JP5712656B2 - 焼却灰の洗浄方法及びセメント原料化方法 - Google Patents
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Description
特許文献1記載の技術は、焼却灰を水で洗浄してそのセメント原料化を行うに際し、洗浄時の液pHを所定の範囲に調整固定しつつ洗浄することにより、焼却灰に含まれる重金属の溶解を抑制するとともに、塩素を溶解して除去している。
解砕工程においてはロッドスクラバ等の解砕機により比較的粗く破砕されるが、これに研磨材を含む水を供給することにより、研磨材が攪拌により焼却灰に衝突して、クラックが入った粒子を分離し、あるいは、凝集して固まっている焼却灰を細かい粒子に分散させる。これにより、破砕むらをなくして、洗浄効果を高めることができる。
脱水工程からの排水には、篩を通過した焼却灰の微粉が混入しており、この微粉を研磨材として利用することにより、効率的に洗浄することができる。
また、本発明の焼却灰のセメント原料化方法において、前記脱水工程からの排水をさらにフィルタープレスにより脱水してケーキを作製し、このケーキもセメント原料として利用してもよい。
図1に示す洗浄設備1は、焼却灰受け入れ選別装置2と、受け入れられた焼却灰の洗浄分級装置3と、洗浄により生じた排水を処理する排水処理装置4とを備えている。
焼却灰受け入れ選別装置2は、焼却灰受け入れヤード5に受け入れられた焼却灰6をバケット等により投入ホッパ7内に投入し、投入ホッパ7から一定量ずつ秤量しながら水平コンベア8上に供給し、水平コンベア8上を搬送しながら磁選機9により磁性金属類を除去した後、垂直コンベア10にて、洗浄分級装置3に送り込む構成である。
湿式解砕機15は、例えばロッドスクラバによって構成され、ロッド19を収容した回転ドラム20の供給部21から水を混合した焼却灰を入れて回転することにより、ロッド19の転動による衝撃と摩擦によって洗浄灰の粒子を破砕するものである。この湿式解砕機15の供給部21に、垂直コンベア10から運ばれた焼却灰とともに外部から水が供給されるようになっている。この水には、後述するように焼却灰を洗浄した後の排水と工業用水とが用いられる。
一次振動脱水機17は、湿式振動スクリーン16のシューター26から排出される焼却灰スラリーを水切り用篩27上に受け入れ、その水切り用篩27を振動させながら水切りすることにより脱水するものである。水切り用篩27の目は例えば0.3mmに形成され、その篩27の目を通過した水は排水され、水切り用篩27の上に残った焼却灰が篩27の振動に伴って篩27の先端に送られ、次の二次振動脱水機18に送り出される。
また、この一次振動脱水機17からの排水は、循環タンク28に送られ貯留されるが、循環タンク28からはその上澄み液を吸い上げ、湿式解砕機15の供給部21に供給するようになっている。
また、この二次振動脱水機18からの排水は排水受けタンク30に送られ貯留されるが、排水受けタンク30からはその上澄み液が一次振動脱水機17に供給され、一次振動脱水機17の水切り用篩27上に供給される焼却灰スラリーに混合される。
二次振動脱水機18から送り出される焼却灰は垂直コンベア35により受け取られ、水平コンベア36を経て洗浄焼却灰ストックヤード37に送られる。水平コンベア36の終端部には磁性金属類を除去するための磁選機38が設けられている。
ここでは、都市ごみ焼却灰の主灰を受け入れる例を示しているが、これに限定されるものではない。
焼却灰受け入れヤード5において予め磁選機9により磁性金属類が除去された焼却灰は、垂直コンベア10を介して湿式解砕機15の供給部21に落し込まれる。この供給部21には、循環タンク28の上澄み液と工業用水とが供給され、洗浄灰はこれらの水とともに湿式解砕機15の回転ドラム20内に供給される。湿式解砕機15では、回転ドラム20が回転することにより、内部に収容したロッド19の衝撃と摩擦によって焼却灰が破砕されながら水に攪拌混合される。このとき、焼却灰中の比較的粗い粒子が破砕されることにより、その破砕面が露出して洗浄される。また、循環タンク28から供給される上澄み液中には、後述するように焼却灰の微細粉が混入しており、その微細粉が焼却灰に衝突して、ロッド19によりクラックが発生した粒子を分離し、あるいは、凝集して固まっている焼却灰を細かい粒子に分散させる。
この循環タンク28においては、貯留された排水中の焼却灰濃度が検出され、その濃度に応じて湿式解砕機15の回転ドラム20の回転数を制御することが行われる。受け入れた焼却灰の特性に応じて、排水中の焼却灰濃度を予め決めておき、一次振動脱水機17からの排水中の焼却灰濃度が設定値よりも低くなった場合には、回転ドラム20の回転数を上げ、焼却灰濃度が高くなった場合には回転数を下げる制御がなされる。また、継続して焼却灰濃度が低い場合には、解砕機15中のロッド19の本数を増加させることが行われる。
この制御においては、排水中の焼却灰濃度を直接測定してもよいが、排水中の濁りの程度を目視して解砕機15を制御するようにしてもよい。また、循環タンク28中で分離した沈殿液の量によって解砕機15を制御するようにしてもよい。
そして、二次振動脱水機18の水切り用篩29上から送り出された洗浄後の焼却灰は垂直コンベア35及び水平コンベア36を経由して磁選機38にかけられながら搬送され、焼却灰ストックヤード37に貯留される。符号51はストックヤード37に溜まった洗浄済焼却灰を示す。
例えば、上記実施形態では、湿式解砕機としてロッドスクラバを用いたが、焼却灰を破砕し得るものであれば他の解砕機を用いてもよい。また、その際に供給される水の一部として洗浄排水の上澄み液を使用したが、適当な研磨材を入れた洗浄水を用いてもよい。その他、振動スクリーンや振動脱水機の篩の目の大きさも一例であり、受け入れられる焼却灰の特性や求められる洗浄済焼却灰の特性等に応じて設定すればよい。
2 焼却灰受け入れ装置
3 洗浄分級装置
4 排水処理装置
5 焼却灰受け入れヤード
6 焼却灰
9 磁選機
15 湿式解砕機
16 湿式振動スクリーン
17,18 振動脱水機
19 ロッド
25 選別用篩
26 シューター
27 水切り用篩
28 循環タンク
29 水切り用篩
30 排水受けタンク
37 洗浄焼却灰ストックヤード
42,44 フィルタープレス
51 洗浄済焼却灰
52 洗浄済焼却灰のケーキ
Claims (4)
- ロッドを収容した回転ドラムに水を混合した焼却灰を供給し、前記回転ドラムを回転させ焼却灰中の粒子を破砕しながら攪拌することにより焼却灰スラリーとする解砕工程と、その焼却灰スラリーを選別用篩に通して過大固形物を除去する異物除去工程と、前記選別用篩を通過した焼却灰スラリーを水切り用篩により脱水する脱水工程と、脱水工程を経た焼却灰をすすぎ洗浄するすすぎ洗浄工程とを有し、
前記脱水工程からの排水中の焼却灰濃度が設定値より低い場合には、前記回転ドラムの回転数を上昇し、又はさらに前記ロッドの本数を増加し、前記焼却灰濃度が設定値より高い場合には前記回転ドラムの回転数を減少することにより、前記解砕工程での攪拌を制御することを特徴とする焼却灰の洗浄方法。 - 前記解砕工程で焼却灰に加える水として、研磨材を含む水を用いることを特徴とする請求項1記載の焼却灰の洗浄方法。
- 前記研磨材を含む水として、前記脱水工程からの排水を使用することを特徴とする請求項2記載の焼却灰の洗浄方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の焼却灰の洗浄方法により洗浄された焼却灰をセメント原料とすることを特徴とする焼却灰のセメント原料化方法。
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