JP3823849B2 - 油汚染土壌洗浄設備 - Google Patents

油汚染土壌洗浄設備 Download PDF

Info

Publication number
JP3823849B2
JP3823849B2 JP2002052841A JP2002052841A JP3823849B2 JP 3823849 B2 JP3823849 B2 JP 3823849B2 JP 2002052841 A JP2002052841 A JP 2002052841A JP 2002052841 A JP2002052841 A JP 2002052841A JP 3823849 B2 JP3823849 B2 JP 3823849B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slurry
soil
cyclone
oil
sieve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002052841A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003251330A (ja
Inventor
真二 山内
茂 野崎
明子 平井
亮三 牛尾
五朗 市川
健司 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2002052841A priority Critical patent/JP3823849B2/ja
Publication of JP2003251330A publication Critical patent/JP2003251330A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3823849B2 publication Critical patent/JP3823849B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Separation Of Solids By Using Liquids Or Pneumatic Power (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油分によって汚染された土壌に加水して混合攪拌による洗浄を行い、油分の含有率が低減された土壌と油分を含むスラリーとに分離して処理する油汚染土壌洗浄設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、産業活動によって生じる種々の汚染物質による土壌汚染が問題となっている。特に油による汚染土壌の浄化、除去処理作業は、環境整備事業の最も重要な課題の一つであり、経済的で効率の良い浄化手段の開発が望まれている。
【0003】
油で汚染された土壌を浄化する方法として、一般的には、次のような方法が多く採用されている。ドラム洗浄機やドラムスクリーン等の回転式の洗浄装置に汚染土壌と水又は洗浄剤とを供給し、これらを混合攪拌してスラリーを形成し、土壌粒子の接触摩擦と水又は洗浄剤の洗浄効果とによって油分を土壌粒子から剥離する。そして、篩装置やサイクロン等の分級装置によって、スラリー中の土壌の粗粒な部分を分離し、土壌の細粒部を含むスラリーは貯槽に搬送して静置し、油分を浮上させて除去する。また、貯槽内で沈殿した土壌の細粒部は油分を多く含み、脱水処理を行った後産業廃棄物として処理される。
【0004】
一方、スラリーから分離された粗粒部にも油分が付着している。これは、洗浄装置において一旦汚染土壌粒子から分離した油分が洗浄水中に含まれ、洗浄後の土壌粒子の表面に再付着することによるものであり、特に洗浄剤を用いずに水だけで洗浄を行ったときに油分の再付着が生じやすい。そして、洗浄後の油分は土壌の粒子の表面積に関連して付着し、細粒部になるほど汚染油の含有率が高くなる。したがって、上記のように洗浄を行った後のスラリーから土壌中の大粒部分及び粗粒分を分離したときには、粒径に応じて再洗浄が必要となっている。
【0005】
例えば、特開2000−202422号公報に記載の装置では、直列に2つの回転篩装置を配置し、前段の回転篩装置に汚染土壌を供給し、上部から洗浄剤を散布しながらドラムを回転させ、汚染土壌と洗浄剤とを混合攪拌して土壌粒子から油分を剥離する。そして、土壌の粗粒部を後段の回転篩装置に供給し、清水で仕上げ洗浄し、土壌の表面に付着した油分を除去する。一方、篩目を通過した土壌の細粒部を含む洗浄水は回収槽に回収して固液分離を行なう。分離された固形分はその後の処理に移送され、洗浄剤を含む液体は再び前段の回転篩装置上に散布して循環使用する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の技術では、次のように解決が望まれる課題がある。
汚染土壌に加水してスラリーとし、これを洗浄装置において洗浄した後、分級した粗粒分等を再洗浄するので多くの水を要する。これらの使用水の確保及び最終処理等を考慮すると、使用水はできるだけ少なくすることが望まれる。例えば、特開2000−202422号公報に記載の装置では、第1の回転篩で分給された粗粒分を清水で洗浄しており、使用水量が増加する。このため、使用水を減少して排水処理設備の負荷を軽減するには、処理システム内で使用水を有効に循環する必要がある。
【0007】
一方、水又は洗浄剤とともに混合攪拌された土壌は、土壌粒子の粒度によって油分の含有率が異なり、一般的には、粒径が小さい程油分の含有率が高くなる。したがって、粗粒分を除去した後の細粒部は、油分を含んだ産業廃棄物となるが、この量はできるだけ少なく抑える必要がある。このためには、粗粒分としてスラリーから除去する土壌粒子は、できるだけ小粒径のものまでを有効に洗浄し、油分を少なくして分離するのが望ましい。洗浄後の油分の含有率が低い粗粒分は元の地盤に埋め戻すことができる。
【0008】
これに対し、特開2000−202422号公報に記載の装置では、回転篩装置を通過した油分を含むスラリーについて固液分離処理しており、油分を含んだまま分離される土壌が多くなってしまう。つまり、篩装置では、篩目が200μm〜300μm程度より小さいと目詰まりを起こしてしまうため、これより粒径の小さい土壌粒子は油分を除去して分級するのが難しい。また、篩目を通過したスラリーをサイクロン等の他の分級装置によって適当に分級しても、粗粒部の油分含有率が比較的高い場合には、そのまま埋め戻すことができない。
【0009】
本願発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、汚染土壌に加水して形成したスラリーに含まれる土壌を効率良く分級して、油分の含有率の少ない土壌粒子を取り出すとともに、処理中のスラリー及び処理済水を有効に循環利用して使用水の減量を図ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 油分に汚染された土壌に加水し攪拌及び混合してスラリーとするとともに前記土壌の洗浄を行う洗浄装置と、 前記スラリーが供給され、該スラリーから大粒径分を除去する振動篩と、 前記振動篩を通過したスラリーに含まれる土壌の粗粒分と細粒分とを分離するサイクロンと、 前記サイクロンによって分離された細粒分を含むスラリーから、土壌の細粒分及びこれに付着する油分を除去する排水処理装置とを備え、前記振動篩は、 前記振動篩を通過したスラリーの一部を、該振動篩の前段における篩上のスラリーに噴射する壊砕スプレーと、 前記排水処理装置で処理された処理水を、該振動篩の後段において篩上に残留する土壌粒子に噴射する洗浄スプレーとを有することを特徴とする油汚染土壌洗浄設備を提供するものである。
【0011】
油分によって汚染された土壌は、上記洗浄装置においてスラリーとされ、土壌粒子が摺り合わされて、粒子に付着した油分が剥離される。スラリーは振動篩に送り込まれ、振動篩の前段において、該スラリーに壊砕スプレーから振動篩を通過したスラリーが噴射される。これにより、補給水を用いることなく、スラリーに含まれる土壌の塊が壊砕され、土壌に含まれる大粒径分のみが篩上に残留し、粗粒分及び細粒分を含むスラリーは篩目を通過する。そして、篩上の土壌粒子は振動篩の後段に移動し、洗浄スプレーから油分が除去された処理水が噴射され、土壌粒子の表面に再付着した油分が洗い流されて除去される。この処理水は、篩目を通過したスラリーからサイクロンで土壌の粗粒分を除去し、さらに細粒分を含むスラリーを排水処理装置によって浄化処理したものであり、この処理水を利用することによって、土壌粒子を洗浄し、振動篩から清浄な土壌粒子を取り出すことができる。上記のように、壊砕には大量の循環スラリーを使用し、比較的汚染濃度の低い大径の土壌粒子には少量の洗浄水を使用することによって、使用清水を大きく低減することができる。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の油汚染土壌洗浄設備において、 前記サイクロンのオーバー水の一部を、該サイクロンに供給されるスラリーに還流し、該サイクロンに導入されるスラリーの濃度を調整するものである。
【0013】
一般に、サイクロンへ供給されるスラリーの濃度が高いと、スラリーの流動性が低下し、サイクロン内部にスラリーが滞留してしまう。そして、スラリー中の土壌粒子が良好に分級されず、オーバー水側に土壌の粗粒分が流出するおそれがある。一方、水分を多く含むスラリーでは、サイクロンによる分級効率が低下してしまう。
上記油汚染土壌洗浄設備では、サイクロンのオーバー水の一部を、該サイクロンに供給されるスラリーに還流し、この還流量を調節してサイクロンに導入されるスラリーの濃度を調整する。これにより、新たに新水を加えずに一定の濃度のスラリーを安定してサイクロンに供給し、該スラリーに含まれる土壌の粗粒分と細粒分とを良好に分離することができる。そして、粗粒分を除去したスラリーは、排水処理装置において細粒分及びこれに付着する油分を除去し、清澄化することができる。
【0014】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の油汚染土壌洗浄設備において、 前記サイクロンは、二つのサイクロンを含み、 第1のサイクロンのアンダー水に、前記排水処理装置で処理された処理水を加えて濃度を調整したスラリーを、第2のサイクロンに供給するものである。
【0015】
振動篩を通過したスラリーは、第1のサイクロンによって、該スラリーに含まれる土壌の粗粒分と細粒分とが分離され、粗粒分を含むスラリーがアンダー水として排出される。また、細粒分はサイクロンのオーバー水に含まれて排出される。このとき、粗粒分はサイクロンの壁面に摺擦されたり、粒子同士が摺り合わされて、粒子の表面に付着した油分が剥離される。そして、剥離された油分はオーバー水とともに排水処理装置へ送り込まれる。油分及び細粒分を含むスラリーは排水処理装置によって固液分離され、油分及び土壌の細粒分が除去された処理水は、その一部が第1のサイクロンのアンダー水に加えられ、スラリーの濃度を調整した後、該スラリーが第2のサイクロンに供給される。これにより、第2のサイクロン内でスラリーが滞留せず、該スラリー中の粒子が再びサイクロンの壁面に摺擦され、粒子同士が摺り合わされて再洗浄される。したがって、第2のサイクロンのアンダー水として、油分の含有率の低い土壌粒子を取り出すことができる。
【0016】
一般にサイクロンは、口径が大きいと大水量の分級が可能となり、同時に分級サイズが大きくなる。一方、小口径のサイクロンは小水量の分級しかできないが、分級サイズが小さくなる特性がある。この特性を利用して分級を行なう例として、特開平9−336513号公報では、サイクロンのオーバー水を順次小口径のサイクロンに直列に供給するものとしている。
【0017】
しかし、本請求項に係る発明は、サイクロンに高速で導入された流体中の土壌粒子は、遠心力によってサイクロンの壁面に強く接触し、摺擦されるとともに、壁面に摺り付けられた土壌粒子間の摺擦が生じることに着目し、サイクロンで分級を行なうとともに洗浄効果を利用するものである。つまり、第1のサイクロンのアンダー水を第2のサイクロンに導入することによって洗浄を繰り返し、土壌の粗粒分から汚染油を剥離し、オーバー水とともに除去する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、請求項1、請求項2、又は請求項3に係る発明の一実施形態である油汚染土壌洗浄設備を示す概略構成図である。
この油汚染土壌洗浄設備は、油が付着した汚染土壌と洗浄水ライン28から供給された洗浄水とを混合及び攪拌してスラリーとし、土壌の洗浄を行なう洗浄装置1と、該スラリーから土壌に含まれた粗大な礫等5を除去する湿式振動篩2と、湿式振動篩2で篩目を通過したスラリーが投入される篩下スラリー槽6と、篩下スラリー槽6から供給されたスラリーを土壌の粗粒分と細粒分を含むスラリーとに分級する一次サイクロン10と、一次サイクロン10のアンダー水を貯留する一次粗粒槽14と、一次粗粒槽14から供給されたスラリーに含まれる土壌を分級するとともに、土壌の粗粒分を洗浄する二次サイクロン18と、二次サイクロン10のアンダー水を固液分離する二次粗粒槽21と、一次サイクロン10のオーバー水及び二次サイクロン18のオーバー水を浄化処理する排水処理設備27とで主要部が構成されている。
【0019】
上記洗浄装置1は、例えばドラムウォッシャーを用いることができる。このドラムウォッシャーは、ドラム状の容器を、軸線が水平又はやや傾斜するように支持したものであり、軸線回りに回転駆動することによって収容する土壌と洗浄水とを混合攪拌するものである。混合攪拌により土壌粒子は互いに衝突し摺り合わされて、油分が土壌粒子から剥離される。汚染土壌は軸線方向の一端から投入され、回転にともなって軸線方向にゆっくりと搬送され、他端から排出されるようになっている。
【0020】
上記湿式振動篩2は、二段式の振動篩が用いられており、該湿式振動篩の前段には、篩下スラリー槽6から供給されたスラリーを噴射する壊砕スプレー3と、後段には、排水処理設備27から供給された処理水を噴射する洗浄スプレー4とを備えている。そして、篩網を振動させながら、振動篩の前段において、壊砕スプレー3からの噴射によって篩網上のスラリーに含まれる土壌の塊を壊砕して、土壌の大粒径分と、土壌の粗粒分及び細粒分を含むスラリーとを分離する。また、振動篩の後段において、篩網上に残留する土壌の大粒径分に洗浄スプレー4から処理水を噴射して、大粒径分に再付着した油分を除去する。
【0021】
上記篩下スラリー槽6は、湿式振動篩2の篩網を通過したスラリーを貯留するものであり、スラリーを攪拌する攪拌機7と、スラリーを壊砕スプレー3に供給するポンプ8と、一次サイクロン10に供給するポンプ9と、篩下スラリー槽内のスラリーの濃度を測定し、検知信号を出力する濃度伝送器31と、スラリーの液面を検知し検知信号を出力する液面伝送器34とを備えている。
【0022】
上記攪拌機7は、例えば、回転駆動される羽根状又はスクリュー状の攪拌部によってスラリーを攪拌し、貯留されたスラリーに含まれる土壌の粒子が堆積するのを防ぐものである。
【0023】
上記濃度伝送器31は、スラリー貯槽内のスラリーの濃度を測定し、この測定値を電気信号として濃度調節計32に入力するものである。濃度調節計32には予め適切な濃度が設定されており、この設定値と測定値とを対比する。調節弁33はこの対比の結果に基づいて開閉が調節されるようになっている。これにより、循環オーバーライン11から篩下スラリー槽6に還流されるスラリー量が調節され、篩下スラリー槽6のスラリーは適切な濃度に調整される。
【0024】
上記液面伝送器34は、超音波やレーザーを使用した非接触式の検知器が用いられている。この液面伝送器34には、あらかじめスラリーの液面高さの上限値及び下限値が設定されており、スラリーの液面が上限値又は下限値に達したことを検知するようになっている。そして、液面が上限値又は下限値に達すると制御信号を調節弁33に出力し、調節弁33はこの信号が入力されたときに開閉が調節されるものとなっている。これにより、循環オーバーライン11から篩下スラリー槽6に還流されるスラリー量が調節され、篩下スラリー槽6のスラリーの液面高さが制御される。
【0025】
上記一次サイクロン10は湿式サイクロンが用いられており、質量の小さい細粒分及び油分を含むスラリーは、頂部に設けられた排出口10aから循環オーバーライン11又は排水オーバーライン12に送り込まれる。一方、質量の大きい粗粒部を含むスラリーは、底部に設けられた排出口10bからアンダーライン13を経て一次粗粒槽14へ排出されるようになっている。
【0026】
上記一次粗粒槽14は、排水処理設備27から供給された処理水と槽内のスラリーとを攪拌機15によって攪拌し、スラリーを希釈するものである。一次粗粒槽内で濃度が調整されたスラリーは流動性が向上し、二次サイクロンにおいてスラリーが滞留しにくくなる。
【0027】
上記二次サイクロン18は一次サイクロン10と同じ分級点の湿式サイクロンが用いられている。二次サイクロン18へは、ポンプ16によって一次粗粒槽14からスラリーが供給され、該スラリー中の土壌粒子が二次サイクロン18の壁面に摺擦されたり、土壌粒子が摺り合わされて、粒子の表面に付着した油分が剥離される。二次サイクロン18の底部の排出口18bからは、質量の大きい粗粒分が二次粗粒槽21に排出され、頂部の排出口18aからは、土壌粒子から剥離された油分及び一次サイクロン10で分離されなかったスラリー中の細粒分を含むオーバー水が排水処理設備27へ排出される。
【0028】
上記二次粗粒槽21は半地下に埋設されており、槽内に仕切り網22と、水中ポンプ23とが設けられている。仕切り網22は投入されたスラリーを粗粒部と水分とに分離するものであり、水分は水中ポンプ23によって排水処理設備27に移送するようになっている。
【0029】
上記排水処理設備27は、スラリーに含まれる油分を浮上させて除去するとともに、油分が再付着した細粒部を沈降脱水して汚染ケーキを生成するものである。一方、細粒部及び油分を除去した処理水は、洗浄装置1、洗浄スプレー4及び二次粗粒槽14へ還流するようになっている。
【0030】
次に、この油汚染土壌洗浄設備の動作について説明する。
洗浄装置1に油が付着した汚染土壌と、洗浄水ライン28から洗浄水とが投入され、混合及び攪拌される。汚染土壌はスラリーとなり、混合及び攪拌にともなう土粒子間の衝突及び摺擦によって土壌から油分が剥離され、湿式振動篩2に送り込まれる。湿式振動篩2の前段では、壊砕スプレー3からの噴射によって篩上のスラリーに含まれる土壌の塊が壊砕され、篩網の振動によって、土壌の粒子を含むスラリーは篩網を通過して篩下スラリー槽6に落下する。一方、土壌の大粒径分は振動篩の後段へと移動し、洗浄スプレー4から処理水が噴射され、大粒径分に付着した油分が除去され、系外に搬出される。
【0031】
篩下スラリー槽6では、濃度伝送器31によってスラリーの濃度が測定され、調節弁33の開閉が調節される。これにより、排水オーバーライン12から排水処理設備27に送り込まれるスラリー量及び循環オーバーライン11からスラリー貯槽6に還流されるスラリー量が調節され、スラリー濃度が調整される。スラリーはポンプ9によって一次サイクロン10に供給されるとともに、スラリーの一部はポンプ8によって壊砕スプレー3に供給されて循環使用される。
【0032】
一次サイクロン10に送り込まれたスラリーは、濃度が調整されており、細粒分を含むスラリーと粗粒分とに効率良く分級され、このとき粗粒分はサイクロンの壁面に摺擦されたり、粒子同士が摺り合わされて、粒子の表面に付着した油分が剥離される。細粒分及び剥離された油分を含むスラリーは循環オーバーライン11又は排水オーバーライン12に送り込まれ、粗粒分は一次粗粒槽14へ排出される。循環オーバーライン11に送られたスラリーは再び篩下スラリー貯槽6に供給され、排水オーバーライン12に送り込まれたスラリーは排水処理設備27に移送される。
【0033】
一次粗粒槽14では、一次粗粒槽内の粗粒分と排水処理設備27から供給された処理水とが攪拌機15によって混合され、濃度調整された粗粒分を含むスラリーが二次サイクロン18に送り込まれる。二次サイクロン18では、スラリーが濃度調整されているので滞留せずに混合攪拌され、土壌の粒子は再びサイクロンの壁面に摺擦され、粒子間で摺り合わされて表面に付着した油分が洗い流される。したがって油分の含有率の低い粗粒分が二次粗粒槽21に排出される。また、スラリーに残留する細粒分は、オーバーライン19を経て排水処理設備27に移送される。
【0034】
二次粗粒槽21では、仕切り網22によって粗粒部と水分とが分離され、水分は水中ポンプ23によって排水処理設備27に送られて処理される。一方、粗粒部はサイクロンによって油分がほとんど除去されており、そのまま埋め戻すことができる。また、排水処理設備27では、スラリーに含まれる油分を浮上させて除去するとともに、油分を多く含む土壌の細粒分を沈降脱水して汚染ケーキとし、産業廃棄物として系外に搬出する。一方、油分及び土壌の細粒分が除去された処理水は、洗浄装置1、洗浄スプレー4及び二次粗粒槽14へ再循環し、これにより省水を図る。
【0035】
上記工程において、篩下スラリー槽6内のスラリーは、調節弁33によって濃度が調整されており、液面高さは変動する。しかし、液面高さが上限値又は下限値に達すると次のように液面高さが制御される。
液面伝送器34によってスラリー液面が上限値に達したことが検知されると、電気信号として調節弁33に入力され、該調節弁12は閉状態となる。そして、一次サイクロンのオーバー水である細粒分を含むスラリーは、排水オーバーライン12を経て、全て排水処理設備27に送り込まれる。一方、液面が下限値まで低下すると、液面伝送器34からの入力によって調節弁33は開状態となり、循環オーバーライン11から篩下スラリー槽6に還流されるスラリー量が最大となる。これにより、篩下スラリー槽6のスラリーの液面高さが上限値と下限値との範囲内で維持される。
【0036】
この油汚染土壌洗浄設備を用いて汚染土壌の洗浄実験を行ったところ、次のような結果が得られた。
油分濃度3%に汚染された原土17トン/hを30%の水分率に調節し、ドラム洗浄機で10分攪拌混合してスラリーとし、2段湿式振動篩に投入した。
この振動篩は図2に示すように、上段に5mmの篩網41aと、下段に1mmの篩網41bと、前段の篩網41a及び篩網41bと対向して壊砕スプレー42と、後段の篩網41a及び篩網41bと対向して洗浄スプレー43とが設けられている。振動篩の前段において篩網41a及び篩網41b上に壊砕スプレー42から処理水を噴射し、後段において篩網41a及び篩網41b上に残留した土壌に洗浄スプレーから処理水を噴射し、篩上の土壌をコンベア44a、44bに排出した。この結果、1mm以上の洗浄した土壌に含まれる油分は3000ppmであった。また、スラリー排出部45から排出されたスラリーに含まれる30μm〜1mmの土壌粒子に付着した油分は5000ppmであり、その他の油分は30μm以下の細粒分を含むスラリー中に含有されていた。
【0037】
1mm以下の土壌粒子を含むスラリーは、粒子濃度12%に調整した後、分級点30μmの一次サイクロンに供給し、スラリーに含まれる細粒分と粗粒分とを分離した。供給流量比で15%となった粗粒分を含むスラリーは、排水設備処理からの希釈処理水を加えて粒子濃度12%に調整し、再度、分級点30μmの二次サイクロンに供給し、粗粒分を洗浄した。この結果、二次サイクロンのアンダー水の油分は1000ppmとなった。
【0038】
なお、本設備で処理した汚染土壌に含まれる30μm以下の土壌粒子は、全土壌の10%であったが、汚染土壌の粒度分布が細粒分に偏っている場合や、産業廃棄物として系外に搬出するケーキを更に減少させたい場合は分級点の小さいサイクロンを複数台並列に接続したものを直列に配置することによってその目的を達することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明に係る油汚染土壌洗浄設備によれば、油分によって汚染された土壌は洗浄装置においてスラリーとされ、土壌粒子から油分が剥離される。スラリーは振動篩に送り込まれ、振動篩の前段において処理中のスラリーが噴射されて篩上のスラリーに含まれる土壌の塊が壊砕され、振動篩の後段に移動した土壌の大粒径分に処理済水が噴射され、大粒径分に再付着した油分が除去される。これにより、使用水を大きく低減し、清浄な土壌を分離することができる。篩目を通過したスラリーは、サイクロンのオーバー水の一部を加水することによって濃度が調整され、サイクロン内で滞留せずに土壌の粗粒分と細粒分とに効果的に分級されるとともに、土壌の粒子の表面に付着した油分が剥離される。また、サイクロンを直列に設け、前段のサイクロンのアンダー水を濃度調整後に後段のサイクロンに送り込み、再洗浄することによって、油分の含有率の低い土壌粒子を取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1、請求項2、又は請求項3に係る発明の一実施形態である油汚染土壌洗浄設備を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す油汚染土壌洗浄設備で用いることのできる湿式振動篩の概略構成図である。
【符号の説明】
1 洗浄装置 21 二次粗粒槽
2 湿式振動篩 22 仕切り網
3 壊砕スプレー 23 水中ポンプ
4 洗浄スプレー 27 排水処理設備
5 礫等 28 洗浄水ライン
6 篩下スラリー槽 30 汚染ケーキ
7、15 攪拌機 31 濃度伝送器
8、9、16 ポンプ 32 濃度調節計
10 一次サイクロン 33 調節弁
11 循環オーバーライン 34 液面伝送器
12 排水オーバーライン
13 アンダーライン
14 一次粗粒槽
18 二次サイクロン
19 オーバーライン

Claims (3)

  1. 油分に汚染された土壌に加水し攪拌及び混合してスラリーとするとともに前記土壌の洗浄を行う洗浄装置と、
    前記スラリーが供給され、該スラリーから大粒径分を除去する振動篩と、
    前記振動篩を通過したスラリーに含まれる土壌の粗粒分と細粒分とを分離するサイクロンと、
    前記サイクロンによって分離された細粒分を含むスラリーから、土壌の細粒分及びこれに付着する油分を除去する排水処理装置とを備え、
    前記振動篩は、
    前記振動篩を通過したスラリーの一部を、該振動篩の前段における篩上のスラリーに噴射する壊砕スプレーと、
    前記排水処理装置で処理された処理水を、該振動篩の後段において篩上に残留する土壌粒子に噴射する洗浄スプレーとを有することを特徴とする油汚染土壌洗浄設備。
  2. 前記サイクロンのオーバー水の一部を、該サイクロンに供給されるスラリーに還流し、該サイクロンに導入されるスラリーの濃度を調整することを特徴とする請求項1に記載の油汚染土壌洗浄設備。
  3. 前記サイクロンは、二つのサイクロンを含み、
    第1のサイクロンのアンダー水に、前記排水処理装置で処理された処理水を加えて濃度を調整したスラリーを、第2のサイクロンに供給することを特徴とする請求項1に記載の油汚染土壌洗浄装置。
JP2002052841A 2002-02-28 2002-02-28 油汚染土壌洗浄設備 Expired - Fee Related JP3823849B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002052841A JP3823849B2 (ja) 2002-02-28 2002-02-28 油汚染土壌洗浄設備

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002052841A JP3823849B2 (ja) 2002-02-28 2002-02-28 油汚染土壌洗浄設備

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003251330A JP2003251330A (ja) 2003-09-09
JP3823849B2 true JP3823849B2 (ja) 2006-09-20

Family

ID=28664426

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002052841A Expired - Fee Related JP3823849B2 (ja) 2002-02-28 2002-02-28 油汚染土壌洗浄設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3823849B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4351930B2 (ja) * 2004-02-26 2009-10-28 西松建設株式会社 汚染土壌の洗浄方法
KR100599222B1 (ko) * 2004-04-03 2006-07-12 금광개발 주식회사 유류오염토양 복원공법
JP4794605B2 (ja) * 2008-06-20 2011-10-19 和久 黒田 固液分離洗浄システム
GB2489053A (en) * 2011-03-18 2012-09-19 Rockwash Prep & Store Ltd A method and apparatus for washing rock samples
SG10201405473RA (en) * 2014-05-20 2015-12-30 Cde Asia Ltd A system and method thereof for scrubbing and classification of coarse and fines materials
JP2016138846A (ja) * 2015-01-29 2016-08-04 西松建設株式会社 放射性セシウム含有土砂の分級洗浄及び減容化処理方法
KR101780672B1 (ko) 2015-10-27 2017-09-21 현대건설주식회사 분리형 세척수단을 포함하는 오염토양 정화장치 및 정화방법
JP2018187583A (ja) * 2017-05-10 2018-11-29 環テックス株式会社 泥水処理方法及び泥水処理装置
CN111790740A (zh) * 2020-08-13 2020-10-20 福建安冠环境科技有限公司 一种用于石油烃有机物污染土壤修复的方法和装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003251330A (ja) 2003-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105772497B (zh) 一种土壤异位淋洗修复成套设备
KR100952752B1 (ko) 미세토양 세척장치 및 방법
US5833863A (en) Concrete reclamation system
KR101406866B1 (ko) 오염 토양의 세척 방법 및 이를 이용한 오염 토양의 세척 시스템
KR101358147B1 (ko) 미세기포를 이용한 오염토양 분리세척 방법 및 그 장치
JP5292483B2 (ja) 湿式選別装置
JP3823849B2 (ja) 油汚染土壌洗浄設備
KR101711623B1 (ko) 오염토양 정화 시스템 및 이를 이용하는 오염토양 정화방법
JP6396075B2 (ja) 汚染土壌の湿式分級洗浄方法及び装置
KR100460629B1 (ko) 토양세척기 및 이를 이용한 토양세척장치
KR101431161B1 (ko) 모래 및 협잡물 여과, 탈수 장치
KR101785001B1 (ko) 건식 및 습식 혼용 재생 잔골재 생산방법
JP5417933B2 (ja) 含油粒状物の処理方法
JP4697719B2 (ja) 汚染土壌の浄化方法及びそれに用いる分離装置
KR100475431B1 (ko) 대용량 토양세척장치
CN107262519B (zh) 放射性污染土壤净化系统
KR20190123845A (ko) 준설토 처리 장치
RU2571112C2 (ru) Мобильная установка для очистки сыпучего материала
JP2006035103A (ja) 重金属汚染土壌処理システムおよび重金属汚染土壌処理方法
JP2012166170A (ja) 焼却灰の洗浄方法及びセメント原料化方法
JP5292482B2 (ja) 湿式選別装置
KR101270065B1 (ko) 중금속 오염토양 세척방법
JP5143070B2 (ja) 粉粒体処理システム及び粉粒体処理方法
JP4551152B2 (ja) 比重選別機および比重選別方法
JP6618039B2 (ja) 除染土壌処理装置及び方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040608

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060331

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060619

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090707

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100707

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100707

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110707

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees