以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は、実施形態に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、標準試料や被検試料等の試料と各検査項目用の試薬とを分注し、試料及び試薬の混合液を測定して標準データや被検データを生成する分析部10を備えている。また、分析部10の各種ユニットを駆動する駆動部40と、この駆動部40を制御する分析制御部41とを備えている。また、分析部10で生成された標準データや被検データから検量データや分析データを生成するデータ処理部60を備えている。
また、自動分析装置100は、データ処理部60で生成された検量データや分析データを出力する出力部70を備えている。また、各検査項目に試料や試薬の分注量等の分析パラメータを設定するための入力、各検査項目に再検査を行わせるか否かを判定する分析範囲等の再検査パラメータを設定するための入力、各試料に検査項目を設定するための入力等を行う操作部80を備えている。また、分析制御部41、データ処理部60及び出力部70を統括して制御するシステム制御部90を備えている。
図2は、分析部10の構成を示した斜視図である。この分析部10は、標準試料や被検試料等の試料を収容する試料容器11と、この試料容器11を移動可能に保持するサンプルテーブル12とを備えている。また、各検査項目用の例えば1試薬系及び2試薬系の第1試薬、2試薬系の第1試薬と対をなす第2試薬、及び再検査の場合に被検試料を希釈して希釈試料を調製するための希釈液の各液体を収容する試薬容器13を備えている。また、試薬容器13を移動可能に保持する2つの試薬ラック14を備えている。
また、試薬ラック14に保持された試薬容器13内の第1試薬や希釈液を保冷する試薬庫15と、試薬ラック14に保持された試薬容器13内の第2試薬を保冷する試薬庫16とを備えている。また、円周上に等間隔で一列に配置された例えば165個の反応容器17と、この反応容器17を回転移動可能に保持する反応テーブル18とを備えている。
また、サンプルテーブル12に保持された試料容器11内の試料を、下端に設けた開口から吸引して反応容器17内へ吐出する分注を行うサンプル分注プローブ19と、このサンプル分注プローブ19を移動可能に保持するサンプル分注アーム20とを備えている。また、試薬ラック14に保持された試薬容器13内の第1試薬や希釈液を吸引して、反応容器17内に吐出する分注を行う第1試薬分注プローブ21と、この第1試薬分注プローブ21を移動可能に保持する第1試薬分注アーム22とを備えている。
また、反応容器17に分注された試料及び第1試薬の混合液を撹拌する第1a及び第1b撹拌子23a,23bと、第1a及び第1b撹拌子23a,23bを移動可能に保持する第1a及び第1b撹拌アーム24a,24bとを備えている。また、試薬ラック14に保持された試薬容器13内の第2試薬を吸引して、第1試薬が分注された反応容器17内に吐出する分注を行う第2試薬分注プローブ25と、この第2試薬分注プローブ25を移動可能に保持する第2試薬分注アーム26とを備えている。
また、反応容器17内に分注された試料、第1試薬及び第2試薬の混合液を撹拌する第2撹拌子27と、この第2撹拌子27を移動可能に保持する第2撹拌アーム28とを備えている。また、反応容器17内の混合液を光学的に測定する測定部29と、測定部29で測定を終了した反応容器17内を洗浄する洗浄ノズル30とを備えている。そして、測定部29は、反応容器17に光を照射し、反応容器17内の標準試料や被検試料を含む混合液を透過した光を検出する検出信号に基づいて、例えば吸光度や吸光度の変化量で表される標準データや被検データを生成する。
なお、図示はしないが、試料容器11内の試料を分注する際に、サンプル分注プローブ19の下端部と試料容器11内の試料との接触により、その試料の液面を検出する液面検出器を備えている。また、サンプル分注プローブ19、第1試薬分注プローブ21、第1a撹拌子23a、第1b撹拌子23b、第2試薬分注プローブ25及び第2撹拌子27をそれぞれ洗浄する洗浄槽を備えている。そして、同一試料の分注終了毎にサンプル分注プローブ19の洗浄を行う。また、各第1試薬の分注終了毎に第1試薬分注プローブ21の洗浄を行う。また、各混合液の撹拌終了毎に第1a撹拌子23aの洗浄を行う。また、各混合液の撹拌終了毎に第1b撹拌子23bの洗浄を行う。また、各第2試薬の分注終了毎に第2試薬分注プローブ25の洗浄を行う。各混合液の撹拌終了毎に第2撹拌子27の洗浄を行う。
図1に示した駆動部40は、分析部10のサンプルテーブル12を駆動して試料容器11を移動する。また、2つの試薬ラック14をそれぞれ駆動して試薬容器13を移動する。また、反応テーブル18を駆動して各反応容器17を回転移動する。また、サンプル分注アーム20、第1試薬分注アーム22、第2試薬分注アーム26、第1a撹拌アーム24a、第1b撹拌アーム24b及び第2撹拌アーム28をそれぞれ駆動して、サンプル分注プローブ19、第1試薬分注プローブ21、第2試薬分注プローブ25、第1a撹拌子23a、第1b撹拌子23b及び第2撹拌子27を移動する。また、洗浄ノズル30を上下移動する。
分析制御部41は、各検査項目に設定された分析パラメータ及び各試料に設定された検査項目に基づく駆動部40の制御により、分析部10の各種ユニットを作動させて、試料、第1試薬及び第2試薬の分注や、混合液の測定を実行させる。そして、試料容器11内の試料を反応容器17内に分注する分注量が、微量な量として予め設定された上限量としての例えば1.0μLを超える場合、反応容器17内に試料を分注させた後、当該試料を収容する反応容器17内に第1試薬を分注させる。また、試料容器11内の試料を反応容器17内に分注する分注量が上限量以下である場合、反応容器17内に第1試薬を分注させた後、当該第1試薬を収容する反応容器17内に試料を分注させる。
ここで、試料の分注における吸引では、サンプル分注プローブ19を、図3(a)に示すように、試料容器11の上方まで移動させる。次いで、サンプル分注プローブ19を下降させ、図3(b)に示すように、サンプル分注プローブ19の下端部が試料容器11内の試料に接触して液面検出器により検出される位置で停止させる。その停止位置で、サンプル分注プローブ19により分注量に応じた量の試料を吸引させる。
そして、例えば検査項目Aに設定された分注量が上限量を超える試料の分注における吐出では、試料容器11内の試料を吸引したサンプル分注プローブ19を、図4(a)に示すように、洗浄を終えた空の反応容器17の上方まで移動させる。次いで、サンプル分注プローブ19を下降させ、図4(b)に示すように、サンプル分注プローブ19の下端が反応容器17内の底面に接触する位置で停止させる。その停止位置で、サンプル分注プローブ19により上限量を超える分注量の試料を吐出させる。試料の分注が行われた後、第1試薬分注プローブ21に試薬容器13内の検査項目A用の第1試薬を、試料を収容する反応容器17の上方からその反応容器17内に分注させる。
このように、分注量が上限量を超える試料の分注では、試料容器11内の試料を反応容器17内に分注させた後、試薬容器13内の第1試薬を、当該試料を収容する当該反応容器17内に分注させることができる。そして、試料を分注させる際に、サンプル分注プローブ19の下端が反応容器17内の底面に接触した停止位置で試料を吐出する分注を行わせることにより、サンプル分注プローブ19から吐出される試料の飛び散りを防ぐことができる。これにより、分注量が上限量を超える試料を精度よく分注することができる。
また、検査項目Bに設定された分注量が上限量以下の試料の分注における吐出では、洗浄を終えた空の反応容器17内に試薬容器13内の検査項目B用の第1試薬を分注させる。そして、試料容器11内の試料を吸引したサンプル分注プローブ19を、図5(a)に示すように、検査項目B用の第1試薬を収容する反応容器17の上方まで移動させる。次いで、サンプル分注プローブ19を下降させ、図5(b)に示すように、サンプル分注プローブ19の下端部が反応容器17内の第1試薬の液面に接触して液面検出器により検出される位置で停止させる。その停止位置で、サンプル分注プローブ19により上限量以下の分注量の試料を吐出させる。
このように、分注量が上限量以下の試料の分注では、試薬容器13内の第1試薬を反応容器17内に分注させた後、試料容器11内の試料を、当該第1試薬を収容する反応容器17内に分注させることができる。そして、試料を分注させる際に、サンプル分注プローブ19の下端部が反応容器17内の第1試薬の液面に接触した停止位置で試料を吐出する分注を行わせることにより、サンプル分注プローブ19から吐出される試料の飛び散りや、サンプル分注プローブ19から吐出された試料の下端部外壁への付着を防ぐことができる。これにより、分注量が上限量以下の微量な試料を精度よく分注することができる。
なお、サンプル分注プローブ19の下端部が反応容器17内の第1試薬に接触して試料の吐出が行われた場合、次の試料の分注を行う前に、洗浄槽でサンプル分注プローブ19の洗浄を行わせる。これにより、第1試薬による試料容器11内の試料の汚染を防ぐことができる。
また、分析制御部41は、検査項目A又は検査項目Bの分析データが再検査パラメータとして設定された分析範囲の上限値よりも高い値である場合、分析部10の各種ユニットを作動させて再検査を実行させる。そして、サンプル分注プローブ19により再検査用に設定された分注量の試料を反応容器17内に分注させる。また、第1試薬分注プローブ21により再検査用に設定された分注量の希釈液を、再検査用の試料が分注された反応容器17内に分注させることにより、当該反応容器17内で試料が希釈液で希釈されて希釈試料となる。次いで、サンプル分注プローブ19により再検査用に設定された分注量の希釈試料を、この希釈試料が収容された反応容器17とは別の反応容器17内に分注させる。更に、希釈試料が分注された反応容器17内に第1及び第2試薬を分注させる。
データ処理部60は、分析部10の測定部29で生成された標準データや被検データを処理して各検査項目の検量データや分析データを生成する演算部61と、演算部61で生成された標準データや分析データを保存するデータ記憶部62とを備えている。そして、演算部61は、各検査項目の標準データに基づいて検量データを生成する。また、各検査項目の検量データ及び被検データに基づいて、濃度値や活性値で示される分析データを生成する。
出力部70は、データ処理部60の演算部61で生成された検量データや分析データを印刷出力する印刷部71及び表示出力する表示部72を備えている。そして、表示部72は、検査項目毎に試料容器11内の試料を反応容器17内に分注する分注量、試薬容器13内の第1試薬や第2試薬を反応容器17内に分注する分注量等を設定するための分析パラメータ設定画面を表示する。また、各検査項目の再検査を行わせるか否かを判定する分析範囲や、再検査用の試料、希釈液及び希釈試料の各分注量等を設定するための再検査パラメータ設定画面を表示する。また、試料毎にこの試料を識別する氏名やID等の識別情報及び検査対象の検査項目を設定するための検査項目設定画面等を表示する。
操作部80は、キーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを備え、各検査項目の分析パラメータや再検査パラメータを設定するための入力、各試料の識別情報及び検査項目を設定するための入力等を行う。
システム制御部90は、CPU及び記憶回路を備え、操作部80から入力された各検査項目の分析パラメータ及び再検査パラメータ、試料の識別情報及び検査項目の情報等の入力情報を記憶回路に記憶する。そして、それらの入力情報に基づいて、分析制御部41、データ処理部60及び出力部70を統括してシステム全体を制御する。
次に、図2乃至図6を参照して、分析部10の各種ユニットの動作の一例を説明する。
図6は、反応テーブル18に保持された各反応容器17の各停止位置、洗浄ノズル30及び測定部29の位置の一例を示した図である。
各反応容器17は、1サイクルタイム毎に矢印R1方向へ回転移動して、移動前とは異なる各停止位置で停止する。ここでは、各反応容器17は、反応テーブル18の角度θの回転駆動により、1サイクルタイム毎にR1方向へ回転移動して、移動前の位置からR1方向に例えば90°の角度に位置する反応容器17に対して、R1方向とは反対方向の矢印R2方向に隣接する反応容器17の位置で停止する。そして、1サイクルタイムよりも長い時間である1ラウンドタイム毎に同じ停止位置で停止する。
停止位置の中には、測定部29による測定が終了して、洗浄ノズル30により洗浄が行われる反応容器17が停止する洗浄位置Wがある。また、サンプル分注プローブ19により試料容器11内の試料や、再検査用の希釈試料の分注が行われる反応容器17が停止する第1の試料分注位置Paがある。また、第1試薬分注プローブ21により試薬容器13内の第1試薬や希釈液の分注が行われる反応容器17が停止する第1試薬分注位置Pbがある。また、第1a撹拌子23aにより、試料とこの試料が分注された後に分注される第1試薬との混合液の撹拌が行われる反応容器17が停止する第1a撹拌位置Pcがある。また、サンプル分注プローブ19により、試料容器11内の試料の分注や、再検査用の希釈試料の吸引が行われる反応容器17が停止する第2の試料分注位置Pdがある。この第2の試料分注位置Pdは、第1の試料分注位置Paに対してR2方向に隣接する位置であり、第2の試料分注位置Pdの反応容器17と第1の試料分注位置Paの反応容器17とは互いに隣り合う。
このように、第1の試料分注位置Paの隣に第2の試料分注位置Pdを設けることにより、サンプル分注プローブ19を第1又は第2の試料分注位置Pa,Pdで停止する反応容器17まで移動することができる。そして、サンプル分注プローブ19により試料容器11内の試料を第1又は第2の試料分注位置Pa,Pdの反応容器17内に分注することができる。また、第2の試料分注位置Pdの反応容器17内の希釈試料を、第1の試料分注位置Paの反応容器17内に分注することができる。
また、停止位置の中には、第1b撹拌子23bにより、第1試薬とこの第1試薬が分注された後に分注される試料との混合液の撹拌が行われる反応容器17が停止する第1b撹拌位置Peがある。また、第2試薬分注プローブ25により試薬容器13内の第2試薬の分注が行われる反応容器17が停止する第2試薬分注位置Pfがある。また、第2撹拌子27により、試料、第1試薬及び第2試薬の混合液の撹拌が行われる反応容器17が停止する第2撹拌位置Pgがある。
なお、第1の試料分注位置Pa近傍の例えば第2の試料分注位置Pdに対してR2方向に隣接する位置を第3の試料分注位置とする。そして、サンプル分注プローブ19により第1の試料分注位置Pa又は第3の試料分注位置に停止する反応容器17に対して試料容器11内の試料の分注や、第3の試料分注位置に停止する反応容器17に対して再検査用の希釈試料の吸引が可能なように、サンプル分注アーム20の位置を変更して実施するようにしてもよい。この場合、第3の試料分注位置で停止した後に停止する第1b撹拌位置Peに対してR2方向に隣接する位置を第3撹拌位置とし、第3の試料分注位置で停止した後に第3撹拌位置に停止する反応容器17内を第1撹拌子23bで撹拌可能なように、第1c撹拌アーム24bの位置も変更する。
洗浄ノズル30は、例えば7本の第1乃至第7洗浄ノズル31乃至37により構成され、洗浄位置Wで駆動部40の上下駆動により上下方向に移動可能に配置される。そして、第1乃至第7洗浄ノズル31乃至37は、反応テーブル18が回転しているときに各反応容器17の上方で停止し、反応テーブル18が停止しているときに下降して洗浄位置Wの第1乃至第7洗浄位置W1乃至W7で停止した反応容器17内の洗浄を行う。
測定部29は、各反応容器17の内外周に跨って配置される光源及び検出器を備え、反応テーブル18の回転毎に測定位置Pmを通過する各反応容器17に光を照射する。そして、各反応容器17内の標準試料や被検試料を含む混合液を透過した光を検出して吸光度で表わされる標準データや被検データを生成する。
以下、図1乃至図10を参照して自動分析装置100の動作の一例について説明する。
先ず、検査項目Aに設定された分注量が上限量を超える試料と試薬との分注及び測定の動作の詳細を説明する。
図7は、洗浄ノズル30の洗浄位置と、サンプル分注プローブ19、第1試薬分注プローブ21及び第2試薬分注プローブ25の各分注位置と、第1a撹拌子23a、第1b撹拌子23b及び第2撹拌子27の各撹拌位置とを示した図である。また、図8は、分注量が上限量を超える試料と試薬との分注動作を示した図である。
洗浄ノズル30は、洗浄位置Wで停止した反応容器17内の洗浄を行う。そして、第7洗浄位置W7で停止して第1乃至第7洗浄ノズル31乃至37による洗浄を終えた空の反応容器17は、分析制御部41により検査項目A用として割り当てられ、1サイクルタイム経過した例えば2サイクル目において、第1の試料分注位置Paで停止する。サンプル分注プローブ19は、サンプルテーブル12に保持された試料容器11内の試料を、検査項目A用として第1の試料分注位置Paの反応容器17内に分注する。
このように、検査項目Aに上限量を超える分注量が設定されている場合、第1の試料分注位置Paで停止した検査項目A用の反応容器17内に検査項目A用の試料を分注させることができる。
2サイクル目から1サイクルタイム経過した3サイクル目において、2サイクル目に第1の試料分注位置Paで試料が分注された反応容器17は、第1試薬分注位置Pbで停止する。第1試薬分注プローブ21は、試薬庫15内の試薬ラック14に保持された試薬容器13内の検査項目A用の第1試薬を、第1試薬分注位置Pbの反応容器17内に分注する。
このように、検査項目Aに上限量を超える分注量が設定されている場合、第1試薬分注位置Pbで停止した検査項目A用の試料を収容する反応容器17内に検査項目A用の第1試薬を分注させることができる。
3サイクル目から2サイクルタイム経過した5サイクル目において、3サイクル目に第1試薬分注位置Pbで第1試薬が分注された反応容器17は、第1a撹拌位置Pcで停止する。第1a撹拌子23aは、第1a撹拌位置Pcの反応容器17内の試料と第1試薬の混合液を撹拌する。
このように、検査項目Aに上限量を超える分注量が設定されている場合、第1a撹拌位置Pcで停止した反応容器17内の検査項目A用の試料及び第1試薬の混合液を撹拌させることができる。
5サイクル目から1サイクルタイム経過した6サイクル目において、5サイクル目に第1a撹拌位置Pcで撹拌が行われた反応容器17は、第2の試料分注位置Pdで停止する。サンプル分注プローブ19は、第1の試料分注位置Paの反応容器17内へ試料を分注する、又は洗浄槽で待機する。
このように、検査項目Aに上限量を超える分注量が設定されている場合、第2の試料分注位置Pdで停止した検査項目A用の反応容器17内への試料の分注を停止させることができる。また、第2の試料分注位置Pdで検査項目A用の反応容器17が停止したとき、第1の試料分注位置Paで停止する反応容器17内に上限量を超える分注量の試料を分注させることができる。
6サイクル目から1サイクルタイム経過した7サイクル目において、6サイクル目に第2の試料分注位置Pdで停止した反応容器17は、第1b攪拌位置Peで停止する。第1b撹拌子23bは、第1b撹拌位置Peの反応容器17内の試料と第1試薬の混合液の撹拌を行わず、洗浄槽で待機する。
7サイクル目から所定のサイクルタイム経過したdサイクル目において、7サイクル目に第1b撹拌位置Peで停止した反応容器17は、第2試薬分注位置Pfで停止する。第2試薬分注プローブ25は、試薬庫16内の試薬ラック14に保持された試薬容器13内の検査項目A用の第2試薬を、第2試薬分注位置Pfの反応容器17に分注する。
dサイクル目から1サイクルタイム経過した(d+1)サイクル目において、dサイクル目に第2試薬分注位置Pfで第2試薬が分注された反応容器17は、第2撹拌位置Pgで停止する。第2撹拌子27は、第2撹拌位置Pgの反応容器17内の試料、第1試薬及び第2試薬の混合液を撹拌する。
測定部29は、(d+1)サイクル目に第2撹拌位置Pgで停止してから洗浄位置Wで停止するまでの間に測定位置Pmを通過する反応容器17内の混合液を測定して被検データを生成する。そして、データ処理部60の演算部61は、測定部29で生成された被検データに基づいて検査項目Aの分析データを生成する。
(d+1)サイクル目に第2撹拌位置Pgで撹拌が行われた反応容器17は、gサイクル目、(g+4)サイクル目、・・・、(g+24)サイクル目において、第1乃至第7洗浄位置W1乃至W7で停止する。そして、第1乃至第7洗浄ノズル31乃至37は、(d+1)サイクル目に第2撹拌位置Pgで撹拌が行われた反応容器17を洗浄する。
システム制御部90は、演算部61で生成された分析データ及び再検査用パラメータに基づいて再検査を行うか否かを判定する。そして、再検査が不要であると判定した場合、分析制御部41に検査項目Aの分析終了を指示する。また、再検査が必要であると判定した場合、分析制御部41に検査項目Aの再検査を指示する。
次に、検査項目Bに設定された分注量が上限量以下となる試料と試薬との分注及び測定の動作の詳細を説明する。
図9は、分注量が上限量以下の試料と試薬との分注動作を示した図である。
第7洗浄位置W7で停止して第1乃至第7洗浄ノズル31乃至37による洗浄を終えた空の反応容器17は、分析制御部41により検査項目B用として割り当てられ、1サイクルタイム経過した2サイクル目において、第1の試料分注位置Paで停止する。サンプル分注プローブ19は、検査項目Bの試料の分注量が上限量以下であるため分注動作を行わず、例えば洗浄槽で待機する。
なお、第1の試料分注位置Paで検査項目B用の反応容器17が停止したとき、第2の試料分注位置Pdで停止した反応容器17内に上限量以下の分注量の試料を分注させることができる。
このように、検査項目Bに上限量以下の分注量が設定されている場合、第1の試料分注位置Paで停止した検査項目B用の反応容器17内への試料の分注を停止させることができる。
2サイクル目から1サイクルタイム経過した3サイクル目において、2サイクル目に第1の試料分注位置Paで停止した空の反応容器17は、第1試薬分注位置Pbで停止する。第1試薬分注プローブ21は、試薬庫15内の試薬ラック14に保持された試薬容器13内の検査項目B用の第1試薬を、第1試薬分注位置Pbの反応容器17内に分注する。
このように、検査項目Bに上限量以下の分注量が設定されている場合、第1試薬分注位置Pbで停止した検査項目B用の空の反応容器17内に第1試薬を分注させることができる。
3サイクル目から2サイクルタイム経過した5サイクル目において、3サイクル目に第1試薬分注位置Pbで第1試薬が分注された反応容器17は、第1a撹拌位置Pcで停止する。第1a撹拌子23aは、第1a撹拌位置Pcの反応容器17内の試料と第1試薬の混合液の撹拌を行わず、洗浄槽で待機する。
5サイクル目から1サイクルタイム経過した6サイクル目において、5サイクル目に第1a撹拌位置Pcで停止した反応容器17は、第2の試料分注位置Pdで停止する。サンプル分注プローブ19は、サンプルテーブル12に保持された試料容器11の試料を、検査項目B用として第2の試料分注位置Pdの反応容器17内に分注する。
このように、検査項目Bに上限量以下の分注量が設定されている場合、第2の試料分注位置Pdで停止した検査項目B用の第1試薬を収容する反応容器17内に試料を分注させることができる。
6サイクル目から1サイクルタイム経過した7サイクル目において、6サイクル目に第2の試料分注位置Pdで試料が分注された反応容器17は、第1b撹拌位置Peで停止する。第1b撹拌子23bは、第1b撹拌位置Peの反応容器17内の試料及び第1試薬の混合液を撹拌する。
このように、検査項目Bに上限量以下の分注量が設定されている場合、第1b撹拌位置Peで停止した反応容器17内の検査項目B用の試料及び第1試薬の混合液を撹拌させることができる。
7サイクル目から所定のサイクルタイム経過したdサイクル目において、7サイクル目に第1b撹拌位置Peで撹拌が行われた反応容器17は、第2試薬分注位置Pfで停止する。第2試薬分注プローブ25は、試薬庫16内の試薬ラック14に保持された試薬容器13内の検査項目B用の第2試薬を、第2試薬分注位置Pfの反応容器17内に分注する。
dサイクル目から1サイクルタイム経過した(d+1)サイクル目において、dサイクル目に第2試薬分注位置Pfで第2試薬が分注された反応容器17は、第2撹拌位置Pgで停止する。第2撹拌子27は、第2撹拌位置Pgの反応容器17内の試料、第1試薬及び第2試薬の混合液を撹拌する。
測定部29は、(d+1)サイクル目に第2撹拌位置Pgで停止してから洗浄位置Wで停止するまでの間に測定位置Pmを通過する反応容器17内の混合液を測定して被検データを生成する。そして、データ処理部60の演算部61は、測定部29で生成された被検データに基づいて検査項目Aの分析データを生成する。
(d+1)サイクル目に第2撹拌位置Pgで撹拌が行われた反応容器17は、gサイクル目、(g+4)サイクル目、・・・、(g+24)サイクル目において、第1乃至第7洗浄位置W1乃至W7で停止する。そして、第1乃至第7洗浄ノズル31乃至37は、(d+1)サイクル目に第2撹拌位置Pgで撹拌が行われた反応容器17を洗浄する。
システム制御部90は、演算部61で生成された検査項目Bの分析データ及び再検査用パラメータに基づいて再検査を行うか否かを判定する。そして、再検査が不要であると判定した場合、分析制御部41に被検体Pの検査項目Bの分析終了を指示する。また、再検査が必要であると判定した場合、分析制御部41に被検体Pの検査項目Bの再検査を指示する。
次に、検査項目Aの再検査における試料と試薬の分注及び測定の動作の詳細を説明する。
図10は、再検査における試料と試薬との分注動作を示した図である。
洗浄ノズル30は、洗浄位置Wで停止した反応容器17内の洗浄を行う。そして、第7洗浄位置W7で停止して第1乃至第7洗浄ノズル31乃至37による洗浄を終えた反応容器17は、1サイクルタイム経過した2サイクル目において、第1の試料分注位置Paで停止する。サンプル分注プローブ19は、サンプルテーブル12に保持された試料容器11の試料を、検査項目Aの再検査用として第1の試料分注位置Paの反応容器17内に分注する。
2サイクル目から1サイクルタイム経過した3サイクル目において、2サイクル目に第1の試料分注位置Paで試料が分注された反応容器17は、第1試薬分注位置Pbで停止する。第1試薬分注プローブ21は、試薬庫15内の試薬ラック14に保持された試薬容器13内の希釈液を、第1試薬分注位置Pbの反応容器17内に分注する。
3サイクル目から2サイクルタイム経過した5サイクル目において、3サイクル目に第1試薬分注位置Pbで希釈液が分注された反応容器17は、第1a撹拌位置Pcで停止する。第1a撹拌子23aは、第1a撹拌位置Pcの反応容器17内の試料が希釈液で希釈された希釈試料を撹拌する。
5サイクル目から1サイクルタイム経過した6サイクル目において、5サイクル目に第1a撹拌位置Pcで撹拌が行われた反応容器17は、第2の試料分注位置Pdで停止する。サンプル分注プローブ19は、第2の試料分注位置Pdの反応容器17内の希釈試料を、検査項目Aの再検査用として第1の試料分注位置Paの反応容器17内に分注する。
6サイクル目から1サイクルタイム経過した7サイクル目において、6サイクル目に第1の試料分注位置Paで希釈試料が分注された反応容器17は、第1試薬分注位置Pbで停止する。第1試薬分注プローブ21は、試薬庫15内の試薬ラック14に保持された試薬容器13内の検査項目A用の第1試薬を、第1試薬分注位置Pbの反応容器17内に分注する。
7サイクル目から2サイクルタイム経過した9サイクル目において、7サイクル目に第1試薬分注位置Pbで第1試薬が分注された反応容器17は、第1a撹拌位置Pcで停止する。第1a撹拌子23aは、第1a撹拌位置Pcの反応容器17内の希釈試料と第1試薬の混合液を撹拌する。
9サイクル目から1サイクルタイム経過した10サイクル目において、9サイクル目に第1a撹拌位置Pcで撹拌が行われた反応容器17は、第2の試料分注位置Pdで停止する。サンプル分注プローブ19は、第1の試料分注位置Paの反応容器17内へ試料を分注する、又は洗浄槽で待機する。
10サイクル目から1サイクルタイム経過した11サイクル目において、10サイクル目に第2の試料分注位置Pdで停止した反応容器17は、第1b攪拌位置Peで停止する。第1b撹拌子23bは、第1b撹拌位置Peの反応容器17内の試料と第1試薬の混合液の撹拌を行わず、洗浄槽で待機する。
11サイクル目から所定のサイクルタイム経過した(d+4)サイクル目において、11サイクル目に第1b撹拌位置Peで停止した反応容器17は、第2試薬分注位置Pfで停止する。第2試薬分注プローブ25は、試薬庫16内の試薬ラック14に保持された試薬容器13内の検査項目A用の第2試薬を、第2試薬分注位置Pfの反応容器17に分注する。
(d+4)サイクル目から1サイクルタイム経過した(d+5)サイクル目において、(d+4)サイクル目に第2試薬分注位置Pfで第2試薬が分注された反応容器17は、第2撹拌位置Pgで停止する。第2撹拌子27は、第2撹拌位置Pgの反応容器17内の試料、第1試薬及び第2試薬の混合液を撹拌する。
測定部29は、(d+5)サイクル目に第2撹拌位置Pgで停止してから洗浄位置Wで停止するまでの間に測定位置Pmを通過する反応容器17内の混合液を測定して被検データを生成する。そして、データ処理部60の演算部61は、測定部29で生成された被検データに基づいて検査項目Aの再検査における分析データを生成する。
(d+5)サイクル目に第2撹拌位置Pgで撹拌が行われた反応容器17は、(g+4)サイクル目、(g+8)サイクル目、・・・、(g+28)サイクル目において、第1乃至第7洗浄位置W1乃至W7で停止する。そして、第1乃至第7洗浄ノズル31乃至37は、(d+5)サイクル目に第2撹拌位置Pgで撹拌が行われた反応容器17を洗浄する。
なお、再検査の場合、検査項目Bも検査項目Aと同様にして行われるので説明を省略する。
以上述べた実施形態によれば、分注量が上限量を超える試料の分注では、試料容器11内の試料を反応容器17内に分注させた後、試薬容器13内の第1試薬を、当該試料を収容する当該反応容器17内に分注させることができる。そして、試料を分注させる際に、サンプル分注プローブ19の下端が反応容器17内の底面に接触した停止位置で試料を吐出する分注を行わせることにより、サンプル分注プローブ19から吐出される試料の飛び散りを防ぐことができる。これにより、分注量が上限量を超える試料を精度よく分注することができる。
また、分注量が上限量以下の試料の分注では、試薬容器13内の第1試薬を反応容器17内に分注させた後、試料容器11内の試料を、当該第1試薬を収容する当該反応容器17内に分注させることができる。そして、試料を分注させる際に、サンプル分注プローブ19の下端部が反応容器17内の第1試薬の液面に接触した停止定位置で試料を吐出する分注を行わせることにより、サンプル分注プローブ19から吐出される試料の飛び散り、及びサンプル分注プローブ19から吐出された試料の下端部外壁への付着を防ぐことができる。これにより、分注量が上限量以下の微量な試料を精度よく分注することができる。
以上により、微量な量の試料の分注において、分注精度の低下の要因となる時間を確保することが可能となり、処理速度を低下させることなく精度よく分注することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。