JP2014180595A - 汚染土壌の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1の湿式水力分級機3を用いて、汚染土壌から分級された第1の分級点を超える粒径範囲の処理土を第1の破砕機4で破砕することで、汚染土壌に含まれる粘土塊を解泥する。これにより、土壌粒子の表面に付着していて、汚染物質を高濃度に含んでいる細粒分を汚染物質の含有量の少ない粗粒分から離すことができる。また、第1の破砕機4で破砕されたあとの処理土を第2の湿式水力分級機5を用いて分級する。これにより、汚染物質が多く付着した所定の粒径範囲の土壌を分離する。
【選択図】図1
Description
まず、汚染土壌の処理方法が適用される汚染土壌処理装置について説明する。図1では、第1実施形態に係る汚染土壌の処理方法が適用される汚染土壌処理装置を示している。図1に示す汚染土壌処理装置1は、原料の汚染土を予め分級する機械式分級機2(第1の分級機)と、機械式分級機2で分級された処理土を分級する第1の湿式水力分級機3(第2の分級機)と、第1の湿式水力分級機3で分級された処理土を破砕する第1の破砕機4と、第1の破砕機4で破砕された処理土を分級する第2の湿式水力分級機5(第3の分級機)と、を備えている。
機械式分級機2は、原料の汚染土を予め分級する。機械式分級機2で分級される土壌の粒子径は、例えば100μm〜100mm(大程度の粒子径、第4の分級点)とすることができる。機械式分級機2で分級される粒子径は、湿式水力分級機3,5で分級される粒子径よりも大きい。機械式分級機2として、例えば、振動揺動篩(振動スクリーン)、又はトロンメルなどを使用することができる。機械式分級機2の処理能力は、例えば150t/h(大程度の処理能力)とすることができる。機械式分級機2は、篩を用いて、所定の大きさを有する固形物を分離することで分級する。
第1の湿式水力分級機3は、機械式分級機2で分級された処理土を分級する。第1の湿式水力分級機3で分級される土壌の粒子径は、例えば50μm〜1000μm(中程度の粒子径、第1の分級点)とすることができる。第1の湿式水力分級機3としては、例えば、ハイメッシュスセパレータやドラムスクラバーなどを使用することができる。第1の湿式水力分級機3の処理能力は、例えば、150t/h(中程度の処理能力、または機械式分級機2と同程度の処理能力)とすることができる。第1の湿式水力分級機3は、液体と共に処理土を撹拌し流通しながら分級する。
第1の破砕機4は、第1の湿式水力分級機3で分級された処理土を破砕する。第1の破砕機4としては、例えば、ロックウォッシャー、又はミキサー式解泥機などを使用することができる。第1の破砕機4は、処理土を破砕することで、粗粒分と細粒分とを含む土粒子の塊を解泥して、粒子を細分化し、細かい粒子分を増量する。第1の破砕機4は、処理土及び水を混合し、処理土を破砕する。第1の破砕機4によって破砕された処理土は、第2の湿式水力分級機5に供給される。
第2の湿式水力分級機5は、第1の破砕機4で破砕された処理土を分級する。第2の湿式水力分級機5で分級される土壌の粒子径は、例えば50μm〜1000μm(中程度の粒子径、第2分級点)とすることができる。第1の湿式水力分級機3としては、例えば、ハイメッシュスセパレータやドラムスクラバーなどを使用することができる。第2の湿式水力分級機5の処理能力は、例えば、150t/h(中程度の処理能力、または機械式分級機2と同程度の処理能力)とすることができる。
遠心分離機6は、第1の湿式水力分級機3によって分級された処理土、及び、第2の湿式水力分級機5によって分級された処理土を分級する。遠心分離機6で分級される土壌の粒子径は、例えば10μm〜500μm(小程度の粒子径、第3の分級点)とすることができる。遠心分離機6としては、例えば、湿式サイクロンを使用することができる。遠心分離機の処理能力は、例えば、101.5t/h(小程度の処理能力)とすることができる。遠心分離機6は、流体と共に処理土を流通させ旋回させながら分級する。
沈降濃縮分級機7は、遠心分離機6によって分級された処理土を回収する。沈降濃縮分級機7では、供給された処理土を全て回収することを目的としているが、例えば粒子径が100μm以下(極小程度の粒子径)の粒子は、水と共に排出される。沈降濃縮分級機7としては、例えば、湿式シックナーを使用することができる。沈降濃縮分級機7は、液体と共に処理土を貯留し、処理土を凝集沈殿して液体から分離する。
第2の破砕機8は、機械式分級機2で分級されて取り除かれ回収された処理土、及び、第1の湿式水力分級機3で分級されて取り除かれ回収された処理土を破砕する。例えば、回収された処理土の放射能濃度が基準値を超えている場合に、回収された処理土を第2の破砕機8によって破砕する。
次に、汚染土壌の処理方法について、図2を参照して説明する。まず、原料の放射性汚染土(及び/又は重金属汚染土)を受入れる(ステップS1:受入工程)。次に、受け入れた汚染土を機械式分級機2で分級する(ステップS2:第1の分級工程)。次に、機械式分級機2で分級したオーバー分を回収する(ステップS3:第1の回収工程)。分級したオーバー分とは、分級点を超える粒径範囲の処理土をいう。
次に、第2実施形態に係る汚染土壌の処理方法について説明する。図3は、第2実施形態に係る汚染土壌の処理方法が適用された汚染土壌処理装置を示す概略図である。
ドラムスクラバー15は、供給された汚染土を解泥する。ドラムスクラバー15は、軸周りに回転する円筒体を有する。汚染土は、例えば、水、鉄球などと共に円筒体に投入される。円筒体が回転することで、内部の汚染土、水、鉄球が撹拌されて、汚染土が解泥される。これにより、汚染土の粒径を小さくすることができる。ドラムスクラバー15で解泥されて、得られた処理土は、トロンメル(回転篩)16に供給される。
トロンメル16は、供給された処理土を分級する(ステップS2)。トロンメル16は、軸周りに回転する円筒体を有する。円筒体の周壁には、複数の貫通孔が形成されている。円筒体の周壁に設けられた貫通孔の内径は、例えば2mmである。処理土は、円筒体の内部に供給され、円筒体が回転することで、内部の処理土が撹拌される。粒径範囲が2mm以下の土壌の粒子は、円筒体の周壁の孔から排出される。粒径範囲が2mm以下の処理土は、ハイメッシュセパレータ17に供給される。
図4に示すように、ハイメッシュセパレータ(スパイラル分級機)17は、撹拌搬送羽根であるスクリューコンベア18を備えている。スクリューコンベア18は、回転軸回りに回転可能に支持されている。スクリューコンベア18の下部側にはプール19が設けられ、プール19内には、水が貯められている。スクリューコンベア18の下部側は、沈降層であるプール19の水中に配置されている。また、ハイメッシュセパレータ17は、スクリューコンベア18の回転速度を変更することで、プール19内に沈降する粒子の粒度分布を調整することができる。
図5に示されるように、ロックウォッシャー22は、処理土及び水が供給される貯留槽23を有する。貯留槽23には、一対の回転軸24が設けられている。回転軸24の周面には、径方向の外側に張出す羽根部25が設けられている。一対の回転軸24は、互いに異なる回転方向に回転される。一対の回転軸24が回転されることで、貯留槽23内の処理土が撹拌されると共に、羽根部25同士の間に挟まれた処理土が互いに擦れ合うことで、土壌粒子の表面に付着した細粒分が解泥されて、粒子が小さくなる。
ハイメッシュセパレータ26は、上記のハイメッシュセパレータ17と同様の構成である。ハイメッシュセパレータ26で分級したオーバー分は、回収される。回収して得られた処理土103は、貯留される。回収された処理土103の放射能濃度が測定される。放射能濃度が基準値以下である場合には、浄化された砂/砂礫として、有効利用される。放射能濃度が基準値を超える場合には、回収された処理土103をハイメッシュセパレータ26に戻して再度処理を行ってもよい。
サイクロン分級機(液体サイクロン)27は、ハイメッシュセパレータ17,26で分級したアンダー分を分級する。サイクロン分級機27は、先細り形状の円筒体を有する。サイクロン分級機27の円筒体は、下方に向かうほど内径が小さくなっている。サイクロン分級機27には、液体(例えば水)及び処理土が供給される。供給された液体及び処理土は、円筒体内で旋回し、粒子径の小さいものが、円筒体の中央上方から排出され、粒子径の大きいものが、円筒体の周壁内面に沿って下降し、円筒体の下端から排出される。サイクロン分級機27で分級されたオーバー分は、ハイメッシュセパレータ17に供給され、再度分級される。サイクロン分級機27で分級されたアンダー分は、シックナー28に供給される。
シックナー28には、サイクロン分級機27で分級したアンダー分が供給され、凝集沈殿した土壌粒子を回収する。シックナー28は、処理土、及び水が供給される沈降層を有する。沈降層に凝集沈殿材が供給され、土壌粒子が凝集沈殿して回収される。沈降層の上澄み水は、水処理カラム29によって処理されて装置外に放流される。沈降層内で沈殿し回収された処理土は、脱水機30に供給される。脱水機30で脱水された処理土104(脱水汚泥)は、貯留されて仮置きされる。
ハイメッシュセパレータ26で分級して回収されたオーバー分の処理土103の放射能濃度が基準値を超える場合には、処理土をジェットポンプ洗浄機31によって、磨洗してもよい。水及び処理土を貯留する貯留槽内に、ジェットポンプから噴出した水流を発生させることで、処理土の磨洗を行い、粒子表面を削り取る。粒子表面が削り取らされた処理土は、ハイメッシュセパレータ26に戻され再度処理される。
次に、本実施形態の汚染土壌の処理方法における処理土の処理フローチャートについて質量収支とともに一例について説明する。ドラムスクラバー15に供給される汚染土101として、放射能濃度が12,000Bq/kgであり100wt%の汚染土101をドラムスクラバー15に供給する。
2…機械式分級機(第1の分級機)
3…第1の湿式水力分級機(第2の分級機)
4…第1の破砕機
5…第2の湿式水力分級機(第3の分級機)
6…遠心分離機(第4の分級機)
7…沈降濃縮分級機(第5の分級機)
8…第2の破砕機
12…原料ホッパー
13…バックホー
14…コンベア
15…ドラムスクラバー
16…トロンメル(機械式分級機、第1の分級機)
17…ハイメッシュセパレータ(第1の湿式水力分級機、第2の分級機)
18…スクリューコンベア
19…プール
20…バケットコンベア
20a…バケット
21…脱水スクリーン
22…ロックウォッシャー(第1の破砕機)
23…貯留槽
24…回転軸
25…羽根部
26…ハイメッシュセパレータ(第2の湿式水力分級機、第3の分級機)
27…サイクロン分級機(遠心分離機、第4の分級機)
28…シックナー(沈降濃縮分級機、第5の分級機)
29…水処理カラム
30…脱水機
31…ジェットポンプ洗浄機(第2の破砕機)
101…汚染土(原料)
102,103,104…処理土
Claims (4)
- 重金属によって汚染された重金属汚染土又は放射性物質によって汚染された放射性物質汚染土を含む汚染土壌を処理する方法であって、
第1の湿式水力分級機を用いて前記汚染土壌から分級された第1の分級点を超える粒径範囲の処理土を第1の破砕機で破砕する工程と、
前記第1の破砕機で破砕されたあとの処理土を、第1の湿式水力分級機とは異なる第2の湿式水力分級機を用いて分級する工程と、
前記第2の湿式水力分級機で分級された第2の分級点を超える粒径範囲の処理土を回収する回収工程と、を含むことを特徴とする汚染土壌の処理方法。 - 前記第1の湿式水力分級機を用いて分級された第1の分級点以下の粒径範囲の処理土、及び、前記第2の湿式水力分級機を用いて分級された第2の分級点以下の粒径範囲の処理土を、遠心分離機を用いて分級する工程と、
前記遠心分離機で分級された第3の分級点を超える粒径範囲の処理土を、前記第1の湿式水力分級機を用いて再度分級する工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の処理方法。 - 原料の汚染土壌を、機械式分級機を用いて、前記第1の分級点よりも大きい第4の分級点で、予め分級する工程と、
前記機械式分級機を用いて分級された第4の分級点を超える粒径範囲の処理土を回収する工程と、
前記機械式分級機を用いて分級された第4の分級点以下の粒径範囲の処理土を、前記第1の湿式水力分級機を用いて分級する工程と、を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の汚染土壌の処理方法。 - 前記遠心分離機を用いて分級された第3の分級点以下の粒径範囲の処理土を、沈降濃縮分級機を用いて、回収する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の汚染土壌の処理方法。
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