JP5855257B2 - 回転電機およびその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば電動機や発電機などの回転電機およびその製造方法に関し、特に電機子巻線のコイルエンドの絶縁構造に関するものである。
従来の分布巻きに構成される電機子巻線では、導体線を周方向に連続する複数本のティースの両側に位置するスロットの対に巻回して構成された亀甲形の巻線体を周方向に1スロットピッチで配列して構成されている。そして、同一相内の導体線間の電位差は小さいが、異なる相の導体線間には、大きな電位差がかかる。特に、他相の導体線が給電部に近い場合には、電源電圧に近い電位差が異なる相の導体線間にかかる。そこで、高電圧で使用する場合には、部分放電が起こりやすくなってしまう。
このような状況を鑑み、スロット部とコイルエンド部との絶縁層の厚み、又は絶縁材料を変えて、コイルエンド部での部分放電の発生を抑制し、小型化と、高電圧、高出力化を両立した従来の回転電機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−236924号公報
特許文献1では、スロット部とコイルエンド部との絶縁層の厚みを変えているので、絶縁層の厚み管理が困難であるとともに、絶縁層の塗布工程が煩雑になってしまう。さらに、スロット部とコイルエンド部との絶縁層の材料を変える場合においても、絶縁層の塗布工程が煩雑になってしまう。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、巻線体の構造を工夫して、絶縁部材を異なる相のコイルエンド間に簡易に配設できるようにし、コイルエンド群における絶縁性能を確保し、小型化と、高電圧、高出力化を両立できる回転電機およびその製造方法を得ることを目的とする。
この発明による回転電機は、スロットが周方向に配列された円環状の電機子鉄心、および上記電機子鉄心に装着された電機子巻線を有する電機子を備えている。上記電機子巻線は、それぞれ、絶縁被膜で覆われている導体線により構成され、直線部、および列間で該直線部の端部間を連結するコイルエンドを有する複数の巻線体を備え、上記複数の巻線体は、それぞれ、2列に配列された上記直線部の各列をnスロット角度間隔(nは2以上の整数)離れたスロット対に収納されて、周方向に配列され、上記スロットのそれぞれには、2m本(但し、mは2以上の整数)の上記直線部が径方向に1列に並んで収納されている。それぞれ、上記コイルエンドのなかの上記スロット対から上記電機子鉄心の軸方向一端側に延び出す第1コイルエンドを、周方向に1スロットピッチで配列して形成された第1コイルエンド列が、径方向にm層に配列して第1コイルエンド群を構成し、それぞれ、上記コイルエンドのなかの上記スロット対から上記電機子鉄心の軸方向他端側に延び出す第2コイルエンドを、周方向に1スロットピッチで配列して形成された第2コイルエンド列が、径方向に(m−1)層に配列して第2コイルエンド群を構成し、上記絶縁被膜と異なるシート状の第1絶縁紙が、上記第1コイルエンド列内および上記第2コイルエンド列内に配設され、上記絶縁被膜と異なるシート状の第2絶縁紙が、上記第1コイルエンド列間および上記第2コイルエンド列間に配設され、上記第1コイルエンド列内に配設されている上記第1絶縁紙の径方向位置が、上記第2コイルエンド列間に配設されている上記第2絶縁紙の径方向位置と同じであり、上記第2コイルエンド列内に配設されている上記第1絶縁紙の径方向位置が、上記第1コイルエンド列間に配設されている上記第2絶縁紙の径方向位置と同じである。
この発明によれば、絶縁部材が、第1コイルエンド列内、第1コイルエンド列間、第2コイルエンド列内および第2コイルエンド列間に配設されている。そこで、直線部と第1および第2コイルエンドとの絶縁被膜の厚みや材料を変えることなく、第1および第2コイルエンド群における相間絶縁を確保でき、小型化と、高電圧、高出力化を両立できる回転電機を得ることができる。
この発明の実施の形態1に係る回転電機を示す片側断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の要部を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子鉄心を構成する鉄心ブロックを示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子の電機子巻線を構成する巻線アッセンブリを示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を示す正面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を示す側面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を正面斜め上方から見た斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法における48番目の巻線体を組み込む手順を説明する模式図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法における48番目の巻線体を組み込む手順を説明する模式図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法における48番目の巻線体を組み込む手順を説明する模式図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを軸方向一端側から見た端面図である。 図19のXX−XX線に沿った断面の展開図である。 図19のXXI−XXI線に沿った断面の展開図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリに装着される絶縁紙を示す上面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリに装着される絶縁紙を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリに装着される絶縁紙の製造方法を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリに装着される絶縁紙の製造方法を説明する工程図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリへの絶縁紙の装着方法を説明する模式図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリへの絶縁紙の装着方法を説明する模式図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの絶縁紙装着状態を示す展開図である。 図28のXXIX−XXIX矢視断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの絶縁紙装着状態を示す展開図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを電機子鉄心に装着する前の状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを電機子鉄心に装着する前の状態を示す端面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを電機子鉄心に装着する前の状態を示す模式図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを電機子鉄心に装着した後の状態を示す端面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを電機子鉄心に装着した後の状態を示す要部拡大端面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを電機子鉄心に装着した後の状態を示す模式図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機に適用される巻線アッセンブリを回転軸を含む平面で切った状態を示す模式図である。 この発明の実施の形態3に係る回転電機に適用される巻線アッセンブリを回転軸を含む平面で切った状態を示す模式図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機の要部を示す斜視図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機に適用される電機子を示す斜視図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機に適用される電機子鉄心を構成する鉄心ブロックを示す斜視図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機における電機子巻線を構成する巻線体を示す斜視図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機における電機子巻線を構成する巻線体を示す平面図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機における電機子巻線を構成する巻線体を示す正面図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機における巻線体のスロット収納状態を模式的に示す要部断面図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機に適用される電機子の電機子巻線を構成する巻線アッセンブリを示す斜視図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機における巻線アッセンブリへの絶縁紙の装着方法を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機における巻線アッセンブリへの絶縁紙の装着方法を説明する模式断面図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機における巻線アッセンブリの絶縁紙装着状態を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機における巻線アッセンブリの絶縁紙装着状態を説明する模式断面図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機における巻線アッセンブリを電機子鉄心に装着する前の状態を示す端面図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機における巻線アッセンブリを電機子鉄心に装着した状態を示す端面図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機における巻線アッセンブリを電機子鉄心に装着した状態を示す模式断面図である。 この発明の実施の形態5に係る回転電機における巻線アッセンブリの絶縁紙装着状態を説明する模式断面図である。 この発明の実施の形態6に係る回転電機における電機子巻線を構成する巻線体のコイルエンドを示す要部正面図である。 この発明の実施の形態6に係る回転電機における巻線アッセンブリの絶縁状態を説明する模式断面図である。 この発明の実施の形態7に係る回転電機における電機子巻線の絶縁状態を説明する模式断面図である。
以下、本発明による回転電機およびその製造方法の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る回転電機を示す片側断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の要部を示す斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子を示す斜視図、図4はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子鉄心を構成する鉄心ブロックを示す斜視図、図5はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される電機子の電機子巻線を構成する巻線アッセンブリを示す斜視図、図6はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を示す斜視図、図7はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を示す正面図、図8はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を示す側面図、図9はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを構成する巻線体を正面斜め上方から見た斜視図である。なお、図2および図3では、便宜上、絶縁紙25が省略されている。
図1および図2において、回転電機100は、有底円筒状のフレーム2およびフレーム2の開口を塞口する端板3を有するハウジング1と、フレーム2の円筒部に内嵌状態に固着された電機子10と、フレーム2の底部および端板3にベアリング4を介して回転可能に支持された回転軸6に固着されて、電機子10の内周側に回転可能に配設された回転子5と、を備えている。
回転子5は、軸心位置に挿通された回転軸6に固着された回転子鉄心7と、回転子鉄心7の外周面側に埋設されて周方向に設定されたピッチで配列され、磁極を構成する永久磁石8と、を備えた永久磁石型回転子である。なお、回転子5は、永久磁石式回転子に限定されず、絶縁しない回転子導体を、回転子鉄心のスロットに収納して、両側を短絡環で短絡したかご形回転子や、絶縁した導体線を回転子鉄心のスロットに装着した巻線形回転子を用いてもよい。
つぎに、電機子10の構成について具体的に図3から図9を参照しつつ説明する。
電機子10は、図3に示されるように、電機子鉄心11と、電機子鉄心11に装着された電機子巻線20と、を備えている。ここで、説明の便宜上、回転子5の極数を8、電機子鉄心11のスロット数を48、電機子巻線20を三相巻線とする。すなわち、スロット13は、毎極毎相当たり2個の割合で電機子鉄心11に形成されている。なお、毎極毎相当たりのスロット数は2となる。
鉄心ブロック12は、円環状の電機子鉄心11を周方向に48等分割したもので、図4に示されるように、設定された形状に打ち抜かれた設定された枚数の電磁鋼板を積層一体化して作製され、断面円弧形のコアバック部12aと、コアバック部12aの内周壁面から径方向内方に突出するティース12bと、を備えている。
電機子鉄心11は、ティース12bを径方向内方に向けて、コアバック部12aの周方向の側面同士を突き合わせて、48個の鉄心ブロック12を周方向に配列、一体化して、円環状に構成されている。そして、周方向に隣り合う鉄心ブロック12により構成されるスロット13が、内周側に開口するように、周方向に等角ピッチで配列されている。なお、ティース12bは周方向幅が径方向内方に向って漸次狭くなる先細り形状に形成されており、スロット13の断面は長方形となっている。
電機子巻線20は、図3に示されるように、電機子鉄心11に装着された巻線アッセンブリ21に設定された結線処理が施されて構成される。巻線アッセンブリ21は、図5に示されるように、連続する6本のティース12bの両側に位置するスロット13の対に収納される巻線体22を1スロットピッチで周方向に配列して構成される。後述する巻線端22gが、それぞれ軸方向に延び出して、巻線アッセンブリ21の内径側に1スロットピッチで周方向に配列されている。また、後述する巻線端22hが、それぞれ、軸方向に巻線端22gと同じ方向に延び出して、巻線アッセンブリ21の外径側に1スロットピッチで周方向に配列されている。
巻線体22は、図6から図9に示されるように、例えば、エナメル樹脂で絶縁被覆された、かつ接続部のない連続した銅線やアルミニウム線などからなる長方形断面の導体線19を、長方形断面の長辺で構成される平面が相対し、かつ相対する当該平面間に長方形断面の短辺長さに略等しい隙間dを確保して、略六角形で螺旋状に4回巻かれて構成された亀甲形コイルである。巻線体22は、例えば、導体線19をエッジワイズ巻きに螺旋状に4回巻き回して筒状のコイル体を作製し、その後コイル体をコイル成形機により略六角形に成形して作製される。また、巻線体22は、折り曲げ加工により、導体線19を略六角形に曲げつつ、螺旋状に巻いて作製してもよい。なお、巻線体22が長方形断面の導体線19を用いて作製されているが、円形断面の導体線を用いてもよい。
巻線体22は、6スロット角度間隔離れて2列となった、各列に隙間dをあけて、長方形断面の短辺方向に4本ずつ配列された、第1および第2直線部22a,22bと、第1および第2直線部22a,22bの列間で、長さ方向の一端同士と他端同士とを交互に連結する第1および第2コイルエンド22c,22dと、を備えている。なお、6スロット角度間隔とは、連続する6つのティース12bの両側のスロット13のスロット中心間の間隔であり、1磁極ピッチに相当する。
第1コイルエンド22cは、一方の列の第1直線部22aの一端から設定された傾斜で他方の列の第2直線部22b側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向外方に延び出し、第1および第2直線部22a,22bの列間の中央部(第1頂部22e)で略直角に曲げられて第1および第2直線部22a,22bの配列方向に隙間dだけ変位し、その後略直角に曲げられて設定された傾斜で他方の列の第2直線部22b側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向内方に延び出し、他方の列の第2直線部22bの一端に接続されている。
同様に、第2コイルエンド22dは、他方の列の第2直線部22bの他端から設定された傾斜で一方の列の第1直線部22a側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向外方に延び出し、第1および第2直線部22a,22bの列間の中央部(第2頂部22f)で略直角に曲げられて第1および第2直線部22a,22bの配列方向に隙間dだけ変位し、その後略直角に曲げられて設定された傾斜で一方の列の第1直線部22a側に、かつ第1および第2直線部22a,22bの長さ方向内方に延び出し、一方の列の第1直線部22aの他端に接続されている。
このように構成された巻線体22においては、第1および第2直線部22a,22b、および第1および第2コイルエンド22c,22dは、それぞれ、導体線19の長方形断面の長辺で構成される平面を相対させ、導体線19の長方形断面の短辺方向に、短辺長さの略2倍(2d)のピッチで配列されている。また、第1頂部22eおよび第2頂部22fを介して接続された第1直線部22aと第2直線部22bは、配列方向に隙間dだけずれている。また、巻線体22は、一方の列の配列方向の一端に位置する第1直線部22aの他端から長さ方向に延び出す巻線端22gと、他方の列の配列方向の他端に位置する第2直線部22bの他端から長さ方向に延び出す巻線端22hと、を備える。つまり、巻線端22g,22hは、巻線体22の他端側の対角位置から、第1および第2直線部22a,22bの長さ方向に、かつ同じ方向に延び出している。
つぎに、巻線アッセンブリ21の組み立て方法について図10から図18を参照しつつ説明する。図10から図15はそれぞれこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法を説明する斜視図、図16から図18はそれぞれこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの組み立て方法における48番目の巻線体を組み込む手順を説明する模式図である。
まず、導体線19を螺旋状に4ターン巻回して巻線体22を作製する。ここで、説明の便宜上、巻線体22を組み付け順に巻線体221、巻線体222、巻線体223・・・巻線体2247、巻線体2248とする。
そして、図10に示されるように、1番目および2番目の巻線体221,222を軸方向高さ位置を揃えて周方向に隣接させる。ついで、図11に示されるように、2番目の巻線体222の第1直線部22aを、1番目の巻線体221の隙間dを有する第2直線部22b間に差し込む。ついで、2番目の巻線体222の第1直線部22aが、1番目の巻線体221の第1直線部22aから1スロットピッチ(1スロット間の角度)離間した位置となるまで、2番目の巻線体222を周方向に移動させる。これにより、2つの巻線体221,222が、図12に示されるように、組み立てられる。2つの巻線体221,222の組立体は、巻線体222の導体線19が巻線体221の導体線19間の隙間に入り込み、径方向に重なり合い、剛性が高まる。
ついで、図13に示されるように、3番目の巻線体223を巻線体221,222の組立体に軸方向高さ位置を揃えて周方向に隣接させる。ついで、図14に示されるように、3番目の巻線体223の第1直線部22aを、巻線体221,222の第2直線部22b間に差し込む。ついで、3番目の巻線体223の第1直線部22aが、2番目の巻線体222の第1直線部22aから1スロットピッチ離間した位置となるまで、3番目の巻線体223を周方向に移動させる。これにより、3つの巻線体221,222,223が、図15に示されるように、組み立てられる。
さらに、巻線体22を順次、軸方向高さ位置を揃え、周方向に移動させて、47番目の巻線体2247まで組み上げる。47個の巻線体221〜2247が組み上げられた組立体23は、拡径されて、図16に示されるように、1番目の巻線体221と47番目の巻線体2247との間を48番目の巻線体2248の周方向幅より広げたC字状に成形される。
ついで、図17に示されるように、48番目の巻線体2248を47番目の巻線体2247側に組み付ける。さらに、図18に示されるように、C字状の組立体23の開口を閉じ、1番目の巻線体221と48番目の巻線体2248とを組み付け、図5に示される円環状の巻線アッセンブリ21が組み立てられる。
このように組み立てられた巻線アッセンブリ21では、径方向に1列に並んだ8本の第1および第2直線部22a,22bが、1スロットピッチで周方向に48列配列される。各列の8本の第1および第2直線部22a,22bは、1つの巻線体22の第1直線部22aともう1つの巻線体22の第2直線部22bとが交互に並んで構成される。
ついに、巻線アッセンブリ21のコイルエンド群の構造について説明する。図19はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを軸方向一端側から見た端面図、図20は図19のXX−XX線に沿った断面の展開図、図21は図19のXXI−XXI線に沿った断面の展開図である。なお、図19は説明の便宜上周方向に連続する8つの巻線体221〜228を抜粋して示している。図20では、内径側から1番目に位置する導体線19を実線で示し、内径側から2番目に位置する導体線19を点線で示している。図21では、内径側から2番目に位置する導体線19を実線で示し、内径側から3番目に位置する導体線19を点線で示している。
図19において、巻線体222に着目すれば、巻線体222の第1直線部22aから延び出した第1コイルエンド22cは、左側の巻線体221の第1直線部22aから延び出した第1コイルエンド22cの下方を通って周方向に延在し、第1頂部22eに至る手前で出現し、第1頂部22eで径方向外方に隙間dだけシフトして、左側の巻線体221の第1コイルエンド22cの上方を通って周方向に延在し、第2直線部22bに接続される。
このように、巻線アッセンブリ21の軸方向一端側では、第1コイルエンド22cを1スロットピッチで周方向に1列に配列して構成される第1コイルエンド列が、径方向に4層に並んで第1コイルエンド群21aを構成している。そして、第1コイルエンド列内において、周方向に隣り合う第1コイルエンド22c間には、設定された絶縁距離が確保されている。
図20において、巻線体222に着目すれば、内径側から1番目に位置する第1直線部22aから延び出して第1頂部22eに至る第1コイルエンド22cの傾斜部は、5つの巻線体2245〜221の内径側から2番目に位置する第2直線部22b(図示せず)から延び出して第1頂部22eに至る第1コイルエンド22cの傾斜部と交差している。このように、第1コイルエンド列内において、径方向に関し、異なる相の導体線19同士が近接配置されている。
図21において、巻線体222に着目すれば、内径側から2番目に位置する第2直線部22bから延び出して第1頂部22eに至る第1コイルエンド22cの傾斜部は、5つの巻線体223〜227の内径側から3番目に位置する第1直線部22a(図示せず)から延び出して第1頂部22eに至る第1コイルエンド22cの傾斜部と交差している。このように、第1コイルエンド列間において、径方向に関し、異なる相の導体線19同士が近接配置されている。
また、巻線アッセンブリ21の軸方向他端側では、第2コイルエンド22dを1スロットピッチで周方向に1列に配列して構成される第2コイルエンド列が、径方向に3層に並んで第2コイルエンド群21bを構成している。そして、巻線端22gが、それぞれ、軸方向に延び出して、第2コイルエンド群21bの内径側に1スロットピッチで周方向に配列されている。巻線端22hが、それぞれ、軸方向に延び出して、第2コイルエンド群21bの外径側に1スロットピッチで周方向に配列されている。そして、第2コイルエンド列内においても、径方向に関し、異なる相の導体線19同士が近接配置されている。また、第2コイルエンド列間において、径方向に関し、異なる相の導体線19同士が近接配置されている。
つぎに、絶縁紙25の巻線アッセンブリ21への装着方法について図22から図30を参照しつつ説明する。図22はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリに装着される絶縁紙を示す上面図、図23はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリに装着される絶縁紙を示す斜視図、図24はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリに装着される絶縁紙の製造方法を説明する斜視図、図25はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリに装着される絶縁紙の製造方法を説明する工程図、図26および図27はそれぞれこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリへの絶縁紙の装着方法を説明する模式図、図28はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの絶縁紙装着状態を示す展開図、図29は図28のXXIX−XXIX矢視断面図、図30はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリの絶縁紙装着状態を示す展開図である。なお、図28は図20相当図、図30は図21相当図である。
絶縁紙25は、図22および図23に示されるように、例えば、ポリイミド、アラミド、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などの単層、又は多層に形成された絶縁シート26から切り出された帯状体としての直線状絶縁材27を円筒形に丸めて形成されている。この絶縁紙25は、直線状絶縁材27の長さ方向の両端が径方向に重ならないように、直線状絶縁材27を2周弱巻いて、周方向に関して均一な厚みの切れ目のない円筒状に構成される。
そして、直線状絶縁材27は、図24に示されるように、ロール体28から繰り出された絶縁シート26からカッター29により設定された幅に切り出される。このように裁断された直線状絶縁材27の長さ方向は、ロール体28からの繰り出し方向と直交する方向となる。ついで、図25の(a)に示されるように、直線状絶縁材27をローラ30に送り込む。そして、直線状絶縁材27が、図25の(b)〜(e)に示されるように、ローラ30により2周弱巻かれ、円筒形の絶縁紙25が作製される。なお、絶縁紙25は、幅の狭い第1絶縁紙25aと幅の広い第2絶縁紙25bから構成される。
ついで、図26に示されるように、第1絶縁紙25aと第2絶縁紙25bを、第2コイルエンド群21bの内径側から1番目の第2コイルエンド列と巻線端22gの列との間の、巻線アッセンブリ21の軸方向他端側に配置する。同様に、第1絶縁紙25aと第2絶縁紙25bを、第1コイルエンド群21aの内径側から1番目の第1コイルエンド列と2番目の第1コイルエンド列との間の、巻線アッセンブリ21の軸方向一端側に配置する。
ついで、巻線アッセンブリ21の軸方向他端側に配置された絶縁紙25aを軸方向一端側に移動させる。絶縁紙25aは、第2コイルエンド群21bの内径側から1番目の第2コイルエンド列と巻線端22gの列との間を通り、内径側から1番目の位置に周方向に1スロットピッチで配列された第1直線部22aの列と内径側から2番目の位置に周方向に1スロットピッチで配列された第2直線部22bの列との間を通り、巻線アッセンブリ21の軸方向一端側に移動する。そして、図27に示されるように、絶縁紙25aが第1コイルエンド群21aの内径側から1番目の第1コイルエンド列内に配設される。これにより、第1コイルエンド列内に配設された絶縁紙25aは、図28および図29に示されるように、第1コイルエンド列内の交差する第1コイルエンド22cの傾斜部間に配設され、異なる相の導体線19間の絶縁距離が確保される。
さらに、絶縁紙25bを巻線アッセンブリ21の軸方向他端側から、第2コイルエンド群21bの内径側から1番目の第2コイルエンド列と巻線端22gの列との間に挿入する。これにより、絶縁紙25bは、図27に示されるように、内径側から1番目の第2コイルエンド列と巻線端22gの列との間に配設され、異なる相の導体線19間の絶縁距離が確保される。
ついで、巻線アッセンブリ21の軸方向一端側に配置された絶縁紙25aを軸方向他端側に移動させる。絶縁紙25aは、第1コイルエンド群21aの内径側から1番目の第1コイルエンド列と2番目の第1コイルエンド列との間を通り、内径側から2番目の位置に周方向に1スロットピッチで配列された第2直線部22bの列と内径側から3番目の位置に周方向に1スロットピッチで配列された第1直線部22aの列との間を通り、巻線アッセンブリ21の軸方向他端側に移動する。そして、絶縁紙25aは、図27に示されるように、第2コイルエンド群21bの内径側から1番目の第2コイルエンド列内に配設される。これにより、第2コイルエンド列内に配設された絶縁紙25aは、第2コイルエンド列内の交差する第2コイルエンド22dの傾斜部間に配設され、異なる相の導体線19間の絶縁距離が確保される。
さらに、絶縁紙25bを巻線アッセンブリ21の軸方向一端側から、第1コイルエンド群21aの内径側から1番目の第1コイルエンド列と2番目の第1コイルエンド列との間に挿入する。これにより、絶縁紙25bは、図30に示されるように、内径側から1番目の第1コイルエンド列と2番目の第1コイルエンド列との間に配設され、内径側から1番目と2番目の第1コイルエンド列間で交差する第1コイルエンド22cの傾斜部間に配設され、異なる相の導体線19間の絶縁距離が確保される。
同様にして、絶縁紙25aが第1コイルエンド群の内径側から2番目、3番目および4番目の第1コイルエンド列内に配設される。また、絶縁紙25bが第1コイルエンド群の内径側から2番目と3番目の第1コイルエンド列間、および内径側から3番目と4番目の第1コイルエンド列間に配設される。さらに、絶縁紙25aが第2コイルエンド群の内径側から2番目および3番目の第2コイルエンド列内に配設される。また、絶縁紙25bが第2コイルエンド群の内径側から1番目と2番目の第2コイルエンド列間、内径側から2番目と3番目の第2コイルエンド列間、および内径側から3番目の第2コイルエンド列と巻線端22hの列との間に配設される。
つぎに、巻線アッセンブリ21の電機子鉄心11への装着方法について図31から図36を参照しつつ説明する。図31はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを電機子鉄心に装着する前の状態を示す斜視図、図32はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを電機子鉄心に装着する前の状態を示す端面図、図33はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを電機子鉄心に装着する前の状態を示す模式図、図34はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを電機子鉄心に装着した後の状態を示す端面図、図35はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを電機子鉄心に装着した後の状態を示す要部拡大端面図、図36はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを電機子鉄心に装着した後の状態を示す模式図である。なお、図32、図34および図35は、便宜上、巻線アッセンブリ21は第1および第2直線部22a,22bのみで表されている。また、図31は、便宜上、絶縁紙が省略されている。
まず、巻線アッセンブリ21の巻線体22のそれぞれを径方向外方に少し動かして、巻線アッセンブリ21の外径を最終外径(電機子鉄心11に組み込まれた巻線アッセンブリ21の外径)より大きくする。これにより、第1および第2直線部22a,22bの列間の間隔が広がる。
ついで、48個の鉄心ブロック12が、図31から図33に示されるように、ティース12bのそれぞれを、巻線アッセンブリ21の隣り合う第1および第2直線部22a,22bの列間の径方向外方に位置させるように、周方向に略等角ピッチで配列される。ついで、周方向に配列された鉄心ブロック12を、同時に径方向内方に移動させる。これにより、鉄心ブロック12のティース12bのそれぞれが、隣り合う第1および第2直線部22a,22bの列間に挿入される。
そして、周方向に配列された鉄心ブロック12をさらに内径側に移動させると、各列の第1および第2直線部22a,22bが先細り状のティース12bにより1列に並ぶように移動する。これにより、巻線アッセンブリ21が縮径し、巻線アッセンブリ21の最外径に位置する第2直線部22bが隣り合う鉄心ブロック12のコアバック部12aに当接する。さらに、周方向に配列された鉄心ブロック12をさらに内径側に移動させると、隣り合う鉄心ブロック12の周方向の側面同士が突き合わされて、鉄心ブロック12の径方向内方への移動が阻止される。そして、48個の鉄心ブロック12が、コアバック部12aの周方向の側面同士を突き合わせて円環状に配列し、電機子鉄心11を構成する。
これにより、巻線アッセンブリ21が、図34から図36に示されるように、円環状の電機子鉄心11に装着される。つまり、48個の巻線体22が、それぞれ、4本の第1直線部22aと4本の第2直線部22bを、周方向に連続する6本のティース12bの両側に位置するスロット13の対に収納されて、1スロットピッチで周方向に配列されている。各スロット13内には、8本の第1および第2直線部22a,22bが、長方形断面の長辺を周方向に向けて、径方向に1列に整列されて並んで収納される。
なお、図示していないが、電機子鉄心11に装着された巻線アッセンブリ21に設定された交流結線が施され、電機子巻線20が構成される。このように構成された電機子巻線20は、全節巻きの分布巻きの3相交流巻線となる。この電機子巻線20を用いた回転電機100は、電機子巻線20に設定された交流電力を給電することで、8極、48スロットのインナーロータ型の3相モータとして動作する。
この実施の形態1によれば、円筒状の第1および第2絶縁紙25a,25bが第1コイルエンド群21aを構成する第1コイルエンド列内、および径方向に隣り合う第1コイルエンド列間に配設されている。また、円筒状の第1および第2絶縁紙25a,25bが第2コイルエンド群21bを構成する第2コイルエンド列内、および径方向に隣り合う第2コイルエンド列間に配設されている。そこで、第1および第2直線部22a,22bと第1および第2コイルエンド22c,22dとの絶縁被膜の厚みや材料を変えることなく、第1および第2コイルエンド群21a,21bにおける十分な相間の絶縁性能を確保することができる。したがって、小型化と、高電圧、高出力化を両立できる回転電機100を簡易に実現できる。
直線状絶縁材27の長さ方向の両端が径方向に重ならないように、直線状絶縁材27を2周弱巻いて、第1および第2絶縁紙25a,25bを作製している。そこで、第1および第2絶縁紙25a,25bが周方向に関して均一な厚みの切れ目のない円筒状に構成でき、第1および第2コイルエンド22c、22dの交差部における十分な絶縁性能を確保することができる。
ここで、直線状絶縁材27の巻き数が1周の場合には、直線状絶縁材27の長さ方向の両端間に切れ目が形成され、部分放電が生じやすくなる。あるいは、直線状絶縁材27の長さ方向の両端が径方向に重なり、周方向に関して均一な厚みが得られない。そこで、直線状絶縁材27の巻き数を複数周弱とすることが好ましい。特に、直線状絶縁材27の巻き数が多くなると、直線状絶縁材27の長さが長くなり、幅の広いロール体28を用意する必要があるとともに、直線状絶縁材27の厚さが薄くなり、第1および第2絶縁紙25a,25bの剛性が低下することから、直線状絶縁材27の巻き数を2周弱とすることがより好ましい。なお、複数周弱とは、直線状絶縁材27の長さ方向の両端が径方向に重なり合わない程度に、複数周より僅かに少なくすることを意味する。
直線状絶縁材27が、ロール体28から繰り出された絶縁シート26からカッター29により設定された幅に切り出されている。そこで、直線状絶縁材27を円筒状に巻く方向が、直線状絶縁材27のロール体28に巻かれていた方向と異なり、直線状絶縁材27の巻き工程が容易となる。また、絶縁シート26からの切り出し幅を調整することで、幅の異なる第1および第2絶縁紙25a,25bに対応する直線状絶縁材27を作製でき、材料の歩留まりを高めることができる。
巻線体22が、4ターンの亀甲形コイルであり、各列に4本並んで2列に配列された第1および第2直線部22a,22bと、第1および第2直線部22a,22bの長さ方向の一端同士をそれぞれ連結する第1コイルエンド22cと、第1および第2直線部22a,22bの長さ方向の他端同士をそれぞれ連結する第2コイルエンド22dと、を備えている。そして、第1および第2コイルエンド22c、22dを第1および第2頂部22e,22fで径方向に第1および第2直線部22a,22bの径方向寸法に略等しい隙間dだけシフトするように構成されている。そこで、1つの巻線体22を、他の1つの巻線体22に、軸方向の高さ位置を合わせて、他の1つの巻線体22側に周方向に移動させることで、干渉無く組み付けることができ、巻線アッセンブリ21の組立性を向上することができる。
巻線アッセンブリ21は、2つの巻線体22の8本の第1および第2直線部22a,22bを径方向に1列に交互に配列して構成された直線部列が周方向に1スロットピッチで配列されている。第1コイルエンド22cを周方向に1スロットピッチで配列して構成された第1コイルエンド列が径方向に4層に配列されている。さらに、第2コイルエンド22dを周方向に1スロットピッチで配列して構成された第2コイルエンド列が径方向に3層に配列されている。そこで、円筒状の第1絶縁紙25aを巻線アッセンブリ21の軸方向の他端側から第2コイルエンド列間に挿入し、径方向に隣り合う第1および第2直線部22a,22b間を通して軸方向の一端側に移動させ、第1コイルエンド列内に収納させることができる。同様に、円筒状の第1絶縁紙25aを巻線アッセンブリ21の軸方向の一端側から第1コイルエンド列間に挿入し、径方向に隣り合う第1および第2直線部22a,22b間を通して軸方向の他端側に移動させ、第2コイルエンド列内に収納させることができる。
したがって、第1および第2直線部22a,22bと第1および第2コイルエンド22c,22dとの絶縁被膜の厚みや材料を変える必要がなく、第1および第2コイルエンド群21a,21bの絶縁処理工程が簡略化される。
また、48個の巻線体22を周方向に1スロットピッチで配列させて巻線アッセンブリ21を組み立て、鉄心ブロック12のティース12bを巻線アッセンブリ21の外径側から第1および第2直線部22a,22bの列間に差し込んで、電機子10を組み立てているので、亀甲形の巻線体22を円環状の電機子鉄心に1スロットピッチで周方向に配列した状態に簡易に装着できる。
また、先細り状のティース12bを第1および第2直線部22a,22bの列間のそれぞれに外径側から挿入して径方向内方に移動させる。そこで、径方向に不揃いに並んでいる第1および第2直線部22a,22bが、隣り合う鉄心ブロック12のティース12bの間隔が狭まる動きにより1列に整列される。
さらに、巻線アッセンブリ21の最外径に位置する第2直線部22bが隣り合う鉄心ブロック12のコアバック部12aに当接してから、隣り合う鉄心ブロック12のコアバック部12aの側面同士が突き合わされるまでの鉄心ブロック12の移動力が、最外径に位置する第2直線部22bを径方向内方に押し込むように作用する。これにより、巻線アッセンブリ21が縮径され、径方向に整列された第1および第2直線部22a,22bの相互間の隙間が、鉄心ブロック12のコアバック部12aの内径側への移動により、縮小され、あるいはなくなる。そこで、第1および第2直線部22a,22bが、スロット13内に高密度に収納され、導体線19の占積率が高められる。
また、スロット13内の導体線19と鉄心ブロック12とが接しており、通電時に発熱体となる巻線アッセンブリ21から電機子鉄心11への伝熱性能を向上させることができる。そこで、巻線アッセンブリ21の温度上昇が抑制され、電気抵抗の増加が抑制される。
また、鉄心ブロック12は隣り合うティース12b間の間隔が徐々に狭まるように挿入されるので、電機子巻線20と鉄心ブロック12との接触面での摺動が抑えられ、導体線19の絶縁被膜の損傷を防止することができる。
なお、上記実施の形態1では、ポリイミド、アラミド、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などのシートを用いて第1および第2絶縁紙を作製しているが、第1および第2絶縁紙は、エポキシ樹脂などのマトリックス樹脂をカーボン繊維に含浸させたプリプレグを用いて作製してもよい。この場合、第1および第2絶縁紙を巻線アッセンブリのコイルエンド群に装着し、巻線アッセンブリを整形した後、加熱してマトリックス樹脂を硬化させることにより、巻線アッセンブリを整形された状態で一体化することができる。
また、上記実施の形態1では、巻線アッセンブリを電機子鉄心に装着する前に、第2絶縁紙をコイルエンド列間に装着するものとしているが、巻線アッセンブリを電機子鉄心に装着した後に、第2絶縁紙をコイルエンド列間に装着してもよい。
実施の形態2.
図37はこの発明の実施の形態2に係る回転電機に適用される巻線アッセンブリを回転軸を含む平面で切った状態を示す模式図である。
図37において、巻線アッセンブリ21Aは、第1および第2コイルエンド22c、22dの径方向厚みが第1および第2直線部22a,22bの径方向厚みより第1および第2絶縁紙25a,25bの厚み分薄く形成されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態2によれば、第1および第2コイルエンド22c、22dの径方向厚みが第1および第2直線部22a,22bの径方向厚みより第1および第2絶縁紙25a,25bの厚み分薄く形成されている。そこで、第1および第2絶縁紙25a,25bの厚み分に相当する隙間Sが、第1コイルエンド列内および第1コイルエンド列間における第1および第2コイルエンド22c、22dの交差部間に形成される。同様に、第1および第2絶縁紙25a,25bの厚み分に相当する隙間Sが、第2コイルエンド列内および第2コイルエンド列間における第1および第2コイルエンド22c、22dの交差部間に形成される。
これにより、第1および第2コイルエンド列内および第1および第2コイルエンド列間における第1および第2コイルエンド22c、22dの交差部間に第1および第2絶縁紙25a,25bを配設しても、第1および第2コイルエンド群21a,21bの径方向寸法の増大が抑制される。そこで、第1および第2直線部22a,22bが隙間無く径方向に1列に並んでスロット13内に収納され、占積率が高められる。
実施の形態3.
図38はこの発明の実施の形態3に係る回転電機に適用される巻線アッセンブリを回転軸を含む平面で切った状態を示す模式図である。
図38において、内径側から2番目の第1コイルエンド列を構成する第1コイルエンド22cの第2直線部22bから第1頂部22eに至る傾斜部が第2直線部22bに対して径方向内方に変位され、内径側から3番目の第1コイルエンド列を構成する第1コイルエンド22cの第1直線部22aから第1頂部22eに至る傾斜部が第1直線部22aに対して径方向外方に変位され、第2絶縁紙25bの厚み分に相当する隙間Sが、内径側から2番目と3番目の第1コイルエンド列間における第1および第2コイルエンド22c、22dの交差部間に形成されている。
内径側から2番目の第1コイルエンド列を構成する第1コイルエンド22cの第1直線部22aから第1頂部22eに至る傾斜部が第1直線部22aに対して径方向内方に変位され、第1絶縁紙25aの厚み分に相当する隙間Sが、内径側から2番目の第1コイルエンド列内における第1および第2コイルエンド22c、22dの交差部間に形成されている。
内径側から1番目の第1コイルエンド列を構成する第1コイルエンド22cの第2直線部22bから第1頂部22eに至る傾斜部が第2直線部22bに対して径方向内方に変位され、第2絶縁紙25bの厚み分に相当する隙間Sが、内径側から1番目と2番目の第1コイルエンド列間における第1および第2コイルエンド22c、22dの交差部間に形成されている。
内径側から1番目の第1コイルエンド列を構成する第1コイルエンド22cの第1直線部22aから第1頂部22eに至る傾斜部が第1直線部22aに対して径方向内方に変位され、第1絶縁紙25aの厚み分に相当する隙間Sが、内径側から1番目の第1コイルエンド列内における第1および第2コイルエンド22c、22dの交差部間に形成されている。
内径側から3番目の第1コイルエンド列を構成する第1コイルエンド22cの第2直線部22bから第1頂部22eに至る傾斜部が第2直線部22bに対して径方向外方に変位され、第1絶縁紙25aの厚み分に相当する隙間Sが、内径側から3番目の第1コイルエンド列内における第1および第2コイルエンド22c、22dの交差部間に形成されている。
内径側から4番目の第1コイルエンド列を構成する第1コイルエンド22cの第1直線部22aから第1頂部22eに至る傾斜部が第1直線部22aに対して径方向外方に変位され、第2絶縁紙25bの厚み分に相当する隙間Sが、内径側から3番目と4番目の第1コイルエンド列間における第1および第2コイルエンド22c、22dの交差部間に形成されている。
内径側から4番目の第1コイルエンド列を構成する第1コイルエンド22cの第2直線部22bから第1頂部22eに至る傾斜部が第2直線部22bに対して径方向内方に変位され、第1絶縁紙25aの厚み分に相当する隙間Sが、内径側から4番目の第1コイルエンド列内における第1および第2コイルエンド22c、22dの交差部間に形成されている。
なお、第1および第2コイルエンド22c,22dの径方向厚みは、第1および第2直線部22a,22bの径方向厚みと同等である。
このように構成された巻線アッセンブリ22Bでは、第1および第2コイルエンド列内および第1および第2コイルエンド列間における第1および第2コイルエンド22c、22dの交差部間に第1および第2絶縁紙25a,25bを配設しても、第1および第2直線部22a,22bが隙間無く径方向に1列に配列してスロット13内に収納される。
したがって、この実施の形態3においても、占積率が高められる。
なお、上記実施の形態1〜3では、巻線体が接続部のない連続した導体線を螺旋状に巻回して構成されているのとしているが、巻線体は、例えば短尺の導体を連結して作製された導体線を螺旋状に巻回して構成されてもよい。
また、上記実施の形態1〜3では、巻線体が導体線を螺旋状に4ターン巻回して構成されているものとしているが、導体線のターン数は4回に限定されず、2回以上であればよい。
また、上記実施の形態1〜3では、電機子巻線が亀甲形コイルにより構成されているものとしているが、電機子巻線はこれに限定されず、例えば波巻き巻線により構成されていてもよい。
実施の形態4.
図39はこの発明の実施の形態4に係る回転電機の要部を示す斜視図、図40はこの発明の実施の形態4に係る回転電機に適用される電機子を示す斜視図、図41はこの発明の実施の形態4に係る回転電機に適用される電機子鉄心を構成する鉄心ブロックを示す斜視図、図42はこの発明の実施の形態4に係る回転電機における電機子巻線を構成する巻線体を示す斜視図、図43はこの発明の実施の形態4に係る回転電機における電機子巻線を構成する巻線体を示す平面図、図44はこの発明の実施の形態4に係る回転電機における電機子巻線を構成する巻線体を示す正面図、図45はこの発明の実施の形態4に係る回転電機における巻線体のスロット収納状態を模式的に示す要部断面図である。
図39において、回転電機110は、有底円筒状のフレーム2およびフレーム2の開口を塞口する端板3を有するハウジング1と、フレーム2の円筒部に内嵌状態に固着された電機子40と、フレーム2の底部および端板3にベアリング4を介して回転可能に支持された回転軸6に固着されて、電機子40の内周側に回転可能に配設された回転子5と、を備えている。
つぎに、電機子40の構成について具体的に図40から図45を参照しつつ説明する。
電機子40は、図40に示されるように、円環状の電機子鉄心41と、電機子鉄心41に装着された電機子巻線45と、電機子鉄心41と電機子巻線45を電気的に隔離するスロットセル44と、を備えている。ここで、説明の便宜上、極数を10極、電機子鉄心41のスロット数を60個、電機子巻線45を三相巻線とする。すなわち、スロットは、毎極毎相あたり2個の割合で電機子鉄心41に形成されている。
鉄心ブロック42は、電機子鉄心41を周方向に30等分割したものであり、図41に示されるように、電磁鋼板を積層一体化して作製され、断面円弧形のコアバック部42aと、コアバック部42aの内周壁面から径方向内方に突出する2本のティース42bと、を備える。
電機子鉄心41は、ティース42bを径方向内方に向けて、コアバック部42aの周方向の側面同士を突き合わせて、30個の鉄心ブロック42を周方向に配列、一体化して、円環状に構成されている。周方向に隣り合うティース42bとコアバック部42aにより構成されるスロット43が、内周側に開口して、周方向に等角ピッチで60個配列されている。ティース42bは周方向幅が径方向内方に向かって漸次狭くなる先細り形状に形成され、スロット43の電機子鉄心41の軸心に直交する断面が、長方形となっている。
スロットセル44は、例えばポリイミドフィルムをメタ系アラミド繊維で挟み込んで作製された長方形のシートを曲げ成形してコ字状に形成され、スロット43内に挿入され、電機子鉄心41と電機子巻線45を電気的に隔離する。
電機子巻線45は、複数の巻線体47により構成される。巻線体47は、例えば、エナメル樹脂で絶縁被覆された、且つ接続部のない連続した銅線やアルミニウム線などからなる直径wの円形断面の導体線39をδ字状のコイルパターンに巻回して作製される。なお、巻線体47は、長方形断面の導体線をδ字状のコイルパターンに巻回して作製してもよい。
巻線体47は、図42から図44に示されるように、6スロット角度間隔離れて3列となった、第1、第2、第3および第4直線部47a,47b,47c,47dと、第1および第2直線部47a,47bの長さ方向の一端同士を連結する第1コイルエンド47eと、第2および第3直線部47b,47cの長さ方向の他端同士を連結する第2コイルエンド47fと、第3および第4直線部47c,47dの長さ方向の一端同士を連結する第3コイルエンド47gと、第1直線部47aの長さ方向の他端から延びる第1端末47hと、第4直線部47dの長さ方向の他端から延びる第2端末47iと、を備える。なお、6スロット角度間隔は、1磁極ピッチに相当する。
具体的には、巻線体47は、図45に示されるように、導体線39が電機子鉄心41の軸方向一端側から1番のスロット43内の第1層に挿入され、1番のスロット43から電機子鉄心41の軸方向他端側に延び出て、周方向一側に6スロット角度間隔離れた7番のスロット43内の第2層に挿入され、7番のスロット43から電機子鉄心41の軸方向一端側に延び出て、周方向一側に6スロット角度間隔離れた13番のスロット43内の第3層に挿入され、13番のスロット43から電機子鉄心41の軸方向他端側に延び出て、周方向他側に6スロット角度間隔離れた7番のスロット43内の第4層に挿入され、7番のスロット43から電機子鉄心41の軸方向一端側に延び出るδ字状のコイルパターンに作製される。
ここで、スロット43内に収納される導体線39の収納位置を、便宜的に、外径側から第1層、第2層、第3層、第4層とした。また、図45中、1,2・・・12,13はスロット43に周方向の並び順にふったスロット番号である。
第1直線部47aが1番のスロット43内の第1層に収納され、第2および第4直線部47b,47dが7番のスロット43内の第2層および第4層に収納され、第3直線部47cが13番のスロット43内の第3層に収納される。
1番のスロット43内の第1層から電機子鉄心41の軸方向一端側に延び出た第1コイルエンド47eは、径方向位置を維持して、一定の傾きで周方向一側かつ軸方向外方に延び、中央部(頂部)で径方向内方にwだけ変位され、その後逆向きの傾きで、径方向位置を維持して、周方向一側かつ軸方向内方に延び、7番のスロット43内の第2層に入る。
7番のスロット43内の第2層から電機子鉄心41の軸方向他端側に延び出た第2コイルエンド47fは、径方向位置を維持して、一定の傾きで周方向一側かつ軸方向外方に延び、中央部(頂部)で径方向内方にwだけ変位され、その後逆向きの傾きで、径方向位置を維持して、周方向一側かつ軸方向内方に延び、13番のスロット43内の第3層に入る。
13番のスロット43内の第3層から電機子鉄心41の軸方向一端側に延び出た第3コイルエンド47gは、径方向位置を維持して、一定の傾きで周方向他側かつ軸方向外方に延び、中央部(頂部)で径方向内方にwだけ変位され、その後逆向きの傾きで、径方向位置を維持して、周方向他側かつ軸方向内方に延び、7番のスロット43内の第4層に入る。
1番のスロット43内の第1層から電機子鉄心41の軸方向他端側に延び出た第1端末47hは、径方向位置を維持して、一定の傾きで周方向他側かつ軸方向外方に延び、中央部(頂部)で曲げられて径方向外方に延び出している。
7番のスロット43内の第4層から電機子鉄心41の軸方向他端側に延び出た第2端末47iは、径方向位置を維持して、一定の傾きで周方向一側かつ軸方向外方に延び、中央部(頂部)で曲げられて径方向外方に延び出している。
このように、第1から第3コイルエンド47e,47f,47gは、径方向に導体線39の径方向幅wだけ径方向に変位するクランク部を頂部に有している。第1から第4直線部47a,47b,47c,47dは、直径wの円形断面に形成されている。第1から第3コイルエンド47e,47f,47gおよび第1および第2端末47h,47iは、例えば、円形断面の導体線39を平行な平板で径方向の両側から加圧して、径方向厚みをw’(但し、w’<w)、軸方向厚みをw”(但し、w”>w)とする扁平な断面に変形されている。
このように作製された60個の巻線体47を1スロットピッチで周方向に円環状に配列し、図46に示される巻線アッセンブリ46が作製される。この巻線アッセンブリ46の軸方向一端側には、第1コイルエンド47eを周方向に1スロットピッチで配列して構成された第1コイルエンド列と、第3コイルエンド47gを周方向に1スロットピッチで配列して構成された第3コイルエンド列とが、径方向に2層に並んで第1コイルエンド群46aを構成する。また、この巻線アッセンブリ46の軸方向他端側には、第2コイルエンド47fを周方向に1スロットピッチで配列して構成された第2コイルエンド列が、第2コイルエンド群を構成する。さらに、軸方向外方に延び出している第1端末47hの端部が、第2コイルエンド列で構成された第2コイルエンド群46bの外径側に周方向に1スロットピッチで配列する。さらにまた、軸方向外方に延び出している第2端末47iの端部が、第2コイルエンド列で構成された第2コイルエンド群46bの内径側に周方向に1スロットピッチで配列する。
つぎに、巻線アッセンブリ46への絶縁紙の装着方法を図47から図50を参照しつつ説明する。図47はこの発明の実施の形態4に係る回転電機における巻線アッセンブリへの絶縁紙の装着方法を説明する斜視図、図48はこの発明の実施の形態4に係る回転電機における巻線アッセンブリへの絶縁紙の装着方法を説明する模式断面図、図49はこの発明の実施の形態4に係る回転電機における巻線アッセンブリの絶縁紙装着状態を説明する斜視図、図50はこの発明の実施の形態4に係る回転電機における巻線アッセンブリの絶縁紙装着状態を説明する模式断面図である。
まず、上記実施の形態1における絶縁紙25と同様に、直線状絶縁材をローラにより2周弱巻かれて、直径の異なる3種類の円筒状の絶縁紙51a,51b,51cを作製する。
ついで、図47および図48に示されるように、絶縁紙51bを軸方向の一端側から第1コイルエンド列と第3コイルエンド列との間に挿入し、第2直線部47bと第3直線部47cとの間を通して軸方向の他端側に移動させる。また、絶縁紙51aを軸方向の他端側から第2端末列と第2コイルエンド列との間に挿入し、第3直線部47cと第4直線部47dとの間を通して軸方向の一端側に移動させる。さらに、絶縁紙51cを軸方向の他端側から第1端末列と第2コイルエンド列との間に挿入し、第1直線部47aと第2直線部47bとの間を通して軸方向の一端側に移動させる。
これにより、図49および図50に示されるように、絶縁紙51bが第2コイルエンド列内に配設され、絶縁紙51aが第3コイルエンド列内に配設され、絶縁紙51cが第1コイルエンド列内に配設される。絶縁紙51a,51b,51cは、それぞれ、径方向幅を狭められた第1から第3コイルエンド47e,47f,47g内に形成される隙間S内に挿入される。
つぎに、巻線アッセンブリ46の電機子鉄心41への装着方法を図51から図53を参照しつつ説明する。図51はこの発明の実施の形態4に係る回転電機における巻線アッセンブリを電機子鉄心に装着する前の状態を示す端面図、図52はこの発明の実施の形態4に係る回転電機における巻線アッセンブリを電機子鉄心に装着した状態を示す端面図、図53はこの発明の実施の形態4に係る回転電機における巻線アッセンブリを電機子鉄心に装着した状態を示す模式断面図である。なお、図51および図52では、便宜上、巻線アッセンブリ46は第1から第4直線部47a,47b,47c,47dのみを示し、絶縁紙51a,51b,51cが省略されている。
まず、径方向に1列に配列した第1から第4直線部47a,47b,47c,47dの各列にスロットセル44を装着する。ついで、30個の鉄心ブロック42が、図51に示されるように、ティース42bを第1から第4直線部47a,47b,47c,47dの列間の径方向外方に位置させるように、巻線アッセンブリ46の外周側に等角ピッチで配列される。
ついで、30個の鉄心ブロック42を同時に径方向内方に移動させる。この鉄心ブロック42の径方向内方への移動により、ティース42bが第1から第4直線部47a,47b,47c,47dの列間に挿入される。そして、隣り合う鉄心ブロック42のコアバック部42aの周方向側面同士が当接し、鉄心ブロック42の径方向内方への移動が阻止される。
これにより、図52に示されるように、鉄心ブロック42が、コアバック部42aの周方向側面同士を当接させて円環状に配列し、電機子鉄心41を構成する。また、第1から第4直線部47a,47b,47c,47dの各列がスロット43内に収納され、巻線アッセンブリ46が電機子鉄心41に装着される。
さらに、図53に示されるように、絶縁紙51bを、軸方向一端側から、第1コイルエンド列と第3コイルエンド列との間に形成される隙間Sに挿入し、絶縁紙51a,51cを、軸方向他端側から、第2端末列と第2コイルエンド列との間に形成される隙間S、および第1端末列と第2コイルエンド列との間に形成される隙間Sに挿入する。その後、第1端末47hおよび第2端末47iに設定された結線処理を施し、電機子巻線45を作製し、電機子40が得られる。
この実施の形態4においても、絶縁紙51a,51b,51cが第1から第3コイルエンド列内、第1端末列と第2コイルエンド列との間、第2端末列と第2コイルエンド列との間、および第1コイルエンド列と第3コイルエンド列との間に配設されているので、第1から第3コイルエンド47e,47f,47gの絶縁被膜の厚みや材料を変えることなく、十分な相間の絶縁性能を確保することができる。
この実施の形態4によれば、第1から第3コイルエンド47e,47f,47g、第1端末47hおよび第2端末47iの径方向厚みを第1から第4直線部47a,47b,47c,47dの径方向厚みより薄くしている。そこで、絶縁紙51a,51b,51cが挿入可能な隙間Sを第1から第3コイルエンド列内、第1端末列と第2コイルエンド列との間、第2端末列と第2コイルエンド列との間、および第1コイルエンド列と第3コイルエンド列との間に形成できるので、十分な相間の絶縁性能を確保しつつ、第1および第2コイルエンド群46a,46bの径方向の広がりを抑制し、小型化を図ることができる。
なお、上記実施の形態4では、巻線体の第1〜第3コイルエンド47e,47f,47g、第1端末47hおよび第2端末47iの径方向厚みを薄くして形成される隙間Sに絶縁紙51a,51b,51cを配設しているが、上記実施の形態3と同様に、巻線体の第1〜第3コイルエンド47e,47f,47g、第1端末47hおよび第2端末47iを第1〜第4直線部47a,47b,47c,47dに対して径方向に変位させて形成される隙間Sに絶縁紙51a,51b,51cを配設してもよい。
また、上記実施の形態4では、絶縁紙51a,51b,51cの厚みについて言及していないが、絶縁紙51a,51b,51cの厚みは、第1および第2コイルエンド群46a,46bの径方向の広がりを抑える観点から(w−w’)より薄くすることが好ましい。
また、上記実施の形態4では、円筒状の絶縁紙51a,51b,51cを用いているが、円筒状の絶縁紙51a,51b,51cを周方向に複数に分断した短冊状の絶縁紙を用いてもよい。
実施の形態5.
図54はこの発明の実施の形態5に係る回転電機における巻線アッセンブリの絶縁紙装着状態を説明する模式断面図である。
上記実施の形態4の巻線体47では、第1、第2および第3コイルエンド47e,47f,47gおよび第1および第2端末47h,47iが、径方向両側から径方向厚みを狭めるように変形されて、径方向厚みをw’としているが、この実施の形態5の巻線体47Aでは、第2および第3コイルエンド47e,47gおよび第1および第2端末47h,47iは、図54に示されるように、径方向一側から径方向厚みを狭めるように変形されて、径方向厚みをw’としている。
なお、他の構成は上記実施の形態4と同様に構成されている。
この実施の形態5においても、絶縁紙51a,51b,51cが第1〜第3コイルエンド列内、第1端末列と第2コイルエンド列との間、第2端末列と第2コイルエンド列との間、および第1コイルエンド列と第3コイルエンド列との間に配設されているので、第1、第2および第3コイルエンド47e,47f,47gの絶縁被膜の厚みや材料を変えることなく、十分な相間の絶縁性能を確保することができる。
また、第1、第2および第3コイルエンド47e,47f,47g、第1端末47hおよび第2端末47iの径方向厚みを第1、第2、第3および第4直線部47a,47b,47c,47dの径方向厚みより薄くしている。そこで、絶縁紙51a,51b,51cが挿入可能な隙間Sを第1、第2および第3コイルエンド列内、第1端末列と第2コイルエンド列との間、および第2端末列と第2コイルエンド列との間、および第1コイルエンド列と第3コイルエンド列との間に形成できるので、十分な相間の絶縁性能を確保しつつ、第1および第2コイルエンド群46a,46bの径方向の広がりを抑制し、小型化を図ることができる。
実施の形態6.
図55はこの発明の実施の形態6に係る回転電機における電機子巻線を構成する巻線体のコイルエンドを示す要部正面図、図56はこの発明の実施の形態6に係る回転電機における巻線アッセンブリの絶縁状態を説明する模式断面図である。
図55および図56において、絶縁テープ52が、巻線体47の第1、第2および第3コイルエンド47e,47f,47g、および第1および第2端末47h,47iに巻き付けられている。
なお、他の構成は上記実施の形態4と同様に構成されている。
この実施の形態6では、絶縁テープ52が、径方向厚みが狭められている第1、第2および第3コイルエンド47e,47f,47g、および第1および第2端末47h,47iに巻き付けられているので、巻き付けられた絶縁テープ52の厚みが、第1、第2および第3コイルエンド47e,47f,47g、および第1および第2端末47h,47iの径方向厚みの縮小分により吸収され、必要な絶縁距離を確保することができる。これにより、十分な相間の絶縁性能を確保しつつ、第1および第2コイルエンド群46a,46bの径方向の広がりを抑制し、小型化を図ることができる。また、絶縁紙51a,51b,51cが不要となるので、絶縁紙51a,51b,51cの位置ズレに起因する相間の絶縁性能の低下の発生を阻止することができる。
ここで、上記実施の形態2,3において、絶縁紙25a,25bに替えて、絶縁テープ52を第1および第2コイルエンド22c,22d、および巻線端22g、22hに巻き付けても、同様の効果を奏する。
実施の形態7.
図57はこの発明の実施の形態7に係る回転電機における電機子巻線の絶縁状態を説明する模式断面図である。
この実施の形態7では、巻線体47が電機子鉄心41に装着し、第1および第2端末47h,47iを接合した後に、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂などからなる絶縁性樹脂53を第1および第2コイルエンド群46a,46bに塗布し、加熱、硬化している。
なお、他の構成は上記実施の形態4と同様に構成されている。
この実施の形態7では、第1、第2および第3コイルエンド47e,47f,47g、および第1および第2端末47h,47iの径方向幅が狭められているので、隙間Sが第1、第2および第3コイルエンド列内、第1端末列と第2コイルエンド列との間、第2端末列と第2コイルエンド列との間、および第1コイルエンド列と第3コイルエンド列との間に形成される。そこで、第1および第2コイルエンド群に塗布された絶縁性樹脂53は、第2および第3コイルエンド列内、第1端末列と第2コイルエンド列との間、第2端末列と第2コイルエンド列との間、および第1コイルエンド列と第3コイルエンド列との間に流れ込んで、隙間無く充填されるので、絶縁不良の発生が抑えられ、相間の絶縁性能を高めることができる。
なお、上記実施の形態7では、熱硬化性樹脂からなる絶縁性樹脂を用いているが、熱可塑性樹脂からなる絶縁性樹脂を用いてもよい。また、粉体塗装などにより絶縁粉体を第1および第2コイルエンド群に塗布してもよい。
ここで、上記実施の形態2,3において、絶縁紙25a,25bに替えて、絶縁性樹脂53を第1および第2コイルエンド群に塗布しても、同様の効果を奏する。
なお、上記実施の形態4〜7では、導体線39をδ字状のコイルパターンに1回巻き回して巻線体47を作製されているが、導体線をδ字状のコイルパターンを2回以上巻き回して巻線体を作製してもよい。つまり、巻線体は、δ字状のコイルパターンを径方向に2層以上配列し、2つのδ字状のコイルパターンの巻線端間を渡り線で連結して一続きに構成してもよい。
また、上記各実施の形態では、本願を電動機に適用した場合について説明しているが、本願を発電機に適用しても、同様の効果を奏する。
また、上記各実施の形態では、電機子巻線が全節巻きの分布巻きに構成されているものとしているが、電機子巻線は長節巻きの分布巻きでもよく、短節巻きの分布巻きでもよい。
また、上記各実施の形態では、8極48スロット又は10極60スロットの回転電機について説明しているが、極数およびスロット数は、8極48スロット又は10極60スロットに限定されないことは言うまでもないことである。
また、上記各実施の形態では、スロットが毎極毎相当たり2の割合で形成されているものとしているが、毎極毎相当たりのスロット数は2に限定されず、1でもよく、3以上でもよい。例えば、毎極毎相当たりのスロット数が1の場合、3スロット角度間隔が1磁極ピッチとなる。

Claims (8)

  1. スロットが周方向に配列された円環状の電機子鉄心、および上記電機子鉄心に装着された電機子巻線を有する電機子を備えた回転電機において、
    上記電機子巻線は、それぞれ、絶縁被膜で覆われている導体線により構成され、直線部、および列間で該直線部の端部間を連結するコイルエンドを有する複数の巻線体を備え、
    上記複数の巻線体は、それぞれ、2列に配列された上記直線部の各列をnスロット角度間隔(nは2以上の整数)離れたスロット対に収納されて、周方向に配列され、
    上記スロットのそれぞれには、2m本(但し、mは2以上の整数)の上記直線部が径方向に1列に並んで収納され、
    それぞれ、上記コイルエンドのなかの上記スロット対から上記電機子鉄心の軸方向一端側に延び出す第1コイルエンドを、周方向に1スロットピッチで配列して形成された第1コイルエンド列が、径方向にm層に配列して第1コイルエンド群を構成し、
    それぞれ、上記コイルエンドのなかの上記スロット対から上記電機子鉄心の軸方向他端側に延び出す第2コイルエンドを、周方向に1スロットピッチで配列して形成された第2コイルエンド列が、径方向に(m−1)層に配列して第2コイルエンド群を構成し、
    上記絶縁被膜と異なるシート状の第1絶縁紙が、上記第1コイルエンド列内および上記第2コイルエンド列内に配設され、上記絶縁被膜と異なるシート状の第2絶縁紙が、上記第1コイルエンド列間および上記第2コイルエンド列間に配設され、
    上記第1コイルエンド列内に配設されている上記第1絶縁紙の径方向位置が、上記第2コイルエンド列間に配設されている上記第2絶縁紙の径方向位置と同じであり、
    上記第2コイルエンド列内に配設されている上記第1絶縁紙の径方向位置が、上記第1コイルエンド列間に配設されている上記第2絶縁紙の径方向位置と同じであることを特徴とする回転電機。
  2. スロットが周方向に配列された円環状の電機子鉄心、および上記電機子鉄心に装着された電機子巻線を有する電機子を備えた回転電機において、
    上記電機子巻線は、それぞれ、接続部のない連続した絶縁被膜で覆われている導体線により構成され、周方向にnスロット角度間隔(但し、nは2以上の整数)で並ぶ第1スロット、第2スロットおよび第3スロットに装着されて、周方向に1スロットピッチで配列された複数の巻線体を備え、
    上記巻線体は、上記第1スロットおよび上記第3スロットに1本ずつ収納され、上記第2スロットに2本収納された直線部と、上記電機子鉄心の軸方向一端側で、上記第1スロットに収納されている上記直線部と上記第2スロットに収納されている1本の上記直線部の端部同士を連結している1本の第1コイルエンドと、上記電機子鉄心の軸方向一端側で、上記第3スロットに収納されている上記直線部と上記第2スロットに収納されている残る1本の上記直線部の端部同士を連結しているもう1本の第1コイルエンドと、上記電機子鉄心の軸方向他端側で、上記第2スロットに収納されている上記1本の直線部と上記第3スロットに収納されている上記直線部の端部同士を連結している第2コイルエンドと、からなるδ字状のコイルパターンが、径方向にp回(但し、pは1以上の整数)繰り返されているものであり
    上記スロットのそれぞれには、上記巻線体の直線部が径方向に1列に4p本並んで収納され、
    それぞれ、上記スロット対から上記電機子鉄心の軸方向一端側に延び出す上記第1コイルエンドを、周方向に1スロットピッチで配列して形成された第1コイルエンド列が、径方向に2p層に配列して第1コイルエンド群を構成し、
    それぞれ、上記スロット対から上記電機子鉄心の軸方向他端側に延び出す上記第2コイルエンドを、周方向に1スロットピッチで配列して形成された第2コイルエンド列が、径方向に(2p−1)層に配列して第2コイルエンド群を構成し、
    上記絶縁被膜と異なるシート状の第1絶縁紙が、上記第1コイルエンド列内および上記第2コイルエンド列内に配設され、上記絶縁被膜と異なるシート状の第2絶縁紙が、上記第1コイルエンド列間および上記第2コイルエンド列間に配設され、
    上記第1コイルエンド列内に配設されている上記第1絶縁紙の径方向位置が、上記第2コイルエンド列間に配設されている上記第2絶縁紙の径方向位置と同じであり、
    上記第2コイルエンド列内に配設されている上記第1絶縁紙の径方向位置が、上記第1コイルエンド列間に配設されている上記第2絶縁紙の径方向位置と同じであることを特徴とする回転電機。
  3. 上記第1絶縁紙および上記第2絶縁紙は、1枚の帯状体を周弱(但し、は2以上の整数)巻いて円筒状に構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の回転電機。
  4. 上記第1コイルエンドおよび上記第2コイルエンドの径方向幅が上記直線部の径方向幅より狭くなっており、上記第1コイルエンド列内、上記第1コイルエンド列間、上記第2コイルエンド列内および上記第2コイルエンド列間に上記第1絶縁紙および上記第2絶縁紙を収納する隙間が存在していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
  5. 上記第1コイルエンドが上記直線部に対して径方向に変位され、かつ上記第2コイルエンドが上記直線部に対して径方向に変位されており、上記第1コイルエンド列内、上記第1コイルエンド列間、上記第2コイルエンド列内および上記第2コイルエンド列間に上記第1絶縁紙および上記第2絶縁紙を収納する隙間が存在していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の回転電機の製造方法であって、
    上記複数の巻線体を作製する工程と、
    上記巻線体を周方向に1スロットピッチで配列し、上記直線部を径方向に1列に配列して構成された直線部列が周方向に1スロットピッチで配列され、上記第1コイルエンドを周方向に1スロットピッチで配列して構成された上記第1コイルエンド列が径方向にm層又は2p層に配列され、上記第2コイルエンドを周方向に1スロットピッチで配列して構成された上記第2コイルエンド列が径方向に(m−1)層又は(2p−1)層に配列された巻線アッセンブリを作製する工程と、
    上記巻線アッセンブリを上記電機子鉄心に装着する工程と、
    上記第1絶縁紙を、上記第1コイルエンド列内、および上記第2コイルエンド列内に収納する第1絶縁紙装着工程と、
    上記第2絶縁紙を、上記第1コイルエンド列間、および上記第2コイルエンド列間に収納する第2絶縁紙装着工程と、を備えていることを特徴とする回転電機の製造方法。
  7. 上記第1絶縁紙装着工程では、上記巻線アッセンブリを上記電機子鉄心に装着する工程に先立って、上記第1絶縁紙を軸方向外方から上記巻線アッセンブリの上記第2コイルエンド列間に挿入し、上記直線部列の径方向に隣り合う上記直線部間を通して、上記第1コイルエンド列内に収納し、かつ上記第1絶縁紙を軸方向外方から上記巻線アッセンブリの上記第1コイルエンド列間に挿入し、上記直線部列の径方向に隣り合う上記直線部間を通して、上記第2コイルエンド列内に収納することを特徴とする請求項6記載の回転電機の製造方法。
  8. 上記第1絶縁紙および上記第2絶縁紙は、ロール体から繰り出された絶縁シートを、繰り出し方向と直交する方向を長手方向とするように裁断して作製された帯状体により作製されることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の回転電機の製造方法。
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