JP3723827B2 - 検体の測定方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、検体中に含まれる特定成分の濃度(または量)を、測定装置によって複数の検体を連続的または断続的に測定し、精度良い測定結果を迅速に得るための測定方法に関する。更に詳しくは、本発明は、検体のサンプリング、場合により行う緩衝液による希釈、特定成分を検出するための試薬溶液との反応、特定成分の濃度に応じた信号の検出、および既得の検量線に基づいた特定成分の濃度を出力するという一連の操作を、複数検体について順次行う、臨床検査分野における生化学的検査を自動測定装置によって行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
臨床検査の分野における生化学的検査で使用される測定装置は、検体として血漿、血清、全血、尿、リコールなどに含まれる特定成分濃度、例えばグルコース濃度(血糖値)を測定するために、それらの検体を所定量サンプリングし、緩衝液で希釈した後に試薬溶液と反応させ、或いは検体と直接試薬溶液を反応させて特定成分濃度に応じた信号を検出部によって出力・検出し、既存の検量線に基づいて特定成分濃度を求め、その結果を測定者に知らしめる過程を順次繰り返すことによって測定を実施している。
【0003】
ここで言う特定成分濃度に応じた「信号を検出部によって出力・検出」するとは、特定成分の濃度および/またはその変化を、例えば信号としての色の変化を分光吸光光度計を用いて透過率や吸光度として検出したり、あるいは電極を用いて電気的な出力として検出する場合のことである。この他に特定成分濃度に応じた信号を検出部によって検出する方法は数多く知られている。
【0004】
この様な検体の連続的な測定においては、1つの検体と試薬溶液を反応させて特定成分濃度に応じた信号を検出部によって検出した後、検体と試薬溶液の混合液である反応液を排出して、洗浄液を用いて洗浄を行い、その次の検体、即ち、次検体の測定に移るが、この時、反応液の排出と洗浄が十分に行われなかった場合、つまり反応液の一部分が残留して次検体を測定した時に影響を与える場合がある。ここで言う影響とは、検体の特定成分濃度が高く、洗浄によっても反応液を完全に除去できなかったために、次検体の測定結果が本来の値よりも高い結果として得られてしまう、即ち、前検体が次検体に影響を及ぼすことである。
【0005】
測定装置において複数の検体を連続的に測定する場合は、この様に直前に測定した検体、即ち、前検体の影響が次検体の測定結果に影響を及ぼさないために、次検体の測定前に洗浄を行っている。例えば固定化酵素膜を利用した電極によるグルコース濃度の測定装置を例にとると、測定セル内に存在する酵素反応の生成産物を検出するための電極付近で前検体の反応液が局部的に残存することがあり、特に局部的に高濃度の反応液が残存する場合は1回の洗浄でも十分な洗浄効果が見られない時もある。
【0006】
これは電極が反応系である測定セル中に直接露出しておらず、固定化酵素膜によって覆われており、膜と電極間に反応液が存在してしまうためである。この意味では、この膜は存在しない方が好ましいが、この膜は測定結果に影響を与える妨害物質の通過を防止するという利点もあるため膜は必要である。そこで、次検体に及ぼす影響を回避するためには、洗浄回数を増やしたり、膜と電極間に残存する反応溶液から得られる信号が無視小になるまで次検体の測定を待たねばならなかった。従って、1検体の測定時間を、検体の採取から洗浄後に電極の応答が限りなくベースラインに近づく、または一定になるまでと設定したときに、測定時間が長くなってしまっていた。
【0007】
この様な次検体に及ぼす影響が認められる場合は、通常、検体の特定成分濃度が高い時に起こることが確認されている。
次検体に及ぼす影響は、測定精度の低下に直接結び付くため、特に精度が要求される検査項目、例えばグルコース濃度(血糖値)の測定を行う装置においては十分に考慮されなければならない問題である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
次検体に及ぼす影響を回避するためには、実際に影響を及ぼすか否かにかかわらず、すべての検体を測定するにあたって、測定の直後に通常行われる1回の洗浄の後、更にもう1回追加して反応セルの洗浄を行い次検体の測定に移るという工程を検体の濃度に拘わらずに一律に行う方法がある。
【0009】
しかし、一般的な臨床検査用の多くのサンプルについての測定の場合、次検体に影響を及ぼすのは、特定成分濃度が高い検体である。日常的に行われる測定では高濃度の検体の割合は、対象となる検査項目によって異なるため一概には言えないが、例えば上述のグルコース濃度の測定においては、総数の1〜2割程度の検体が影響を及ぼし得、残りは次検体に影響を及ぼす程の濃度ではない場合が多い。
【0010】
従って、次検体に及ぼす影響を防止するために一律に追加の洗浄を行う方法は、大半の検体については、実際に次検体に影響を与えていないにもかかわらず、追加の洗浄が行われていることになる。一律に追加洗浄を行う測定方法は、洗浄液が無駄に消費されることになり、全体として1検体あたりの測定コストが高くなってしまう。更に、1検体あたりの測定に要する時間も追加の洗浄を行っている分だけ長くかかってしまい、効率的な測定ができていないという問題が生じていた。
【0011】
次検体に及ぼす影響を防止するための別の方法として、あらかじめ次検体に影響を及ぼさない検体の特定成分濃度の下限を調べておき、これを基準値として前検体の測定において基準値以上の特定成分濃度が得られた時に限って、次検体の測定に移る前に追加の洗浄を行うという方法もある。
【0012】
ただし、この基準値を定めることは非常に難しい。例えば上述のグルコース濃度の測定では、同一の固定化酵素膜であっても、膜の使用頻度によって次検体に及ぼす基準値となる濃度が異なる。具体的には、使い始めは固定化酵素膜の応答性が良いので、該基準値を高く設定しても充分対応できるが、使用回数が増す程に固定化酵素膜の疲労が起こり、応答性が悪くなり該基準値を低く設定しなければならない。そうすると結局低い基準値を採用しなければならず、依然として洗浄液の浪費、測定時間の短縮化がなされないという問題が解決されないことになる。
【0013】
尚、ここで言う応答性とは、電極が酵素反応による反応生成物の濃度(または量)の変化率を検知する、単位時間当りに発生または減少する出力信号の量を言う。応答性が良いとは、変化率が大きいことを意味し、これは、洗浄後短時間でベースライン電流まで出力信号が戻ることにも相当する。
【0014】
そこで本発明は、測定装置による検体の測定、特に連続的な測定において、前検体の及ぼす影響を確実に回避し、洗浄液の節約及び測定効率の向上を図り、その結果、高い測定精度を維持しつつ1検体あたりの測定費用のコストダウンと効率化を達成する方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の測定方法は、検体中の特定成分濃度が未知である複数検体中の特定成分濃度を、濃度に応じた出力値を発生する装置を用いて特定成分の濃度または量を測定する方法において、前検体について測定し、次に、次検体について測定する前に、前検体についての測定が次検体についての測定に及ぼす影響の程度を検知することを特徴する。
【0016】
本発明の1つの態様では、影響の程度の検知の結果、次検体に及ぼす影響の程度が次検体の測定結果に影響を与えないと判断される場合は次検体の測定を行い、次検体に及ぼす影響の程度が次検体の測定結果に影響を及ぼすと判断される場合は、次検体についての測定の前に、測定系内の洗浄を行う。
本発明の方法において、洗浄とは、測定装置内の液を排出して、影響を減らす効果を有する所定の液(即ち、洗浄液)、例えば検体を含まない測定に用いる試薬溶液または緩衝液により測定装置を共洗いすることを意味する。
【0017】
本発明の1つの好ましい態様では、前検体の測定の終了後、第1回目の洗浄を予め実施し、その後、前検体についての測定が次検体についての測定に及ぼす影響の程度を検知する。
本発明の別の好ましい態様では、洗浄後、前検体についての測定が次検体についての測定に及ぼす影響の程度を検知して、影響を及ぼすと判断される時は、洗浄を再度実施し、その後、前検体についての測定が次検体についての測定に及ぼす影響の程度を検知する、というように、影響を与えないと判断されるまで洗浄/検知を繰り返すことを特徴とする。
【0018】
本発明の方法の実施に使用できる装置は、例えば検体のサンプリング、緩衝液による希釈、検体中の特定成分と試薬溶液との反応、特定成分濃度に応じた信号の検出部による検出、および既存の検量線に基づいた特定成分濃度の演算、該演算結果としての特定成分濃度値の出力、という一連の操作を、複数の検体について順次または断続的に行う測定装置である。より具体的には、酵素電極を用いる市販のクルコース濃度測定装置を例示できる。
【0019】
測定装置の検出部により得られる出力信号値(Ι)を時間の関数として把握し、特定成分濃度に応じた出力信号を検知した後に、次検体に及ぼす影響の程度を検出する。つまり、特定成分濃度に応じた出力信号値がベースラインに向かって低下する間において影響の程度を検知する。影響の程度は、出力信号値のベースラインからの高さ(H)または時間に対する変化率(V)を検知する。
具体的には、どの程度の時間においてどの程度の高さ(H)および/または変化率(V)であれば次の測定に実質的に影響が無いかを判断する。実際には、特定成分が種々の濃度のモデル検体を調製して、実際に測定装置で測定して試行錯誤的に高さ(H)および/または変化率(V)を決定できる。
【0020】
出力信号値は、例えば電極法による測定の場合は電流値または電圧値として得られ、分光光度法による測定の場合には吸光度として得られるが、いずれの場合にも電気的信号として取り扱うことができる。
出力信号値の変化率(V)は、得られる出力信号値(Ι)の時間微分値として得ることもできる。
【0021】
通常、検体を用いて測定を行う前と、例えば20〜30検体に一回の割合で特定成分濃度が既知の標準検体を用いて同じ測定を行い、測定濃度と標準検体の既知の濃度が異なれば、測定濃度が標準濃度となるように特定成分濃度の出力信号特性に応じて所定の換算を行う。例えば、標準濃度と測定濃度との差を求めて、これにより測定値を補正したり、標準濃度と測定濃度との比率を求めて、これにより測定値を補正したりできる。
【0022】
このような操作を一般的にキャリブレーションと呼んでいる。キャリブレーションは、精度の良い測定結果を得るために行う操作で、一定濃度の標準溶液を測定したときは、必ず常に一定濃度になるように、例えば上述のように換算することにより調整している。キャリブレーションは測定時における測定装置の状態を一定に保つことができ、しかも20〜30検体に一回の割合で短時間に調整されるので精度の高い信頼性のおける測定結果を得ることができる。よって、このキャリブレーション時に、標準溶液を測定して基準値を設定することが望ましい。
【0023】
特に、標準溶液の標準濃度に応じた出力信号を検知した後に、好ましくは1回目の洗浄の後に、出力信号値がベースラインに向かって低下する間で、所定時間における出力値のベースラインからの高さ(H)及び出力信号(Ι)の時間変化率(V)を基準値として選定する。キャリブレーション時において基準値の設定を行うことは、タイムリーに測定環境の状態が反映されるため非常に好都合である。
【0024】
出力信号値(I)の代わりに、出力信号値の微分値を出力信号値として経時的に測定することによっても特定成分濃度が求められる。この例には、例えば特公平7−37991号に記載の「一次微分法」を用いるグルコース濃度測定方法がある。この場合であっても単位時間における微分値のベースラインからの高さ(H)を基準値H'として設定するか、出力信号(Ιの時間微分値)の時間変化率(V)を基準値V'として設定することも可能である。
【0025】
続いて、次検体への影響程度の検知、従って、洗浄を行うか否か(尚、本発明の好ましい態様では第1回目の洗浄を実施するので、追加の第2回目の洗浄を行うか否か)の判定について説明する。通常、標準溶液の測定を行った後に、検体の測定を行うが、各検体において特定成分濃度に応じた信号を検出し、所定時間における出力値のベースラインからの高さ(H)を基準値(h)と比較するか、所定時間における変化率(V)を基準値(v)と比較する。高さ(H)が基準値(h)以下である場合、変化率(V)が基準値(v)以下である場合、或いは高さ(H)と変化率(V)が共に基準値以下である場合には、次検体には影響を及ぼさないと判断して洗浄することなしに次の検体の測定に移る。
【0026】
高さ(H)が基準値(h)以上である場合および変化率(V)が基準値(v)以上である場合には、次検体に影響を及ぼす程度を検知する基準に基づいて、次検体に影響を及ぼすと判断して洗浄を行う。
尚、高さ(H)と変化率(V)が少なくともどちらか一方が基準値以上である場合には、次検体に影響を及ぼす程度を検知する基準に基づいて、次検体に影響を及ぼさないと判断せずに、及ぼすと判断して洗浄を行うようにすることも可能である。
【0027】
洗浄を行った後更に高さ(H2)と変化率(V2)を求め、それぞれの基準値と比較して2回目の洗浄を行うかどうかの確認を行っても良い。
本発明において、洗浄とは、例えば測定終了後において次検体を測定する前に測定セル内の緩衝液と検体の混合液を排出し、洗浄液或いは緩衝液で測定セル内を洗浄することを意味する。測定が検体と緩衝液を混合して実施する場合にあっては、緩衝液により洗浄して、次検体の測定に及ぼす影響を検知して、影響を及ぼさないとの結果が出ると、直ちに検体を測定セル内に既に存在する緩衝液に加えるだけで次の洗浄が可能となる(即ち、洗浄が次の測定の準備を兼ねる)ので好都合である。
以下本発明の方法を、酵素電極を備えた測定装置によって血液中のグルコース濃度を測定する場合を例に挙げて説明する。
【0028】
【発明の実施の形態】
血液中のグルコース濃度(血糖値)を測定する方法の1つに、グルコースオキシダーゼ(GOD)を用いた酵素電極(GOD電極)によるグルコースセンサーが利用されている。グルコースセンサーはグルコースオキシダーゼによって検体中のグルコースを基質として酵素反応によって生成される過酸化水素量或いは反応時において消費される酸素量を電気化学的に測定し、その測定結果から検体中のグルコース濃度を求めている。
【0029】
上述のような酵素電極を用いるグルコースセンサ法によるグルコース濃度測定装置として、例えば、GODを固定化した膜(本発明においてGOD固定化膜とも称する。)と過酸化水素電極とを組み合わせて用いる測定装置が、株式会社京都第一科学からGA−1160の商品名で市販されている。この測定装置の要部は図1に模式的に示すように構成されている。
【0030】
グルコース濃度測定装置内の測定セル1はGOD固定化膜を過酸化水素電極に密着させた酵素電極2を有し、測定セル内の液体は、スターラ3及び撹拌子4により充分に撹拌されるようになっている。ポンプ5により緩衝液がバルブ6を介して測定セル1に供給され、グルコース濃度を測定する検体はサンプリングノズル9により測定セル1に供給される。測定が終了すると、測定に用いた液はポンプ7によりバルブ8を介して排出される。測定は、サンプリングノズル9から検体を測定セル内に供給した時点をt0として、t0からt秒後における出力値(I)を求めるか、単位時間毎に得られる出力信号値(I)の時間変化率V′を微分値(dI/dt)として求め、既存の検量線から特定成分であるグルコース濃度を求める。
【0031】
特定成分濃度を求めるための信号を得た後も出力信号値又はその時間微分値の測定を継続する。図2にグルコースセンサ法によって得られる電流の出力値(I)を縦軸に、時間(T)を横軸としたグラフを示す。グラフはいわゆる平衡点法(上記特開平7−37991号公報参照)によって示される出力値を用いている。
【0032】
図2ではグルコース濃度が(a)300mg/dlおよび(b)150mg/dlの試料を用いて連続して測定している。グルコース濃度300mg/dlの試料について測定した結果、図2の左側部分のプラトー(a)が得られ、続いてグルコース濃度150mg/dlの試料について測定した結果、図2の右側部分のプラトー(b)が得られた。
【0033】
まず、ta0において測定用セル内に測定用試料がサンプリングノズルによって注入されると、検体は緩衝液によって希釈された後、グルコースがグルコースオキシダーゼによって分解されて、この時発生する過酸化水素を電極で分解することにより電流出力値(I)は上昇する。電流出力値(I)は発生する過酸化水素量に比例する。時間T1が経過した時刻ta1における平衡状態に達した電流出力値(Ia)が検体中のグルコース濃度に対応し、予め求めておいた検量線に基づいてグルコース濃度の値が求められる。
【0034】
時刻ta1において平衡状態での出力値(Ia)が得られると、セル内の測定に用いた検体および緩衝液を排出する。この時に現れる鋭いピークは、酵素電極に局在する検体と緩衝液の混合溶液に含まれるグルコースがGODと反応して、過酸化水素が生成されるが、測定セル内に液が存在しないため、拡散できずに捕らえられて出力信号として検出される。測定セルには次検体を測定するための緩衝液が満たされるが、緩衝液が酵素電極と接液した時から、酵素電極内で生成されている過酸化水素が拡散されるため、出力信号がベースラインに向かって降下する。ベースラインに戻るまでの速さは、過酸化水素電極による過酸化水素の分解と、洗浄作用による過酸化水素の拡散によって決まる。一度緩衝液で洗浄した後に廃液し、続いてセル内に新たな緩衝液を注入する。その降下率は徐々に低下して次第に傾きの緩やかな曲線となってベースラインに近付き、時刻ta1から時間T2だけ経過した時刻ta2にてほとんどベースラインに戻る。
【0035】
ただし、時間T2は検体の濃度が高い場合には長くなるので、自動測定装置において時間T2の変動を調節するための時間T3が設けられている。1つの検体について時間(T1+T2+T3)が経過すると、一般にベースラインが安定しているとみなして、次検体の測定に移っている。
【0036】
本明細書においては、1つの検体を測定する時間(T1+T2+T3)を便宜上、1検体測定時間と称する。ただし、本発明における1検体測定時間は、従来の自動分析装置のように固定されているものではなく、次検体に影響を及ぼさない程度までに要する時間である。
次検体(b)については、時刻tb0において測定用セル内に次検体がサンプリングノズルによって注入されて、その後、上述の検体(a)と同様に測定操作が行われる。
【0037】
例えば、測定する検体が血漿であってグルコース濃度を測定する場合、グルコース濃度の正常値とされる範囲は70〜120mg/dlであって、実際に測定を行ってみると8〜9割の検体は正常域の濃度であり、残り検体は正常域を越えるいわゆる高グルコース濃度を示す検体である。
【0038】
そこで、従来の測定装置においては、高濃度グルコース検体にも対応ができるように、例えば図2では1検体の測定時間が30秒に設定されている。150mg/dlのグルコース濃度の検体については、実際には24秒で安定しているので、測定を開始してから30秒も経過すれば、出力値(I)は十分に安定したベースラインを描いており、次検体の測定に対応することができる。
【0039】
ところが、臨床検査に供される検体群の中には、上記の検体300mg/dlを越える検体も存在する。例えば600mg/dlの濃度値を示す検体について、1検体測定時間は36秒という結果が得られている。よって自動分析装置の1検体測定時間を36秒に設定しなければならない。例えば検体群の中に600mg/dlの濃度値の検体が存在しなくとも、存在する可能性がある限り1検体測定時間を36秒に設定しなければならないのである。
【0040】
このように、従来の自動分析装置では、存在する確率が少ない高濃度検体のために1検体測定時間を長く設定してしまうと、実際には多くの検体が設定された1検体測定時間よりも早く出力値(I)がベースラインに戻っているため、その分ロス時間が生じていた。例えば1検体のロス時間が3〜5秒であっても、検体数が数百本或いは数千にも及ぶ場合は、累積ロス時間は決して無視できない時間となる。
【0041】
このような問題を回避するには、検体を測定する毎に、グルコース濃度を求めるための出力信号を検出した後、そのままの状態で検出した時点から、あるいは(測定後に1回洗浄するのであれば)測定セル内の液を排出して緩衝液を注入する送液ポンプが作動し終えた時点から、所定時間として例えば0〜20秒間の出力値(I)の高さ(H)又は出力値の変化率(V)を測定して調べ、得られた値を基準値と比較して次検体への影響の程度を検知する。尚、この場合の基準値とは、次検体に及ぼす影響が無い濃度である標準溶液の出力値(I)の所定時間における高さ(h)および/または出力値の変化率(v)の値であると言うことができる。この基準値は、固定化酵素膜のロットや使用頻度あるいは測定装置のロットによってばらつきを回避するため、キャリブレーション時に改めて設定されるのが望ましい。
【0042】
検体を測定した後に得られた値が基準値よりも大きい場合、次検体への影響があると判断されて洗浄を行う。ここで、更に所定時間後における出力値Iの高さ(H2)又は出力値の変化率(V2)を測定して再度基準値と比較して次検体への影響が無いことを確認した後に、次検体の測定に移行することができる。
【0043】
【実施例】
実施例におけるグルコース濃度の測定には、株式会社京都第一科学から市販されているグルコース濃度測定装置GA−1160を用いた。
【0044】
グルコース濃度値が、150mg/dl、300mg/dlおよび600mg/dlの血清を用意して、これを測定用検体とした。
各検体について、平衡点法によりグルコース濃度の測定を行い、時間を横軸にとり、装置の出力値である電流値を縦軸にとってグラフとした。尚、本実施例では、測定後に測定セル内の液を排出した後、緩衝液により必ず一回の洗浄を行い、その後に、次検体への影響の有無を検知する態様を実施した。
【0045】
まず、測定セル内にサンプリングを注入した時を時刻t0とし、時刻t0から6秒後の時刻t1における出力電流値によってグルコース濃度値を求める。次に、測定セル内の検体と緩衝液の混合液が排液され、測定セルが新しい緩衝液によって満たされる(時刻t2)。緩衝液が満たされた時刻t2以降における電流値のベースラインからの高さ(H)および変化率(V)をそれぞれの濃度について求めた。また、この時ベースラインからの高さ(H)が実質的に変化しないようになるまでの1検体当りの測定時間を求めた。
【0046】
<操作1>
まず、測定系の洗浄をグルコース濃度が得られた直後に1回だけ行う方法で、前検体の次検体に及ぼす影響の程度が、次検体の測定結果に影響を及ぼさないと判断することができるようになるまでの時間、即ち、1検体測定時間を、上記した3濃度を示す検体を用いて連続測定を行った。その結果得られたグラフを模式的に図3に示す。
【0047】
<基準値の設定>
グルコース濃度150mg/dlの検体について測定を行った。時刻t0から6秒後の時刻t1における出力電流値は7nAであった。次に、測定セルから排液して緩衝液を満たした時刻t2の後の6秒後の電流値の変化率(V)は0.1nA/sec、およびベースラインからの高さ(H)は1nAであった。ベースラインからの高さ(H)が実質的に変化しないようになるまでの時刻t0からの時間は24秒であった。
【0048】
次に、グルコース濃度300mg/dlの検体について測定を行った。時刻t0から6秒後のt1における出力電流値は14nAであった。次に、測定セルから排液して緩衝液を満たした時刻t2の後の6秒間の電流値の変化率(V)は0.2nA/sec 、およびベースラインからの高さ(H)は2nAであった。ベースラインからの高さ(H)が実質的に変化しないようになるまでの1検体当りの時刻t0からの測定時間は30秒であった。
【0049】
最後にグルコース濃度600mg/dlの検体について測定を行った。時刻t0から6秒後の時刻t1における出力電流値は28nAであった。次に、測定セルから排液して緩衝液を満たした時刻t2の後の6秒間の電流値の変化率(V)は0.4nA/sec、ベースラインからの高さ(H)は3nAであった。ベースラインからの高さ(H)が0になるまでの時刻t0からの1検体測定時間は36秒であった。
【0050】
グルコース濃度が150mg/dlである検体は次検体に影響を及ぼさないことが予め確認できていることに加えて、検体のほとんどが150mg/dl以下の値を示すこと、更に、通常の検体測定時にキャリブレーションとして用いられている濃度であるため、次検体に影響を及ぼす程度の基準値の設定は、150mg/dl時の値を用いることにした。
【0051】
グルコース標準溶液を測定した時に、測定後に測定セル内に緩衝液が満たされた時刻t2から6秒間における電流値の変化率(V)が0.1nA/sec、時刻t2から6秒後におけるベースラインからの高さ(H)が1nAであったためこれを基準値として選択した。よって、検体を測定した後に、時刻t2から6秒後における電流値の変化率および高さが、このように選択した基準値以上の値を示す検体を測定した場合は、次検体に影響を及ぼすとみなして洗浄を追加することにした。洗浄に要する時間は、緩衝液の排出から注入までおよそ3秒間であった。
【0052】
<操作2>
グルコース濃度300mg/dlの検体について、同様に測定したところ、ベースラインからの高さ(H)が3nAおよび電流値の変化率(V)が0.4nA/sec、であり、基準値を上回っているため次検体に影響を及ぼすと判断されたので、追加の洗浄を行ったところ,ベースラインからの高さ(H)が0.07nAおよび変化率(V)が0.09nA/sec に低下し、次検体に及ぼす影響が回避された。測定開始の時刻t0から追加の洗浄が終了するまでの時間は24秒間で、追加洗浄を行わない測定方法と比較して6秒間の短縮に成功した。
この時の測定結果は、301mg/dlであった。測定誤差が1%未満で許容範囲内であった。続いてグルコース濃度150mg/dlの検体を測定したところ測定結果は149mg/dlであり、測定誤差1%未満で許容範囲内であった。次検体には影響を及ぼしていないことが再確認された。
【0053】
グルコース濃度600mg/dlの検体について、同様に測定したところ、ベースラインからの高さ(H)が3nA、および電流値の変化率(V)が0.4nA/secであり、基準値を上回っており次検体に影響を及ぼすため、追加の洗浄を行ったところ、ベースラインからの高さ(H)が0.07nA、変化率(V)が0.09nAに低下し、次検体に及ぼす影響は回避された。測定開始の時刻t0から追加の洗浄が終了するまでの時間は24秒間で、追加洗浄を行わない測定方法と比較して12秒間の短縮に成功した。
この時の測定結果は、602mg/dlであり、測定誤差が1%未満で許容範囲内であった。続いてグルコース濃度150mg/dlの検体を測定したところ測定結果は150mg/dlであり、次検体には影響を及ぼしていないと判断できた。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、連続的に測定する個々の検体について、前検体の次検体に及ぼす影響の程度が実質的に影響を及ぼさないことを確認した上で次検体の測定に移るので、正確な測定値を得ることができる。
追加の洗浄は必要な場合だけ行うので、洗浄液を無駄に消費することが防止され、検体測定にかかるコストを従来よりも低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電極からの出力値(I)と時間(T)との関係を模式的に示す図である。
【図2】 グルコース濃度測定装置を模式的に示す図である。
【図3】 実施例および比較例の測定結果を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1・・・グルコース濃度測定セル、2・・・GOD固定化過酸化水素電極、
3・・・スターラ、4・・・攪拌子、5・・・ポンプ、6・・・バルブ、7・・・ポンプ、
8・・・バルブ、9・・・サンプラー。
Claims (6)
- 検体中の特定成分の濃度に対応する出力値(I)を時間の関数として発生する手段を用いて複数の検体中の特定成分の濃度を順次測定する方法において、
1つの検体について測定を実施し、次の検体についての測定に移る前に、前の検体についての測定が次の検体についての測定に及ぼす影響の程度を、出力値(I)の時間的変化率(V)により検出し、
該次の検体についての測定に及ぼす影響の検出した程度を予め設定した基準値と比較して、洗浄を行うか否かの判断をすることを特徴とする測定方法。 - 該次の検体についての測定に及ぼす影響の程度を、出力値(I)の時間的変化率(V)に加えて、出力値(I)のベースラインからの高さ(H)により検出することを特徴とする請求項1に記載の測定方法。
- 該基準値の設定は、出力値(I)を発生する手段のキャリブレーション時に行う請求項1または2に記載の測定方法。
- 該次の検体についての測定に及ぼす影響の程度を検出した結果、次の検体についての測定に影響を及ぼすと判断される場合には、洗浄を行った後、再度、該次の検体についての測定に及ぼす影響の程度を検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の測定方法。
- 1つの検体について測定を実施した後、該次の検体についての測定に及ぼす影響の程度を検出する前に、予め洗浄を実施し、その後、前の検体についての測定が次の検体についての測定に及ぼす影響の程度を検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の測定方法。
- 該検体は、血漿、血清、全血、尿またはリコールであり、該検体中の特定成分は、グルコースであり、該出力値(I)を発生する手段は、固定化酵素電極である請求項4または5記載の測定方法。
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