JP5840295B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば電動機や発電機などの回転電機に関し、特に電機子巻線の結線構造に関するものである。
近年、電動機や発電機として使用される回転電機において、小型高出力、および高品質が求められている。このような高出力の回転電機では、高い電圧が印加されるため、電機子コアに巻装されるコイル間に発生する電位差が大きくなり、それに耐える絶縁材料の厚みが必要となる。しかしながら、電機子コアの形状を変えずに絶縁材料の厚みを厚くすると、絶縁材料の厚みを厚くする分コイルのスペースが少なくなり、回転電機の効率が低下する。また、コイルのスペースを変えずに絶縁材料の厚みを厚くすると、絶縁材料の厚みを厚くする分電機子コアが大径化し、回転電機の大型化をもたらすことになる。
このような状況を鑑み、コイル間に発生する電位差を抑制する方法が種々提案されている。
例えば、特許文献1に記載された従来の回転電機では、各相コイルの端子側周回コイルを他の相コイルが収容されるスロットと隣り合わないスロットに収容し、かつ端子側周回コイルが収容されるスロットの端子側周回コイルと径方向に隣接する位置に、そのスロットの隣のスロットの端子側周回コイルと周方向に隣り合う位置に収容される周回コイルよりも中性点側の周回コイルを収容するようにしている。これにより、コイルエンドにおける周回コイル間に生じる電位差を抑制していた。
また、特許文献2に記載された従来の回転電機では、分布巻き、かつ重ね巻きの複数のコイルを直列に接続して構成された各相の巻線をY結線して構成される固定子巻線において、各相の巻線が、入力端に接続される第1コイル、中性点に接続される最終コイル、および複数の中間コイルを、相毎に径方向位置を変えて、それぞれ、周方向に1列に配列して構成され、各相の複数の中間コイルの中の2つの中間コイルが、同相の第1コイルの周方向両側に位置するように配置され、各相の第1コイルが、隣接する2つの同相の中間コイルよりも電気的に中間点側に接続されている他相の中間コイルまたは他相の最終コイルと径方向に隣接するように配置されている。これにより、同相および各相間の隣接コイル間の分担電圧を緩和していた。
特許第4823797号公報 特開2009−278845号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来の回転電機では、同相のコイル間の電位差を抑制することができず、スロット内に収容される絶縁材料の厚さが厚くなってしまうという課題があった。
また、特許文献2に記載の従来の回転電機では、各相の巻線が、周方向に配列された複数のコイルを直列に接続しているので、1つのスロットに2つ以上のコイルが収容される巻線構成、いわゆる多層巻きの巻線構成をとる場合には、入力端側に接続されるコイルと中性点側に接続されるコイルとが同じスロットに収容される事態が発生する。その結果、コイル間の電位差が最大で印加電圧と同等となってしまい、スロット内のコイル間の電位差を抑制することができず、スロット内のコイル間を絶縁する絶縁材料の厚さが厚くなってしまうという課題があった。
さらに、特許文献2に記載の従来の回転電機では、コイル間を接続する渡り部が長くなり、しかも渡り部の渡り方向が一方向ではないので、巻線抵抗が増大し、回転電機の効率が低下するとともに、渡り部の重なりによる回転電機が大径化するという課題もあった。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、各相コイルを構成するコイルの結線を工夫して、スロット内の導体線間に発生する電位差を抑制し、スロット内の絶縁材料の厚みの増大を抑えることができるとともに、コイルを構成する巻線体間の渡り部の長さを短くし、高効率化および小型化を図ることができる回転電機を得ることを目的とする。
この発明による回転電機は、電機子巻線が円環状の電機子鉄心に装着されて構成される電機子を有し、スロットが上記電機子鉄心に毎極毎相当たりq(但し、qは2以上の自然数)の割合で形成されている。上記電機子巻線は、導体線互いに1磁極ピッチ離れた2個又は3個の上記スロットに巻かれて構成された分布巻きの巻線体、周方向に1スロットピッチで配列されて構成され、上記電機子巻線を構成する相コイルのそれぞれは、1磁極ピッチ毎の上記スロットで構成されるq個のスロット群に収納されている上記巻線体により構成され、上記スロット群に収納されている上記巻線体の中の、電気角で360°離れた上記巻線体周方向の配列順に直列に接続されて、周方向に1周する本の周回コイルが形成され、上記相コイルのそれぞれは、q個の上記スロット群のそれぞれに収納されている2本の上記周回コイルが、直列に接続されて構成され、q個の上記スロット群の同じスロット群に収納されている2本の上記周回コイルが、直列に接続された(2×q)本の上記周回コイルの中で、連続して、あるいは1つ置きに位置している。
この発明によれば、電機子巻線を構成する相コイルのそれぞれが、電気角で360°離れた巻線体を周方向の配列順に直列に接続して形成された周回コイルを備えている。そこで、巻線体同士を接続する渡り部が短くなり、渡り部の重なりに起因する径大化が抑えられ、小型化を実現できる。
相コイルのそれぞれは、同じスロット群に収納されている周回コイルが、連続して、あるいは1つ置きに位置するように、全ての周回コイルを直列に接続して構成されている。そこで、スロット内の導体線間に発生する電位差が小さくなり、スロット内の導体線間の絶縁材料の厚みを薄くすることができる。その結果、その分導体線の導体部の断面積を大きくして占積率を大きくでき、高効率化および放熱性向上が図られる。
この発明の実施の形態1に係る回転電機を示す片側断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の要部を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子鉄心を構成する鉄心ブロックを示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子の電機子巻線を構成する巻線アッセンブリを示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を示す正面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を示す側面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を正面斜め上方から見た斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子を軸方向他端側から見た端面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルを構成する小コイル群の結線図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルを構成する小コイル群を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの小コイル群の配列状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルの結線図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルを示す模式図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子の組み立て方法を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子の組み立て方法を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子の組み立て方法を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子の組み立て方法を説明する図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルの結線図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルを示す模式図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機における電機子巻線を示す斜視図である。 この発明の実施の形態3に係る回転電機における電機子巻線のW相コイルの結線図である。 この発明の実施の形態3に係る回転電機における電機子巻線を示す斜視図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルの結線図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルを示す模式図である。 この発明の実施の形態5に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルを示す模式図である。 この発明の実施の形態6に係る回転電機を示す片側断面図である。 この発明の実施の形態6に係る回転電機の要部を示す斜視図である。 この発明の実施の形態6に係る回転電機に適用される電機子を示す斜視図である。 この発明の実施の形態6に係る回転電機に適用される電機子鉄心を構成する鉄心ブロックを示す斜視図である。 この発明の実施の形態6に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を示す斜視図である。 この発明の実施の形態6に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を示す平面図である。 この発明の実施の形態6に係る回転電機における電機子巻線を構成する巻線体をスロットに収納した状態を説明する模式図である。 この発明の実施の形態6に係る回転電機に適用される電機子の電機子巻線を構成する巻線アッセンブリを示す斜視図である。 この発明の実施の形態6に係る回転電機における電機子の組み立て方法を説明する図である。 この発明の実施の形態6に係る回転電機における電機子の組み立て方法を説明する図である。 この発明の実施の形態6に係る回転電機における電機子を軸方向他端側から見た端面図である。 この発明の実施の形態6に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルの結線図である。 この発明の実施の形態6に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルを示す模式図である。 この発明の実施の形態6に係る回転電機における電機子巻線の給電部周りを示す要部斜視図である。 この発明の実施の形態7に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルの結線図である。 この発明の実施の形態7に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルを示す模式図である。 この発明の実施の形態8に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルの結線図である。 この発明の実施の形態8に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルを示す模式図である。 この発明の実施の形態9に係る回転電機に適用される電機子を示す斜視図である。 この発明の実施の形態9に係る回転電機に適用される電機子巻線を構成する巻線体を示す斜視図である。 この発明の実施の形態9に係る回転電機における電機子巻線の結線部を示す平面図である。 この発明の実施の形態9に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルの結線図である。 この発明の実施の形態9に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルを示す模式図である。 この発明の実施の形態10に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルを示す模式図である。
以下、本発明による回転電機の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る回転電機を示す片側断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の要部を示す斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子を示す斜視図、図4はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子鉄心を構成する鉄心ブロックを示す斜視図、図5はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子の電機子巻線を構成する巻線アッセンブリを示す斜視図、図6はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を示す斜視図、図7はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を示す正面図、図8はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を示す側面図、図9はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を正面斜め上方から見た斜視図である。
図1および図2において、回転電機100は、有底円筒状のフレーム2およびフレーム2の開口を塞口する端板3を有するハウジング1と、フレーム2の円筒部に内嵌状態に固着された電機子10と、フレーム2の底部および端板3にベアリング4を介して回転可能に支持された回転軸6に固着されて、電機子10の内周側に回転可能に配設された回転子5と、を備えている。
回転子5は、軸心位置に挿通された回転軸6に固着された回転子鉄心7と、回転子鉄心7の外周面側に埋設されて周方向に予め定めたピッチで配列され、磁極を構成する永久磁石8と、を備えた永久磁石型回転子である。なお、回転子5は、永久磁石式回転子に限定されず、絶縁しない回転子導体を、回転子鉄心のスロットに収納して、両側を短絡環で短絡したかご形回転子や、絶縁した導体線を回転子鉄心のスロットに装着した巻線形回転子を用いてもよい。
つぎに、電機子10の構成について具体的に図3から図9を参照しつつ説明する。
電機子10は、図3に示されるように、電機子鉄心11と、電機子鉄心11に装着された電機子巻線20と、を備えている。ここで、説明の便宜上、回転子5の極数pを8、電機子鉄心11のスロット数sを48個、電機子巻線20を三相巻線とする。すなわち、毎極毎相当たりのスロット数qは2である。
鉄心ブロック12は、円環状の電機子鉄心11を周方向に48等分割したもので、図4に示されるように、予め定めた枚数の電磁鋼板を積層一体化して作製され、断面円弧形のコアバック部12aと、コアバック部12aの内周壁面から径方向内方に延設されたティース12bと、を備えている。そして、電機子鉄心11は、ティース12bを径方向内方に向けて、コアバック部12aの周方向の側面同士を突き合わせて、48個の鉄心ブロック12を周方向に配列、一体化して、円環状に構成されている。周方向に隣り合う鉄心ブロック12により構成されるスロット13が、内周側に開口するように、周方向に等角ピッチで配列されている。ティース12bは周方向幅が径方向内方に向って漸次狭くなる先細り形状に形成されており、スロット13の電機子鉄心11の軸心に垂直な断面は長方形となっている。
巻線体22は、図6から図9に示されるように、例えば、エナメル樹脂で絶縁被覆された、かつ接続部のない連続した銅線やアルミニウム線などからなる長方形断面の導体線を、長方形断面の長辺で構成される平面が相対し、かつ相対する当該平面間に長方形断面の短辺長さに略等しい隙間dを確保して、略六角形で螺旋状に4回巻かれて構成された亀甲形コイルである。巻線体22は、例えば、導体線をエッジワイズ巻きに螺旋状に4回巻き回して筒状のコイル体を作製し、その後コイル体をコイル成形機により略六角形に成形されて作製される。また、巻線体22は、折り曲げ加工により、導体線を略六角形に曲げつつ、螺旋状に巻いて作製してもよい。
巻線体22は、6スロット角度間隔離れて2列となった、各列に隙間dをあけて、長方形断面の短辺方向に4本ずつ配列された第1および第2直線部22a,22bと、第1および第2直線部22a,22bの列間で、長さ方向の一端同士と他端同士とを交互に連結する第1および第2コイルエンド22c,22dと、を備えている。なお、6スロット角度間隔とは、連続する6つのティース12bの両側のスロット13のスロット中心間の間隔であり、1磁極ピッチに相当する。
第1コイルエンド22cは、一方の列の第1直線部22aの一端から予め定めた傾斜で他方の列の第2直線部22b側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向外方に延出し、第1および第2直線部22a,22bの列間の中央部(第1頂部22e)で略直角に曲げられて第1および第2直線部22a,22bの配列方向に距離dだけ変位し、その後略直角に曲げられて予め定めた傾斜で他方の列の第2直線部22b側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向内方に延出し、他方の列の第2直線部22bの一端に接続されている。
同様に、第2コイルエンド22dは、他方の列の第2直線部22bの他端から予め定めた傾斜で一方の列の第1直線部22a側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向外方に延出し、第1および第2直線部22a,22bの列間の中央部(第2頂部22f)で略直角に曲げられて第1および第2直線部22a,22bの配列方向に距離dだけ変位し、その後略直角に曲げられて予め定めた傾斜で一方の列の第1直線部22a側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向内方に延出し、一方の列の第1直線部22aの他端に接続されている。
このように構成された巻線体22においては、第1および第2直線部22a,22b、および第1および第2コイルエンド22c,22dは、それぞれ、導体線の長方形断面の長辺で構成される平面を相対させ、導体線の長方形断面の短辺方向に、短辺長さの略2倍(2d)のピッチで配列されている。また、第1頂部22eおよび第2頂部22fを介して接続された第1直線部22aと第2直線部22bは、配列方向に距離dだけずれている。また、巻線体22は、一方の列の配列方向の一端に位置する第1直線部22aの他端から長さ方向に延出する巻線端22gと、他方の列の配列方向の他端に位置する第2直線部22bの他端から長さ方向に延出する巻線端22hと、を備える。
巻線アッセンブリ21は、図5に示されるように、巻線体22を1スロットピッチで周方向に配列して構成される。そして、巻線アッセンブリ21は、図3に示されるように、1スロットピッチで周方向に配列された巻線体22のそれぞれを連続する6つのティース12bをまたぐスロット13の対に収納して、電機子鉄心11に装着される。巻線端22gが、それぞれ軸方向に延出して、巻線アッセンブリ21の内径側に1スロットピッチで周方向に配列され、巻線端22hが、それぞれ軸方向に延出して、巻線アッセンブリ21の外径側に1スロットピッチで周方向に配列されている。そして、巻線アッセンブリ21の巻線端22g,22hに後述する予め定めた結線処理が施され、電機子巻線20が構成される。
つぎに、巻線アッセンブリ21の結線方法について図10から図15を参照しつつ説明する。図10はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子を軸方向他端側から見た端面図、図11はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルを構成する小コイル群の結線図、図12はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルを構成する小コイル群を示す斜視図、図13はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの小コイル群の配列状態を示す斜視図、図14はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルの結線図、図15はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルを示す模式図である。なお、図10中、1,7,13・・・、43はスロット13に周方向に順にふったスロット番号である。
まず、図10において、U1−1A,U1−2A・・・U1−8AおよびU1−1B,U1−2B・・・U1−8Bは、スロット番号(1+6n)(但し、nは0を含む自然数)のスロット13の群に装着されたU1相を構成する巻線体22の巻線端であり、U2−1A,U2−2A・・・U2−8AおよびU2−1B,U2−2B・・・U2−8Bはスロット番号(2+6n)のスロット13の群に装着されたU2相を構成する巻線体22の巻線端である。
また、巻線体22がスロット番号(3+6n)のスロット群に装着され、V1相を構成し、巻線体22がスロット番号(4+6n)のスロット群に装着され、V2相を構成する。巻線体22がスロット番号(5+6n)のスロット群に装着され、W1相を構成し、巻線体22がスロット番号(6+6n)のスロット群に装着され、W2相を構成する。ここでは、説明の便宜上、V1−1A,V1−2A,V1−1B,V1−2B(V1相を構成する巻線体22の巻線端)、V2−1A,V2−2A,V2−1B,V2−2B(V2相を構成する巻線体22の巻線端)、W1−1A,W1−2A,W1−1B,W1−2B(W1相を構成する巻線体22の巻線端)、W2−1A,W2−2A,W2−1B,W2−2B(W2相を構成する巻線体22の巻線端)のみを示している。
つぎに、図11に基づいて、U相コイルを構成する第1から第4小コイル群U101,U102,U201,U202の結線方法を説明する。
電気角で360°離れた巻線体22のU1−1BとU1−3A、U1−3BとU1−5A、U1−5BとU1−7Aを接続し、第1小コイル群U101を作製する。同様に、電気角で360°離れた巻線体22のU1−2BとU1−4A、U1−4BとU1−6A、U1−6BとU1−8Aを接続し、第2小コイル群U102を作製する。同様に、電気角で360°離れた巻線体22のU2−1BとU2−3A、U2−3BとU2−5A、U2−5BとU2−7Aを接続し、第3小コイル群U201を作製する。同様に、電気角で360°離れた巻線体22のU2−2BとU2−4A、U2−4BとU2−6A、U2−6BとU2−8Aを接続し、第4小コイル群U202を作製する。
第1小コイル群U101は、図12に示されるように、周方向に電気角で360°離れて配列された4つの巻線体22を、周方向の配列順に直列に接続して構成される。そこで、接続される巻線体22の巻線端22g,22h間の距離が短くなり、巻線端22gを延ばして渡り部として利用し、巻線体22同士を接続することができる。第2から第4小コイル群U102,U201,U202においても、周方向に電気角で360°離れて配列された4つの巻線体22を、周方向の配列順に直列に接続して構成される。第1から第4小コイル群U101,U102,U201,U202は、それぞれ、電機子鉄心11に周方向に約1周(機械角で360°)するように巻装された周回コイルである。図示していないが、V相コイルおよびW相コイルも、同様に、構成される。そして、図13はそれぞれ4つの巻線体22を直列に接続して作製された12個の小コイル群を、互いに電気角でπ/6の位相をずらして、すなわち1スロットピッチで配列した状態を示している。
このように、この実施の形態1では、毎極毎相当たりのスロット数qが2、極数pが8、1つのスロット13に収納されている巻線体22の本数が2、1相当たりの小コイル群の数(2×q)が4であり、各小コイル群を構成する直列接続される巻線体22の数(p/2)が4となる。
つぎに、図14および図15に基づいて、U相コイルを構成する第1から第4小コイル群U101,U102,U201,U202間の結線方法を説明する。なお、V相コイルおよびW相コイルも同様に結線されるので、ここではその説明を省略する。
第1小コイル群U101と第2小コイル群U102がスロット番号(1+6n)のスロット群に収納され、第3小コイル群U201と第4小コイル群U202がスロット番号(2+6n)のスロット群に収納されている。そして、U1−7BとU1−8Bが渡り線71により接続され、第1小コイル群U101と第2小コイル群U102が直列に接続される。U2−7BとU2−8Bが渡り線72により接続され、第3小コイル群U201と第4小コイル群U202が直列に接続される。さらに、U1−2AとU2−1Aが渡り線73により接続され、第1から第4小コイル群U101,U102,U201,U202が直列に接続され、U相コイルが作製される。
つまり、同一スロット群に収納された第1小コイル群U101と第2小コイル群U102は、渡り線71により、電気角でπだけ離れたスロット13に挿入されている巻線体22同士を接続して、連結される。同一スロット群に収納された第3小コイル群U201と第4小コイル群U202は、渡り線72により、電気角でπだけ離れたスロット13に挿入されている巻線体22同士を接続して、連結される。さらに、第1および第2小コイル群U101,U102と第3および第4小コイル群U201,U202は、渡り線73により、電気角で(π+π/6)だけ離れたスロット13に収納されている巻線体22を接続して、連結される。これにより、16本の巻線体22を直列に接続したU相コイルが作製される。
ここで、製造条件の制約により、U1−1AとU1−2Aを渡り線71で接続し、U2−1AとU2−2Aを渡り線72で接続し、U1−8BとU2−7Bを渡り線73で接続して、U相コイルを作製してもよい。
また、渡り線71,72,73は、銅などの導体板で作製され、電機子鉄心11に巻装されて周方向に1スロットピッチで配列された48個の巻線体22の第2コイルエンド22dの軸方向外方に、互いに電気的に絶縁されて、周方向に延在している。
このように作製されたU相コイル、V相コイルおよびW相コイルは、1つのスロット13に2つの小コイル群が収納される多層巻きの巻線構造である。そして、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルをY結線して電機子巻線20が得られる。この電機子巻線20は、全節巻きの分布巻きの三相交流巻線となる。なお、分布巻きの巻線とは、導体線を2スロット以上離れたスロットに巻回して構成された巻線である。つまり、分布巻の巻線は、1のスロットから延出した導体線が連続する2つ以上のティースをまたいで他のスロットに入るように巻回された巻線という。
このように結線された電機子巻線20を用いた回転電機100は、電機子巻線20に予め定めた交流電力を給電することで、8極、48スロットのインナーロータ型の三相モータとして動作する。
なお、巻線体22の第1および第2巻線端22g,22hの溶接部間の絶縁について、何ら記載していないが、例えば溶接部に電気絶縁性樹脂を塗布すればよい。
このように構成された回転電機100では、各相コイルを構成する小コイル群が、それぞれ、周方向に電気角で360°離れて配列された4つの巻線体22を、周方向の配列順に直列に接続して構成されているので、巻線体22間を接続する渡り部の長さを短くできる。そこで、特許文献2に記載の従来の回転電機のようにコイルエンドが軸方向に拡大することがなく、小型化を実現できる。また、巻線体22間を接続する渡り部の長さが短くなるので、電機子巻線20を構成する各相コイルの抵抗が低下し、高効率化が図られる。
また、相コイルが4つの小コイル群を直列に接続して構成されている。このとき、同一スロット群に収納されている2つの小コイル群を連続して接続しているので、スロット13内の導体線間に発生する電位差を小さくできる。その結果、スロット13内の導体線間の絶縁材料、例えば導体線に被覆されている絶縁被膜の厚みを薄くすることができるので、その分導体線の導体部の断面積を大きくして占積率を大きくし、高効率化および放熱性向上が期待できる。
また、小コイル群同士が第2コイルエンド22dの軸方向外側を周方向に延在する渡り線71,72,73により連結されているので、電機子巻線20の大径化が抑えられる。また、渡り線71,72,73を構成する導体板の形状や位置を変更するだけで、小コイル群の結線を変えることができるので、電機子巻線20の設計変更に簡易に対応できる。
なお、この実施の形態1では、スロット13内の導体線間の電位差を最大で相間電圧の48.4%まで抑制できることが確認できた。この電位差は、巻線体22の1ターンに発生する電圧降下を算出し、同じスロット13内に収納される導体線に発生する電位差を全てのスロット13で計算して比較し、最大となる電位差を用いた。
つぎに、電機子10の組み立て方法について図16から図19を参照しつつ説明する。図16から図19はそれぞれこの発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子の組み立て方法を説明する図であり、図16および図17は電機子組み立て前の状態を示し、図18は電機子組み立て後の状態を示し、図19は電機子組立後の状態を拡大して示している。なお、図17から図19は、便宜上、巻線アッセンブリ21は第1および第2直線部22a,22bのみで表されている。
まず、巻線アッセンブリ21は、8本の第1および第2直線部22a,22bの列が略等角ピッチで48列配列されている。
ついで、48個の鉄心ブロック12が、図16および図17に示されるように、ティース12bのそれぞれを、巻線アッセンブリ21の隣り合う第1および第2直線部22a,22bの列間の径方向外方に位置させるように、周方向に略等角ピッチで配列される。ついで、周方向に配列された鉄心ブロック12を、同時に径方向内方に移動させる。これにより、鉄心ブロック12のティース12bのそれぞれが隣り合う第1および第2直線部22a,22bの列間に挿入され、隣り合う鉄心ブロック12の周方向の側面同士が突き合わされて、鉄心ブロック12の径方向内方への移動が阻止され、図18および図19に示されるように、巻線アッセンブリ21が電機子鉄心11に装着される。そして、各スロット13内には、8本の第1および第2直線部22a,22bが、長方形断面の長辺を周方向に向けて、径方向に1列に整列されて並んで収納される。
このように、周方向に配列された鉄心ブロック12を内径側に移動させて、巻線アッセンブリ21に挿入することで、径方向に不揃いに並んでいる第1および第2直線部22a,22bが、隣り合う鉄心ブロック12のティース12bの間隔が狭まる動きにより整列される。さらに、径方向に整列された第1および第2直線部22a,22bの相互間の隙間が、鉄心ブロック12のコアバック部12aの内径側への移動により、縮小されて、なくなる。それにより、スロット13内の導体線の占積率を向上させることができる。また、スロット13内の導体線と鉄心ブロック12とが接しており、通電時に発熱体となる巻線アッセンブリ21から電機子鉄心11への伝熱性能を向上させることができるため、巻線アッセンブリ21の温度上昇を抑制し、電気抵抗の増加を抑制することができる。また、鉄心ブロック12は隣り合うティース12b間の間隔が徐々に狭まるように挿入されるので、電機子巻線20と鉄心ブロック12との接触面での摺動が抑えられ、導体線の絶縁被膜の損傷を防止することができる。
巻線体22が、第1および第2コイルエンド22c、22dを第1および第2頂部22e,22fで径方向に第1および第2直線部22a,22bの径方向寸法に略等しい隙間dだけシフトするように構成されている。そこで、1つの巻線体22を、他の1つの巻線体22に、軸方向の高さ位置を合わせて、他の1つの巻線体22側に周方向に移動させることで、干渉無く組み付けることができ、巻線アッセンブリ21の組立性を向上することができる。
鉄心ブロック12のティース12bを巻線アッセンブリ21の外周側から第1および第2直線部22a,22bの列間に差し込む工程において、先細り状のティース12bを第1および第2直線部22a,22bの列間のそれぞれに外径側から挿入して径方向内方に移動させるので、第1および第2直線部22a,22bが1列に整列化された状態で、電機子10が組み立てられる。
実施の形態2.
図20はこの発明の実施の形態2に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルの結線図、図21はこの発明の実施の形態2に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルを示す模式図、図22はこの発明の実施の形態2に係る回転電機における電機子巻線を示す斜視図である。
実施の形態2では、第1小コイル群U101、第2小コイル群U102、第3小コイル群U201および第4小コイル群U202は、上記実施の形態1と同様に構成されている。そして、図20に示されるように、U1−7BとU2−1Aを渡り線71で接続し、第1小コイル群U101と第3小コイル群U201が直列に連結される。同様に、U1−2AとU2−8Bを渡り線72で接続し、第2小コイル群U102と第4小コイル群U202が直列に連結される。さらに、U1−8BとU2−7Bが渡り線73で接続される。これにより、給電側から見て、第1小コイル群U101、第3小コイル群U201、第2小コイル群U102、第4小コイル群U202の順に接続されたU相コイルが得られる。このU相コイルは、図21に示されるように、同一スロット群に収納されている小コイル群を1つ置きに接続して構成されている。
このように構成されたU相コイルでは、巻線体22の導体線をそのまま渡り線71,72として用いて、第1小コイル群U101と第3小コイル群U201が直列に連結され、第2小コイル群U102と第4小コイル群U202が直列に連結される。
さらに、V相コイルおよびW相コイルが、同様にして、構成される。そして、図22に示されるように、U相コイルのU2−2A、V相コイルのV2−2AおよびW相コイルのW2−2Aが、中性点渡り線74で接続される。これにより、それぞれ、16本の巻線体22が直列に接続されたU相コイル、V相コイルおよびW相コイルをY結線して構成された全節巻きの分布巻きの三相交流巻線からなる電機子巻線20Aが得られる。
この実施の形態2においても、各相コイルを構成する小コイル群(周回コイル)が、それぞれ、周方向に電気角で360°離れて配列された4つの巻線体22を、周方向の配列順に直列に接続して構成されているので、巻線体22間を接続する渡り部の長さを短くでき、小型化を実現できる。
また、相コイルが4つの小コイル群を直列に接続して構成されている。このとき、同一スロット群に収納されている2つの小コイル群を一つ置きに接続しているので、スロット13内の導体線間に発生する電位差を小さくできる。その結果、スロット13内の導体線間の絶縁材料、例えば導体線に被覆されている絶縁被膜の厚みを薄くすることができるので、その分導体線の導体部の断面積を大きくして占積率を大きくし、高効率化および放熱性向上が期待できる。
なお、この実施の形態2では、スロット13内の導体線間の電位差を最大で相間電圧の73.4%まで抑制できることが確認できた。この電位差は、巻線体22の1ターンに発生する電圧降下を算出し、同じスロット13内に収納される導体線に発生する電位差を全てのスロット13で計算して比較し、最大となる電位差を用いた。
また、中性点渡り線74は、銅などの導体板で作製され、電機子鉄心11に巻装されて周方向に1スロットピッチで配列された48個の巻線体22の第2コイルエンド22dの軸方向外方に、渡り線71,72,73と電気的に絶縁されて、周方向に延在している。
実施の形態3.
図23はこの発明の実施の形態3に係る回転電機における電機子巻線のW相コイルの結線図、図24はこの発明の実施の形態3に係る回転電機における電機子巻線を示す斜視図である。
この実施の形態3では、図23に示されるように、電気角で360°離れた巻線体22のW1−1BとW1−3A、W1−3BとW1−5A、W1−5BとW1−7Aを接続し、第1小コイル群W101を作製する。同様に、電気角で360°離れた巻線体22のW1−8BとW1−2A、W1−2BとW1−4A、W1−4BとW1−6Aを接続し、第2小コイル群W102を作製する。同様に、電気角で360°離れた巻線体22のW2−1BとW2−3A、W2−3BとW2−5A、W2−5BとW2−7Aを接続し、第3小コイル群W201を作製する。同様に、電気角で360°離れた巻線体22のW2−8BとW2−2A、W2−2BとW2−4A、W2−4BとW2−6Aを接続し、第4小コイル群W202を作製する。
ついで、W1−7BとW2−1Aを渡り線71で接続し、第1小コイル群W101と第3小コイル群W201が直列に連結される。同様に、W1−8AとW2−6Bを渡り線72で接続し、第2小コイル群W102と第4小コイル群W202が直列に連結される。さらに、W1−6BとW2−7Bが渡り線73で接続される。これにより、給電側から見て、第1小コイル群W101、第3小コイル群W201、第2小コイル群W102、第4小コイル群W202の順に接続されたW相コイルが得られる。このW相コイルは、同一スロット群に収納されている小コイル群を1つ離して接続して構成されている。
このように構成されたW相コイルでは、巻線体22の導体線をそのまま渡り線71,72として用いて、第1小コイル群W101と第3小コイル群W201が直列に連結され、第2小コイル群W102と第4小コイル群W202が直列に連結される。
また、V相コイルは、上述のW相コイルと同様に構成されている。一方、U相コイルは、上記実施の形態2と同様に構成される。そして、図24に示されるように、U相コイルのU2−2A、V相コイルのV2−8AおよびW相コイルのW2−8Aが、中性点渡り線74で接続される。これにより、それぞれ、16本の巻線体22が直列に接続されたU相コイル、V相コイルおよびW相コイルをY結線して構成された全節巻きの分布巻きの三相交流巻線からなる電機子巻線20Bが得られる。
このように結線された電機子巻線20Bを用いた回転電機では、小コイル群(周回コイル)の端末が周方向に関して集約され、一層の小型化を実現できる。
また、この実施の形態3においても、各相コイルを構成する小コイル群が、それぞれ、周方向に電気角で360°離れて配列された4つの巻線体22を、周方向の配列順に直列に接続して構成されているので、巻線体22間を接続する渡り部の長さを短くでき、小型化を実現できる。
また、相コイルが4つの小コイル群を直列に接続して構成されている。このとき、同一スロット群に収納されている2つの小コイル群を一つ置きに接続しているので、スロット13内の導体線間に発生する電位差を小さくできる。その結果、スロット13内の導体線間の絶縁材料、例えば導体線に被覆されている絶縁被膜の厚みを薄くすることができるので、その分導体線の導体部の断面積を大きくして占積率を大きくし、高効率化および放熱性向上が期待できる。
実施の形態4.
図25はこの発明の実施の形態4に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルの結線図、図26はこの発明の実施の形態4に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルを示す模式図である。
この実施の形態4では、第1小コイル群U101、第2小コイル群U102、第3小コイル群U201および第4小コイル群U202は、上記実施の形態1と同様に構成されている。そして、電気角で(π−π/6)だけ離れたスロット13に挿入されている巻線体22のU1−7BとU2−1Aを渡り線71で接続し、第1小コイル群U101と第3小コイル群U201が直列に連結される。同様に、電気角で(π/6)だけ離れたスロット13に挿入されている巻線体22のU1−2AとU2−2Aを渡り線72で接続し、第2小コイル群U102と第4小コイル群U202が直列に連結される。
さらに、U1−1AとU1−8Bが渡り線73で接続され、U2−7BとU2−8Bが渡り線73で接続される。これにより、8本の巻線体22が直列に接続された2つのサブコイルを並列に接続してなるU相コイルが作製される。このU相コイルの並列接続された各サブコイルにおいて、同一スロット群に収納されている2つの小コイル群が、給電側から見て、同じ順番の位置に接続されている。つまり、同一スロット群に収納されている第1小コイル群U101と第2小コイル群U102は、並列接続された各サブコイルの給電側から1番目の位置にくるように接続されている。同様に、同一スロット群に収納されている第3小コイル群U201と第4小コイル群U202は、並列接続された各サブコイルの給電側から2番目の位置にくるように接続されている。
また、V相コイルおよびW相コイルは、U相コイルと同様に構成される。そして、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルがY結線されて、全節巻きの分布巻きの三相交流巻線からなる電機子巻線が得られる。
この実施の形態4においても、各相コイルを構成する小コイル群(周回コイル)が、それぞれ、周方向に電気角で360°離れて配列された4つの巻線体22を、周方向の配列順に直列に接続して構成されているので、巻線体22間を接続する渡り部の長さを短くでき、小型化を実現できる。
また、相コイルが一方のスロット群に収納されている1つの小コイル群と他方のスロット群に収納されている1つの小コイル群とを直列に接続して作製された2本のサブコイルを並列に接続して構成されている。このとき、並列接続された各サブコイルにおいて、同一スロット群に収納されている2つの小コイル群が給電側からみて同じ順番の位置にくるように接続されているので、スロット13内の導体線間に発生する電位差を小さくできる。その結果、スロット13内の導体線間の絶縁材料、例えば導体線に被覆されている絶縁被膜の厚みを薄くすることができるので、その分導体線の導体部の断面積を大きくして占積率を大きくし、高効率化および放熱性向上が期待できる。
なお、この実施の形態4では、スロット13内の導体線間の電位差を最大で相間電圧の46.9%まで抑制できることが確認できた。この電位差は、巻線体22の1ターンに発生する電圧降下を算出し、同じスロット13内に収納される導体線に発生する電位差を全てのスロット13で計算して比較し、最大となる電位差を用いた。
実施の形態5.
図27はこの発明の実施の形態5に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルを示す模式図である。
この実施の形態5では、毎極毎相当たりのスロット数qを3とし、極数pを8とし、スロット数sを72とし、1つのスロット13に収納されている巻線体22の本数を2とした。そこで、1相当たりの小コイル群の数(2×q)が6となり、各小コイル群を構成する直列接続される巻線体22の数(p/2)が4となる。巻線体22は、導体線を周方向に連続する9個のティースの両側に位置するスロットの対、すなわち1磁極ピッチ離れたスロットの対に巻回して構成される。
第1小コイル群U101および第2小コイル群U102は、それぞれ、同一スロット群に収納されている4つの巻線体22を直列に接続して構成され、電機子鉄心に周方向に約1周(機械角で360°)するように巻装された周回コイルである。第3小コイル群U201および第4小コイル群U202は、それぞれ、第1小コイル群U101および第2小コイル群U102が収納されているスロット群の周方向一側に隣接するスロット群に収納されている4つの巻線体22を直列に接続して構成され、電機子鉄心に周方向に約1周(機械角で360°)するように巻装された周回コイルである。第5小コイル群U301および第6小コイル群U302は、それぞれ、第3小コイル群U201および第4小コイル群U202が収納されているスロット群の周方向一側に隣接するスロット群に収納されている4つの巻線体22を直列に接続して構成され、電機子鉄心に周方向に約1周(機械角で360°)するように巻装された周回コイルである。
そして、電気角で互いに(π+π/9)ずれたスロット13に収納されている第1小コイル群U101と第3小コイル群U201と第5小コイル群U301が直列に連結される。同様に、電気角で(π+π/9)ずれたスロット13に収納されている第2小コイル群U102と第4小コイル群U202と第6小コイル群U302が直列に連結される。
さらに、第1小コイル群U101と第3小コイル群U201と第5小コイル群U301を直列に接続したサブコイルと、第2小コイル群U102と第4小コイル群U202と第6小コイル群U302を直列に接続したサブコイルとが、並列に接続される。これにより、12本の巻線体22が直列に接続された2つのサブコイルを並列に接続してなるU相コイルが作製される。このU相コイルの並列接続された各サブコイルにおいて、同一スロット群に収納されている2つの小コイル群が、給電側から見て、同じ順番の位置に接続されている。つまり、同一スロット群に収納されている第1小コイル群U101と第2小コイル群U102は、並列接続された各サブコイルの給電側から1番目の位置にくるように接続されている。また、同一スロット群に収納されている第3小コイル群U201と第4小コイル群U202は、並列接続された各サブコイルの給電側から3番目の位置にくるように接続されている。また、同一スロット群に収納されている第5小コイル群U301と第6小コイル群U302は、並列接続された各サブコイルの給電側から2番目の位置にくるように接続されている。
また、V相コイルおよびW相コイルは、U相コイルと同様に構成される。そして、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルがY結線されて、全節巻きの分布巻きの三相交流巻線からなる電機子巻線が得られる。
この実施の形態5においても、各相コイルを構成する小コイル群(周回コイル)が、それぞれ、周方向に電気角で360°離れて配列された4つの巻線体22を、周方向の配列順に直列に接続して構成されているので、巻線体22間を接続する渡り部の長さを短くでき、小型化を実現できる。
また、相コイルが各スロット群に収納されている1つずつの小コイル群を直列に接続して作製された2本のサブコイルを並列に接続して構成されている。このとき、並列接続された各サブコイルにおいて、同一スロット群に収納されている2つの小コイル群が給電側からみて同じ順番の位置にくるように接続されているので、スロット13内の導体線間に発生する電位差を小さくできる。その結果、スロット13内の導体線間の絶縁材料、例えば導体線に被覆されている絶縁被膜の厚みを薄くすることができるので、その分導体線の導体部の断面積を大きくして占積率を大きくし、高効率化および放熱性向上が期待できる。
なお、この実施の形態5では、スロット13内の導体線間の電位差を最大で相間電圧の46.9%まで抑制できることが確認できた。この電位差は、巻線体22の1ターンに発生する電圧降下を算出し、同じスロット13内に収納される導体線に発生する電位差を全てのスロット13で計算して比較し、最大となる電位差を用いた。
なお、上記実施の形態1から実施の形態5では、巻線体22が接続部のない連続した導体線を螺旋状に巻回して構成されているのとしているが、巻線体は、例えば短尺の導体を連結して作製された導体線を螺旋状に巻回して構成されてもよい。
実施の形態6.
図28はこの発明の実施の形態6に係る回転電機を示す片側断面図、図29はこの発明の実施の形態6に係る回転電機の要部を示す斜視図、図30はこの発明の実施の形態6に係る回転電機に適用される電機子を示す斜視図、図31はこの発明の実施の形態6に係る回転電機に適用される電機子鉄心を構成する鉄心ブロックを示す斜視図、図32はこの発明の実施の形態6に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を示す斜視図、図33はこの発明の実施の形態6に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を示す平面図、図34はこの発明の実施の形態6に係る回転電機における電機子巻線を構成する巻線体をスロットに収納した状態を説明する模式図、図35はこの発明の実施の形態6に係る回転電機に適用される電機子の電機子巻線を構成する巻線アッセンブリを示す斜視図、図36はこの発明の実施の形態6に係る回転電機における電機子の組み立て方法を説明する図、図37はこの発明の実施の形態6に係る回転電機における電機子の組み立て方法を説明する図である。なお、図34中、1,2,6,7,8、12,13はスロット33に周方向に順にふったスロット番号である。
図28および図29において、回転電機101は、有底円筒状のフレーム2およびフレーム2の開口を塞口する端板3を有するハウジング1と、フレーム2の円筒部に内嵌状態に固着された電機子10Aと、フレーム2の底部および端板3にベアリング4を介して回転可能に支持された回転軸6に固着されて、電機子10Aの内周側に回転可能に配設された回転子5と、を備えている。なお、回転電機101は、電機子10に替えて電機子10Aを用いている点を除いて、上記実施の形態1における回転電機100と同様に構成されている。
つぎに、電機子10Aの構成について具体的に図30から図35を参照しつつ説明する。
電機子10Aは、図30に示されるように、電機子鉄心30と、電機子鉄心30に装着された電機子巻線40と、を備えている。ここで、説明の便宜上、極数pを10、電機子鉄心30のスロット数sを60個、電機子巻線40を三相巻線とする。すなわち、毎極毎相当たりのスロット数qは2である。
鉄心ブロック31は、円環状の電機子鉄心30を周方向に30等分割したもので、図31に示されるように、予め定めた枚数の電磁鋼板を積層一体化して作製され、断面円弧形のコアバック部31aと、コアバック部31aの内周壁面から径方向内方に延設されたティース31bと、を備えている。そして、電機子鉄心30は、ティース31bを径方向内方に向けて、コアバック部31aの周方向の側面同士を突き合わせて、30個の鉄心ブロック31を周方向に配列、一体化して、円環状に構成されている。周方向に隣り合うティース31bの間に形成されるスロット33が、内周側に開口するように、周方向に等角ピッチで配列されている。ティース31bは周方向幅が径方向内方に向って漸次狭くなる先細り形状に形成されており、スロット33の電機子鉄心30の軸心に垂直な断面は長方形となっている。
巻線体42は、図32および図33に示されるように、例えば、エナメル樹脂で絶縁被覆された、かつ接続部のない連続した銅線やアルミニウム線などからなる直径dの円形断面の導体線39を、後述するδの字状のコイルパターンに巻回して作製される。なお、巻線体22は、円形断面の導体線39に替えて長方形断面の導体線を用いてもよい。
巻線体42は、導体線39を、第1直線部42a、第1コイルエンド部42e、第2直線部42b、第2コイルエンド部42f、第3直線部42c、第3コイルエンド部42gおよび第4直線部42dからなるδ状のコイルパターンに巻いて作製される。この巻線体42は、図34に示されるように、互いに6スロット角度間隔(1磁極ピッチ)離れた3つのスロット33に挿入される。つまり、第1直線部42aを1番のスロット33に挿入し、第2および第4直線部42b、42dを7番のスロット33に挿入し、第3直線部42cを13番のスロット33に挿入して、巻線体42が電機子鉄心30に装着されている。
第1、第2および第3コイルエンド部42e,42f,42gは、それぞれ、径方向にdだけ変位するクランク部を備えている。これにより、第1、第2、第3および第4直線部42a,42b,42c,42dは、スロット33内の径方向位置を外径側から内径側に変えながら、互いに6スロット角度間隔(1磁極ピッチ)離れた3つのスロット33に挿入される。そして、1番のスロット33内の最外径位置に挿入された第1直線部42aから電機子鉄心30の一端側に延び出る導体線39の巻き始めが巻線端42hとなり、7番のスロット33内の最内径位置に挿入された第4直線部42dから電機子鉄心30の一端側に延び出る導体線39の巻き終わりが巻線端42iとなる。これらの巻線端42h,42iは、他の巻線体42、給電部、中性点などに接続される。
このように構成された巻線体42を1スロットピッチで周方向に60個配列して、図35に示されるように、巻線アッセンブリ41が構成される。このように構成された巻線アッセンブリ41は、4本の第1、第2、第3および第4直線部42a,42b,42c,42dの列が略等角ピッチで周方向に60列配列されている。
電機子10Aを組み立てるには、まず、30個の鉄心ブロック31が、図36に示されるように、ティース31bのそれぞれを、巻線アッセンブリ41の隣り合う第1、第2、第3および第4直線部42a,42b,42c,42dの列間の径方向外方に位置させるように、周方向に略等角ピッチで配列される。ついで、周方向に配列された鉄心ブロック31を、同時に径方向内方に移動させる。これにより、鉄心ブロック31のティース31bのそれぞれが隣り合う第1、第2、第3および第4直線部42a,42b,42c,42dの列間に挿入される。
そして、隣り合う鉄心ブロック31の周方向の側面同士が突き合わされて、鉄心ブロック31の径方向内方への移動が阻止され、図37に示されるように、巻線アッセンブリ41が電機子鉄心30に装着される。そして、各スロット33内には、4本の第1、第2、第3および第4直線部42a,42b,42c,42dが、径方向に1列に並んで収納される。そして、巻線アッセンブリ41の巻線端42h,42iに後述する予め定めた結線処理が施され、電機子巻線40が構成される。これにより、電機子10Aが作製される。
つぎに、電機子巻線40の結線方法について図38から図41を参照しつつ説明する。図38はこの発明の実施の形態6に係る回転電機における電機子を軸方向他端側から見た端面図、図39はこの発明の実施の形態6に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルの結線図、図40はこの発明の実施の形態6に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルを示す模式図、図41はこの発明の実施の形態6に係る回転電機における電機子巻線の給電部周りを示す要部斜視図である。なお、図38中、1,7,13・・・、55はスロット33に周方向に順にふったスロット番号である。
まず、図38において、U1−1a,U1−2a・・・U1−10aおよびU1−1b,U1−2b・・・U1−10bは、スロット番号(1+6n)(但し、nは0を含む自然数)のスロット33の群に装着されたU1相を構成する巻線体42の巻線端42h,42iであり、U2−1a,U2−2a・・・U2−10aおよびU2−1b,U2−2b・・・U2−10bはスロット番号(2+6n)のスロット13の群に装着されたU2相を構成する巻線体42の巻線端42h,42iである。
また、巻線体42がスロット番号(3+6n)のスロット群に装着され、V1相を構成し、巻線体42がスロット番号(4+6n)のスロット群に装着され、V2相を構成する。巻線体42がスロット番号(5+6n)のスロット群に装着され、W1相を構成し、巻線体42がスロット番号(6+6n)のスロット群に装着され、W2相を構成する。ここでは、説明の便宜上、V1−1a,V1−1b(V1相を構成する巻線体42の巻線端)、V2−1a,V2−1b(V2相を構成する巻線体42の巻線端)、W1−1a,W1−1b(W1相を構成する巻線体42の巻線端)、W2−1a,W2−1b(W2相を構成する巻線体42の巻線端)のみを示している。
つぎに、図39に基づいて、U相コイルを構成する第1から第4小コイル群U101,U102,U201,U202の結線方法を説明する。なお、V相コイル、W相コイルもU相コイルと同様に結線されるので、ここではその説明を省略する。
電気角で360°離れた巻線体42のU1−1bとU1−3a、U1−3bとU1−5a、U1−5bとU1−7a、U1−7bとU1−9aを溶接などにより接続し、第1小コイル群U101を作製する。同様に、電気角で360°離れた巻線体42のU1−2bとU1−4a、U1−4bとU1−6a、U1−6bとU1−8a、U1−8bとU1−10aを溶接などにより接続し、第2小コイル群U102を作製する。さらに、渡り線U71を用いて、電気角でπだけ離れたスロット33に挿入されている巻線体42のU1−9b,U1−10bを接続して、第1小コイル群101と第2小コイル群102を直列に接続して構成されたU1相コイルを作製する。
同様に、電気角で360°離れた巻線体42のU2−1bとU2−3a、U2−3bとU2−5a、U2−5bとU2−7a、U2−7bとU2−9aを溶接などにより接続し、第3小コイル群U201を作製する。同様に、電気角で360°離れた巻線体42のU2−2bとU2−4a、U2−4bとU2−6a、U2−6bとU2−8a、U2−8bとU2−10aを溶接などにより接続し、第4小コイル群U202を作製する。さらに、渡り線U72を用いて、電気角でπだけ離れたスロット33に挿入されている巻線体42のU2−1a,U2−2aを接続して、第3小コイル群201と第4小コイル群202を直列に接続して構成されたU2相コイルを作製する。
このように構成された第1、第2、第3および第4小コイル群U101,U102,U201,U202は、それぞれ、電機子鉄心30に周方向に約1周(機械角で360°)するように巻装された周回コイルである。
U2相コイルのU2−10bを延ばして、電気角で(π−π/6)だけ離れたスロット33に挿入されている巻線体42のU1−2aに接続し、U1相コイルとU2相コイルを直列に接続して構成されたU相コイルを作製する。そして、U相コイルの端末となるU1−1aを給電部とし、U相コイルの端末となるU2−9bを中性点とすることで、図40に示されるように、給電部から中性点に向かって、第1小コイル群101、第2小コイル群102、第3小コイル群201、第4小コイル群202の順番で直列に接続されたU相コイルが得られる。
なお、図40において、U1−1,U1−2・・・U1−10は、スロット番号(1+6n)のスロット群に装着された巻線体42であり、U1−1は巻線端42hが1番のスロット33に挿入されている巻線体42に対応し、U1−2は巻線端42hが7番のスロット33に挿入されている巻線体42に対応し、U1−10は巻線端42hが55番のスロット33に挿入されている巻線体42に対応する。U2−1,U2−2・・・U2−10は、スロット番号(2+6n)のスロット群に装着された巻線体42であり、U2−1は巻線端42hが2番のスロット33に挿入されている巻線体42に対応し、U2−2は巻線端42hが8番のスロット33に挿入されている巻線体42に対応し、U2−10は巻線端42hが56番のスロット33に挿入されている巻線体42に対応する。
このように結線された電機子巻線40では、図41に示されるように、渡り線U71,V71,W71が、互いに電気的に絶縁されて、コイルエンドの内周側を周方向に延びるように配設されている。渡り線U72,V72,W72が、互いに電気的に絶縁されて、コイルエンドの外周側を周方向に延びるように配設されている。また、U2−10bを構成する導体線を延ばして、U1−2aに接続しているが、渡り線を用いてU1−2a、U2−10bを接続してもよい。
ここで、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルは、1つのスロット33に3つの小コイル群が収納される多層巻きの巻線構造である。そして、図41に示されるように、U2−9b,V2−9b,W2−9bが中性点渡り線74により接続され、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルをY結線してなる電機子巻線40が得られる。電機子巻線40は、全節巻きの分布巻きの三相交流巻線となる。そこで、回転電機100Aは、10極、60スロットのインナーロータ型の三相モータとなる。なお、回転電機100Aでは、毎極毎相当たりのスロット数qが2、極数pが10、1つのスロット33に収納されている巻線体42の本数が3、1相当たりの小コイル群の数(2×q)が4であり、各小コイル群を構成する直列接続される巻線体42の数(p/2)が5となる。
この実施の形態6においては、各相コイルを構成する小コイル群が、それぞれ、周方向に電気角で360°離れて配列された5つの巻線体42を、周方向の配列順に直列に接続して構成されるので、巻線体42間を接続する渡り部の長さを短くできる。そこで、電機子巻線40のコイルエンドが軸方向に拡大することがなく、小型化を実現できる。また、巻線体42間を接続する渡り部の長さが短くなるので、電機子巻線40を構成する各相コイルの抵抗が低下し、高効率化が図られる。
また、相コイルが4つの小コイル群を直列に接続して構成されている。このとき、同一スロット群に収納されている2つの小コイル群を連続して接続しているので、スロット33内の導体線間に発生する電位差を小さくできる。つまり、図40に矢印で示されるように、巻線体U1−1,U1−2が同じスロット33に挿入され、巻線体U2−10,U2−9が同じスロット33に挿入され、スロット33内の導体線間に発生する電位差が最大となるが、当該電位差は相電圧の約半分に抑えられている。
また、小コイル群同士が渡り線U71,U72,V71,V72,W71,W72により連結されているので、渡り線U71,U72,V71,V72,W71,W72を構成する導体板の形状や位置を変更するだけで、小コイル群の結線を変えることができるので、電機子巻線40の設計変更に簡易に対応できる。
実施の形態7.
図42はこの発明の実施の形態7に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルの結線図、図43はこの発明の実施の形態7に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルを示す模式図である。
図42および図43において、電気角で360°離れた巻線体42のU1−1bとU1−3a、U1−3bとU1−5a、U1−5bとU1−7a、U1−7bとU1−9aを溶接などにより接続し、第1小コイル群U101を作製する。同様に、電気角で360°離れた巻線体42のU1−6bとU1−8a、U1−8bとU1−10a、U1−10bとU1−2a、U1−2bとU1−4aを溶接などにより接続し、第2小コイル群U102を作製する。さらに、渡り線U71を用いて、電気角で5πだけ離れたスロット33に挿入されている巻線体のU1−9b,U1−4bを接続して、第1小コイル群101と第2小コイル群102を直列に接続して構成されたU1相コイルを作製する。
同様に、電気角で360°離れた巻線体42のU2−1bとU2−3a、U2−3bとU2−5a、U2−5bとU2−7a、U2−7bとU2−9aを溶接などにより接続し、第3小コイル群U201を作製する。同様に、電気角で360°離れた巻線体42のU2−6bとU2−8a、U2−8bとU2−10a、U2−10bとU2−2a、U2−2bとU2−4aを溶接などにより接続し、第4小コイル群U202を作製する。さらに、渡り線U72を用いて、電気角で5πだけ離れたスロット33に挿入されている巻線体のU2−6a,U2−1aを接続して、第3小コイル群201と第4小コイル群202を直列に接続して構成されたU2相コイルを作製する。
このように構成された第1、第2、第3および第4小コイル群U101,U102,U201,U202は、それぞれ、電機子鉄心30に周方向に約1周(機械角で360°)するように巻装された周回コイルである。
U2相コイルのU2−4bを延ばして、電気角で(2π−π/6)だけ離れたスロット33に挿入されている巻線体42のU1−6aに接続し、U1相コイルとU2相コイルを直列に接続して構成されたU相コイルを作製する。そして、U相コイルの端末となるU1−1aを給電部とし、U相コイルの端末となるU2−9bを中性点とすることで、図43に示されるように、給電部から中性点に向かって、第1小コイル群101、第2小コイル群102、第4小コイル群202、第3小コイル群201の順番で直列に接続されたU相コイルが得られる。
また、V相コイル、W相コイルも、U相コイルと同様に作製されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態6と同様に構成されている。
この実施の形態7では、各相コイルを構成する小コイル群が、それぞれ、周方向に電気角で360°離れて配列された5つの巻線体42を、周方向の配列順に直列に接続して構成される。また、相コイルが4つの小コイル群を直列に接続して構成され、同一スロット群に収納されている2つの小コイル群が連続して接続されている。さらに、小コイル群同士が渡り線により連結されている。したがって、この実施の形態7においても、上記実施の形態6と同様の効果が得られる。
この実施の形態7では、第2小コイル群U102が5つの巻線体をU1−4,U1−2,U1−10,U1−8,U1−6の順に直列に接続して構成され、第4小コイル群U202が5つの巻線体をU2−4,U2−2,U2−10,U2−8,U2−6の順に直列に接続して構成されている。そこで、図43に矢印で示されるように、巻線体U1−1,U1−10、および巻線体U2−10,U2−9が同じスロット33に挿入され、スロット33内の導体線間に発生する電位差が最大となるが、当該電位差は、上記実施の形態6における最大電位差より小さくなる。
このように、小コイル群を構成する巻線体の接続順を変えることで、スロット33内の導体線間に発生する最大電位差を小さく抑えることができる。このとき、小コイル群間の結線に渡り線を用いているので、小コイル群間の結線距離が長くなっても、簡易に結線できる。
実施の形態8.
図44はこの発明の実施の形態8に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルの結線図、図45はこの発明の実施の形態8に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルを示す模式図である。
図44および図45において、電気角で360°離れた巻線体42のU1−1bとU1−3a、U1−3bとU1−5a、U1−5bとU1−7a、U1−7bとU1−9aを溶接などにより接続し、第1小コイル群U101を作製する。同様に、電気角で360°離れた巻線体42のU1−2bとU1−4a、U1−4bとU1−6a、U1−6bとU1−8a、U1−8bとU1−10aを溶接などにより接続し、第2小コイル群U102を作製する。
同様に、電気角で360°離れた巻線体42のU2−2bとU2−4a、U2−4bとU2−6a、U2−6bとU2−8a、U2−8bとU2−10aを溶接などにより接続し、第3小コイル群U201を作製する。同様に、電気角で360°離れた巻線体42のU2−1bとU2−3a、U2−3bとU2−5a、U2−5bとU2−7a、U2−7bとU2−9aを溶接などにより接続し、第4小コイル群U202を作製する。
このように構成された第1、第2、第3および第4小コイル群U101,U102,U201,U202は、それぞれ、電機子鉄心30に周方向に約1周(機械角で360°)するように巻装された周回コイルである。
渡り線U71を用いて、電気角で(π+π/6)だけ離れたスロット33に挿入されている巻線体42のU1−9b,U2−1aを接続して、第1小コイル群101と第4小コイル群202を直列に接続して構成されたサブコイルを作製する。また、渡り線U72を用いて、電気角で(π−π/6)だけ離れたスロット33に挿入されている巻線体42のU1−2a,U2−10bを接続して、第2小コイル群102と第3小コイル群201を直列に接続して構成されたサブコイルを作製する。
さらに、U1−1aとU1−10bが渡り線U73により接続され、U2−2aとU1−9bが渡り線U73により接続される。これにより、10個の巻線体42が直列に接続された2つのサブコイルを並列に接続してなるU相コイルが作製される。そして、U1−1aとU1−10bの接続部が給電部となり、U2−2aとU1−9bの接続部が中性点となる。
このU相コイルの並列接続された各サブコイルにおいて、同一スロット群に収納されている2つの小コイル群が、給電側から見て、同じ順番の位置に接続されている。つまり、同一スロット群に収納されている第1小コイル群101と第2小コイル群102は、それぞれ、各サブコイルの給電部側から1番目に位置するように接続されている。また、同一スロット群に収納されている第3小コイル群201と第4小コイル群202は、それぞれ、各サブコイルの給電部側から2番目に位置するように接続されている。
また、V相コイル、W相コイルも、U相コイルと同様に構成されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態6と同様に構成されている。
この実施の形態8においても、各相コイルを構成する小コイル群が、それぞれ、周方向に電気角で360°離れて配列された5つの巻線体42を、周方向の配列順に直列に接続して構成されているので、巻線体42間を接続する渡り部の長さを短くでき、小型化を実現できる。
また、相コイルが各スロット群に収納されている1つずつの小コイル群を直列に接続して作製された2本のサブコイルを並列に接続して構成されている。このとき、並列接続された各サブコイルにおいて、同一スロット群に収納されている2つの小コイル群が給電側からみて同じ順番の位置にくるように接続されているので、スロット33内の導体線間に発生する電位差を小さくできる。
なお、上記実施の形態6から8では、巻線体が導体線をδ状のコイルパターンに巻いて作製されているが、巻線体は導体線をδ状のコイルパターンに連続して複数回巻いて作製されてもよい。
実施の形態9.
図46はこの発明の実施の形態9に係る回転電機に適用される電機子を示す斜視図、図47はこの発明の実施の形態9に係る回転電機に適用される電機子巻線を構成する巻線体を示す斜視図、図48はこの発明の実施の形態9に係る回転電機における電機子巻線の結線部を示す平面図、図49はこの発明の実施の形態9に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルの結線図、図50はこの発明の実施の形態9に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルを示す模式図である。
図46において、電機子10Bは、電機子鉄心30と、電機子鉄心30に装着された電機子巻線50と、を備えている。ここで、説明の便宜上、極数pを10、電機子鉄心30のスロット数sを60個、電機子巻線50を三相巻線とする。すなわち、毎極毎相当たりのスロット数qは2である。
周回コイル52は、図47に示されるように、例えば、エナメル樹脂で絶縁被覆された、かつ接続部のない連続した銅線やアルミニウム線などからなる直径dの円形断面の導体線39を電機子鉄心30に波巻きに約1周巻回して作製される。なお、周回コイル52は、円形断面の導体線39に替えて長方形断面の導体線を用いてもよい。
周回コイル52は、周方向に6スロット角度間隔(1磁極ピッチ)で10本配列された直線部52aと、隣り合う直線部52aの長さ方向の一端部同士と他端部同士を周方向に交互に連結するコイルエンド部52bと、を備えている。コイルエンド部52bは、それぞれ、径方向にdだけ変位するクランク部を備えている。これにより、10本の直線部52aは、径方向位置を内径側と外径側に交互に変えて周方向に配列されている。周回コイル52の巻き初めが始端52cであり、巻き終わりが終端52dとなる。
そして、この周回コイル52を周方向に1スロットピッチで12本配列して作製された周回コイル群を、径方向に2層に配列して、巻線アッセンブリ51が作製される。このように作製された巻線アッセンブリ51は、径方向に1列に並んだ4本の直線部52aの列が、周方向に1スロットピッチで60列配列されている。
電機子10Bを組み立てるには、30個の鉄心ブロック31が、ティース31bのそれぞれを、巻線アッセンブリ51の隣り合う直線部52aの列間の径方向外方に位置させるように、周方向に略等角ピッチで配列される。ついで、周方向に配列された鉄心ブロック31を、同時に径方向内方に移動させる。これにより、鉄心ブロック31のティース31bのそれぞれが隣り合う直線部52aの列間に挿入される。そして、隣り合う鉄心ブロック31の周方向の側面同士が突き合わされて、鉄心ブロック31の径方向内方への移動が阻止され、巻線アッセンブリ51が電機子鉄心30に装着される。そして、巻線アッセンブリ51を構成する周回コイル52の始端52cおよび終端52dに後述する結線処理が施され、電機子巻線50が構成される。これにより、電機子10Bが作製される。
つぎに、巻線アッセンブリ51の結線方法を図48および図49を参照しつつ説明する。巻線アッセンブリ51は、24本の周回コイル52を編み込んで作製される。24本の周回コイル52の端部である48本の始端52cおよび終端52dが、図48に示されるように、周方向の2磁極ピッチの範囲に集約される。
ここで、結線方法を説明するために、各周回コイル52の始端52cおよび終端52dを便宜的に5つの文字列で表す。文字列の1番目の数字は、始端52cおよび終端52dに繋がる直線部52aのスロット33内での径方向位置を示す。つまり、始端52cおよび終端52dに繋がる直線部52aがスロット33内の外径側から1番目および2番目に収納されている場合を「1」とし、スロット33内の外径側から3番目および4番目に収納されている場合を「2」とする。文字列の2番目の文字は、周回コイル52が属する相を示す。文字列の3番目の数字は、周回コイル52が収納されるスロット群を示し、第1スロット群を「1」とし、第2スロット群を「2」とする。文字列の4番目の数字は、3番目までの文字列が同じ周回コイル52の群の中で、給電側に繋がる周回コイル52の始端52cおよび終端52dを「1」とし、反給電側に繋がる周回コイル52の始端52cおよび終端52dを「2」とする。文字列の5番目の文字は、周回コイル52の始端52cを「a」とし、終端52dを「b」とする。
まず、1U11bと2U11aを溶接などにより接続し、2本の周回コイル52を直列に接続した2ターンの第1小コイル群U101を作製し、2U12aと1U12bを溶接などにより接続し、2本の周回コイル52を直列に接続した2ターンの第2小コイル群U102を作製する。ついで、渡り線U71を用いて、2U11bと2U12bを接続し、第1および第2小コイル群U101,U102を直列に接続した構成されたU1相コイルを作製する。
ついで、2U22aと1U22bを溶接などにより接続し、2本の周回コイル52を直列に接続した2ターンの第3小コイル群U201を作製し、1U21bと2U21aを溶接などにより接続し、2本の周回コイル52を直列に接続した2ターンの第4小コイル群U202を作製する。ついで、渡り線U72を用いて、1U22aと1U21aを接続し、第3および第4小コイル群U201,U202を直列に接続した構成されたU2相コイルを作製する。
ついで、1U12aと2U22bを接続し、U1相コイルとU2相コイルを直列に接続して構成されたU相コイルを作製する。そして、U相コイルの端末となる1U11aを給電部とし、U相コイルの端末となる2U21bを中性点とすることで、図50に示されるように、給電部から中性点に向かって、第1小コイル群101、第2小コイル群102、第3小コイル群201、第4小コイル群202の順番で直列に接続されたU相コイルが得られる。
また、V相コイルおよびW相コイルは、U相コイルと同様に構成される。そして、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルがY結線されて、全節巻きの分布巻きの三相交流巻線からなる電機子巻線50が得られる。
この実施の形態9においても、相コイルが4つの第1から第4小コイル群U101,U102,U201,U202を直列に接続して構成され、同一スロット群に収納されている小コイル群を連続して接続しているので、スロット33内の導体線間に発生する電位差を相電圧の約半分に抑えることができる。
この実施の形態9では、同一スロット群に収納されている小コイル群を連続して接続しているが、同一スロット群に収納されている小コイル群を1つ置きに接続してもよい。つまり、第1小コイル群U101、第3小コイル群U201、第2小コイル群U102、第4小コイル群U202の順に直列に接続して相コイルを構成してしてもよい。
実施の形態10.
図51はこの発明の実施の形態10に係る回転電機における電機子巻線のU相コイルを示す模式図である。
この実施の形態10では、第1小コイル群U101、第2小コイル群U102、第3小コイル群U201および第4小コイル群U202は、上記実施の形態9と同様に構成されている。そして、2U11bと1U22aを渡り線71で接続し、第1小コイル群U101と第3小コイル群U201が直列に連結されたサブコイルを作製する。同様に、2U12bと1U21aを渡り線72で接続し、第2小コイル群U102と第4小コイル群U202が直列に連結されたサブコイルを作製する。
さらに、1U11aと1U12aが渡り線73で接続され、2U22bと2U21bが渡り線73で接続される。これにより、図51に示されるように、4本の周回コイル52が直列に接続された2つのサブコイルを並列に接続してなるU相コイルが作製される。このU相コイルの並列接続された各サブコイルにおいて、同一スロット群に収納されている2つの小コイル群が、給電側から見て、同じ順番の位置に接続されている。つまり、同一スロット群に収納されている第1小コイル群U101と第2小コイル群U102は、並列接続された各サブコイルの給電側から1番目の位置にくるように接続されている。同様に、同一スロット群に収納されている第3小コイル群U201と第4小コイル群U202は、並列接続された各サブコイルの給電側から2番目の位置にくるように接続されている。
また、V相コイルおよびW相コイルは、U相コイルと同様に構成される。そして、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルがY結線されて、全節巻きの分布巻きの三相交流巻線からなる電機子巻線が得られる。
この実施の形態10においても、相コイルが一方のスロット群に収納されている1つの小コイル群と他方のスロット群に収納されている1つの小コイル群とを直列に接続して作製された2本のサブコイルを並列に接続して構成されている。このとき、並列接続された各サブコイルにおいて、同一スロット群に収納されている2つの小コイル群が給電側からみて同じ順番の位置にくるように接続されているので、スロット13内の導体線間に発生する電位差を小さくできる。
なお、上記実施の形態9,10では、4本の周回コイルが同一スロット群に収納されているが、同一スロット群に収納されている周回コイルの本数は、4本に限定されず、(2×m)本(但し、mは2以上の自然数)であればよい。そして、小コイル群は、スロット内に径方向に1列配列されている(2×m)本の導体線のうちの径方向に隣り合う導体線で構成される2本の周回コイルを直列に接続して構成すればよい。
また、上記実施の形態9,10では、スロットが毎極毎相当たり2個の割合で形成されているが、スロットは毎極毎相当たり3個以上の割合で形成されてもよい。
また、上記各実施の形態では、インナーロータ型の電動機ついて説明しているが、本発明をアウターロータ型の電動機に適用しても、同様の効果を奏する。
また、上記各実施の形態では、本願を電動機に適用した場合について説明しているが、本願を発電機に適用しても、同様の効果を奏する。
また、上記各実施の形態では、絶縁被覆された導体線を用いて巻線体を作製するものとしているが、絶縁被覆されていない導体線を用いて作製された巻線体に絶縁被覆処理を施してもよい。

Claims (5)

  1. 電機子巻線が円環状の電機子鉄心に装着されて構成される電機子を有し、スロットが上記電機子鉄心に毎極毎相当たりq(但し、qは2以上の自然数)の割合で形成された回転電機において、
    上記電機子巻線は、導体線互いに1磁極ピッチ離れた2個又は3個の上記スロットに巻かれて構成された分布巻きの巻線体、周方向に1スロットピッチで配列されて構成され、
    上記電機子巻線を構成する相コイルのそれぞれは、1磁極ピッチ毎の上記スロットで構成されるq個のスロット群に収納されている上記巻線体により構成され、
    上記スロット群に収納されている上記巻線体の中の、電気角で360°離れた上記巻線体周方向の配列順に直列に接続されて、周方向に1周する本の周回コイルが形成され
    上記相コイルのそれぞれは、q個の上記スロット群のそれぞれに収納されている2本の上記周回コイルが、直列に接続されて構成され
    q個の上記スロット群の同じスロット群に収納されている2本の上記周回コイルが、直列に接続された(2×q)本の上記周回コイルの中で、連続して、あるいは1つ置きに位置していることを特徴とする回転電機。
  2. 電機子巻線が円環状の電機子鉄心に装着されて構成される電機子を有し、スロットが上記電機子鉄心に毎極毎相当たりq(但し、qは2以上の自然数)の割合で形成された回転電機において、
    上記電機子巻線は、導体線互いに1磁極ピッチ離れた2個又は3個の上記スロットに巻かれて構成された分布巻きの巻線体、周方向に1スロットピッチで配列されて構成され、
    上記電機子巻線を構成する相コイルのそれぞれは、1磁極ピッチ毎の上記スロットで構成されるq個のスロット群に収納されている上記巻線体により構成され、
    上記スロット群に収納されている上記巻線体の中の、電気角で360°離れた上記巻線体周方向の配列順に直列に接続されて、周方向に1周する本の周回コイルが形成され
    上記相コイルのそれぞれは、q個の上記スロット群の異なるスロット群に収納されているq本の上記周回コイル直列に接続されて構成された2本のサブコイルが、並列に接続されて構成され、
    q個の上記スロット群の同じスロット群に収納されている2本の上記周回コイルが、上記2本のサブコイルのそれぞれの給電部から数えて同じ順番位置に位置していることを特徴とする回転電機。
  3. 上記周回コイル同士が、上記導体線と別部材渡り線により接続されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の回転電機。
  4. 電機子巻線が円環状の電機子鉄心に装着されて構成される電機子を有し、スロットが上記電機子鉄心に毎極毎相当たりq(但し、qは2以上の自然数)の割合で形成された回転電機において、
    上記電機子巻線は、それぞれ、導体線1磁極ピッチ毎の上記スロットで構成されるスロット群に、上記スロット内で径方向の内側と外側を交互にとるように波巻きに周方向に1周巻かれて構成された複数の周回コイルを備え、上記導体線が上記スロットのそれぞれに径方向に1列に2m本(但し、mは2以上の自然数)ずつ配列されており、
    上記電機子巻線を構成する相コイルのそれぞれは、上記導体線が上記スロット内で径方向に隣り合う上記周回コイル同士が、直列に接続されて形成された(m×q)本の小コイル群を備え、
    上記相コイルのそれぞれは、上記(m×q)本の小コイル群が直列に接続されて構成され、
    同じ上記スロット群に収納されているm本の上記小コイル群が、直列に接続された上記(m×q)本の小コイル群の中で、連続して、又は1つ置きに位置ていることを特徴とする回転電機。
  5. 電機子巻線が円環状の電機子鉄心に装着されて構成される電機子を有し、スロットが上記電機子鉄心に毎極毎相当たりq(但し、qは2以上の自然数)の割合で形成された回転電機において、
    上記電機子巻線は、それぞれ、導体線1磁極ピッチ毎の上記スロットで構成されるスロット群に、上記スロット内で径方向の内側と外側を交互にとるように波巻きに周方向に1周巻かれて構成された複数の周回コイルを備え、上記導体線が上記スロットのそれぞれに径方向に1列に2m本(但し、mは2以上の自然数)ずつ配列されており、
    上記電機子巻線を構成する相コイルのそれぞれは、上記導体線が上記スロット内で径方向に隣り合う上記周回コイル同士が、直列に接続されて形成された(m×q)本の小コイル群を備え、
    上記相コイルのそれぞれは、異なる上記スロット群に収納されているq本の上記小コイル群直列に接続されて構成されたm本のサブコイルが、並列に接続されて構成され、
    同じ上記スロット群に収納されているm本の上記小コイル群が、上記m本のサブコイルのそれぞれの給電部から数えて同じ順番位置に位置していることを特徴とする回転電機。
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