JP6758821B2 - 自動分析装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、被検体から採取された試料を反応容器に分注してその試料に含まれる成分を分析する自動分析装置に関する。
自動分析装置による検査では生化学検査項目や免疫検査項目等を対象とし、被検体から採取された試料と各検査項目の分析に用いる試薬との混合液の反応によって生ずる色調や濁りの変化を光学的に測定する。この測定により、試料中の様々な検査項目成分の濃度や酵素の活性等で表される分析データを生成する。
自動分析装置では、試料毎に複数の検査項目の中から、検査に応じて設定された検査項目の分析を行う。そして、試料及び各検査項目の試薬を反応容器に分注し、反応容器内の試料と試薬の混合液を測定する。測定が終了した反応容器は洗浄が行われてから、次の試料及び試薬の分注並びに測定に用いられる。
特開2014−20885号公報
しかしながら、検査項目の中には微量な成分の分析が要求される項目があり、その検査項目が設定されていると、測定が終了した後に洗浄したにもかかわらず反応容器に付着する僅かな試料の汚染による影響により、その検査項目の分析データが悪化する問題がある。
実施形態は、上記問題点を解決するためになされたもので、試料の影響による分析データの悪化を未然に防ぐことができる自動分析装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、実施形態の自動分析装置は、各試料及びこの試料に設定された各検査項目の試薬を反応容器内に分注し、前記反応容器内の試料及び試薬の混合液の測定により分析データを生成する自動分析装置において、前記混合液の測定終了毎に前記反応容器の洗浄を行う洗浄ノズルと、前記洗浄ノズルにより洗浄が行われた反応容器のうち、閾値が設定された検査項目において前記分析データが前記閾値以上の値となった試料の分注が行われた反応容器への当該検査項目の試薬の分注を停止させる分析制御部とを備える。
実施形態に係る自動分析装置の構成を示すブロック図。 実施形態に係る分析部の構成を示す斜視図。 実施形態に係る各反応容器の各停止位置を示す図。 実施形態に係る表示部に表示された回避パラメータ設定画面の一例を示す図。 実施形態に係る各反応容器の使用が可能であるか否かを判定する手順の一例を示すフローチャート。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は、実施形態に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、標準試料や被検試料等の試料と各検査項目用の試薬とを分注し、試料及び試薬の混合液を測定して標準データや被検データを生成する分析部10を備えている。また、分析部10の各種ユニットを駆動する駆動部40と、この駆動部40を制御する分析制御部41とを備えている。また、分析部10で生成された標準データや被検データから検量データや分析データを生成するデータ処理部60を備えている。
また、自動分析装置100は、データ処理部60で生成された検量データや分析データを出力する出力部70を備えている。また、検査項目毎に試料や試薬の分注量等の分析パラメータを設定するための入力、試料の汚染による影響を回避する検査項目及び閾値等の回避パラメータを設定するための入力、分析部10で分注させる試料の情報及び試薬の情報からなる分注情報を設定するための入力等を行う操作部80を備えている。また、分析制御部41、データ処理部60及び出力部70を統括して制御するシステム制御部90を備えている。
図2は、分析部10の構成を示した斜視図である。この分析部10は、標準試料や被検試料等の試料を収容する試料容器11と、この試料容器11を移動可能に保持するサンプルテーブル12とを備えている。また、各検査項目の1試薬系及び2試薬系の第1試薬、2試薬系の第1試薬と対をなす第2試薬、並びに洗浄液の各液体を収容する試薬容器13を備えている。また、試薬容器13を移動可能に保持する2つの試薬ラック14を備えている。
また、試薬ラック14に保持された試薬容器13内の第1試薬や洗浄液を保冷する試薬庫15と、試薬ラック14に保持された試薬容器13内の第2試薬を保冷する試薬庫16とを備えている。また、円周上に等間隔で一列に配置された例えば165個の反応容器17と、この反応容器17を回転移動可能に保持する反応テーブル18とを備えている。
また、サンプルテーブル12に保持された試料容器11内の試料を吸引して反応容器17内へ吐出する分注を行うサンプル分注プローブ19と、このサンプル分注プローブ19を移動可能に保持するサンプル分注アーム20とを備えている。また、試薬ラック14に保持された試薬容器13内の第1試薬や洗浄液を吸引して、反応容器17内に吐出する分注を行う第1試薬分注プローブ21と、この第1試薬分注プローブ21を移動可能に保持する第1試薬分注アーム22とを備えている。
また、反応容器17に分注された試料及び第1試薬の混合液を撹拌する第1撹拌子23と、第1撹拌子23を移動可能に保持する第1撹拌アーム24とを備えている。また、試薬ラック14に保持された試薬容器13内の第2試薬を吸引して、第1試薬が分注された反応容器17内に吐出する分注を行う第2試薬分注プローブ25と、この第2試薬分注プローブ25を移動可能に保持する第2試薬分注アーム26とを備えている。
また、反応容器17内に分注された試料、第1試薬及び第2試薬の混合液を撹拌する第2撹拌子27と、この第2撹拌子27を移動可能に保持する第2撹拌アーム28とを備えている。また、反応容器17内の混合液を測定する測定部29と、測定部29により混合液の測定を終了した反応容器17内を洗浄する洗浄ノズル30とを備えている。洗浄ノズル30により洗浄が行われた反応容器17は再び使用され、試料や試薬が分注されることになる。
そして、測定部29は、反応容器17に光を照射し、反応容器17内の標準試料を含む混合液を透過した光を検出する検出信号に基づいて、例えば吸光度や吸光度の変化量で表される標準データを生成する。また、反応容器17に光を照射し、反応容器17内の被検試料を含む混合液を透過した光を検出する検出信号に基づいて、吸光度や吸光度の変化量で表される被検データを生成する。
なお、図示はしないが、サンプル分注プローブ19、第1試薬分注プローブ21、第1撹拌子23、第2試薬分注プローブ25及び第2撹拌子27をそれぞれ洗浄する洗浄槽を備えている。そして、各試料の分注終了毎にサンプル分注プローブ19の洗浄を行う。また、各第1試薬の分注終了毎に第1試薬分注プローブ21の洗浄を行う。また、各混合液の撹拌終了毎に第1撹拌子23の洗浄を行う。また、各第2試薬の分注終了毎に第2試薬分注プローブ25の洗浄を行う。また、各混合液の撹拌終了毎に第2撹拌子27の洗浄を行う。
図1に示した駆動部40は、分析部10のサンプルテーブル12を駆動して試料容器11を移動する。また、2つの試薬ラック14をそれぞれ駆動して試薬容器13を移動する。また、反応テーブル18を駆動して各反応容器17を回転移動する。また、サンプル分注アーム20、第1試薬分注アーム22、第1撹拌アーム24、第2試薬分注アーム26及び第2撹拌アーム28をそれぞれ駆動して、サンプル分注プローブ19、第1試薬分注プローブ21、第1撹拌子23、第2試薬分注プローブ25及び第2撹拌子27を移動する。また、洗浄ノズル30を上下移動する。
分析制御部41は、操作部80からの入力により設定された各検査項目の分析パラメータ、回避パラメータ及び分注情報等に基づく駆動部40の制御により、分析部10の各種ユニットを作動させて、試料及び試薬の分注や混合液の測定等の検査を実行させる。
また、分析制御部41は、操作部80からの検査開始の入力に応じて、分析部10の各種ユニットの動作が開始されてから分注、測定及び洗浄の動作が終了するまでの検査中に、各反応容器17を識別する容器ID、並びにこの容器IDで識別される反応容器17に分注された試料を識別する識別情報及び試薬を識別する前記試料に設定された検査項目の情報からなる分注情報をデータ処理部60に出力する。
また、分析制御部41は、分析部10で混合液の測定終了毎に洗浄ノズル30で洗浄が行われた反応容器17のうち、データ処理部60で生成された分析データが回避パラメータとして設定された閾値以上の値となる検査項目が設定された試料の分注が行われた反応容器17への当該検査項目の試薬の分注を停止させる。
データ処理部60は、分析部10の測定部29で生成された標準データや被検データを処理して各検査項目の検量データや分析データを生成する演算部61と、演算部61で生成された標準データや分析データ等を保存するデータ記憶部62とを備えている。そして、演算部61は、各検査項目の標準データに基づいて検量データを生成する。また、各検査項目の検量データ及び被検データに基づいて、濃度値や活性値で示される分析データを生成する。
データ記憶部62は、分析制御部41から出力された分注情報を反応容器17の容器ID毎に、検査中に分注された回数分を分注順に保存する。また、演算部61で生成された検量データを保存する。また、演算部61で生成された分析データをこの分析データに関連する分注情報に関連付けて保存する。
出力部70は、データ処理部60の演算部61で生成された検量データや分析データを印刷出力する印刷部71及び表示出力する表示部72を備えている。そして、表示部72は、検査項目毎に試料容器11内の試料を反応容器17内に分注する分注量、試薬容器13内の第1試薬や第2試薬を反応容器17内に分注する分注量等を設定するための分析パラメータ設定画面を表示する。
また、表示部72は、試料毎にこの試料を識別する氏名やID等の識別情報及び検査項目を設定するための検査項目設定画面等を表示する。また、影響を与えると共に影響を受ける検査項目、この検査項目における試料中の影響を与える含有量の下限値を示す閾値、試料の影響を防ぐことができる洗浄条件等の回避パラメータを設定するための回避パラメータ設定画面を表示する。
操作部80は、キーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを備え、各検査項目の分析パラメータを設定するための入力、各試料の識別情報及び検査項目を設定するための入力、回避パラメータを設定するための入力等を行う。
システム制御部90は、CPU及び記憶回路を備え、操作部80から入力された各検査項目の分析パラメータ、試料の識別情報及び検査項目、回避パラメータ等の入力情報を記憶回路に記憶する。そして、それらの入力情報に基づいて、分析制御部41、データ処理部60及び出力部70を統括してシステム全体を制御する。
次に、図1乃至図3を参照して、分析部10の各反応容器17の動作及び停止位置について説明する。
図3は、反応テーブル18に保持された各反応容器17の各停止位置、洗浄ノズル30及び測定部29の位置の一例を示した図である。
各反応容器17は、1サイクルタイム毎に矢印R1方向へ回転移動して、移動前とは異なる各停止位置で停止する。ここでは、各反応容器17は、反応テーブル18の角度θの回転駆動により、1サイクルタイム毎にR1方向へ回転移動して、移動前の位置からR1方向に例えば90°の角度に位置する反応容器17に対して、R1方向とは反対方向の矢印R2方向に隣接する反応容器17の位置で停止する。そして、1サイクルタイムよりも長い時間である1ラウンドタイム毎に同じ停止位置で停止する。
停止位置の中には、測定部29による混合液の測定終了毎に、洗浄ノズル30により1回の通常洗浄が行われる反応容器17が停止する洗浄位置Wがある。また、サンプル分注プローブ19により試料容器11内の試料の分注が行われる反応容器17が停止する試料分注位置Paがある。また、第1試薬分注プローブ21により試薬容器13内の第1試薬や洗浄液の分注が行われる反応容器17が停止する第1試薬分注位置Pbがある。
また、停止位置の中には、第1撹拌子23により、試料とこの試料が分注された後に分注される第1試薬との混合液の撹拌が行われる反応容器17が停止する第1撹拌位置Pcがある。また、第2試薬分注プローブ25により試薬容器13内の第2試薬の分注が行われる反応容器17が停止する第2試薬分注位置Pdがある。また、第2撹拌子27により、試料、第1試薬及び第2試薬の混合液の撹拌が行われる反応容器17が停止する第2撹拌位置Peがある。
洗浄ノズル30は、例えば7本の第1乃至第7洗浄ノズル31乃至37により構成され、洗浄位置Wで駆動部40の上下駆動により上下方向に移動可能に配置される。そして、洗浄位置Wで停止する各反応容器17に対して、1ラウンドタイム毎に1回の通常洗浄を行う。そして、第1洗浄ノズル31は、第1洗浄位置W1で停止する反応容器17内の混合液の吸引による洗浄を行う。
また、第2洗浄ノズル32は、第1洗浄位置W1で停止した後に第2洗浄位置W2に停止する反応容器17内への例えばアルカリ洗浄液の吐出及び吐出したアルカリ洗浄液の吸引による洗浄を行う。また、第3洗浄ノズル33は、第2洗浄位置W2で停止した後に第3洗浄位置W3に停止する反応容器17内への例えば酸性洗浄液の吐出及び吐出した酸性洗浄液の吸引による洗浄を行う。
また、第4洗浄ノズル34は、第3洗浄位置W3で停止した後に第4洗浄位置W4に停止する反応容器17内への洗浄水の吐出及び吐出した洗浄水の吸引による洗浄を行う。また、第5洗浄ノズル35は、第4洗浄位置W4で停止した後に第5洗浄位置W5に停止する反応容器17内への洗浄水の吐出及び吐出した洗浄水の吸引による洗浄を行う。
また、第6洗浄ノズル36は、第5洗浄位置W5で停止した後に第6洗浄位置W6に停止する反応容器17内に残留する洗浄水の吸引による洗浄を行う。また、第7洗浄ノズル37は、第6洗浄位置W6で停止した後に第7洗浄位置W7に停止する反応容器17内に残留する洗浄水のさらなる吸引による洗浄を行う。
測定部29は、各反応容器17の内外周に跨って配置される光源及び検出器を備え、反応テーブル18の回転毎に測定位置Pmを通過する各反応容器17に光を照射する。そして、各反応容器17内の標準試料や被検試料を含む混合液を透過した光を検出して吸光度で表わされる標準データや被検データを生成する。
次に、図1乃至図4を参照して、表示部72に表示される回避パラメータ設定画面について説明する。
図4は、表示部72に表示された回避パラメータ設定画面の一例を示した図である。この回避パラメータ設定画面73は、「1」乃至「9」の欄と、各「1」乃至「9」の欄に回避パラメータを設定するための「項目」、「値」、「洗浄回数」及び「特別洗浄」の欄とにより構成される。
「項目」の欄には、影響を与える試料中の含有量が高い値を示す検査項目であって、その試料が分注された後、洗浄ノズル30による1回目の通常洗浄が行われた反応容器17に、試料及び試薬を分注して行う測定により生成される分析データが許容誤差範囲を外れるような影響を受ける検査項目を設定する。そして、「1」の欄には、分析パラメータが設定された検査項目の中から選択設定された検査項目Bであることを示す「B」が表示されている。
「値」の欄には、洗浄ノズル30による1回の通常洗浄だけでは、「項目」の欄に設定された検査項目の分析データが影響を受ける場合の、影響を与える試料に含まれる「項目」の欄に設定された検査項目成分の含有量の下限値を示す閾値を設定する。そして、「1」の欄には、閾値が値ULであることを示す「UL」が表示されている。
「洗浄回数」又は「特別洗浄」の少なくともいずれか一方の欄に、「項目」の欄に設定された検査項目の分析データが「値」の欄に設定された閾値以上となる試料が分注された反応容器17から前記試料を洗い落とすことができる洗浄条件を設定する。
「洗浄回数」の欄には、「項目」の欄に設定された検査項目の分析データが「値」の欄に設定された閾値以上となる試料が分注された反応容器17から、前記試料を1回目の通常洗浄では洗い落とすことができない場合に、洗い落とすことができる通常洗浄の回数として2以上の回数を設定する。そして、「1」の欄には、洗い落とすことができる通常洗浄の回数が2回であることを示す「2」が表示されている。
「特別洗浄」の欄には、「項目」の欄に設定された検査項目の分析データが「値」の欄に設定された閾値以上となる試料が分注された後、洗浄ノズル30により1回目の通常洗浄が行われた反応容器17に、第1試薬分注プローブ21により試薬ラック14に保持された試薬容器13内の洗浄液を分注させる場合に設定する。そして、「1」の欄には、「洗浄回数」の欄に2以上の回数が設定されているため、反応容器17に洗浄液を分注されないことを示す「0」が表示されている。
なお、「特別洗浄」の欄に「1」が表示されていると、「特別洗浄」の欄に、反応容器17に洗浄液が分注されることを示す例えば「1」を設定することができる。そして、試薬容器13内に「項目」の欄に設定された検査項目成分に対して強力な洗浄力を有する専用の洗浄液を入れておくことにより、洗浄液が分注された反応容器17を、洗浄位置Wに到達するまで洗浄ノズル30による洗浄よりも長い時間をかけてより強力な特別洗浄を行うことができる。この洗浄液により洗浄が行われた反応容器17は、試料及び試薬を分注して測定可能な反応容器17として使用することができる。
また、「洗浄回数」の欄に「2」が表示され、「特別洗浄」の欄に「1」が表示されている場合、「特別洗浄」の欄に設定された洗浄条件を優先して、特別洗浄が行われることになる。また、「洗浄回数」の欄に「2」が表示され、「特別洗浄」の欄に「1」が表示されている場合でも、洗浄液が収容された試薬容器13が試薬ラック14に保持されていないと、「洗浄回数」の欄に表示された洗浄条件に従って洗浄が行われることになる。
分析制御部41は、表示部72の回避パラメータ設定画面73に表示された回避パラメータや、検査対象の各試料の識別情報及びこの試料に設定された検査項目、データ処理部60のデータ記憶部62に保存された分析データや分注情報等に基づいて、洗浄ノズル30により通常洗浄が行われた各反応容器17の使用が可能であるか否を1サイクルタイム毎に判定する。
図5は、各反応容器17の使用が可能であるか否かを判定する手順の一例を示したフローチャートである。
分析制御部41は、洗浄位置Wで洗浄ノズル30により通常洗浄(今回の通常洗浄)を終えた例えば第7洗浄位置W7の反応容器17に分注させる試料を割り当てる。そして、割り当てた今回の試料に設定されている検査項目に基づいて、第7洗浄位置W7の判定対象の反応容器17の使用が可能であるか否かの判定を開始する(ステップS10)。
分析制御部41は、判定対象の反応容器17に割り当てた今回の試料に検査項目Bが設定されている場合(ステップS11のはい)、ステップS12へ移行する。また、判定対象の反応容器17に割り当てた今回の試料に検査項目Bが設定されていない場合(ステップS11のいいえ)、ステップS15移行する。
ステップS11の「はい」の後、1ラウンドタイム前に行われた前回の通常洗浄の後に判定対象の反応容器17に分注された前回の試料に検査項目Bが設定されていた場合(ステップS12のはい)、ステップS13へ移行する。また、判定対象の反応容器17に分注された前回の試料に検査項目Bが設定されていなかった場合(ステップS12のいいえ)、ステップS15へ移行する。
ステップS12の「はい」の後、前回の試料に設定されていた検査項目Bの分析データが値UL以上であった場合(ステップS13のはい)、前回の試料が分注された後に行われた1回の通常洗浄だけでは判定対象の反応容器17を検査項目B用として使用するのは不可能であると判断する。そして、ステップS14へ移行する。また、前回の試料に設定されていた検査項目Bの分析データが値UL未満であった場合(ステップS13のいいえ)、ステップS15へ移行する。
ステップS13の「はい」の後、今回の試料に検査項目B以外の検査項目が設定されている場合(ステップS14のはい)、ステップS15へ移行する。また、今回の試料に検査項目B以外の検査項目が設定されていない場合(ステップS14のいいえ)、ステップS16へ移行する。
ステップS11の「いいえ」、ステップS12の「いいえ」、ステップS13の「いいえ」又はステップS14の「はい」の後、分析制御部41は、今回の試料に対して判定対象の反応容器17の使用が可能であると判定する(ステップS15)。
但し、ステップS11の「いいえ」、ステップS12の「いいえ」又はステップS13の「いいえ」の後では、今回の試料に設定された全ての検査項目に対して判定対象の反応容器17の使用が可能であると判定する。また、ステップS14の「はい」の後では、今回の試料に設定された検査項目B以外の検査項目に対して判定対象の反応容器17の使用が可能であると判定する。
ステップS14の「いいえ」の後、分析制御部41は、今回の試料に対して判定対象の反応容器17の使用が不可能であると判定する(ステップS16)。
ステップS15又はステップS16の後、分析制御部41は、判定対象の反応容器17の判定を終了する(ステップS17)。
分析制御部41は、図5のステップS11、ステップS12又はステップS13の「いいえ」の後に使用可能であると判定した判定対象の反応容器17に今回の試料及びこの試料に設定されたいずれかの検査項目の試薬を分注させる。また、ステップS14の「はい」の後に使用可能であると判定した判定対象の反応容器17に今回の試料及びこの試料に設定された検査項目B以外の検査項目の試薬を分注させる。
このように、洗浄ノズル30により通常洗浄が行われた反応容器17を検査項目B用としての使用を中止させることにより、検査項目Bの分析データの悪化を未然に防ぐことができる。そして、洗浄ノズル30により通常洗浄が行われた反応容器17に検査項目B以外の検査項目の試薬を分注させることにより、スループットの低下を防ぐことができる。
また、分析制御部41は、ステップS14の「いいえ」の後に使用不可能であると判定した判定対象の反応容器17への今回の試料及びこの試料に設定された検査項目Bの試薬の分注を停止させる。このように、使用不可能であると判定した反応容器17への検査項目Bの試薬の分注を停止させることにより、検査項目Bの分析データの悪化を未然に防ぐことができる。
ここで、回避パラメータ設定画面73における「特別洗浄」の欄に洗浄液が設定されていると、ステップS14の「いいえ」の後に使用不可能であると判定した判定対象の反応容器17に洗浄液を分注させることになる。このように、使用不可能であると判定した反応容器17に洗浄液を分注させることにより、影響を与える試料を洗い落とすことができる。
なお、回避パラメータ設定画面73の「洗浄回数」の欄に「2」が表示されているため、検査項目Bの分析データが値UL以上となる試料が分注された反応容器17に対して、1回目の通常洗浄が行われた後、2回目の通常洗浄の前に検査項目Bの分析データが値UL以上となる試料の分注が行われなかった場合、2回の通常洗浄で影響を与える試料を洗い落とすことができるため、2回目の通常洗浄後に検査項目Bに対して使用可能とすることができる。
また、分析制御部41は、ステップS14の「いいえ」の後、今回の試料に対して判定対象の反応容器17の使用が不可能であると判定した場合、判定対象の反応容器17に対して今回の試料の次に割り当てる試料の分注が可能であるか否かを判定する。そして、次に割り当てる試料に検査項目B以外の検査項目が設定されている場合、判定対象の反応容器17に次に割り当てる試料及びこの試料に設定されている検査項目B以外の検査項目の試薬を分注させる。
このように、洗浄ノズル30により通常洗浄が行われた反応容器17に次に割り当てた試料及びこの試料に設定された検査項目B以外の検査項目の試薬を分注させることにより、スループットの低下を防ぐことができる。
また、分析制御部41は、ステップS14の「いいえ」の後、今回の試料に対して判定対象の反応容器17の使用が不可能であると判定した場合、更に次のサイクルタイムで判定対象となる反応容器17に今回の試料を割り当て、ステップS12乃至S16を実行して判定を行う。
なお、上記実施形態に限定されるものではなく、値UL以上の値となる検査項目Bが設定された試料の分注が行われた後、洗浄ノズル30により1回目の洗浄が行われた反応容器17へ検査項目Bの試薬及びこの検査項目Bが設定された試料を分注させるように実施してもよい。この場合、検査項目Bの試薬との混合液の測定により得られる分析データにエラーフラグを付加してデータ記憶部62に保存させると共に出力部70に出力させるようにする。
以上述べた実施形態によれば、分析データが回避パラメータとして設定された値UL以上の値となる検査項目Bが設定された試料の分注が行われた後、洗浄ノズル30により1回目の洗浄が行われた反応容器17への試料及びこの試料に設定された検査項目Bの試薬の分注を停止させることができる。これにより、試料の影響による分析データの悪化を未然に防ぐことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 分析部
17 反応容器
30 洗浄ノズル
60 データ処理部
41 分析制御部

Claims (4)

  1. 各試料及びこの試料に設定された各検査項目の試薬を反応容器内に分注し、前記反応容器内の試料及び試薬の混合液の測定により分析データを生成する自動分析装置において、
    前記混合液の測定終了毎に前記反応容器の洗浄を行う洗浄ノズルと、
    前記洗浄ノズルにより洗浄が行われた反応容器のうち、閾値が設定された検査項目において前記分析データが前記閾値以上の値となった試料の分注が行われた反応容器への当該検査項目の試薬の分注を停止させる分析制御部と
    を備え
    前記分析制御部は、前記検査項目の試薬の分注を停止させる反応容器へ当該検査項目とは異なる検査項目の試薬を分注させる
    自動分析装置。
  2. 前記分析制御部は、前記閾値が設定された検査項目において前記分析データが前記閾値以上の値となった試料の分注が行われた後、前記洗浄ノズルにより1回目の洗浄が行われた反応容器への当該検査項目の試薬の分注を停止させることを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
  3. 前記分析制御部は、前記閾値が設定された検査項目において前記分析データが前記閾値以上の値となった試料の分注が行われた後、前記洗浄ノズルにより予め設定された複数回数の洗浄が行われた反応容器に当該検査項目の試薬を分注させることを特徴とする請求項2に記載の自動分析装置。
  4. 前記分析制御部は、前記検査項目の試薬の分注を停止させる反応容器へ洗浄液を分注させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動分析装置。
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