JP4482636B2 - 焼却灰の洗浄処理方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一般ごみ焼却炉から排出される焼却灰(主灰、飛灰)をセメントの原料として再利用するために焼却灰を洗浄処理する方法及び装置とその洗浄した被処理水を処理する方法及び装置に関するものである。
焼却灰には塩素がかなりの量含まれており、この塩素はセメントの品質に悪影響を与えるため、これらの焼却灰をセメント原料として再利用する場合には塩素は出来るだけ除去する必要がある。
我が国の一般廃棄物の最終処分場は、埋立量の50%がごみ焼却灰である。しかし、近年最終処分場の残余年数が切迫しているにもかかわらず、住民の反対等により新しい処分場の建設が困難になっている。
この対策として、焼却灰をセメント原料として再利用する方法が検討されてきている。焼却灰をセメント原料として塩素含有量の大きいエコセメントを製造する技術があるが、エコセメントを製造するにあたって既存のプラント設備でなく、高価なエコセメント専用プラントを建設しなければならない。また、エコセメント自体の利用がブロック等の無筋コンクリート、地盤改良、土壌固化等の限られた用途に限定されている。
一方、焼却灰をセメント原料化するに際して、焼却灰に含まれている塩素を除去し、普通ポルトランドセメントの原料して一部混合する方法があるが、従来行われている水洗浄及び温水洗浄を行っても脱塩率は通常70%〜90%程度であり、焼却灰中に残る塩素濃度は0.3%〜1%程度残る。そのため、焼却灰の混合量が制限される。
一方、洗浄水の処理に関しては、焼却灰の水洗浄及び温水洗浄のpHを酸等で調整し、焼却灰と被処理水とに分離する前に水銀、亜鉛、鉛等の重金属類を析出させ、重金属類を焼却灰側に析出させ、セメント原料としてキルン(炉)に投入した時に、重金属類を除去するか、焼却灰と被処理水とに分離する前に水銀、亜鉛、鉛等の重金属類を被処理水側へ溶解させ、焼却灰と被処理水とに分離した後、洗浄水のpHを再度調整することにより、析出させ除去する方法等がある。
ダイオキシン類に関しては、焼却灰中に含まれており、あるプロセスは、焼却灰をある温度まで加熱し、ダイオキシン類を除去してから、焼却灰を洗浄する方法もある。しかし、このプロセスは焼却灰を加熱することから、運転コストとして高価なプロセスとなっている。
また、排水処理に関しては、従来公知とされている排水処理方法が提案されている。
このため従来では、これらの焼却灰をセメント原料等として再利用する場合には焼却灰を水で洗浄し、濾過することにより塩素を除去しているが除去効率が悪いという問題があった。
一方、焼却灰の洗浄処理において、脱塩及び重金属類の除去効果を高めるために焼却灰を塩素濃度が高い溶液で洗浄することにより焼却灰に含まれる重金属類の溶出を促し、焼却灰の洗浄懸濁液に二酸化炭素を導入して洗浄することにより焼却灰に含まれるフリーデル氏塩からの塩素イオンの溶出を促す技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−128304号公報
しかしながら、前述の従来例では、焼却灰と洗浄用水とを攪拌漕に収容し、その焼却灰の洗浄懸濁液に二酸化炭素を導入して一過性で攪拌洗浄するだけであったため塩素イオンの溶出が十分であるとはいえなかった。また、洗浄灰を分離した後の排水処理も十分とはいえなかった。
これは、フリーデル氏塩等の難溶性塩素化合物は溶解せず焼却灰中に残っており、高効率な脱塩が行われないためである。焼却灰中に残る塩素濃度が高いとセメント原料として採用した場合、コンクリート中に補強材として入れる鉄筋に錆が発生する場合があるためポルトランドセメントのJIS規格ではセメント原料の含有塩素濃度が350ppm以下に規定されており、焼却灰のセメント原料との混合量が制約される。
また、焼却灰中に残る塩素濃度が高いと、セメント原料を製造する段階において塩素成分が、セメント用ロータリーキルン(炉)の排ガスの出口にサイクロン形熱交換器を数段重ねて粉末状の原料を浮遊状態で効率良く炉排ガスで余熱及び脱炭酸を行うための予熱器であるサスペンションプレヒータに付着し、排ガスの出口を閉塞する等の問題が生じて安定した焼成操作の妨げとなるという問題がある。
一方、焼却灰を洗浄した後の被処理水には、相当高濃度のダイオキシン類が含まれており、この排水の処理が不十分であったり、ダイオキシン類除去工程の運転コスト、設備費が高価な方法となっている。
また、焼却灰中に水銀、亜鉛、鉛等の重金属類も含まれており、洗浄排水中に溶解している可能性もあり、これを除去する必要がある。
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、塩素イオンの溶出が十分に出来、洗浄灰を分離した後の排水処理に優れた焼却灰の洗浄処理方法及びその装置を提供せんとするものである。
前記目的を達成するための本発明に係る焼却灰の洗浄処理方法の第1の構成は、焼却灰と水とを混合した焼却灰スラリーに二酸化炭素ガスを導入して20℃以上、且つ70℃以下の温度で洗浄すると共に湿式破砕機により該焼却灰スラリーを破砕する第1工程と、前記第1工程により洗浄された洗浄灰スラリーを洗浄灰と被処理水とに分離する第2工程と、前記第2工程で分離された前記被処理水を循環式濾過装置により濾過し、該循環式濾過装置により濃縮された被処理水に含まれる懸濁固形物を高温燃焼炉により燃焼させる第3工程とを含むことを特徴とする。
また、本発明に係る焼却灰の洗浄処理方法の第の構成は、前記第1の構成の前記第1工程において前記焼却灰スラリーに二酸化炭素ガスを導入して洗浄すると共に湿式破砕機により該焼却灰スラリーを破砕する1次洗浄の後、その洗浄灰スラリーを前記第2工程において洗浄灰と被処理水とに分離し、その分離された洗浄灰に再度水を加えて希釈し、その希釈された洗浄灰スラリーに再度二酸化炭素ガスを導入して2次洗浄を行うことを特徴とする。
また、本発明に係る焼却灰の洗浄処理方法の第の構成は、前記第の構成の前記2次洗浄時に湿式破砕機により前記洗浄灰スラリーを破砕することを特徴とする。
また、本発明に係る焼却灰の洗浄処理方法の第の構成は、前記第、第の構成の前記1次洗浄及び2次洗浄の後、更に、その洗浄灰スラリーを前記第2工程において洗浄灰と被処理水とに分離し、その分離された洗浄灰に再度水を加えて希釈し、その希釈された洗浄灰スラリーに再度二酸化炭素ガスを導入して洗浄を行う工程を複数回繰り返す多次洗浄を行うことを特徴とする。
また、本発明に係る焼却灰の洗浄処理装置の第1の構成は、焼却灰と水とを混合して収容する供給灰貯槽タンクと、前記供給灰貯槽タンクから供給される焼却灰スラリーを収容し、保温手段により該焼却灰スラリーの温度を20℃以上、且つ70℃以下に保温した状態で該焼却灰スラリーに二酸化炭素ガスを導入して洗浄すると共に、該焼却灰スラリーを破砕する湿式破砕機を備えた洗浄槽と、前記洗浄槽から排出された洗浄灰スラリーを洗浄灰と被処理水とに分離する分離装置と、前記分離装置により分離され排出された被処理水を濾過する循環式濾過装置と、前記循環式濾過装置により濃縮された被処理水に含まれる懸濁固形物を燃焼させる高温燃焼炉とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る焼却灰の洗浄処理装置の第の構成は、前記第1の構成の前記洗浄槽は、前記供給灰貯槽タンクから供給される焼却灰スラリーに二酸化炭素ガスを導入して洗浄すると共に前記湿式破砕機により該焼却灰スラリーを破砕する1次洗浄を行うための第1洗浄槽と、前記第1洗浄槽により1次洗浄された洗浄灰スラリーを前記分離装置により洗浄灰と被処理水とに分離し、その分離された洗浄灰に再度水を加えて希釈した洗浄灰スラリーに再度二酸化炭素ガスを導入して洗浄する2次洗浄を行うための第2洗浄槽とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る焼却灰の洗浄処理装置の第の構成は、前記第の構成の前記第2洗浄槽は、前記2次洗浄時に前記湿式破砕機により前記洗浄灰スラリーを破砕することを特徴とする。
本発明に係る焼却灰の洗浄処理方法の第1の構成によれば、焼却灰と水とを混合した焼却灰スラリーに二酸化炭素ガスを導入して洗浄すると共に湿式破砕機により該焼却灰スラリーを破砕することで、焼却灰スラリーの表面積を増大することが出来、二酸化炭素ガスに反応する焼却灰に含まれる難溶解性塩であるフリーデル氏塩の分解(脱塩)反応を促進することが出来る。
また、その洗浄された洗浄灰スラリーを洗浄灰と被処理水とに分離して、その被処理水を循環式濾過装置により濾過し、該循環式濾過装置により濃縮された被処理水に含まれる懸濁固形物を高温燃焼炉により高温燃焼処理することが出来る。
一方、前記循環式濾過装置により濾過された濾過水に含まれている重金属類は、公知の水処理法(凝集沈殿等)で処理することが出来る。
二酸化炭素ガスとしては燃焼排ガス(排ガス中の二酸化炭素)を利用することも出来る。
また、焼却灰スラリーに二酸化炭素ガスを導入して洗浄する際の温度を20℃以上、且つ70℃以下に設定することで塩素が水に溶けやすくなり脱塩作用が向上する。70℃よりも高いと脱塩作用が更に向上するものの熱エネルギー損失や装置の耐久性を考慮すると70℃以下が適当である。
また、本発明に係る焼却灰の洗浄処理方法の第の構成によれば、1次洗浄により焼却灰スラリーに二酸化炭素ガスを導入して洗浄すると共に湿式破砕機により該焼却灰スラリーを破砕することで、焼却灰スラリーの表面積を増大することが出来、二酸化炭素ガスに反応する焼却灰に含まれる難溶解性塩であるフリーデル氏塩の分解(脱塩)反応を促進することが出来る。次にその洗浄灰スラリーを遠心分離機等により洗浄灰と被処理水とに分離し、2次洗浄により前記1次洗浄で洗浄された洗浄灰に再度水を加えて希釈し、その希釈された洗浄灰スラリーに再度二酸化炭素ガスを導入して洗浄することで洗浄効率が向上する。
また、本発明に係る焼却灰の洗浄処理方法の第の構成によれば、前記第の構成の2次洗浄時に湿式破砕機により洗浄灰スラリーを破砕するため洗浄効率が更に向上する。
また、本発明に係る焼却灰の洗浄処理方法の第の構成によれば、前記第、第の構成の1次洗浄及び2次洗浄の後、更に、その洗浄灰スラリーを洗浄灰と被処理水とに分離し、その分離された洗浄灰に再度水を加えて希釈し、その希釈された洗浄灰スラリーに再度二酸化炭素ガスを導入して洗浄を行う工程を複数回繰り返す多次洗浄を行うことで洗浄灰中の塩素濃度を低減することが出来る。
本発明に係る焼却灰の洗浄処理装置の第1の構成によれば、供給灰貯槽タンクにより焼却灰と水とを混合して収容する。そして、バッチ方式で供給灰貯槽タンクから洗浄槽に焼却灰スラリーを供給して収容し、その洗浄槽において焼却灰スラリーに二酸化炭素ガスを導入して洗浄すると共に、湿式破砕機により該焼却灰スラリーを破砕することが出来る。
湿式破砕機により洗浄槽に収容された焼却灰スラリーを機械的に破砕し、二酸化炭素ガスに反応する焼却灰スラリーの表面積を増大することが出来、焼却灰に含まれる難溶解性塩であるフリーデル氏塩の分解(脱塩)反応を促進することが出来る。
そして、洗浄槽から排出された洗浄灰スラリーを遠心分離機等の分離装置により洗浄灰と被処理水とに分離し、洗浄灰はセメント原料として再利用することが出来る。これにより洗浄灰は100%セメント原料化出来る。
また、分離装置により分離され排出された被処理水を循環式濾過装置により濾過し、該循環式濾過装置により濃縮された被処理水に含まれる懸濁固形物を高温燃焼炉により高温燃焼処理することが出来る。また前記循環式濾過装置により濾過された濾過水に含まれる重金属類は、公知の水処理法(凝集沈殿等)で処理することが出来る。
また、保温手段により洗浄槽内で焼却灰スラリーに二酸化炭素ガスを導入して洗浄する際の温度を20℃以上、且つ70℃以下に保温することで塩素が水に溶けやすくなり脱塩作用が向上する。70℃よりも高いと脱塩作用が更に向上するものの熱エネルギー損失や装置の耐久性を考慮すると70℃以下が適当である。従って、より好ましい温度は、20℃以上、且つ50℃以下である。
また、本発明に係る焼却灰の洗浄処理装置の第の構成によれば、第1洗浄槽の1次洗浄により焼却灰スラリーに二酸化炭素ガスを導入して洗浄すると共に湿式破砕機により該焼却灰スラリーを破砕した後、その洗浄灰スラリーを遠心分離機等の分離装置で洗浄灰と被処理水とに分離する。そして、その分離された洗浄灰を第2洗浄槽へ投入し、再度水を加えて希釈した洗浄灰スラリーに再度二酸化炭素ガスを導入して洗浄する2次洗浄を行うことにより洗浄効率が向上する。
また、本発明に係る焼却灰の洗浄処理装置の第の構成によれば、2次洗浄時に湿式破砕機により洗浄灰スラリーを破砕することで更に洗浄効率が向上する。
前記第1、第2洗浄槽内では攪拌機にて攪拌洗浄することが出来る。また第1、第2洗浄槽を交互に併用して洗浄回数を増やすことも洗浄効率を向上させる。
図により本発明に係る焼却灰の洗浄処理方法及びその装置の一実施形態を具体的に説明する。図1及び図2は本発明に係る焼却灰の洗浄処理装置の構成を示すフロー図、図3は洗浄回数ごとの洗浄灰中の塩素濃度を示す図である。
図1において、ごみ焼却炉から排出される焼却灰、即ち、ごみ焼却炉の炉底から排出される主灰とごみを焼却したときに発生する灰のうち排ガスと同伴して集塵装置等で集められる飛灰とからなる焼却灰を例えば主灰:飛灰が2:1程度の割合で混合する。
バッファタンク6に収容されている洗浄水を水中ポンプ6aにより供給灰貯槽タンク5に所定量移送する。主灰、飛灰からなる焼却灰を振動スクリーン4上に一定量載せて該振動スクリーン4を起動すると共に、自動弁1を閉鎖し、自動弁2を開放した状態で、攪拌機5a及びポンプ7を起動する。
供給灰貯槽タンク5内に貯留された洗浄水は、攪拌機5aにより攪拌しながら、自動弁1を閉鎖し、自動弁2を開放してポンプ7を起動させ、洗浄水を振動スクリーン4の上方から再度該供給灰貯槽タンク5内に放出させて循環させる。それと同時に焼却灰は、振動スクリーン4を起動させ定量的に投入し、主灰、飛灰を洗浄しながら、ふるい分けを行う。
供給灰貯槽タンク5内で主灰、飛灰からなる焼却灰が洗浄されると同時に振動スクリーン4によりガラを払い出す。主灰は焼却炉から排出される際、冷却する目的で水ピットに投入されるため、湿灰となって出てくる。そのため水分を含んだ塊状物となっているため、振動スクリーン4上に投入する前に破砕機等で一旦、破砕すると良い。
供給灰貯槽タンク5内には、焼却灰:洗浄水の割合が1:4から1:8までの比率範囲で焼却灰と水とが混合して収容され、攪拌機5aにより均一に攪拌され、焼却灰スラリー8とされる。
供給灰貯槽タンク5内循環による洗浄が終了すると、自動弁1を開放して該供給灰貯槽タンク5内の焼却灰スラリー8を第1洗浄槽10に収容する。
第1洗浄槽10の外周部には反応温度の保温を目的として蒸気を流通させるための保温手段となるジャケット10aが設けられており、第1洗浄槽10の内部に収容された焼却灰スラリー8を攪拌する攪拌機10b、該焼却灰スラリー8に二酸化炭素ガス(CO)を導入して洗浄するバブリング装置10c等が設けられている。
焼却灰スラリー8中の塩素はフリーデル氏塩(3CaO・Al2O3・CaCl2・10H2O)の形態で固定されている場合があり、これらは水に難溶であるため単に水で洗浄しても塩素は殆ど除去されない。ところが、焼却灰スラリー8中に二酸化炭素ガスが存在すると、以下の化1式のように、炭酸イオンCO3 2-と塩素イオン2Cl-が置換され、塩素イオン2Cl-が溶出するか、或いはCaCl2として溶解性塩として溶出するかによって、洗浄液側に塩素分が溶出する。
〔化1〕
CO2 + H2O → 2H+ + CO3 2-
3CaO・Al2O3・CaCl2・10H2O + CO3 2- → 3CaO・Al2O3・CaCO3・10H2O+2Cl-
或いは、
3CaO・Al2O3・CaCl2・10H2O + 3CO2 → 3CaCO3 + 2Al(OH)2 + CaCl2 + 7H2O
従って、第1洗浄槽10内の焼却灰スラリー8に二酸化炭素ガスを導入して洗浄することにより塩素イオン(Cl-)を溶出させて塩素を除去することが出来る。第1洗浄槽10の反応温度は第1洗浄槽10の外周部に設けられたジャケット10a内に蒸気を流通させることにより50℃程度に維持されており、塩素イオン(Cl-)の溶出反応促進に寄与している。
第1洗浄槽10には循環配管路11が設けられており、その循環配管路11の途中には該循環配管路11を流通する焼却灰スラリー8を破砕する湿式破砕機12が設けられている。湿式破砕機12は例えばスリットが設けられた2枚の羽根を流路を遮るようにして配置し、該2枚の羽根を回転駆動してスリット内を流通する焼却灰スラリー8を切るようにして機械的に破砕し、該焼却灰スラリー8の表面積を増大させて二酸化炭素ガスを導入する洗浄反応を促進することが出来るものである。
第1洗浄槽10内の焼却灰スラリー8内に含まれる重金属類も第1洗浄槽10内の焼却灰スラリー8に二酸化炭素ガスを導入して洗浄することにより、焼却灰スラリー8のpHが中性(pH6〜pH7)になり、これにより重金属類の溶解度が増すため各重金属類イオンを溶出させて各重金属類を除去することが出来る。
第1洗浄槽10による1次洗浄を終えた焼却灰スラリー8はポンプ15により分離装置となる遠心分離機16に投入されて洗浄灰と被処理水18とに分離される。洗浄灰は再度洗浄するため、モノーポンプ17を用いて第2洗浄槽13へ投入されると同時に上水供給路14から洗浄水が第2洗浄槽13に供給される。
第2洗浄槽13の外周部にも第1洗浄槽10と同様に反応温度の保温を目的として蒸気を流通させるための保温手段となるジャケット13aが設けられており、第2洗浄槽13の内部に収容された洗浄灰スラリー55を攪拌する攪拌機13b、洗浄灰スラリー55に二酸化炭素ガス(CO)を導入して洗浄するバブリング装置13cが設けられている。
第2洗浄槽13で2次洗浄を終えた洗浄灰スラリー55は再度、ポンプ15により遠心分離機16に投入され、洗浄灰57と被処理水18とに分離される。この洗浄灰57をセメントの原料として再利用する。
尚、図1に示す本実施形態では、焼却灰を2回洗浄するシステムの一例について示したが、前述の1次洗浄及び2次洗浄の後、更にその洗浄灰スラリー55を遠心分離機16により洗浄灰と被処理水18とに分離し、その分離された洗浄灰に再度水を加えて希釈し、その希釈された洗浄灰スラリー55に再度二酸化炭素ガスを導入して洗浄を行う工程を複数回繰り返す多次洗浄を行うことでも良い。
その場合、第1洗浄槽10と第2洗浄槽13とを交互に併用して洗浄運転するすることで多次洗浄を実施することが出来る。このように洗浄回数を増やすことにより更に塩素濃度を低くすることが出来る。
第2洗浄槽13で使用した洗浄水は、遠心分離機16により被処理水18に分離され、遠心分離機濾液受槽19に貯留される。ポンプ20を使用してこの被処理水18をバッファタンク6に貯め、供給灰貯槽タンク5で焼却灰スラリー8を作る時にこの被処理水18を使用する。
本実施形態において、第1洗浄槽10は供給灰貯槽タンク5から供給される焼却灰スラリー8を収容し、該焼却灰スラリー8に二酸化炭素ガスを導入して洗浄すると共に、該焼却灰スラリー8を破砕する湿式破砕機12を備えた洗浄槽として構成されたものであり、第1洗浄槽10は1次洗浄槽として、第2洗浄槽13は、1次洗浄槽で洗浄された洗浄灰スラリー55をポンプ15で遠心分離機16に投入し、洗浄灰と被処理水18とに分離した洗浄灰を入れ、上水供給路14から上水を供給し、2次洗浄を行う2次洗浄槽としてそれぞれ構成されており、バッチ方式で運転される。
先ず、供給灰貯槽タンク5内には灰:洗浄水=1:4となる様に灰と洗浄水を投入する。供給灰貯槽タンク5に焼却灰スラリー8があるときは、常に焼却灰スラリー8の沈降防止のためにポンプ7と攪拌機5aを起動させておく。
第1、第2洗浄槽10,13をバッチ方式で運転する場合は、先ず自動弁54cを開放して焼却灰スラリー8を第1洗浄槽10へ収容する。第1洗浄槽10の水量レベルが500L(リットル)〜625L(リットル)程度に達すると、自動弁54cは閉鎖される。
自動弁54a,54bを開放して、湿式破砕機12を運転し、循環配管路11を流通させながら焼却灰スラリー8を破砕する。同時に、第1洗浄槽10に設けられた攪拌機10bを運転しながらバブリング装置10cから二酸化炭素ガスを2Nm/hr〜3Nm/hr程度吹き込み、ジャケット10aに蒸気を流通させて第1洗浄槽10の反応温度を50℃程度に維持して焼却灰スラリー8の1回目の洗浄(1次洗浄)を行う。
第1洗浄槽10による1次洗浄を約45分間実施したのち、バブリング装置10cからの二酸化炭素ガスの吹き込みを停止すると共に、第1洗浄槽10のジャケット10aへの蒸気の投入を停止する。第1洗浄槽10内の水量レベルが所定の水量レベルよりも低くなるか、或いは第1洗浄槽10の1次洗浄運転開始時から60分程度経過した時点で自動弁54a,54bを閉鎖し、湿式破砕機12を停止すると共に第1洗浄槽10の攪拌機10bを停止する。
次に自動弁54eを開放してポンプ15を運転し、第1洗浄槽10で1次洗浄された洗浄灰スラリー55を該ポンプ15により遠心分離機16に供給し、該遠心分離機16により洗浄灰57と被処理水18とに分離する。
遠心分離機16により分離された被処理水18は遠心分離機濾液受槽19に収容される。一方、自動弁54f,54gを開放すると共に自動弁54hを閉鎖した状態で上水供給路14から上水を第2洗浄槽13に所定量供給して貯留し、自動弁54iを開放し且つ自動弁54jを閉鎖した状態で遠心分離機16で分離された洗浄灰57をモノーポンプ17により第2洗浄槽13に供給する。これにより第2洗浄槽13内では、第1洗浄槽10で1次洗浄された洗浄灰57が水により洗浄灰スラリー55となる。
水の量が所定水量レベルに達すると上水の投入を停止する。次に自動弁54f,54gを開放して湿式破砕機12を運転し、該湿式破砕機12により循環配管路11を循環させる。次にバブリング装置13cから二酸化炭素ガスを2Nm/hr〜3Nm/hr程度噴出すると共に、第2洗浄槽13のジャケット13aに蒸気を流通させて第2洗浄槽13の反応温度を50℃程度に維持し、第2洗浄槽13に設けられた攪拌機13bを運転して該第2洗浄槽13内の洗浄灰スラリー55を均一に攪拌しながら該洗浄灰スラリー55を2次洗浄する。
そして、第1洗浄槽10内の水量レベルが所定の水量レベルよりも低くなるか、或いは第1洗浄槽10の1次洗浄運転開始時から115分程度経過した時点で自動弁54eを閉鎖し、ポンプ15を停止する。
洗浄灰スラリー55を取り出した第1洗浄槽10は、再び前述と同様にして、供給灰貯槽タンク5から焼却灰スラリー8が投入される。
一方、第2洗浄槽13では自動弁54hを開放してポンプ15を運転し、該第2洗浄槽13内の洗浄灰スラリー55を遠心分離機16に供給して洗浄灰57と被処理水18とに分離する。遠心分離機16により分離された被処理水18は遠心分離機濾液受槽19に収容され、洗浄灰57は自動弁54jを開放してモノーポンプ17から洗浄灰ドラム56へ投入されてセメント原料として排出する。
そして、第2洗浄槽13内の水量レベルが所定の水量レベルよりも低くなるか、或いは第2洗浄槽13の2次洗浄運転開始時から60分程度経過した時点で自動弁54hを閉鎖し、ポンプ15を停止する。
第2洗浄槽13の2次洗浄運転開始時から120分程度経過した時点でバブリング装置13cからの二酸化炭素ガスの吹き込みを停止すると共に、第2洗浄槽13のジャケット13aへの蒸気の投入を停止する。
第2洗浄槽13の2次洗浄運転開始時から120分程度経過した時点で自動弁54f,54gを閉鎖し、湿式破砕機12の運転を停止すると共に、攪拌機13bの運転を停止する。
そして、自動弁54hを開放して第2洗浄槽13で2次洗浄された洗浄灰スラリー55をポンプ15により遠心分離機16に供給し、該遠心分離機16により洗浄灰57と被処理水18とに分離する。そして、自動弁54iを閉鎖すると共に自動弁54jを開放し、モノーポンプ17により洗浄灰57を回収してセメント原料となる。
第1洗浄槽10に収容された焼却灰スラリー8及び第2洗浄槽13に収容された洗浄灰スラリー55にそれぞれ二酸化炭素ガス(CO)を導入することにより塩素が溶出して除去され、1次洗浄及び2次洗浄されて排出された洗浄灰スラリー55はポンプ15により分離装置となる遠心分離機16に供給されて洗浄灰57と被処理水18とに分離される。尚、分離装置としては遠心分離機16の他にもフィルタープレス方式等の種々の分離装置が適用可能である。
遠心分離機16により分離された洗浄灰57は塩素が除去されており、モノーポンプ17により回収されてセメント原料となる。
一方、第2洗浄槽13で使用された被処理水18は遠心分離機濾液受槽19に収容され、ポンプ20によりその一部がバッファタンク6に戻されて供給灰貯槽タンク5に供給する洗浄水として再利用される。
また、第1洗浄槽10で使用された被処理水18は、ダイオキシン類、重金属類及び焼却灰の一部を含んでおり、遠心分離機濾液受槽19に収容され、図2に示す限外濾過供給液受槽21に収容され、ポンプ22により循環式濾過装置となる限外濾過器23に供給される。限外濾過器23は中空糸状の限外濾過(UF)膜モジュールを装備しており、中空糸状膜の内部または外部から被処理水18を所定の圧力をかけて該中空糸状膜を透過させることにより濾過され、一方、該中空糸状膜を透過せずに該中空糸状膜の内部または外部に沿って被処理水18を戻し循環することにより中空糸状膜の詰まりを防止して連続濾過運転が出来るものである。
尚、循環式濾過装置としては限外濾過器23の他に中空糸状の精密濾過(MF)膜モジュールを装備した精密濾過器を適用することが出来る。この精密濾過器の連続濾過運転も限外濾過器23と略同様に行われる。
限外濾過器23により濾過された濾過水24は限外濾過濾液受槽25に収容される。一方、限外濾過器23により戻し循環された被処理水18は限外濾過供給液受槽21に戻される。限外濾過器23により濃縮された懸濁固形物(SS;Suspended Solids)を含む被処理水18の一部は廃液タンク26に収容される。
27は廃液タンク26からポンプ28により供給された懸濁固形物を含む被処理水18を処理する縦型の高温燃焼炉であり、該高温燃焼炉27により限外濾過器23により濃縮された被処理水18に含まれる懸濁固形物を燃焼させて処理する。
高温燃焼炉27の頂部から灯油タンク29からポンプ30により供給された燃料となる灯油と、空気圧縮機32により供給されるフレッシュエアが投入される。そして、高温燃焼炉27の肩部には廃液タンク26からポンプ28により供給された懸濁固形物を含む被処理水18を供給する被処理水供給口53が設けられている。
従って、燃料である灯油とフレッシュエアを高温燃焼炉27内に投入し、炉内温度を所定の温度、例えば1000℃〜1200℃位に昇温させた後、被処理水18を噴霧状態で投入すると、被処理水18に含有するダイオキシン類、有機化合物等は殆んどが燃焼して分解され、無機塩は溶融して炉壁に沿って流下し、残滓ガスは高温燃焼炉27の肩部からブロワー31により送気されるエアと共に炉内を下降する。
33は高温燃焼炉27の下端開口部の真下で、かつ、その開口部に接続されていない側を下に下げるように傾斜させて配置された円筒型のチャンバーであり、このチャンバー33は密閉構造で、その内部には多孔板34が底部から若干の間隙を有して敷設されている。
高温燃焼炉27の下端開口部の周囲に穿設した開孔にはスプレーノズル35が付設されており、該スプレーノズル35にはピット36に収容された排ガス洗浄水37がポンプ38により供給される。従って、高温燃焼炉27内を下降した残滓ガスはスプレーノズル35から噴射される水37で90℃程度に冷やされてからチャンバー33に送られ、炉壁に沿って流下した溶融無機塩もその水37で冷やされて破砕され、凝固してチャンバー33に垂落し、多孔板34を経てチャンバー33の真下に位置するピット36に落下する。
残滓ガスを1000℃〜1200℃から90℃程度に急冷することによって250℃〜450℃の範囲で発生すると言われるダイオキシン類の再発生を防止し、かつ、溶融した無機塩をスメルト爆発を生じさせることなく、安全に水中に溶解することが出来る。
90℃程度に冷却されてチャンバー33に送られた残滓ガスは煤塵除去を目的とするベンチュリスクラバー39に送られるが、残滓ガスは径が細くなっている絞り込み部40を通過するときは高速・高圧の状態となっており、更に、絞り込み部40の周囲にはスプレーノズル41が付設されていて40℃〜60℃程度の水42が噴射されているので、残滓ガス中に残存している無機塩はここで完全に集塵分離される。
尚、ベンチュリスクラバー39の底部に溜まった50℃程度の水は、ポンプ43で絞り込み部40に付設されているスプレーノズル41へ送られて、絞り込み部40における投入水として活用される。また、無機塩を分離した残滓ガスは充填層44を経てベンチュリスクラバー39の頂部から安全に大気へ放出される。
一方、限外濾過器23により濾過された重金属類を含む濾過水24は限外濾過濾液受槽25に収容された後、ポンプ45により凝集反応槽46に供給されて重金属類を凝集反応させる。凝集反応槽46では濾過水24中の重金属類を含む汚濁物質を水に不溶性の懸濁固形物の形にして水と分離する沈降分離を行う。
先ず、凝集反応槽46において、濾過水24に凝集剤(Fe2(SO4)3)を添加させて、重金属類の一部と水酸化物あるいは硫化物を生成させて析出させる。
次に凝集反応槽46において、濾過水24にキレート剤を添加させて重金属類を選択的に吸着させる。
次に凝集反応槽46において、濾過水24に高分子凝集剤(ポリマー)を作用させて析出した懸濁固形物のフロックを形成させる。
濾過水24に含まれる各種の重金属類は前述した凝集反応槽46における凝集反応により析出し、凝集反応槽46から沈殿槽47に送られて該沈殿槽47の底部に沈殿する。沈殿槽47の底部に沈殿した重金属類のフロックはポンプ48によりフィルタープレス49に供給される。フィルタープレス49は布のフィルターが設けられ、フィルターにより濾された重金属類を汚泥として回収、外部処理する。
沈殿槽47の上澄みは沈殿槽上澄液受槽50に収容され、ポンプ51により排水され、ローリー車で下水処理へ送られる。
尚、第1洗浄槽10及び第2洗浄槽13の保温手段となるジャケット10a,13aに水蒸気を流通させて該第1洗浄槽10及び第2洗浄槽13の内部で焼却灰スラリー8或いは洗浄灰スラリー55に二酸化炭素ガスを導入して洗浄する際の温度は20℃以上、且つ70℃以下の範囲で適宜設定することが出来る。
保温手段により洗浄槽内で焼却灰スラリーに二酸化炭素ガスを導入して洗浄する際の温度を20℃以上、且つ70℃以下に保温することで塩素が水に溶けやすくなり脱塩作用が向上する。70℃よりも高いと脱塩作用が更に向上するものの熱エネルギー損失や装置の耐久性を考慮すると70℃以下が適当である。従って、より好ましい温度は、20℃以上、且つ50℃以下である。
図1の焼却灰の洗浄処理装置を用いて、供給灰貯槽タンク5で洗浄水500L(リットル)に焼却灰125kg(湿灰ベース、主灰:飛灰=2:1(83.3kg:41.7kg))を投入し、焼却灰スラリー8を作る。
焼却灰スラリー8を第1洗浄槽10に投入し、二酸化炭素ガス(CO)を2Nm/hr〜3Nm/hr吹込み、ジャケット10aに水蒸気(スチーム)を入れ、第1洗浄槽10を50℃程度に保ち、攪拌機10bにより攪拌し、湿式破砕機12を運転して45分間の1次洗浄運転を行う。
45分間の1次洗浄運転が終了したらポンプ15により第1洗浄槽10内の洗浄灰スラリー55を遠心分離機16に投入し、該遠心分離機16により洗浄灰57と被処理水18とに分離する。
分離された洗浄灰57は再度、第2洗浄槽13に投入され、上水供給路14から洗浄水が投入され、二酸化炭素ガス(CO)を2Nm/hr〜3Nm/hr吹込み、ジャケット13aに水蒸気(スチーム)を入れ、第2洗浄槽13を50℃程度に保ち、攪拌機13bにより攪拌し、湿式破砕機12を運転して再度45分間の2次洗浄運転を行う。
再びポンプ15により第2洗浄槽13内の洗浄灰スラリー55を遠心分離機16に投入し、該遠心分離機16により洗浄灰57と被処理水18とに分離する。
このように第1、第2洗浄槽10,13を交互に運転して洗浄回数を3回、4回、5回と回数を重ねる多重洗浄運転を行うと洗浄灰57中の塩素濃度が低くなる。
図3に洗浄回数ごとの洗浄灰57中の塩素濃度を示す。図3に示すケース1(○)、ケース2(△)、ケース3(□)は、洗浄前の焼却灰中の各塩素濃度が、乾燥状態で主灰が1.18重量%、飛灰が19.0重量%であり、これらの主灰と飛灰との混合灰として、乾燥状態で塩素濃度が8.73重量%の焼却灰を採用したものである。ケース1(○)、ケース2(△)は焼却灰:水=1:4の比率で、ケース3(□)は焼却灰:水=1:8の比率である。
図3に示すように、洗浄回数が3回以上になれば、洗浄灰57中の塩素濃度は、ケース1(○)、ケース2(△)、ケース3(□)共に、乾燥状態で0.2重量%以下に低減したものであり、3回を越えると緩やかに低減を続けることが判明した。従って、洗浄回数が3回(3次洗浄)以上であれば更に好ましい。
限外濾過器23は限外濾過膜を利用して洗浄排水である被処理水18を濃縮する。限外濾過供給液受槽21にはバッチ方式で被処理水18が200L(リットル)溜まっており、限外濾過器23においては、1時間の内57分間で被処理水18を限外濾過膜を通して190L(リットル)処理し、残りの3分間で濃縮された被処理水18を10L(リットル)とする。これによって濃縮度が約20倍になる。
濃縮された被処理水18は、高温燃焼炉27において高温燃焼により処理される。高温燃焼炉27内は、燃料の灯油を燃焼させて約950℃に保つ。濃縮された被処理水18は、圧縮空気と混合し、高温燃焼炉27内に噴霧される。被処理水18の処理量は200L(リットル)/hrである。
濃縮された被処理水18は、高温燃焼炉27内で有機物が酸化分解され排ガスとして処理される。排ガスは、チャンバー33で気液分離され、減湿塔で冷却されてベンチュリスクラバー39で除塵され、洗浄された排ガスとして大気に放出される。排ガス洗浄水37は、ピット36内に収容されて冷却水として再利用される。
高温燃焼炉27によりダイオキシン類(DXN)を確実に且つ高効率で分解させることが出来る。
一方、限外濾過器23は限外濾過膜を利用して洗浄排水である被処理水18を濾過し、その濾過した濾過水24を公知の凝集沈殿工程を実施する凝集反応槽46により処理した。処理された濾過水24の水質分析データを以下の表1に示す。
Figure 0004482636
上記表1に示すように、循環式濾過装置となる限外濾過器23により濾過された濾過水24に含まれる重金属類は凝集反応槽46において凝集反応により処理される。また、ダイオキシン類(DXN)の除去率は、(1−0.0046/320)×100=99.9986%となっており、ダイオキシン類は、限外濾過器23の限外濾過膜により略完全に除去することが出来ることが分かる。
本発明の活用例として、ごみ焼却炉から排出される焼却灰である主灰や飛灰をセメントの原料化出来るように洗浄処理する方法及び装置として利用出来る。
本発明に係る焼却灰の洗浄処理装置の構成を示すフロー図である。 本発明に係る焼却灰の洗浄処理装置の構成を示すフロー図である。 洗浄回数ごとの洗浄灰中の塩素濃度を示す図である。
1,2…自動弁、4…振動スクリーン、5…供給灰貯槽タンク、5a…攪拌機、6…バッファタンク、6a…水中ポンプ、6b…シャワー、7…ポンプ、8…焼却灰スラリー、10…第1洗浄槽、10a…ジャケット、10b…攪拌機、10c…バブリング装置、11…循環配管路、12…湿式破砕機、13…第2洗浄槽、13a…ジャケット、13b…攪拌機、13c…バブリング装置、14…上水供給路、15…ポンプ、16…遠心分離機、17…モノーポンプ、18…被処理水、19…遠心分離機濾液受槽、20…ポンプ、21…限外濾過供給液受槽、22…ポンプ、23…限外濾過器、24…濾過水、25…限外濾過濾液受槽、26…廃液タンク、27…高温燃焼炉、28…ポンプ、29…灯油タンク、30…ポンプ、31…ブロワー、32…空気圧縮機、33…チャンバー、34…多孔板、35…スプレーノズル、36…ピット、37…排ガス洗浄水、38…ポンプ、39…ベンチュリスクラバー、40…絞り込み部、41…スプレーノズル、42…水、43…ポンプ、44…充填層、45…ポンプ、46…凝集反応槽、47…沈殿槽、48…ポンプ、49…フィルタープレス、50…沈殿槽上澄液受槽、51…ポンプ、53…被処理水供給口、54a〜54c,54e〜54j…自動弁、55…洗浄灰スラリー、56…洗浄灰ドラム、57…洗浄灰

Claims (7)

  1. 焼却灰と水とを混合した焼却灰スラリーに二酸化炭素ガスを導入して20℃以上、且つ70℃以下の温度で洗浄すると共に湿式破砕機により該焼却灰スラリーを破砕する第1工程と、
    前記第1工程により洗浄された洗浄灰スラリーを洗浄灰と被処理水とに分離する第2工程と、
    前記第2工程で分離された前記被処理水を循環式濾過装置により濾過し、該循環式濾過装置により濃縮された被処理水に含まれる懸濁固形物を高温燃焼炉により燃焼させる第3工程と、
    を含むことを特徴とする焼却灰の洗浄処理方法。
  2. 前記第1工程において前記焼却灰スラリーに二酸化炭素ガスを導入して洗浄すると共に湿式破砕機により該焼却灰スラリーを破砕する1次洗浄の後、その洗浄灰スラリーを前記第2工程において洗浄灰と被処理水とに分離し、その分離された洗浄灰に再度水を加えて希釈し、その希釈された洗浄灰スラリーに再度二酸化炭素ガスを導入して2次洗浄を行うことを特徴とする請求項1に記載の焼却灰の洗浄処理方法。
  3. 前記2次洗浄時に湿式破砕機により前記洗浄灰スラリーを破砕することを特徴とする請求項に記載の焼却灰の洗浄処理方法。
  4. 請求項または請求項に記載の前記1次洗浄及び2次洗浄の後、更に、その洗浄灰スラリーを前記第2工程において洗浄灰と被処理水とに分離し、その分離された洗浄灰に再度水を加えて希釈し、その希釈された洗浄灰スラリーに再度二酸化炭素ガスを導入して洗浄を行う工程を複数回繰り返す多次洗浄を行うことを特徴とする焼却灰の洗浄処理方法。
  5. 焼却灰と水とを混合して収容する供給灰貯槽タンクと、
    前記供給灰貯槽タンクから供給される焼却灰スラリーを収容し、保温手段により該焼却灰スラリーの温度を20℃以上、且つ70℃以下に保温した状態で該焼却灰スラリーに二酸化炭素ガスを導入して洗浄すると共に、該焼却灰スラリーを破砕する湿式破砕機を備えた洗浄槽と、
    前記洗浄槽から排出された洗浄灰スラリーを洗浄灰と被処理水とに分離する分離装置と、
    前記分離装置により分離され排出された被処理水を濾過する循環式濾過装置と、
    前記循環式濾過装置により濃縮された被処理水に含まれる懸濁固形物を燃焼させる高温燃焼炉と、
    を有することを特徴とする焼却灰の洗浄処理装置。
  6. 前記洗浄槽は、前記供給灰貯槽タンクから供給される焼却灰スラリーに二酸化炭素ガスを導入して洗浄すると共に前記湿式破砕機により該焼却灰スラリーを破砕する1次洗浄を行うための第1洗浄槽と、
    前記第1洗浄槽により1次洗浄された洗浄灰スラリーを前記分離装置により洗浄灰と被処理水とに分離し、その分離された洗浄灰に再度水を加えて希釈した洗浄灰スラリーに再度二酸化炭素ガスを導入して洗浄する2次洗浄を行うための第2洗浄槽と、
    を有することを特徴とする請求項に記載の焼却灰の洗浄処理装置。
  7. 前記第2洗浄槽は、前記2次洗浄時に前記湿式破砕機により前記洗浄灰スラリーを破砕することを特徴とする請求項に記載の焼却灰の洗浄処理装置。
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