JP6103531B2 - 電気機械の電機子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、電動機や発電機などの回転電機およびリニアモータなどの直動機などの電気機械の電機子およびその製造方法に関するものである。
近年、電動機や発電機などの回転電機において、小型高出力が求められている。この種の回転電機を小型化するに当たり、有効な磁束を発生しないコイルエンドを小型化する観点から、導体線を固定子鉄心のティースのそれぞれに巻回した集中巻の固定子巻線を用いられていた。しかしながら、トルク脈動が抑えられ、高出力化が可能な分布巻構造の固定子巻線を用いた固定子が要望されている。
ここでは、導体線を1つのティースに巻き回して構成された集中巻の巻線に対し、導体線を2スロット以上離れたスロットに巻き回して構成された巻線を分布巻の巻線とする。つまり、分布巻の巻線は、1のスロットから延出した導体線が連続する2つ以上のティースをまたいで他のスロットに入るように巻かれている。
従来、分布巻の巻線を用いた固定子では、分布巻の巻線の両端の頭頂部を分布巻きした導体線の全幅だけずれるようにクランク状に形成していた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、分布巻きする導体線のターン数が増えると、分布巻の巻線の頭頂部の曲げ半径が大きくなり、コイルエンドが大きくなるという不具合があった。
このような状況を鑑み、複数個の分布巻の巻線を含んで構成される複数の巻線群を、固定子鉄心に径方向に複数の層として配置し、分布巻の巻線の頭頂部での曲げ半径を小さくし、コイルエンドの小型化を図る従来の回転電機が提案されていた(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−104293号公報 特開2012−223049号公報
しかしながら、特許文献2に記載された従来の回転電機では、固定子鉄心に装着する分布巻の巻線の数が多くなり、分布巻の巻線を固定子鉄心に装着する工程が増大し、生産性が低下するという課題があった。
さらに、特許文献2に記載された従来の回転電機では、高電圧で使用する場合、電位差が高くなる他相と接触する箇所が層分だけ倍増するため、絶縁破壊のリスクが増大するという課題もあった。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、分布巻の巻線体を径方向に2つの巻線ブロックに分けて構成し、分布巻の巻線の頭頂部での曲げ半径の増大を抑えるとともに、同じスロット対に装着される2つの巻線ブロックを一続きに構成し、分布巻の巻線を固定子鉄心に装着する工程の増大を抑え、コイルエンドの小型化を確保しつつ、絶縁破壊のリスクを低減し、生産性を高めることができる電気機械の電機子およびその製造方法を得ることを目的とする。
この発明による電気機械の電機子は、ティースが等ピッチで配列された電機子鉄心、および電機子鉄心に装着された電機子巻線を有する。上記電機子巻線は、それぞれ、絶縁被覆された、かつ接続部のない連続した矩形断面の導体線を、(m+n)回(但し、m,nは1以上の整数、かつ(m+n)は3以上)巻いて作製され、連続する複数個の上記ティースの両側に位置するスロット対に装着されて1スロットピッチで配列された複数の巻線体を備え、上記複数の巻線体のそれぞれは、上記スロット対の一方のスロットの底部側から第(m+2n+1)層と第(2m+2n)層との間に収納される第1直線部、他方のスロットの底部側から第(n+1)層と第(m+n)層との間に収納される第2直線部、上記一方のスロットの第(m+2n+x )層に収納される上記第1直線部の一端と上記他方のスロットの第(m+n+1−x )層に収納される上記第2直線部の一端を連結する第1コイルエンド部、および上記一方のスロットの第(m+2n+x )層に収納される上記第1直線部の他端と上記他方のスロットの第(m+n−x )層に収納される上記第2直線部の他端を連結する第3コイルエンド部を有するmターンの第1巻線ブロック(但し、x は1以上、m以下の整数、x =x −1)と、上記スロット対の一方のスロットの底部側から第(m+n+1)層と第(m+2n)層との間に収納される第3直線部、他方のスロットの底部側から第1層と第n層との間に収納される第4直線部、上記一方のスロットの第(m+n+y )層に収納される上記第3直線部の一端と上記他方のスロットの第(n+1−y )層に収納される上記第4直線部の一端を連結する第2コイルエンド部、および上記一方のスロットの第(m+n+1+y )層に収納される上記第3直線部の他端と上記他方のスロットの第(n+1−y )層に収納される上記第4直線部の他端を連結する第4コイルエンド部を有するnターンの第2巻線ブロック(但し、y は1以上、n以下の整数、y =y −1)と、上記一方のスロットの第(m+n+1)層に収納される第3直線部の他端と上記他方のスロットの第(m+n)層に収納される第2直線部の他端を連結する渡り線と、上記一方のスロットの第(2m+2n)層に収納される第1直線部の他端および上記他方のスロットの第(m+n)層に収納される第2直線部の他端から延び出る端子部と、を備えている。
この発明によれば、巻線体が、径方向に第1巻線ブロックと第2巻線ブロックに分かれているので、頭頂部での曲げ半径の増大が抑えられ、コイルエンドの小型化が図られる。
また、第1巻線ブロックと第2巻線ブロックが一続きに構成されているので、巻線を固定子鉄心に装着する工程の増大が抑えられ、生産性が高められるとともに、絶縁破壊のリスクが低減される。
この発明の実施の形態1に係る回転電機を示す片側断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子における電機子鉄心を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子におけるスロットセルを示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子における電機子巻線を構成する巻線体を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子における電機子巻線を構成する巻線体を軸方向一端側から見た模式図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子における電機子巻線を構成する巻線体を軸方向他端側から見た模式図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子における電機子巻線を構成する巻線体が電機子鉄心に装着されている状態を径方向外方から見た模式図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子の組立方法を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子の組立方法を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子の組立方法を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子に適用される巻線体の製造方法を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子に適用される巻線体の製造方法を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子に適用される巻線体の直線部と直交する断面を示す断面図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の電機子における電機子巻線を構成する巻線体を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の電機子における電機子巻線を構成する巻線体を示す正面図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の電機子における電機子巻線を構成する巻線体を軸方向一端側から見た模式図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の電機子における電機子巻線を構成する巻線体を他端側から見た模式図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の電機子の組立て方法を説明する図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の電機子の組立て方法を説明する図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の電機子に適用される巻線体の製造方法を説明する図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の電機子に適用される巻線体の製造方法を説明する図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の電機子に適用される巻線体の直線部と直交する断面を示す断面図である。 この発明の実施の形態3に係るリニアモータを示す平面図である。 この発明の実施の形態3に係るリニアモータにおける電機子を示す斜視図である。 この発明の実施の形態3に係るリニアモータにおける電機子を示す分解斜視図である。 この発明の実施の形態3に係るリニアモータの電機子巻線を構成する巻線体の製造方法を説明する図である。
以下、本発明による電気機械の電機子およびその製造方法の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る回転電機を示す片側断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子を示す斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子における電機子鉄心を示す斜視図、図4はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子におけるスロットセルを示す斜視図、図5はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子における電機子巻線を構成する巻線体を示す斜視図、図6はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子における電機子巻線を構成する巻線体を軸方向一端側から見た模式図、図7はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子における電機子巻線を構成する巻線体を軸方向他端側から見た模式図、図8はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子における電機子巻線を構成する巻線体が電機子鉄心に装着されている状態を径方向外方から見た模式図である。
図1において、電気機械としての回転電機100は、有底円筒状のフレーム2およびフレーム2の開口を塞口する端板3を有するハウジング1と、フレーム2の円筒部に内嵌状態に固着された電機子10と、フレーム2の底部および端板3にベアリング4を介して回転可能に支持された回転軸6に固着されて、電機子10の内周側に、電機子10の同軸に、かつ回転可能に配設された回転子5と、を備えている。
回転子5は、軸心位置に挿通された回転軸6に固着された回転子鉄心7と、回転子鉄心7の外周面側に埋設されて周方向に等ピッチで配列され、磁極を構成する永久磁石8と、を備えた永久磁石型回転子である。
つぎに、電機子10の構成について具体的に図2乃至図8を参照しつつ説明する。
電機子10は、図2に示されるように、電機子鉄心11と、電機子鉄心11に装着された電機子巻線20と、電機子鉄心11と電機子巻線20との電気的絶縁を確保するスロットセル13と、を備えている。
電機子鉄心11は、図3に示されるように、多数枚の電磁鋼板を積層一体化して作製され、円環状のヨーク部11aと、それぞれ、ヨーク部11aの内周壁面から径方向内方に突出して、周方向に複数配列されたティース11bと、を備えている。そして、ティース11b間に構成される空間が、スロット12となる。なお、径方向はスロット深さ方向であり、周方向はスロット配列方向であり、軸方向は電機子鉄心11の軸心の方向である。
スロットセル13は、図4に示されるように、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂やメタ系アラミド繊維などの絶縁材料からなるシートを、スロット12の形状に適合するコ字状に成形して構成される。
電機子巻線20は、図2に示されるように、6スロット角度間隔離れたスロット12の対に収納された巻線体21を1スロットピッチで周方向に配列して構成される。なお、6スロット角度間隔とは、周方向に連続する6つのティース11bの両側に位置するスロット12のスロット中心間の間隔である。
巻線体21は、図5から図7に示されるように、例えば、エナメル樹脂で絶縁被覆された、かつ接続部のない連続した銅線やアルミニウム線などからなる矩形断面の導体線19を複数回巻回して作製された分布巻きの重ね巻き巻線である。
巻線体21は、6スロット角度間隔離れた第1および第2直線部22a,22b、第1頂部22d、および第1および第2直線部22a,22bの一端と第1頂部22dを連結する第1斜辺部22cを有する第1巻線ブロック22と、6スロット角度間隔離れた第3および第4直線部23a,23b、第2頂部23d、および第3および第4直線部23a,23bの一端と第2頂部23dを連結する第2斜辺部23cを有する第2巻線ブロック23と、を径方向に隣接させ、第2直線部22bと第3直線部23aの他端間を渡り線24で連結して、一続きに構成されている。そして、巻線体21は、第1および第4直線部22a,23bの他端から軸方向に延び出た端子部22e,23eを有し、α巻きの巻線となる。
このように構成された巻線体21では、第1および第3直線部22a,23aが径方向に1列に配列され、第2および第4直線部22b,23bが径方向に1列に配列されている。そして、第1および第3直線部22a,23aの列と第2および第4直線部22b、23bの列は6スロット角度間隔離れている。
第1頂部22dと第1斜辺部22cが第1コイルエンド部を構成し、第2頂部23dと第2斜辺部23cが第2コイルエンド部を構成し、図6に示されるように、それぞれ、クランク状に成形される。つまり、第1および第2頂部22d,23dは、周方向に延びる第1および第2斜辺部22c,23cに対して略直角に曲げられて径方向に延びている。第1および第2頂部22d,23dは、軸方向外方に突き出るヘアピン状に成形され、周方向に隣接して平行に配列している。第1および第2直線部22a,22bは第1頂部22dで径方向に2dだけ変位し、第3および第4直線部23a,23bは第2頂部23dで径方向に2dだけ変位している。なお、dは導体線19の径方向厚みである。また、第1および第2斜辺部22c,23cは、第1から第4直線部22a,22b,23a,23bに対する曲げ角度がほぼ等しく、図8に示されるように、径方向から見て重なるように形成されている。さらに、第1および第3直線部22a,23aから延び出た第1および第2斜辺部22c,23cの径方向外側を向く面が、第1および第2頂部22d,23dで反転されて、第2および第4直線部22b,23bから延び出た第1および第2斜辺部22c,23cでは径方向内側を向く面となっている。なお、軸方向外方に突き出るヘアピン状とは、軸方向外方に円弧状、又は逆U字状に突き出る形状である。
渡り線24は、中間頂部24aと、中間頂部24aと第2および第3直線部22b,23aの他端を連結する斜辺部24bと、を有し、コイルエンド部を構成する。渡り線24は、中間頂部24aでdだけ径方向に変位している。これにより、図7に示されるように、第2および第3直線部22b,23aが径方向にdだけ変位する。
つぎに、電機子の組立て方法について図9から図11を参照しつつ説明する。図9から図11はそれぞれこの発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子の組立方法を説明する図であり、図9は1番目の巻線体を電機子鉄心に装着する状態を示し、図10は4番目の巻線体を電機子鉄心に装着する状態を示し、図11は全ての巻線体を電機子鉄心に装着した状態を示している。なお、図9および図10では、便宜上、直線部のみを示している。また、直線部の収納位置をスロットの底部側からスロット開口に向かって第1層、第2層、第3層、第4層とする。
まず、導体線19を巻回して巻線体21を作製する。ここで、説明の便宜上、巻線体21を組み付け順に巻線体21、巻線体21、巻線体21、巻線体21とする。また、スロットセル13がスロット12のそれぞれに装着される。
そして、1番目の巻線体21を6スロット角度間隔離れたスロット12の対に装着する。このとき、図9に示されるように、巻線体21の第3直線部23aと第1直線部22aが、一方のスロット12の第3層と第4層に収納され、第4直線部23bと第2直線部22bが、他方のスロット12の第1層と第2層に収納される。
ついで、図10に示されるように、装着するスロット12の対を周方向に1スロットずつずらして2番目の巻線体21、3番目の巻線体21、4番目の巻線体21を順次装着する。最後の6つの巻線体21は、先に第3層、第4層に挿入されている巻線体21を変形させながら引き起こし、その下に挿入する。このようにして、スロット12と同数の巻線体21が1スロットピッチで電機子鉄心11に装着され、図11に示される状態となる。ついで、電機子鉄心11に装着された巻線体21に結線処理が施され、電機子10が得られる。
つぎに、巻線体21の製造方法について、図12から図14を参照しつつ説明する。図12および図13はそれぞれこの発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子に適用される巻線体の製造方法を説明する図、図14はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子に適用される巻線体の直線部と直交する断面を示す断面図である。
まず、図12の(a)に示されるように、導体線19をU字状に曲げる。このU字状の曲げ部が渡り線24の中間頂部24aとなる。ついで、図12の(b)に示されるように、導体線19の曲げ部からの両延長部の端部側を、それぞれ、中間頂部24aを含む平面と直交し、かつ延長部を含む第1および第2平面内で、互いに逆方向にU字状に折り返す。これにより、図12の(c)に示されるように、それぞれ、導体線19をU字状に曲げられた第1および第2巻線部が、渡り線24で連結されて、相対する第1および第2平面のそれぞれに、平行に形成された中間巻線体25が得られる。この中間巻線体25では、新たに形成されたU字状の曲げ部が第1頂部22dおよび第2頂部23dとなり、導体線19の両端部が端子部22e,23eとなる。さらに、第1頂部22dと端子部22eとの間の中間領域が第1直線部22a、第1頂部22dと中間頂部24aとの間の中間領域が第2直線部22b、第2頂部23dと端子部23eとの間の中間領域が第4直線部23b、第2頂部23dと中間頂部24aとの間の中間領域が第3直線部23aとなる。
ついで、第2および第4直線部22b、23bを把持し、第1および第3直線部22a,23aを把持して、図13に矢印で示されるように、第2および第4直線部22b、23bと第1および第3直線部22a、23aの間を広げる。そして、第1直線部22aを第3直線部23aの外側に重ね、第4直線部23bを第2直線部22bの外側に重ねる。このとき、第1頂部22dおよび第2頂部23dを把持し、第2および第4直線部22b、23bと第1および第3直線部22a、23aの間を広げるにつれ、中間頂部24a側に変位させる。これにより、図14に示されるように、第1および第2直線部22a,22bと第1頂部22dとの間の導体線19の部分が傾斜して第1斜辺部22cとなり、第3および第4直線部23a,23bと第2頂部23dとの間の導体線19の部分が傾斜して第2斜辺部23cとなり、第1巻線ブロック22と第2巻線ブロック23を渡り線24により連結して一続きに構成された巻線体21が作製される。
この実施の形態1によれば、巻線体21が、径方向に第1巻線ブロック22と第2巻線ブロック23とに分けて構成されている。そこで、頭頂部の曲げ半径が小さくなり、コイルエンドの膨らみが抑制され、コイルエンドの小型化が図られる。
第1巻線ブロック22と第2巻線ブロック23が渡り線24により連結されて一続きに構成されている。そこで、電機子鉄心11に装着する巻線体21の数が増加せず、巻線体21を電機子鉄心11に装着する工程が増大しないので、生産性の低下が抑制される。さらに、巻線群が径方向に2層に配置されている特許文献2に比べて、他相と接触する箇所が少なくなり、高電圧で使用する場合でも、絶縁破壊のリスクを低減することができる。
巻線体21の第1頂部22dおよび第2頂部23dが、周方向に相対して、かつ隣接して平行に配列されているので、隣接する他の巻線体21の第1頂部22dおよび第2頂部23dとの間隔を広くとることができ、絶縁性、組立性および冷却性が向上する。
巻線体21の第1斜辺部22cおよび第2斜辺部23cが、径方向からみて重なるように形成されているので、隣接する他の巻線体21の第1および第2斜辺部22c,23cとの間隔を広くとることができ、絶縁性、組立性および冷却性が向上する。
実施の形態2.
図15はこの発明の実施の形態2に係る回転電機の電機子における電機子巻線を構成する巻線体を示す斜視図、図16はこの発明の実施の形態2に係る回転電機の電機子における電機子巻線を構成する巻線体を示す正面図、図17はこの発明の実施の形態2に係る回転電機の電機子における電機子巻線を構成する巻線体を軸方向一端側から見た模式図、図18はこの発明の実施の形態2に係る回転電機の電機子における電機子巻線を構成する巻線体を他端側から見た模式図、図19および図20はそれぞれこの発明の実施の形態2に係る回転電機の電機子の組立て方法を説明する図であり、図19は4番目の巻線体を電機子鉄心に装着する状態を示し、図20は全ての巻線体を電機子鉄心に装着した状態を示している。なお、図19では、便宜上、直線部のみを示している。また、便宜上、直線部の収納位置をスロットの底部側からスロット開口に向かって第1層、第2層・・・第7層、第8層とする。
図15から図18において、巻線体31は、例えば、エナメル樹脂で絶縁被覆された、かつ接続部のない連続した銅線やアルミニウム線などからなる円形断面の導体線29を4回巻回して作製された分布巻きの重ね巻き巻線である。
巻線体31は、導体線29を2ターン巻回して作製され、6スロット角度間隔離れた一方のスロット12の第7層および第8層と、他方のスロット12の第3層および第4層に収納される第1巻線ブロック32と、導体線29を2ターン巻回して作製され、6スロット角度間隔離れた一方のスロット12の第5層および第6層と、他方のスロット12の第1層および第2層に収納される第2巻線ブロック33と、を有する。
第1巻線ブロック32は、6スロット角度間隔離れた一方のスロット12の第7層および第8層に収納される第1直線部32aと、他方のスロット12の第3層と第4層に収納される第2直線部32bと、を有する。そして、軸方向一端側で、第3層に収納される第2直線部32bの一端と第8層に収納される第1直線部32aの一端を第1コイルエンド部で連結し、かつ第4層に収納される第2直線部32bの一端と第7層に収納される第1直線部32aの一端を第1コイルエンド部で連結し、軸方向他端側で、第3層に収納される第2直線部32bの他端と第7層に収納される第1直線部32aの他端を第3コイルエンド部で連結して、2ターンに構成されている。
第1コイルエンド部は、第1頂部32dと、第1および第2直線部32a,32bと第1頂部32dを連結する第1斜辺部32cを有し、クランク状に成形される。また、第1頂部32dは、軸方向外方に突き出るヘアピン状に成形される。第1巻線ブロック32の軸方向一端側では、第3層に収納される第2直線部32bの一端と第8層に収納される第1直線部32aの一端を連結する第1コイルエンド部の第1頂部32dが、第4層に収納される第2直線部32bの一端と第7層に収納される第1直線部32aの一端を連結する第1コイルエンド部の第1頂部32dに軸方向に重なってその軸方向外側に配置している。
第3コイルエンド部は、第3頂部32dと、第1および第2直線部32a,32bと第3頂部32dを連結する第3斜辺部32cを有し、クランク状に成形される。また、第3頂部32dは、軸方向外方に突き出るヘアピン状に成形される。
第2巻線ブロック33は、6スロット角度間隔離れた一方のスロット12の第5層および第6層に収納される第3直線部33aと、他方のスロット12の第1層と第2層に収納される第4直線部33bと、を有し、軸方向一端側で、第1層に収納される第4直線部33bの一端と第6層に収納される第3直線部33aの一端を第2コイルエンド部で連結し、かつ第2層に収納される第4直線部33bの一端と第5層に収納される第3直線部33aの一端を第2コイルエンド部で連結し、軸方向他端側で、第2層に収納される第4直線部33bの他端と第6層に収納される第3直線部33aの他端を第4コイルエンド部で連結して、2ターンに構成されている。
第2コイルエンド部は、第2頂部33dと、第3および第4直線部33a,33bと第2頂部33dを連結する第2斜辺部33cを有し、クランク状に成形される。また、第2頂部33dは、軸方向外方に突き出るヘアピン状に成形される。第2巻線ブロック33の軸方向一端側では、第1層に収納される第4直線部33bの一端と第6層に収納される第3直線部33aの一端を連結する第2コイルエンド部の第2頂部33dが、第2層に収納される第4直線部33bの一端と第5層に収納される第3直線部33aの一端を連結する第2コイルエンド部の第2頂部33dに軸方向に重なってその軸方向外側に配置している。
第4コイルエンド部は、第4頂部33dと、第3および第4直線部33a,33bと第4頂部33dを連結する第4斜辺部33cを有し、クランク状に成形される。また、第4頂部33dは、軸方向外方に突き出るヘアピン状に成形される。
そして、第4層に収納される第2直線部32bの他端と第5層に収納される第3直線部33aの他端とが渡り線34により連結され、第1巻線ブロック32と第2巻線ブロック33が連結され、導体線29により一続きに作製された4ターンの巻線体31が構成される。巻線体31は、第8層に収納される第1直線部32aの他端および第1層に収納される第4直線部33bの他端から延び出た端子部32e,33eを有し、α巻きの巻線となる。
このように構成された巻線体31では、4本の第1および第3直線部32a,33aが径方向に1列に配列され、4本の第2および第4直線部32b,33bが径方向に1列に配列されている。そして、第1および第3直線部32a,33aの列と第2および第4直線部32b、33bの列は6スロット角度間隔離れている。
巻線体31の軸方向一端側では、図17に示される、それぞれ、軸方向に2層に重なった第1頂部32dと第2頂部33dが、周方向に隣接して平行に配列している。また、第1および第2斜辺部32c,33cは、第1から第4直線部32a,32b,33a,33bに対する曲げ角度がほぼ等しく、図16に示されるように、径方向から見て重なるように形成されている。
渡り線34は、中間頂部34aと、中間頂部34aと第2および第3直線部32b,33aの他端を連結する斜辺部34bと、を有し、コイルエンド部を構成する。渡り線34は、中間頂部34aで導体線29の直径(d)だけ径方向に変位している。これにより、図18に示されるように、第2および第3直線部32b,33aが径方向にdだけ変位する。
巻線体31の軸方向他端側では、図18に示されるように、第3頂部32dと第4頂部33dが、周方向に隣接して平行に配列し、中間頂部34aが第3頂部32dと第4頂部33dの内径側に配置している。また、第3および第4斜辺部32c,33cおよび斜辺部34bは、第1から第4直線部32a,32b,33a,33bに対する曲げ角度がほぼ等しく、図16に示されるように、径方向から見て重なるように形成されている。
つぎに、電機子の組立て方法について図19および図20を参照しつつ説明する。
まず、導体線29を巻回して巻線体31を作製する。ここで、説明の便宜上、巻線体31を組み付け順に巻線体31、巻線体31、巻線体31、巻線体31とする。また、図示していないが、スロットセル13がスロット12のそれぞれに装着される。
そして、1番目の巻線体31を6スロット角度間隔離れたスロット12の対に装着する。このとき、巻線体31の第4直線部33bが、他方のスロット12の第1層と第2層に収納され、第2直線部32bが、他方のスロット12の第3層と第4層に収納され、第3直線部33aが、一方のスロット12の第5層と第6層に収納され、第1直線部32aが、一方のスロット12の第7層と第8層に収納される。このように、図19に示されるように、装着するスロット12の対を周方向に1スロットずつずらして2番目の巻線体31、3番目の巻線体31、4番目の巻線体31を順次装着する。最後の6つの巻線体31は、先に第5層から第8層に挿入されている巻線体31を変形させながら引き起こし、その下に挿入する。このようにして、スロット12と同数の巻線体31が1スロットピッチで電機子鉄心11に装着され、図20に示される状態となる。ついで、電機子鉄心11に装着された巻線体31に結線処理が施されて電機子巻線20Aが形成され、電機子10Aが得られる。
つぎに、巻線体31の製造方法について、図21から図23を参照しつつ説明する。図21および図22はそれぞれこの発明の実施の形態2に係る回転電機の電機子に適用される巻線体の製造方法を説明する図、図23はこの発明の実施の形態2に係る回転電機の電機子に適用される巻線体の直線部と直交する断面を示す断面図である。
まず、図21の(a)に示されるように、導体線29をU字状に曲げる。このU字状の曲げ部が渡り線34の中間頂部34aとなる。ついで、導体線29のU字状の折り曲げ部からの両延長部の端部側を、それぞれ、中間頂部34aを含む平面と直交し、かつ両延長部を含む第1および第2平面内で、互いに逆方向にU字状に折り返す。これにより、図21の(b)に示されるように、第1頂部32dおよび第2頂部33dとなるU字状の曲げ部が新たに形成される。ついで、導体線29の両延長部の端部側を、それぞれ、同じ第1および第2平面内で、中間頂部34aの外側を通るように、U字状に折り返す。これにより、図21の(c)に示されるように、第3頂部32dおよび第4頂部33dとなるU字状の曲げ部が新たに形成される。
ついで、図21の(c)に示されるように、導体線29の両延長部の端部側を、それぞれ、同じ第1および第2平面内で、先に形成した第1頂部32dおよび第2頂部32dの外側を通るように、U字状に折り返す。このように、導体線29が第1および第2平面内で、それぞれ逆回りに、U字状に3回折り曲げられて、図21の(d)に示されるように、楕円状に、かつ逆回りに2ターン巻回された第1および第2巻線部が、渡り線34で連結されて、相対する第1および第2平面のそれぞれに、平行に形成された中間巻線体35が得られる。そして、第1平面内で楕円状に巻回された第1巻線部のターン数が、第1巻線ブロック32のターン数となり、第2平面内で楕円状に巻回された第2巻線部のターン数が、第2巻線ブロック33のターン数となる。
この中間巻線体35では、各U字状の曲げ部が第1頂部32d、第2頂部33d、第3頂部32d、第4頂部33dおよび中間頂部34aとなり、導体線29の両端部が端子部32e,33eとなる。各ターンにおいて、第1および第3頂部32d,32d間の中間領域が第1および第2直線部32a,32bとなり、第2および第4頂部33d,33d間の中間領域が第3および第4直線部33a,33bとなる。
ついで、第2および第4直線部32b、33bを把持し、第1および第3直線部32a,33aを把持して、図22に矢印で示されるように、第2および第4直線部32b、33bと第1および第3直線部32a、33aの間を広げる。このとき、第1頂部32dおよび第2頂部33dを把持し、第3頂部32dおよび第4頂部33dを把持して、第2および第4直線部32b、33bと第1および第3直線部32a、33aの間を広げるにつれ、中間頂部34a側に変位させる。これにより、図23に示されるように、第1および第2直線部32a,32bと第1および第3第1頂部32d,32dとの間の導体線29の部分が傾斜して第1および第3斜辺部32c,32cとなり、第3および第4直線部33a,33bと第2および第4第2頂部33d,33dとの間の導体線29の部分が傾斜して第2および第4斜辺部33c,33cとなり、第1巻線ブロック32と第2巻線ブロック33を渡り線34により連結して一続きに構成された巻線体31が作製される。
この実施の形態2によれば、巻線体31が、径方向に第1巻線ブロック32と第2巻線ブロック33とに分けて構成されている。そこで、頭頂部の曲げ半径が小さくなり、コイルエンドの膨らみが抑制され、コイルエンドの小型化が図られる。
第1巻線ブロック32と第2巻線ブロック33が渡り線34により連結されて一続きに構成されている。そこで、電機子鉄心11に装着する巻線体31の数が増加せず、巻線体31を電機子鉄心11に装着する工程が増大しないので、生産性の低下が抑制される。さらに、巻線群が径方向に2層に配置されている特許文献2に比べて、他相と接触する箇所が少なくなり、高電圧で使用する場合でも、絶縁破壊のリスクを低減することができる。
巻線体31の第1頂部32dおよび第2頂部33dが、それぞれ、軸方向に2層に重なって、周方向に相対して、かつ隣接して平行に配列されているので、隣接する他の巻線体31の第1頂部32dおよび第2頂部33dとの間隔を広くとることができ、絶縁性、組立性および冷却性が向上する。また、巻線体31の第3頂部32dおよび第4頂部33dが、周方向に相対して、かつ隣接して平行に配列されているので、隣接する他の巻線体31の第3頂部32dおよび第4頂部33dとの間隔を広くとることができ、絶縁性、組立性および冷却性が向上する。
巻線体31の第1および第2斜辺部32c,33cが、径方向からみて重なるように形成されているので、隣接する他の巻線体31の第1および第2斜辺部32c,33cとの間隔を広くとることができ、絶縁性、組立性および冷却性が向上する。また、巻線体31の第3および第4斜辺部32c,33cが、径方向からみて重なるように形成されているので、隣接する他の巻線体31の第3および第4斜辺部32c,33cとの間隔を広くとることができ、絶縁性、組立性および冷却性が向上する。
なお、上記実施の形態2では、2ターンの第1巻線ブロックと2ターンの第2巻線ブロックにより4ターンの巻線体を構成しているが、1ターンの第1巻線ブロックと3ターンの第2巻線ブロックにより4ターンの巻線体を構成してもよい。また、上記実施の形態2では、巻線体が4ターンに構成されているが、巻線体は3ターン、あるいは5ターン以上でもよい。
ここで、mターンの第1巻線ブロックとnターンの第2巻線ブロックから構成されている巻線体の構造について説明する。なお、第1巻線ブロックが、aスロット角度間隔離れた一方のスロットの底部側から第(m+2n+1)層から第(2m+2n)層と、他方のスロットの底部側から第(n+1)層から第(m+n)層に収納され、第2巻線ブロックが、aスロット角度間隔離れた一方のスロットの底部側から第(m+n+1)層から第(m+2n)層と、他方のスロットの底部側から第1層から第n層に収納されているとする。但し、aは2以上の自然数、mは1以上の自然数、nは1以上の自然数、かつ(m+n)は3以上である。
第1巻線ブロックは、軸方向一端側では、一方のスロットの第(m+2n+x)層の第1直線部の一端と他方のスロットの第(m+n+1−x)層の第2直線部の一端をそれぞれ第1コイルエンド部で連結し、軸方向他端側では、一方のスロットの第(m+2n+x)層の第1直線部の他端と他方のスロットの第(m+n−x)層の第2直線部の他端をそれぞれ第3コイルエンド部で連結してmターンに構成される。但し、xは1以上、m以下の自然数であり、x=x−1である。そして、軸方向一端側では、第1コイルエンド部の第1頂部は、xが大きい順に上層に位置するように、軸方向に重なって層に配列されている。軸方向他端側では、第3コイルエンド部の第3頂部は、xが大きい順に上層に位置するように、軸方向に重なって(m−1)層に配列されている。
第2巻線ブロックは、軸方向一端側では、一方のスロットの第(m+n+y)層の第3直線部の一端と他方のスロットの第(n+1−y)層の第4直線部の一端をそれぞれ第2コイルエンド部で連結し、軸方向他端側では、一方のスロットの第(m+n+1+y)層の第3直線部の他端と他方のスロットの第(n+1−y)層の第4直線部の他端をそれぞれ第4コイルエンド部で連結してnターンに構成される。但し、yは1以上、n以下の自然数であり、y=y−1である。そして、軸方向一端側では、第2コイルエンド部の第2頂部は、yが大きい順に上層に位置するように、軸方向に重なって層に配列されている。軸方向他端側では、第4コイルエンド部の第4頂部は、yが大きい順に上層に位置するように、軸方向に重なって(n−1)層に配列されている。
第1巻線ブロックと第2巻線ブロックは、一方のスロットの第(m+n+1)層の第3直線部の他端と他方のスロットの第(m+n)層の第2直線部の他端とが渡り線により一続きに連結され、巻線体を構成する。軸方向一端側では、軸方向に層に配列した第1頂部と軸方向に層に配列した第2頂部とが、周方向に相対して、かつ隣接して平行に配列され、第1および第2頂部と第1から第4直線部を連結する第1および第2斜辺部が径方向から見て重なっている。また、軸方向他端側では、軸方向に(m−1)層に配列した第3頂部と軸方向に(n−1)層に配列した第4頂部とが、周方向に相対して、かつ隣接して平行に配列され、渡り線の中間頂部が第3頂部と第4頂部の内径側を通り、第3、第4および中間頂部と第1から第4直線部を連結する第3および第4斜辺部が径方向から見て重なっている。さらに、一方のスロットの第(2m+2n)層の第1直線部の他端と他方のスロットの第1層の第4直線部の他端から端子部が延び出ている。
実施の形態3.
図24はこの発明の実施の形態3に係るリニアモータを示す平面図、図25はこの発明の実施の形態3に係るリニアモータにおける電機子を示す斜視図、図26はこの発明の実施の形態3に係るリニアモータにおける電機子を示す分解斜視図である。
図25において、電気機械としてのリニアモータ110は、直線状のフレーム40と、フレーム40に固着された電機子50と、フレーム40の上面に固着されたガイド41に嵌合されて、ガイド41の長さ方向に移動可能な被ガイド部42と、固定アーム43を介して被ガイド部42に連結され、ガイド41の長さ方向に移動可能にフレーム40に支持された可動部45と、を備えている。
電機子50は、図25および図26に示されるように、電機子鉄心51と、電機子鉄心51に装着された電機子巻線53と、電機子鉄心51と電機子巻線53との電気的絶縁を確保するスロットセル13と、を備えている。
電機子鉄心51は、直線状のヨーク部51aと、それぞれ、ヨーク部51aの側壁面から垂直に突出して、長さ方向に等間隔に複数配列されたティース51bと、を備えている。そして、ティース51b間に構成される空間が、スロット52となる。
巻線体31Aは、矩形断面の導体線19を4回巻回して作製された分布巻きの重ね巻き巻線であり、1列に配列された4本の第1および第3直線部32a,33aと、1列に配列された4本の第2および第4直線部32b,33bとが平行となっている点、および矩形断面の導体線19を用いている点を除いて、上記実施の形態2における巻線体31と同様に構成されている。
電機子巻線53は、巻線体31Aを6スロット角度間隔離れたスロット52の対に装着して、1スロットピッチで配列して構成されている。そして、スロットセル13がスロット52のそれぞれに装着されている。
可動部45は、固定アーム43に固着された鉄心46と、鉄心46の一側に一定のピッチで埋設されて磁極を構成する永久磁石47と、を備えた永久磁石式の可動部であり、鉄心46の永久磁石47の埋設側を電機子50のティース51bに向けて配設される。なお、可動部は、永久磁石式に限定されず、鉄心にスロットを一定のピッチで複数形成し、絶縁しない導体バーを各スロットに収納して、両側を短絡環で短絡したかご形の可動部でもよい。
この実施の形態3においても、巻線体31Aが、径方向に第1巻線ブロック32と第2巻線ブロック33とに分けて構成されている。そこで、頭頂部の曲げ半径が小さくなり、コイルエンドの膨らみが抑制され、コイルエンドの小型化が図られる。
第1巻線ブロック32と第2巻線ブロック33が渡り線34により連結されて一続きに構成されている。そこで、電機子鉄心11に装着する巻線体31の数が増加せず、巻線体31を電機子鉄心11に装着する工程が増大しないので、生産性の低下が抑制される。さらに、巻線群が径方向に2層に配置されている特許文献2に比べて、他相と接触する箇所が少なくなり、高電圧で使用する場合でも、絶縁破壊のリスクを低減することができる。
巻線体31の第1頂部32dおよび第2頂部33dが、それぞれ、軸方向に2層に重なって、スロット配列方向に相対して、かつ隣接して平行に配列されているので、隣接する他の巻線体31の第1頂部32dおよび第2頂部33dとの間隔を広くとることができ、絶縁性、組立性および冷却性が向上する。また、巻線体31の第3頂部32dおよび第4頂部33dが、スロット配列方向に相対して、かつ隣接して平行に配列されているので、隣接する他の巻線体31の第3頂部32dおよび第4頂部33dとの間隔を広くとることができ、絶縁性、組立性および冷却性が向上する。
巻線体31の第1および第2斜辺部32c,33cが、スロット深さ方向から見て重なるように形成されているので、隣接する他の巻線体31の第1および第2斜辺部32c,33cとの間隔を広くとることができ、絶縁性、組立性および冷却性が向上する。また、巻線体31の第3および第4斜辺部32c,33cが、スロット深さ方向からみて重なるように形成されているので、隣接する他の巻線体31の第3および第4斜辺部32c,33cとの間隔を広くとることができ、絶縁性、組立性および冷却性が向上する。
ここで、巻線体31Aの製造方法について、図27を参照しつつ説明する。図27はこの発明の実施の形態3に係るリニアモータの電機子巻線を構成する巻線体の製造方法を説明する図である。
まず、図27の(a)に示されるように、導体線19をU字状の折り曲げ、中間頂部34aと斜辺部34bを成形する。ついで、中間頂部34aを有するコイルエンド部からの導体線19の両延長部の端部側を、中間頂部34aを有するコイルエンド部に略直交し、かつ両延長部をそれぞれ含む第1および第2平面内で、それぞれ逆回りに、U字状に3回折り曲げて、図27の(b)に示されるように、楕円状に、かつ逆回りに2ターン巻回された第1巻線部と第2巻線部が渡り線34で連結された中間巻線体36を作製する。
この中間巻線体36では、第1平面内でのU字状の折り曲げ部が第1頂部32dおよび第3頂部32dとなり、第1頂部32dと第3頂部32dの端部間を結ぶ直線の一部が第1および第2直線部32a,32bとなり、第1頂部32dと斜辺部24bの端部間を結ぶ直線の一部が第2直線部32bとなる。また、第2平面内でのU字状の折り曲げ部が第2頂部33dおよび第4頂部33dとなり、第2頂部33dと第4頂部33dの端部間を結ぶ直線の一部が第3および第4直線部33a,33bとなり、第2頂部33dと斜辺部24bの端部間を結ぶ直線の一部が第3直線部33aとなる。
ついで、第1直線部32aを把持し、第2直線部32bを把持し、第3直線部33aを把持し、第4直線部33bを把持する。そして、図27に(b)に矢印で示されるように、第2直線部32bおよび第3直線部33aを固定し、第1直線部32aを第3直線部33a側に移動させ、第4直線部33bを第2直線部32b側に移動させる。このとき、第1頂部32dを把持し、第2頂部33dを把持して、互いに接近するように移動させる。同様に、第3頂部32dを把持し、第4頂部33dを把持して、互いに接近するように移動させる。これにより、図27の(c)に示されるように、第1巻線ブロック32と第2巻線ブロック33を渡り線34により連結して一続きに構成された巻線体31Aが作製される。
なお、上記各実施の形態では、巻線体が6スロット角度間隔離れたスロット対に装着されているが、巻線体が装着されるスロット対の間隔は、6スロット角度間隔に限定されず、2スロット角度間隔以上でればよい。
10,10A 電機子、11 電機子鉄心、11b ティース、12 スロット、19 導体線、20,20A 電機子巻線、21 巻線体、22 第1巻線ブロック、22a 第1直線部、22b 第2直線部、22c 第1斜辺部(第1コイルエンド部)、22d 第1頂部(第1コイルエンド部)、22e 端子部、23 第2巻線ブロック、23a 第3直線部、23b 第4直線部、23c 第2斜辺部(第2コイルエンド部)、23d 第2頂部(第2コイルエンド部)、23e 端子部、24 渡り線(コイルエンド部)、24a 中間頂部、24b 斜辺部、25 中間巻線体、31,31A 巻線体、32 第1巻線ブロック、32a 第1直線部、32b 第2直線部、32c 第1斜辺部(第1コイルエンド部)、32c 第3斜辺部(第3コイルエンド部)、32d 第1頂部(第1コイルエンド部)、32d 第3頂部(第3コイルエンド部)、32e 端子部、33 第2巻線ブロック、33a 第3直線部、33b 第4直線部、33c 第2斜辺部(第2コイルエンド部)、33c 第4斜辺部(第4コイルエンド部)、33d 第2頂部(第2コイルエンド部)、33d 第4頂部(第4コイルエンド部)、33e 端子部、34 渡り線(コイルエンド部)、34a 中間頂部、34b 斜辺部、35,36 中間巻線体、50 電機子、51 電機子鉄心、51b ティース、52 スロット、53 電機子巻線、100 回転電機、110 リニアモータ。

Claims (5)

  1. ティースが等ピッチで配列された電機子鉄心、および電機子鉄心に装着された電機子巻線を有する電気機械の電機子において、
    上記電機子巻線は、それぞれ、絶縁被覆された、かつ接続部のない連続した導体線を、(m+n)回(但し、m,nは1以上の整数、かつ(m+n)は3以上)巻いて作製され、連続する複数個の上記ティースの両側に位置するスロット対に装着されて1スロットピッチで配列された複数の巻線体を備え、
    上記複数の巻線体のそれぞれは、
    上記スロット対の一方のスロットの底部側から第(m+2n+1)層と第(2m+2n)層との間に収納される第1直線部、他方のスロットの底部側から第(n+1)層と第(m+n)層との間に収納される第2直線部、上記一方のスロットの第(m+2n+x)層に収納される上記第1直線部の一端と上記他方のスロットの第(m+n+1−x)層に収納される上記第2直線部の一端を連結する第1コイルエンド部、および上記一方のスロットの第(m+2n+x)層に収納される上記第1直線部の他端と上記他方のスロットの第(m+n−x)層に収納される上記第2直線部の他端を連結する第3コイルエンド部を有するmターンの第1巻線ブロック(但し、xは1以上、m以下の整数、x=x−1)と、
    上記スロット対の一方のスロットの底部側から第(m+n+1)層と第(m+2n)層との間に収納される第3直線部、他方のスロットの底部側から第1層と第n層との間に収納される第4直線部、上記一方のスロットの第(m+n+y)層に収納される上記第3直線部の一端と上記他方のスロットの第(n+1−y)層に収納される上記第4直線部の一端を連結する第2コイルエンド部、および上記一方のスロットの第(m+n+1+y)層に収納される上記第3直線部の他端と上記他方のスロットの第(n+1−y)層に収納される上記第4直線部の他端を連結する第4コイルエンド部を有するnターンの第2巻線ブロック(但し、yは1以上、n以下の整数、y=y−1)と、
    上記一方のスロットの第(m+n+1)層に収納される第3直線部の他端と上記他方のスロットの第(m+n)層に収納される第2直線部の他端を連結する渡り線と、
    上記一方のスロットの第(2m+2n)層に収納される第1直線部の他端および上記他方のスロットの第(m+n)層に収納される第2直線部の他端から延び出る端子部と、を備えていることを特徴とする電気機械の電機子。
  2. 上記第1コイルエンド部は、一対の第1斜辺部、および上記一対の第1斜辺部間を連結する第1頂部を有するクランク形状に形成され、上記第1頂部は、xが大きい順に上層に位置するように、軸方向に重なって層に配列されており、
    上記第3コイルエンド部は、一対の第3斜辺部、および上記一対の第3斜辺部間を連結する第3頂部を有するクランク形状に形成され、上記第頂部は、xが大きい順に上層に位置するように、軸方向に重なって(m−1)層に配列されており、
    上記第2コイルエンド部は、一対の第2斜辺部、および上記一対の第2斜辺部間を連結する第2頂部を有するクランク形状に形成され、上記第2頂部は、yが大きい順に上層に位置するように、軸方向に重なって層に配列されており、
    上記第4コイルエンド部は、一対の第4斜辺部、および上記一対の第4斜辺部間を連結する第4頂部を有するクランク形状に形成され、上記第4頂部は、yが大きい順に上層に位置するように、軸方向に重なって(n−1)層に配列されていることを特徴とする請求項記載の電気機械の電機子。
  3. 上記層に配列された第1頂部と上記層に配列された第2頂部が、スロット配列方向に隣接して平行に配列され、上記(m−1)層に配列された第3頂部と上記(n−1)層に配列された第4頂部が、スロット配列方向に隣接して平行に配列されていることを特徴とする請求項記載の電気機械の電機子。
  4. 上記第1斜辺部と上記第2斜辺部が方向から見て重なって配設され、上記第3斜辺部と上記第4斜辺部が方向から見て重なって配設されていることを特徴とする請求項又は請求項記載の電気機械の電機子。
  5. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電気機械の電機子の製造方法であって、
    上記導体線をU字状に曲げてU字状の第1曲げ部を形成する工程と、
    上記第1曲げ部を含む平面に直交し、かつ上記第1曲げ部の一側から延び出る直線状の延長部を含む第1平面内で上記導体線をU字状にp回(但し、pは1以上の奇数)折り曲げてU字状又は楕円状の第1巻線部を作製し、上記第1曲げ部を含む平面に直交し、かつ上記第1曲げ部の他側から延び出る直線状の延長部を含む第2平面内で、上記第1巻線部と逆回りに、上記導体線をU字状にp回折り曲げてU字状又は楕円状の第2巻線部を作製する工程と、
    上記第1巻線部の一側の直線部および上記第2巻線部の一側の直線部を把持し、上記第1巻線部の他側の直線部および上記第2巻線部の他側の直線部を把持して、上記第1巻線部の一側の直線部および上記第2巻線部の一側の直線部と上記第1巻線部の他側の直線部および上記第2巻線部の他側の直線部との間の上記第1平面と直交する方向の距離を広げる工程と、を備えたことを特徴とする電気機械の電機子の製造方法。
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