繊維強化複合材料から前記芯材を抜き取ってロボットハンド部材を製造することができる。
この場合、前記芯材は、所定温度以下では加熱非変形性を有し且つ繊維強化複合材料より熱膨張率が大きい金属又は樹脂を用いて矩形状断面とされているので、加熱硬化後には収縮して繊維強化複合材料から容易に抜き取ることができる。また、前記複合構造体の外周面に所定厚さに積層される最内層のプリプレグシートは、PAN系炭素繊維の配向方向が芯材の長手方向に対して90度とされているので、加熱硬化した際に繊維強化複合材料があまり縮径せず、芯材の抜き取りが容易である。したがって、中空構造のロボットハンド部材を容易に製造することができる。さらに、中間層のプリプレグシートは、引張弾性率が上記PAN系炭素繊維よりも高いピッチ系炭素繊維をその配向方向が芯材の長手方向に対して0度とされているので、熱硬化により繊維強化複合材料とされた部材の長手方向の撓み防止や、振動減衰特性を向上することができる。さらにまた、最外層のプリプレグシートは、二方向の炭素繊維が90度で交わるように配向されたクロスプリプレグシートとされているので、ロボットハンド部材の後加工として切削や研磨加工をしたときに毛羽立ちが少なく部材としての加工性を向上し、製品としての美観を向上することができる。これらのことから、熱硬化により繊維強化複合材料とされた部材の長手方向の撓み防止や、振動減衰特性を向上すると共に、全体部材の曲げ剛性を向上することができる。したがって、ロボットハンド部材の寸法精度を向上することができる。そして、異なる寸法の芯材を複数種用意しておけば、その中から任意の芯材を選択すると共にその数を決定することで、内部空間にリブを備えた所定寸法のロボットハンド部材を容易に製造することができる。
【0054】
請求項4に係る発明によれば、複合構造体又は芯材の各面それぞれに対してそれらの面形状に合わせて形成されたプリプレグシートを複数貼り合わせて積層することで、プリプレグシートを所定厚さに積層することができる。
請求項5に係る発明によれば、複合構造体又は芯材の外周面に対してプリプレグシートを複数層巻き付けて積層することで、プリプレグシートを所定厚さに積層することができる。
【0055】
請求項6に係るロボットハンド部材の製造方法によれば、横断面が中空の矩形状に形成され炭素繊維を含んで構成される複数の単位構成部材の一側面同士を当接させ、全体として矩形断面形状の複合構造体を形成し、この複合構造体の前記当接面に対して交差する同一側の側面相互に亘り、最内層にはPAN系炭素繊維をその配向方向が単位構成部材の長手方向に対して90度に配向されたプリプレグシートを積層し、中間層には引張弾性率が前記PAN系炭素繊維よりも高いピッチ系炭素繊維をその配向方向が単位構成部材の長手方向に対して0度に配向されたプリプレグシートを積層し、最外層には二方向の炭素繊維が90度で交わるように配向されたクロスプリプレグシートを積層してプリプレグシートを貼り付け、このプリプレグシートが貼り付けられた複合構造体を加熱し、前記単位構成部材とプリプレグシートとが一体となった繊維強化複合材料を形成して、ロボットハンド部材を製造することができる。
この場合、前記複合構造体の当接面に対して交差する同一側の側面相互に亘り積層される最内層のプリプレグシートは、PAN系炭素繊維の配向方向が単位構成部材の長手方向に対して90度とされており、さらに、中間層のプリプレグシートは、引張弾性率が上記PAN系炭素繊維よりも高いピッチ系炭素繊維の配向方向が芯材の長手方向に対して0度とされているので、熱硬化により繊維強化複合材料とされた部材の長手方向の撓み防止や、振動減衰特性を向上することができる。さらにまた、最外層のプリプレグシートは、二方向の炭素繊維が90度で交わるように配向されたクロスプリプレグシートとされているので、ロボットハンド部材の後加工として切削や研磨加工をしたときに毛羽立ちが少なく部材としての加工性を向上し、製品としての美観を向上することができる。そして、異なる寸法の単位構成部材を複数種用意しておけば、これらを任意に組み合わせることで、内部空間にリブを備えた所定寸法のロボットハンド部材を容易に製造することができる。
請求項7に係るロボットハンド部材の製造方法によれば、横断面が中空の矩形状に形成され炭素繊維を含んで構成される複数の単位構成部材の一側面同士を当接させ、全体として矩形断面形状の複合構造体を形成し、この複合構造体の外周面に、最内層にはPAN系炭素繊維をその配向方向が単位構成部材の長手方向に対して90度に配向されたプリプレグシートを積層し、中間層には引張弾性率が前記PAN系炭素繊維よりも高いピッチ系炭素繊維をその配向方向が単位構成部材の長手方向に対して0度に配向されたプリプレグシートを積層し、最外層には二方向の炭素繊維が90度で交わるように配向されたクロスプリプレグシートを巻き付けて被覆することによりプリプレグシートを貼り付け、このプリプレグシートが貼り付けられた複合構造体を加熱し、前記単位構成部材とプリプレグシートとが一体となった繊維強化複合材料を形成して、ロボットハンド部材を製造することができる。
この場合、前記複合構造体の外周面に積層される最内層のプリプレグシートは、PAN系炭素繊維の配向方向が単位構成部材の長手方向に対して90度とされており、さらに、中間層のプリプレグシートは、引張弾性率が上記PAN系炭素繊維よりも高いピッチ系炭素繊維の配向方向が芯材の長手方向に対して0度とされているので、熱硬化により繊維強化複合材料とされた部材の長手方向の撓み防止や、振動減衰特性を向上することができる。さらにまた、最外層のプリプレグシートは、二方向の炭素繊維が90度で交わるように配向されたクロスプリプレグシートとされているので、ロボットハンド部材の後加工として切削や研磨加工をしたときに毛羽立ちが少なく部材としての加工性を向上し、製品としての美観を向上することができる。そして、異なる寸法の単位構成部材を複数種用意しておけば、これらを任意に組み合わせることで、内部空間にリブを備えた所定寸法のロボットハンド部材を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロボットハンド部材を使用したロボットハンドを示し、(A)はロボットハンドの全体構成図、(B)は(A)におけるA−A断面図
【図2】ロボットハンド部材の製造方法の第1実施形態を示し、(A)は第1工程の説明図、(B)は第2工程の説明図、(C)は第3工程の説明図、(D)は第5工程の説明図
【図3】プリプレグシートの積層形態を示し、(A)は複合構造体の各面に所定形状のシートを貼り付ける場合の説明図、(B)は複合構造体の外周面にシートを巻き付ける場合の説明図、(C)及び(D)はクロスプリプレグシートにより複合構造体を被覆した場合の説明図
【図4】プリプレグシートの強化繊維の配向方向の説明図
【図5】ロボットハンド部材の製造方法の第2実施形態を示し、(A)は第1工程の説明図、(B)は第2工程の説明図、(C)は第3工程の説明図、(D)は第4工程の説明図、(E)は第6工程の説明図
【図6】ロボットハンド部材の製造方法の第3実施形態を示し、(A)は第1工程の説明図、(B)は第2工程の説明図、(C)は第2工程の変形例の説明図
【図7】ロボットハンド部材が長い場合に対応する方法を示し、(A)はロボットハンド部材の側面図、(B)は(A)におけるA−A断面図、(C)は(A)におけるB−B断面図、(D)は(A)におけるC−C断面図
【符号の説明】
10 ロボットハンド
16 ロボットハンド部材
16A 構成部材
16B リブ
20 芯材
22 リブ構成部材
24 プリプレグシート
26 クロスプリプレグシート
30 芯材
32 プリプレグシート
34 プリプレグシート
40 単位構成部材
42 プリプレグシート
A 複合構造体
B ロボットハンド部材
Claims (7)
- 炭素繊維を含むプリプレグシートを積層して矩形状断面とされたものを熱硬化させた繊維強化複合材料から成り、産業用ロボットのアーム部に取り付けられるロボットハンド部材であって、
所定温度以下では加熱非変形性を有し且つ前記繊維強化複合材料より熱膨張率が大きい金属又は樹脂を用いて矩形状断面とされた芯材の外周面に、最内層にはPAN系炭素繊維をその配向方向が芯材の長手方向に対して90度に配向されたプリプレグシートを積層し、中間層には引張弾性率が上記PAN系炭素繊維よりも高いピッチ系炭素繊維をその配向方向が芯材の長手方向に対して0度に配向されたプリプレグシートを積層し、最外層には二方向の炭素繊維が90度で交わるように配向されたクロスプリプレグシートを巻き付けて被覆することによりプリプレグシートを複数層に巻き付け、
この複数層に巻き付けられたプリプレグシートを熱硬化させて繊維強化複合材料とされた部材から前記芯材を抜き取って該部材の横断面を中空の矩形状に形成し、長手方向に延びる部材の内部空間に、前記横断面の相対する長辺間に亘って延び、かつ、前記内部空間の長手方向に延びるリブが少なくとも1つ形成されたことを特徴とするロボットハンド部材。 - 炭素繊維を含むプリプレグシートを積層して矩形状断面とされたものを熱硬化させた繊維強化複合材料から成り、産業用ロボットのアーム部に取り付けられるロボットハンド部材を製造する方法において、
横断面が矩形状に形成され所定温度以下では加熱非変形性を有し且つ前記繊維強化複合材料より熱膨張率が大きい金属又は樹脂を用いて矩形状断面とされた芯材を、横断面が矩形状に形成され炭素繊維を含んで構成されるリブ構成部材の両側面に配置し、全体として矩形断面形状の複合構造体を形成する工程と、
該複合構造体の外周面に、最内層にはPAN系炭素繊維をその配向方向が芯材の長手方向に対して90度に配向されたプリプレグシートを積層し、中間層には引張弾性率が前記PAN系炭素繊維よりも高いピッチ系炭素繊維をその配向方向が芯材の長手方向に対して0度に配向されたプリプレグシートを積層し、最外層には二方向の炭素繊維が90度で交わるように配向されたクロスプリプレグシートを巻き付けて被覆することによりプリプレグシートを所定厚さに積層する工程と、
該プリプレグシートが積層された複合構造体を加熱し、前記リブ構成部材とプリプレグシートとが一体となった繊維強化複合材料を形成する工程と、
該形成された繊維強化複合材料から前記芯材を抜き取る工程と、
を行うことを特徴とするロボットハンド部材の製造方法。 - 炭素繊維を含むプリプレグシートを積層して矩形状断面とされたものを熱硬化させた繊維強化複合材料から成り、産業用ロボットのアーム部に取り付けられるロボットハンド部材を製造する方法において、
横断面が矩形状に形成され所定温度以下では加熱非変形性を有し且つ前記繊維強化複合材料より熱膨張率が大きい金属又は樹脂を用いて矩形状断面とされた芯材の外周面に、前記プリプレグシートの炭素繊維の配向方向が芯材の長手方向に対して少なくとも0度と90度に配向されたものを含み、最内層のプリプレグシートの炭素繊維の配向方向を90度としてプリプレグシートを所定厚さに積層する工程と、
該プリプレグシートが積層された複数の芯材の一側面同士を当接させ、全体として矩形断面形状の複合構造体を形成する工程と、
該複合構造体の外周面に、最内層にはPAN系炭素繊維をその配向方向が芯材の長手方向に対して90度に配向されたプリプレグシートを積層し、中間層には引張弾性率が前記PAN系炭素繊維よりも高いピッチ系炭素繊維をその配向方向が芯材の長手方向に対して0度に配向されたプリプレグシートを積層し、最外層には二方向の炭素繊維が90度で交 わるように配向されたクロスプリプレグシートを巻き付けて被覆することによりプリプレグシートを所定厚さに積層する工程と、
該プリプレグシートが積層された複合構造体を加熱し、前記芯材に積層されたプリプレグシートと前記複合構造体に積層されたプリプレグシートとが一体となった繊維強化複合材料を形成する工程と、
該形成された繊維強化複合材料から前記芯材を抜き取る工程と、
を行うことを特徴とするロボットハンド部材の製造方法。 - 前記プリプレグシートを所定厚さに積層する工程は、前記複合構造体又は芯材の各面それぞれに対して、該面形状に合わせて形成されたプリプレグシートを複数貼り合わせて積層することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のロボットハンド部材の製造方法。
- 前記プリプレグシートを所定厚さに積層する工程は、前記複合構造体又は芯材の外周面に対してプリプレグシートを複数層巻き付けて積層することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のロボットハンド部材の製造方法。
- 炭素繊維を含むプリプレグシートを積層して矩形状断面とされたものを熱硬化させた繊維強化複合材料から成り、産業用ロボットのアーム部に取り付けられるロボットハンド部材を製造する方法において、
横断面が中空の矩形状に形成され炭素繊維を含んで構成される複数の単位構成部材の一側面同士を当接させ、全体として矩形断面形状の複合構造体を形成する工程と、
該複合構造体の前記当接面に対して交差する同一側の側面相互に亘り、最内層にはPAN系炭素繊維をその配向方向が単位構成部材の長手方向に対して90度に配向されたプリプレグシートを積層し、中間層には引張弾性率が前記PAN系炭素繊維よりも高いピッチ系炭素繊維をその配向方向が単位構成部材の長手方向に対して0度に配向されたプリプレグシートを積層し、最外層には二方向の炭素繊維が90度で交わるように配向されたクロスプリプレグシートを積層してプリプレグシートを貼り付ける工程と、
該プリプレグシートが貼り付けられた複合構造体を加熱し、前記単位構成部材とプリプレグシートとが一体となった繊維強化複合材料を形成する工程と、
を行うことを特徴とするロボットハンド部材の製造方法。 - 炭素繊維を含むプリプレグシートを積層して矩形状断面とされたものを熱硬化させた繊維強化複合材料から成り、産業用ロボットのアーム部に取り付けられるロボットハンド部材を製造する方法において、
横断面が中空の矩形状に形成され炭素繊維を含んで構成される複数の単位構成部材の一側面同士を当接させ、全体として矩形断面形状の複合構造体を形成する工程と、
該複合構造体の外周面に、最内層にはPAN系炭素繊維をその配向方向が単位構成部材の長手方向に対して90度に配向されたプリプレグシートを積層し、中間層には引張弾性率が前記PAN系炭素繊維よりも高いピッチ系炭素繊維をその配向方向が単位構成部材の長手方向に対して0度に配向されたプリプレグシートを積層し、最外層には二方向の炭素繊維が90度で交わるように配向されたクロスプリプレグシートを巻き付けて被覆することによりプリプレグシートを貼り付ける工程と、
該プリプレグシートが貼り付けられた複合構造体を加熱し、前記単位構成部材とプリプレグシートとが一体となった繊維強化複合材料を形成する工程と、
を行うことを特徴とするロボットハンド部材の製造方法。
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