以下、図面を参照して実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、各検査項目の標準試料や被検試料と各検査項目の分析用の試薬との混合液を測定して標準データや被検データを生成する分析部10と、分析部10の測定に関る各分析ユニットを駆動制御する分析制御部50と、分析部10で生成された標準データや被検データを処理して検量データや分析データの生成を行うデータ処理部60とを備えている。
また、自動分析装置100は、データ処理部60で生成された検量データや分析データを印刷出力や表示出力する出力部70と、各検査項目の分析パラメータを設定するための入力等を行う操作部80と、分析制御部50、データ処理部60及び出力部70を統括して制御するシステム制御部90とを備えている。
図2は、分析部10の構成を示した斜視図である。この分析部10は、標準試料や被検試料等の各試料を収容する試料容器11と、この試料容器11を移動可能に保持するサンプルテーブル12とを備えている。また、各検査項分析用の例えば1試薬系及び2試薬系の第1試薬、2試薬系の第2試薬、及び被検試料を希釈して希釈試料を調製するための希釈液を収容する試薬容器13と、試薬容器13内の第1試薬を保冷する試薬庫15と、試薬容器13内の第2試薬を保冷する試薬庫16と、試薬容器13を移動可能に保持する試薬庫15,16内に配置された2つの試薬ラック14とを備えている。また、円周上に等間隔で一列に配置された例えば165個の反応容器17を一方向へ回転移動可能に保持する反応テーブル18を備えている。
また、サンプルテーブル12に保持された試料容器11内の試料を吸引して反応容器17内へ吐出する分注を行うサンプル分注プローブ19と、サンプル分注プローブ19を回動移動及び上下移動可能に保持するサンプル分注アーム20とを備えている。また、試薬ラック14に保持された試薬容器13内の第1試薬や希釈液を吸引して試料が吐出された反応容器17内に吐出する分注を行う第1試薬分注プローブ21と、第1試薬分注プローブ21を回動移動及び上下移動可能に保持する第1試薬分注アーム22とを備えている。
また、反応容器17内に吐出された試料及び第1試薬の混合液を撹拌する第1撹拌子23と、第1撹拌子23を回動移動及び上下移動可能に保持する第1撹拌アーム24とを備えている。また、試薬ラック14に保持された試薬容器13内の第2試薬を吸引して第1試薬が吐出された反応容器17内に吐出する分注を行う第2試薬分注プローブ25と、第2試薬分注プローブ25を回動移動及び上下移動可能に保持する第2試薬分注アーム26とを備えている。
また、反応容器17内の試料並びに第1及び第2試薬の混合液を撹拌する第2撹拌子27と、第2撹拌子27を回動移動及び上下移動可能に保持する第2撹拌アーム28と、反応容器17内の混合液に光を照射して光学的に測定する測定部29と、測定部29で測定を終了した反応容器17内を洗浄する洗浄ノズル30とを備えている。
そして、測定部29は、反応容器17に光を照射し、反応容器17内の標準試料や被検試料を含む混合液を透過した光を検出する検出信号に基づいて、例えば吸光度データや吸光度データの変化量で表される標準データや被検データを生成する。そして、生成した標準データや被検データをデータ処理部60に出力する。
図1に示した分析制御部50は、分析部10の各分析ユニットを駆動する機構や、各ポンプ及びこのポンプを駆動する機構等を有する機構部51を備えている。また、各検査項目の分析パラメータ等に基づいて機構部51の各機構、分析部10の測定部29等を制御する機構制御部52を備えている。
機構部51は、サンプルテーブル12を駆動して試料容器11を移動する。各試薬ラック14を駆動して試薬容器13を回動移動する。また、反応テーブル18を駆動して反応容器17を回転移動する。また、サンプル分注アーム20、第1試薬分注アーム22、第2試薬分注アーム26、第1撹拌アーム24、及び第2撹拌アーム28を夫々回動駆動及び上下駆動して、サンプル分注プローブ19、第1試薬分注プローブ21、第2試薬分注プローブ25、第1撹拌子23、及び第2撹拌子27をそれぞれ回動移動及び上下移動する。また、洗浄ノズル30を上下移動する。
また、機構部51は、各ポンプを駆動する。そして、サンプル分注プローブ19に試料の吸引及び吐出を行わせる。また、第1試薬分注プローブ21に第1試薬や希釈液の吸引及び吐出を行わせる。また、第2試薬分注プローブ25に第2試薬の吸引及び吐出を行わせる。また、洗浄ノズル30に反応容器17内の混合液の吸引、反応容器17内の洗浄を行うための洗浄液の吐出及び吸引等の洗浄を行わせる。また、第1撹拌子23を駆動して反応容器17内の混合液の撹拌を行わせる。また、第2撹拌子27を駆動して反応容器17内の混合液の撹拌を行わせる。
データ処理部60は、分析部10の測定部29から出力された標準データや被検データを処理して各検査項目の検量データや分析データを生成する演算部61と、演算部61で生成された標準データや分析データを保存するデータ記憶部62とを備えている。
演算部61は、測定部29から出力された標準データ及びこの標準データの標準試料に予め設定された標準値の関係を示す検量データを生成し、生成した検量データを出力部70に出力すると共にデータ記憶部62に保存する。
また、測定部29から出力された被検データに対応する検査項目の検量データをデータ記憶部62から読み出し、読み出した検量データを用いて被検データから濃度値や酵素の活性値で表される分析データを生成する。そして、生成した分析データを出力部70に出力すると共にデータ記憶部62に保存する。
データ記憶部62は、ハードディスク等のメモリデバイスを備え、演算部61から出力された検量データを検査項目毎に保存する。また、演算部61から出力された各検査項目の分析データを被検試料毎に保存する。
出力部70は、データ処理部60の演算部61から出力された検量データや分析データを印刷出力する印刷部71及び表示出力する表示部72を備えている。そして、印刷部71は、プリンタなどを備え、演算部61から出力された検量データや分析データを予め設定されたフォーマットに従って、プリンタ用紙などに印刷する。
表示部72は、CRTや液晶パネルなどのモニタを備え、演算部61から出力された検量データや分析データを表示する。また、各検査項目の分析パラメータを設定するための分析パラメータ設定画面、被検試料毎にこの被検試料を識別する氏名やID等の被検識別情報の設定及び検査に必要な検査項目を設定するための検査項目設定画面等を表示する。
操作部80は、キーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを備え、各検査項目の分析パラメータを設定するための入力、被検試料の被検識別情報及び検査項目を設定するための入力等を行う。
システム制御部90は、CPU及び記憶回路を備え、操作部80からの操作により入力されたコマンド信号、各検査項目の分析パラメータの情報、被検識別情報及び検査項目の情報等の入力情報を記憶回路に記憶した後、これらの入力情報に基づいて、分析制御部50、データ処理部60、及び出力部70を統括してシステム全体を制御する。
次に、図2乃至図4を参照して、分析部10の各分析ユニットの動作の一例を説明する。
図3は、分析部10の反応テーブル18に保持された各反応容器17の各停止位置及び測定部29の位置を示した図である。この反応テーブル18は、機構部51により回転駆動される。そして、各反応容器17は、1サイクルタイム毎に一方向へ回転移動して移動前とは異なる洗浄位置W、試料吐出位置Pa、第1試薬吐出位置Pb、第1撹拌位置Pc、希釈試料吸引位置Pf、第2試薬吐出位置Pd、及び第2撹拌位置Peを含む各停止位置で停止する。そして、1サイクルタイムよりも長い時間である1ラウンドタイム毎に同じ停止位置で停止する。
ここでは、各反応容器17は、反応テーブル18の角度θの回転駆動により、1サイクルタイム毎に矢印R1方向へ回転移動して、移動前の位置からR1方向に例えば90°の角度に位置する反応容器17に対して、R1方向とは反対方向に隣接する反応容器17の位置で停止する。
測定部29は、各反応容器17の内外周に跨って配置され、反応テーブル18の回転毎に測定位置Pmを通過する各反応容器17に光を照射する。そして、各反応容器17内の混合液を透過した光を検出して吸光度データを生成する。
図4は、洗浄ノズル30の構成及び各反応容器17の各停止位置を示した図である。
洗浄ノズル30は、例えば7個の第1乃至第7洗浄ノズル31乃至37により構成される。そして、第1乃至第7洗浄ノズル31乃至37は、洗浄位置Wの第1乃至第7洗浄位置W1乃至W7で機構部51の上下駆動によりそれぞれ独立して上下方向に移動可能に配置される。
各第1乃至第7洗浄ノズル31乃至37は、反応テーブル18が回転している間、反応テーブル18上方の上停止位置で停止している。そして、反応テーブル18が停止し、各第1乃至第7洗浄位置W1乃至W7で洗浄対象の反応容器17が停止しているとき、下方向に移動して反応容器17内に進入し、下端が反応容器17内の底面に近接する下停止位置で停止して洗浄を行う。洗浄を終了した後、上方向に移動して上停止位置で停止する。
第1洗浄ノズル31は、測定を終了して不要となった混合液を収容する反応容器17が第1洗浄位置W1で停止しているときや、再検査が行われない希釈試料を収容する反応容器17が第1洗浄位置W1で停止しているときに、下方向に移動して下停止位置で停止する。そして、反応容器17内の混合液や希釈試料の吸引による洗浄を行う。また、再検査が行われる希釈試料を収容する反応容器17が第1洗浄位置W1で停止しているとき、上停止位置に位置して洗浄を停止する。
第2洗浄ノズル32は、第1洗浄位置W1で洗浄が行われた反応容器17が第2洗浄位置W2で停止しているとき、下方向に移動して下停止位置で停止する。そして、反応容器17内に残留する混合液を洗い落とすための例えばアルカリ性洗浄液等の第1の洗浄液の吐出及び吐出した第1の洗浄液の吸引による洗浄を行う。また、第1洗浄位置W1で洗浄が停止された反応容器17が第2洗浄位置W2で停止しているとき、上停止位置に位置して洗浄を停止する。
第3洗浄ノズル33は、第2洗浄位置W2で洗浄が行われた反応容器17が第3洗浄位置W3で停止しているとき、下方向に移動して下停止位置で停止する。そして、反応容器17内の第1の洗浄液では落とすことができない混合液を洗い落とすための例えば酸性洗浄液等の第2の洗浄液の吐出及び吐出した第2の洗浄液の吸引による洗浄を行う。また、第2洗浄位置W2で洗浄が停止された反応容器17が第3洗浄位置W3で停止しているとき、上停止位置に位置して洗浄を停止する。
第4洗浄ノズル34は、第3洗浄位置W3で洗浄が行われた反応容器17が第4洗浄位置W4で停止しているとき、下方向に移動して下停止位置で停止する。そして、反応容器17内の第2の洗浄液を洗い落とすための洗浄液である洗浄水の吐出及び吐出した洗浄水の吸引による洗浄を行う。また、第3洗浄位置W3で洗浄が停止された反応容器17が第4洗浄位置W4で停止しているとき、上停止位置に位置して洗浄を停止する。
第5洗浄ノズル35は、第4洗浄位置W4で洗浄が行われた反応容器17が第5洗浄位置W5で停止しているとき、下方向に移動して下停止位置で停止する。そして、反応容器17内の洗浄水の吐出及び吐出した洗浄水の吸引による洗浄を行う。また、第4洗浄位置W4で洗浄が停止された反応容器17が第5洗浄位置W5で停止しているとき、上停止位置に位置して洗浄を停止する。
第6洗浄ノズル36は、第5洗浄位置W5で洗浄が行われた反応容器17が第6洗浄位置W6で停止しているとき、下方向に移動して下停止位置で停止する。そして、反応容器17内に残留する洗浄水の吸引による洗浄を行う。また、第5洗浄位置W5で洗浄が停止された反応容器17が第6洗浄位置W6で停止しているとき、上停止位置に位置して洗浄を停止する。
第7洗浄ノズル37は、第6洗浄位置W6で洗浄が行われた反応容器17が第7洗浄位置W7で停止しているとき、下方向に移動して下停止位置で停止する。そして、反応容器17内に残留する洗浄水の更なる吸引による洗浄を行う。また、第6洗浄位置W6で洗浄が停止された反応容器17が第7洗浄位置W7で停止しているとき、上停止位置に位置して洗浄を停止する。
以下、図1乃至図7を参照して、第1の実施形態における自動分析装置100の動作の一例を説明する。分析データが予め設定された上限値よりも高い場合に再検査を行う検査項目Aの分析についての動作を説明する。検査項目Aの分析パラメータを設定するための入力が操作部80から行われると、出力部70の表示部72に分析パラメータ設定画面が表示される。
図5は、表示部72に表示された検査項目Aの分析パラメータ設定画面の一例を示した図である。この分析パラメータ設定画面73は、検査項目Aの項目名を設定するための「項目」の欄、試料のパラメータを設定するための「試料パラメータ」の欄、再検査のパラメータを設定するための「再検パラメータ」の欄、及び試薬のパラメータを設定するための「試薬パラメータ」の欄等により構成される。そして、操作部80からの入力により設定された分析パラメータが各欄に表示されている。
「項目」の欄には、検査項目Aの項目名である「A」が表示されている。また、「試料パラメータ」の欄は、反応容器17に吐出する分析用の被検試料の量を設定するための「検体量(μL)」の欄により構成され、反応容器17内に吐出する分析用の被検試料の量が5μLであることを示す「5」が表示されている。
「再検パラメータ」の欄は、希釈試料を調製するために反応容器17に吐出する再検査用の被検試料の量を設定するための「希釈検体量(μL)」の欄と、希釈試料を調製するために反応容器17に吐出する再検査用の希釈液の量を設定するための「希釈液量(μL)」の欄と、再検査を実行させるか否かを判定するパラメータを設定するための「上限値」の欄とにより構成される。
そして、「希釈検体量(μL)」の欄には、反応容器17に吐出する再検査用の被検試料の量が10μLであることを示す「10」が表示されている。また、「希釈液量(μL)」の欄には、反応容器17に吐出する再検査用の希釈液の量が90μLであることを示す「90」が表示されている。また、「上限値」の欄には、検査項目Aの分析データが1000を超えている場合に再検査を実行させることを示す「1000」が表示されている。
このように、「再検パラメータ」の欄に再検査のパラメータを設定することにより、検査項目Aの分析データが設定された上限値を超えている場合、再検査を実行させることができる。なお、「希釈検体量(μL)」の欄、「希釈液量(μL)」の欄、又は「上限値」の欄のいずれかの欄が未設定で空白になっていると、再検査を実行させることができないようになっている。
「試薬パラメータ」の欄は、第1試薬や第2試薬を設定するための「試薬」の欄と、第1試薬や第2試薬を識別する例えば試薬名を設定するための「試薬名」の欄と、反応容器17に吐出する試薬量を設定するための「試薬量(μL)」の欄とにより構成される。
「試薬」の欄には、検査項目Aの試薬が2試薬系の第1及び第2試薬からなり、最初に分注する第1試薬であることを示す「R1」、及び第1試薬が分注された後に分注する第2試薬であることを示す「R2」が表示されている。また、「試薬名」の欄には、検査項目Aの分析に使用する第1及び第2試薬の試薬名がA1及びA2であることを示す「A1」及び「A2」が表示されている。また、「試薬量(μL)」には、反応容器17に吐出する第1試薬の量が100μLであることを示す「100」が表示され、第2試薬の量が50μLであることを示す「50」が表示されている。
検査項目Aが設定された被検試料Bを収容する試料容器11がサンプルテーブル12に保持された後、操作部80から測定開始の入力が行われると、自動分析装置100は動作を開始する。システム制御部90は、操作部80から入力された検査項目Aの分析パラメータに基づいて、分析制御部50に検査を指示する。分析制御部50の機構制御部52は、検査項目Aの分析パラメータに基づいて検査項目Aの分析に用いる反応容器17を決定する。そして、機構部51を制御して、決定した反応容器17が停止する各停止位置で試料及び試薬の分注、混合液の撹拌、並びに洗浄の各動作を行わせる。
図6は、検査項目Aの分析及び希釈試料の調製に用いる反応容器17と、この反応容器17に被検試料B、希釈液、第1試薬及び第2試薬を吐出するタイミングとを示した図である。
各反応容器17は、洗浄ノズル30の第7洗浄ノズル37が上停止位置で停止している状態で、洗浄を終えて第7洗浄位置W7で停止しているときの位置を開始位置とし、1ラウンドタイム後に開始位置と同じ位置で停止するまでを第1ラウンドとして各停止位置で停止する。
第1ラウンドの1サイクル目において、第7洗浄位置W7の反応容器17は検査項目Aの分析に用いる反応容器17として決定され、反応テーブル18の角度θの回転により第7洗浄位置W7から回転移動した位置で停止する。また、第7洗浄位置W7で停止する反応容器17は、検査項目Aの希釈試料調製に用いる反応容器17として決定される。
1サイクル目から1サイクルタイム経過した2サイクル目において、検査項目A分析用の反応容器17は、試料吐出位置Paで停止する。そして、サンプル分注プローブ19は、サンプルテーブル12に保持された試料容器11から検査項目A分析用の被検試料Bを吸引して、試料吐出位置Paの反応容器17内に5μL吐出する。
2サイクル目から1サイクルタイム経過した3サイクル目において、2サイクル目に試料吐出位置Paで被検試料Bが吐出された反応容器17は、第1試薬吐出位置Pbで停止する。そして、第1試薬分注プローブ21は、試薬庫15内の試薬ラック14に保持された試薬容器13から検査項目A分析用の第1試薬を吸引して、第1試薬吐出位置Pbの反応容器17内に100μL吐出する。また、1サイクル目に検査項目Aの希釈試料調製用として決定された反応容器17は、洗浄が行われてから試料吐出位置Paで1回目に停止する。そして、サンプル分注プローブ19は、サンプルテーブル12に保持された試料容器11から検査項目Aの再検査用の被検試料Bを吸引して、試料吐出位置Paの反応容器17内に10μL吐出する。
このように、再検査パラメータを設定することにより、被検試料Bに設定された検査項目Aの分析を行うための動作に並行して再検査で必要となる希釈試料を調製するための被検試料Bを分注させることができる。
3サイクル目から1サイクルタイム経過した4サイクル目において、3サイクル目に試料吐出位置Paで再検査用の被検試料Bが吐出された反応容器17は、洗浄が行われてから第1試薬吐出位置Pbで1回目に停止する。そして、第1試薬分注プローブ21は、試薬庫15内の試薬ラック14に保持された試薬容器13から検査項目Aの再検査用の希釈液を吸引して、第1試薬吐出位置Pbの反応容器17内に90μL吐出する。
このように、再検査パラメータを設定することにより、検査項目Aの分析を行うための動作に並行して再検査で必要となる希釈試料を調製するための希釈液を分注させることができる。
4サイクル目から1サイクルタイム経過した5サイクル目において、3サイクル目に第1試薬吐出位置Pbで第1試薬が吐出された反応容器17は、第1撹拌位置Pcで停止する。そして、第1撹拌子23は、第1撹拌位置Pcの反応容器17内の被検試料Bと第1試薬の混合液を撹拌する。
5サイクル目から1サイクルタイム経過した6サイクル目において、5サイクル目に第1撹拌位置Pcで撹拌が行われた反応容器17は、希釈試料吸引位置Pfで停止する。また、4サイクル目に第1試薬吐出位置Pbで再検査用の希釈液が吐出された反応容器17は、洗浄が行われてから第1撹拌位置Pcで1回目に停止する。そして、第1撹拌子23は、第1撹拌位置Pcの反応容器17内の希釈液により被検試料Bが希釈された希釈試料を撹拌する。
6サイクル目から所定のサイクルタイム経過したdサイクル目において、5サイクル目に第1撹拌位置Pcで撹拌が行われた反応容器17は、第2試薬吐出位置Pdで停止する。そして、第2試薬分注プローブ25は、試薬庫16内の試薬ラック14に保持された試薬容器13から検査項目A分析用の第2試薬を吸引して、第2試薬吐出位置Pdの反応容器17内に50μL吐出する。
dサイクル目から1サイクルタイム経過した(d+1)サイクル目において、dサイクル目に第2試薬吐出位置Pdで第2試薬が吐出された反応容器17は、第2撹拌位置Peで停止する。そして、第2撹拌子27は、第2撹拌位置Peの反応容器17内の被検試料B、第1試薬及び第2試薬の混合液を撹拌する。また、6サイクル目に第1撹拌位置Pcで撹拌が行われた反応容器17は、洗浄が行われてから第2試薬吐出位置Pdで1回目に停止する。そして、第2試薬分注プローブ25は、第2試薬吐出位置Pdの反応容器17への第2試薬の吐出を停止する。
測定部29は、(d+1)サイクル目に第2撹拌位置Peで停止してから洗浄位置Wで停止するまでの間に測定位置Pmを通過する検査項目A分析用の反応容器17内の混合液を測定して吸光度データを生成する。そして、データ処理部60の演算部61は、測定部29で生成された吸光度データに基づいて検査項目Aの分析データを生成する。システム制御部90は、演算部61で生成された検査項目Aの分析データに基づいて検査項目Aの再検査を行うか否かを判定する。そして、検査項目Aの分析データが上限値である1000を超えている場合、分析制御部50に検査項目Aの再検査を指示する。また、分析データが1000以下である場合、分析制御部50に検査項目Aの分析の終了を指示する。
このように、再検査パラメータとして上限値を設定することにより、検査項目Aの分析を行うための動作により生成された分析データに基づいて、再検査が必要か否かを判定することができる。
(d+1)サイクル目に第2撹拌位置Peで撹拌が行われた反応容器17は、図4に示すように、gサイクル目において、第1洗浄位置W1で停止する。そして、第1洗浄ノズル31は、分析制御部50により測定を終了した第1洗浄位置W1の反応容器17を洗浄する。
gサイクル目から1サイクルタイム経過した(g+1)サイクル目において、6サイクル目に撹拌が行われた希釈試料調製用の反応容器17は、洗浄が行われてから第1洗浄位置W1で1回目に停止する。そして、第1洗浄ノズル31は、検査項目Aの分析データが1000を超えている場合、希釈試料を再検査に用いるために第1洗浄位置W1の反応容器17の洗浄を停止する。また、検査項目Aの分析データが1000以下である場合、再検査が不要であるため第1洗浄位置W1の反応容器17の洗浄を行う。
gサイクル目から4サイクルタイム経過した(g+4)サイクル目において、gサイクル目に第1洗浄位置W1で洗浄が行われた反応容器17は、第2洗浄位置W2で停止する。そして、第2洗浄ノズル32は、第2洗浄位置W2の反応容器17の洗浄を行う。
(g+4)サイクル目から1サイクルタイム経過した(g+5)サイクル目において、(g+1)サイクル目に第1洗浄位置W1で停止した反応容器17は、第2洗浄位置W2で停止する。そして、第2洗浄ノズル32は、第1洗浄位置W1で洗浄が停止された反応容器17が第2洗浄位置W2で停止している場合に洗浄を停止し、第1洗浄位置W1で洗浄が行われた反応容器17が第2洗浄位置W2で停止している場合に洗浄を行う。
(g+4)サイクル目から4サイクルタイムの倍数で経過した(g+8)サイクル目、(g+12)サイクル目、(g+16)サイクル目、(g+20)サイクル目、及び(g+24)サイクル目において、(g+4)サイクル目に第2洗浄位置W2で洗浄が行われた反応容器17は、各第3乃至第7洗浄位置W3乃至W7で停止する。そして、各第3乃至第7洗浄ノズル33乃至37は、各第3乃至第7洗浄位置W3乃至W7の反応容器17の洗浄を行う。
(g+5)サイクル目から4サイクルタイムの倍数で経過した(g+9)サイクル目、(g+13)サイクル目、(g+17)サイクル目、(g+21)サイクル目、及び(g+25)サイクル目において、(g+5)サイクル目に第2洗浄位置W2で停止した反応容器17は、各第3乃至第7洗浄位置W3乃至W7で停止する。そして、各第3乃至第7洗浄ノズル33乃至37は、第2洗浄位置W2で洗浄が停止された反応容器17が各第3乃至第7洗浄位置W3乃至W7で停止している場合に洗浄を停止し、第2洗浄位置W2で洗浄が行われた反応容器17が各第3乃至第7洗浄位置W3乃至W7で停止している場合に洗浄を行う。
このように、再検査パラメータを設定することにより、検査項目Aの分析データが上限値を超えている場合、再検査用に調製された希釈試料を収容する反応容器17が洗浄してから1回目に洗浄位置Wで停止したときに洗浄を停止させることができる。また、検査項目Aの分析データが上限値以下である場合、再検査不要となる希釈試料を収容する反応容器17が洗浄してから1回目に洗浄位置Wで停止したときに洗浄を行うことができる。
以下では、検査項目Aの再検査を行うための動作について説明する。
第1ラウンドの終了後、検査項目A再検査用の希釈試料を収容する反応容器17は、第7洗浄ノズル37が上停止位置で停止している状態で停止しているときの第7洗浄位置W7を第2ラウンドの開始位置とする。
図7は、検査項目Aの再検査に用いる反応容器17と、この反応容器17に希釈試料、第1試薬及び第2試薬を吐出するタイミングとを示した図である。
第2ラウンドの1サイクル目において、検査項目Aの希釈試料調製用の反応容器17は、反応テーブル18の角度θの回転により第7洗浄位置W7から回転移動した位置で停止する。次いで、1サイクル目から1サイクルタイム経過した2サイクル目において、洗浄が行われてから試料吐出位置Paで2回目に停止する。そして、サンプル分注プローブ19は、試料吐出位置Paの反応容器17への試料の吐出を停止する。
2サイクル目から1サイクルタイム経過した3サイクル目において、2サイクル目に試料吐出位置Paで停止した反応容器17は、洗浄が行われてから第1試薬吐出位置Pbで2回目に停止する。そして、第1試薬分注プローブ21は、第1試薬吐出位置Pbの反応容器17への第1試薬及び希釈液の吐出を停止する。
3サイクル目から3サイクルタイム経過した6サイクル目において、3サイクル目に第1試薬吐出位置Pbで停止した反応容器17は、洗浄が行われてから希釈試料吸引位置Pfで2回目に停止する。そして、サンプル分注プローブ19は、希釈試料吸引位置Pfの反応容器17から希釈試料を吸引して、洗浄が行われてから試料吐出位置Paで1回目に停止する検査項目A再検査用として決定された反応容器17内に5μL吐出する。
このように、再検査を行う必要がある場合、希釈試料を収容する反応容器17の洗浄を停止させることにより、その反応容器17から希釈試料を吸引して洗浄が行われた反応容器17に吐出することができる。
6サイクル目から1サイクルタイム経過した7サイクル目において、6サイクル目に希釈試料が吐出された反応容器17は、第1試薬吐出位置Pbで停止する。そして、第1試薬分注プローブ21は、試薬庫15内の試薬ラック14に保持された試薬容器13から検査項目A分析用の第1試薬を吸引して、第1試薬吐出位置Pbの反応容器17内に100μL吐出する。
7サイクル目から2サイクルタイム経過した9サイクル目において、7サイクル目に第1試薬が吐出された反応容器17は、第1撹拌位置Pcで停止する。そして、第1撹拌子23は、第1撹拌位置Pcの反応容器17内の希釈試料と第1試薬の混合液を撹拌する。
9サイクル目から所定のサイクルタイム経過した(d+4)サイクル目において、9サイクル目に第1撹拌位置Pcで撹拌が行われた反応容器17は、第2試薬吐出位置Pdで停止する。そして、第2試薬分注プローブ25は、試薬庫16内の試薬ラック14に保持された試薬容器13から検査項目A分析用の第2試薬を吸引して、第2試薬吐出位置Pdの反応容器17内に50μL吐出する。
(d+4)サイクル目から1サイクルタイム経過した(d+5)サイクル目において、(d+4)サイクル目に第2試薬が吐出された反応容器17は、第2撹拌位置Peで停止する。そして、第2撹拌子27は、第2撹拌位置Peの反応容器17内における希釈試料、第1試薬及び第2試薬の混合液を撹拌する。
測定部29は、(d+5)サイクル目に第2撹拌位置Peで撹拌が行われてから第1洗浄位置W1で停止するまでの間に測定位置Pmを通過する検査項目A再検査用の反応容器17内の混合液を測定して吸光度データを生成する。そして、演算部61は、測定部29で生成された吸光度データに基づいて検査項目Aの分析データを生成する。出力部70は、演算部61で生成された検査項目Aの分析データを出力する。
このように、検査項目Aの分析を行うための動作に並行して調製された検査項目A再検査用の希釈試料を用いて再検査を行うことができる。これにより、操作者に負担を軽減して迅速に再検査を行うことができる。
洗浄ノズル30は、洗浄が行われてから洗浄位置Wで2回目に停止する第2ラウンドの6サイクル目に希釈試料吸引位置Pfで希釈試料が吸引された反応容器17の洗浄を行う。また、洗浄位置Wで停止する検査項目A再検査用の反応容器17を洗浄する。そして、被検試料Bに設定された検査項目Aの分析が終了し、システム制御部90が分析制御部50に測定の終了を指示することにより、自動分析装置100は動作を終了する。
以上述べた第1の実施形態によれば、再検査パラメータを設定することにより、検査項目Aの分析を行うための動作に並行して検査項目Aの再検査で必要となる希釈試料の調製を行うことができる。そして、検査項目Aの分析データが上限値を超えている場合、調製した希釈試料を収容する反応容器17が洗浄してから1回目に洗浄位置Wで停止したときに洗浄を停止させることができる。また、検査項目Aの分析データが上限値以下である場合、不要となる希釈試料を収容する反応容器17が洗浄してから1回目に洗浄位置Wで停止したときに洗浄を行うことができる。更に、洗浄を停止させた反応容器17から希釈試料を吸引して洗浄が行われた反応容器17に吐出させて再検査を行うことができる。
これにより、操作者にかける負担を軽減して迅速に再検査を行うことができる。
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100aでは、図1に示した第1の実施形態に係る自動分析装置100の各ユニットと同じ構成及び同じ機能を有するユニットについては同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第2の実施形態に係る自動分析装置100aが、第1の実施形態に係る自動分析装置100と異なる点は、図1の分析部10及び分析制御部50を分析部10a及び分析制御部50aに置き換えた点である。
図9は、第2の実施例に係る分析部10aの構成を説明するための図である。分析部10aが分析部10と異なる点は、再検査で希釈試料の分注を行う希釈試料分注プローブ40及びこの希釈試料分注プローブ40を回動移動及び上下移動可能に保持する希釈試料分注アーム41を追加配置した点である。また、図3に示した分析部10の洗浄ノズル30を、洗浄ノズル30aに置き換えた点である。また、図3に示した希釈試料の吸引及び吐出を行う希釈試料吸引位置Pf及び試料吐出位置Paを、洗浄位置Wの第1洗浄位置W1のR1方向に隣接する停止位置である希釈試料吸引位置Pfa及び第1撹拌位置PcのR1方向に隣接する停止位置である希釈試料吐出位置Paaに置き換えた点である。
希釈試料分注プローブ40は、破線で示した円軌道に沿って移動し、希釈試料吸引位置Pfaで停止した反応容器17内の希釈試料を吸引する。そして、吸引した希釈試料を希釈試料吐出位置Paaで停止した反応容器17内に吐出する。
図10は、洗浄ノズル30aの構成と、検査項目Aの分析及び希釈試料調製に用いる反応容器17並びにこの反応容器17に被検試料、希釈液、第1試薬及び第2試薬を吐出するタイミングとを示した図である。この洗浄ノズル30aは、第1乃至第7洗浄ノズル31a乃至37aにより構成され、第1乃至第7洗浄ノズル31a乃至37aは1つの支持体に固定されている。そして、第1乃至第7洗浄ノズル31a乃至37aは、機構部51aによる前記支持体の上下駆動により同じタイミングで上下方向に移動可能に配置される。
各第1乃至第7洗浄ノズル31a乃至37aは、反応テーブル18が回転している間、反応テーブル18上方の上停止位置で停止している。そして、反応テーブル18が停止すると、同じタイミングで下方向に移動して各第1乃至第7洗浄位置W1乃至W7の反応容器17内に進入し、下端が反応容器17内の底面に近接する下停止位置で停止して同じタイミングで洗浄を行う。洗浄を終了した後、上方向に同じタイミングで移動して上停止位置で停止する。
第1洗浄ノズル31aは、図4に示した第1洗浄ノズル31と同様にして、第1洗浄位置W1で停止した反応容器17を洗浄する。また、第2洗浄ノズル32aは、第2洗浄ノズル32と同様にして、第2洗浄位置W2で停止した反応容器17を洗浄する。また、第3洗浄ノズル33aは、第3洗浄ノズル33と同様にして、第3洗浄位置W3で停止した反応容器17を洗浄する。また、第4洗浄ノズル34aは、第4洗浄ノズル34と同様にして、第4洗浄位置W4で停止した反応容器17を洗浄する。また、第5洗浄ノズル35aは、第5洗浄ノズル35と同様にして、第5洗浄位置W5で停止した反応容器17を洗浄する。また、第6洗浄ノズル36aは、第6洗浄ノズル36と同様にして、第6洗浄位置W6で停止した反応容器17を洗浄する。また、第7洗浄ノズル37aは、第7洗浄ノズル37と同様にして、第7洗浄位置W7で停止した反応容器17を洗浄する。
図9に示した分析制御部50aは、機構部51a及びこの機構部51aを制御する機構制御部52aを備えている。そして、機構部51aが図1に示した機構部51と異なる点は、分析部10aの希釈試料分注アーム41を回動駆動及び上下駆動する機構、及び希釈試料分注プローブ40に希釈試料の吸引及び吐出を行わせるポンプを追加配置した点と、機構部51の洗浄ノズル30を上下駆動する機構を、洗浄ノズル30aを上下駆動する機構に置き換えた点である。
機構制御部52aが図1に示した機構制御部52と異なる点は、希釈試料を分注させるための分析部10のサンプル分注アーム20を駆動する機構及びサンプル分注プローブ19に希釈試料の吸引及び吐出を行わせるポンプの制御を、希釈試料分注アーム41を駆動する機構及び希釈試料分注プローブ40に希釈試料の吸引及び吐出を行わせるポンプの制御に置き換えたことである。また、機構制御部52の洗浄ノズル30を上下駆動する機構の制御を、洗浄ノズル30aを上下駆動する機構の制御に置き換えたことである。
以下、図1乃至図11を参照して、第2の実施形態における自動分析装置100aの動作の一例を説明する。
検査項目Aが設定された被検試料Bを収容する試料容器11がサンプルテーブル12に保持された後、操作部80から測定開始の入力が行われると、自動分析装置100aは動作を開始する。システム制御部90は、操作部80から入力された検査項目Aの分析パラメータに基づいて、分析制御部50aに測定を指示する。分析制御部50aの機構制御部52aは、検査項目Aの分析パラメータに基づいて検査項目Aの分析に用いる反応容器17を決定する。そして、機構部51aを制御して、決定した反応容器17が停止する各停止位置で試料及び試薬の分注、混合液の撹拌、及び洗浄の各動作を実行させる。
図10において、各反応容器17は、洗浄ノズル30aが上停止位置で停止している状態で、洗浄を終えて洗浄位置Wの第7洗浄位置W7で停止しているときの位置を開始位置とする。
1サイクル目において、第7洗浄位置W7の反応容器17は検査項目Aの分析に用いる反応容器17として決定され、反応テーブル18の角度θの回転により第7洗浄位置W7から移動した希釈試料吐出位置Paaで停止する。また、第7洗浄位置W7で停止する反応容器17は、検査項目Aの希釈試料調製に用いる反応容器17として決定される。
2サイクル目において、検査項目A分析用の反応容器17は、試料吐出位置Paで停止する。そして、サンプル分注プローブ19は、試料吐出位置Paの反応容器17内に検査項目A分析用の被検試料Bを5μL吐出する。また、1サイクル目に検査項目Aの希釈試料調製用として決定された反応容器17は、希釈試料吐出位置Paaで停止する。
3サイクル目乃至(d+1)サイクル目において、図6で説明した第1の実施形態における第1ラウンドの3サイクル目乃至(d+1)サイクル目と同様に動作するのでその説明を省略する。
gサイクル目において、(d+1)サイクル目に第2撹拌位置Peで撹拌が行われた反応容器17は、第1洗浄位置W1で停止する。そして、第1洗浄ノズル31aは、第1洗浄位置W1の反応容器17を洗浄する。
また、gサイクル目において、6サイクル目に第1撹拌位置Pcで撹拌が行われた反応容器17は、希釈試料吸引位置Pfaで停止する。そして、検査項目Aの分析データが1000を超えている場合、希釈試料分注プローブ40は、希釈試料吸引位置Pfaの反応容器17内の希釈試料を吸引し、洗浄が行われてから希釈試料吐出位置Paaで停止した反応容器17内に希釈試料を5μL吐出する。また、検査項目Aの分析データが1000以下である場合、希釈試料分注プローブ40は、希釈試料の分注を停止する。
このように、検査項目Aの分析データが上限値を超えている場合、希釈試料を収容する反応容器17の洗浄が行われる前に、その反応容器17から希釈試料を吸引して洗浄が行われた反応容器17に吐出することができる。また、検査項目Aの分析データが上限値以下である場合、希釈試料の分注を停止させることができる。
洗浄ノズル30aは、g,(g+4),(g+8),(g+12),(g+16),(g+20),(g+24)サイクル目に第1乃至第7洗浄位置W1乃至W7で停止する検査項目Aの分析に使用された反応容器17、及び(g+1),(g+5),(g+9),(g+13),(g+17),(g+21),(g+25)サイクル目に第1乃至第7洗浄位置W1乃至W7で停止する検査項目Aの希釈試料調製用の反応容器17を洗浄する。
図11は、検査項目Aの再検査に用いる反応容器17と、この反応容器17に希釈試料、第1試薬及び第2試薬を吐出するタイミングとを示した図である。
(g+1)サイクル目において、gサイクル目に希釈試料吐出位置Paaで希釈試料が吐出された反応容器17は、試料吐出位置Paで停止する。そして、サンプル分注プローブ19は、試料吐出位置Paの希釈試料が収容された反応容器17への試料の吐出を停止する。
(g+2)サイクル目において、(g+1)サイクル目に試料吐出位置Paで停止した反応容器17は、第1試薬吐出位置Pbで停止する。そして、第1試薬分注プローブ21は、試薬庫15内の試薬ラック14に保持された試薬容器13から検査項目A分析用の第1試薬を吸引して、第1試薬吐出位置Pbの反応容器17内に100μL吐出する。
(g+4)サイクル目において、(g+2)サイクル目に第1試薬が吐出された反応容器17は、第1撹拌位置Pcで停止する。そして、第1撹拌子23は、第1撹拌位置Pcの反応容器17内の希釈試料と第1試薬の混合液を撹拌する。
(g+4)サイクル目から所定のサイクルタイム経過した(g+d−1)サイクル目において、(g+4)サイクル目に第1撹拌位置Pcで撹拌が行われた反応容器17は、第2試薬吐出位置Pdで停止する。そして、第2試薬分注プローブ25は、試薬庫16内の試薬ラック14に保持された試薬容器13から検査項目A分析用の第2試薬を吸引して、第2試薬吐出位置Pdの反応容器17内に50μL吐出する。
(g+d)サイクル目において、(g+d−1)サイクル目に第2試薬吐出位置Pdで第2試薬が吐出された反応容器17は、第2撹拌位置Peで停止する。そして、第2撹拌子27は、第2撹拌位置Peの反応容器17内における希釈試料、第1試薬及び第2試薬の混合液を撹拌する。
測定部29は、(g+d)サイクル目に第2撹拌位置Peで撹拌が行われてから洗浄位置Wで停止するまでの間に測定位置Pmを通過する検査項目A再検査用の反応容器17内の混合液を測定して吸光度データを生成する。そして、演算部61は、測定部29で生成された吸光度データに基づいて検査項目Aの分析データを生成する。出力部70は、演算部61で生成された検査項目Aの分析データを出力する。
このように、検査項目Aの分析を行うための動作に並行して調製された検査項目A再検査用の希釈試料を用いて再検査を行うことができる。これにより、操作者にかかる負担を軽減して迅速に再検査を行うことができる。
洗浄ノズル30aは、再検査を終了し、洗浄位置Wで停止する検査項目A再検査用の反応容器17を洗浄する。そして、被検試料Bに設定された検査項目Aの分析が終了し、システム制御部90が分析制御部50aに測定の終了を指示することにより、自動分析装置100aは動作を終了する。
以上述べた第2の実施形態によれば、再検査パラメータを設定することにより、検査項目Aの分析を行うための動作に並行して検査項目Aの再検査で必要となる希釈試料の調製を行うことができる。そして、検査項目Aの分析データが上限値を超えている場合、希釈試料を収容する反応容器17の洗浄が行われる前に、その反応容器17から希釈試料を吸引して洗浄が行われた反応容器17に吐出させて再検査を行うことができる。
これにより、操作者にかける負担を軽減して迅速に再検査を行うことができる。
(第3の実施形態)
図12は、第3の実施形態に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100bでは、図1に示した第1の実施形態に係る自動分析装置100及び図8に示した第2の実施形態に係る自動分析装置100aの各ユニットと同じ構成及び同じ機能を有するユニットについては同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第3の実施形態に係る自動分析装置100bが、第1の実施形態に係る自動分析装置100と異なる点は、図1の分析部10及び分析制御部50を分析部10b及び分析制御部50bに置き換えた点である。
分析部10bが分析部10と異なる点は、分析部10の洗浄ノズル30を図9に示した第2の実施形態における分析部10aの洗浄ノズル30aに置き換えた点である。また、分析制御部50bは、機構部51b及びこの機構部51bを制御する機構制御部52bを備えている。そして、機構部51bが図1に示した機構部51と異なる点は、機構部51の洗浄ノズル30を上下駆動する機構を、洗浄ノズル30aを上下駆動する機構に置き換えた点である。また、機構制御部52bが図1に示した機構制御部52と異なる点は、機構制御部52の洗浄ノズル30を上下駆動する機構の制御を、洗浄ノズル30aを上下駆動する機構の制御に置き換えたことである。
以下、図1乃至図15を参照して、第3の実施形態における自動分析装置100bの動作の一例を説明する。
検査項目Aが設定された被検試料Bを収容する試料容器11がサンプルテーブル12に保持された後、操作部80から測定開始の入力が行われると、自動分析装置100bは動作を開始する。システム制御部90は、操作部80から入力された検査項目Aの分析パラメータに基づいて、分析制御部50bに測定を指示する。分析制御部50bの機構制御部52bは、検査項目Aの分析パラメータに基づいて検査項目Aの分析に用いる反応容器17を決定する。そして、機構部51bを制御して、決定した反応容器17が停止する各停止位置で試料及び試薬の分注、混合液の撹拌、及び洗浄の各動作を実行させる。
図13及び図14は、検査項目Aの分析及び希釈試料の調製に用いる反応容器17と、この反応容器17に被検試料B、希釈液、第1試薬及び第2試薬を吐出するタイミングとを示した図である。また、図15は、検査項目Aの再検査に用いる反応容器17と、この反応容器17に希釈試料、第1試薬及び第2試薬を吐出するタイミングとを示した図である。
各反応容器17は、洗浄ノズル30aが上停止位置で停止している状態で、洗浄を終えて第7洗浄位置W7で停止しているときの位置を開始位置とし、1ラウンドタイム後に開始位置と同じ位置で停止するまでを第1ラウンドとして各停止位置で停止する。
第1ラウンドの1サイクル目において、検査項目Aの分析用として決定された反応容器17は、反応テーブル18の角度θの回転により第7洗浄位置W7から移動した停止位置で停止する。
また、第1ラウンドの1サイクル目において、第1洗浄位置W1で停止する反応容器17は、検査項目Aの希釈試料調製に用いる反応容器17として決定される。また、第2乃至第7洗浄位置W2乃至W7で停止する6個の反応容器17は、検査項目Aの希釈試料調製の前半に付随する反応容器17として決定される。なお、前半に付随する6個の反応容器17には、被検試料Bに設定された検査項目Aの検査が終了して洗浄が行われるまで、被検試料、希釈試料及び試薬は分注されない。
2サイクル目において、検査項目A分析用の反応容器17は、試料吐出位置Paで停止する。そして、サンプル分注プローブ19は、サンプルテーブル12に保持された試料容器11から検査項目A分析用の被検試料Bを吸引して、試料吐出位置Paの反応容器17内に5μL吐出する。
3サイクル目において、2サイクル目に試料吐出位置Paで被検試料Bが吐出された反応容器17は、第1試薬吐出位置Pbで停止する。そして、第1試薬分注プローブ21は、試薬庫15内の試薬ラック14に保持された試薬容器13から検査項目A分析用の第1試薬を吸引して、第1試薬吐出位置Pbの反応容器17内に100μL吐出する。
5サイクル目において、3サイクル目に第1試薬吐出位置Pbで第1試薬が吐出された反応容器17は、第1撹拌位置Pcで停止する。そして、第1撹拌子23は、第1撹拌位置Pcの反応容器17内の被検試料Bと第1試薬の混合液を撹拌する。
また、5サイクル目において、1サイクル目に第2乃至第6洗浄位置W2乃至W6で停止した前半に付随する反応容器17は、第3乃至第7洗浄位置W3乃至W7で停止する。また、1サイクル目に第1洗浄位置W1で停止した検査項目Aの希釈試料調製用の反応容器17は、第2洗浄位置W2で停止する。また、第1洗浄位置W1で停止する反応容器17は、検査項目Aの希釈試料調製の後半に付随する反応容器17として決定される。
各9,13,17,21サイクル目において、1サイクル目に第1洗浄位置W1で停止した検査項目Aの希釈試料調製用の反応容器17は、各第2乃至第6洗浄位置W2乃至W6で停止する。
25サイクル目において、21サイクル目に第6洗浄位置W6で停止した検査項目Aの希釈試料調製用の反応容器17は、第7洗浄位置W7で停止する。また、第1乃至第6洗浄位置W1乃至W6で停止する6個の反応容器17は、検査項目Aの希釈試料調製の後半に付随する反応容器17として決定される。なお、後半に付随する6個の反応容器17には、被検試料Bに設定された検査項目Aの検査が終了して洗浄が行われるまで、被検試料、希釈試料及び試薬は分注されない。
27サイクル目において、25サイクル目に第7洗浄位置W7で停止した反応容器17は、洗浄が行われてから試料吐出位置Paで1回目に停止する。そして、サンプル分注プローブ19は、サンプルテーブル12に保持された試料容器11から検査項目Aの再検査用の被検試料Bを吸引して、試料吐出位置Paの反応容器17内に10μL吐出する。
このように、再検査パラメータを設定することにより、検査項目Aの分析を行うための動作に並行して再検査で必要となる希釈試料を調製するための再検査用の被検試料Bを分注させることができる。
28サイクル目において、27サイクル目に試料吐出位置Paで再検査用の被検試料Bが吐出された反応容器17は、洗浄が行われてから第1試薬吐出位置Pbで1回目に停止する。そして、第1試薬分注プローブ21は、試薬庫15内の試薬ラック14に保持された試薬容器13から検査項目Aの再検査用の希釈液を吸引して、第1試薬吐出位置Pbの反応容器17内に90μL吐出する。
このように、再検査パラメータを設定することにより、検査項目Aの分析を行うための動作に並行して再検査の場合に必要となる希釈試料を調製するための希釈液を分注させることができる。
30サイクル目において、28サイクル目に第1試薬吐出位置Pbで再検査用の希釈液の吐出が行われた反応容器17は、洗浄が行われてから第1撹拌位置Pcで1回目に停止する。そして、第1撹拌子23は、第1撹拌位置Pcの反応容器17内の希釈液により被検試料Bが希釈された希釈試料を撹拌する。
dサイクル目において、5サイクル目に第1撹拌位置Pcで撹拌が行われた反応容器17は、第2試薬吐出位置Pdで停止する。そして、第2試薬分注プローブ25は、試薬庫16内の試薬ラック14に保持された試薬容器13から検査項目A分析用の第2試薬を吸引して、第2試薬吐出位置Pdの反応容器17内に50μL吐出する。
(d+1)サイクル目において、dサイクル目に第2試薬吐出位置Pdで第2試薬の吐出が行われた反応容器17は、第2撹拌位置Peで停止する。そして、第2撹拌子27は、第2撹拌位置Peの反応容器17内の被検試料B、第1試薬及び第2試薬の混合液を撹拌する。
(d+1)サイクル目から所定のサイクルタイム経過したhサイクル目において、30サイクル目に第1撹拌位置Pcで撹拌が行われた反応容器17は、洗浄が行われてから第2試薬吐出位置Pdで1回目に停止する。そして、第2試薬分注プローブ25は、第2試薬吐出位置Pdの反応容器17への第2試薬の吐出を停止する。
測定部29は、(d+1)サイクル目に第2撹拌位置Peで停止してから第1洗浄位置W1で停止するまでの間に測定位置Pmを通過する検査項目A分析用の反応容器17内の混合液を測定して吸光度データを生成する。演算部61は、測定部29で生成された吸光度データに基づいて検査項目Aの分析データを生成する。システム制御部90は、検査項目Aの分析データが上限値である1000を超えている場合、分析制御部50bに検査項目Aの再検査を指示する。また、分析データが1000以下である場合、分析制御部50bに検査項目Aの分析の終了を指示する。
洗浄ノズル30aは、g,(g+4),(g+8),(g+12),(g+16),(g+20),(g+24)サイクル目に第1乃至第7洗浄位置W1乃至W7で停止する検査項目Aの分析に使用された反応容器17を洗浄する。
(g+24)サイクル目から所定のサイクルタイム経過したiサイクル目において、30サイクル目に撹拌が行われた希釈試料調製用の反応容器17は、洗浄が行われてから第1洗浄位置W1で1回目に停止する。そして、洗浄ノズル30aは、検査項目Aの分析データが1000を超えている場合、希釈試料を再検査に用いるために洗浄位置Wの希釈試料調製用の反応容器17及び前半に付随する6個の反応容器17の洗浄を停止する。また、検査項目Aの分析データが1000以下である場合、再検査が不要であるため洗浄位置Wの7個の反応容器17の洗浄を行う。
各(i+4),(i+8),(i+12),(i+16),(i+20)サイクル目において、検査項目A希釈試料調製用の反応容器17は、各第2乃至第6洗浄位置W2乃至W6で停止する。そして、洗浄ノズル30aは、検査項目Aの分析データが1000を超えている場合、洗浄位置Wの希釈試料調製用の反応容器17及び前半及び後半に付随する6個の反応容器17の洗浄を停止する。また、検査項目Aの分析データが1000以下である場合、洗浄位置Wの7個の反応容器17の洗浄を行う。
(i+24)サイクル目において、検査項目A希釈試料調製用の反応容器17は、第7洗浄位置W7で停止する。そして、洗浄ノズル30aは、検査項目Aの分析データが1000を超えている場合、洗浄位置Wの希釈試料調製用の反応容器17及び後半に付随する6個の反応容器17の洗浄を停止する。また、検査項目Aの分析データが1000以下である場合、洗浄位置Wの7個の反応容器17の洗浄を行う。
このように、再検査パラメータを設定することにより、検査項目Aの分析データが上限値を超えている場合、再検査用に調製された希釈試料を収容する反応容器17が洗浄してから1回目に洗浄位置Wで停止したときに洗浄を停止させることができる。また、検査項目Aの分析データが上限値以下である場合、再検査不要となる希釈試料を収容する反応容器17が洗浄してから1回目に洗浄位置Wで停止したときに洗浄を行うことができる。
検査項目Aの再検査を行う場合、第2ラウンドの1サイクル目において、検査項目Aの希釈試料調製用の反応容器17は、反応テーブル18の角度θの回転により第7洗浄位置W7から回転移動した位置で停止する。2サイクル目において、洗浄が行われてから試料吐出位置Paで2回目に停止する。そして、サンプル分注プローブ19は、試料吐出位置Paの反応容器17への試料の吐出を停止する。3サイクル目において、2サイクル目に試料吐出位置Paで停止した反応容器17は、洗浄が行われてから第1試薬吐出位置Pbで2回目に停止する。そして、第1試薬分注プローブ21は、第1試薬吐出位置Pbの反応容器17への第1試薬及び希釈液の吐出を停止する。
6サイクル目乃至(d+5)サイクル目において、図7で説明した第1の実施形態における第2ラウンドの6サイクル目乃至(d+5)サイクル目と同様に動作するのでその説明を省略する。
測定部29は、第2撹拌位置Peで停止してから洗浄位置Wで停止するまでの間に測定位置Pmを通過する検査項目A再検査用の反応容器17内の混合液を測定して吸光度データを生成する。そして、演算部61は、測定部29で生成された吸光度データに基づいて検査項目Aの分析データを生成する。出力部70は、演算部61で生成された検査項目Aの分析データを出力する。
以上述べた第3の実施形態によれば、再検査パラメータを設定することにより、検査項目Aの分析を行うための動作に並行して検査項目Aの再検査で必要となる希釈試料の調製を行うことができる。そして、検査項目Aの分析データが上限値を超えている場合、調製した希釈試料を収容する反応容器17が洗浄してから1回目に洗浄位置Wで停止したときに洗浄を停止させることができる。また、検査項目Aの分析データが上限値以下である場合、不要となる希釈試料を収容する反応容器17が洗浄してから1回目に洗浄位置Wで停止したときに洗浄を行うことができる。更に、洗浄を停止させた反応容器17から希釈試料を吸引して洗浄が行われた反応容器17に吐出させて再検査を行うことができる。
これにより、操作者にかける負担を軽減して迅速に再検査を行うことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。