JP3206999B2 - サンプル希釈誤差の検出方法およびそれを用いるサンプル希釈誤差の検出装置 - Google Patents

サンプル希釈誤差の検出方法およびそれを用いるサンプル希釈誤差の検出装置

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JP3206999B2 JP33903292A JP33903292A JP3206999B2 JP 3206999 B2 JP3206999 B2 JP 3206999B2 JP 33903292 A JP33903292 A JP 33903292A JP 33903292 A JP33903292 A JP 33903292A JP 3206999 B2 JP3206999 B2 JP 3206999B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液等のサンプルを希
釈して例えば電解質濃度を測定する際に、希釈誤差を検
出する方法、およびその検出方法を用いるサンプル希釈
誤差検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】測定対象として例えば血液を用い、その
血液のサンプル中の測定対象物質である電解質(Na,
K,Cl等)の濃度をイオン選択性電極(以下、IS
E)によって測定する方法の従来技術としては、サンプ
ルを希釈して測定を行う方法(以下、希釈法)および、
サンプルを希釈せずにサンプルのみで直接測定を行う方
法がある。その中で、希釈法は、サンプルの必要量が微
量でよいことや、緩衝液によって希釈するためサンプル
のPHによる影響が測定結果に表われにくい等の利点を
有していることから、一般に広く普及している。
【0003】未知濃度のサンプルを対象として測定を行
って測定結果(電解質濃度測定値等)を得るためには、
まず2種類の既知濃度の標準液について測定を行う必要
があり、それらの測定結果(例えば参照電極との間の電
位差)に基づいて例えば検量線を求める。ここで使用す
る標準液には2通りのものがある。その1つは、サンプ
ルが希釈されるべき所定希釈倍率で予め希釈しておくも
のであり、この標準液を用いる場合にはそのまま測定を
行うものとする。この測定方法は内部標準液法と呼ばれ
る。内部標準液法は随時校正が可能であり、このことは
電極法のような出力電位が経時的に不安定になるものに
適用した場合には、大きなメリットとなる。
【0004】また、もう1つは、測定すべき未知濃度の
サンプルと同様に分析装置において希釈して使用するも
のであり、この標準液を用いる測定方法は外部標準液法
と呼ばれる。外部標準液法を用いる従来技術としては、
例えば特開平4-121655号公報に開示されたものがある。
この従来例は、検量線を校正する際に希釈倍率補正(希
釈倍率自動設定)を行うようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】内部標準液法および外
部標準液法には、以下の問題点がある。すなわち、内部
標準液法では、希釈されるべき希釈倍率で調製された内
部標準液の測定から得られた測定値を対照することによ
り未知濃度のサンプルの測定を行う際に、実際に分析装
置で希釈されたものが希釈されるべき希釈倍率と正確に
一致していない場合には、その希釈倍率誤差が濃度測定
値に誤差を生じさせる最大の要因となり、正確性の高い
測定結果が得られなくなる。この希釈倍率誤差を補正す
るため、内部標準液で検量線を校正した後に既知濃度の
標準血清をサンプルとして濃度の測定を行い、測定値お
よび表示値(本来あるべき値)間の比または差を求めて
それを測定値の補正係数とする方法がある。しかし、こ
の補正方法では、希釈倍率がサンプル吸引ノズルの汚れ
等によって経時的に変化するため、時々補正を繰り返す
必要があり、標準血清が高価なことによりコストアップ
を招くとともに、標準血清は変質を防止するので保管条
件を厳密に守ったり調製誤差および溶解誤差等をなくす
必要があり、標準血清としての機能を損なわないように
維持、管理する手間がかかる。
【0006】一方、外部標準液法では、希釈誤差につい
ては内部標準液法よりも発生しにくいという利点がある
が、上記標準血清の維持、管理に手間がかかる不具合は
解消されない上に、校正を必要とする度に標準血清を収
容した容器を分析装置にセットする必要があるので、緊
急検査時の対象項目であるサンプル(検体)中の電解質
項目の測定結果を検体入手後直ちに得ようとする場合に
は迅速に対処することができないという不具合がある。
【0007】本発明は、緊急時の即応性を考慮して内部
標準液法を採用した場合に、安価かつ容易に希釈倍率誤
差を補正し得るように、希釈倍率の誤差を検出する方法
およびその方法を用いる装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的のため、本発明
のサンプル希釈誤差の検出方法は、希釈を行う容器に任
意濃度のサンプルと希釈液および/または液状試薬とを
分注して混合液を得る第1の希釈工程と、前記サンプル
または希釈液もしくは液状試薬のうちの任意の液体につ
いて分注量を変更して前記サンプルを希釈する第2の希
釈工程と、前記第1および第2希釈工程後の各希釈サン
プルについてサンプル量に依存する測定値を得る工程
と、前記第1および第2希釈工程に対応する各測定値と
予定した各希釈倍率とを比較する工程とを有し、実際の
分注量を計量することなく希釈誤差を検出することを特
徴とし、例えば測定された各測定値からなる比と予定し
た各希釈倍率から成る比とが等しくなければ、希釈誤差
が生じたと判定する工程を含むものとする。
【0009】また、本発明のサンプル希釈誤差の検出装
置は、サンプルと希釈液および/または液状試薬とを同
一の容器に分注して混合する分注手段と、前記サンプル
または希釈液もしくは液状試薬のうちの任意の液体につ
いて前記分注手段による分注量を設定変更する設定変更
手段と、少なくとも1個の容器について前記設定変更手
段による変更の前後に得た混合液中のサンプルをそれぞ
れ測定する測定手段と、前記測定手段により測定された
各測定値と前記設定変更手段による変更前後の予定した
各希釈倍率とを比較する比較回路とを備え、実際の分注
量を検出せずに希釈誤差を検出するようにしたことを特
徴とし、例えば測定された各測定値からなる比と予定し
た各希釈倍率から成る比とが等しくなければ、希釈誤差
が生じたと判定する判定回路を含むものとする。
【0010】
【作用】本発明において、希釈を行う容器とは、希釈容
器、反応容器等の分析に用いる容器のいずれでもよい。
希釈容器における希釈誤差の検出は、反応容器を無駄に
汚さずに済ませる点で好ましい。反応容器における希釈
誤差の検出は、装置構成を簡素化する点で好ましい。ま
た、第1と第2の希釈工程における容器が同一であるか
別個のものであるかは、使用する分析装置の構成に応じ
て適宜選択すればよい。例えば、分析すべきサンプルを
所定の流通路中に流す構成を有する分析装置では、流通
路の入り口または途中に1か所ないし複数か所の希釈部
を設け、一方、凹状容器を使用する装置では、1個また
は複数個の凹状容器を使用すればよい。本発明でいう希
釈とは、分析すべきサンプルを前処理として適宜の希釈
液で所要濃度に希釈する場合と、一定量のサンプルと一
定量の液状試薬を反応のために混合することによって結
果的にサンプルが希釈される場合と、サンプルと希釈液
と試薬との3種を混合する場合のいずれであってもよ
い。また、本発明によれば、希釈しようとするサンプル
が、原液状態であろうと適宜所定濃度に希釈された状態
であろうと同様に希釈誤差を検出できる。本発明におけ
るサンプルとは、適当な試薬との反応により特定物質、
例えば抗原、抗体、イオン性物質等を定性的ないし定量
的に分析しようとする液体を意味し、典型的には、血
液、尿等の動物体液が挙げられる。本発明でいう希釈誤
差とは、希釈すべきサンプルに対して所定の希釈液およ
び/または試薬を所定の分注手段により分注して混合す
るという一連の希釈動作を経て、結果的に得られた所定
容器内の希釈後サンプルが予定された濃度と異なる場合
をいう。
【0011】本発明では、希釈誤差を検出するために第
1および第2の希釈工程を有する。これら2回の希釈工
程は、上述した希釈動作によって実行されるものである
が、分注手段の構造ないし個数は問わない。また、2回
の希釈工程は、同一のサンプル、希釈液、試薬を用いて
行われると共に、1回目と2回目とで、サンプルのみの
分注量を変更するか、希釈液および/または液状試薬の
分注量を変更して行われる。分注量の変更は、分注手段
による液体の吸引および/または吐出時間の変更、もし
くは分注回数の変更等によって実行できる。また、一定
比率で多段階に希釈する場合のように、3以上の異なる
希釈倍率のサンプルを得るために3回以上の希釈工程を
行う場合には、適宜、任意の2回の希釈工程もしくは3
回以上の希釈工程について本発明の希釈誤差の検出を行
えばよい。本発明で使用する測定値は、サンプル濃度の
みに依存して変化する物質を測定するものであれば、い
かなる測定原理または測定手段によるものでもよい。例
えば、サンプルがイオン性物質を含む場合には、イオン
選択性電極を具備する測定手段によって測定値を得るこ
とができる。また、サンプルが特定波長の光吸収または
発光を示す場合には、吸光度計または光電管によって測
定値を得ることができる。1つの希釈工程毎に得られた
各測定値は、次に、予定した各回の希釈倍率と比較され
る。この比較工程は、後述する実施例で例示される計算
式で説明されるように、実際に分注されたサンプルや希
釈液等の体積ないし重量を算出することなく行われる。
即ち、比較工程では、後述するように、各測定値のみで
構成される比と予定した各希釈倍率のみで構成される比
とを比較するような比較回路により実行されるので、希
釈前のサンプル濃度でさえ無視できる。比較された両方
の比が一致するか否かは、CPUのような判定回路と接
続して判定させればよい。従って、本発明によれば、希
釈前のサンプル濃度、実際のサンプル等の分注量を算出
する従来の方法ないし装置に比べて、より簡易な希釈誤
差の検出方法および装置を提供する。
【0012】以上のように希釈誤差を簡易に検出できれ
ば、適宜、誤った分析の継続を中断したり、分注手段を
制御して正しい希釈が行われるように修正したり、測定
データを補正するなどの種々の救済処置も迅速に採り得
るから、信頼性の高い分析を安定に維持することも容易
となる。また、本発明によれば、緊急時の即応性を考慮
して内部標準液法を採用した場合に、実際の測定時と同
一条件で希釈倍率誤差を検出するようにしたから、効果
かつ管理の難しい標準血清の代わりにプール血清を用い
て安価かつ容易な管理条件で希釈誤差の検出を行うこと
ができる。また、プール血清と同様に、未知濃度の患者
血清をそのまま利用しても即応的に希釈誤差を検出でき
るから、予めサンプルを管理維持する必要を削減するよ
うに設計変更することもできる。さらに、本発明の希釈
誤差の検出を要時、定期的に複数回実行する場合、各回
の検出に用いるサンプルの種類または性状は異なってい
ても構わないので、使い勝手にも優れる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1は本発明の第1実施例のサンプル希釈誤
差の検出方法の実施に用いるサンプル希釈誤差検出装置
を含む分析装置の構成を示す図である。図中1,2は夫
々、第1標準溶液、第2標準溶液を収容する容器であ
り、3〜5は夫々、参照液(以下、REF液)、洗浄
水、希釈液を収容する容器であり、6は廃液を収容する
廃液タンクである。この第1実施例は内部標準液法に対
応している。
【0014】まず、希釈に先立ち、容器1内の第1標準
液を、ペリスタポンプ14a によってサンプルポット11に
注入した後、ペリスタポンプ14d によって廃液タンク6
に至る流路によって移送する。第1標準液がその流路に
設けた電極12(K用は12ー1、Na用は12ー2、Cl用は12ー3)
の位置に到達したとき、各電極の出力電圧を夫々、差動
増幅器15(15ー1、15ー2、15ー3)に入力して参照電極13の
出力電圧と参照する。各差動増幅器の差動出力を夫々、
A/D変換器16(16ー1、16ー2、16ー3)でA/D変換した
後、CPU18に入力して演算処理を行って測定データを
得る。なお、測定を完了した液体はペリスタポンプ14d
により廃液タンク6に回収する。
【0015】次に、容器2内の第2標準溶液を、ペリス
タポンプ14b によってサンプルポット11に注入した後、
ペリスタポンプ14d によって第1標準液と同様の移送経
路で廃液タンク6に至る流路内を移送し、第1標準液と
同様の各電極の出力電圧の検出およびそれらの演算処理
を行う。このようにして得られた2組の測定結果(各電
極における参照電極13との電位差)に基づいて、予め校
正を実施しておく。
【0016】次に、希釈倍率誤差を補正するために、サ
ンプラ10に用意されているプール血清9を分注器7によ
ってプローブ17内に定量吸引し、図示しないプローブ移
送器でプローブ17をサンプルポット位置まで移送し、そ
こでサンプルとしてのプール血清9を吐出する。これと
同時に、容器5内の希釈液を分注器8によって定量吸引
してサンプルポット11に吐出する。サンプルおよび希釈
液をサンプルポット内で混和した後に前記電極位置に移
送し、前記校正結果に基づいて上記と同様にして各電極
について測定を行う。
【0017】次に、同一プール血清を分注器7によって
定量採取してサンプルポット11に吐出し、同時に容器5
の希釈液を分注器8によって分注する。その後、同一プ
ール血清を再び分注器8によって定量採取してサンプル
ポット11に吐出する。サンプルポット11内で希釈液およ
び2回分のサンプル(プール血清)を混和した液を前記
電極位置に移送し、上記と同様にして各電極について測
定を行う。上記測定により得られた測定値に基づいて、
CPU18は、実際の希釈倍率を算出するとともに、算出
された実際の希釈倍率と予め設定されている希釈倍率
(本来あるべき希釈倍率)との比を算出し、得られた希
釈倍率および比を記憶しておく。ここまでの測定によ
り、実際に患者血清サンプルを測定するための準備が完
了し、以後は、サンプルとして患者血清サンプル用いて
測定を行い、得られた測定値には上記希釈倍率および比
に基づく希釈倍率誤差補正が実施される。
【0018】次に、上記希釈倍率誤差補正について具体
的な例を挙げて説明する。なお、この第1実施例では、
内部標準液法による希釈誤差の補正を行う際に使用する
サンプルは、病院等で日常的に使用しているプール血清
を用いるものとし、高価で管理の難しい標準血清は使用
しない。まず、サンプルとしてのプール血清を1回分注
し、希釈液と混和後に、電圧測定を行う。このときの1
つの電極における測定値E1は、プール血清濃度をA
(mmol/l)、実際に分注されたサンプル量をv(μ
l)、サンプル量の設定呼び容量をv’(μl)、実際
に分注された希釈液量をV(μl)、希釈液量の設定呼
び容量をV’(μl)とすると、 E1=(A×v)/(v+V) ---(1) で求められる。
【0019】次に、サンプルとしてのプール血清を2回
分注し、希釈液と混和後に、電圧測定を行う。このとき
の1つの電極における測定値E2は、 E2=(A×2v)/(2v+V) ---(2) で求められる。このとき、実際の希釈倍率は、(1),
(2)式より、 v/(v+V)=(2E1−E2)/E2 ---(3) で求められる、したがって、本来希釈すべき希釈倍率で
あるv’/(v’+V’)と、(3)式の実際の希釈倍
率に相当する(2E1−E2)/E2との比を求めるこ
とにより、その比によって実際に分注されたサンプルな
いし希釈液量の算出過程を経ずにその後の患者サンプル
の測定値を補正することができる。
【0020】上記各式に具体的な数値を代入して上記補
正を検証する。例えば、希釈条件がv’=15、V’=
285、v=14.5、V=290のとき、分注1回の
ときの電圧測定値E1が70(V)であり、分注2回の
ときの電圧測定値E2が133.6(V)であったとす
ると、本来あるべき希釈倍率は15/(15+285)
=0.05となるが、実際の希釈倍率は(2×70−1
33.6)/133.6≒0.048となる。この場
合、上記の比は0.05/0.048≒1.04とな
り、CPU18から出力される測定値には、演算処理後の
値にこの値が乗算されることにより、容易かつ安価に希
釈誤差補正が盛り込まれることになる。
【0021】なお、上記第1実施例ではプール血清を使
用したが、これに限定されるものではなく、未知の濃度
を有する電解質溶液等を用いてもよい。また、上記第1
実施例はISE法における希釈誤差補正に用いる場合に
ついて説明したが、通常の生化学検査において高値サン
プルを希釈したりサンプルを減量して再検を実施する場
合にも適用可能である。
【0022】次に、本発明の第2実施例のサンプル希釈
誤差の検出方法について説明する。この第2実施例の検
出方法は、高値サンプルの場合にサンプル採取量を減ら
して再検するときに適した方法であり、第1実施例と同
一の図1の分析装置を使用する(ただし、希釈液の代わ
りに試薬を用いる)。まず、1回分注した濃度未知のサ
ンプルを使用して通常の測定を行ったときの測定値をE
n1とし、次に、試薬量を同一にするとともに同一サン
プルを2回分注して同様に測定を行い、そのときの測定
値をEn2とする。ただし、上記測定において実際に分
注されたサンプル量をvn(μl)、サンプル量の設定
呼び容量をvn’(μl)、実際に分注された試薬量を
Vn(μl)、試薬量の設定呼び容量をVn’(μl)
とする。
【0023】その後、再検時の減量したサンプル量で同
一サンプルを1回分注して測定を行い、そのときの測定
値をEr1とし、次に、試薬量を同一にするとともに同
一サンプルを2回分注して同様に測定を行い、そのとき
の測定値をEr2とする。ただし、上記測定において実
際に分注されたサンプル量をvr(μl)、サンプル量
の設定呼び容量をvr’(μl)、実際に分注された試
薬量をVr(μl)、試薬量の設定呼び容量をVr’
(μl)とする。これらの測定結果から、本来あるべき
希釈倍率は、 {vn’/(vn’+Vn’)}/{vr’/(vr’+Vr’)}--(4) で求められ、実際の希釈倍率は、 {vn/(vn+Vn)}/{vr/(vr+Vr)} ={(2En1−En2)/En2}/{(2Er1−Er2)/Er2}--- (5) で求められる、したがって、(4)式の本来あるべき希
釈倍率と、(5)式の実際の希釈倍率との比を求めるこ
とにより、その比によってその後の患者サンプルの再検
測定値を補正することができる。
【0024】上記各式に具体的な数値を代入して上記補
正を検証する。例えば、希釈条件が通常測定時にはv
n’=15、Vn’=250、vn=14.5、Vn=
255であって、分注1回のときの測定値En1が10
0であり、分注2回のときの測定値En2が190であ
ったとし、再検時にはvr’=3、Vr’=250、v
r=3.5、Vr=255であって、分注1回のときの
測定値Er1が25であり、分注2回のときの測定値E
r2が49.3であったとすると、本来あるべき希釈倍
率は(4)式により4.828となるが、実際の希釈倍
率は(5)式により3.707となる。この場合、上記
の比は4.828/3.707≒1.30となり、CP
U18から出力される再検測定値には、演算処理後の値に
この値が乗算されることにより、容易かつ安価に希釈誤
差補正が盛り込まれることになる。
【0025】なお、この第2実施例では高値の再検時の
希釈誤差補正に適用しているが、酵素活性測定に適用し
てその分注誤差を補正するようにしてもよい。
【0026】次に、本発明の第3実施例のサンプル希釈
誤差の検出方法について説明する。この第3実施例の検
出方法は、酵素作用による反応の時間的変化量に基づい
て酵素活性値を求める場合に適した方法であり、第1実
施例と同一の図1の分析装置を使用する(ただし、希釈
液の代わりに試薬を用いる)。一般に、酵素活性値の換
算係数は、サンプル量、試薬量、光路長、分子吸光係数
より求められ、それを求める際にはサンプル量、試薬量
として設定呼び容量を使用し、実際の分注量を使用して
いないが、本実施例方法によればサンプル希釈誤差補正
に加えてサンプル量および試薬量の誤差補正も可能であ
る。
【0027】まず、1回分注した濃度未知のサンプルを
使用して通常の測定を行ったときの測定値をE1とし、
次に、試薬量を同一にするとともに同一サンプルを2回
分注して同様に測定を行い、そのときの測定値をE2と
する。ただし、実際に分注されたサンプル量をv(μ
l)、サンプル量の設定呼び容量をv’(μl)、実際
に分注された試薬量をV(μl)、試薬量の設定呼び容
量をV’(μl)とする。
【0028】このとき、本来あるべき希釈倍率はv’/
(v’+V’)であるから、設定呼び容量のみで算出す
ることができる。一方、測定値E1、E2は、同一サン
プルを用いているためサンプル量およびサンプル量に試
薬量を加えた量の相違によって生じるものであり、 E2/E1={2v/(2v+V)}/{v/(v+V)} ---(6) という関係が成立する。
【0029】この(6)式より、実際の希釈倍率は、 v/(v+V)=(2E1−E2)/E2 ---(7) によって求めることができる。したがって、設定呼び容
量から活性値換算係数を求めて使用している場合には、
その活性値換算係数の値と(7)式の値との比を求め、
その比で以後の測定結果を補正することにより容易かつ
安価に希釈誤差補正が盛り込まれることになる。なお、
上記測定結果の補正を行わずに、活性値換算係数を算出
する際に本来あるべき希釈倍率v’/(v’+V’)の
代わりに実際の希釈倍率v/(v+V)を用いるように
してもよい。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、実
際に分注されたサンプルや希釈液等の体積ないし重量を
算出することなく希釈誤差を検出できるので簡易かつ迅
速な対処が可能となり、信頼性の高い分析を安定に維持
できる。また、希釈後に得た測定値のみを用いて検出で
きるから、安価かつ容易な装置および管理条件で希釈誤
差の検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサンプル希釈誤差の検出方法の実施に
用いるサンプル希釈誤差検出装置を含む分析装置の構成
を示す図である。
【符号の説明】
1 容器(第1標準液用) 2 容器(第2標準液用) 3 容器(REF液用) 4 容器(洗浄水用) 5 容器(希釈液用) 6 廃液タンク 7 分注器 8 分注器 9 プール血清 10 サンプラ 11 サンプルポット 12 電極 13 参照電極 14a 〜14d ペリスタポンプ 15 差動増幅器 16 A/D変換器 17 プローブ 18 CPU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 1/00 - 1/36 G01N 27/26 G01N 33/84 G01N 35/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希釈を行う容器に任意濃度のサンプルと
    希釈液および/または液状試薬とを分注して混合液を得
    る第1の希釈工程と、前記サンプルまたは希釈液もしく
    は液状試薬のうちの任意の液体について分注量を変更し
    て前記サンプルを希釈する第2の希釈工程と、前記第1
    および第2希釈工程後の各希釈サンプルについてサンプ
    ル量に依存する測定値を得る工程と、前記第1および第
    2希釈工程に対応する各測定値と予定した各希釈倍率と
    を比較する工程とを有し、実際の分注量を計量すること
    なく希釈誤差を検出することを特徴とするサンプル希釈
    誤差の検出方法。
  2. 【請求項2】 サンプルと希釈液および/または液状試
    薬とを同一の容器に分注して混合する分注手段と、前記
    サンプルまたは希釈液もしくは液状試薬のうちの任意の
    液体について前記分注手段による分注量を設定変更する
    設定変更手段と、少なくとも1個の容器について前記設
    定変更手段による変更の前後に得た混合液中のサンプル
    をそれぞれ測定する測定手段と、前記測定手段により測
    定された各測定値と前記設定変更手段による変更前後の
    予定した各希釈倍率とを比較する比較回路とを備え、実
    際の分注量を検出せずに希釈誤差を検出するようにした
    ことを特徴とするサンプル希釈誤差の検出装置。
  3. 【請求項3】 測定された各測定値からなる比と予定し
    た各希釈倍率から成る比とが等しくなければ、希釈誤差
    が生じたと判定する工程を含むことを特徴とする請求項
    1記載のサンプル希釈誤差の検出方法。
  4. 【請求項4】 測定された各測定値からなる比と予定し
    た各希釈倍率から成る比とが等しくなければ、希釈誤差
    が生じたと判定する判定回路を含むことを特徴とする請
    求項2記載のサンプル希釈誤差の検出装置。
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