以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は、実施形態に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、各検査項目分析用の標準試料と試薬の混合液や被検試料と各検査項目分析用の試薬の混合液を測定して標準データ、反応データ及び被検データの各データを生成する分析部10と、分析部10の測定に関る各分析ユニットを駆動する機構部41と、機構部41を制御する分析制御部42と、分析部10の測定により生成される反応データに基づいて被検試料及び試薬の混合液の反応を継続させる必要があるか否かを判定する判定部50とを備えている。
また、自動分析装置100は、分析部10での測定により生成される標準データや被検データに基づいて検量データや分析データの生成を行うデータ処理部60と、データ処理部60で生成された検量データや分析データを印刷出力や表示出力する出力部70とを備えている。また、各検査項目の分析パラメータを設定するための入力等を行う操作部80と、分析制御部42、判定部50、データ処理部60及び出力部70を制御するシステム制御部90とを備えている。
図2は、分析部10の構成を示した斜視図である。この分析部10は、各検査項目分析用の標準試料や被検試料等の各試料を収容する試料容器11と、この試料容器11を移動可能に保持するサンプルテーブル12とを備えている。また、各検査項目の分析用の試薬を収容する試薬容器13と、試薬容器13内の試薬を保冷する2つの試薬庫15,16と、試薬容器13を移動可能に保持する試薬庫15,16内に配置された2つの試薬ラック14とを備えている。また、円周上に等間隔で一列に配置された例えば165個の反応容器17を一方向へ回転移動可能に保持する反応テーブル18を備えている。
また、サンプルテーブル12に保持された試料容器11内の試料を吸引して試料吐出位置で停止した反応容器17内へ吐出する分注を行うサンプル分注プローブ19と、サンプル分注プローブ19を回動移動及び上下移動可能に保持するサンプル分注アーム20とを備えている。また、試薬庫15内の試薬ラック14に保持された試薬容器13内の試薬を吸引して第1試薬吐出位置で停止した反応容器17内に吐出する分注を行う第1試薬分注プローブ21と、第1試薬分注プローブ21を回動移動及び上下移動可能に保持する第1試薬分注アーム22とを備えている。
また、第1試薬分注プローブ21により試薬が吐出された後に第1撹拌位置で停止した反応容器17内の試料及び試薬の混合液を撹拌する第1撹拌子23と、第1撹拌子23を回動移動及び上下移動可能に保持する第1撹拌アーム24とを備えている。また、試薬庫16内の試薬ラック14に保持された試薬容器13内の試薬を吸引して第2試薬吐出位置で停止した反応容器17内に吐出する分注を行う第2試薬分注プローブ25と、第2試薬分注プローブ25を回動移動及び上下移動可能に保持する第2試薬分注アーム26とを備えている。
また、第2試薬分注プローブ25により試薬が吐出された後に第2撹拌位置で停止した反応容器17内の試料及び試薬の混合液を撹拌する第2撹拌子27と、第2撹拌子27を回動移動及び上下移動可能に保持する第2撹拌アーム28と、測定位置の反応容器17に光を照射して混合液を光学的に測定する測定部29と、測定部29で測定を終了して洗浄位置で停止した反応容器17内を洗浄する洗浄ノズル30とを備えている。
測定部29は、回転移動している測定位置の各反応容器17に光を照射し、反応容器17内の混合液を透過した光を検出する測定により、混合液に含まれる検査項目成分と試薬に含まれる基質等との直接的又は間接的に反応する反応状態を吸光度で示す各データを生成する。そして、標準試料及び試薬の混合液の測定により標準データを生成してデータ処理部60に出力する。また、被検試料及び試薬の混合液の測定により反応データを生成して判定部50に出力する。更に、被検試料及び試薬の混合液の測定により被検データを生成してデータ処理部60に出力する。
図1に示した機構部41は、分析部10の各分析ユニットを駆動する機構を備えている。そして、サンプルテーブル12を駆動して試料容器11を移動する。また、各試薬ラック14を駆動して試薬容器13を回動移動する。また、反応テーブル18を駆動して反応容器17を回転移動する。また、サンプル分注アーム20、第1試薬分注アーム22、第1撹拌アーム24、第2試薬分注アーム26、及び第2撹拌アーム28を夫々回動駆動及び上下駆動して、サンプル分注プローブ19、第1試薬分注プローブ21、第1撹拌子23、第2試薬分注プローブ25、及び第2撹拌子27をそれぞれ回動移動及び上下移動する。また、洗浄ノズル30を上下移動する。
また、機構部41は、各ポンプを駆動する。そして、サンプル分注プローブ19に試料の吸引及び吐出を行わせる。また、第1試薬分注プローブ21に試薬の吸引及び吐出を行わせる。また、第1撹拌子23を駆動して反応容器17内の混合液の撹拌を行わせる。また、第2試薬分注プローブ25に試薬の吸引及び吐出を行わせる。また、第2撹拌子27を駆動して反応容器17内の混合液の撹拌を行わせる。また、洗浄ノズル30に反応容器17内の混合液の吸引、反応容器17内の洗浄を行うための洗浄液の吐出及び吸引を行わせる。
分析制御部42は、各検査項目の分析パラメータや判定部50の判定結果等に基づいて機構部41の各機構、分析部10の測定部29等を制御する。そして、判定部50により判定が行われ、標準試料又は被検試料、及び試薬の混合液を収容する反応容器17が洗浄ノズル30により洗浄が行われてから洗浄位置で1回目に停止したときに当該反応容器17の洗浄を行わせる。
また、分析制御部42は、判定部50により判定が行われ、被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされた場合、当該混合液を収容する反応容器17が洗浄ノズル30により洗浄が行われてから洗浄位置で1回目に停止したときに洗浄を行わせる、又は洗浄位置でn回目(nは2以上の整数)に停止するまで当該反応容器17の洗浄を停止させる。また、被検試料及び試薬の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、当該混合液を収容する反応容器17が洗浄ノズル30により洗浄が行われてから洗浄位置でm回目(mはn以上の整数)に停止するまで当該反応容器17の洗浄を停止させる。
判定部50は、分析部10の測定部29における被検試料及び試薬の混合液の測定により生成される反応データに基づいて、当該混合液の反応を継続させる必要があるか否かを判定する。そして、判定結果を分析制御部42に出力する。
データ処理部60は、分析部10の測定部29から出力された標準データや被検データに基づいて各検査項目の検量データや分析データを生成する演算部61と、演算部61で生成された標準データや分析データを保存するデータ記憶部62とを備えている。
演算部61は、測定部29から出力された標準データとこの標準データの標準試料に予め設定された標準値との関係を示す検量データを生成し、生成した検量データを出力部70に出力すると共にデータ記憶部62に保存する。
また、測定部29から出力された被検データに対応する検査項目の検量データをデータ記憶部62から読み出し、読み出した検量データ及び被検データから濃度値や酵素の活性値で表される分析データを生成する。そして、生成した分析データを出力部70に出力すると共にデータ記憶部62に保存する。
データ記憶部62は、ハードディスク等のメモリデバイスを備え、演算部61から出力された検量データを検査項目毎に保存する。また、演算部61から出力された各検査項目の分析データを被検試料毎に保存する。
出力部70は、データ処理部60の演算部61から出力された検量データや分析データを印刷出力する印刷部71及び表示出力する表示部72を備えている。そして、印刷部71は、プリンタなどを備え、演算部61から出力された検量データや分析データを予め設定されたフォーマットに従って、プリンタ用紙などに印刷する。
表示部72は、CRTや液晶パネルなどのモニタを備え、演算部61から出力された検量データや分析データを表示する。また、検査項目毎にラウンド数、反応データを生成させる測定のタイミングである判定区間、標準データや被検データを生成させる測定のタイミングである測定区間等の分析パラメータを設定するための分析パラメータ設定画面を表示する。また、被検試料毎に被検試料を識別する氏名やID等の被検識別情報の設定及び検査に必要な検査項目を設定するための検査項目設定画面等を表示する。
操作部80は、キーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを備えている。そして、ラウンド数、判定区間、測定区間等の分析パラメータを検査項目毎に設定するための入力を行う。また、被検試料の被検識別情報及び検査項目を設定するための入力等を行う。
システム制御部90は、CPU及び記憶回路を備え、操作部80からの操作により入力されたコマンド信号、各検査項目の分析パラメータの情報、被検識別情報及び検査項目の情報等の入力情報を記憶回路に記憶した後、これらの入力情報に基づいて、分析制御部42、判定部50、データ処理部60、及び出力部70を統括してシステム全体を制御する。
次に、図1乃至図4を参照して、分析部10、判定部50及びデータ処理部60の動作の一例を説明する。
先ず、分析部10の反応テーブル18、反応容器17及び測定部29の動作の概略を説明する。
図3は、分析部10の反応テーブル18に保持された各反応容器17の各停止位置及び測定部29の位置を示した図である。この反応テーブル18は、機構部41により回転駆動される。各反応容器17は、1サイクルタイム毎に一方向へ回転移動して移動前とは異なる洗浄位置W、試料吐出位置Pa、第1試薬吐出位置Pb、第1撹拌位置Pc、第2試薬吐出位置Pd、及び第2撹拌位置Peを含む各停止位置で停止する。そして、1サイクルタイムよりも長い時間である1ラウンドタイム毎に同じ停止位置で停止する。
そして、洗浄位置Wの反応容器17が洗浄ノズル30により洗浄が行われてから、1ラウンドタイム後に洗浄位置Wで1回目に停止するまでの間を第1ラウンドとする。また、第1ラウンドに洗浄が停止された洗浄位置Wの反応容器17が、1ラウンドタイム後に洗洗浄位置Wで2回目に停止するまでの間を第2ラウンドとする。更に、第2ラウンドに洗浄が停止された洗浄位置Wの反応容器17が、1ラウンドタイム後に洗洗浄位置Wで3回目に停止するまでの間を第3ラウンドとする。
以下では、各反応容器17が反応テーブル18の角度θの回転駆動により、1サイクルタイム毎に矢印R1方向へ回転移動して、移動前の位置からR1方向に例えば90°の角度に位置する反応容器17に対して、R1方向とは反対方向に隣接する反応容器17の位置で停止する場合の例について説明する。
測定部29は、各反応容器17の内外周に跨って配置される。そして、反応テーブル18の回転毎に測定位置PMを回転移動中の各反応容器17に光を照射し、各反応容器17内の混合液を透過した光を検出する。そして、測定位置PMを通過するタイミングでの測定により標準データ、反応データ及び被検データを生成する。
次に、洗浄ノズル30の構成及び動作について説明する。
図4は、洗浄ノズル30の構成及び各反応容器17の各停止位置を示した図である。この洗浄ノズル30は、例えば7個の第1乃至第7洗浄ノズル31乃至37により構成される。そして、第1乃至第7洗浄ノズル31乃至37は、洗浄位置Wの第1乃至第7洗浄位置W1乃至W7で機構部41の上下駆動によりそれぞれ独立して上下方向に移動可能に配置される。
各第1乃至第7洗浄ノズル31乃至37は、反応テーブル18が回転している間、反応テーブル18上方の上停止位置で停止している。そして、反応テーブル18が停止し、各第1乃至第7洗浄位置W1乃至W7で洗浄対象の反応容器17が停止しているとき、下方向に移動して反応容器17内に進入し、下端が反応容器17内の底面に近接する下停止位置で停止して洗浄を行う。洗浄を終了した後、上方向に移動して上停止位置で停止する。
第1洗浄ノズル31は、判定部50により反応の継続を不要とする判定がなされた混合液を収容する反応容器17が第1洗浄位置W1で停止しているときや、分析パラメータとして設定されたラウンド数に達した反応容器17が第1洗浄位置W1で停止しているとき、下方向に移動して下停止位置で停止する。そして、反応容器17内の混合液の吸引による洗浄を行う。また、判定部50により反応の継続を必要とする判定がなされた混合液を収容する反応容器17が第1洗浄位置W1で停止しているときや、分析パラメータとして設定されたラウンド数に未達の反応容器17が第1洗浄位置W1で停止しているとき、上停止位置に位置して洗浄を停止する。
第2洗浄ノズル32は、第1洗浄位置W1で洗浄が行われた反応容器17が第2洗浄位置W2で停止しているとき、下方向に移動して下停止位置で停止する。そして、反応容器17内に残留する混合液を洗い落とすための例えばアルカリ性洗浄液等の第1の洗浄液の吐出及び吐出した第1の洗浄液の吸引による洗浄を行う。また、第1洗浄位置W1で洗浄が停止された反応容器17が第2洗浄位置W2で停止しているとき、上停止位置に位置して洗浄を停止する。
第3洗浄ノズル33は、第2洗浄位置W2で洗浄が行われた反応容器17が第3洗浄位置W3で停止しているとき、下方向に移動して下停止位置で停止する。そして、第1の洗浄液では落とすことができない反応容器17内の混合液を洗い落とすための例えば酸性洗浄液等の第2の洗浄液の吐出及び吐出した第2の洗浄液の吸引による洗浄を行う。また、第2洗浄位置W2で洗浄が停止された反応容器17が第3洗浄位置W3で停止しているとき、上停止位置に位置して洗浄を停止する。
第4洗浄ノズル34は、第3洗浄位置W3で洗浄が行われた反応容器17が第4洗浄位置W4で停止しているとき、下方向に移動して下停止位置で停止する。そして、反応容器17内の第2の洗浄液を洗い落とすための洗浄液である例えば洗浄水の吐出及び吐出した洗浄水の吸引による洗浄を行う。また、第3洗浄位置W3で洗浄が停止された反応容器17が第4洗浄位置W4で停止しているとき、上停止位置に位置して洗浄を停止する。
第5洗浄ノズル35は、第4洗浄位置W4で洗浄が行われた反応容器17が第5洗浄位置W5で停止しているとき、下方向に移動して下停止位置で停止する。そして、反応容器17内の洗浄水の吐出及び吐出した洗浄水の吸引による洗浄を行う。また、第4洗浄位置W4で洗浄が停止された反応容器17が第5洗浄位置W5で停止しているとき、上停止位置に位置して洗浄を停止する。
第6洗浄ノズル36は、第5洗浄位置W5で洗浄が行われた反応容器17が第6洗浄位置W6で停止しているとき、下方向に移動して下停止位置で停止する。そして、反応容器17内に残留する洗浄水の吸引による洗浄を行う。また、第5洗浄位置W5で洗浄が停止された反応容器17が第6洗浄位置W6で停止しているとき、上停止位置に位置して洗浄を停止する。
第7洗浄ノズル37は、第6洗浄位置W6で洗浄が行われた反応容器17が第7洗浄位置W7で停止しているとき、下方向に移動して下停止位置で停止する。そして、反応容器17内に残留する洗浄水の更なる吸引による洗浄を行う。また、第6洗浄位置W6で洗浄が停止された反応容器17が第7洗浄位置W7で停止しているとき、上停止位置に位置して洗浄を停止する。
次に、反応テーブル18の回転毎に各反応容器17が停止する各停止位置、並びに各停止位置における試料と試薬の分注及び撹拌の動作の一例を説明する。
分析制御部42は、洗浄ノズル30の第7洗浄ノズル37が上停止位置で停止している状態で、第7洗浄ノズル37による洗浄を終えて洗浄位置Wの第7洗浄位置W7で停止している反応容器17を、被検試料毎に設定された検査項目の分析用として決定する。
そして、操作部80からの入力により分析パラメータのラウンド数としてp(正の整数)が設定され、且つ、判定部50で判定が行われない場合、分析制御部42は、検査項目の分析用として決定した反応容器17を、試料吐出位置Pa、第1試薬吐出位置Pb、第1撹拌位置Pc、第2試薬吐出位置Pd、及び第2撹拌位置Peの各停止位置でp回停止させる。そして、pラウンドタイム後に洗浄位置Wでp回目に停止するまで検査項目の分析用として決定した反応容器17の洗浄を停止させる。また、ラウンド数としてpが設定され、且つ、判定部50で判定が行われる場合、検査項目の分析パラメータ及び判定部50での判定結果に基づいて、検査項目の分析用として決定した反応容器17が洗浄位置Wで最大p回目に停止するまで洗浄を停止させる。
また、試料吐出位置Paで検査項目分析用の反応容器17に最大p回のタイミングで試料の吐出が可能となり、p回のタイミングのうちの少なくとも1回のタイミングで試料を吐出させることができる。また、第1試薬吐出位置Pbで検査項目分析用の反応容器19に最大p回のタイミングで試薬の吐出が可能となり、p回のタイミングのうちの少なくとも1回のタイミングで試薬を吐出させることができる。また、第1撹拌位置Pcで検査項目分析用の反応容器19内の混合液の撹拌が最大p回のタイミングで可能となり、p回のタイミングのうちの少なくとも1回のタイミングで混合液を撹拌させることができる。また、第2試薬吐出位置Pdで検査項目分析用の反応容器19に最大p回のタイミングで試薬の吐出が可能となり、p回のタイミングのうちの少なくとも1回のタイミングで試薬を吐出させることができる。また、第2撹拌位置Peで検査項目分析用の反応容器19内の混合液の撹拌が最大p回のタイミングで可能となり、p回のタイミングのうちの少なくとも1回のタイミングで混合液を撹拌させることができる。
第1ラウンドの1サイクル目において、洗浄位置Wで洗浄された後に検査項目分析用として決定された反応容器17は、反応テーブル18の角度θの回転により第7洗浄位置W7から回転移動した位置で停止する。
1サイクル目から1サイクルタイム経過した2サイクル目において、検査項目分析用の反応容器17は、洗浄が行われてから試料吐出位置Paで1回目に停止する。そして、第1ラウンドのタイミングで試料の吐出が設定されている場合、サンプル分注プローブ19は、サンプルテーブル12に保持された試料容器11から試料を吸引して、試料吐出位置Paの反応容器17内に吐出する。
2サイクル目から1サイクルタイム経過した3サイクル目において、2サイクル目に試料吐出位置Paで停止した反応容器17は、洗浄が行われてから第1試薬吐出位置Pbで1回目に停止する。そして、第1ラウンドのタイミングで第1試薬吐出位置Pbからの試薬の吐出が設定されている場合、第1試薬分注プローブ21は、試薬庫15の試薬ラック14に保持された試薬容器13から試薬を吸引して、第1試薬吐出位置Pbの反応容器17内に吐出する。
3サイクル目から2サイクルタイム経過した5サイクル目において、3サイクル目に第1試薬吐出位置Pbで停止した反応容器17は、洗浄が行われてから第1撹拌位置Pcで1回目に停止する。そして、第1ラウンドのタイミングで第1撹拌位置Pcからの混合液の撹拌が設定されている場合、第1撹拌子23は、第1撹拌位置Pcの反応容器17内における試料及び試薬の混合液を撹拌する。
5サイクル目から所定のサイクルタイム経過したdサイクル目において、5サイクル目に第1撹拌位置Pcで停止した反応容器17は、洗浄が行われてから第2試薬吐出位置Pdで1回目に停止する。そして、第1ラウンドのタイミングで第2試薬吐出位置Pdからの試薬の吐出が設定されている場合、第2試薬分注プローブ25は、試薬庫16の試薬ラック14に保持された試薬容器13から試薬を吸引して、第2試薬吐出位置Pdの反応容器17内に吐出する。
dサイクル目から1サイクルタイム経過した(d+1)サイクル目において、dサイクル目に第2試薬吐出位置Pdで停止した反応容器17は、洗浄が行われてから第2撹拌位置Peで1回目に停止する。そして、第1ラウンドのタイミングで第2撹拌位置Peからの混合液の撹拌が設定されている場合、第2撹拌子27は、第2撹拌位置Peの反応容器17内の混合液を撹拌する。
(d+1)サイクル目から所定のサイクルタイム経過したfサイクル目において、(d+1)サイクル目に第2撹拌位置Peで停止した反応容器17は、洗浄が行われてから第1洗浄位置W1で1回目に停止する。そして、第1洗浄ノズル31は、反応の継続を必要とする判定がなされた混合液を収容する反応容器17である場合、第1洗浄位置W1の反応容器17の洗浄を停止する。また、反応の継続を不要とする判定がなされた混合液を収容する反応容器17である場合、第1洗浄位置W1の反応容器17の洗浄を行う。
fサイクル目から4サイクルタイム経過した(f+4)サイクル目において、fサイクル目に第1洗浄位置W1で停止した反応容器17は、第2洗浄位置W2で停止する。第2洗浄ノズル32は、fサイクル目に第1洗浄位置W1で洗浄が停止された反応容器17である場合、第2洗浄位置W2の反応容器17の洗浄を停止する。また、fサイクル目に第1洗浄位置W1で洗浄が行われた反応容器17である場合、第2洗浄位置W2の反応容器17の洗浄を行う。
(f+4)サイクル目から4サイクルタイムの倍数で経過した各(f+8)サイクル目、(f+12)サイクル目、(f+16)サイクル目、(f+20)サイクル目、及び(f+24)サイクル目において、(f+4)サイクル目に第2洗浄位置W2で停止した反応容器17は、各第3乃至第7洗浄位置W3乃至W7で停止する。そして、各第3乃至第7洗浄ノズル33乃至37は、(f+4)サイクル目に第2洗浄位置W2で洗浄が停止された反応容器17である場合、各第3乃至第7洗浄位置W3乃至W7の反応容器17の洗浄を停止する。また、(f+4)サイクル目に第2洗浄位置W2で洗浄が行われた反応容器17である場合、各第3乃至第7洗浄位置W3乃至W7の反応容器17の洗浄を行う。
(f+24)サイクル目に第7洗浄位置W7で停止した検査項目分析用の反応容器17は、洗浄を停止した第7洗浄ノズル37が上停止位置で停止している状態で、第7洗浄位置W7で停止しているときの位置を第1ラウンドの終了位置とする。そして、第7洗浄位置W7で洗浄が停止された反応容器17は、第1ラウンドの終了位置を第2ラウンドの開始位置として、第2ラウンド中に試料吐出位置Pa、第1試薬吐出位置Pb、第1撹拌位置Pc、第2試薬吐出位置Pd、第2撹拌位置Pe及び洗浄位置Wの順に停止する。
ラウンド数が2である場合、検査項目分析用の反応容器17は、洗浄位置Wで2回目に停止したときに洗浄ノズル30により洗浄が行われ、洗浄を終えた第7洗浄ノズル37が上停止位置で停止しているときの位置を第2ラウンドの終了位置とする。そして、次の検査項目分析用の反応容器17として決定される。
次に、測定部29及びデータ処理部60の演算部61の動作の詳細を説明する。
測定部29は、測定位置PMを通過するタイミングが設定された測定区間のタイミングでの測定により標準データや被検データを生成する。また、測定位置PMを通過するタイミングが設定された判定区間のタイミングでの測定により反応データを生成する。
ここで、判定部50で判定が行われ、ラウンド数が1である場合、測定部29は、洗浄位置Wで洗浄が行われてから、標準試料及び試薬の混合液を収容する反応容器17が洗浄位置Wで1回目に停止するまでの区間内に設定される第1測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により標準データを生成する。演算部61は、測定部29で生成された標準データに基づいて検量データを生成する。
また、測定部29は、洗浄位置Wで洗浄が行われてから、被検試料及び試薬の混合液を収容する反応容器17が洗浄位置Wで1回目に停止するまでの区間内に設定される判定区間のタイミングでの当該混合液の測定により反応データを生成する。そして、反応データに基づいて被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされた場合、第1測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により被検データを生成する。また、反応データに基づいて被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、洗浄位置Wで洗浄が行われてから、被検試料及び試薬の混合液を収容する反応容器17が洗浄位置Wで1回目に停止するまでの区間のうちの、第1測定区間及びこの第1測定区間よりも後の区間を含む区間内に設定される第2測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により被検データを生成する。
演算部61は、被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされた場合、第1測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により生成される被検データ及び検量データから分析データを生成する。また、被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、第2測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により生成される被検データ及び検量データから分析データを生成する。
このように、反応の継続を不要とする判定がなされた場合に第1測定区間のタイミングで測定することにより早いタイミングで分析データを生成することができる。また、反応の継続を必要とする判定がなされた場合に第2測定区間のタイミングで測定することにより、混合液を長い時間反応させることができるため精度よく測定することができる。
次に、判定部50で判定が行われ、ラウンド数が1であり、1つの標準試料では検量データが分析可能な範囲が不十分である検査項目の分析用に複数の第1及び第2標準試料が用いられる場合、測定部29は、洗浄位置Wで洗浄が行われてから、第1の標準試料及び試薬の混合液を収容する反応容器17が洗浄位置Wで1回目に停止するまでの区間内に設定される第1測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により第1の標準データを生成し、第2の標準試料及び試薬の混合液を収容する反応容器17が洗浄位置Wで1回目に停止するまでの区間のうちの、第1測定区間及びこの第1測定区間よりも後の区間を含む区間内に設定される第2測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により第2の標準データを生成する。演算部61は、第1の標準データに基づいて第1の検量データを生成し、第2の標準データに基づいて第2の検量データを生成する。
測定部29は、洗浄位置Wで洗浄が行われてから、被検試料及び試薬の混合液を収容する反応容器17が洗浄位置Wで1回目に停止するまでの区間内に設定される判定区間のタイミングでの当該混合液の測定により反応データを生成する。そして、反応データに基づいて被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされた場合、第1測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により被検データを生成する。また、反応データに基づいて被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、第2測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により被検データを生成する。
演算部61は、被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされた場合、第1測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により生成される被検データ及び第1の検量データから分析データを生成する。また、被検試料及び試薬の合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、第2測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により生成される被検データ及び第2の検量データから分析データを生成する。
このように、第1の標準試料及び試薬の混合液を第1測定区間のタイミングで測定して第1の検量データを生成し、第2の標準試料及び試薬の混合液を第2測定区間のタイミングで測定して第2の検量データを生成することにより、検査項目成分の分析可能な範囲を拡張することができる。そして、被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされた場合、第1測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により生成される被検データに対して第1の検量データを用いることにより早いタイミングで分析データを生成することができる。また、被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、第2測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により生成される被検データに対して第2の検量データを用いることにより、精度よく測定することができる。
次に、判定部50で判定が行われ、ラウンド数がm(mは2以上の整数)である場合、測定部29は、洗浄位置Wで洗浄が行われてから、標準試料及び試薬の混合液を収容する反応容器17が洗浄位置Wで1回目又はn回目(2≦n≦m)に停止するまでの区間内に設定される第1測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により標準データを生成する。演算部61は、標準データに基づいて検量データを生成する。
測定部29は、洗浄位置Wで洗浄が行われてから、被検試料及び試薬の混合液を収容する反応容器17が洗浄位置Wで1回目又はn回目に停止するまでの区間内に設定される判定区間のタイミングでの当該混合液の測定により反応データを生成する。そして、反応データに基づいて被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされた場合、第1測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により被検データを生成する。また、反応データに基づいて被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、洗浄位置Wで洗浄が行われてから被検試料及び試薬の混合液を収容する反応容器17が洗浄位置Wでm回目に停止するまでの区間のうちの、第1測定区間及びこの第1測定区間よりも後の区間を含む区間内に設定される第2測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により被検データを生成する。
演算部61は、被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされた場合、第1測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により生成される被検データ及び検量データから分析データを生成する。また、被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、第2測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により生成される被検データ及び検量データから分析データを生成する。
このように、反応の継続を不要とする判定がなされた場合に反応容器17が洗浄位置Wで1回目又はn回目に停止するまでの区間内に設定された第1測定区間のタイミングで測定し、反応の継続を必要とする判定がなされた場合に洗浄位置Wでm回目に停止するまでの区間内に設定された第2測定区間のタイミングで測定することができる。これにより、洗浄位置Wで1回目に停止するまでの第1及び第2測定区間のタイミングで測定する場合よりも、被検試料及び試薬の混合液を長時間反応させることができる。そして、第1測定区間のタイミングで測定することにより早いタイミングで分析データを生成することができ、第2測定区間のタイミングで測定することにより、混合液を長い時間反応させることができるため、精度よく測定することができる。
次に、判定部50で判定が行われ、ラウンド数がmであり、標準試料が第1及び第2標準試料からなる場合、測定部29は、洗浄位置Wで洗浄が行われてから、第1の標準試料及び試薬の混合液を収容する反応容器17が洗浄位置Wで1回目又はn回目に停止するまでの区間内に設定される第1測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により第1の標準データを生成する。また、洗浄位置Wで洗浄が行われてから、第2の標準試料及び試薬の混合液を収容する反応容器17が洗浄位置Wでm回目に停止するまでの区間のうちの、第1測定区間及びこの第1測定区間よりも後の区間を含む区間内に設定される第2測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により第2の標準データを生成する。演算部61は、第1の標準データに基づいて第1の検量データを生成し、第2の標準データに基づいて第2の検量データを生成する。
測定部29は、洗浄位置Wで洗浄が行われてから、被検試料及び試薬の混合液を収容する反応容器17が洗浄位置Wで1回目又はn回目に停止するまでの区間内に設定される判定区間のタイミングでの当該混合液の測定により反応データを生成する。そして、反応データに基づいて被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされた場合、第1測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により被検データを生成する。また、反応データに基づいて被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、第2測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により被検データを生成する。
演算部61は、被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされた場合、第1測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により生成される被検データ及び第1の検量データから分析データを生成する。また、被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、第2測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により生成される被検データ及び第2の検量データから分析データを生成する。
次に、判定部50で判定が行われ、ラウンド数がmであり、反応データが第1及び第2の反応データからなる場合、測定部29は、洗浄位置Wで洗浄が行われてから、標準試料及び試薬の混合液を収容する反応容器17が洗浄位置Wで1回目又はn回目に停止するまでの区間内に設定される第1測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により標準データを生成する。演算部61では、標準データに基づいて検量データを生成する。
測定部29は、洗浄位置Wで洗浄が行われてから、被検試料及び試薬の混合液を収容する反応容器17が洗浄位置Wで1回目又はn回目に停止するまでの区間内に設定される第1判定区間のタイミングでの当該混合液の測定により第1の反応データを生成する。また、第1の反応データに基づいて被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、被検試料及び試薬の混合液を収容する反応容器17が洗浄位置Wでm回目に停止するまでの区間のうちの、第1判定区間及びこの第1判定区間よりも後の区間を含む区間内に設定される第2判定区間のタイミングでの測定により第2の反応データを生成する。
また、測定部29は、第1の反応データに基づいて被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされた場合、第1測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により被検データを生成する。また、第2の反応データに基づいて被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされた場合、当該反応容器17が洗浄位置Wでm回目に停止するまでの区間のうちの、第1測定区間及びこの第1測定区間よりも後の区間を含む区間内に設定される第2測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により被検データを生成する。また、第2の反応データに基づいて被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、当該反応容器17が洗浄位置Wでm回目に停止するまでの区間のうちの、第2測定区間及びこの第2測定区間よりも後の区間を含む区間内に設定される第3測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により被検データを生成する。
演算部61は、第1の反応データに基づいて被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされた場合、第1測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により生成される被検データ及び検量データから分析データを生成する。また、第2の反応データに基づいて被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされた場合、第2測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により生成される被検データ及び検量データから分析データを生成する。更に、第2の反応データに基づいて被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、第3測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により生成される被検データ及び検量データから分析データを生成する。
以下、図1乃至図10を参照して、自動分析装置100の動作の一例を説明する。以下では、第1及び第2試薬分注プローブ21,25の数よりも多い数の第1乃至第3試薬並びに判定部50による判定を必要とする検査項目Aと、第1及び第2試薬並びに判定部50による判定を必要とする検査項目Bとの分析についての動作を説明する。
先ず、検査項目Aの分析パラメータを設定するための入力が操作部80から行われると、出力部70の表示部72に分析パラメータ設定画面が表示される。
図5は、表示部72に表示された検査項目Aの分析パラメータ設定画面の一例を示した図である。この分析パラメータ設定画面73は、検査項目Aの項目名を設定するための「項目」の欄と、ラウンド数として1以上の整数を設定するための「ラウンド」の欄とにより構成される。また、検査項目Aの試料と試薬の反応時間を設定するための「反応時間」の欄と、検査項目Aの試料を吐出するタイミングを設定するための「サンプルパラメータ」の欄により構成される。
また、分析パラメータ設定画面73は、判定部50で判定する判定条件を設定するための「判定パラメータ」の欄と、検査項目Aの試薬を吐出するタイミングを設定するための「試薬パラメータ」の欄とにより構成される。また、分析部10の測定部29で測定するタイミングを設定するための「観測パラメータ」の欄と、撹拌のタイミングを設定するための「撹拌パラメータ」の欄とにより構成される。
更に、分析パラメータ設定画面73は、「ラウンド」、「反応時間」及び「試薬パラメータ」の欄への設定により試料及び試薬の分注のタイミングチャートが表示される「Reaction sequence」の欄等により構成される。そして、各欄には、操作部80からの入力により設定された各分析パラメータが表示されている。
「項目」の欄には、検査項目Aの項目名である「A」が表示されている。また、「ラウンド」の欄には、ラウンド数が2であることを示す「2」が表示されている。また、「反応時間」の欄には、検査項目Aの分析を行うための反応時間が最大で時間T3であることを示す「T3」が表示されている。
「サンプルパラメータ」の欄は、反応容器17に吐出する試料の量を設定するための「吐出量(μL)」の欄及び試料を反応容器17に吐出するタイミングを設定するための「吐出ラウンド」の欄等により構成される。そして、「吐出量(μL)」の欄には、検査項目A分析用の反応容器17内に検査項目A分析用の標準試料や被検試料を5μL吐出することを示す「5」が表示されている。また、「吐出ラウンド」の欄には、第1ラウンドに試料吐出位置Paで停止する検査項目A分析用の反応容器17に検査項目A分析用の各試料を吐出することを示す「1」が表示されている。
このように、ラウンド数として2が設定されている場合、試料吐出位置Paで検査項目A分析用の反応容器17に2回のタイミングで試料の吐出が可能となり、2回のタイミングのうちの1回目のタイミングである第1ラウンドに検査項目A分析用の試料を吐出させる設定を行うことができる。
なお、ラウンド数として2が設定されている場合、「サンプルパラメータ」の欄に「吐出量(μL)」及び「吐出ラウンド」の欄を2つ設け、2つの「吐出量(μL)」の欄にそれぞれ試料の量を設定すると共に「吐出ラウンド」の欄にそれぞれ1と2を設定することにより、第1ラウンドと第2ラウンドの2回のタイミングで試料の吐出を行うことができる。
「判定パラメータ」の欄は、判定部50で判定を実行させるか否かを設定するための「する」の欄と、判定する反応データを生成させる測定のタイミングを設定するための「判定ラウンド」の欄と、反応の継続が必要か否かを判定する判定基準を設定するための「基準」の欄とにより構成される。そして、「する」の欄には、判定部50で判定を実行させることを示す「レ」が四角枠内に表示されている。
「判定ラウンド」の欄には、反応データを生成させるための測定のタイミングが第1ラウンドであることを示す「1」が表示されている。なお、「判定ラウンド」の欄には、「ラウンド」の欄に設定されたラウンド数の範囲内で設定することができる。従って、「2」が表示されていると、反応データを生成させるための測定のタイミングが第2ラウンドになる。
「基準」の欄には、判定基準を示す「A>1.5、ΔA>0.2」が表示されている。ここでは、検査項目Aの混合液の反応特性に基づいて判定基準を設定する。高濃度の検査項目A成分を含有する被検試料の混合液の測定では、例えば第1ラウンドの反応途中で吸光度が検出限界まで上昇して測定精度の悪化や測定不可能を招く可能性がある。このため、第1ラウンドの検出限界に達する前の吸光度や吸光度の変化を検出することができる判定基準を設定する。
この場合、判定部50では、設定された判定基準である1.5Absを超えている吸光度を含む反応データである場合、又は単位時間当たりの吸光度変化が0.2Abs/minを超えている反応データである場合、測定精度の悪化や測定不可能を招く可能性があるため検査項目A分析用の混合液の反応を第2ラウンドまで継続させる必要があると判定する。また、測定部29で測定精度よく測定できる1.5Abs以下の吸光度からなる反応データであり、且つ単位時間当たりの吸光度変化が0.2Abs/min以下となる反応データである場合、検査項目A分析用の混合液の反応の継続を不要と判定する。
「試薬パラメータ」の欄は、検査項目A分析用の試薬を設定するための「試薬」の欄、設定した試薬を識別する例えば試薬名を設定するための「試薬名」の欄、反応容器17に吐出する試薬量を設定するための「吐出量(μL)」の欄、反応容器17に試薬を吐出する試薬吐出位置を設定するための「吐出位置」の欄、反応容器17に試薬を吐出するタイミングを設定するための「吐出ラウンド」の欄により構成される。
「試薬」の欄には、検査項目Aの試薬が3試薬系の第1乃至第3試薬からなり、検査項目A分析用の反応容器17に最初に吐出する第1試薬であることを示す「R1」、及び第1試薬が吐出された後に吐出する第2試薬であることを示す「R2」が表示されている。また、試料、第1試薬及び第2試薬の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、第2試薬が吐出された後に吐出する第3試薬であることを示す「R3」が表示されている。
「試薬名」の欄には、検査項目Aの分析に使用する第1試薬の試薬名が試薬A1であることを示す「A1」が表示されている。また、第2試薬の試薬名が試薬A2であることを示す「A2」が表示されている。また、第3試薬の試薬名が試薬A3であることを示す「A3」が表示されている。
「吐出量(μL)」の欄には、検査項目A分析用の反応容器17内に吐出する第1試薬の試薬量が100μLであることを示す「100」が表示されている。また、検査項目A分析用の反応容器17に吐出する第2試薬の試薬量が50μLであることを示す「50」が表示されている。また、検査項目A分析用の反応容器17に吐出する第3試薬の試薬量が20μLであることを示す「20」が表示されている。
「吐出位置」の欄及び「吐出ラウンド」の欄には、第1ラウンドに第1試薬吐出位置Pbで停止する検査項目A分析用の反応容器17内に第1試薬を吐出することを示す「Pb」及び「1」が表示されている。また、第1ラウンドに第2試薬吐出位置Pdで停止する検査項目A分析用の反応容器17内に第2試薬を吐出することを示す「Pd」及び「1」が表示されている。また、検査項目A分析用の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、第2ラウンドに第1試薬吐出位置Pbで停止する検査項目A分析用の反応容器17内に第3試薬を吐出することを示す「Pb」及び「2」が表示されている。
ここで、被検試料、第1試薬及び第2試薬の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、被検試料には高濃度の検査項目Aの成分が含まれていることになる。従って、検査項目Aの第3試薬としては、検査項目Aの成分と反応する試薬成分が不足することなく被検試料、第1試薬及び第2試薬の混合液を希釈することができる成分を有する試薬を用いる。
このように、ラウンド数として2が設定されている場合、第1試薬吐出位置Pbで検査項目A分析用の反応容器17に2回のタイミングで試薬の吐出が可能となり、1回目のタイミングである第1ラウンドに第1試薬を吐出させる設定を行うことができ、反応の継続を必要とする判定がなされた場合に2回目のタイミングである第2ラウンドに第3試薬を吐出させる設定を行うことができる。また、第2試薬吐出位置Pdで検査項目A分析用の反応容器17に2回のタイミングで試薬の吐出が可能となり、2回のタイミングのうちの1回目のタイミングである第1ラウンドに第2試薬を吐出させる設定を行うことができる。
「観測パラメータ」の欄は、標準データや被検データを生成させる測定を行うタイミングを設定するための「主観測区間」の欄及び「副観測区間」の欄と、反応データを生成させる測定を行うタイミングを設定するための「判定観測区間」の欄とにより構成される。
「主観測区間」の欄には、検査項目Aの成分と試薬が反応している状態の混合液又は反応が終了した状態の混合液を測定するタイミングを設定する。そして、検査項目A分析用の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされた場合、洗浄が行われてから1回目に第1試薬吐出位置Pbで停止した後に測定位置PMを1回目に通過した検査項目A分析用の反応容器17が、測定位置PMを31回目乃至33回目に通過する第1ラウンドの区間である第1測定区間M1Aのタイミングで検査項目A分析用の混合液を測定することを示す「31−33」が表示されている。
ここでは、検査項目A分析用の被検試料、第1試薬及び第2試薬の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされた場合、当該混合液の測定を第1ラウンドで終了可能なように、検査項目A分析用の反応容器17に第2試薬が吐出されてから、検査項目A分析用の反応容器17が洗浄位置Wに1回目に停止するまでの区間内に第1測定区間M1Aを設定している。
また、検査項目A分析用の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、洗浄が行われてから1回目に第1試薬吐出位置Pbで停止した後に測定位置PMを1回目に通過した検査項目A分析用の反応容器17が、測定位置PMを55回目乃至57回目に通過する第2ラウンドの区間である、第1測定区間M1A及びこの第1測定区間M1Aよりも後の区間を含む検査項目A分析用の反応容器17が第2試薬吐出位置Pdに2回目に停止するまでの区間内に設定された第2測定区間M2Aのタイミングで、検査項目A分析用の混合液を測定することを示す「55−57」が表示されている。
なお、「反応時間」の欄に設定された時間T3が検査項目A分析用の反応容器17が第2試薬吐出位置Pdに2回目に停止する時間に対応しているため第2試薬吐出位置Pdに2回目に停止するタイミングを設定可能な最後尾のタイミングとする。
ここでは、検査項目A分析用の被検試料、第1試薬及び第2試薬の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、被検試料、第1試薬、第2試薬及び第3試薬の混合液を測定して第2ラウンドで終了可能なように、検査項目A分析用の反応容器17に第3試薬が吐出されてから、検査項目A分析用の反応容器17が洗浄位置Wに2回目に停止するまでの区間内に第2測定区間M2Aを設定している。
「副観測区間」の欄には、例えば検査項目Aの成分と試薬が反応する前の混合液の色調等の補正の必要に応じて設定される。そして、検査項目A分析用の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされた場合、洗浄が行われてから1回目に第1試薬吐出位置Pbで停止した後に測定位置PMを1回目に通過した検査項目A分析用の反応容器17が、測定位置PMを14回目乃至16回目に通過する第1ラウンドの区間である、第1副測定区間S1Aのタイミングで検査項目A分析用の混合液を測定することを示す「14−16」が表示されている。
また、検査項目A分析用の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、洗浄が行われてから1回目に第1試薬吐出位置Pbで停止した後に測定位置PMを1回目に通過した検査項目A分析用の反応容器17が、測定位置PMを40回目乃至45回目に通過する第2ラウンドの区間である第2副測定区間S2Aのタイミングで検査項目A分析用の混合液を測定することを示す「40−45」が表示されている。
「判定観測区間」の欄には、高濃度の検査項目A成分を含有する被検試料の混合液を測定しているときに「主観測区間」の欄に設定された第1測定区間M1Aで検出限界付近まで達したことを検出することができる測定のタイミングを設定する。そして、洗浄が行われてから1回目に第1試薬吐出位置Pbで停止した後に測定位置PMを1回目に通過した検査項目A分析用の反応容器17が、測定位置PMを30回目乃至33回目に通過する第1ラウンドの区間である判定区間JAのタイミングで、検査項目A分析用の混合液を測定することを示す「30−33」が表示されている。
検査項目A分析用の標準試料は少なくとも第1及び第2の標準試料により構成され、反応の継続を不要とする判定がなされる第1の標準試料と、反応の継続を必要とする判定がなされる第1の標準試料よりも高濃度の検査項目A成分を含有する第2の標準試料を用いる。なお、混合液の反応特性によって、第1及び第2の標準液に同じものが用いられる検査項目がある。
そして、演算部61では、反応の継続を不要とする判定がなされる検査項目A分析用の第1の標準試料並びに第1及び第2試薬の混合液を、「主観測区間」及び「副観測区間」の欄に設定された第1測定区間M1A及び第1副測定区間S1Aのタイミングで測定することにより生成される第1の標準データに基づいて第1の検量データを生成する。また、反応の継続を必要とする判定がなされる検査項目A分析用の第2の標準試料並びに第1乃至第3試薬の混合液を、「主観測区間」及び「副観測区間」の欄に設定された第2測定区間M2A及び第2副測定区間S2Aのタイミングで測定することにより生成される第2の標準データに基づいて第2の検量データを生成する。
「撹拌パラメータ」の欄は、混合液を撹拌する撹拌位置を設定するための「撹拌位置」の欄及び混合液を撹拌するタイミングを設定するための「撹拌ラウンド」の欄により構成される。そして、「撹拌位置」及び「撹拌ラウンド」の欄には、第1ラウンドに第1撹拌位置Pcで停止する検査項目A分析用の反応容器17内の混合液を撹拌することを示す「Pc」及び「1」が表示されている。また、第1ラウンドに第2撹拌位置Peで停止する検査項目A分析用の反応容器17内の混合液を撹拌することを示す「Pe」及び「1」が表示されている。また、検査項目A分析用の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、第2ラウンドに第1撹拌位置Pcで停止する検査項目A分析用の反応容器17内の混合液を撹拌することを示す「Pc」及び「2」が表示されている。
このように、ラウンド数として2が設定されている場合、第1撹拌位置Pcで検査項目A分析用の反応容器17内の混合液を2回のタイミングで撹拌が可能となり、1回目のタイミングである第1ラウンドに混合液を撹拌させる設定を行うことができ、反応の継続を必要とする判定がなされた場合に2回目のタイミングである第2ラウンドに混合液を撹拌させる設定を行うことができる。また、第2撹拌位置Peで検査項目A分析用の反応容器17内の混合液を2回のタイミングで撹拌が可能となり、1回目のタイミングである第1ラウンドに撹拌させる設定を行うことができる。
「Reaction sequence」の欄に表示されたタイミングチャートは、「ラウンド」の欄に設定されたラウンド数に対応する第1及び第2ラウンドを示す2つの矢印1R,2Rにより構成される。また、検査項目A分析用の反応容器17が第1ラウンドに第1試薬吐出位置Pbで1回目に停止してから、第1ラウンドに第2試薬吐出位置Pdで1回目に停止するまでの時間T1を示す「T1」と、第2ラウンドに第1試薬吐出位置Pbで2回目に停止するまでの時間T2を示す「T2」と、第2ラウンドに第2試薬吐出位置Pdで2回目に停止するまでの時間T3を示す「T3」と、「T3」までを反応時間として右方向に示す矢印により構成される。
また、検査項目A分析用の反応容器17が、第1ラウンドに試料吐出位置Paで停止したときに分析用の試料を吐出することを示す「S」及び下方向に向いた矢印により構成される。
また、検査項目A分析用の反応容器17が、第1ラウンドに第1試薬吐出位置Pbで停止したときに第1試薬を100μL吐出することを示す「R1」、「100μL」及び下方向に向いた矢印と、第1ラウンドに第2試薬吐出位置Pdで停止したときに第2試薬を50μL吐出することを示す「R2」、「50μL」及び下方向に向いた矢印と、反応の継続を必要とする判定がなされた場合に第2ラウンドに第1試薬吐出位置Pbで停止したときに第3試薬を20μL吐出することを示す「R3」、「20μL」及び下方向に向いた矢印とにより構成される。
なお、操作部80のマウス及びキーボードを操作して「Reaction sequence」の欄に表示された第1試薬の試薬量である「100μL」を、例えば「90μL」に変更することにより、「試薬量(μL)」の欄に表示された「100」を「90」に変更設定して第1試薬を90μL吐出させることができる。
このように、表示部72に試薬分注のタイミングチャートを表示させることにより、操作者が検査項目Aの試薬の分注のタイミング、試薬量、反応時間等の反応の全容を容易に把握することができる。
分析制御部42は、分析パラメータ設定画面73に表示された分析パラメータに基づいて機構部41を制御し、分析部10の各分析ユニットを作動させる。
第1ラウンドにおいて、サンプル分注プローブ19は、洗浄位置Wの第7洗浄位置W7で洗浄ノズル30の第7洗浄ノズル37により洗浄が行われてから試料吐出位置Paで1回目に停止する検査項目A分析用の反応容器17内に被検試料を5μL吐出する。また、第1試薬分注プローブ21は、第1試薬吐出位置Pbで1回目に停止する被検試料が吐出された検査項目A分析用の反応容器17内に第1試薬を100μL吐出する。また、第1撹拌子23は、第1撹拌位置Pcで1回目に停止する検査項目A分析用の反応容器17内の混合液を撹拌する。また、第2試薬分注プローブ25は、第2試薬吐出位置Pdで1回目に停止する検査項目A分析用の反応容器17内に第2試薬を50μL吐出する。また、第2撹拌子27は、第2撹拌位置Peで1回目に停止する検査項目A分析用の反応容器17内の混合液を撹拌する。
測定部29は、図6に示すように、判定区間JAのタイミングで検査項目A分析用の混合液を測定して反応データを生成する。判定部50は、測定部29で生成された反応データに基づいて判定を行う。そして、吸光度が上昇して判定区間JAで1.5Absを超えている吸光度を含む反応データであるため、反応を継続させる必要があると判定する。
洗浄ノズル30は、洗浄が行われてから洗浄位置Wで1回目に停止する検査項目A分析用の反応容器17の洗浄を停止する。
このように、ラウンド数として2を設定し、反応の継続を必要とする判定がなされた場合、第1ラウンドに洗浄位置Wで停止する検査項目A分析用の反応容器17の洗浄を停止させることにより、被検試料並びに第1及び第2試薬の混合液の反応を第1ラウンドで終わらせることなく継続させることができる。
第2ラウンドにおいて、サンプル分注プローブ19は、洗浄が行われてから試料吐出位置Paで2回目に停止する検査項目A分析用の反応容器17内への被検試料の吐出を停止する。また、第1試薬分注プローブ21は、第1試薬吐出位置Pbで2回目に停止する検査項目A分析用の反応容器17内へ第3試薬を吐出する。第1撹拌子23は、第1撹拌位置Pcで2回目に停止する検査項目A分析用の反応容器17内の混合液を撹拌する。
第2試薬分注プローブ25は、第2試薬吐出位置Pdで2回目に停止する検査項目A分析用の反応容器17内への試薬の吐出を停止する。第2撹拌子27は、第2撹拌位置Peで2回目に停止する検査項目A分析用の反応容器17内の混合液の撹拌を停止する。また、洗浄ノズル30は、洗浄が行われてから洗浄位置Wで2回目に停止する検査項目A分析用の反応容器17内を洗浄する。そして、第2ラウンドで検査項目A分析用としての反応容器17の使用を終了する。
測定部29は、図6に示すように、第2ラウンドにおける第2測定区間M2A及び第2副測定区間S2Aのタイミングで検査項目A分析用の第3の試薬を含む混合液を測定して被検データを生成する。演算部61は、測定部29で生成された被検データ及び第2の検量データから分析データを生成する。出力部70は、分析パラメータ設定画面73の「反応時間」の欄に設定された時間T3のタイミングである、検査項目A分析用の反応容器17が第2試薬吐出位置Pdで2回目に停止するタイミングで検査項目Aの分析データを出力する。
このように、反応の継続を必要とする判定がなされた場合、検査項目A分析用の混合液を収容する反応容器17に第2ラウンドのタイミングで第3試薬を吐出させてから測定することにより、第1ラウンドのタイミングでは測定精度の悪化や測定不可能を招く検査項目A分析用の混合液を精度よく測定することができる。これにより、再度測定を行うことなく分析データを得ることが可能となり、操作者の負担を軽減して迅速に検査を行うことができる。
なお、図7に示すように、判定区間JAのタイミングでの測定により1.5Abs以下の吸光度からなる反応データが得られ、且つ単位時間当たりの吸光度の変化が0.2Abs/min以下となる吸光度変化量ΔAaを有する反応データが生成された場合、判定部50は反応の継続が不要であると判定する。測定部29は、第1ラウンドにおける第1測定区間M1A及び第1副測定区間S1Aのタイミングで検査項目A分析用の混合液を測定して被検データを生成する。演算部61は、測定部29で生成された被検データ及び第1の検量データから分析データを生成する。洗浄ノズル30は、洗浄が行われてから洗浄位置Wで1回目に停止した検査項目A分析用の反応容器17内を洗浄する。第1ラウンドで検査項目A分析用としての反応容器17の使用を終了する。出力部70は、検査項目Aの反応容器17が例えば洗浄位置Wに1回目に停止したタイミングで検査項目Aの分析データを出力する。第1ラウンドで終了するため、第1試薬分注プローブ21による検査項目A分析用の反応容器17への第3試薬の吐出は停止される。
このように、反応の継続を不要とする判定がなされた場合、検査項目A分析用の混合液の測定を第1ラウンドで終了させ、反応の継続を必要とする場合よりも早いタイミングで検査項目Aの分析データを出力させることができる。また、検査項目A分析用の反応容器17を反応の継続を必要とする場合よりも早いタイミングで洗浄させることができる。
次に、検査項目Bの分析パラメータを設定するための入力が操作部80から行われると、出力部70の表示部72に分析パラメータ設定画面が表示される。
図8は、表示部72に表示された検査項目Bの分析パラメータ設定画面の一例を示した図である。この分析パラメータ設定画面74は、図5の分析パラメータ設定画面73と同様に、「項目」の欄、「ラウンド」の欄、「反応時間」の欄、「サンプルパラメータ」の欄、「判定パラメータ」の欄、「試薬パラメータ」の欄、「観測パラメータ」の欄、「撹拌パラメータ」の欄、及び「Reaction sequence」の欄等により構成される。そして、各欄には、操作部80からの入力により設定された各分析パラメータが表示されている。
「項目」の欄には、検査項目Bの項目名である「B」が表示されている。また、「ラウンド」の欄には、ラウンド数が2であることを示す「2」が表示されている。また、「反応時間」の欄には、検査項目Bの分析を行うための反応時間が最大で時間T3であることを示す「T3」が表示されている。
「サンプルパラメータ」の欄は、「吐出量(μL)」及び「吐出ラウンド」の欄等により構成される。そして、「吐出量(μL)」の欄には、検査項目B分析用の反応容器17内に検査項目B分析用の標準試料や被検試料の各試料を5μL吐出することを示す「5」が表示されている。また、「吐出ラウンド」の欄には、第1ラウンドに試料吐出位置Paで停止する検査項目B分析用の反応容器17に検査項目B分析用の各試料を吐出することを示す「1」が表示されている。
「判定パラメータ」の欄は、「する」の欄、「判定ラウンド」の欄及び「基準」の欄により構成される。そして、「する」の欄には、判定部50で判定を実行させることを示す「レ」が四角枠内に表示されている。また、「判定ラウンド」の欄には、判定する反応データを生成させる測定のタイミングが第1ラウンドであることを示す「1」が表示されている。
「基準」の欄には、判定基準を示す「ΔA<0.01、A<0.15」が表示されている。ここでは、検査項目Bの混合液の反応特性に基づいて判定基準を設定する。検査項目B成分の濃度が例えば低濃度域で高い精度が要求されるにもかかわらず、低濃度の検査項目B成分を含有する被検試料と試薬の混合液の測定では、吸光度の変化が小さいので精度よく測定することができない。このため、変化が小さい吸光度を検出することができる判定基準を設定する。
この場合、判定部50では、設定された判定基準である吸光度の変化が0.01Abs/minよりも小さい反応データである場合、又は0.15Absよりも低い吸光度を含む反応データである場合、検査項目B分析用の混合液の反応を継続させる必要があると判定する。また、単位時間当たりの吸光度の変化が0.01Abs/min以上である反応データであり、0.15Abs以上の吸光度からなる反応データである場合、検査項目B分析用の混合液の反応を継続させることが不要であると判定する。
「試薬パラメータ」の欄は、「試薬」の欄、「試薬名」の欄、「吐出量(μL)」の欄、「吐出位置」の欄、及び「吐出ラウンド」の欄により構成される。そして、「試薬」の欄には、検査項目Bの試薬が2試薬系の第1及び第2試薬からなり、最初に分注する試薬が第1試薬であることを示す「R1」、及び第1試薬が分注された後に分注する第2試薬であることを示す「R2」が表示されている。
「試薬名」の欄には、検査項目Bの分析に使用する第1試薬の試薬名が試薬B1であることを示す「B1」が表示され、第2試薬の試薬名が試薬B2であることを示す「B2」が表示されている。また、「吐出量(μL)」の欄には、検査項目B分析用の反応容器17内に吐出する第1試薬の試薬量が80μLであることを示す「80」が表示されている。また、検査項目B分析用の反応容器17に吐出する第2試薬の試薬量が50μLであることを示す「50」が表示されている。
「吐出位置」及び「吐出ラウンド」の欄には、第1ラウンドに第1試薬吐出位置Pbで停止する検査項目B分析用の反応容器17内に第1試薬を吐出することを示す「Pb」及び「1」が表示されている。また、第1ラウンドに第2試薬吐出位置Pdで停止する検査項目B分析用の反応容器17内に第2試薬を吐出することを示す「Pd」及び「1」が表示されている。
「観測パラメータ」の欄は、「主観測区間」の欄、「副観測区間」の欄、及び「判定観測区間」の欄により構成される。
「主観測区間」の欄には、検査項目Bの成分と試薬が反応している状態の混合液又は反応終了した状態の混合液を測定することができるタイミングを設定する。そして、検査項目B分析用の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされた場合、洗浄が行われてから1回目に第1試薬吐出位置Pbで停止した後に測定位置PMを1回目に通過した検査項目B分析用の反応容器17が、測定位置PMを21回目乃至33回目に通過する第1ラウンドの区間である第1測定区間M1Bのタイミングで、検査項目B分析用の混合液を測定することを示す「21−33」が表示されている。
ここでは、検査項目B分析用の被検試料並びに第1及び第2試薬の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされた場合、当該混合液の測定が第1ラウンドで終了可能なように、検査項目B分析用の反応容器17に第2試薬が吐出されてから、検査項目B分析用の反応容器17が洗浄位置Wに1回目に停止するまでの区間内に第1測定区間M1Bを設定している。
また、検査項目B分析用の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、洗浄が行われてから1回目に第1試薬吐出位置Pbで停止した後に測定位置PMを1回目に通過した検査項目B分析用の反応容器17が、測定位置PMを21回目乃至57回目に通過する第1及び第2ラウンドの区間である、第1測定区間M1B及びこの第1測定区間M1Bよりも後の区間を含む検査項目B分析用の反応容器17が第2試薬吐出位置Pdに2回目に停止するまでの区間内に設定された第2測定区間M2Bのタイミングで、検査項目B分析用の混合液を測定することを示す「21−57」が表示されている。
なお、「反応時間」の欄に設定された時間T3が、検査項目B分析用の反応容器17が第2試薬吐出位置Pdに2回目に停止する時間に対応しているため第2試薬吐出位置Pdに2回目に停止するタイミングを設定可能な最後尾のタイミングとする。
ここでは、検査項目B分析用の被検試料並びに第1及び第2試薬の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、当該混合液の測定が第2ラウンドで終了可能なように、検査項目B分析用の反応容器17に第2試薬が吐出されてから、検査項目B分析用の反応容器17が洗浄位置Wに2回目に停止するまでの区間内に第2測定区間M2Bを設定している。
「副観測区間」の欄には、検査項目Bの成分と試薬が反応する前の混合液の色調等の補正の必要に応じて設定される。そして、検査項目B分析用の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされた場合、洗浄が行われてから1回目に第1試薬吐出位置Pbで停止した後に測定位置PMを1回目に通過した検査項目B分析用の反応容器17が、測定位置PMを10回目乃至16回目に通過する第1ラウンドの区間である第1副測定区間S1Bのタイミングで、検査項目B分析用の混合液を測定することを示す「10−16」が表示されている。
また、検査項目B分析用の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、洗浄が行われてから1回目に第1試薬吐出位置Pbで停止した後に測定位置PMを1回目に通過した検査項目B分析用の反応容器17が、測定位置PMを10回目乃至16回目に通過する第1ラウンドの区間である第2副測定区間S2Bのタイミングで、検査項目B分析用の混合液を測定することを示す「10−16」が表示されている。
「判定観測区間」の欄には、低濃度の検査項目B成分を含有する被検試料の混合液を測定しているときに吸光度の変化が小さいことを検出可能なタイミングを設定する。そして、洗浄が行われてから1回目に第1試薬吐出位置Pbで停止した後に測定位置PMを1回目に通過した検査項目B分析用の反応容器17が、測定位置PMを30回目乃至33回目に通過する第1ラウンドの区間である判定区間JBのタイミングで、検査項目B分析用の混合液を測定することを示す「30−33」が表示されている。
判定部50では、「判定パラメータ」の欄に判定を実行させる設定を行うことにより、「判定観測区間」の欄に設定された判定区間JBのタイミングでの測定により生成される反応データ及び「基準」の欄に設定された判定基準に基づいて判定を行う。
なお、判定区間JBを例えば第1判定区間とし、第1判定区間のタイミングでの測定により第1の反応データとして生成させ、第1の反応データに基づいて被検試料並びに第1試薬及び第2試薬の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、洗浄位置Wで洗浄が行われてから当該混合液を収容する反応容器17が洗浄位置Wで2回目に停止するまでの区間のうちの、第1判定区間及びこの第1判定区間よりも後の区間を含む区間内に第2判定区間を設定し、第2判定区間のタイミングでの測定により第2の反応データを生成させるように実施してもよい。この場合、第2の反応データに基づいて反応の継続を不要とする判定がなされた場合、検査項目B分析用の反応容器17が洗浄位置Wで2回目に停止するまでの区間のうちの、第1測定区間M1B及びこの第1測定区間M1Bよりも後の区間を含む区間内に第2測定区間を設定すると共に、第2測定区間及びこの第2測定区間よりも後の区間を含む区間内に第3測定区間を設定する。
データ処理部60の演算部61では、検査項目B分析用の標準試料を含む混合液を、「主観測区間」及び「副観測区間」の欄に設定された第1測定区間M1B及び第1副測定区間S1Bのタイミングで測定することにより得られる標準データに基づいて検量データを生成する。
なお、第2の反応データに基づいて測定するタイミングである第2及び第3測定区間を設定した場合、第1の反応データに基づいて被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされたときに第1測定区間M1Bのタイミングでの当該混合液の測定により生成される被検データに基づいて分析データを生成させ、第2の反応データに基づいて被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされたときに第2測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により生成される被検データに基づいて分析データを生成させ、第2の反応データに基づいて被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされたときに第3測定区間のタイミングでの当該混合液の測定により生成される被検データに基づいて分析データを生成させるように実施する。
「撹拌パラメータ」の欄は、「撹拌位置」の欄及び「撹拌ラウンド」の欄により構成され、第1ラウンドに第1撹拌位置Pcで停止する検査項目B分析用の反応容器17内の混合液を撹拌することを示す「Pc」及び「1」が表示されている。また、第1ラウンドに第2撹拌位置Peで停止する検査項目B分析用の反応容器17内の混合液を撹拌することを示す「Pe」及び「1」が表示されている。
「Reaction sequence」の欄に表示されたタイミングチャートは、「ラウンド」の欄に設定されたラウンド数に対応する第1及び第2ラウンドを示す2つの矢印1R,2Rにより構成される。また、検査項目B分析用の反応容器17が第1ラウンドに第1試薬吐出位置Pbで1回目に停止してから、第1ラウンドに第2試薬吐出位置Pdで1回目に停止するまでの時間T1を示す「T1」と、第2ラウンドに第1試薬吐出位置Pbで2回目に停止するまでの時間T2を示す「T2」と、第2ラウンドに第2試薬吐出位置Pdで2回目に停止するまでの時間T3を示す「T3」と、「T3」までを反応時間として右方向に示す矢印により構成される。
また、検査項目B分析用の反応容器17が、第1ラウンドに試料吐出位置Paで停止したときに分析用の試料を吐出することを示す「S」及び下方向に向いた矢印により構成される。
また、検査項目B分析用の反応容器17が、第1ラウンドに第1試薬吐出位置Pbで停止したときに第1試薬を80μL吐出することを示す「R1」、「80μL」及び下方向に向いた矢印と、第1ラウンドに第2試薬吐出位置Pdで停止したときに第2試薬を50μL吐出することを示す「R2」、「50μL」及び下方向に向いた矢印とにより構成される。
分析制御部42は、分析パラメータ設定画面74に表示された分析パラメータに基づいて機構部41を制御し、分析部10の各分析ユニットを作動させる。
第1ラウンドにおいて、サンプル分注プローブ19は、洗浄位置Wの第7洗浄位置W7で洗浄ノズル30の第7洗浄ノズル37により洗浄が行われてから試料吐出位置Paで1回目に停止する検査項目B分析用の反応容器17内に被検試料を5μL吐出する。また、第1試薬分注プローブ21は、第1試薬吐出位置Pbで1回目に停止する被検試料が吐出された検査項目A分析用の反応容器17内に第1試薬を80μL吐出する。また、第1撹拌子23は、第1撹拌位置Pcで1回目に停止する検査項目B分析用の反応容器17内の混合液を撹拌する。また、第2試薬分注プローブ25は、第2試薬吐出位置Pdで1回目に停止する検査項目B分析用の反応容器17内に第2試薬を50μL吐出する。また、第2撹拌子27は、第2撹拌位置Peで1回目に停止する検査項目B分析用の反応容器17内の混合液を撹拌する。
測定部29は、図9に示すように、判定区間JBのタイミングで検査項目B分析用の被検試料並びに第1試薬及び第2試薬の混合液を測定して反応データを生成する。判定部50は、測定部29の測定により生成された反応データに基づいて判定を行う。そして、例えば単位時間当たりの吸光度の変化が0.01Abs/minよりも小さい吸光度変化量ΔAb1を有する反応データであるため、反応を継続させる必要があると判定する。
洗浄ノズル30は、洗浄が行われてから洗浄位置Wで1回目に停止する検査項目B分析用の反応容器17の洗浄を停止する。
このように、ラウンド数として2を設定し、判定部50により反応の継続を必要とする判定がなされた場合、第1ラウンドに洗浄位置Wで停止する検査項目B分析用の反応容器17の洗浄を停止させることにより、被検試料と第1試薬及び第2試薬との混合液の反応を第1ラウンドで終わらせることなく継続させることができる。
第2ラウンドにおいて、サンプル分注プローブ19は、洗浄が行われてから試料吐出位置Paで2回目に停止する検査項目B分析用の反応容器17内への被検試料の吐出を停止する。また、第1試薬分注プローブ21は、第1試薬吐出位置Pbで2回目に停止する検査項目B分析用の反応容器17内への試薬の吐出を停止する。第1撹拌子23は、第1撹拌位置Pcで2回目に停止する検査項目B分析用の反応容器17内の混合液の撹拌を停止する。第2試薬分注プローブ25は、第2試薬吐出位置Pdで2回目に停止する検査項目B分析用の反応容器17内への試薬の吐出を停止する。第2撹拌子27は、第2撹拌位置Peで2回目に停止する検査項目B分析用の反応容器17内の混合液の撹拌を停止する。洗浄ノズル30は、洗浄が行われてから洗浄位置Wで2回目に停止する検査項目B分析用の反応容器17内を洗浄する。そして、第2ラウンドで検査項目B分析用としての反応容器17の使用を終了する。
測定部29は、図9に示すように、第2主測定区間M2B及び第2副測定区間S2Bのタイミングで検査項目B分析用の混合液を測定して被検データを生成する。演算部61は、測定部29で生成された被検データ及び検量データから分析データを生成する。出力部70は、分析パラメータ設定画面74の「反応時間」の欄に設定された時間T3のタイミングである、検査項目B分析用の反応容器17が第2試薬吐出位置Pdで2回目に停止するタイミングで検査項目Bの分析データを出力する。
なお、図10に示すように、判定区間JBでの測定により単位時間当たりの吸光度の変化が0.01Abs/min以上である吸光度変化量ΔAb2を有する反応データであり、0.15Abs以上の吸光度からなる反応データである場合、判定部50は反応の継続が不要であると判定する。測定部29は、第1主測定区間M1B及び第1副測定区間S2Bのタイミングで検査項目B分析用の混合液を測定して被検データを生成する。演算部61は、測定部29で生成された被検データ及び検量データから分析データを生成する。出力部70は、検査項目Aの反応容器17が洗浄位置Wに1回目に停止したタイミングで検査項目Bの分析データを出力する。洗浄ノズル30は、洗浄が行われてから洗浄位置Wで1回目に停止する検査項目B分析用の反応容器17内を洗浄する。そして、第1ラウンドで検査項目B分析用としての反応容器17の使用を終了する。
このように、反応の継続を不要とする判定がなされた場合、検査項目B分析用の混合液の測定を第1ラウンドで終了させ、反応の継続を必要とする場合よりも早いタイミングで検査項目Bの分析データを出力させることができる。また、検査項目B分析用の反応容器17を反応の継続を必要とする場合よりも早いタイミングで洗浄させることができる。
また、反応の継続を必要とする判定がなされた場合、第1及び第2ラウンドのタイミングで検査項目B分析用の混合液を測定することにより、反応の継続を不要とする判定がなされた場合よりも長時間測定することが可能となり、精度よく測定することができる。これにより、再度測定を行うことなく分析データを得ることが可能となり、操作者の負担を軽減して迅速に検査を行うことができる。
以上述べた実施形態によれば、被検試料及び試薬の混合液の測定により生成される反応データに基づいて当該混合液の反応の継続を必要とするか否かを判定することができる。そして、設定されたラウンド数が1であり、被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされた場合、当該混合液を収容する反応容器17が洗浄ノズル30により洗浄が行われてから洗浄位置Wで1回目に停止するまでの区間内に設定された第1測定区間のタイミングで当該混合液を測定することにより早いタイミングで分析データを生成することができる。また、設定されたラウンド数が1であり、被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合、当該混合液を収容する反応容器17が洗浄ノズル30により洗浄が行われてから洗浄位置Wで1回目に停止するまでの区間内に設定された第2測定区間のタイミングで当該混合液を測定することにより、精度よく測定することができる。
また、設定されたラウンド数がmであり、被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を不要とする判定がなされた場合、当該混合液を収容する反応容器17が洗浄ノズル30により洗浄が行われてから洗浄位置Wで1回目に停止したときに洗浄を行わせる、又は洗浄位置Wでn回目に停止するまで当該反応容器17の洗浄を停止させることができる。また、被検試料及び試薬の混合液の反応の継続を必要とする判定がなされた場合に当該混合液を収容する反応容器17が洗浄ノズル30により洗浄が行われてから洗浄位置Wでm回目に停止するまで当該反応容器17の洗浄を停止させることができる。これにより、被検試料及び試薬の混合液を長時間反応させることができる。
そして、被検試料及び試薬の混合液を収容する反応容器17が洗浄ノズル30により洗浄が行われてから洗浄位置Wで1回目又はn回目に停止するまでの区間内に設定された第1測定区間のタイミングで当該混合液を測定することにより早いタイミングで分析データを生成することができる。また、被検試料及び試薬の混合液を収容する反応容器17が洗浄ノズル30により洗浄が行われてから洗浄位置Wでm回目に停止するまでの区間内に設定された第2測定区間のタイミングで当該混合液を測定することにより精度よく測定することができる。
以上により、再度測定を行うことなく分析データを得ることが可能となり、操作者の負担を軽減して迅速に検査を行うことができる。
(第2の実施形態)
本実施形態に係る自動分析装置は、第1の実施形態において述べた反応継続の判定に基づく制御を、2種類以上の反応モードよりなるアッセイについて自動分析装置に適用するものである。
図11(a)、(b)は、第2の実施形態に係る自動分析装置が反応を継続させるか否かを判定する処理を説明するための図であり、混合液の吸光度の経時的変化を示した曲線を示している。同図に示す様に、0から10分間の反応AはRATE DOWNの吸光度曲線を示すのに対し、反応BはRATE UPの吸光度曲線を示し、異なる軌跡を描く場合がある。
例えば反応Aにおいて第2試薬R2が反応管に分注されると、反応管内の混合液の吸光度は、図11(a)に示す様に、一旦極大値になる。この極大値が、測定の信頼できる範囲の上限値Thを一時的に超えたとしても、判定期間において上記上限値Th以下であれば、判定部50は、混合液の反応の継続は不要であると判定する。システム制御部90は、反応期間を継続させることなく、混合液の吸光度を測定して被検データを生成し、これを用いて分析データを生成するように、第1の実施形態において説明した制御を行う。一方、仮に、判定期間において、吸光度が、測定の信頼できる範囲の下限値に達していなければ、判定部50は、混合液の反応の継続は必要であると判定する。システム制御部90は、反応期間を継続させるために、第1の実施形態において説明した制御を行う。
また、反応Aにおける混合液の吸光度が、例えば図11(b)に示す様に、判定期間においても、測定の信頼できる上限値Thを超えたままの状態となる場合がある。係る場合、判定部50は、判定区間において混合液の吸光度が上限値Thを超えていることから、反応Bでの測定が必要であると判定する。システム制御部90は、反応Bの試薬を添加するため、及び反応期間を継続させるために、第1の実施形態において説明した動作を行う。
本実施形態によれば、新たな測定項目に対応するために、2種類以上の反応モードによって測定する場合であっても、反応時間の延長の要否、混合液の希釈(試薬添加)の要否、試薬の分注タイミングをリアルタイムで判定し、その判定結果に応じて、反応時間の延長、混合液の希釈等の処理を実行する。従って、項目としての一括制御でなく、個々の測定において反応時間の延長等が可能となり、また、必要に応じて希釈を行うことで、個々の測定においてダイナミックレンジを広げることができる。その結果、必要以上に分析時間を延長することなく、少ない作業負担で正確な生体検査を実現することができる。
(変形例)
上記各実施形態においては、第1の試薬、第2の試薬の2種の試薬を用いる例、或いは第1の試薬、第2の試薬、第3の試薬の3種の試薬を用いる例を示した。しかしながら、当該例に拘泥されず、試薬の種類は、4種以上であっても良い。
また、上記各実施形態においては、混合液の吸光度の経時的変化を用いる場合を例とした。しかしながら、当該例に拘泥されず、混合液の吸光度変化率の経時的変化を用いるようにしても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。