JP6000051B2 - 電気機械およびその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、発電機、電動機などの回転電機、リニアモータなどの直動機などの電気機械およびその製造方法に関し、特に、高い絶縁性能と高い占積率が得られる電機子巻線の構造に関するものである。
近年、電動機や発電機などの回転電機において、小型高出力、および高品質が求められている。この種の回転電機を小型化するに当たり、有効な磁束を発生しないコイルエンドを小型化する観点から、導体線を電機子鉄心のティースのそれぞれに巻回した集中巻の電機子巻線が用いられていた。しかしながら、トルク脈動が抑えられ、高出力化が可能な分布巻構造の電機子巻線を用いた電機子が要望されている。さらに、磁石価格の高騰により、磁石を用いない誘導機の要求も高まっており、より高効率の分布巻の電機子巻線を用いた電機子が求められている。
ここでは、導体線を1つのティースに巻回して構成された集中巻の巻線に対し、導体線を2スロット以上離れたスロットに巻回して構成された巻線を分布巻の巻線とする。つまり、分布巻の巻線は、1のスロットから延出した導体線が連続する2つ以上のティースをまたいで他のスロットに入るように巻回されている。
特許文献1に記載された従来の回転電機では、四角形断面の導体線を複数回巻き回してコイル状に形成された巻線コイル、いわゆる亀甲形コイルを、所定スロット数離れたスロット対のそれぞれに収納して、分布巻の電機子巻線を構成していた。
また、特許文献2に記載された従来の回転電機では、円形断面の導体線を複数回巻き回してコイル体を作製し、その後コイル体の直線部の束を加圧して扁平に成形して亀甲形コイルを作製し、その亀甲形コイルを所定スロット数離れたスロット対のそれぞれに収納して、分布巻の電機子巻線を構成していた。
特開2009−195004号公報 特開昭63−194543号公報
特許文献1では、四角形断面の導体線を用いて亀甲形コイルを作製しているので、コイルエンド部分の湾曲やねじれなどを考慮すると、円形断面の導体線を用いる場合に比べ、作業性に劣り、量産化に不適である。また、導体線の角部に電界集中が発生するので、比較的電位差が大きくなるコイルエンド間にコロナ放電が発生し、絶縁性能が劣化するという問題があった。さらに、コイルエンドに形成されたヘアピン部で、コイルエンドで連結される直線部間をスロットに1列に収納されている導体線の径方向の総厚み分径方向に変位させているので、ヘアピン部を形成するための加工力が大きくなり、絶縁性能が低下するという問題もあった。
特許文献2では、円形断面の導体線を用いて亀甲形コイルを作製しているので、四角形断面の導体線を用いる場合に比べ、作業性が向上し、量産化に適している。しかしながら、コイルエンドが連結される直線部間を径方向に変位させるように形成されていないので、亀甲形コイルを電機子鉄心に装着した場合、亀甲形コイル間でコイルエンド同士が干渉し、コイルエンド群の径方向寸法および軸方向寸法が増大し、回転電機の小型化が図れないという問題があった。また、コイルエンド群の径方向寸法および軸方向寸法が増大するので、巻線抵抗が増大し、回転電機の高効率化および高出力化が図れないという問題もあった。さらに、亀甲形コイル間でのコイルエンド同士の干渉により、導体線の絶縁被膜が損傷し、絶縁性能が低下するという問題もあった。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、円形断面の導体線を用いて亀甲形コイルを作製した後、直線部を扁平な断面に塑性変形させるようにし、かつコイルエンドの頂部でのスロット深さ方向の変位量をスロットに収納されている導体線のスロット深さ方向の総厚みより少なくし、コイルエンド群の径方向寸法および軸方向寸法の増大を抑え、頂部を形成するために加圧力を低減し、絶縁性能が優れた、小型化、高効率化および高出力化が可能な、量産化に適した電気機械およびその製造方法を得ることを目的とする。
この発明による電気機械は、スロットがスロット幅方向に複数配列された電機子鉄心、および上記電機子鉄心に巻装された電機子巻線を有する電機子を備え、上記電機子巻線は、それぞれ、絶縁被覆された、かつ接続部のない連続した導体線をm回(但し、mは2以上の自然数)巻き回して、直線部の端部間がコイルエンドで連結されて螺旋状に構成された巻線体を、上記電機子鉄心の所定スロット数離れたスロット対のそれぞれに1つずつ装着して構成されている。そして、上記スロット内にはスロット深さ方向に重なるように2×m本の2つの異なる上記巻線体の直線部が収納され、上記コイルエンドは、その長さ方向の中央部に、連結される2つの上記直線部をスロット深さ方向に所定量変位させる頂部を有し、上記頂部でのスロット深さ方向の変位量が、略a×d(但し、aは1以上、かつ(m−1)以下の自然数、dは上記スロット内に収納された上記直線部のスロット深さ方向の厚み)であり、上記コイルエンドは円形断面形状になっており、上記直線部は相対する一対の平面を有する扁平形状になっている。
この発明によれば、円形断面の導体線を用いているので、平角線を用いる場合に比べ、作業性が高められ、量産化に適している。コイルエンドが円形断面の導体線で構成されているので、コロナ放電の発生が抑制され、絶縁性能の劣化が抑えられる。直線部が相対する一対の平面を有する扁平形状に形成されているので、占積率が高められ、高出力化が図られる。
コイルエンドに形成された頂部がコイルエンドで連結された直線部間をスロット深さ方向に所定量変位させるように構成されているので、巻線体間でのコイルエンド同士の干渉が抑制され、コイルエンド群の径方向寸法および軸方向寸法の増大が抑えられる。これにより、電気機械の小型化が図られる。また、巻線抵抗の増大が抑えられ、電気機械の高効率化および高出力化が図られる。さらに、コイルエンド同士の干渉に起因する導体線に被覆されている絶縁被膜の損傷の発生が抑制され、絶縁性能が高められる。
頂部でのスロット深さ方向の変位量が、略a×dとなっているので、頂部を形成するための加工力が小さくなり、頂部の加工による導体線に被覆されている絶縁被膜の損傷発生が抑制され、絶縁性能が高められる。
この発明の実施の形態1に係る回転電機を示す片側断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における回転電機の要部を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子鉄心を構成する鉄心ブロックを示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子巻線を構成する巻線アッセンブリを示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子アッセンブリを構成する巻線体を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子アッセンブリを構成する巻線体を示す正面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子アッセンブリを構成する巻線体を示す側面図である。 この発明の実施の形態1に係る巻線体の製造過程で製造される中間巻線体を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る巻線体の製造方法における第1プレス工程を示す模式図である。 この発明の実施の形態1に係る巻線体の製造方法における第1プレス工程により塑性変形された巻線体の直線部の断面図である。 この発明の実施の形態1に係る巻線体の製造方法における第2プレス工程を示す模式図である。 この発明の実施の形態1に係る巻線体の製造方法における第2プレス工程により塑性変形された巻線体の直線部の断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子の組み立て方法を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子の組み立て方法を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子の組み立て方法を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における3つの巻線体が電機子鉄心の同一スロット群に周方向に連続して装着された状態を軸方向一端側から見た展開図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機における3つの巻線体が電機子鉄心の同一スロット群に周方向に連続して装着された状態を軸方向一端側から見た展開図である。 この発明の実施の形態3に係る回転電機における3つの巻線体が電機子鉄心の同一スロット群に周方向に連続して装着された状態を軸方向一端側から見た展開図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機における3つの巻線体が電機子鉄心の同一スロット群に周方向に連続して装着された状態を軸方向一端側から見た展開図である。
以下、本発明による電気機械の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る回転電機を示す片側断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における回転電機の要部を示す斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子を示す斜視図、図4はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子鉄心を構成する鉄心ブロックを示す斜視図、図5はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子巻線を構成する巻線アッセンブリを示す斜視図、図6はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子アッセンブリを構成する巻線体を示す斜視図、図7はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子アッセンブリを構成する巻線体を示す正面図、図8はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子アッセンブリを構成する巻線体を示す側面図、図9はこの発明の実施の形態1に係る巻線体の製造過程で製造される中間巻線体を示す斜視図である。図10はこの発明の実施の形態1に係る巻線体の製造方法における第1プレス工程を示す模式図、図11はこの発明の実施の形態1に係る巻線体の製造方法における第1プレス工程により塑性変形された巻線体の直線部の断面図、図12はこの発明の実施の形態1に係る巻線体の製造方法における第2プレス工程を示す模式図、図13はこの発明の実施の形態1に係る巻線体の製造方法における第2プレス工程により塑性変形された巻線体の直線部の断面図、図14乃至図16はそれぞれこの発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子の組み立て方法を説明する図であり、図14は電機子組み立て前の状態を示し、図15は電機子組み立て後の状態を示し、図16は電機子組立後の状態を拡大して示している。図17はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における3つの巻線体が電機子鉄心の同一スロット群に周方向に連続して装着された状態を軸方向一端側から見た展開図である。なお、図14乃至図16は、便宜上、巻線アッセンブリ21は第1および第2直線部22a,22bのみで表されている。また、図17では、便宜上、コイルエンドを直線的に示している。
図1および図2において、回転電機100は、有底円筒状のフレーム2およびフレーム2の開口を塞口する端板3を有するハウジング1と、フレーム2の円筒部に内嵌状態に固着された電機子10と、フレーム2の底部および端板3にベアリング4を介して回転可能に支持された回転軸6に固着されて、電機子10の内周側に回転可能に配設された回転子5と、を備え、発電機や電動機に適用される。
回転子5は、軸心位置に挿通された回転軸6に固着された回転子鉄心7と、回転子鉄心7の外周面側に軸方向に貫通するように埋設されて周方向に所定のピッチで配列された永久磁石8と、を備えている。永久磁石8は、それぞれ、周方向に交互に磁極が異なるように配置されている。
つぎに、電機子10の構成について具体的に図3乃至図13を参照しつつ説明する。
電機子10は、図3に示されるように、電機子鉄心11と、電機子鉄心11に装着された電機子巻線20と、を備えている。ここで、説明の便宜上、回転子5の極数を8極、電機子鉄心11のスロット数を48個、電機子巻線20を三相巻線とする。すなわち、スロットは、毎極毎相当たり2個の割合で電機子鉄心11に形成されている。
鉄心ブロック12は、円環状の電機子鉄心11を周方向に48等分割したもので、図4に示されるように、所定枚数の電磁鋼板を積層一体化して作製され、断面円弧形のコアバック部12aと、コアバック部12aの内周壁面から径方向内方に延設されたティース12bと、を備えている。そして、電機子鉄心11は、ティース12bを径方向内方に向けて、コアバック部12aの周方向の側面同士を突き合わせて、48個の鉄心ブロック12を周方向に配列、一体化して、円環状に構成されている。周方向に隣り合う鉄心ブロック12により構成されるスロット13が、内周側に開口するように、周方向に等角ピッチで配列されている。ティース12bは周方向幅が径方向内方に向って漸次狭くなる先細り形状に形成されており、スロット13の断面は長方形となっている。ここで、径方向はスロット深さ方向に相当し、周方向はスロット配列方向に相当する。
電機子巻線20は、図3に示されるように、電機子鉄心11に装着された巻線アッセンブリ21に所定の結線処理が施されて構成される。巻線アッセンブリ21は、図5に示されるように、連続する6つのティース12bをまたぐスロット13の対に収納される巻線体22を1スロットピッチで周方向に配列して構成される。
巻線体22は、図6乃至図8に示されるように、6スロット角度間隔離れて2列となった、各列に隙間dをあけて、長方形断面の長辺方向に4本ずつ配列された長方形断面の第1および第2直線部22a,22bと、第1および第2直線部22a,22bの列間で、長さ方向の一端同士と他端同士とを交互に連結する円形断面の第1および第2コイルエンド22c,22dと、を備えている。なお、6スロット角度間隔とは、連続する6つのティース12bの両側のスロット13のスロット中心間の間隔であり、1磁極ピッチに相当する。
第1コイルエンド22cは、一方の列の第1直線部22aの一端から所定の傾斜で他方の列の第2直線部22b側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向外方に延出し、第1および第2直線部22a,22bの列間の中央部(第1頂部22e)で略直角に曲げられて第1および第2直線部22a,22bの配列方向に距離dだけ変位し、その後略直角に曲げられて所定の傾斜で他方の列の第2直線部22b側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向内方に延出し、他方の列の第2直線部22bの一端に接続されている。
同様に、第2コイルエンド22dは、他方の列の第2直線部22bの他端から所定の傾斜で一方の列の第1直線部22a側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向外方に延出し、第1および第2直線部22a,222bの列間の中央部(第2頂部22f)で略直角に曲げられて第1および第2直線部22a,22bの配列方向に距離dだけ変位し、その後略直角に曲げられて所定の傾斜で一方の列の第1直線部22a側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向内方に延出し、一方の列の第1直線部22aの他端に接続されている。
このように構成された巻線体22においては、第1および第2直線部22a,22bは、それぞれ、長方形断面の短辺で構成される平面を相対させ、長方形断面の長辺方向に、長辺長さの略2倍(2d)のピッチで配列されている。また、第1コイルエンド22cおよび第2コイルエンド22dにより接続された第1直線部22aと第2直線部22bは、第1頂部22eおよび第2頂部22fにより、配列方向に距離dだけずらされている。また、巻線体22は、一方の列の配列方向の一端に位置する第1直線部22aの他端から長さ方向に延出する巻線端22gと、他方の列の配列方向の他端に位置する第2直線部22bの他端から長さ方向に延出する巻線端22hと、を備える。
つぎに、巻線体22の製造方法について図9乃至図13を参照しつつ説明する。
まず、例えば、エナメル樹脂で絶縁被覆された、かつ接続部のない連続した銅線やアルミニウム線などからなる円形断面の導体線19を、螺旋状に4回巻き回して筒状のコイル体を作製し、その後コイル体をコイル成形機により略六角形に成形し、図9に示される中間巻線体23を作製する。なお、この中間巻線体23は、折り曲げ加工により、円形断面の導体線19を略六角形に曲げつつ、螺旋状に巻いて作製してもよい。
このように作製された中間巻線体23は、6スロット角度間隔離れて2列となった、各列に所定の隙間をあけて、4本ずつ配列された円形断面の第1および第2直線部23a,23bと、第1および第2直線部23a,23bの列間で、長さ方向の一端同士と他端同士とを交互に連結する円形断面の第1および第2コイルエンド23c,23dと、を備えている。さらに、第1および第2頂部23e,23fが、第1および第2コイルエンド23c,23dの長さ方向の中央部に形成され、接続される第1直線部22aと第2直線部22bを配列方向に距離dだけずらしている。
ついで、図10の(a)に示されるように、中間巻線体23の第1および第2直線部23a,23bの列のそれぞれを、金型30の対間に配置する。そして、図10の(b)に示されるように、一対の金型30により、第1および第2直線部23a,23bの長さ方向および配列方向のそれぞれと直交する方向から第1および第2直線部23a,23bを加圧する。この第1プレス工程により、円形断面の第1および第2直線部23a,23bは、図11に示されるように、相対する一対の平坦面の両端が円弧面で連結された扁平な断面形状に塑性変形される。なお、平坦面間の間隔はtである。
ついで、図12に示されるように、金型31を扁平断面に塑性変形された第1および第2直線部23a,23b間のそれぞれに挿入し、金型32,33により、第1および第2直線部23a,23bの配列方向の両側から加圧する。この第2プレス工程により、扁平断面の第1および第2直線部23a,23bは、図13に示されるように、長辺長さをd、短辺長さをtとする、相対する一対の平坦面の両端を平坦面で連結された扁平な断面形状、すなわち長方形断面形状に塑性変形され、巻線体22が製造される。
つまり、中間巻線体23の第1および第2直線部23a,23bが塑性変形されて巻線体22の第1および第2直線部22a,22bとなる。また、中間巻線体23の第1および第2コイルエンド23c,23d、第1および第2頂部23e,23fおよび第1および第2端部23g,23hが、巻線体22の第1および第2コイルエンド22c,22d、第1および第2頂部22e,22fおよび第1および第2端部22g,22hとなる。
ここで、第1および第2プレス工程では、第1および第2直線部23a,23bの長辺長さdが、スロット13のスロット深さTに対して、m×d<T(但し、mはスロット13内に収納される直線部の本数)を満足するように成形される。これにより、第1および第2直線部23a,23b、すなわち第1および第2直線部22a,22bがスロット13から突出することなくスロット13内に収納される。
また、第1および第2プレス工程では、第1および第2直線部23a,23bの長辺長さdと短辺長さtが、d≧4t/πを満足するように成形される。これにより、第1および第2直線部23a,23b、すなわち第1および第2直線部22a,22bの長辺長さdが円形断面の第1および第2コイルエンド22c、22dの直径以上となる。そこで、第1および第2コイルエンド22c、22d同士が干渉し合い、コイルエンド群の径方向寸法や軸方向寸法が増大するようなことが回避され、小型化が図られるとともに、絶縁被膜が損傷して絶縁性能が低下するような事態が防止される。さらに、第1および第2直線部22a,22bを互いに接するようにスロット13内に収納でき、占積率を高めることができる。
つぎに、電機子10の組み立て方法について図5、図14乃至図16説明する。
まず、巻線体22を1スロットピッチで周方向に配列し、図5に示される巻線アッセンブリ21を作製する。この巻線アッセンブリ21では、径方向に1列に交互に並んだ8本の第1および第2直線部22a,22bが、1スロットピッチで周方向に48列配列される。巻線端22gが、それぞれ軸方向に延出して、巻線アッセンブリ21の内径側に1スロットピッチで周方向に配列され、巻線端22hが、それぞれ軸方向に延出して、巻線アッセンブリ21の外径側に1スロットピッチで周方向に配列されている。
ついで、48個の鉄心ブロック12が、図14に示されるように、ティース12bのそれぞれを、巻線アッセンブリ21の隣り合う第1および第2直線部22a,22bの列間の径方向外方に位置させるように、周方向に略等角ピッチで配列される。ついで、周方向に配列された鉄心ブロック12を、同時に径方向内方に移動させる。これにより、鉄心ブロック12のティース12bのそれぞれが隣り合う第1および第2直線部22a,22bの列間に挿入される。鉄心ブロック12をさらに径方向内方に移動させると、隣り合う鉄心ブロック12の周方向の側面同士が突き合わされ、鉄心ブロック12の径方向内方への移動が阻止される。これにより、48個の鉄心ブロック12が、図15および図16に示されるように、巻線アッセンブリ21に装着される。言い換えれば、巻線アッセンブリ21が48個の鉄心ブロック12により構成された電機子鉄心11に装着される。そして、各スロット13内には、8本の第1および第2直線部22a,22bが、長方形断面の長辺を周方向に向けて、径方向に1列に整列されて並んで収納される。
ついで、巻線アッセンブリ21の内径側に1スロットピッチで周方向に配列された巻線端22gと、巻線アッセンブリ21の外径側に1スロットピッチで周方向に配列された巻線端22hとに所定の結線処理が施され、電機子10が組み立てられる。
このように構成された電機子巻線20では、図17に示されるように、巻線体22が、第1および第2直線部22a,22bを連続する6つのティース12bの両側のスロット13に収納されて電機子鉄心11に装着されている。
4本の第1コイルエンド22cは、一方のスロット13の第1層、第3層、第5層および第7層の第1直線部22aの一端から所定の傾斜角度で他方の列の第2直線部22b側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向外方に延出し、それぞれ、第1頂部22e(図示せず)で略直角に曲げられて径方向外方(スロット深さ方向の底部側)に距離dだけ変位し、その後略直角に曲げられて所定の傾斜角度で他方のスロット13の第2直線部22b側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向内方に延出し、他方のスロット13の第2層、第4層、第6層および第8層の第2直線部22bの一端に接続されている。
4本の第2コイルエンド22dは、他方のスロット13の第2層、第4層および第6層の第2直線部22bの他端から所定の傾斜角度で一方のスロット13の第1直線部22a側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向外方に延出し、第2頂部22f(図示せず)で略直角に曲げられて径方向内方(スロット深さ方向の開口側)に距離dだけ変位し、その後略直角に曲げられて所定の傾斜角度で一方のスロット13の第1直線部22a側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向内方に延出し、一方のスロット13の第3層、第5層および第7層の第1直線部22aの他端に接続されている。
第1および第2直線部22a,22bは、径方向に関し、連結する第1および第2コイルエンド22c、22dの第1および第2頂部22e,22fでの径方向の変位量だけ変位している。また、各スロット13には、一方の巻線体22の第1直線部22aと他方の巻線体22の第2直線部22bが、長方形断面の短辺で構成される平面を相対させて、径方向(スロット深さ方向に)に1列に並んで収納されている。そして、一方の巻線体22の第1直線部22aが第1層、第2層、第5層および第6層に収納され、他方の巻線体22の第2直線部22bが第3層、第4層、第7層および第8層に収納されている。
そこで、巻線体22は、互いに干渉することなく、周方向に1スロットピッチで配列され、電機子巻線20を構成する。そして、電機子巻線20は、分布巻き、かつ全節巻きの重ね巻き巻線となる。第1コイルエンド22cが、径方向に4列に並んで、各列に周方向に1スロットピッチで配列されて、コイルエンド群を構成する。第2コイルエンド22dが、径方向に3列に並んで、各列に周方向に1スロットピッチで配列されて、コイルエンド群を構成する。
この電機子10の組み立て方法では、周方向に配列された鉄心ブロック12を内径側に移動させて、巻線アッセンブリ21に挿入しているので、径方向に不揃いに並んでいる第1および第2直線部22a,22bが、隣り合う鉄心ブロック12のティース12bの間隔が狭まる動きにより整列される。さらに、径方向に整列された第1および第2直線部22a,22bの相互間の隙間が、鉄心ブロック12のコアバック部12aの内径側への移動により、縮小される。そこで、スロット13内の第1および第2直線部22a,22bの占積率を向上させることができる。また、スロット13内の第1および第2直線部22a,22bと鉄心ブロック12とが接し、通電時に発熱体となる巻線アッセンブリ21から電機子鉄心11への伝熱性能を向上させることができる。そこで、巻線アッセンブリ21の温度上昇が抑制され、電気抵抗の増加を抑制することができる。また、鉄心ブロック12は隣り合うティース12b間の間隔が徐々に狭まるように挿入されるので、電機子巻線20と鉄心ブロック12との接触面での摺動が抑えられ、第1および第2直線部22a,22bに被覆されている絶縁被膜の損傷を防止することができる。
また、鉄心ブロック12のティース12bが先細り形状に作製されているので、ティース12bを巻線アッセンブリ21の外周側から第1および第2直線部22a,22bの列間に差し込むことにより、第1および第2直線部22a,22bを1列に整列化できる。
この実施の形態1によれば、円形断面の導体線19を用いて巻線体22を作製しているので、平角導体線を用いる場合に比べ、作業性が高められ、量産性が高められる。
第1および第2コイルエンド22c,22dが円形断面の導体線19で構成されているので、コイルエンド間でのコロナ放電の発生が抑制され、導体線19に被覆されている絶縁被膜の損傷発生が抑えられ、絶縁性能が高められる。
第1および第2直線部22a,22bが円形断面の導体線19を長方形断面に塑性変形して作製されているので、占積率および放熱性が高められ、高効率化および高出力化が図られる。
第1および第2コイルエンド22c,22dに形成された第1および第2頂部22e,22fが第1および第2コイルエンド22c,22dで連結された第1および第2直線部22a,22b間をスロット深さ方向に所定量変位させるように構成されている。そこで、第1および第2コイルエンド22c,22d間の干渉が抑制され、コイルエンド群の径方向寸法および軸方向寸法の増大が抑えられる。これにより、回転電機100の小型化が図られる。また、巻線抵抗の増大が抑えられ、電気機械の高効率化および高出力化が図られる。さらに、第1および第2コイルエンド22c,22d同士の干渉に起因する導体線19に被覆されている絶縁被膜の損傷の発生が抑制され、絶縁性能が高められる。
第1および第2コイルエンド22c,22dが円形断面の導体線19で構成されているので、平角導体線を用いる場合のように、第1および第2頂部22e,22fをヘアピン状に形成する必要がなく、工程が削減され、生産性が高められる。
第1および第2頂部22e,22fでのスロット深さ方向の変位量が、略a×dとなっているので、第1および第2頂部22e,22fを形成するための加工力が小さくなる。そこで、第1および第2頂部22e,22fの加工による導体線19に被覆されている絶縁被膜の損傷発生が抑制され、絶縁性能が高められる。
第1および第2直線部22a,22bが四角形断面の長辺で構成される平面を周方向(スロット配列方向)に向けてスロット13内に収納されているので、第1および第2直線部22a,22bとスロット13の内周側面とが接しやすくなり、放熱性が向上される。
第1および第2直線部22a,22bが四角形断面の短辺で構成される平面を径方向(スロット深さ方向)に向けてスロット13内に収納されているので、占積率が高められる。
なお、上記実施の形態1では、四角形断面に塑性変形された第1および第2直線部22a,22bを、四角形断面の長辺で構成される平面を周方向に向けてスロット13内に収納するものとしているが、相対する一対の平坦面の両端を円弧面で連結した扁平な断面形状に塑性変形された第1および第2直線部22a,22bを、平坦面を周方向に向けて、あるいは径方向に向けてスロット13内に収納してもよい。
実施の形態2.
図18はこの発明の実施の形態2に係る回転電機における3つの巻線体が電機子鉄心の同一スロット群に周方向に連続して装着された状態を軸方向一端側から見た展開図である。なお、図18では、便宜上、コイルエンドを直線的に示している。
図18において、巻線体22Aは、連続する6本のティース12bの一側のスロット13の第1層、第2層、第5層および第6層に収納された4本の第1直線部22aと、連続する6本のティース12bの他側のスロット13の第3層、第4層、第7層および第8層に収納された4本の第2直線部22aと、第1および第2直線部22a,22bの列間で、長さ方向の一端同士と他端同士とを交互に連結する第1および第2コイルエンド22c,22dと、を備えている。
4本の第1コイルエンド22cは、一方のスロット13の第1層、第2層、第5層および第6層の第1直線部22aの一端から所定の傾斜角度で他方の列の第2直線部22b側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向外方に延出し、それぞれ、第1頂部22e(図示せず)で略直角に曲げられて径方向外方(スロット深さ方向の底部側)に距離2dだけ変位し、その後略直角に曲げられて所定の傾斜角度で他方のスロット13の第2直線部22b側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向内方に延出し、他方のスロット13の第3層、第4層、第7層および第8層の第2直線部22bの一端に接続されている。
2本の第2コイルエンド22dは、他方のスロット13の第3層および第7層の第2直線部22bの他端から所定の傾斜角度で一方のスロット13の第1直線部22a側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向外方に延出し、第2頂部22f(図示せず)で略直角に曲げられて径方向内方(スロット深さ方向の開口側)に距離dだけ変位し、その後略直角に曲げられて所定の傾斜角度で一方のスロット13の第1直線部22a側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向内方に延出し、一方のスロット13の第2層および第6層の第1直線部22aの他端に接続されている。
1本の第2コイルエンド22dは、他方のスロット13の第4層の第2直線部22bの他端から所定の傾斜角度で一方のスロット13の第1直線部22a側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向外方に延出し、第2頂部22f(図示せず)で略直角に曲げられて径方向外方に距離dだけ変位し、その後略直角に曲げられて所定の傾斜角度で一方のスロット13の第1直線部22a側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向内方に延出し、一方のスロット13の第5層の第1直線部22aの他端に接続されている。
このように構成された巻線体22Aにおいても、第1および第2コイルエンド22c,22dは円形断面の導体線19により作製され、第1および第2直線部22a,22bは、円形断面の導体線19を、長辺長さをd、短辺長さをtとする長方形断面形状に塑性変形されて作製されている。第1および第2直線部22a,22bは、径方向に関し、連結する第1および第2コイルエンド22c、22dの第1および第2頂部22e,22fにより所定の変位量だけ変位している。つまり、第1直線部22aは、一方のスロット13内の第1層、第2層、第5層および第6層に収納され、第2直線部22bは他方のスロット13内の第3層、第4層、第7層および第8層に収納されている。
また、各スロット13には、一方の巻線体22Aの第1直線部22aと他方の巻線体22Aの第2直線部22bが、長方形断面の短辺で構成される平面を相対させて、径方向(スロット深さ方向に)に1列に並んで収納されている。そして、一方の巻線体22Aの第1直線部22aが第1層、第2層、第5層および第6層に収納され、他方の巻線体22Aの第2直線部22bが第3層、第4層、第7層および第8層に収納されている。
この巻線体22Aも、互いに干渉することなく、周方向に1スロットピッチで配列され、電機子巻線を構成する。
この実施の形態2においても、第1および第2頂部22e,22fの径方向の最大変位量(2d)が、スロット13内の第1および第2直線部22a,22bの配列方向の総厚み(4d)より小さい。そこで、ヘアピン部の変位量がスロット内の直線部の配列方向の層厚みと等しい特許文献1に記載の電機子巻線に比べて、コイルエンド群の径方向および軸方向の寸法が小さくなり、回転電機の小型化を実現できるとともに、第1および第2コイルエンド22c,22dに第1および第2頂部22e,22fを形成する加工力が小さくなり、絶縁被膜のダメージが低減され、絶縁性能が高められる。
また、第1および第2コイルエンド22c,22dが円形断面の導体線19で構成され、第1および第2直線部22a,22bが円形断面の導体線19を長方形断面に塑性変形して作製されているので、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態3.
図19はこの発明の実施の形態3に係る回転電機における3つの巻線体が電機子鉄心の同一スロット群に周方向に連続して装着された状態を軸方向一端側から見た展開図である。なお、図19では、便宜上、コイルエンドを直線的に示している。
図19において、巻線体22Bは、連続する6本のティース12bの一側のスロット13の第1層、第2層、第5層および第7層に収納された4本の第1直線部22aと、連続する6本のティース12bの他側のスロット13の第3層、第4層、第6層および第8層に収納された4本の第2直線部22aと、第1および第2直線部22a,22bの列間で、長さ方向の一端同士と他端同士とを交互に連結する第1および第2コイルエンド22c,22dと、を備えている。
2本の第1コイルエンド22cは、一方のスロット13の第1層および第2層の第1直線部22aの一端から所定の傾斜で他方の列の第2直線部22b側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向外方に延出し、それぞれ、第1頂部22e(図示せず)で略直角に曲げられて径方向外方(スロット深さ方向の底部側)に距離2dだけ変位し、その後略直角に曲げられて所定の傾斜で他方のスロット13の第2直線部22b側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向内方に延出し、他方のスロット13の第3層および第4層の第2直線部22bの一端に接続されている。
他の2本の第1コイルエンド22cは、一方のスロット13の第5層および第7層の第1直線部22aの一端から所定の傾斜で他方の列の第2直線部22b側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向外方に延出し、それぞれ、第1頂部22e(図示せず)で略直角に曲げられて径方向外方(スロット深さ方向の底部側)に距離dだけ変位し、その後略直角に曲げられて所定の傾斜で他方のスロット13の第2直線部22b側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向内方に延出し、他方のスロット13の第6層および第8層の第2直線部22bの一端に接続されている。
1本の第2コイルエンド22dは、他方のスロット13の第3層の第2直線部22bの他端から所定の傾斜で一方のスロット13の第1直線部22a側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向外方に延出し、第2頂部22f(図示せず)で略直角に曲げられて径方向内方(スロット深さ方向の開口側)に距離dだけ変位し、その後略直角に曲げられて所定の傾斜で一方のスロット13の第1直線部22a側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向内方に延出し、一方のスロット13の第2層の第1直線部22aの他端に接続されている。
他の2本の第2コイルエンド22dは、他方のスロット13の第4層および第6層の第2直線部22bの他端から所定の傾斜で一方のスロット13の第1直線部22a側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向外方に延出し、第2頂部22f(図示せず)で略直角に曲げられて径方向外方に距離dだけ変位し、その後略直角に曲げられて所定の傾斜で一方のスロット13の第1直線部22a側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向内方に延出し、一方のスロット13の第5層および第7層の第1直線部22aの他端に接続されている。
このように構成された巻線体22Bにおいても、第1および第2コイルエンド22c,22dは円形断面の導体線19により作製され、第1および第2直線部22a,22bは、円形断面の導体線19を、長辺長さをd、短辺長さをtとする長方形断面形状に塑性変形されて作製されている。第1および第2直線部22a,22bは、径方向に関し、連結する第1および第2コイルエンド22c、22dの第1および第2頂部22e,22fにより所定の変位量だけ変位している。つまり、第1直線部22aは、一方のスロット13内の第1層、第2層、第5層および第7層に収納され、第2直線部22bは他方のスロット13内の第3層、第4層、第6層および第8層に収納されている。
また、各スロット13には、一方の巻線体22Bの第1直線部22aと他方の巻線体22Bの第2直線部22bが、長方形断面の短辺で構成される平面を相対させて、径方向(スロット深さ方向に)に1列に並んで収納されている。そして、一方の巻線体22Bの第1直線部22aが第1層、第2層、第5層および第7層に収納され、他方の巻線体22Bの第2直線部22bが第3層、第4層、第6層および第8層に収納されている。
この巻線体22Bも、互いに干渉することなく、周方向に1スロットピッチで配列され、電機子巻線を構成する。
この実施の形態3においても、第1および第2頂部22e,22fの径方向の最大変位量(2d)が、スロット13内の第1および第2直線部22a,22bの配列方向の総厚み(4d)より小さい。そこで、ヘアピン部の変位量がスロット内の直線部の配列方向の層厚みと等しい特許文献1に記載の電機子巻線に比べて、コイルエンド群の径方向および軸方向の寸法が小さくなり、回転電機の小型化を実現できるとともに、第1および第2コイルエンド22c,22dに第1および第2頂部22e,22fを形成する加工力が小さくなり、絶縁被膜のダメージが低減され、絶縁性能が高められる。
また、第1および第2コイルエンド22c,22dが円形断面の導体線19で構成され、第1および第2直線部22a,22bが円形断面の導体線19を長方形断面に塑性変形して作製されているので、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態4.
図20はこの発明の実施の形態4に係る回転電機における3つの巻線体が電機子鉄心の同一スロット群に周方向に連続して装着された状態を軸方向一端側から見た展開図である。なお、図20では、便宜上、コイルエンドを直線的に示している。
図20において、巻線体22Cは、連続する6本のティース12bの一側のスロット13の第1層、第2層、第3層および第7層に収納された4本の第1直線部22aと、連続する6本のティース12bの他側のスロット13の第4層、第5層、第6層および第8層に収納された4本の第2直線部22aと、第1および第2直線部22a,22bの列間で、長さ方向の一端同士と他端同士とを交互に連結する第1および第2コイルエンド22c,22dと、を備えている。
3本の第1コイルエンド22cは、一方のスロット13の第1層、第2層および第3層の第1直線部22aの一端から所定の傾斜で他方の列の第2直線部22b側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向外方に延出し、それぞれ、第1頂部22e(図示せず)で略直角に曲げられて径方向外方(スロット深さ方向の底部側)に距離3dだけ変位し、その後略直角に曲げられて所定の傾斜で他方のスロット13の第2直線部22b側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向内方に延出し、他方のスロット13の第4層、第5層および第6層の第2直線部22bの一端に接続されている。
他の1本の第1コイルエンド22cは、一方のスロット13の第7層の第1直線部22aの一端から所定の傾斜で他方の列の第2直線部22b側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向外方に延出し、それぞれ、第1頂部22e(図示せず)で略直角に曲げられて径方向外方(スロット深さ方向の底部側)に距離dだけ変位し、その後略直角に曲げられて所定の傾斜で他方のスロット13の第2直線部22b側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向内方に延出し、他方のスロット13の第8層の第2直線部22bの一端に接続されている。
2本の第2コイルエンド22dは、他方のスロット13の第4層および第5層の第2直線部22bの他端から所定の傾斜で一方のスロット13の第1直線部22a側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向外方に延出し、第2頂部22f(図示せず)で略直角に曲げられて径方向外方に距離2dだけ変位し、その後略直角に曲げられて所定の傾斜で一方のスロット13の第1直線部22a側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向内方に延出し、一方のスロット13の第2層および第3層の第1直線部22aの他端に接続されている。
他の1本の第2コイルエンド22dは、他方のスロット13の第6層の第2直線部22bの他端から所定の傾斜で一方のスロット13の第1直線部22a側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向外方に延出し、第2頂部22f(図示せず)で略直角に曲げられて径方向内方(スロット深さ方向の開口側)に距離dだけ変位し、その後略直角に曲げられて所定の傾斜で一方のスロット13の第1直線部22a側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向内方に延出し、一方のスロット13の第7層の第1直線部22aの他端に接続されている。
このように構成された巻線体22Cにおいても、第1および第2コイルエンド22c,22dは円形断面の導体線19により作製され、第1および第2直線部22a,22bは、円形断面の導体線19を、長辺長さをd、短辺長さをtとする長方形断面形状に塑性変形されて作製されている。第1および第2直線部22a,22bは、径方向に関し、連結する第1および第2コイルエンド22c、22dの第1および第2頂部22e,22fにより所定の変位量だけ変位している。つまり、第1直線部22aは、一方のスロット13内の第1層、第2層、第3層および第7層に収納され、第2直線部22bは他方のスロット13内の第4層、第5層、第6層および第8層に収納されている。
また、各スロット13には、一方の巻線体22Cの第1直線部22aと他方の巻線体22Cの第2直線部22bが、長方形断面の短辺で構成される平面を相対させて、径方向(スロット深さ方向に)に1列に並んで収納されている。そして、一方の巻線体22Cの第1直線部22aが第1層、第2層、第3層および第7層に収納され、他方の巻線体22Cの第2直線部22bが第4層、第5層、第6層および第8層に収納されている。
この巻線体22Cも、互いに干渉することなく、周方向に1スロットピッチで配列され、電機子巻線を構成する。
この実施の形態4においても、第1および第2頂部22e,22fの径方向の最大変位量(3d)が、スロット13内の第1および第2直線部22a,22bの配列方向の総厚み(4d)より小さい。そこで、ヘアピン部の変位量がスロット内の直線部の配列方向の層厚みと等しい特許文献1に記載の電機子巻線に比べて、コイルエンド群の径方向および軸方向の寸法が小さくなり、回転電機の小型化を実現できるとともに、第1および第2コイルエンド22c,22dに第1および第2頂部22e,22fを形成する加工力が小さくなり、絶縁被膜のダメージが低減され、絶縁性能が高められる。
また、第1および第2コイルエンド22c,22dが円形断面の導体線19で構成され、第1および第2直線部22a,22bが円形断面の導体線19を長方形断面に塑性変形して作製されているので、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
なお、上記実施の形態では、電動機や発電機に用いられる回転電機について説明しているが、本発明による電気機械は、回転電機に限定されず、リニアモータなどの直動機に適用できることはいうまでもないことである。
また、上記各実施の形態では、8極48スロットの回転電機について説明しているが、極数およびスロット数は、8極48スロットに限定されないことは言うまでもないことである。また、スロット数が毎極毎相当たり2の割合で形成されているものとしているが、毎極毎相当たりのスロット数は2に限定されず、1でもよく、3以上でもよい。
10 電機子、11 電機子鉄心、13 スロット、19 導体線、20 電機子巻線、22 巻線体、22a 第1直線部、22b 第2直線部、22c 第1コイルエンド、22d 第2コイルエンド、22e 第1頂部、22f 第2頂部。

Claims (5)

  1. スロットがスロット幅方向に複数配列された電機子鉄心、および上記電機子鉄心に巻装された電機子巻線を有する電機子を備えた電気機械において、
    上記電機子巻線は、それぞれ、絶縁被覆された、かつ接続部のない連続した導体線をm回(但し、mは2以上の自然数)巻き回して、直線部の端部間がコイルエンドで連結されて螺旋状に構成された巻線体を、上記電機子鉄心の所定スロット数離れたスロット対のそれぞれに1つずつ装着して構成され、
    上記スロット内にはスロット深さ方向に重なるように2×m本の2つの異なる上記巻線体の直線部が収納され、
    上記コイルエンドは、その長さ方向の中央部に、連結される2つの上記直線部をスロット深さ方向に所定量変位させる頂部を有し、
    上記頂部でのスロット深さ方向の変位量が、略a×d(但し、aは1以上、かつ(m−1)以下の自然数、dは上記スロット内に収納された上記直線部のスロット深さ方向の厚み)であり、
    上記コイルエンドは円形断面形状になっており
    上記直線部は相対する一対の平面を有する扁平形状になっていることを特徴とする電気機械。
  2. 上記直線部が、上記相対する一対の平面をスロット配列方向に向けて上記スロット内に収納されていることを特徴とする請求項1記載の電気機械。
  3. 上記直線部が、上記相対する一対の平面をスロット深さ方向に向けて上記スロット内に収納されていることを特徴とする請求項1記載の電気機械。
  4. 上記直線部の上記dとスロット配列方向の幅tとが、d≧4t/πを満足するように形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の電気機械。
  5. スロットがスロット幅方向に複数配列された電機子鉄心、および上記電機子鉄心に巻装された電機子巻線を有する電機子を備えた電気機械の製造方法において、
    絶縁被覆された、かつ接続部のない連続した円形断面の導体線をm回(但し、mは2以上の自然数)巻き回して、直線部の端部間がコイルエンドで連結された螺旋状に構成され、かつ上記コイルエンドが、その長さ方向の中央部に、連結される2つの上記直線部を上記導体線の巻き回し方向に略a×d(但し、aは1以上、かつ(m−1)以下の自然数)だけ変位させる頂部を有する巻線体を作製する工程と、
    上記巻線体の円形断面の上記直線部を、相対する一対の平面を有し、断面の長辺の長さ方向を上記導体線の巻き回し方向とし、かつ断面の長辺の長さを上記dとする扁平形状に塑性変形させる工程と、
    上記直線部が塑性変形された上記巻線体を、上記導体線の巻き回し方向をスロット深さ方向として、上記電機子鉄心の所定スロット数離れたスロット対のそれぞれに1つずつ装着して、2×m本の2つの異なる上記巻線体の直線部を、上記スロット内に上記スロット深さ方向に重なるように収納する工程と、を備える電気機械の製造方法。
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