JP2011168636A - ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】可視項領域における高い光透過性能をもち、赤外線遮蔽性、成形耐熱性に優れ、環境負荷低減に貢献可能なだけでなく、調色処理により様々な色味を呈することが可能な高い意匠性をもつポリカーボネート樹脂組成物とその成形品を提供する。
【解決手段】(A)ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)無機系赤外線遮蔽材料(B成分)0.001〜0.1重量部、および(C)上記式(1)に示すオキサジン骨格を有する紫外線吸収剤(C成分)0.01〜1重量部を含むことを特徴とする樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は赤外線遮蔽性能をもつ無機材料を含むポリカーボネート樹脂組成物ならびに該ポリカーボネート樹脂組成物から成る自動車用等の車両用窓部材、車両灯具、建築用窓部材、赤外線遮蔽フィルター等の成形品に関する。
赤外領域の波長を持つ光が人の皮膚にあたるとき人は熱を感じることから、自動車用窓部材や建築用窓部材等で赤外波長領域の光を多く遮蔽する必要がある。同時に窓部材においては可視光領域の波長をできる限り透過することにより視野を確保することが望ましい。つまり、赤外線を遮蔽し、かつ可視光を透過する材料を用いることで体感温度を下げ空調等のエネルギー消費を低減する高透過性窓部材の作成が可能となる。更に、近年の環境配慮の観点や技術の向上により省エネルギー化、省スペース化が進んでいることから、様々な形態を有する赤外線遮蔽材料が要求されており、特定波長領域の遮蔽性能を持つ、厚みを帯びた樹脂シートや樹脂成形品は非常に実用性のあるものとなっている。特許文献1には有機系赤外線遮蔽材料を用いた樹脂組成物が開示されている。しかし、有機系赤外線遮蔽材料は熱的に不安定であるためポリカーボネートの一般的な成形温度帯での成形は困難である。特許文献2のようなATO、ITO等無機系赤外線遮蔽材料を用いたものも知られているが、曇り度が高くなってしまうという不具合が生じやすい。更に赤外線遮蔽材料は日射が地上に届きかつ人が体感温度を高いと感じる近赤外波長領域から中赤外波長領域においてより高い光遮蔽性能の向上が求められている。これを改善すべく特許文献3のようなタングステン系の無機系添加剤が検討されているが、多くのポリカーボネート樹脂を基材とした高透明なタングステン系、六ホウ化ランタン系、有機系赤外線遮蔽材料は黄色味を帯びた緑色系の色を呈する。
特許第2779288号公報 特表2009−505871号公報 特許第4182357号公報
従って、本発明の目的は、可視項領域における高い光透過性能をもち、赤外線遮蔽性、成形耐熱性に優れ、環境負荷低減に貢献可能なだけでなく、調色処理により様々な色味を呈することが可能な高い意匠性をもつポリカーボネート樹脂組成物とその成形品を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリカーボネート樹脂と無機系赤外線遮蔽材料を組み合わせ、さらに特定の紫外線吸収剤を添加したとき、高い赤外線遮蔽性能と可視光領域の高い透過性を示し、かつ環境負荷低減に貢献することができるポリカーボネート樹脂組成物とそれから成る成形品が得られることを見出した。すなわち、前記課題は、(A)ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)無機系赤外線遮蔽材料(B成分)0.001〜0.1重量部、および(C)下記式(1)で表されるベンゾオキサジン骨格を有する紫外線吸収剤(C成分)0.01〜1重量部を含むことを特徴とする樹脂組成物により達成される。
Figure 2011168636
以下、本発明の各構成成分の詳細について説明する。
(A成分:ポリカーボネート樹脂)
本発明でA成分として使用されるポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られるものである。反応方法の一例として界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などを挙げることができる。
ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ビフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンおよび9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンなどが挙げられる。好ましい二価フェノールは、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンであり、なかでも耐衝撃性の点からビスフェノールAが特に好ましい。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、炭酸ジエステルまたはハロホルメートなどが使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメートなどが挙げられる。
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重合法によってポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールが酸化するのを防止するための酸化防止剤などを使用してもよい。また本発明のポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂、芳香族または脂肪族(脂環族を含む)の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂、二官能性アルコール(脂環族を含む)を共重合した共重合ポリカーボネート樹脂、並びにかかる二官能性カルボン酸および二官能性アルコールを共に共重合したポリエステルカーボネート樹脂を含む。また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンなどが使用できる。
分岐ポリカーボネートを生ずる多官能性化合物を含む場合、かかる量は、芳香族ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%が好ましく、より好ましくは0.005〜0.9モル%、特に好ましくは0.01〜0.8モル%である。また特に溶融エステル交換法の場合、副反応として分岐構造が生ずる場合があるが、かかる分岐構造量についても、芳香族ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.9モル%、特に好ましくは0.01〜0.8モル%であるものが好ましい。尚、かかる割合についてはH−NMR測定により算出することが可能である。
脂肪族の二官能性のカルボン酸は、α,ω−ジカルボン酸が好ましい。脂肪族の二官能性のカルボン酸としては例えば、セバシン酸(デカン二酸)、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、イコサン二酸などの直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸、並びにシクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸が好ましく挙げられる。二官能性アルコールとしては脂環族ジオールがより好適であり、例えばシクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、およびトリシクロデカンジメタノールなどが例示される。
更にポリオルガノシロキサン単位を共重合した、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の使用も可能である。
界面重合法による反応は、通常二価フェノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、ピリジンなどが用いられる。
有機溶媒としては例えば塩化メチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素が用いられる。
また、反応促進のために例えば第三級アミンや第四級アンモニウム塩などの触媒を用いることができ、分子量調節剤として例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノールなどの単官能フェノール類を用いるのが好ましい。更に単官能フェノール類としては、デシルフェノール、ドデシルフェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノール、ドコシルフェノールおよびトリアコンチルフェノールなどを挙げることができる。これらの比較的長鎖のアルキル基を有する単官能フェノール類は、流動性や耐加水分解性の向上が求められる場合に有効である。
反応温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間、反応中のpHは通常10以上に保つのが好ましい。
溶融法による反応は、通常二価フェノールと炭酸ジエステルとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールと炭酸ジエステルを混合し、減圧下通常120〜350℃で反応させる。減圧度は段階的に変化させ、最終的には133Pa以下にして生成したフェノール類を系外に除去させる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
炭酸ジエステルとしては、例えばジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートおよびジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
重合速度を速めるために重合触媒を使用することができ、重合触媒としては、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、ホウ素やアルミニウムの水酸化物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、第4級アンモニウム塩、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩、亜鉛化合物、ホウ素化合物、ケイ素化合物、ゲルマニウム化合物、有機錫化合物、鉛化合物、アンチモン化合物、マンガン化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物などの通常エステル化反応やエステル交換反応に使用される触媒があげられる。触媒は単独で使用しても良いし、二種類以上を併用して使用しても良い。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フェノール1モルに対し、好ましくは1×10−9〜1×10−5当量、より好ましくは1×10−8〜5×10−6当量の範囲で選ばれる。
また、重合反応において、フェノール性の末端基を減少するために、重縮反応の後期あるいは終了後に、例えば2−クロロフェニルフェニルカーボネート、2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートおよび2−エトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートなどの化合物を加えることができる。
さらに溶融エステル交換法では触媒の活性を中和する失活剤を用いることが好ましい。かかる失活剤の量としては、残存する触媒1モルに対して0.5〜50モルの割合で用いるのが好ましい。また重合後の芳香族ポリカーボネートに対し、好ましくは0.01〜500ppmの割合、より好ましくは0.01〜300ppm、特に好ましくは0.01〜100ppmの割合で使用する。失活剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩などのホスホニウム塩、テトラエチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェートなどのアンモニウム塩などが好ましく挙げられる。上記以外の反応形式の詳細についても、成書及び特許公報などで良く知られている。
ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、好ましくは14,000〜100,000であり、20,000〜30,000がより好ましく、22,000〜28,000が更に好ましく、23,000〜26,000が最も好ましい。上記範囲を超えて分子量が低すぎる場合には、衝撃値等機械物性が不十分となり、割れが生じやすくなる。また、上記範囲を超えて分子量が高い場合には、射出成形が困難になり、残留応力等から割れ不良が生じやすくなる。更により好ましい範囲においては耐衝撃性と成形加工性との両立に優れる。尚、上記ポリカーボネート樹脂は、その粘度平均分子量が上記範囲外のものを混合して得られたものであってもよい。
ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(M)は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液から20℃で求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
本発明におけるポリカーボネート樹脂の態様として以下のものを挙げることができる。すなわち、粘度平均分子量70,000〜300,000の芳香族ポリカーボネート(PC−i)、および粘度平均分子量10,000〜30,000の芳香族ポリカーボネート(PC−ii)からなり、その粘度平均分子量が15,000〜40,000、好適には20,000〜30,000である芳香族ポリカーボネート(以下、“高分子量成分含有芳香族ポリカーボネート”と称することがある)も使用できる。
かかる高分子量成分含有芳香族ポリカーボネートは、PC−iの存在によりポリマーのエントロピー弾性を大きくし本発明において好適な射出プレス成形時においてより有利となる。例えばヘジテーションマークなどの外観不良はより低減でき、その分射出プレス成形の条件幅を広げることが可能である。一方PC−ii成分の低い分子量成分は全体の溶融粘度を低下し、樹脂の緩和を促進して、より低歪の成形を可能とする。尚、同様の効果は分岐成分を含有するポリカーボネート樹脂においても認められる。
(B成分:無機系赤外線遮蔽材料)
本発明でB成分として使用される無機系赤外線遮蔽材料の粒子径は1nm〜800nmであることが好ましく、1nm〜600nmがより好ましく、1nm〜300nmがさらに好ましい。粒子径が1nmより小さいと凝集効果が大きくなるため分散性不良が生じやすくなり、800nmより大きいと透明樹脂成形品の曇り度が高くなる等不良が生じることがある。この無機系赤外線遮蔽材料としては、タングステン系無機系赤外線遮蔽材料、ランタン系無機系赤外線遮蔽材料、スズ系無機系赤外線遮蔽材料、アンチモン系赤外線遮蔽剤等が挙げられる。この中でも赤外線遮蔽性能と曇り度の観点よりタングステン系無機系赤外線遮蔽材料が好ましく、その中でも複合タングステン酸化物微粒子が特に好ましい。
(複合タングステン酸化物微粒子)
本発明でB成分として使用される複合タングステン酸化物微粒子はMxWyOz(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される元素を表しx、y、zは0.01≦x≦1、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3.0の式を満たす数である。)で表される複合タングステン酸化物微粒子であり、そのなかでもMがLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、およびBaからなる群より選択される元素であることが好ましく、K、Rb、またはCsであることが最も好ましい。また、xの範囲は0.01≦x≦0.5が好ましく、0.2≦x≦0.4の範囲がより好ましい。さらに、x/y、z/yの範囲はそれぞれ0.01≦x/y≦0.5、2.7≦z/y≦3.0が好ましく、0.2≦x/y≦0.4、2.8≦z/y≦3.0がより好ましい。
複合タングステン酸化物微粒子は出発原料であるタングステン化合物を、不活性ガス雰囲気もしくは還元性ガス雰囲気中で熱処理して得ることができる。当該熱処理を経て得られた複合タングステン酸化物微粒子は、十分な近赤外線遮蔽力を有し、赤外線遮蔽微粒子として好ましい性質を有している。
一般式MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物微粒子の出発原料は、元素Mを、元素単体または化合物のかたちで含有するタングステン化合物であり、具体的には元素Mを、元素単体または化合物のかたちで含有する、3酸化タングステン粉末、2酸化タングステン粉末、タングステン酸化物の水和物、6塩化タングステン粉末、タングステン酸アンモニウム粉末、6塩化タングステンをアルコール中に溶解させた後乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、6塩化タングステンをアルコール中に溶解させたのち水を添加して沈殿させこれを乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、タングステン酸アンモニウム水溶液を乾燥して得られるタングステン化合物粉末、および金属タングステン粉末からなる群より選ばれた一種類以上であることが好ましい。なお、出発原料が溶液であると、各元素は容易に均一混合可能となる観点より、タングステン酸アンモニウム水溶液や、6塩化タングステン溶液を用いることがさらに好ましい。これら原料を用い、これを不活性ガス雰囲気もしくは還元性ガス雰囲気中で熱処理して、上述した複合タングステン酸化物微粒子を得ることができる。
ここで、各成分が分子レベルで均一混合した出発原料であるタングステン化合物を製造するためには、各原料を溶液で混合することが好ましく、元素Mを含むタングステン化合物が、水や有機溶媒等の溶媒に溶解可能なものであることが好ましい。例えば、元素Mを含有するタングステン酸塩、塩化物塩、硝酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、酸化物、炭酸塩、水酸化物、等が挙げられるが、これらに限定されず、溶液状になるものであれば好ましい。
上述した複合タングステン酸化物微粒子を製造するための原料に関し、以下で、再度詳細に説明する。
一般式MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物微粒子を得るための出発原料には、3酸化タングステン粉末、2酸化タングステン粉末、タングステン酸化物の水和物、6塩化タングステン粉末、タングステン酸アンモニウム粉末、6塩化タングステンをアルコール中に溶解させた後乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、もしくは、6塩化タングステンをアルコール中に溶解させたのち水を添加して沈殿させこれを乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、タングステン酸アンモニウム水溶液を乾燥して得られるタングステン化合物粉末、および金属タングステン粉末から選ばれたいずれか一種類以上の粉末と、前記M元素を含有する単体または化合物の粉末とを、混合した粉末を用いることが出来る。
さらに、当該複合タングステン酸化物微粒子を得るための出発原料であるタングステン化合物が、溶液または分散液であると、各元素は容易に均一混合可能となる。
当該観点より、複合タングステン酸化物の微粒子の出発原料が、6塩化タングステンのアルコール溶液またはタングステン酸アンモニウム水溶液と、前記M元素を含有する化合物の溶液とを、混合した後乾燥した粉末であることがさらに好ましい。
同様に、複合タングステン酸化物の微粒子の出発原料が、6塩化タングステンをアルコール中に溶解させた後、水を添加して沈殿を生成させた分散液と、前記M元素を含有する単体または化合物の粉末、または、前記M元素を含有する化合物の溶液とを、混合した後乾燥した粉末であることも好ましい。
前記M元素を含有する化合物としては、M元素のタングステン酸塩、塩化物塩、硝酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、酸化物、炭酸塩、水酸化物、等が挙げられるが、これらに限定されず、溶液状になるものであればよい。さらに、当該複合タングステン酸化物微粒子を工業的に製造する場合に、タングステン酸化物の水和物粉末や三酸化タングステンと、M元素の炭酸塩や水酸化物とを用いると、熱処理等の段階で有害なガス等が発生することが無く、好ましい製造法である。
ここで、複合タングステン酸化物微粒子の不活性雰囲気中における熱処理条件としては、650℃以上が好ましい。650℃以上で熱処理された出発原料は、十分な近赤外線遮蔽力を有し赤外線遮蔽微粒子として効率が良い。不活性ガスとしてはAr、N等の不活性ガスを用いることが良い。また、還元性雰囲気中の熱処理条件としては、まず出発原料を還元性ガス雰囲気中にて100℃以上850℃以下で熱処理し、次いで不活性ガス雰囲気中で650℃以上1200℃以下の温度で熱処理することが良い。この時の還元性ガスは、特に限定されないがHが好ましい。また還元性ガスとしてHを用いる場合は、還元雰囲気の組成として、Hが体積比で0.1%以上が好ましく、さらに好ましくは2%以上が良い。Hが体積比で0.1%以上あれば効率よく還元を進めることができる。
上述の工程にて得られた赤外線遮蔽材料微粒子の表面が、Si、Ti、Zr、Alの一種類以上の金属を含有する酸化物で被覆されていることは、耐候性の向上の観点から好ましい。被覆方法は特に限定されないが、当該赤外線遮蔽材料微粒子を分散した溶液中へ、上記金属のアルコキシドを添加することで、赤外線遮蔽材料微粒子の表面を被覆することが可能である。
また、複合タングステン酸化微粒子は、分散剤で被覆されていることが好ましい。分散剤としてはポリカーボネート、ポリサルホン、ポリアクリロニトリル、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、シリコーン系樹脂やこれらの誘導体等が挙げられ、これらで被覆されることにより樹脂へ添加したときの分散性が向上し、更に機械物性の低下を防ぐ効果がある。なお、分散剤による被覆方法としては複合タングステン酸化微粒子と分散剤をトルエン等の溶媒に溶解、攪拌し分散液を調製した後、真空乾燥等の処理で溶媒を除去することにより複合タングステン酸化微粒子を被覆する方法等が挙げられる。
また、B成分をポリカーボネート樹脂に添加する方法としては、複合タングステン酸化物微粒子もしくは被覆された複合タングステン酸化物微粒子を直接添加する方法や、1〜100倍のポリカーボネート樹脂で希釈した後に添加する方法が挙げられる。
B成分の含有量はA成分100重量部に対し、0.001〜0.1重量部であり、0.002〜0.1重量部が好ましく、0.01〜0.07重量部がより好ましい。B成分の含有量が0.001重量部より少ないと赤外線の遮蔽能力が十分に発揮できず、更に複合酸化タングステン酸化物微粒子特有の、色味によりポリカーボネート樹脂の変色を視覚的に低減する効果が薄れてしまい、0.1重量部より多いと可視光透過率が非常に小さくなってしまう。
(C成分:紫外線吸収剤)
本願発明でC成分として使用される紫外線吸収剤は下記式(1)で表されるベンゾオキサジン骨格を有する紫外線吸収剤であり、具体的には2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、および2,2’−m−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、および2,2’−p,p’−ジフェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)などが例示される。
Figure 2011168636
C成分の含有量はA成分100重量部に対し、0.01〜1重量部であり、0.07〜0.7重量部が好ましく、0.1〜0.5重量部がより好ましい。C成分の含有量が0.01重量部より少ないとポリカーボネート樹脂組成物の耐候性能が低くなり、1重量部より多いと成形安定性の低下や機械物性の低下に繋がる。
(D成分:熱安定剤)
本発明でD成分として使用される熱安定剤としてはリン系安定剤(D−1成分)、ヒンダードフェノール系安定剤(D−2成分)、イオウ系安定剤(D−3成分)が挙げられる。
(D−1成分:リン系安定剤)
リン系安定剤は、芳香族ポリカーボネートの熱安定剤として既に広く知られている。リン系安定剤は、樹脂組成物が極めて過酷な熱負荷に耐え得る程度まで、その熱安定性を高める。リン系安定剤としては主にホスファイト化合物とホスホナイトが上げられる。
ここで、ホスファイト化合物としては例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイトなどが例示される。
更に他のホスファイト化合物としては二価フェノール類と反応し環状構造を有するものも使用できる。例えば、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイトなどが例示される。
ホスホナイト化合物としては、例えばテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイトなどが挙げられ、テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましく、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトがより好ましい。かかるホスホナイト化合物はアルキル基が2以上置換したアリール基を有するホスファイト化合物との併用可能であり好ましい。リン系安定剤の含有量は、A成分100重量部あたり0.0001〜1重量部が好ましく、0.001〜0.5重量部がより好ましく、0.007〜0.1重量部が更に好ましく、0.01〜0.07重量部が特に好ましい。
(D−2成分:ヒンダードフェノール系安定剤)
ヒンダードフェノール系安定剤としては、例えば、α-トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、シナピルアルコール、ビタミンE、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−ジメチレン−ビス(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,6−へキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2−tert−ブチル−4−メチル6−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1,−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、4,4’−ジ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−トリ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2−チオジエチレンビス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス2[3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアヌレート、およびテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが例示される。これらはいずれも入手容易である。上記ヒンダードフェノール系安定剤は、単独でまたは2種以上を組合せて使用することができる。ヒンダードフェノール系安定剤の含有量は、A成分100重量部あたり0.0002〜0.8重量部が好ましく、0.0005〜0.45重量部がより好ましく、0.002〜0.25重量部が更に好ましく、0.005〜0.15重量部が特に好ましい。
(D−3成分:イオウ系安定剤)
イオウ系安定剤として、ジラウリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジ
プロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネー
ト、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリ
スリトールテトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテト
ラキス(3−オクタデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3
−ミリスチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ステアリル
チオプロピオネート)などが挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上混合
して使用しても良い。イオウ系安定剤の含有量は、A成分100重量部あたり0.0001〜1重量部が好ましく、0.001〜0.5重量部がより好ましく、0.007〜0.1重量部が更に好ましく、0.01〜0.07重量部が特に好ましい。
(樹脂組成物の製造)
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造に当たっては、その製造方法は特に限定されるものではない。しかしながら本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、各成分を溶融混練することにより製造されることが好ましい。
上記溶融混練の具体的方法としては、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機などを挙げることができ、中でも混練効率の点から押出機が好ましく、更に二軸押出機などの多軸押出機が好ましい。かかる二軸押出機においてより好ましい態様は次の通りである。スクリュー形状は1条、2条、および3条のネジスクリューを使用することができ、特に溶融樹脂の搬送能力やせん断混練能力の両方の適用範囲が広い2条ネジスクリューが好ましく使用できる。二軸押出機におけるスクリューの長さ(L)と直径(D)との比(L/D)は、20〜45が好ましく、更に28〜42が好ましい。L/Dが大きい方が均質な分散が達成されやすい一方、大きすぎる場合には熱劣化により樹脂の分解が起こりやすい。スクリューには混練性を上げるためのニーディングディスクセグメント(またはそれに相当する混練セグメント)から構成された混練ゾーンを1個所以上有することが必要であり、1〜3箇所有することが好ましい。
更に押出機としては、原料中の水分や、溶融混練樹脂から発生する揮発ガスを脱気できるベントを有するものが好ましく使用できる。ベントからは発生水分や揮発ガスを効率よく押出機外部へ排出するための真空ポンプが好ましく設置される。また押出原料中に混入した異物などを除去するためのスクリーンを押出機ダイス部前のゾーンに設置し、異物を樹脂組成物から取り除くことも可能である。かかるスクリーンとしては金網、スクリーンチェンジャー、焼結金属プレート(ディスクフィルターなど)などを挙げることができる。
更にB成分やC成分およびその他添加剤(以下の例示において単に“添加剤”と称する)の押出機への供給方法は特に限定されないが、以下の方法が代表的に例示される。(i)添加剤をポリカーボネート樹脂とは独立して押出機中に供給する方法。(ii)添加剤とポリカーボネート樹脂粉末とをスーパーミキサーなどの混合機を用いて予備混合した後、押出機に供給する方法。(iii)添加剤とポリカーボネート樹脂とを予め溶融混練してマスターペレット化する方法。
上記方法(ii)の1つは、必要な原材料を全て予備混合して押出機に供給する方法である。また他の方法は、添加剤が高濃度に配合されたマスター剤を作成し、該マスター剤を独立にまたは残りのポリカーボネート樹脂等と更に予備混合した後、押出機に供給する方法である。尚、該マスター剤は、粉末形態および該粉末を圧縮造粒などした形態のいずれも選択できる。また他の予備混合の手段は、例えばナウターミキサー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、および押出混合機などがあるが、スーパーミキサーのような高速撹拌型の混合機が好ましい。更に他の予備混合の方法は、例えばポリカーボネート樹脂と添加剤を溶媒中に均一分散させた溶液とした後、該溶媒を除去する方法である。
二軸押出機より押出された樹脂は、直接切断してペレット化するか、またはストランドを形成した後かかるストランドをペレタイザーで切断してペレット化される。更に外部の埃などの影響を低減する必要がある場合には、押出機周囲の雰囲気を清浄化することが好ましい。
(成形品)
上記の如く得られた本発明のポリカーボネート樹脂組成物は通常上記の如く製造されたペレットを射出成形して各種製品を製造することができる。かかる射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、適宜目的に応じて、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体の注入によるものを含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、サンドイッチ成形、および超高速射出成形などの射出成形法を用いて成形品を得ることができる。これら各種成形法の利点は既に広く知られるところである。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。
また本発明の樹脂組成物は、押出成形により各種異形押出成形品、シート、フィルムなどの形で使用することもできる。またシート、フィルムの成形にはインフレーション法や、カレンダー法、キャスティング法なども使用可能である。さらに特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明のポリカーボネート樹脂組成物を回転成形やブロー成形などにより成形品とすることも可能である。上記の成形過程によって赤外線遮蔽能力を持ちながらも透明性に優れ、かつ意匠性に優れた成形品を得ることができる。
本発明の成形品は、可視光透過率が40%〜90%の範囲であり、かつTts(Solar total transmittance)の値が70%以下であることが好ましい。さらに可視光透過率が60%〜85%の範囲であり、かつTtsの値が70%以下であることがより好ましく、可視光透過率が65%〜85%の範囲であり、かつTtsの値が70%以下であることが更に好ましい。可視光透過率が40%未満である場合、視認性が悪くなり、90%より高くなると可視光領域のエネルギーを多く透過するためTtsの向上が難しくなる。また、Ttsが70%よりも高い場合、熱線の遮蔽能力が不十分となる。
更に本発明のポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品には、各種の表面処理を行うことが可能である。ここでいう表面処理とは、蒸着(物理蒸着および化学蒸着など)、メッキ(電気メッキ、無電解メッキ、および溶融メッキなど)、塗装、コーティング、印刷などの樹脂成形品の表層上に新たな層を形成させるものであり、通常のポリカーボネート樹脂に用いられる方法が適用できる。表面処理としては、具体的には、ハードコート、撥水・撥油コート、紫外線吸収コート、赤外線吸収コート、並びにメタライジング(蒸着に代表される)などの各種の表面処理が例示される。ハードコートは特に好ましくかつ必要とされる表面処理である。該表面処理を行うことにより該成形品の性能に意匠性、耐候性等の性能を更に付与することが可能となる。
本発明は、高い赤外線遮蔽性能と高い可視光透過率、曇り度が低く環境負荷低減に貢献可能なだけでなく、調色処理により様々な色味を呈することが可能な高い意匠性をもつポリカーボネート樹脂組成物に優れたポリカーボネート樹脂組成物およびその成形品を提供する。
本発明者が現在最良と考える本発明の形態は、前記の各要件の好ましい範囲を集約したものとなるが、例えば、その代表例を下記の実施例中に記載する。もちろん本発明はこれらの形態に限定されるものではない。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。尚、本発明はこれら実施例などにより何ら制限されるものではない。また、以下“部”は特に断りのない限り“重量部”を、%は“重量%”を示す。
(実施例1〜7および比較例1〜6)
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。
(1)樹脂組成物の作成
(1−1)使用原料
(A成分)
PC:下記製法により得られた分子量24,200のポリカーボネート樹脂パウダー
温度計、攪拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水2340部、25%水酸化ナトリウム水溶液947部、ハイドロサルファイト0.7部を仕込み、攪拌下にビスフェノールA710部を溶解した(ビスフェノールA溶液)後、塩化メチレン2299部と48.5%水酸化ナトリウム水溶液112部、15〜25℃でホスゲン354部を約90分かけて吹き込みホスゲン化反応を行った。ホスゲン化終了後、11%濃度のp−tert−ブチルフェノールの塩化メチレン溶液13部と48.5%水酸化ナトリウム水溶液88部を加えて、攪拌を停止し、10分間静置分離後、攪拌を行い乳化させ5分後、ホモミキサー(特殊機化工業(株))で回転数1200rpm、バス回数35回で処理し高乳化ドープを得た。該高乳化ドープを重合槽(攪拌機付き)で、無攪拌条件下、温度35℃で3時間反応し重合を終了した。反応終了後、塩化メチレン5728部を加えて希釈した後、反応混合液から塩化メチレン相を分離し、分離した塩化メチレン相にイオン交換水5000部を加え攪拌混合した後、攪拌を停止し、水相と有機相を分離した。次に水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになるまで水洗浄を繰返し精製ポリカーボネート樹脂溶液を得た。次に、該精製ポリカーボネート樹脂溶液をイオン交換水100Lを投入した1000Lニーダーで、液温75℃にて塩化メチレンを蒸発させて粉粒体を得た。該粉粒体25部と水75部を攪拌機付熱水処理槽に投入し、水温95℃で30分間攪拌混合した。次いで、該粉粒体と水の混合物を遠心分離機で分離して、塩化メチレン0.5重量%、水45重量%を含む粉粒体を得た。次に、この粉粒体を140℃にコントロールされているSUS316L製伝導受熱式溝型2軸攪拌連続乾燥機に50kg/hr(ポリカーボネート樹脂換算)で連続供給して、平均乾燥時間3時間の条件で乾燥して、分岐構造を有するポリカーボネート樹脂粉粒体を得た。
(B成分)
B:Cs0.33WO(平均粒子径5nm)約23%および有機分散樹脂からなる赤外線遮蔽剤(住友金属鉱山(株)製YMDS−874)
(C成分)
C−1:ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤(錦海化学株式会社性:UV−BO)
C−2:ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤(EUTEC CHEMICAL株式会社製:UV−3638)
C−3:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティケミカルズ社製:Tinuvin234)
C−4: トリアジン系紫外線吸収剤CGX―006(チバ・スペシャリティケミカルズ社製:Tinuvin1577)
(D成分)
D−1:リン系安定剤(クラリアントジャパン(株)製P−EPQ)
D−2:ヒンダードフェノール系安定剤(チバ・スペシャリティケミカルズ社製:Irganox1076)
D−3:イオウ系安定剤(旭電化工業(株)製AO412S)
(その他)
VP:脂肪酸フルエステル(コグニスジャパン(株)製:VPG861)
SA:脂肪酸部分エステル(理研ビタミン(株)製:リケマールS−100A)
(2)試験試料作成
(2−1)樹脂組成物の製造(尚、以後の説明では上記原料の記号を用いる)
表1および表2に記載の各成分を表1および表2記載の割合で計量して混合しブレンダーにて混合した後、ベント式二軸押出機を用いて溶融混練し、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。なお、B成分の含有量は括弧内に示したBに含まれる無機系紫外線吸収材料であるCs0.33WOの量である。(括弧外の数字はBの樹脂組成物中の重量部を表す。)PCに添加する添加剤はそれぞれ配合量の10〜100倍の濃度を目安に予めPCとの予備混合物として作成した後、ブレンダーによる全体の混合を行った。ベント式二軸押出機は(株)日本製鋼所製:TEX30α(完全かみ合い、同方向回転、2条ネジスクリュー)を使用した。混練ゾーンはベント口手前に1箇所のタイプとした。押出条件は吐出量20kg/h、スクリュー回転数150rpm、ベントの真空度3kPaであり、また押出温度は第1供給口からダイス部分まで280℃とした。尚、上記の樹脂組成物の製造はHEPAフィルターを通した清浄な空気が循環する雰囲気において実施し、また作業時に異物の混入がないよう十分に注意して行った。
(2−2)成形品作成方法
得られたペレットを110〜120℃で6時間熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、射出成形機[住友重機械工業(株)製SG260M−HP]により、シリンダー温度300℃、金型温度80℃の条件で評価用の試験片である厚さ5mmの板を成形した。
(3)評価項目
(3−1)可視光透過率(Tv)
成形板から50mm角の試験片を切り出した。その分光光線を(株)日立ハイテクノロジーズ製分光光線測定器U−4100を用いJIS R 3106に準拠して算出した。結果を表1および表2に示す。
(3−2)Solar total transmittance(Tts)
成形板から50mm角の試験片を切り出した。その分光光線を(株)日立ハイテクノロジーズ製分光光線測定器U−4100を用いISO13837に準拠して算出した。結果を表1および表2に示す。
(3−3)初期色相(YI値)
成形板から50mm角の試験片を切り出した。かかる試験片のYI値(Yellow Index)を(有)東京電色製TC―1800MKIIを用いJIS K 7105記載の方法で測定した。
(3−4)耐候試験前後の色相変化
成形板から50mm角の試験片を切り出した。かかる試験片のYI値(Yellow Index)を(有)東京電色製TC―1800MKIIを用いJIS K 7105記載の方法で測定した。次に、かかる試験片をキセノンテスト(UV照射強度90W/m、ブラックパネル温度63℃)にて1,000時間の紫外線曝露処理を行い、その後YI値を同様の方法で測定し、処理前後で変化した量(ΔYI)を求めた。結果を表1および表2に示す。
(3−5)成形安定性
2−1で得られたペレットを110〜120℃で6時間熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、射出成形機[住友重機械工業(株)製SG260M−HP]でシリンダー温度300℃、金型温度80℃の条件で150mm×150mm×厚さ5mmの成形品を成形した。20個の成形品を取り出した後、成型機のノズルを金型から離し30分間滞留させ熱履歴をかけた。その後上記と同条件で成形品を成形し、取り出した後外観を確認した。目視により明らかなシルバー外観不良の発生がないものを○、明らかなシルバー外観不良が発生するものを×と表記し結果を表1および表2に示す。
Figure 2011168636
Figure 2011168636
上記から明らかなように、本発明によればベンゾオキサジン骨格を有する紫外線吸収剤を使用することにより、初期色相の黄色度が小さく、様々な色に調色可能な成形品を得られることが分かる。またポリカーボネートに複合タングステン酸化物微粒子と特定の紫外線吸収剤を添加することによって、可視光の透過率と赤外線遮蔽性能を合わせもち、曇り度の低い環境特性に優れた樹脂組成物およびそれからなる成形品が得られることが分かる。
本発明は、車両用窓部材、特にバックドアウインドウ、サンルーフ、およびルーフパネルに好適なポリカーボネート樹脂成形体を提供するが、本発明の成形体は、その特有の特徴から車両用窓部材以外にも、建築材用窓部材、車両用灯具、ビル、家屋、および温室などの窓ガラス、ガレージおよびアーケードなどの屋根、照灯用レンズ、信号機レンズ、光学機器のレンズ、ミラー、眼鏡、ゴーグル、消音壁、バイクの風防、銘板、太陽電池カバーまたは太陽電池基材、ディスプレー装置用カバー、タッチパネル、並びに遊技機(パチンコ機など)用部品(回路カバー、シャーシ、パチンコ玉搬送ガイドなど)などの幅広い用途に使用可能である。したがって本発明のポリカーボネート樹脂成形体は、各種電子・電気機器、OA機器、車両部品、機械部品、その他農業資材、漁業資材、搬送容器、包装容器、遊戯具および雑貨などの各種用途に有用であり、その奏する産業上の効果は格別である。

Claims (11)

  1. (A)ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)無機系赤外線遮蔽材料(B成分)0.001〜0.1重量部、および(C)下記式(1)で表されるベンゾオキサジン骨格を有する紫外線吸収剤(C成分)0.01〜1重量部を含むことを特徴とする樹脂組成物。
    Figure 2011168636
  2. B成分が一般式MxWyOz(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される元素を表し、x、y、zは0.01≦x≦1、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3.0の式を満たす数である。)で表される複合タングステン酸化物微粒子である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. B成分の粒子径が1nm〜800nmである請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. MがLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、およびBaよりなる群より選択される元素である請求項2記載の樹脂組成物。
  5. 複合タングステン酸化物粒子が分散剤で被覆されていることを特徴する請求項2〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. (D)熱安定剤(D成分)をポリカーボネート樹脂100重量部に対し、0.0001〜1重量部含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 熱安定剤(D成分)が、リン系安定剤(D−1成分)、ヒンダードフェノール系安定剤(D−2成分)およびイオウ系安定剤(D−3成分)からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱安定剤である請求項6に記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物よりなる成形品。
  9. 可視光透過率が40%〜90%の範囲であり、かつTts(Solar total transmittance)の値が70%以下である請求項8に記載の成形品。
  10. 表面にハードコート処理を施される請求項8または9に記載の成形品。
  11. 成形品が車両用窓部材、車両用灯具もしくは建築材用窓部材である請求項8〜10のいずれかに記載の成形品。
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