JP2014187765A - 回転電機の電機子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、部品点数の増加および磁極ティースの薄肉化を抑えつつ、電機子鉄心と電機子巻線との擦れに起因する導体線の絶縁被膜の損傷の発生を抑制し、優れた絶縁性能を有する、安価な、高効率の回転電機の電機子およびその製造方法を得る。
【解決手段】固定子10は、円環状のヨーク、およびそれぞれヨークから径方向内方に突出して周方向に配列された多数の磁極ティースからなる固定子鉄心11と、固定子鉄心11に装着された複数の巻線体22からなる固定子巻線20と、を備え、固定子鉄心11は、少なくとも一つの周方向に連続する領域が2個の磁極ティースを有する3個の短鉄心112により構成され、領域の間の周方向の区間が短鉄心112より長い一つの長鉄心111により構成されている。
【選択図】図3

Description

この発明は、例えば電動機や発電機などの回転電機の電機子およびその製造方法に関するものである。
近年、電動機や発電機などの回転電機において、小型高出力、および高品質が求められている。この種の回転電機を小型化するに当たり、有効な磁束を発生しないコイルエンドを小型化する観点から、導体線を固定子鉄心のティースのそれぞれに巻き回した集中巻の固定子巻線を用いられていた。しかしながら、トルク脈動が抑えられ、高出力化が可能な分布巻構造の固定子巻線を用いた固定子が要望されている。さらに、磁石価格の高騰により、磁石を用いない誘導機の要求も高まっており、より高効率の分布巻の固定子巻線を用いた固定子が求められている。しかし、分布巻の巻線は、集中巻の巻線に比べて、構造的に鉄心に装着しにくく、製造コストが高くなってしまう。
ここでは、導体線を1つのティースに巻き回して構成された集中巻の巻線に対し、導体線を2スロット以上離れたスロットに巻き回して構成された巻線を分布巻の巻線とする。つまり、分布巻の巻線は、1のスロットから出た導体線が連続する2つ以上のティースをまたいで他のスロットに入るように巻き回されている。
このような状況を鑑み、特許文献1には、2分割された2つのステータコア分割ピースのそれぞれのスロットにコイルピースの辺を挿入し、このとき、コイルピースを挿入するスロットが一つの場合には、当該コイルピースの余剰の辺を未挿入の状態でステータコア分割ピースから突出させ、ついで、ステータコア分割ピースから突出する未挿入状態のコイルピースの余剰の辺を、他方のステータコア分割ピースのコイルピースの一辺しか挿入されていないスロットに挿入しつつ、2つのステータコア分割ピースを接合、一体化する従来の回転電機の固定子の製造方法が提案されていた。
また、特許文献2には、弧状のヨーク片部とヨーク片部から内側に突出された磁極ティース片部からなる複数のステータ部材を離反する方向に移動可能に連結して構成された環状のステータコアの径を、ステータ部材を互いに離反させて拡大し、環状のコイル部材を径が拡大されたステータコア内に配置させ、ついで、各ステータ部材を元に戻して各磁極ティース片部にコイル部材を装着させ、その後ステータ部材を固着一体化する従来の回転電機の固定子の製造方法が提案されていた。
さらに、特許文献3には、スロットを形成した帯状鋼板を、円筒状コイルの外周側から螺旋状に連続的に巻き付けながら、スロットを円筒状コイルに装着してステータコアを作製する従来の回転電機の固定子の製造方法が提案されていた。
特開平8−298756号公報 特許第3604326号公報 特開2008−283736号公報
特許文献1に記載の従来の回転電機の固定子の製造方法では、ステータコア分割ピースから突出するコイルピースを引き起こして、そのコイルピースの余剰の辺を、他方のステータコア分割ピースのコイルピースの一辺しか挿入されていないスロットに挿入する必要があった。したがって、コイルピースを引き起こす作業時に、コイルピースがステータコア分割ピースと擦れて、導体線に被覆されている絶縁被膜を損傷させ、絶縁性能が低下するという課題があった。
特許文献2に記載の従来の回転電機の固定子の製造方法では、ステータコアが、複数のステータ部材を離反する方向に移動可能に連結して構成されているので、ステータコアとコイル部材との擦れに起因する絶縁被膜の損傷を抑制できる。しかしながら、特許文献2に記載の従来の回転電機の固定子の製造方法では、ステータコアの構造が複雑となり、ステータコアを構成する部品数が多くなるので、製造時の運搬や取り扱いに手間がかかり、製造コストを高くなるという課題があった。
特許文献3に記載の従来の回転電機の固定子の製造方法では、帯状鋼板の各ティースの巻き付け進行方向の前となる側を、ティース根元側から先端側にかけてインボリュート曲線で形成し、帯状鋼板を螺旋状に巻き付ける際に、帯状鋼板と円筒状コイルとの干渉を避けているので、ステータコアと円筒状コイルとの擦れに起因する絶縁被膜の損傷を抑制できる。しかしながら、特許文献3に記載の従来の回転電機の固定子の製造方法では、ステータコアのティースの先端側が細くなるので、回転電機の効率を低下させるという課題があった。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、部品点数の増加および磁極ティースの薄肉化を抑えつつ、電機子鉄心と電機子巻線との擦れに起因する導体線の絶縁被膜の損傷の発生を抑制し、優れた絶縁性能を有する、安価な、高効率の回転電機の電機子およびその製造方法を得ることを目的とする。
この発明による回転電機の電機子は、円環状のヨーク、およびそれぞれ上記ヨークから径方向内方に突出して周方向に配列された多数の磁極ティースからなる電機子鉄心と、上記電機子鉄心に装着された複数の分布巻の巻線からなる電機子巻線と、を備え、上記電機子鉄心は、少なくとも一つの周方向に連続する領域が1個又は2個の上記磁極ティースを有する複数個の短鉄心により構成され、上記領域の間の周方向の区間が上記短鉄心より長い一つの長鉄心により構成されている。
この発明によれば、電機子鉄心が長鉄心と複数個の短鉄心により構成されるので、部品点数の増加が抑えられ、低コスト化が図られる。また、長鉄心間に空きスペースがあるので、磁極ティースの先端側を細くすることなく、電機子巻線を長鉄心に装着でき、回転電機の効率の低下が抑えられる。さらに、電機子巻線が装着された長鉄心間の空きスペースの径方向外方から短鉄心を挿入して電機子鉄心を構成できるので、電機子巻線の長鉄心からの突出部分を引き起こす必要がない。そこで、電機子鉄心と電機子巻線との擦れや、巻線の変形に起因する導体線の絶縁被膜の損傷の発生が抑えられ、優れた絶縁性能が得られる。
この発明の実施の形態1に係る回転電機を示す片側断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の要部を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される固定子を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される固定子鉄心を構成する長鉄心を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される固定子鉄心を構成する短鉄心を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される固定子の固定子巻線を構成する巻線体を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される固定子の固定子巻線を構成する巻線体を示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の製造方法における長鉄心に巻線体を装着する方法を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の製造方法における長鉄心に巻線体を装着する方法を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の製造方法における長鉄心に巻線体を装着する方法を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の製造方法における長鉄心に巻線体を装着する方法を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の製造方法における短鉄心を装着する方法を説明する端面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の製造方法における固定子組立後の状態を示す端面図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機に適用される固定子鉄心を構成する長鉄心を直線状に展開した状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子の製造方法における長鉄心に巻線体を装着する方法を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子の製造方法における長鉄心に巻線体を装着する方法を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子の製造方法における長鉄心に巻線体を装着した状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子の製造方法における短鉄心を装着する方法を説明する端面図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子の製造方法における固定子組立後の状態を示す端面図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子の製造方法における長鉄心を構成する電磁鋼板片の打ち抜き工程を説明する平面図である。 この発明の実施の形態3に係る回転電機の固定子の製造方法における短鉄心を装着する方法を説明する端面図である。 この発明の実施の形態3に係る回転電機の固定子の製造方法における固定子組立後の状態を示す端面図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機に適用される固定子巻線を示す斜視図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機の固定子の製造方法における長鉄心に固定子巻線を装着する方法を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機の固定子の製造方法における長鉄心に固定子巻線を装着する方法を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機の固定子の製造方法における長鉄心に固定子巻線を装着する方法を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機の固定子の製造方法における短鉄心を装着する方法を説明する端面図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機の固定子の製造方法における固定子組立後の状態を示す端面図である。 この発明の実施の形態5に係る回転電機に適用される固定子鉄心を示す端面図である。 この発明の実施の形態5に係る回転電機の固定子の製造方法における巻線体を長鉄心に装着した状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態5に係る回転電機の固定子の製造方法における巻線体を長鉄心に装着する方法を説明する端面図である。 この発明の実施の形態5に係る回転電機の固定子の製造方法における巻線体を長鉄心に装着する方法を説明する端面図である。 この発明の実施の形態5に係る回転電機の固定子の製造方法における短鉄心を装着する方法を説明する端面図である。 この発明の実施の形態5に係る回転電機の固定子の製造方法における固定子組立後の状態を示す端面図である。
以下、本発明による回転電機の電機子およびその製造方法の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る回転電機を示す片側断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の要部を示す斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される固定子を示す斜視図、図4はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される固定子鉄心を構成する長鉄心を示す斜視図、図5はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される固定子鉄心を構成する短鉄心を示す斜視図、図6はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される固定子の固定子巻線を構成する巻線体を示す斜視図、図7はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される固定子の固定子巻線を構成する巻線体を示す断面図である。なお、図2では、永久磁石が省略されている。
図1および図2において、回転電機100は、有底円筒状のフレーム2およびフレーム2の開口を塞口する端板3を有するハウジング1と、フレーム2の円筒部に内嵌状態に固着された電機子としての固定子10と、フレーム2の底部および端板3にベアリング4を介して回転可能に支持された回転軸6に固着されて、固定子10の内周側に回転可能に配設された回転子5と、を備えている。
回転子5は、軸心位置に挿通された回転軸6に固着された回転子鉄心7と、回転子鉄心7の外周面側に埋設されて周方向に等ピッチで配列され、磁極を構成する永久磁石8と、を備えた永久磁石型回転子である。なお、回転子5は、永久磁石式回転子に限定されず、絶縁しない回転子導体を、回転子鉄心のスロットに収納して、両側を短絡環で短絡したかご形回転子や、絶縁した導体線を回転子鉄心のスロットに装着した巻線形回転子を用いてもよい。
つぎに、固定子10の構成について具体的に図3から図7を参照しつつ説明する。
固定子10は、図3に示されるように、電機子鉄心としての円環状の固定子鉄心11と、固定子鉄心11に装着された電機子巻線としての固定子巻線20と、を備えている。ここで、説明の便宜上、回転子5の極数を8極、固定子鉄心11のスロット数を48個、固定子巻線20を三相巻線とする。すなわち、スロット12は、毎極毎相当たり2個の割合で固定子鉄心11に形成されている。
長鉄心111は、図4に示されるように、円弧状のヨーク111aと、ヨーク111aから径方向内方に放射状に延びる42本の磁極ティース111bと、から構成され、円環状の固定子鉄心11を1磁極分、すなわち周方向に電気角で180度分だけ切り欠いたC字状に形成されている。長鉄心111は、例えば、一定の形状に打ち抜かれた複数枚の電磁鋼板片を積層、一体化して作製される。なお、長鉄心111の周方向の一端では、ヨーク111aの端面と磁極ティース111bの端面とが面一となっている。また、長鉄心111の周方向の他端では、ヨーク111aの端部が磁極ティース111bからスロット12の分だけ突出している。
短鉄心112は、図5に示されるように、円弧状のヨーク112aと、ヨーク112aから径方向内方に延びる2本の磁極ティース112bと、から構成されている。短鉄心112は、例えば、一定の形状に打ち抜かれた複数枚の電磁鋼板片を積層、一体化して作製される。
固定子鉄心11は、図3に示される、3つの短鉄心112を周方向に並べて、短鉄心112より長い周長を有する長鉄心111の切り欠き部に配置させて構成される。そして、磁極ティース111b間、磁極ティース112b間、および磁極ティース111bと磁極ティース112b間のスペースがスロット12となる。固定子鉄心11には、スロット12が、内周側に開口するように、周方向に等角ピッチで配列されている。磁極ティース111b、112bは、その周方向幅が径方向内方に向って漸次狭くなる先細り形状に形成されており、スロット12の断面は長方形となっている。
巻線体22は、例えば、長方形断面の導体線を螺旋状に6周回巻き回して作製された亀甲形コイルであり、図6および図7に示されるように、6スロット角度間隔離れて2列となった、各列に6本ずつ配列された第1および第2直線部22a,22bと、第1および第2直線部22a,22bの列間で、長さ方向の一端同士と他端同士とを交互に連結する第1および第2コイルエンド22e,22fと、第1および第2コイルエンド22e,22fの長さ方向中央部に形成され、連結される第1および第2直線部22a,22bを第1および第2直線部22a,22bの配列方向に所定量変位させる第1および第2ノーズ部22c,22dと、を備えている。
第1および第2直線部22a,22bは、それぞれ、長方形断面の短辺方向に、互いに接するように1列に配列されている。第1および第2ノーズ部22c,22dは、後述するように、第1直線部22aの列と第2直線部22bの列が、6スロット角度間隔離れた一方のスロット12の内層側と他方のスロット12の外層側に収納されるように、第1直線部22aの列と第2直線部22bの列を第1および第2直線部22a,22bの配列向に変位させている。なお、6スロット角度間隔とは、連続する6つの磁極ティース111b,112bの両側のスロット12のスロット中心間の間隔であり、1磁極ピッチに相当する。この巻線体22は、全節巻の巻線ピッチで構成された分布巻の巻線である。
このように構成される巻線体22を作製するには、例えば、エナメル樹脂で絶縁被覆された、かつ接続部のない連続した銅線やアルミニウム線などからなる長方形断面の導体線を、レーストラック状に6周回巻き回してコイル体を作製する。ついで、コイル体の第1および第2直線部の束に相当する部分と、第1および第2ノーズ部の束に相当する部分をそれぞれチャックし、第1および第2直線部の束に相当する部分の間を所定量広げて、巻線体22が作製される。なお、レーストラック状とは、互いに平行に配置された2つの線分の両端をそれぞれ円弧で連結した形状である。
つぎに、固定子10の製造方法について図8から図13を参照しつつ説明する。図8から図11はそれぞれこの発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の製造方法における長鉄心に巻線体を装着する方法を説明する斜視図、図12はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の製造方法における短鉄心を装着する方法を説明する端面図、図13はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の製造方法における固定子組立後の状態を示す端面図である。なお、図12および図13は、便宜上、巻線体22は第1および第2直線部22a,22bのみで表されている。
まず、48個の巻線体22を作製する。ここで、説明の便宜上、巻線体22を組み付け順に巻線体22、巻線体22、巻線体22・・・巻線体2247、巻線体2248とする。
そして、図8に示されるように、長鉄心111の周方向の一端に位置するスロット12の外層側に第2直線部22bの列を挿入して、1番目の巻線体22を組み付ける。ついで、隣のスロット12の外層側に第2直線部22bの列を挿入して、2番目の巻線体22を組み付ける。同様にして、巻線体22、巻線体22・・・巻線体2242を順次組み付ける。これにより、図9に示されるように、42個の巻線体22、22・・・2242が、長鉄心111に装着される。このとき、長鉄心111の周方向他側の6つのスロット12には、第2直線部22bの列が外層側に収納されている。また、長鉄心111の他のスロット12には、第1直線部22aの列が内相側に収納され、第2直線部22bの列が外層側に収納されている。
ついで、図10に示されるように、長鉄心111の周方向他端から6番目のスロット12の内層側に第1直線部22aの列を挿入して、43番目の巻線体2243を組み付ける。同様にして、巻線体2244、巻線体2245・・・巻線体2248を順次組み付ける。これにより、図11に示されるように、48個の巻線体22、22・・・2248が、長鉄心111に装着される。
ついで、図12に示されるように、3つの短鉄心112を長鉄心111の切り欠き部の径方向外方に位置させ、その後短鉄心112を径方向内方に移動させて、径方向に1列に並んだ第1および第2直線部22a,22bの列を短鉄心112のスロット12内に収納する。これにより、図13に示されるように、3つの短鉄心112が長鉄心111の切り欠き部に挿入され、円環状の固定子鉄心11が作製される。そして、48個の巻線体22、22・・・2248が固定子鉄心11に装着され、分布巻の固定子巻線20を構成する。また、各スロット12には、12本の第1および第2直線部22a,22bが長方形断面の短辺方向を径方向に向けて径方向に1列に並んで収納されている。そして、6本の第1直線部22aが各スロット12の内層側に収納され、6本の第2直線部22bが各スロット12の外層側に収納されている。これにより、図3に示されるように、固定子巻線20が固定子鉄心11に装着された固定子10が作製される。
この実施の形態1によれば、固定子鉄心11が、1磁極分を切り欠いたC字状に形成された長鉄心111と、長鉄心111の切り欠き部に挿入される3つの短鉄心112と、から構成されている。したがって、部品点数の増加が抑えられ、製造時の運搬や取り扱いが容易となり、製造コストの高騰を抑えることができる。
1磁極分の切り欠き部(周方向に連続する領域)が長鉄心111に形成されているので、磁極ティース111bをインボリュート曲線に形成することなく、巻線体22を長鉄心111に装着できる。したがって、磁極ティース111bの薄肉化に起因する効率の低下を防止することができる。
短鉄心112を長鉄心111の1磁極分の切り欠き部の径方向外方から挿入して環状の固定子鉄心11を構成できるので、長鉄心111から切り欠き部に突出する巻線体22を引き起こす必要がない。したがって、長鉄心111と巻線体22との擦れに起因する導体線の絶縁被膜の損傷の発生が抑えられ、優れた絶縁性能が得られる。
実施の形態2.
図14はこの発明の実施の形態2に係る回転電機に適用される固定子鉄心を構成する長鉄心を直線状に展開した状態を示す斜視図、図15および図16はそれぞれこの発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子の製造方法における長鉄心に巻線体を装着する方法を説明する斜視図、図17はこの発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子の製造方法における長鉄心に巻線体を装着した状態を示す斜視図、図18はこの発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子の製造方法における短鉄心を装着する方法を説明する端面図、図19はこの発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子の製造方法における固定子組立後の状態を示す端面図、図20はこの発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子の製造方法における長鉄心を構成する電磁鋼板片の打ち抜き工程を説明する平面図である。なお、図18および図19は、便宜上、巻線体22は第1および第2直線部22a,22bのみで表されている。
図14において、長鉄心113は、ヨーク113aと、ヨーク113aの一側の側面からそれぞれ垂直に延びる42本の磁極ティース113bと、から構成され、磁極ティース113b間のスペースがスロット12を構成する。そして、スリットがヨーク113aの他側の側面側に薄肉の連結部113cを残すように各スロット12の幅方向の中央部に形成されている。つまり、長鉄心113は、ヨーク113aを42分割した、それぞれ1本の磁極ティース113bを有する円弧状のヨーク部113aが、ヨーク部113aの外周部同士を屈曲可能な連結部113cで連結されて、一続きに構成され、連結部113cで折り曲げて、図14に示される直線状の伸びた状態と、図17に示される円弧状に曲げられた状態と、をとるように構成されている。そして、円弧状に曲げられた長鉄心113は、長鉄心111と同様に、円環状の固定子鉄心11Aを1磁極分切り欠いたC字状に形成される。
なお、実施の形態2では、長鉄心111に替えて長鉄心113を用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
ここで、実施の形態2による固定子10Aの製造方法について説明する。
まず、図14に示されるように、連結部113cで折り曲げてヨーク113aを直線状に伸ばす。ついで、1番目の巻線体22の第2直線部22bの列を、直線状に伸ばされた長鉄心113の長さ方向の一側のスロット12に入れ、その後、連結部113cを折り曲げながら第2直線部22bの列をスロット12の底部側(外層側)に押し入れる。ついで、2番目の巻線体22の第2直線部22bの列を、直線状に伸ばされた長鉄心113の長さ方向の一側から2番目のスロット12に入れ、その後、連結部113cを折り曲げながら第2直線部22bの列をスロット12の底部側(外層側)に押し入れる。このようにして、図15および図16に示されるように、3番目、4番目・・・48番目の巻線体22を、連結部113cを折り曲げながら順次長鉄心113に組み付ける。これにより、48個の巻線体22が、図17に示されるように、C字状に曲げられた長鉄心113に装着される。
ついで、図18に示されるように、3つの短鉄心112を長鉄心113の切り欠き部の径方向外方に位置させ、その後短鉄心112を径方向内方に移動させて、径方向に1列に並んだ第1および第2直線部22a,22bの列を短鉄心112のスロット12内に収納する。これにより、図19に示されるように、3つの短鉄心112が長鉄心113の切り欠き部に挿入され、円環状の固定子鉄心11Aが作製される。そして、48個の巻線体22からなる固定子巻線20が固定子鉄心11Aに装着され、固定子10Aが作製される。
ここで、長鉄心113は、図20に示されるように、帯状の電磁鋼板シート40から打ち抜かれた複数枚の電磁鋼板片41を積層、一体化して作製される。電磁鋼板片41は、ヨーク部42aとティース部42bを有する42個の鉄心片42が薄肉部42cにより連結されて一続きに構成される。そして、ヨーク部42aが積層一体化されてヨーク部113aを構成し、ティース部42bが積層一体化されて磁極ティース113bを構成し、薄肉部42cが積層一体化されて連結部113cを構成する。図20に示される電磁鋼板片41の打ち抜き方法では、一方の電磁鋼板片41のティース部42bが他方の電磁鋼板片41のティース部42b間に位置するように、ティース部42bを噛み合せた状態で電磁鋼板片41の対を電磁鋼板シート40から打ち抜いているので、材料の歩留まりが改善され、低コスト化が図られる。
この実施の形態2においても、固定子鉄心11Aが、1磁極分を切り欠いた長鉄心113と、長鉄心113の切り欠き部に挿入される3つの短鉄心112と、から構成されているので、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
この実施の形態2によれば、長鉄心113の磁極ティース113b間が連結部113cで屈曲可能となっているので、長鉄心113を直線状態から円弧状に曲げながら巻線体22を組み込むことができ、自動化が容易となる。さらに、長鉄心113への組み込み時における巻線体22の変形量が少なくなるので、導体線の変形による絶縁被膜の劣化が抑えられ、優れた絶縁性能が長期的に確保される。
実施の形態3.
図21はこの発明の実施の形態3に係る回転電機の固定子の製造方法における短鉄心を装着する方法を説明する端面図、図22はこの発明の実施の形態3に係る回転電機の固定子の製造方法における固定子組立後の状態を示す端面図である。なお、図21および図22は、便宜上、巻線体22は第1および第2直線部22a,22bのみで表されている。
図21において、長鉄心114は、ヨーク114aと、ヨーク114aの一側の側面からそれぞれ垂直に延びる43本の磁極ティース114bと、から構成され、磁極ティース114b間のスペースがスロット12を構成する。そして、スリットがヨーク114aの他側の側面側に薄肉の屈曲可能な連結部114cを残すように各スロット12の幅方向の中央部に形成されている。つまり、長鉄心114は、ヨーク114aを43分割した、それぞれ1本の磁極ティース114bを有する円弧状のヨーク部114aが、ヨーク部114aの外周部同士を屈曲可能な連結部114cで連結されて、一続きに構成される。そして、連結部114cで折り曲げて円弧状に曲げられた長鉄心114は、円環状の固定子鉄心11Bを周方向に電気角で150度分だけ切り欠いたC字状に形成される。
短鉄心112Aは、円弧状のヨーク112aと、ヨーク112aから径方向内方に延びる1本の磁極ティース112bと、から構成されている。
この実施の形態3においても、上記実施の形態2と同様に、48個の巻線体22を、連結部114cを折り曲げながら順次長鉄心114に組み付ける。これにより、48個の巻線体22が、C字状に曲げられた長鉄心114に装着される。
ついで、図21に示されるように、2つの短鉄心112と1つの短鉄心112Aを長鉄心114の切り欠き部の径方向外方に位置させ、その後短鉄心112,112Aを径方向内方に移動させて、径方向に1列に並んだ第1および第2直線部22a,22bの列を短鉄心112,112Aのスロット12内に収納する。これにより、図22に示されるように、3つの短鉄心112,112Aが長鉄心114の切り欠き部に挿入され、円環状の固定子鉄心11Bが作製される。そして、48個の巻線体22からなる固定子巻線20が固定子鉄心11Bに装着され、固定子10Bが作製される。
この実施の形態3においても、固定子鉄心11Bが、電気角で150度分だけ切り欠いた長鉄心114と、長鉄心114の切り欠き部に挿入される3つの短鉄心112,112Aと、から構成され、長鉄心114の磁極ティース114b間が連結部114cで屈曲可能となっているので、上記実施の形態2と同様の効果が得られる。
この実施の形態3によれば、連結部114cで折り曲げて円弧状に曲げられた長鉄心114は、円環状の固定子鉄心11Bを周方向に電気角で150度分だけ切り欠いたC字状に形成される。すなわち、長鉄心114が43本の磁極ティース114bを有している。そこで、48個の巻線体22をC字状に曲げられた長鉄心114に組み付けた時に、1番目の巻線体22の第1直線部22aの列が、C字状に曲げられた長鉄心114の周方向他端に位置するスロット12の内層側に挿入されるので、環状に配列された巻線体22の群が長鉄心114に安定した状態で保持され、固定子10Bの組立性が向上される。
実施の形態4.
図23はこの発明の実施の形態4に係る回転電機に適用される固定子巻線を示す斜視図、図24から図26はそれぞれこの発明の実施の形態4に係る回転電機の固定子の製造方法における長鉄心に固定子巻線を装着する方法を説明する斜視図、図27はこの発明の実施の形態4に係る回転電機の固定子の製造方法における短鉄心を装着する方法を説明する端面図、図28はこの発明の実施の形態4に係る回転電機の固定子の製造方法における固定子組立後の状態を示す端面図である。なお、図24から図28は、便宜上、固定子巻線は直線部のみで表されている。
図23において、固定子巻線30は、第1巻線アッセンブリ31、第2巻線アッセンブリ32および第3巻線アッセンブリ33を径方向に重ねて、環状に、かつ3層に固定子鉄心11B(図示せず)に装着して構成される。
第1巻線アッセンブリ31は、12本の導体線を同時に折り畳んで形成された12本の波巻き巻線で構成されている。各波巻き巻線は、直線部35がターン部36により長さ方向の両端を交互に連結されて6スロット角度間隔で配列され、かつ、隣り合う直線部35がターン部36により直線部35の幅方向(直線部35の長さ方向および直線部35の配列方向と直交する方向)に直線部35の幅分だけ交互にずれるパターンに形成されている。そして、2本の波巻き巻線を互いに6スロット角度間隔ずらして直線部35を重ねて配列してなる巻線対が、1スロットピッチずつずらされて6対配列されて、第1巻線アッセンブリ31を構成している。各波巻き巻線は、導体線を6スロット角度間隔で波巻きに巻いて構成され、全節巻の分布巻の巻線である。
この第1巻線アッセンブリ31は、1スロットピッチで42対配列された、幅方向に重なった直線部35の対群と、直線部35の対群の配列方向の両側にそれぞれ1スロットピッチで6本ずつ配列された12本の直線部35と、を備え、略直方体に形成される。なお、第2巻線アッセンブリ32および第3巻線アッセンブリ33も、第1巻線アッセンブリ31と同様に構成される。
ここで、実施の形態4による固定子10Cの製造方法について説明する。
まず、略直方体に形成された第3巻線アッセンブリ33をC字状に丸め、図24に示されるように、連結部113cで折り曲げて大径の円弧状に形成された長鉄心113の各スロット12に、直線部35の対を挿入する。このとき、第3巻線アッセンブリ33の直線部35が円弧状に曲げられた長鉄心113の両端から6本ずつ突き出ている。
ついで、連結部113cで折り曲げて、第3巻線アッセンブリ33が組み込まれた長鉄心113の径をさらに縮小する。そして、第2巻線アッセンブリ32をC字状に丸め、図25に示されるように、径が縮小された長鉄心113の各スロット12に、直線部35の対を挿入する。このとき、第2巻線アッセンブリ32の直線部35が円弧状に曲げられた長鉄心113の両端から6本ずつ突き出ている。
ついで、連結部113cで折り曲げて、第2および第3巻線アッセンブリ32,33が組み込まれた長鉄心113の径を最小径に縮小する。これにより、第2および第3巻線アッセンブリ32,33の長鉄心113の両端から突き出ていた直線部35がそれぞれ径方向に1列に配列する。つまり、径方向に1列に配列された4本の直線部35が、長鉄心113の切り欠き部に、1スロットピッチで6列配列される。そして、第1巻線アッセンブリ31をC字状に丸め、図26に示されるように、最小径に縮小された長鉄心113の各スロット12に、直線部35の対を挿入する。
これにより、第1、第2および第3巻線アッセンブリ31,32,32が長鉄心113に径方向に3層に、かつ環状に装着される。
ついで、図27に示されるように、3つの短鉄心112を長鉄心113の切り欠き部の径方向外方に位置させ、その後短鉄心112を径方向内方に移動させて、径方向に1列に並んだ直線部35の列を短鉄心112のスロット12内に収納する。これにより、図28に示されるように、3つの短鉄心112が長鉄心113の切り欠き部に挿入され、円環状の固定子鉄心11Aが作製される。そして、第1、第2および第3巻線アッセンブリ31,32,32からなる固定子巻線30が固定子鉄心11Aに装着され、固定子10Cが作製される。
この実施の形態4においても、固定子鉄心11Aが、1磁極分を切り欠いた長鉄心113と、長鉄心113の切り欠き部に挿入される3つの短鉄心112と、から構成され、長鉄心113の磁極ティース113b間が連結部113cで屈曲可能となっているので、上記実施の形態2と同様の効果が得られる。
ここで、略直方体に形成された第1から第3巻線アッセンブリ31,32,33を、直線状に延ばした長鉄心113に3層に重ねて装着し、その後長鉄心113を最小径のC字状に曲げ、ついで、短鉄心112を長鉄心113の切り欠き部に挿入して固定子を作製することができる。しかしながら、直線状に延ばした長鉄心113に装着された第1から第3巻線アッセンブリ31,32,33の直線部35のピッチと、円弧状に曲げられた長鉄心113に装着された第1から第3巻線アッセンブリ31,32,33の直線部35のピッチとの間に差異が生じる。したがって、この方法では、長鉄心113を円弧状に曲げたときに、上述の直線部35のピッチ差によりターン部36が軸方向に競り上がり、回転電機の大型化をもたらす。
この実施の形態4によれば、第1から第3巻線アッセンブリ31,32,33毎に、長鉄心113の径を変えて、第1から第3巻線アッセンブリ31,32,33を装着しているので、第1から第3巻線アッセンブリ31,32,33を製品形状の曲率に近い状態で長鉄心113に装着できる、そこで、長鉄心113の曲げ工程における直線部35のピッチの変化が少なくなり、ターン部36の軸方向への競り上がりが抑えられ、回転電機の大型化を抑制できる。
実施の形態5.
図29はこの発明の実施の形態5に係る回転電機に適用される固定子鉄心を示す端面図、図30はこの発明の実施の形態5に係る回転電機の固定子の製造方法における巻線体を長鉄心に装着した状態を示す斜視図、図31および図32はそれぞれこの発明の実施の形態5に係る回転電機の固定子の製造方法における巻線体を長鉄心に装着する方法を説明する端面図、図33はこの発明の実施の形態5に係る回転電機の固定子の製造方法における短鉄心を装着する方法を説明する端面図、図34はこの発明の実施の形態5に係る回転電機の固定子の製造方法における固定子組立後の状態を示す端面図である。なお、図31から図34は、便宜上、巻線体22は第1および第2直線部22a,22bのみで表されている。
図29において、固定子鉄心11Cは、2つの長鉄心115と、4つの短鉄心112と、2つの短鉄心112Aと、から構成されている。長鉄心115は、円弧状のヨーク115aと、ヨーク115aから径方向内方に放射状に延びる19本の磁極ティース115bと、から構成されている。なお、長鉄心115の周方向の一端では、ヨーク115aの端面と磁極ティース115bの端面とが面一となっている。また、長鉄心115の周方向の他端では、ヨーク115aの端部が磁極ティース115bからスロット12の分だけ突出している。
固定子鉄心11Cは、2つの長鉄心115の周方向の端部間のそれぞれに、2つの短鉄心112と1つの短鉄心112Aを周方向に並べて配設し、円環状に構成される。なお、このように構成された固定子鉄心11Cにおいては、2つの長鉄心115の周方向の端部間は、電気角で150度に相当する。
つぎに、この実施の形態5による固定子10Dの製造方法について説明する。
まず、1番目の巻線体22の第2直線部22bの列を、長鉄心115の周方向一端のスロット12の底部側(外層側)に押し入れ、1番目の巻線体22を長鉄心115に組み付ける。ついで、2番目の巻線体22の第2直線部22bの列を、長鉄心113の周方向一端から2番目のスロット12の外層側に入れ、2番目の巻線体22を長鉄心115に組み付ける。このようにして、3番目、4番目・・・24番目の巻線体22を、順次長鉄心115に組み付ける。これにより、24個の巻線体22が、図30に示されるように、長鉄心115に装着される。そして、6個の巻線体22の第1直線部22a側が長鉄心115の周方向一側に突出し、6個の巻線体22の第2直線部22b側が長鉄心115の周方向他側に突出している。
ついで、図31および図32に示されるように、長鉄心115から周方向に突出する第1直線部22aの列と第2直線部22bの列とが径方向に1列に並ぶように、24個の巻線体22が組み付けられた2つの長鉄心115を配置する。ついで、図33に示されるように、2つの短鉄心112と1つの短鉄心112Aを長鉄心115の間の周方向隙間の径方向外方に位置させ、その後短鉄心112,112Aを径方向内方に移動させて、径方向に1列に並んだ第1および第2直線部22a,22bの列を短鉄心112,112Aのスロット12内に収納する。これにより、図34に示されるように、3つの短鉄心112,112Aが長鉄心115間の周方向隙間に挿入され、円環状の固定子鉄心11Cが作製される。そして、48個の巻線体22からなる固定子巻線20が固定子鉄心11Cに装着され、固定子10Dが作製される。
実施の形態5においても、固定子鉄心11Cが、2つの長鉄心115と、6つの短鉄心112,112Aと、から構成されているので、上記実施の形態1と同様に効果が得られる。
実施の形態5によれば、長鉄心115が2つであるので、長鉄心111が1つである上記実施の形態1に比べて、組立性が改善される。また、長鉄心115の周方向長さが短くなるので、長鉄心115を構成する電磁鋼板片を打ち抜く金型が小さくなり、生産性が高められる。
ここで、2つの長鉄心115は必ずしも同一形状に作製する必要はないが、コスト削減の観点から、2つの長鉄心115を同一形状とすることが望ましい。つまり、2つの長鉄心115を同一形状とすることで、長鉄心115を構成する電磁鋼板片を打ち抜く金型が一種類となり、低コスト化が図られる。
なお、上記各実施の形態では、本願を電動機に適用した場合について説明しているが、本願を発電機に適用しても、同様の効果を奏する。
また、上記各実施の形態では、固定子を用いて説明しているが、電機子は固定子に限定されず、回転子が巻線形回転子の場合には、本願を回転子に適用しても、同様の効果を奏する。
また、上記各実施の形態では、8極48スロットの回転電機について説明しているが、極数およびスロット数は、8極48スロットに限定されないことは言うまでもないことである。また、スロット数が毎極毎相当たり2の割合で形成されているものとしているが、毎極毎相当たりのスロット数は2に限定されず、1でもよく、3以上でもよい。
また、上記各実施の形態では、スロット数が毎極毎相当たり2の割合で形成され、固定子巻線が3相巻線であり、巻線体の第1および第2直線部間の間隔を6スロット角度間隔として固定子巻線を全節巻に構成するものとしているが、巻線体の第1および第2直線部間の間隔は、6スロット角度間隔に限定されない。例えば、巻線体の第1および第2直線部間の間隔を5スロット角度間隔とすれば、固定子巻線を短節巻に構成することができる。また、巻線体の第1および第2直線部間の間隔を7スロット角度間隔とすれば、固定子巻線を長節巻に構成することができる。
ここで、巻線体の第1および第2直線部間の間隔が1磁極ピッチ(全節巻きのスロットピッチ)の場合において、短鉄心が装着される周方向に連続する領域(以下、当該領域とする)について検討する。
まず、当該領域を全節巻きのスロットピッチとすると、巻線体の長鉄心への装着工程において、全ての巻線体の第1および第2直線部の少なくとも一方が長鉄心のスロットに挿入される。これにより、全ての巻線体は長鉄心に保持された状態で環状に配列するので、短鉄心の当該領域の巻線体への装着が容易となる。しかし、当該領域が(全節巻きのスロットピッチ+1磁極ティースピッチ)と広くなると、巻線体の長鉄心への装着工程において、当該領域に配置される巻線体のうちの1つが第1および第2直線部を長鉄心のスロットに挿入できなくなる。そこで、短鉄心の巻線体への装着工程では、長鉄心に保持されない巻線体を保持する治具が必要となり、固定子の組立性の低下を招く。したがって、固定子の組立性を高める観点から、当該領域は、全節巻きのスロットピッチ以下の範囲であることが望ましい。
また、当該領域が、(全節巻きのスロットピッチ−1磁極ティースピッチ)の場合、全ての巻線体を長鉄心に装着した際に、当該領域内の周方向一側又は他側に位置する1つの巻線体の第1および第2直線部が当該領域の両側のスロットに挿入される。そこで、環状に配列された全ての巻線体が安定した状態で長鉄心に保持されるので、短鉄心の当該領域内の巻線体への装着が一層容易となり、固定子の組立性が高められる。しかし、当該領域が、(全節巻きのスロットピッチ−2磁極ティースピッチ)と狭くなると、全ての巻線体を長鉄心に装着した際に、第1および第2直線部が当該領域の両側のスロットに挿入される巻線体の数が2となる。そこで、巻線体の長鉄心への装着工程において、最後の1つの巻線体を長鉄心に装着する際に、長鉄心に1番先に装着されていた巻線体を引き起こす必要が生じ、導体線の絶縁被膜の損傷をもたらす。したがって、絶縁性能を高める観点から、当該領域は、(全節巻きのスロットピッチ−1磁極ティースピッチ)以上の範囲とすることが望ましい。
また、巻線体の第1および第2直線部間の間隔が短節巻きのスロットピッチの場合では、当該領域を短節巻きのスロットピッチより広くすると、巻線体の長鉄心への装着工程において、当該領域に配置される巻線体の一部が第1および第2直線部を長鉄心のスロットに挿入できなくなる。同様に、当該領域を(短節巻きのスロットピッチ−1磁極ティースピッチ)より狭くすると、全ての巻線体を長鉄心に装着した際に、第1および第2直線部が当該領域の両側のスロットに挿入される巻線体の数が2以上となる。
したがって、巻線体の第1および第2直線部間の間隔が短節巻きのスロットピッチの場合においても、当該領域は、(短節巻きのスロットピッチ−1磁極ティースピッチ)以上、短節巻きのスロットピッチ以下の範囲にすることが望ましい。
また、巻線体の第1および第2直線部間の間隔が長節巻きのスロットピッチの場合では、当該領域を長節巻きのスロットピッチより広くすると、巻線体の長鉄心への装着工程において、当該領域に配置される巻線体の一部が第1および第2直線部を長鉄心のスロットに挿入できなくなる。同様に、当該領域を(長節巻きのスロットピッチ−1磁極ティースピッチ)より狭くすると、全ての巻線体を長鉄心に装着した際に、第1および第2直線部が当該領域の両側のスロットに挿入される巻線体の数が2以上となる。
したがって、巻線体の第1および第2直線部間の間隔が長節巻きのスロットピッチの場合、当該領域は、(長節巻きのスロットピッチ−1磁極ティースピッチ)以上、長節巻きのスロットピッチ以下の範囲にすることが望ましい。
これらのことから、毎極毎相当たりのスロット数が2、固定子巻線が三相巻線とし、極数が8極、スロット数が48個の固定子において、当該領域の最適な範囲は、下記の通りである。
まず、第1直線部と第2直線部との間を6スロット角度間隔(全節巻きのスロットピッチ)とする全節巻きの巻線体を用いる場合には、当該領域は電気角で150度以上、180度以下の範囲とすることが望ましい。
また、第1直線部と第2直線部との間を7スロット角度間隔(長節巻きのスロットピッチ)とする長節巻きの巻線体を用いる場合には、当該領域は電気角で180度以上、210度以下の範囲とすることが望ましい。
また、第1直線部と第2直線部との間を5スロット角度間隔(短節巻きのスロットピッチ)とする短節巻きの巻線体を用いる場合には、当該領域は電気角で120度以上、150度以下の範囲とすることが望ましい。
11,11A,11B,11C 固定子鉄心(電機子鉄心)、20 固定子巻線(電機子巻線)、22 巻線体(分布巻きの巻線)、30 固定子巻線(電機子巻線)、31 第1巻線アッセンブリ(分布巻きの巻線)、32 第2巻線アッセンブリ(分布巻きの巻線)、33 第3巻線アッセンブリ(分布巻きの巻線)、111,113,114,115 長鉄心、111a,112a,113a,114a,115a ヨーク、111b,112b,113b,114b,115b 磁極ティース、112,112A 短鉄心、113a,114a ヨーク部、113c,114c 連結部。

Claims (8)

  1. 円環状のヨーク、およびそれぞれ上記ヨークから径方向内方に突出して周方向に配列された多数の磁極ティースからなる電機子鉄心と、上記電機子鉄心に装着された複数の分布巻の巻線からなる電機子巻線と、を備えた回転電機の電機子において、
    上記電機子鉄心は、少なくとも一つの周方向に連続する領域が1個又は2個の上記磁極ティースを有する複数個の短鉄心により構成され、上記領域の間の周方向の区間が上記短鉄心より長い一つの長鉄心により構成されていることを特徴とする回転電機の電機子。
  2. 上記巻線は、nスロット角度間隔(但し、nは2以上の自然数)離れたスロット対に導体線を複周回巻き回して作製された巻線体であり、
    上記領域が、(nスロット角度間隔−1磁極ティースピッチ)以上、nスロット角度間隔以下であることを特徴とする請求項1記載の回転電機の電機子。
  3. 上記領域が一つであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の回転電機の電機子。
  4. 上記領域が二つであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の回転電機の電機子。
  5. 上記長鉄心は、1つの上記磁極ティースを有する円弧状のヨーク部が、該ヨーク部の外周部同士を屈曲可能な連結部で連結されて、周方向に一続きに構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転電機の電機子。
  6. 円環状のヨーク、およびそれぞれ上記ヨークから径方向内方に突出して周方向に配列された多数の磁極ティースからなる電機子鉄心と、上記電機子鉄心に装着された複数の分布巻の巻線からなる電機子巻線と、を備え、上記電機子鉄心は、少なくとも一つの周方向に連続する領域が1個又は2個の上記磁極ティースを有する複数個の短鉄心により構成され、上記領域の間の周方向の区間が上記短鉄心より長い一つの長鉄心により構成されている回転電機の電機子の製造方法において、
    上記長鉄心に上記複数の分布巻の巻線を装着する工程と、
    上記複数の分布巻の巻線が装着された上記長鉄心間の上記領域に径方向外方から上記複数個の短鉄心を挿入する工程と、を備えていることを特徴とする回転電機の電機子の製造方法。
  7. それぞれ、導体線を複数回巻き回して複数の巻線体を作製する工程と、
    1つの上記磁極ティースを有する円弧状のヨーク部が、該ヨーク部の外周部同士を屈曲可能な連結部で連結して、一続きに構成された上記長鉄心を作製する工程と、をさらに備え、
    上記長鉄心に上記複数の分布巻の巻線を装着する工程において、上記長鉄心を直線状に伸ばした後、上記長鉄心の長さ方向の一端から他端側に向かって上記連結部を順次屈曲させて上記長鉄心を円弧状に曲げながら、上記複数の巻線体を上記長鉄心の長さ方向の一端から他端側に順次装着することを特徴とする請求項6記載の回転電機の電機子の製造方法。
  8. それぞれ、幅方向に重ねられた直線部の対が1スロットピッチで配列され、かつ対応する直線部の端部同士がターン部で連結されて構成された複数本の波巻き巻線を有する複数の巻線アッセンブリを作製する工程と、
    1つの上記磁極ティースを有する円弧状のヨーク部が、該ヨーク部の外周部同士を屈曲可能な連結部で連結して、一続きに構成された上記長鉄心を作製する工程と、をさらに備え、
    上記長鉄心に上記複数の分布巻の巻線を装着する工程において、上記連結部で屈曲させて上記長鉄心を円弧状に曲げる曲げ工程と、複数の上記巻線アッセンブリの一つを環状に丸めて、円弧状に曲げられた上記長鉄心に内径側から装着する装着工程と、を繰り返し、かつ、繰返す毎に、上記曲げ工程で、上記長鉄心の円弧状の径を小さくして、複数の上記巻線アッセンブリを上記長鉄心に径方向に重ねて複数層に装着することを特徴とする請求項6記載の回転電機の電機子の製造方法。
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