JP2014191955A - 電解質組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】マグネシウム電池用電解質組成物を提供する。
【解決手段】電解質が、下記式(1)に示すピロリジニウム誘導体カチオンとグリニアール試薬を含む。
Figure 2014191955

【選択図】なし

Description

本発明は、新規電解質組成物に関する。詳しくは二次電池、特にマグネシウム二次電池に用いられる電解質組成物に関する。
近年、携帯電話等の携帯電気機器類を筆頭に、電池を電源とした各種機器の小型化・軽量化の要求が高まっており、他方電気自動車や家庭用電源のように大型で継続的に安定した電源確保のため、太陽光発電や風力発電が期待されているがこれらの自然エネルギー発電は極めて不安定であるため、その安定出力化を図るためなどから大容量の蓄電能力のある電池の開発が求められている。これらは、いずれの場合であっても、電池の安全性を無視することはできない。
すなわち、今日、電池に求められている要請は、小型化可能、大容量及び安全性である。そこで、現在の大容量電池の主力はリチウムイオン二次電池である。しかしながら、近年の研究の結果、一価イオンであるリチウムイオン電池のエネルギー容量の向上の限界値がわかってきた。そのため、リチウム二次電池を超える特性を有する電池の開発が求められ、二価のカチオンを生ずるマグネシウムイオンを用いたマグネシウム二次電池が着目されている。
マグネシウム二次電池は、リチウムイオン電池の1.6倍程度の理論容量を有しているため、ポストリチウムイオン電池と目されている。
従来のマグネシウム二次電池に使用可能なイオン源としては、Mg(BFやMg(PFなどの無機塩化合物やMg(TFSI)〔TFSI:bis(trifluoromethylsulfonyl)imideのアニオンの略〕などの有機化合物が広く知られていた。しかしながら、これらの電解質塩は、固体であるために、プロピレンカーボネートやエチレンカーボネートなどの有機溶媒に溶解した液状電解質として使用しなければならなかった。これらの有機溶媒の使用は電解液の揮発性を高め、可燃性であることから、電池の液漏れや熱的安定性に課題があった。
かかる課題の解決手段として近年室温で液体の電解質塩(以下イオン液体という)の使用が試みられている。イオン液体は、塩のみからなるために高いイオン電導性を有し、不揮発生、難然性、高い熱安定性を有するので、二次電池用電解質として高い効率と安全性を得ることができる。
そこで、本発明者らも、すでにイオン液体であるDEMEカチオン〔DEME:N,N−diethyl−N−methyl−N−(2−methyl)ammoniumの略〕がリチウムイオン二次電池用の優れた電解質材料であることを確認した(非特許文献1)。
しかし、前記のとおり、一価イオンであるリチウムには限界があり、二価イオンであるマグネシウムへの応用を図るべく検討を行い、グリニアール試薬を含む、イオン液体電解質の開発を試みた。しかし、確かにマグネシウムの可逆的溶解/析出挙動は有するが、例えば、DEMEカチオンは、イオン伝導度が十分でなく、より効率の高いカチオン成分としてイミダゾリウム系電解質を提案した(特許文献1)。
しかし、イミダゾリウム系電解質をマグネシウム二次電池に用いた場合、デンドライトの生成等により繰返し充放電に多少の難があった。
そこで、更なる改良を目指した検討が必要と考えられた。
特開2012−48874 特開2010−238811
J.PowerSources(2010)195(5)2096
二次電池における上述のような問題点があり、二価のマグネシウムを用いた二次電池の電解質について更なる改良の必要性があった。
そこで本発明者等は、イオン伝導物質として二価のマグネシウムを用いた場合の電解質について、鋭意研究した結果、イオン液体のうち、アニオンについては、良好なアニオン種が少なく、置換基の修飾も困難であることから、カチオン種について、より粘度の低い、伝導性の高いカチオン種を種々検討し、本発明を提案するに至った。
本発明請求項1に記載の発明は、下記一般式(1)で表されるピロリジニウム誘導体カチオンとグリニアール試薬を含む電解質組成物である。
Figure 2014191955
但し、R,Rは同一又は異なる、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシ−(ポリアルキレンオキシ)アルキル基、R,R,R,Rは同一又は異なって、水素原子又はアルキル基である。)
請求項2に記載の発明は、グリニアール試薬に対して、ピロリジニウム誘導体カチオンが0.5乃至2モルの割合で含まれる請求項1記載の電解質組成物である。
また、請求項3に記載の発明は、前記一般式(1)で表されるピロリジニウム誘導体カチオンにおけるRとRとは異種類の基であることを特徴とする請求項1又は2記載の電解質組成物である。
また、請求項4に記載の発明は、ピロリジニウム誘導体カチオンにおけるRがメチル基であり、Rがプロピル基であり、且つグリニアール試薬がメチルマグネシウムブロマイド(MeMgBr)である請求項1乃至3のいずれかに記載の電解質組成物である。
更に、請求項5に記載の発明は、マグネシウム二次電池に用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電解質組成物である。
更にまた、請求項6に記載の発明は、ゲル化剤としてヒュームドシリカを加えた請求項1乃至5のいずれかに記載の電解質組成物である。
本発明は、電解質として前記請求項1乃至4に示す電解質組成物を用いることにより、特にマグネシウム電池において、
(1)高いイオン伝導度が得られる。例えばピロリジニウム誘導体カチオンのイオン液体として、25℃において、イオン伝導度が3.97mS/cmのものが得られる。
(2)広い電位窓を有し、例えば還元電位が−1.5V付近まで分解を生ずることなく高電圧下に充電が可能なマグネシウム電池とすることができる。
(3)また後述するヒュームドシリカを混合したゲル状の電解質にあっては、液漏れや、電解質の揮発などがないため、外装容器が簡単な構造となり軽量小型化が可能で且つ安全性に優れた二次電池が得られる等の利点がある。
本発明の電解質におけるイオン液状のイオン伝導度と温度の関係を示すグラフである。 本発明の別の電解質についてイオン液体の伝導度と温度の関係について、図1と同様に示す。 イオン液体について、分解時の電位を示す図である。 グリニアール試薬とイオン液体の混合割合を変えた場合のマグネシウムの溶出/析出に伴う電流密度と電位の関係を示すサイクリックボルタングラムである。 グリニアール試薬とイオン液体の混合割合を変えた場合のマグネシウムの溶出/析出に伴う電流密度と電位の関係を示すサイクリックボルタングラムである。 グリニアール試薬とイオン液体の混合割合を変えた場合のマグネシウムの溶出/析出に伴う電流密度と電位の関係を示すサイクリックボルタングラムである。 グリニアール試薬とイオン液体の混合割合を変えた場合のマグネシウムの溶出/析出に伴う電流密度と電位の関係を示すサイクリックボルタングラムである。 グリニアール試薬とイオン液体の混合割合による電流密度の変化を示すグラフである。 繰り返し時のマグネシウム析出/溶解の電位の変化を示すグラフである。 繰り返し充放電した場合の効率の変化を示すグラフである。
本発明の特徴は、グリニアール試薬と共に用いられるイオン液体、特にそのカチオン成分をピロリジニウム誘導体とした点にある。その場合ピロリジニウム誘導体は、下記一般式(1)に示される構造である。
Figure 2014191955
すなわち、ピロリジンの四級塩である。
,Rは同一又は異なるアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシ−(ポリアルキレンオキシ)アルキル基のいずれかであり、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基から選ばれるのが好ましい。勿論更に長くてもよいが電解質の粘度が上昇するので、あまり長い鎖は好ましくない。また、アルケニル基も同様に炭素数2〜4程度が好ましい。アルコキシ基は酸素が介在するためR又はRのうちいずれか一方に用い、他はアルキル基とするのが共にアルコキシ基とするより好ましい。また好ましいアルコキシ基はメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等である。また、アルコキシ−(ポリアルキレンオキシ)−アルキル基は、一般式で示すと次のとおりである。
Figure 2014191955
但し、R’はアルキル基、R’’は同一又は異なる炭素数1〜3のアルキレン基であり、nはアルキレンオキシ基の繰り返し数を表し、一般には1〜3程度である。R,R,R,Rは、水素原子又はアルキル基であり、一般に水素原子又はメチル基、エチル基が好ましく、あまり炭素数が多くなると粘度の上昇を来たすので好ましくない。
なお、R,Rは同一の基でもよいが、両者は異なる非対称とするのが好ましく、特に一方がメチル基、他方がプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メトキシエチル基、ブチル基が好ましく、更にRがメチル基、Rがプロピル基のときが粘度と伝導度の関係上バランスが良く、伝導度を大きくすることができる。
また、ピロリジニウム誘導体カチオンの対イオンであるアニオンは特に限定されないが、一般にハロゲン、BF ,PF ,ビス(トリフルオロメタン)スルホニルイミド(TFSIと略す),CFSO などが用いられるが、中でもTFSIが好ましい。
グリニアール試薬は一般式(2)で表される。
Figure 2014191955
(但し、Rは炭素水素基であり、Xはハロゲン原子である。)
Rは一般にメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、及びヘキシル基等のアルキル基、アリール基等であり、メチル基が好ましい。Xは、塩素、ヨウ素、臭素である。
また、グリニアール試薬(以後、RMgXと略す場合がある)に対するピロリジニウム誘導体カチオンを含むイオン液体の混合割合は、グリニアール試薬1モルに対し、イオン液体0.5〜2モル程度であり特に1.5とするのが好ましい。なお、イオン液体が2を超えて多くなると粘度が増加し、延いてはイオン伝導度が低下するので好ましくない。
なお、本発明にあっては、特にマグネシウム二次電池に用いる電解質組成物を主目的とするものであり、本発明の電解質組成物は揮発性の低い難燃性のイオン液体が用いられているので一般のリチウムイオン電池等揮発性溶媒を用いる系に比べて安全性に優れているが、更に本発明の電解質組成物にシリカを加えてゲル化して利用することもできる。その場合に用いられるシリカは、グリニアール試薬の分解を防ぐため無水でなければならない。また、均一なゲル形成のため粒径は、0.03μm程度、好ましくはヒュームドシリカと称される粒径7〜40nmで一次粒子が分散したシリカ(SiO)が最適である。ヒュームドシリカは、表面にシロキサンやシラノール基が存在し、イオン液体との間に緩い結合を生じ、電解質組成物をゲル化することができる。ヒュームドシリカの添加量は、10〜15wt%であり、大概12wt%でゲル化することができる。
なお、ヒュームドシリカを非水系電解質溶液に混合して電気化学素子用ゲル電解質とする提案はあるが、コンデンサ等を目的としており、二次電池用の電解質を示唆するものではない。(特許文献2)
マグネシウム二次電池において電解質を固形化(ゲル化)することは、電池の液漏れ防止に継がり、容器の簡素化、軽量化を可能にすることができる。
本発明の電解質組成物は、マグネシウム二次電池に用いる場合、負極としてマグネシウム又はマグネシウム合金を用いるのが好ましいが、勿論、白金、金、ダイヤモンドライクカーボン等よく知られた負極材料が使用できる。また陽極も同様にカーボン等、通常知られた材料が使用される。
以下に、本発明の電解質組成物に更に詳述する。
まず、アニオンをTFSIとし、MeMgBr/THFとモル比1:1で混合した系を例とし、比較のために鎖状のカチオンを用いた結果も合わせて表1に示す。
Figure 2014191955
上記表1に示す例から、明らかに比較例として示す番号1、2の鎖状のカチオンに比べて、本発明のピロリジニウムカチオンの方が、ガラス転移点が低く、イオン運動性がよいこと、それにより、伝導性も向上していることがわかる。
これは、ピロリジニウムカチオンが環状構造であるためイオンサイズが大きく、電荷が非局在化し、表面電荷密度の偏りが小さく、アニオンとの相互作用性が鎖状カチオンのイオン液体に比べて小さいことによると考えられる。
また、本発明の基礎物性として、温度と伝導度のグラフを図1及び、図2に示す。常温を含む広い範囲で有効な伝導度を示すことがわかる。
更にマグネシウムの標準電極電位は、−2.37V(vs.SHE)であるから、還元力が高く、Mg二次電池用電解液としては、耐還元性の高い溶媒を用いる必要がある。従って、電解液として用いるイオン液体の電位窓は広いことが望まれる。前記表1の番号4で示すイオン液体の電位窓をLSV測定により求めた結果を図3に示す。該図より、−1.5V付近から電流が変化し、この付近で分解が始まるものと考えられる。この結果から、本発明に用いられるピロリジニウム系イオン液体の還元側の安定性は−1.5Vと考えられる。よって本発明の電解質組成物は、マグネシウム電池用として優れていることがわかる。
また、グリニアール試薬対本発明の電解質組成物中のイオン液体の最適混合割合を調べるため、グリニアール試薬対本発明のイオン液体をグリニアール試薬1に対してイオン液体0.5,1,1.5及び2(モル)とした場合のCV測定を行った結果を図4,図5,図6,図7に示す。
これらの図における−0.5Vでの電流密度をプロットしたものを図8に示す。図8により、1:1.5の系が最も大きい電流が流れることがわかる。すなわち、系内のイオン密度が高ければ電流密度が大きくなるが、他方系内の粘度が上昇すればイオンの移動が妨げられ伝導度は低下する傾向にある。このトレードオフの関係から、1:1.5近辺に最高伝導度があるのである。
次に1:1.5のRMgX:イオン液体について電気特性を調べるため、電流密度5mA/cmで2分間充電し、1200mVまで放電させたときの充放電(電位・時間)曲線を図9に示す。0V付近にマグネシウムの溶解反応に由来するプラトー部分が−0.25V付近ではマグネシウムの析出反応に由来するプラトー部分が確認される。サイクルを繰り返すにつれて容量の低下とMgの析出反応の過電圧が大きくなることも確認された。一方充放電効率は、100サイクル目まで85%まで維持し得る(図10)。
すなわち、実用的に耐え得ることが分かる。
(イオン液体の合成)
(1)N2,2,2,4TFSI〔表1の番号1〕
1-ブロモブタンに1.2倍モルのトリエチルアミンを加えた。そこに、溶媒として、200 mlのTHFを加え、還流しながら60 ℃で10時間攪拌した。また、80 ℃、90 ℃、100 ℃でそれぞれ、12時間、10時間、8時間攪拌した。その後、常温まで冷却し、冷凍下に9時間静置し、その上澄みを捨てた。そこに、100 mlのジエチルエーテルを加え、1時間攪拌、30分静置し、その上澄みを捨てた。このエーテル精製を3セット行った。最後に、減圧機のNVC-2000 [EYELA]で50 hPaまで減圧し、エバポレーター N-1000
[EYELA]で10時間乾燥して、トリエチルブチルアンモニウムブロマイド(N2,2,2,4Br)を得た。収率は58.0 %であった。
N2,2,2,4Brに1.2倍のLiTFSIを加え、全量が100 mlになるように水を加えた。次に22時間攪拌し、30分間静置し、上澄みを捨て、水を50 ml加えて、1時間攪拌し、30分間静置し、上澄みを捨てた。これを3セット行った。次に、内圧50
hPa、温度50 ℃の条件で5時間乾燥し、その後、真空乾燥機201SD[EYELA]で80
℃40時間真空乾燥させN2,2,2,4TFSIを得た。収率は90.4 %であった。
(2)N4,4,4,4TFSI〔表1の番号2〕
前記と同様に操作する。但し、トリエチルアミンにかえてトリブチルアミンを用いる。かくして、テトラブチル、アンモニウムブロマイド(N4,4,4,4Br)を得た。収率は68.0 %であった。
N4,4,4,4Brに1.2倍モルのLiTFSIを加え、前記と同様の操作により、N4,4,4,4TFSIを得た。収率は、収率は80.4 %であった。
(3)Py1,2O1TFSI〔表1の番号3〕
1-(2-メトキシエチル)-1-メチル-ピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Py1,2O1TFSI)は、市販試薬 [関東化学(株)]を100℃で1時間真空乾燥し、含水量を200ppm以下として使用した。
(4)Py1,3TFSI〔表1の番号4〕
N-メチル-N-プロピルピロリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Py1,3TFSI)は、市販試薬[関東化学(株)]を100℃で1時間真空乾燥し、含水量を200ppm以下として用いた。
(電解質組成物の調整)
MeMgBr/THFとイオン液体をそれぞれ初定のモル比で、アルゴン雰囲気下に混合した後30分間撹拌し、混合した。
(粘度の測定)
電解液の粘性を調査するためにオストワルド粘度計[柴田化学器械(株)]を用い、以下の方法で粘度を測定した。
液体が細長い管を流れるときにその体積Vは次式(1)で与えられる。
Figure 2014191955
ただし、πは円周率、pは管の両端の圧力差、rは管の半径、tは時間、lは管の長さである。またηは液体の種類および温度によって決まる定数であり、これをその液体の粘性係数または粘度と呼ぶ。故に、この粘度の値は、管を流れ出る液の体積を測れば、上式から求めることが出来る。液体が2種の液を常に同一容積だけ入れると、液が流下する力はそれらの液の比重に比例する。今、水の粘度をη、密度をρ、AからBへの2標線間の一定容積の流下時間をtとし、試料液体のそれをη、ρ、tとするとき、Hagen-Poiseuilleの式から次式(2)が導かれる。
Figure 2014191955
従って、比重瓶で液の密度、オストワルド粘度計で流下時間を測定することで電解液の粘性が算出できる。電解液の流下時間はArガスを満たしたグローブボックス内(25℃)で測定した。なお、粘度計の校正には蒸留水(η=0.893cP at 25 ℃)を用いた。
(示差熱の測定)
調製した各サンプルのガラス転移温度(Tg)と熱特性を調査するためDSC測定を行った。調製したサンプルをAr雰囲気下のグローブボックス内でAlシールセルに充填、封入した。装置には示差走査熱量計DSC-50[島津製作所(株)]、熱分析システムTA-50WS[島津製作所(株)]および熱分析自動冷却コントローラーTAC-50[島津製作所(株)]を使用した。ヘリウムガス雰囲気下で-150〜100 ℃の温度範囲を昇温速度10
℃/minで走査し、その間の熱量変化を記録した。測定データは2ndサイクルの昇温時のデータを採用した。
(リニアスイープボルタンメトリー(LSV)測定)
CV測定の電位範囲を決定するため、調製したサンプルの電位窓を測定した。測定には、三極式:Cell-II (W.E.: Pt wire, C.E.: Pt wire, R.E.: Mg rod)と三極式:Cell-III (W.E.: GC, C.E.: GC, R.E.: Mg rod)を用いて行った。装置にはPCと接続した電気化学測定システムHZ-3000[北斗電工]を使用した。なお、走査電位範囲-3〜4
V vs. Mg QRE、走査速度5 mV/secの条件で行った。
(サイクリックボルタンメトリー(CV)測定)
調製したサンプル中でのMgの電気化学的挙動を調査するために、三極式:Cell-IV(W.E.: Au plate or Ag plate(反応面積0.5 cm2),
C.E.: Pt plate, R.E.: Mg rod)を用いてCV測定を行った。装置にはPCと接続した電気化学測定システムHZ-3000[北斗電工]を使用した。なお、走査電位範囲-1.2〜1.2 V vs. Mg QRE、走査速度10 mV/ secの条件で行った。
以上のとおり測定した結果は、図1〜10及び表1に示した。
本発明の電解質組成物は主として、マグネシウム二次電池用の電解質として使用し得るが、その他コンデンサーやキャパシタ用などの電解質としても使用し得る。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表わされるピロリジニウム誘導体カチオンとグリニアール試薬を含む電解質組成物。
    Figure 2014191955
    (R、Rは同一又は異なる、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシ−(ポリアルキレンオキシ)アルキル基、R、R、R、Rは同一又は異なって水素原子又はアルキル基である。)
  2. グリニアール試薬に対してピロリジニウム誘導体カチオンが0.5乃至2モルの割合で含まれる請求項1記載の電解質組成物。
  3. 前記一般式(1)で表されるピロリジニウム誘導体カチオンにおけるRとRとは異種類の基であることを特徴とする請求項1又は2記載の電解質組成物。
  4. ピロリジニウム誘導体カチオンにおけるRがメチル基でありRがプロピル基であり、且つグリニアール試薬がメチルマグネシウムブロマイドである請求項1乃至3のいずれかに記載の電解質組成物。
  5. マグネシウム二次電池に用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電解質組成物。
  6. ゲル化剤としてヒュームドシリカを加えた請求項1乃至5のいずれかに記載の電解質組成物。
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