JP2014210872A - ポリカーボネート系樹脂組成物及び成形体 - Google Patents
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Abstract
Description
このPC−PDMS共重合体に各種添加剤を配合し、高度な機能を付与するに際して、白濁現象が生じ、PC−PDMS共重合体の有する優れた透明性や耐候性を損なうという問題が生じる問題点があった。
なお、ビスフェノールAをモノマ成分としたホモポリカーボネート樹脂を光学式ディスク基板として用いる際に、ポリカーボネート樹脂中に残留するナトリウム量を1ppm以下とすることにより、ビットエラー率の低い光学式情報記録媒体を得ることができることが、特許文献1及び特許文献2で知られている。しかしながら、PC−PDMS共重合体に各種の添加剤を添加した際の、樹脂組成物中に残留するナトリウムの影響については、知られていなかった。
本発明者は、鋭意、検討の結果、各種添加剤中のナトリウム含有量が多い場合、PC−PDMS共重合体に白濁現象が生じていることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[12]に関する。
R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。nは、平均繰り返し数である。〕
[2]前記(B)成分の配合量が、ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して、0.01〜5質量部である、上記[1]に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
[3]前記(B)成分が、ナトリウムを含む、上記[1]又は[2]に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
[4]成形機のシリンダー温度を280℃、金型温度を80℃、及び成形サイクルを30秒で成形して厚みが2mmの平板試験片を作製して、この平板試験片を用いて測定したCIE1976(L*,a*,b*)色空間におけるL*値が50以上である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
[5]前記(B)成分が、紫外線吸収剤である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
[6]前記紫外線吸収剤が、下記一般式(1)で表わされる化合物であって、かつ、ナトリウム含有量が40ppm以下である、上記[5]に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
[7]前記紫外線吸収剤が、p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)である、上記[5]又は[6]に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
[8]前記紫外線吸収剤の配合量が、ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して、0.05〜0.5質量部である、上記[5]〜[7]のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
[9]前記紫外線吸収剤の配合量が、ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して、0.2〜3質量部である、上記[5]〜[7]のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
[10]上記[1]〜[9]のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂組成物を成形してなる、成形体。
[11]上記[8]に記載のポリカーボネート系樹脂組成物を射出成形してなる、射出成形体。
[12]上記[9]に記載のポリカーボネート系樹脂組成物を押出成形してなる、シート状成形体。
以下、本発明のポリカーボネート系樹脂組成物が含有する成分について詳細に説明する。なお、本明細書において、好ましいとされている規定は任意に採用することができ、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましいと言える。
<PC−POS共重合体(A−1)>
(A)成分のポリカーボネート系樹脂は、主鎖が一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される繰り返し単位(但し、n=10〜500)を含み、一般式(II)で表される繰り返し単位の含有量が1.0〜10.0質量%であるPC−POS共重合体(A−1)10〜100質量%、及び(A−1)以外のポリカーボネート(A−2)0〜90質量%からなる。以下、PC−POS共重合体(A−1)について説明する。
R1及びR2がそれぞれ独立して示すアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基(「各種」とは、直鎖状及びあらゆる分岐鎖状のものを含むことを示し、以下、同様である。)、各種ペンチル基、各種ヘキシル基が挙げられる。R1及びR2がそれぞれ独立して示すアルコキシ基としては、アルキル基部位が前記アルキル基である場合が挙げられる。
R1及びR2としては、いずれも、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基である。
Xが表すアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられ、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましい。Xが表すアルキリデン基としては、エチリデン基、イソプロピリデン基等が挙げられる。Xが表すシクロアルキレン基としては、シクロペンタンジイル基やシクロヘキサンジイル基、シクロオクタンジイル基等が挙げられ、炭素数5〜10のシクロアルキレン基が好ましい。Xが表すシクロアルキリデン基としては、例えば、シクロヘキシリデン基、3,5,5−トリメチルシクロヘキシリデン基、2−アダマンチリデン基等が挙げられ、炭素数5〜10のシクロアルキリデン基が好ましく、炭素数5〜8のシクロアルキリデン基がより好ましい。Xが表すアリールアルキル基とは、アリール部位とアルキル部位が結合した二価の連結基のことであり、アリール部位としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基などの環形成炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。Xが表すアリールアルキリデン基のアリール部位としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基などの環形成炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。
a及びbは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
なお、R3及びR4としては、いずれも、好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基であり、いずれもメチル基であることがより好ましい。
R3〜R6としては、いずれも、好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基である。Yとしては、好ましくはアルキル基を有するフェノール系化合物の残基であり、アリルフェノール由来の有機残基やオイゲノール由来の有機残基がより好ましい。
また、一般式(II)で表される繰返し単位を含む構造としては、下記式(II'')であることも好ましい。
mは、0又は1を示す。
Zは、後出する一般式(2)中のZと同じく、ハロゲン、−R7OH、−R7COOH、−R7NH2、−COOH又は−SHを示し、該R7は直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキレン基、アリール置換アルキレン基、環上にアルコキシ基を有してもよいアリール置換アルキレン基、アリーレン基を示す。
また、βは、ジイソシアネート化合物由来の2価の基を示す。該ジイソシアネート化合物由来の2価の基の具体例については後述する。
なお、粘度平均分子量(Mv)は、20℃における塩化メチレン溶液の極限粘度〔η〕を測定し、Schnellの式(〔η〕=1.23×10-5×Mv0.83)より算出した値である。
具体的には、予め製造された芳香族ポリカーボネートオリゴマーと、末端に反応性基を有するポリオルガノシロキサンとを、非水溶性有機溶媒(塩化メチレン等)に溶解させ、二価フェノール系化合物(ビスフェノールA等)のアルカリ性化合物水溶液(水酸化ナトリウム水溶液等)を加え、重合触媒として第三級アミン(トリエチルアミン等)や第四級アンモニウム塩(トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等)を用い、末端停止剤(p−t−ブチルフェノール等の1価フェノール)の存在下、界面重縮合反応させることにより製造できる。なお、前記ポリオルガノシロキサンの使用量を調整することなどにより、一般式(II)で表される構造を含む繰り返し単位の含有量を前記範囲内に調整することができる。
上記界面重縮合反応後、適宜静置して水相と非水溶性有機溶媒相とに分離し[分離工程]、非水溶性有機溶媒相を洗浄(好ましくは塩基性水溶液、酸性水溶液、水の順に洗浄)し[洗浄工程]、得られた有機相を濃縮[濃縮工程]、粉砕[粉砕工程]及び乾燥する[乾燥工程]ことによって、PC−POS共重合体(A−1)を得ることができる。
mは0又は1を示し、Zはハロゲン、−R7OH、−R7COOH、−R7NH2、−COOH又は−SHを示し、R7は直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキレン基、アリール置換アルキレン基、環上にアルコキシ基を有してもよいアリール置換アルキレン基、アリーレン基を示す。
好ましくは、Y'は、単結合、脂肪族又は芳香族を含み、SiとO又はSiとZに結合している有機残基を示す。R3〜R6としては、いずれも、好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基である。nは上記と同じであり、mは0又は1を示す。
Zとしては、好ましくは−R7OH、−R7COOH、−R7NH2、−COOH又は−SHである。該R7は、前記同様、直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキレン基、アリール置換アルキレン基、環上にアルコキシ基を有してもよいアリール置換アルキレン基、アリーレン基を示す。
ビスフェノールA以外の二価フェノールとしては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテル等のジヒドロキシアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;4,4’−ジヒドロキシジフェニル等のジヒドロキシジフェニル類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等のジヒドロキシジアリールフルオレン類;1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン等のジヒドロキシジアリールアダマンタン類;4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、10,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−9−アントロン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2,3−ジオキサペンタン等が挙げられる。
これらの二価フェノールは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンとしては、例えば、以下の一般式(2−1)〜(2−9)の化合物が挙げられる。
また、R8としては、好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基である。
これらの中でも、重合の容易さの観点においては、一般式(2−1)で表されるフェノール変性ポリオルガノシロキサンが好ましい。また、入手の容易さの観点においては、一般式(2−2)で表される化合物中の一種であるα,ω−ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、一般式(2−3)で表される化合物中の一種であるα,ω−ビス[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサンが好ましい。
まず、シクロトリシロキサンとジシロキサンとを酸性触媒存在下で反応させ、α,ω−ジハイドロジェンオルガノポリシロキサンを合成する。このとき、シクロトリシロキサンとジシロキサンとの仕込み比を変えることで所望の平均繰り返し単位を持つα,ω−ジハイドロジェンオルガノポリシロキサンを合成することができる。次いで、ヒドロシリル化反応用触媒の存在下に、このα,ω−ジハイドロジェンオルガノポリシロキサンにアリルフェノールやオイゲノール等の不飽和脂肪族炭化水素基を有するフェノール化合物を付加反応させることで、所望の平均繰り返し単位を有するフェノール変性ポリオルガノシロキサンを製造することができる。
また、この段階では、低分子量の環状ポリオルガノシロキサンや過剰量の上記フェノール化合物が不純物として残存するために、減圧下で加熱し、これらの低分子化合物を留去することが好ましい。
また、βは、ジイソシアネート化合物由来の2価の基を示し、例えば、以下の一般式(3−1)〜(3−4)で表される2価の基が挙げられる。
前述のとおり、(A)成分としては、本発明の効果を損なわない程度に、(A−1)成分以外のポリカーボネート樹脂(A−2)が含まれていてもよい。該(A−2)成分としては、芳香族二価フェノール系化合物が用いられて得られる芳香族ポリカーボネート樹脂であってもよいし、脂肪族二価フェノール系化合物が用いられて得られる脂肪族ポリカーボネート樹脂であってもよいし、脂肪族二価水酸基含有化合物が用いられて得られる脂肪族ポリカーボネート樹脂であってもよいし、芳香族二価フェノール系化合物と脂肪族二価フェノール系化合物とを併用して得られる芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂であってもよい。当該(A−2)成分は、樹脂混合物(A)中に含まれる、一般式(II)で表される構造を含む繰り返し単位の含有量を調整するために用いることができる。
これらの中でも、(A−2)成分としては、芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。
該(A−2)成分のポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、物性面の観点から、好ましくは10,000〜40,000、より好ましくは13,200〜26,700、更に好ましくは15,500〜23,200である。
R9及びR10の具体例としては、前記R1及びR2と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。R9及びR10としては、より好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基である。X’の具体例としては、前記Xと同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。c及びdは、それぞれ独立に、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
上記の反応に際し、必要に応じて、分子量調節剤(末端停止剤)、分岐化剤等が使用される。
なお、上記芳香族二価フェノール系化合物としては、下記一般式(III')で表されるものが挙げられる。
該芳香族二価フェノール系化合物の具体例としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系、4,4'−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。
これらの中でも、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系2価フェノールが好ましく、ビスフェノールAがより好ましい。
また、脂肪族ポリカーボネート樹脂は、前記芳香族二価フェノール系化合物の代わりに脂肪族二価水酸基含有化合物、又は脂肪族二価フェノール系化合物を用いることによって製造できる。
なお、芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂は、前述の通り、芳香族二価フェノール系化合物と脂肪族二価フェノール系化合物を併用することによって製造できる。
(A)成分のポリカーボネート系樹脂は、PC−POS共重合体(A−1)10〜100質量%、及び(A−1)以外のポリカーボネート(A−2)0〜90質量%からなる割合であることを要す。(A−1)成分が10質量%未満であると、耐衝撃性、特に低温下での耐衝撃性が低下し好ましくない。(A−1)成分と(A−2)成分との合計量100質量%に対する、(A−1)成分中の一般式(II)で表される繰り返し単位の含有量が、1.0〜10.0質量%となるような割合で、(A−1)成分と(A−2)成分との割合を任意に調整することができる。好ましくは、(A−1)成分30〜100質量%と(A−2)成分0〜70質量%の範囲で配合して用いることが望ましい。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物は、(A)成分のポリカーボネート系樹脂に(B)成分の添加剤が配合される。(B)成分の添加剤としては、ポリカーボネート系樹脂に配合される添加剤であれば、ポリカーボネート系樹脂が有する透明性を損なうものではない限り、特に限定されず、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、難燃助剤、光安定剤、可塑剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、抗菌剤、相溶化剤、着色剤(染料、顔料)離型剤及び滑剤などが挙げられる。
(B)添加剤は、(A)成分のポリカーボネート系樹脂100質量部に対して、0.01〜5.0質量部、好ましくは、0.03〜3.0質量部配合することが望ましい。
(B)成分の紫外線吸収剤及び酸化防止剤について以下に説明する。
紫外線吸収剤としては、ベンゾオキサジノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチレート系、マロン酸エステル系、オキサリルアラニド系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系等の各種化合物が挙げられる。これらは、1種を単独でも又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ベンゾオキサジノン系化合物としては、下記一般式(1)で表わされる化合物を挙げることができる。
これらの紫外線吸収剤は、(A)成分のポリカーボネート系樹脂100質量部に対して、0.1〜3.0質量部、好ましくは、0.1〜2.0質量部配合することが望ましい。特に、射出成形体を成形する場合は、0.1〜0.5質量部とすることが好ましく、シート状成形体を成形する場合は、0.2〜3質量部とすることが好ましい。
酸化防止剤としては、フェノール系、リン系、イオウ系酸化防止剤を挙げることができる。以下の酸化防止剤は単独で用いられても良く、2種以上を混合して用いられても良い。特にフェノール系酸化防止剤とリン系の酸化防止剤は併用して用いられる事により、酸化防止剤の効果が持続する事が知られている。
フェノール系酸化防止剤としては、特に制限はないが、ヒンダードフェノール系が好適に用いられる。代表的な例としては、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N'−ヘキサメチレン
ビス[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)−ヒドロシンナマミド]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト及びビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウムなどが挙げられる。
これらの酸化防止剤は、(A)成分のポリカーボネート系樹脂100質量部に対して、0.003〜0.5質量部、好ましくは、0.01〜0.2質量部配合することが望ましい。
その他の添加剤として、ヒンダードアミン系光安定剤、脂肪族カルボン酸エステル系、パラフィン系、シリコンオイル、ポリエチレンワックスなどの可塑剤、各種の帯電防止剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、抗菌剤、相溶化剤、着色剤(染料、顔料)、離型剤及び滑剤などが挙げられる。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物は、ナトリウムの含有量が0.5ppm以下であることを要す。ナトリウムの含有量が0.5ppmを超えると、得られるポリカーボネート系樹脂組成物及びその成形体に白濁が生じて透明性が損なわれ、かつ、耐候性も低下する。ナトリウムの含有量の含有量は、好ましくは、0.4ppm以下、より好ましくは0.1ppm以下とすることが望ましい。ポリカーボネート系樹脂組成物中のナトリウムの含有量を0.5ppm以下とするには、ナトリウムの含有量の低い(A)成分のポリカーボネート系樹脂及びナトリウムの含有量の低い(B)成分の添加剤を用いる必要がある。ナトリウムの含有量の低い(A)成分のポリカーボネート系樹脂は、界面法による製造工程において、純水等での洗浄による不純物除去等により、0.1ppm以下とすることができる。一方、(B)成分の添加剤については、ナトリウムの含有量が高いものがあり、本発明においては、できるだけナトリウムの含有量の低い添加剤を用いる必要がある。(B)成分中のナトリウムの含有量は、その配合量によっても相違するが、好ましくは、それぞれ、40ppm以下の添加剤を用いることが好ましい。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物には、更に、マグネシウムの含有量が20ppm以下、アルミニウムの含有量が20ppm以下、鉄の含有量が20ppm以下とすることが好ましい。
ナトリウムの含有量が40ppm以下の紫外線吸収剤としては、サイテク・テクノロジー社製のp−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)があり、この紫外線吸収剤は、その製造工程中で水酸化ナトリウムを使用しておらず、ナトリウムの含有量が低く、本発明の(B)成分の添加剤として紫外線吸収剤を用いる場合、好ましい紫外線吸収剤である。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物は、(A)成分及び(B)成分、さらには、必要に応じてその他の成分を所定量混練することにより得られる。混練方法としては、特に制限されず、例えば、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ドラムタンブラー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、コニーダ、多軸スクリュー押出機等を用いる方法が挙げられる。また、混練に際の加熱温度は、通常、好ましくは240〜330℃、より好ましくは250〜320℃である。
上記の方法で製造したポリカーボネート樹脂組成物は実施例中で説明するCIE1976規格に準ずるL*a*b*の測定において、L* 値が好ましくは50以上であり、より好ましくは65以上、更に好ましくは80以上、最も好ましくは90以上である。なお、上限は特にないが、製造容易性の観点からは99以下、97以下、96以下を例示することができる。
成形方法としては、従来公知の各種成形方法を用いることができ、例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法、プレス成形法、真空成形法及び発泡成形法等が挙げられる。
なお、ポリカーボネート系樹脂以外の含有成分は、あらかじめ、ポリカーボネート系樹脂と溶融混練しておき、即ち、マスターバッチとして添加することもできる。
また、ポリカーボネート系樹脂組成物は、ペレット化してから射出成形することにより、射出成形体とすることが好ましい。射出成形には、一般的な射出成形法もしくは一般的な射出圧縮成形法を、又はガスアシスト成形法等の特殊成形法を用いることができ、このようにして成形体を製造することができる。
さらに、ポリカーボネート系樹脂組成物は、ペレット化してから押出成形し、シート状成形体とすることも好ましい。押出成形してシート状成形体を得るには、Tダイ押出機等の公知の押出成形機を用いてシート状成形体を製造することができる。
また、部品に難燃化が求められる場合は、難燃性を有する樹脂材料との積層成形、二色成形等の成形技術を用いることもできる。
大型薄肉の射出成形体を得るためには、射出圧縮成形や高圧又は超高圧の射出成形を用いることができ、部分的な薄肉部を有する成形体の成形には、部分圧縮成形等を用いることもできる。
各例で得られた樹脂組成物の性能試験は、次のとおりに行った。
(1)ナトリウム含有量
プラズマ発光分光法(ICP法)にて定量した残留量と組成物への配合量からの計算により求めた。
(2)粘度数
中谷機械株式会社製の単軸押出機「NVC−50」にて、シリンダー温度280℃で造粒したペレットを用い、ISO 1628に準拠し粘度数を測定した。
(3)L*a*b*値
樹脂組成物を東芝機械(株)製の射出成形機「EC−40」にて、シリンダー温度280℃、金型温度80℃、成形サイクル30秒で2mm厚の成形品を作成し、CIE1976(L*a*b*) の測色方法に基づきC2光源を用いて透過法により測定した。L*は、明るさを示す指標であり、a*,b*は色質指数である。a*がプラスになると赤味を帯びる。a*がマイナスになると緑味を帯びる。b*がプラスになると黄味を帯びる。b*がマイナスになると青味を帯びる。
(4)耐候性試験:L*値の変化
ブラックパネル温度63℃、湿度50%、降雨サイクル12/60分(60分のうち降雨時間が12分)、照射強度(300〜400nm)78.5W/m2に設定したサンシャインウェザーメーター(SUGA SUNSHINE SUPER LONG−LIFE WEATHER)にテストピース(サイズ:40mm×30mm×2mm)を放置して2040時間後に取り出し、上記(3)と同様の方法でL*値の測定を行った。上記(3)のL*値との差をΔL*とした。耐候性試験前と耐候性試験後のテストピースの明るさを示す指標の差を示すものである。
(5)アイゾット衝撃値(IZOD):耐衝撃性
厚み1/8インチの試験片を用いて、ASTM D256に準じ、23℃にてノッチ付アイゾッド衝撃試験を行った。
(6)光線透過率:全光線透過率、拡散光線透過率、平行光線透過率
光線透過率として、射出成形で得た厚み2mmの平板を用い、ISO14782に準拠した透過率測定器(NDH−300A、日本電色工業(株)製)を使用し、全光線透過率、拡散光線透過率及び平行光線透過率を測定した。なお、平行光線透過率は入射光と同軸のまま透過した光線透過率であり、平行光線透過率と拡散光線透過率との和が全光線透過率である。
[ポリカーボネートオリゴマー製造の製造]
5.6質量%水酸化ナトリウム水溶液に後から溶解するビスフェノールA(BPA)に対して2000ppmの亜二チオン酸ナトリウムを加え、これにBPA濃度が13.5質量%になるようにBPAを溶解し、BPAの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。
このBPAの水酸化ナトリウム水溶液40リットル/hr、塩化メチレン15リットル/hrの流量で、ホスゲンを4.0kg/hrの流量で内径6mm、管長30mの管型反応器に連続的に通した。
管型反応器はジャケット部分を有しており、ジャケットに冷却水を通して反応液の温度を40℃以下に保った。
管型反応器を出た反応液は後退翼を備えた内容積40リットルのバッフル付き槽型反応器へ連続的に導入され、ここにさらにBPAの水酸化ナトリウム水溶液2.8リットル/hr、25質量%水酸化ナトリウム水溶液0.07リットル/hr、水17リットル/hr、1質量%トリエチルアミン水溶液を0.64リットル/hr添加して反応を行なった。槽型反応器から溢れ出る反応液を連続的に抜き出し、静置することで水相を分離除去し、塩化メチレン相を採取した。
このようにして得られたポリカーボネートオリゴマーは、濃度329g/L、クロロホーメート基濃度0.74mol/Lであった。
[ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体−1(PC−PDMS共重合体−1)の製造]
邪魔板、パドル型攪拌翼及び冷却用ジャケットを備えた50L槽型反応器に上記で製造したポリカーボネートオリゴマー溶液15L、塩化メチレン9.0L、ジメチルシロキサン単位の繰返し数が40であるアリルフェノール末端変性ポリジメチルシロキサン(PDMS)384g及びトリエチルアミン8.8mLを仕込み、攪拌下でここに6.4質量%水酸化ナトリウム水溶液1389gを加え、10分間ポリカーボネートオリゴマーとアリルフェノール末端変性PDMSの反応を行った。
この重合液に、p−t−ブチルフェノール(PTBP)の塩化メチレン溶液(PTBP132gを塩化メチレン2.0Lに溶解したもの)、BPAの水酸化ナトリウム水溶液(NaOH577gと亜二チオン酸ナトリウム2.0gを水8.4Lに溶解した水溶液にBPA1012gを溶解させたもの)を添加し50分間重合反応を行った。
希釈のため塩化メチレン10Lを加え10分間攪拌した後、ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体を含む有機相と過剰のBPA及びNaOHを含む水相に分離し、有機相を単離した。
こうして得られたポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体の塩化メチレン溶液を、その溶液に対して順次、15容積%の0.03mol/LNaOH水溶液、0.2モル/L塩酸で洗浄し、次いで洗浄後の水相中の電気伝導度が0.01μS/m以下になるまで純水で洗浄を繰り返した。
洗浄により得られたポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体の塩化メチレン溶液を濃縮・粉砕し、得られたフレークを減圧下120℃で乾燥した。
得られたポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体の核磁気共鳴(NMR)により求めたPDMSブロック部分含有量は6.0質量%、ISO1628−4(1999)に準拠して測定した粘度数は49.5、粘度平均分子量Mv=18500であった。
[ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体−2(PC−PDMS共重合体−2)の製造]
邪魔板、パドル型攪拌翼及び冷却用ジャケットを備えた50L槽型反応器に上記で製造したポリカーボネートオリゴマー溶液15L、塩化メチレン9.0L、ジメチルシロキサン単位の繰返し数が90であるアリルフェノール末端変性ポリジメチルシロキサン(PDMS)384g及びトリエチルアミン8.8mLを仕込み、攪拌下でここに6.4質量%水酸化ナトリウム水溶液1389gを加え、10分間ポリカーボネートオリゴマーとアリルフェノール末端変性PDMSの反応を行った。
この重合液に、p−t−ブチルフェノール(PTBP)の塩化メチレン溶液(PTBP132gを塩化メチレン2.0Lに溶解したもの)、BPAの水酸化ナトリウム水溶液(NaOH577gと亜二チオン酸ナトリウム2.0gを水8.4Lに溶解した水溶液にBPA1012gを溶解させたもの)を添加し50分間重合反応を行った。
希釈のため塩化メチレン10Lを加え10分間攪拌した後、ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体を含む有機相と過剰のBPA及びNaOHを含む水相に分離し、有機相を単離した。
こうして得られたポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体の塩化メチレン溶液を、その溶液に対して順次、15容積%の0.03mol/LNaOH水溶液、0.2モル/L塩酸で洗浄し、次いで洗浄後の水相中の電気伝導度が0.01μS/m以下になるまで純水で洗浄を繰り返した。
洗浄により得られたポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体の塩化メチレン溶液を濃縮・粉砕し、得られたフレークを減圧下120℃で乾燥した。
得られたポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体の核磁気共鳴(NMR)により求めたPDMSブロック部分含有量は6.0質量%、ISO1628−4(1999)に準拠して測定した粘度数は49.5、粘度平均分子量Mv=18500であった。
表1に示す割合で各成分を混合〔(B)成分は、(A)成分100質量部に対する質量部で示す。また、(A)成分である(A−1)成分と(A−2)成分は質量%を示す。〕し、さらに酸化防止剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(IRGAFOS168、商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.02質量部とを均一に混合し、ベント付き単軸押出成形機(中谷機械株式会社製、機種名:NVC50を用いて樹脂温度280℃で造粒しペレットを得た。
得られたペレットを、射出成形機を用い、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の成形条件で射出成形して試験片を得た。
得られた試験片を用いて上記方法に従って、ナトリウム含有量、粘度数、L*値、耐候性試験、アイゾット衝撃値及び光線透過率の評価を行った。その結果を表1及び表2に示す。
*1:製造例2で得られたPC−PDMS共重合体−1:ナトリウム含有は検出下限以下、(A−1)成分
*2:製造例3で得られたPC−PDMS共重合体−2:ナトリウム含有は検出下限以下、(A−1)成分
*3:「タフロンFN1700A:ナトリウム含有は検出下限以下」(商品名、出光興産株式会社製、p−t−ブチルフェノールを末端基に有するビスフェノールAタイプの芳香族ポリカーボネート、粘度平均分子量17,700)、(A−2)成分
*4:ビスベンゾオキサジノン 竹本油脂(株)製「商品名、パイオニンZA−101、ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤:ナトリウム含有は760ppm」(B)成分
*5:ビスベンゾオキサジノン サイテク・テクノロジー・コーポーレーション製「商品名、UV−3638F、ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤:ナトリウム含有は17ppm」(B)成分
*6:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、「商品名、イルガフォス168、リン系酸化防止剤:ナトリウム含有は検出下限以下」(B)成分
*7:ペンタエリスリトールとステアリン酸とのフルエステル及びペンタエリスリトールとパルミチン酸とのフルエステルと混合物(混合比は、C16:C18=1:1.1) 理研ビタミン(株)製「EW440A、離型剤、ナトリウム含有量は20ppmである。」
尚、本測定法におけるナトリウムの検出下限は100ppbである。
Claims (12)
- (A)主鎖が一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される繰り返し単位(但し、n=10〜500)を含み、一般式(II)で表される繰り返し単位の含有量が1.0〜10.0質量%であるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A−1)10〜100質量%、及び(A−1)以外のポリカーボネート(A−2)0〜90質量%からなるポリカーボネート系樹脂に、(B)添加剤を配合してなるポリカーボネート系樹脂組成物であって、該ポリカーボネート系樹脂組成物に含まれるナトリウムが0.5ppm以下である、ポリカーボネート系樹脂組成物。
R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。nは、平均繰り返し数である。〕 - 前記(B)成分の配合量が、ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して、0.01〜5質量部である、請求項1に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 前記(B)成分が、ナトリウムを含む、請求項1又は2に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 成形機のシリンダー温度を280℃、金型温度を80℃、及び成形サイクルを30秒で成形して厚みが2mmの平板試験片を作製して、この平板試験片を用いて測定したCIE1976(L*,a*,b*)色空間におけるL*値が50以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 前記(B)成分が、紫外線吸収剤である、請求項1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 前記紫外線吸収剤が、p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)である、請求項5又は6に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 前記紫外線吸収剤の配合量が、ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して、0.05〜0.5質量部である、請求項5〜7のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 前記紫外線吸収剤の配合量が、ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して、0.2〜3質量部である、請求項5〜7のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 請求項1〜9のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂組成物を成形してなる、成形体。
- 請求項8に記載のポリカーボネート系樹脂組成物を射出成形してなる、射出成形体。
- 請求項9に記載のポリカーボネート系樹脂組成物を押出成形してなる、シート状成形体。
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