JP3924822B2 - 灰塵の洗浄処理方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴミ焼却炉から排出される焼却灰や飛灰、またはセメントキルンのダスト等、燃焼炉より発生する灰またはダスト(これら含めて灰塵と云う)を、セメントの原料などへの使用や重金属類の再生などのリサイクル、または埋め立て処分に適するように洗浄処理する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
焼却灰やダストなどの灰塵には塩素がかなりの量含まれており、また水銀、亜鉛、鉛など(以下、重金属類と云う)も含有されている。この重金属類や塩素はセメントの品質に悪影響を与えるため、これらの灰塵をセメント原料等として再利用する場合には重金属類や塩素はできるだけ除去する必要がある。
このため従来、これらの灰塵をセメント原料などとして再利用する場合には灰塵を水で洗浄し、濾過することにより塩素を除去している。また灰塵から重金属類を回収してリサイクルする場合などでも、灰塵を塩酸や硫酸などの酸で洗浄して重金属類を溶出させ、濾過した後に濾液から重金属類を回収し、ケーキをセメントの原料として再利用することが試みられている。
【0003】
【発明の解決課題】
このように従来は、灰塵を水で洗浄処理し、再利用することが試みられているが、単に水で灰塵を洗浄しただけでは重金属類はほとんど除去できず、濾過後のケーキに残留する。灰塵にフリーデル氏塩が含まれている場合には、フリーデル氏塩に含まれる塩素は水洗のみでは溶出せず、やはりケーキ中に残留する。
また、塩酸や硫酸などの酸で灰塵を洗浄する方法は使用する薬品の費用が嵩むだけでなく、処理設備を耐酸性とし、さらに排水を中和処理する設備も必要となるなど設備費用も大きくなる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、従来の灰塵の洗浄処理における上記問題を解決したものであり、灰塵中に塩素がフリーデル氏塩の状態で含まれており、これを二酸化炭素の存在下で水洗することによって塩素が溶出して灰塵の脱塩が進み、また洗浄水の塩素濃度を一定濃度以上に高めることによって灰塵に含まれている重金属類の溶出が促進されることを見出し、この知見に基づいて灰塵の洗浄効果を高めた処理方法を提供するものである。
【0005】
すなわち、本発明は、(1)灰塵の洗浄懸濁液に二酸化炭素を導入することによって、灰塵に含まれるフリーデル氏塩から塩素イオンを溶出させて灰塵の脱塩を促進し、さらに塩素イオン濃度を2.0wt%以上に調整することによって灰塵からの重金属類の溶出を促進することを特徴とする灰塵の洗浄処理方法、および(2)上記(1)の方法において、灰塵の洗浄懸濁液に二酸化炭素を導入し、生じた炭酸化物沈澱および溶出した重金属類を除去して得た濾液を灰塵の洗浄に戻して繰り返し用いる灰塵の洗浄処理方法を提供する。
【0006】
さらに、本発明は、(3)上記(1)または(2)の方法において、灰塵の洗浄懸濁液に、燃焼排ガスまたは炭酸ガスを含む混合ガスを吹き込んで二酸化炭素を導入した後に、さらに塩化物を添加し、または重金属類を除去した洗浄濾液を添加して、洗浄懸濁液の塩素イオン濃度を2.0wt%以上に調整して灰塵を洗浄する灰塵の洗浄処理方法を提供する。
【0007】
さらに、本発明は、(4)上記洗浄処理によって塩素イオンおよび重金属類を除去した灰塵をセメント原料として利用する上記(1)〜(3)の何れかに記載する灰塵の洗浄処理方法を提供する。
【0008】
さらに、本発明は、(5)灰塵を洗浄水で懸濁洗浄する撹拌漕、この洗浄撹拌漕に二酸化炭素を導入する手段、洗浄後の灰塵懸濁液を濾過する手段、この濾液から重金属類を除去する手段、この重金属類を除去した洗浄水を上記洗浄撹拌漕に戻す循環路を備え、灰塵の洗浄懸濁液に二酸化炭素を導入すると共に塩素イオン濃度2.0wt%以上にして灰塵を洗浄処理する灰塵の洗浄処理装置、(6)灰塵懸濁液の濾過ケーキを洗浄濾過する手段、およびこの濾液を洗浄撹拌槽に循環させる経路が付設されている上記(5)の洗浄処理装置を提供する。
【0009】
【発明の実施形態】
(A)二酸化炭素による塩素イオンの溶出
本発明の洗浄処理方法は、灰塵の洗浄懸濁液に二酸化炭素を導入することによって、灰塵に含まれるフリーデル氏塩から塩素イオンを溶出させて灰塵の脱塩を促進し、さらに塩素イオン濃度を2.0wt%以上に調整することによって灰塵からの重金属類の溶出を促進する灰塵の洗浄処理方法である。二酸化炭素の導入は、灰塵を懸濁した液中に炭酸ガスあるいは炭酸ガスを含む混合ガスや燃焼排ガスを吹き込み、バブリングしながら撹拌すれば良い。灰塵を洗浄液(水)に懸濁して洗浄する際に、二酸化炭素の存在下で洗浄することによって灰塵に含まれるフリーデル氏塩からの塩素イオンの溶出が促進される。
【0010】
灰塵中の塩素は、フリーデル氏塩(3CaO・Al2O3・CaCl2・10H2O)の形態、または塩素が多い場合にはエトリンガイトに類似した形態(3CaO・Al2O3・3CaCl2・32H2O)で固定されている場合があり、これらは水に難溶であるため単に水で洗浄しても塩素は殆ど除去されない(なお、本発明ではエトリンガイト類似形態を含めてフリーデル氏塩からの塩素イオンの溶出と云う)。ところが、灰塵の懸濁液中に二酸化炭素が存在すると、次式に示すように、炭酸イオンCO3 2-と塩素イオンが置換され、塩素イオンが溶出するようになる。
CO2+ H2O → 2H+ + CO3 2-
3CaO・Al2O3・CaCl2・10H2O + CO3 2- → 3CaO・Al2O3・CaCO3・10H2O+2Cl-
3CaO・Al2O3・3CaCl2・32H2O + CO3 2- → 3CaO・Al2O3・CaCO3・32H2O+2Cl-
【0011】
洗浄懸濁液に導入する炭酸ガス濃度は約10wt%以上であればよい。セメントキルンの燃焼排ガスの炭酸ガス濃度は概ね18〜20wt%であり、二酸化炭素源として利用することができる。洗浄懸濁液に導入する二酸化炭素の量は、後述する実施例のように、洗浄水55リットルに飛灰5kgを懸濁させた液に炭酸ガス濃度20wt%の排ガスを吹き込む場合、理論的には懸濁液1リットルあたり4リットル以上の排ガス量であればよく、実操業ではこの5〜10倍量程度であればよい。
【0012】
上式のように、灰塵にフリーデル氏塩の形態で含まれる塩素は二酸化炭素の導入によって塩素イオンとして溶出し、灰塵の脱塩が進む。一方、灰塵に含まれている重金属類は溶出が抑制されるが、一部溶出した重金属類イオンは次式のように炭酸イオンと反応して炭酸化物の沈殿となって不溶化する。従って、これを脱水濾過することによって重金属類が少なく、塩素濃度の高い濾液を得ることができる。
Pb2++CO3 2- → PbCO3
Zn2++CO3 2- → ZnCO3
【0013】
(B)塩素イオンによる重金属類の溶出
本発明の洗浄処理方法は、洗浄水の塩素イオン濃度を2.0wt%以上にして灰塵を洗浄することによって、灰塵に含まれる重金属類の溶出を促進する。灰塵を洗浄液(水)に懸濁して洗浄する際に、懸濁液の塩素イオン濃度を2.0wt%以上に高めて洗浄することによって灰塵に含まれる鉛、亜鉛、水銀などの重金属類の溶出が促進される。これは、塩素イオンの増加により水分子の一部が解離して水素イオンを生じ、この水素イオンが重金属類をイオン化するためであると考えられる。この塩素イオン濃度は2.0wt%以上が適当であり、濃度が高いほど溶出効果が高く、塩素イオンの飽和濃度のものまで用いることができる。因みに、塩素イオン源として添加する塩化カルシウムの飽和状態における塩素イオン濃度は40℃の水で約34wt%である。塩素イオン濃度が2.0wt%未満では重金属類の溶出効果が低い。通常は最大でも20〜25wt%が適当である。
【0014】
塩素イオン濃度を2.0wt%以上に高める手段として、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の塩化物を添加するか、あるいは既に灰塵の洗浄に用いた洗浄濾液を添加する。この洗浄濾液には塩素イオンが残留しており、これを洗浄工程に循環することにより塩素イオン濃度の調整に利用することができる。この洗浄濾液は繰り返し使用すれば良い。なお、洗浄中に灰塵から塩素イオンが溶出するので、洗浄開始時の塩素イオン濃度は2.0wt%未満でも良く、塩素イオン濃度を調整するために添加する塩化物の量または洗浄濾液の供給量は、洗浄が進行する間に液中の塩素イオン濃度が2.0wt%以上になる量であれば良い。
【0015】
(C)塩素イオンと二酸化炭素の併用
本発明の処理方法は、灰塵を洗浄する際に、二酸化炭素を導入して灰塵に含まれる塩素イオンの溶出を促して灰塵の脱塩を進めると共に、塩素イオン濃度を2.0wt%以上に高めて重金属類の溶出を促進させる処理方法である。前述したように、灰塵の塩素を含むフリーデル氏塩は二酸化炭素によって分解され、塩素イオンが溶出して灰塵の脱塩が進む。一方、灰塵に含まれる重金属類は溶出が抑制され、一部溶出した重金属類は不溶化されるが、洗浄液の塩素イオン濃度が高くなるのに伴って次第に灰塵から重金属類が溶出し、塩素イオン濃度を2.0wt%以上に高めることによって灰塵に含まれる重金属類の溶出を促進することができる。
【0016】
二酸化炭素の導入と塩素イオンの高濃度化は、灰塵の洗浄液に燃焼排ガスや混合ガスを吹き込んで二酸化炭素を導入した後に、吹き込みを停止し、その後、塩化物を添加し、あるいは重金属類を除去した洗浄濾液を添加して洗浄懸濁液の塩素イオン濃度を2.0wt%以上に調整すると良い。灰塵の洗浄液に燃焼排ガスや混合ガスを吹き込むことによってフリーデル氏塩の塩素が溶出して灰塵の脱塩が進む。一方、灰塵に含まれる重金属類は溶出が抑制され、一部溶出した重金属類イオンは炭酸化合物沈澱になって不溶化するが、ガスの吹き込みを止め、塩化物や洗浄濾液を添加して塩素イオン濃度を高めることによって、灰塵に含まれる重金属類の溶出が促される。
【0017】
洗浄処理後の懸濁液には、灰塵から溶出した重金属類が金属イオンとして溶存し、洗浄された灰塵と一部不溶化した重金属類の炭酸化合物沈澱が固形物として含まれている。これを脱水濾過することによって、重金属類を含む濾液と、重金属類の少ないケーキを得ることができる。この洗浄濾液には塩素イオンが多く含まれているので、洗浄濾液から重金属類を除去した後に洗浄工程に戻し、塩素イオン源として再利用する。洗浄濾液から重金属類を除去する手段としてはpH調整による方法やキレート剤による方法など一般的な手段を用いることができる。この洗浄濾液は繰り返し循環使用することによって、液中の塩素イオン濃度が次第に高くなるので洗浄工程に添加する塩素イオン源として好ましい。なお、洗浄濾液の塩素イオン濃度は、濾過ケーキの洗浄濾液や新たな洗浄液を加えることにより通常は最大20〜25%程度以下に調整すると良い。
【0018】
一方、脱水濾過して得られた濾過ケーキは塩素が十分に除去されており、また重金属類が少ないので、セメント原料や埋め立て処理に適する。なお、濾液から除去した重金属類は回収して再利用することができる。
【0019】
灰塵の懸濁液の塩素イオン濃度を2.0wt%以上にして灰塵を撹拌洗浄後、懸濁液を脱水濾過する。このように得られたケーキは重金属類および塩素が充分除去されておりセメント原料としての再利用に適する。また、濾液には重金属類を多量に含まれるため重金属類の再生に適する。重金属類を除去した濾液は循環させて洗浄溶液として再利用する。
【0020】
( D ) 洗浄処理装置の構成
本発明に係る上記洗浄処理方法を実施する装置構成の概略を図1に示す。同図に示す洗浄処理装置20は塩素イオンの調整と二酸化炭素の導入とを組み合わせて実施できるようにしたものであり、灰塵を懸濁させて洗浄する撹拌漕2、洗浄後の灰塵懸濁液を濾過する手段3、この濾液10から重金属類を除去する手段11、この重金属類を除去した溶液を洗浄撹拌漕2へ循環させる経路14を備え、洗浄撹拌漕2に二酸化炭素を導入する手段19が付設されている。さらに、好適な態様として、洗浄後の濾過ケーキ4を処理する洗浄濾過手段5、およびこの濾液を洗浄撹拌槽2に循環させる経路14が上記洗浄濾過手段5に連通されている。これら各処理手段は経路9、10、12、13、16、18によって各々連通されており、これらの経路には流路を開閉するバルブが各々介設されている。
【0021】
燃焼炉から排出された灰塵と洗浄液(水)は経路1を通じて洗浄撹拌槽2に導入され、さらに塩化カルシウムや塩化ナトリウムなどの塩化物、あるいは既に洗浄処理を行っている場合には、その洗浄濾液を経路14から洗浄撹拌槽2に導入して塩素イオン濃度を調整する。この塩素イオン濃度は洗浄が進行する間に2.0wt%以上になるように調整すれば良い。
【0022】
導入手段19から二酸化炭素を洗浄攪拌層2に導入するには、燃焼炉の排ガス17あるいは炭酸ガスを含む混合ガス15を各々経路16、18を通じて洗浄撹拌槽2に吹き込み混合する。
二酸化炭素の導入と塩素イオン濃度の調整を併用する場合には、上記燃焼排ガスあるいは混合ガスを吹き込んで二酸化炭素を導入した後にガスの吹き込みを停止し、その後、塩化物を添加し或いは上記洗浄濾液を添加して懸濁液の塩素イオン濃度を調整する。
【0023】
上記洗浄後、灰塵の懸濁液は脱水濾過手段(濾過機)3に導入され、固液分離される。濾液10には塩素イオンと共に重金属が多量に溶出されているので該濾液10を重金属類の除去手段11に送り、ここで重金属を分離した後に、必要に応じて経路13を通じて循環経路14に導き該経路14を通じて洗浄撹拌槽2に循環し、塩素イオンの供給源として再利用する。分離した重金属は必要に応じて回収し再生する。従って重金属の分離手段は再生手段を兼用するものでも良い。なお、洗浄撹拌槽2に循環しない洗浄濾液は経路12を通じて外部に排出する。
【0024】
一方、濾過ケーキ4は洗浄濾過手段5に送られ、ここで固液分離された濾液7を経路9を通じて循環経路14に導き、洗浄濾液10と合流させて塩素イオン濃度を調整し、該経路14を通じて洗浄撹拌槽2に循環して再利用する。再利用しない濾液7は経路8を通じて外部に排出する。洗浄濾液手段5から回収された固形分6には重金属および塩素が殆ど含まれていないので、セメント原料等に利用することができる。また埋立処分しても重金属や塩素による汚染源になる虞がない。
なお、重金属を除去した洗浄濾液10には塩素イオンが多量に含まれているので、前述のように、洗浄工程の塩素イオン供給源として再利用するほかに、該濾液を塩化物の再生に利用することができる。
【0025】
以上、主に図1に基づいて説明したが、本発明は、次のように発明の要旨を変更しない範囲で、二酸化炭素および洗浄濾液の導入経路を適宜変更することができる。
(イ) 洗浄撹拌層2に循環経路14を通じて洗浄濾液を導入し、塩素イオン濃度を調整して重金属類の溶出を促す一方、二酸化炭素を導入手段19から洗浄濾過装置5に吹き込んでフリーデル氏塩を分解する。
(ロ) 二酸化炭素を導入手段19から洗浄撹拌層2に吹き込んでフリーデル氏塩を分解し、一方、洗浄濾過装置5に循環経路14を接続し、洗浄濾液を洗浄濾過装置5に導いて重金属類を溶出させ、この濾液7は重金属類の除去装置11を経て循環ないし排水する。
(ハ) 二酸化炭素の導入手段19および洗浄濾液の循環経路14を何れも洗浄濾過装置5に接続し、洗浄撹拌槽2では水洗のみを行い、洗浄濾過装置5に二酸化炭素および洗浄濾液を導入してフリーデル氏塩を分解すると共に重金属類を溶出させ、この濾液7は重金属類の除去装置11を経て循環ないし排水する。
【0026】
【実施例および比較例】
以下に本発明の実施例を示す。なお、これらは例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0027】
実施例1
図1に示す洗浄処理装置を用い、まず、洗浄用水55リットルに塩化カルシウム二水和物(CaCl2・2H2O)1140gを溶解して、塩素イオン濃度を1wt%にし、さらに水酸化ナトリウム0.1mol/l溶液を添加し、洗浄液をpH8に調整した。次に、都市ゴミ焼却炉の飛灰A(Cl:16.9wt%、Pb:969mg/kg、Zn:4420mg/kg、Hg:0.766mg/kg)5kgと、上記塩化カルシウム水溶液55リットルを洗浄撹拌漕2に導入し、約5分間撹拌混合した。次に、この懸濁液を脱水濾過機3に導いて濾過した。ケーキ4は高塩素濃度の含有水を含むため、これを洗浄濾過装置5に導き、水洗(約21リットル)し、濾過することにより該ケーキ4から塩素を除去し、処理ケーキ6を得た。この洗浄濾液7は経路8を通じて排水した。
一方、脱水濾過機3から排出された洗浄濾液10は重金属類の除去装置11に送り、ここで重金属類を除去した後に経路12を通じて排水した。
飛灰からの重金属類の除去効果を確認するため、洗浄濾液10をサンプリングして分析した。その結果、表1に示すように、洗浄濾液のpH12.4、塩素イオン濃度2.6wt%、鉛含有量31.0mg/l(飛灰からの除去率35.2%)、亜鉛含有量8.4mg/l(飛灰からの除去率2.1%)、水銀含有量0.010mg/l(飛灰からの除去率14.4%)であった。
【0028】
実施例2
洗浄用水55リットルに塩化カルシウム二水和物(CaCl2・2H2O)3420gを溶解して塩素イオン濃度を3wt%にした他は実施例1と同様にして上記都市ゴミ焼却炉の飛灰Aを洗浄処理した。
飛灰からの重金属類の除去効果を確認するため、洗浄濾液10をサンプリングして分析した。その結果、表1に示すように、洗浄濾液のpH12.2、塩素イオン濃度3.9wt%、鉛含有量57.0mg/l(飛灰からの除去率64.7%)、亜鉛含有量13.5mg/l(飛灰からの除去率3.4%)、水銀含有量0.018mg/l(飛灰からの除去率25.8%)であった。
【0029】
実施例3
洗浄用水55リットルに塩化カルシウム二水和物(CaCl2・2H2O)5700gを溶解して塩素イオン濃度を5wt%にした他は実施例1と同様にして上記都市ゴミ焼却炉の飛灰Aを洗浄処理した。
飛灰からの重金属類の除去効果を確認するため、洗浄濾液10をサンプリングして分析した。その結果、表1に示すように、洗浄濾液のpH12.0、塩素イオン濃度5.8wt%、鉛含有量74.0mg/l(飛灰からの除去率84.0%)、亜鉛含有量23.5mg/l(飛灰からの除去率5.8%)、水銀含有量0.021mg/l(飛灰からの除去率30.2%)であった。
【0030】
実施例4
洗浄用水55リットルに塩化カルシウム二水和物(CaCl2・2H2O)10150gを溶解して塩素イオン濃度を7wt%にした他は実施例1と同様にして上記都市ゴミ焼却炉の飛灰Aを洗浄処理した。
飛灰からの重金属類の除去効果を確認するため、洗浄濾液10をサンプリングして分析した。その結果、表1に示すように、洗浄濾液のpH12.0、塩素イオン濃度7.3wt%、鉛含有量76.0mg/l(飛灰からの除去率86.3%)、亜鉛含有量23.3mg/l(飛灰からの除去率5.8%)、水銀含有量0.020mg/l(飛灰からの除去率28.7%)であり、実施例3とほぼ同様の処理結果が得られた。
【0031】
以上、実施例1〜4の結果から洗浄溶液中の塩素濃度を高くすることによって飛灰からの重金属類の溶出が増加することが確認された。また、実施例1の結果から洗浄液の塩素イオン濃度は2.0wt%以上が適当であり、塩素イオン濃度が高いほど重金属の溶出量が多いことが明かである。
【0032】
実施例5
図1に示す洗浄処理装置を用い、都市ゴミ焼却炉の飛灰A(Cl:16.9wt%、Pb:969mg/kg、Zn:4420mg/kg、Hg:0.766mg/kg)5kgと、洗浄水55リットルを洗浄撹拌漕2に導入し、約5分間撹拌混合した。次に、この懸濁液を脱水濾過機3に導いて濾過した。濾過ケーキ4は高塩素濃度の含有水を含むので、これをさら洗浄濾過装置5に導き水洗(約56リットル)し、濾過してケーキ4から塩素を除去した。経路8のバルブを調整した濾液7の一部(約5リットル)を経路9に導き、経路14を通じて洗浄撹拌槽2に循環し、残りの濾液7は経路8を通じて排水した。
一方、脱水濾過機3から排出された濾液10を重金属類の除去装置11に導いて重金属を除去した後に、この濾液10の一部(約50リットル)を経路13を通じて経路9を流れる濾液7と合流させ、経路14を通じて洗浄撹拌漕2に循環した。
ここで新たに都市ゴミ焼却炉の飛灰5kgを投入し、混合撹拌した後、同様の工程を繰り返した。この操作を5回繰り返した後、経路12のバルブを開け1バッチについて濾液10の一部(約6.4リットル)が排水するように調節した。また、経路8のバルブを調節して濾液7の一部(約11.4リットル)が循環するように調節した。
このように循環経路14を通じて55リットルの洗浄濾液が洗浄撹拌槽に循環するようにして、更に2回同様の工程を繰り返した。
系が充分に安定したところで飛灰からの重金属類の除去効果を確認するため、濾液10をサンプリングして分析した。その結果、洗浄濾液のpHは12.3、塩素イオン濃度7.1wt%、鉛含有量79.0mg/l(飛灰からの除去率89.7%)、亜鉛含有量24.1mg/l(飛灰からの除去率6.0%)、水銀含有量0.024mg/l(飛灰からの除去率34.5%)であった。
【0033】
このように、塩化カルシウムなどの塩化物を添加しなくても、洗浄濾液を循環使用することにより、重金属類の除去効果を向上できることが確認された。
また、都市ゴミ燃焼炉の飛灰だけでなくセメントキルンのダストなどの燃焼炉のダストについても、重金属類および塩素を含んでいれば、同様の結果が得られる。
【0034】
比較例1
実施例1ないし実施例5では塩化物を添加し、あるいは洗浄濾液を循環使用することにより洗浄液の塩素イオン濃度を2.0wt%以上に調整して灰塵を洗浄処理したが、本比較例では、このような塩素イオン濃度の調整を行わず、次のように洗浄水のみで灰塵を洗浄した。
先ず、都市ゴミ焼却炉の上記飛灰Aを5kgと水55リットルを撹拌漕2に導入し、約5分間撹拌混合した。次に、この懸濁液を脱水濾過機3に導いて濾過した。この濾過ケーキ4を洗浄濾過装置5に導き、約13リットルの水で洗浄し、濾過して脱水ケーキ6を得た。この濾液7は経路8を通じて外部に排水した。一方、洗浄濾液10を重金属類の除去装置11に導き、重金属類を除去した後に、経路12を通じて外部に排水した。
飛灰からの重金属類の除去効果を確認するため、洗浄濾液10をサンプリングして分析した。その結果、濾液のpHは12.5、塩素イオン濃度1.6wt%、鉛含有量19.0mg/l(飛灰からの除去率21.6%)、亜鉛含有量8.0mg/l(飛灰からの除去率2.0%)、水銀含有量0.003mg/l(飛灰からの除去率4.3%)であった。
本比較例から明かなように、洗浄液中の塩素イオン濃度が1.6wt%程度では灰塵から重金属が十分に溶出されない。
【0035】
実施例6
図1の洗浄処理装置を用い、フリーデル氏塩を含む都市ゴミ焼却炉の飛灰B(Cl:7.0wt%、Pb:4890mg/kg、Zn:5410mg/kg、Hg:0.672mg/kg)5kgと水55リットルを洗浄撹拌漕2に導入し、約5分間撹拌混合した。次に、この懸濁液に、ガスボンベ15から標準混合ガス(CO2:20%、O2:10%、N2:70%)を0.5Nm3/minの割合で吹き込みながら10分間混合した。その後、直ちにこの懸濁液を脱水濾過機3に導いて濾過した。濾過ケーキ4は高塩素濃度の含有水を含むので、これをさらに洗浄濾過装置5に導いて約10リットルの水で洗浄し濾過してケーキ4から塩素を除去し、脱水ケーキ6を得た。この濾液7は経路8を通じて外部に排水した。
一方、洗浄濾液10は重金属類の除去装置11に導き、重金属類を除去した後に経路12を通じて外部に排水した。なお、この洗浄濾液に含まれる重金属類は少量であるので除去せずに排出してもよい。
飛灰からの重金属類の除去効果を確認するため、洗浄濾液10をサンプリングして分析した。その結果、表2に示すように、洗浄濾液のpHは6.0、塩素イオン濃度0.6wt%(飛灰からの除去率94.3%)、鉛含有量0.1mg/l(飛灰からの除去率0.0%)、水銀含有量0mg/l(飛灰からの除去率0.0%)であった。
【0036】
実施例7
二酸化炭素の供給源として、標準混合ガスに代え、セメントキルンの燃焼排ガス(CO2:約20%)を0.5Nm3/minの割合で導入した他は実施例6と同様にして上記都市ゴミ焼却炉の飛灰Bを洗浄処理した。
飛灰からの重金属類の除去効果を確認するため、洗浄濾液10をサンプリングして分析した。その結果、表2に示すように、洗浄濾液のpHは6.3、塩素イオン濃度0.6wt%(飛灰からの除去率94.3%)、鉛含有量0.1mg/l(飛灰からの除去率0.0%)、水銀含有量0mg/l(飛灰からの除去率0.0%)であった。
【0037】
比較例2
実施例6および実施例7では洗浄懸濁液に炭酸ガスを導入して灰塵を洗浄処理したが、本比較例では、このような二酸化炭素を導入せずに、次のように洗浄水のみで灰塵を洗浄した。
都市ゴミ焼却炉の上記飛灰Bを5kgと水55リットルを洗浄撹拌漕2に投入し、約5分間撹拌混合した。次に、この懸濁液を脱水濾過機3に導き濾過した。この濾過ケーキ4をさらに洗浄濾過装置5に導き、約10リットルの水で洗浄し濾過してケーキ4から塩素を除去し、脱水ケーキ6を得た。この濾液7は経路8を通じて外部に排水した。一方、洗浄濾液10は重金属類の除去装置11に導き、重金属類を除去した後に経路12を通じて外部に排水した。
飛灰からの重金属類の除去効果を確認するため、洗浄濾液10をサンプリングして分析した。その結果、表2に示すように、洗浄濾液のpHは12.7、塩素イオン濃度0.4wt%(飛灰からの除去率62.9%)、鉛含有量6.0mg/l(飛灰からの除去率1.3%)、水銀含有量0.002mg/l(飛灰からの除去率3.3%)であった。
【0038】
この比較例と実施例6および実施例7から明らかなように、飛灰を懸濁させた液に二酸化炭素を含むガスを吹き込みながら撹拌混合することにより、水洗だけでは溶出しないフリーデル氏塩からの塩素イオンを溶出させることができ、同時に鉛、水銀等の重金属類の溶出を抑制することができる。
都市ゴミ燃焼炉の飛灰だけでなくセメントキルンのダストなどの燃焼炉のダストについても、フリーデル氏塩および重金属類を含んでいれば、同様の処理結果が得られる。
【0039】
実施例8
本実施例では、洗浄濾液を循環使用して洗浄懸濁液の塩素イオン濃度を調整すると共に該懸濁液中に燃焼炉の排ガスを吹き込んで洗浄を行った。
フリーデル氏塩を含む都市ゴミ焼却炉の飛灰C(Cl:17.3wt%、Pb:972mg/kg、Zn:4398mg/kg、Hg:0.802mg/kg)5kgと水55リットルを撹拌漕2に導入し、約5分間撹拌混合した。次に、この懸濁液にセメントキルンの燃焼排ガス(CO2:約20%)を0.5Nm3/minの割合で吹き込みながら10分間混合した。その後、ガスの吹き込みを停止し、さらに10分間撹拌混合した。次に、この懸濁液を脱水濾過機3に導き濾過した。この濾過ケーキ4をさらに洗浄濾過装置5に導き、約56リットルの水で洗浄し濾過してケーキ4から塩素を除去し、脱水ケーキ6を得た。この濾液7は経路8のバルブを調節して一部(約5リットル)を経路14に導いて洗浄撹拌槽2に循環させた。残りの濾液は経路8を通じて外部に排水した。
一方、洗浄濾液10は重金属類の除去装置11に導き、その濾液約50リットルを経路13のバルブを調節して経路14に導き、経路9を流れる洗浄濾液7と合流させ洗浄撹拌漕2に循環した。
さらに、ここで新たに都市ゴミ焼却炉の飛灰C5kgを洗浄撹拌槽2に導入し、同様の工程を繰り返した。この操作を5回繰り返した後、経路12のバルブを調整して11バッチについて約6.4リットル排水するようにし、また、経路8のバルブを調節して約11.4リットルの洗浄濾液が循環するように調節した。
このように経路14を通じて55リットルの洗浄水が洗浄撹拌槽2に循環するようにし、更に2回同様の工程を繰り返した。
系が充分に安定したところで飛灰からの重金属類の除去効果を確認するため、洗浄濾液10をサンプリングして分析した。その結果、表3に示すように、洗浄濾液のpHは12.3、塩素イオン濃度7.6wt%、鉛含有量78.0mg/l(飛灰からの除去率88.4%)、亜鉛含有量24.0mg/l(飛灰からの除去率6.0%)、水銀含有量0.023mg/l(飛灰からの除去率31.5%)であった。また、飛灰からの塩素除去効果を確認するため脱水ケーキ6中の塩素を分析して飛灰からの塩素除去率を調査したところ塩素除去率は99.8%であった。
【0040】
比較例3
実施例8に対し、本比較例では灰塵の懸濁液中に二酸化炭素を導入せず、また洗浄濾液を循環使用せずに、次のように水だけで灰塵を洗浄した。
都市ゴミ焼却炉の上記飛灰Cを5kgと水55リットルを洗浄撹拌漕2に投入し、約5分間撹拌混合した。次に、この懸濁液を脱水濾過機3に導き濾過した。この濾過ケーキ4をさらに洗浄濾過装置5に導き、約10リットルの水で洗浄し濾過してケーキ4から塩素を除去し、脱水ケーキ6を得た。この濾液7は経路8を通じて外部に排水した。一方、洗浄濾液10は重金属類の除去装置11に導き、重金属類を除去した後に経路12を通じて外部に排水した。
飛灰からの重金属類の除去効果を確認するため、洗浄濾液10をサンプリングして分析した。その結果、表3に示すように、洗浄濾液のpHは12.2、塩素イオン濃度0.9wt%(飛灰からの除去率59.3%)、鉛含有量18.0mg/l(飛灰からの除去率20.4%)、亜鉛含有量7.5mg/l(飛灰からの除去率1.9%)、水銀含有量0.003mg/l(飛灰からの除去率4.2%)であった。
【0041】
この比較例と実施例8から明らかなように、洗浄濾液を循環使用して洗浄懸濁液の塩素イオン濃度を高め、更に二酸化炭素を含むガスを吹き込みながら撹拌混合して洗浄したものは、水洗いだけでは溶出しないフリーデル氏塩からの塩素イオンを溶出させることができ、更に灰塵に含まれる鉛、亜鉛、水銀等の重金属類の溶出が促進される。
都市ゴミ燃焼炉の飛灰だけでなくセメントキルンのダストなどの燃焼炉のダストについても、フリーデル氏塩および重金属類を含んでいれば、同様の結果が得られる。
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【発明の効果】
本発明の洗浄処理方法およびその装置によれば以下の効果を有する。
(1)洗浄液の塩素イオン濃度を2.0wt%以上にして燃焼炉の灰またはダストを洗浄することにより、これら灰塵からの重金属の溶出が促進され、灰塵から重金属類を効果的に除去することができる。得られた灰またはダストのケーキには重金属類が殆ど含まれていないため、セメント原料への利用や埋め立て処理に適する。一方、洗浄濾液に重金属類を多量に含むため、重金属類の再生に適する。また洗浄濾液を循環使用する場合には、節水によるコスト低減も期待できる。
【0046】
(2)灰塵の洗浄懸濁液に二酸化炭素を導入して灰塵をバブリングしながら撹拌洗浄することにより、燃焼炉の灰またはダストに難溶性のフリーデル氏塩が含まれている場合でも、このフリーデル氏塩を分解して塩素イオンを十分に溶出させることができる。この洗浄濾液には有害な重金属類は溶出せず、高濃度の塩素が溶出するため、塩化物の再生等に適する。また、酸などを使用しないため薬品や酸の処理に必要なコストの低減が図れる。
【0047】
(3)灰塵の洗浄懸濁液に、二酸化炭素を含むガスを吹き込んでバブリングしながら灰塵を撹拌洗浄することにより、難溶性のフリーデル氏塩が含まれている場合でも、このフリーデル氏塩を分解して塩素イオンを十分に溶出させて次工程の塩素イオン濃度の調整を容易にし、次に、ガスの吹き込みを停止し、この洗浄懸濁液に塩化物を添加するか、重金属類を除去した塩素イオンを含む洗浄濾液を循環使用して加えて洗浄懸濁液中の塩素イオン濃度を2.0wt以上に調整して灰塵を洗浄することにより、灰塵中の重金属類を充分に溶出させることができる。これを撹拌洗浄後、懸濁液を脱水濾過して得られたケーキは重金属類および塩素を殆ど含んでおらず、セメント原料としての再利用等に適する。また、洗浄濾液には重金属類が多量に含まれるため重金属類の再生に適する。重金属類を除去した濾液は洗浄工程に循環させて塩素イオン供給源として再利用することができ、また節水によるコスト低減も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の洗浄処理方法を実施する装置を示す概略図
【符号の説明】
2:洗浄撹拌槽、 3:脱水濾過機、 4:ケーキ、 5:洗浄濾過装置、
6:脱水ケーキ、 7:洗浄濾液、 10:洗浄濾液、
11:重金属除去(再生)装置、 15:標準混合ガスの供給源(ボンベ)、
1、8、9、12、13、16、18、14:経路
19:二酸化炭素導入手段 20:洗浄処理装置
Claims (6)
- 灰塵の洗浄懸濁液に二酸化炭素を導入することによって、灰塵に含まれるフリーデル氏塩から塩素イオンを溶出させて灰塵の脱塩を促進し、さらに塩素イオン濃度を2 . 0 wt %以上に調整することによって灰塵からの重金属類の溶出を促進することを特徴とする灰塵の洗浄処理方法。
- 請求項1の方法において、灰塵の洗浄懸濁液に二酸化炭素を導入し、生じた炭酸化物沈澱および溶出した重金属類を除去して得た濾液を灰塵の洗浄に戻して繰り返し用いる灰塵の洗浄処理方法。
- 請求項1または2の方法において、灰塵の洗浄懸濁液に、燃焼排ガスまたは炭酸ガスを含む混合ガスを吹き込んで二酸化炭素を導入した後に、さらに塩化物を添加し、または重金属類を除去した洗浄濾液を添加して、洗浄懸濁液の塩素イオン濃度を2 . 0 wt %以上に調整して灰塵を洗浄する灰塵の洗浄処理方法。
- 上記洗浄処理によって塩素イオンおよび重金属類を除去した灰塵をセメント原料として利用する請求項1〜3の何れかに記載する灰塵の洗浄処理方法。
- 灰塵を洗浄水で懸濁洗浄する撹拌漕、この洗浄撹拌漕に二酸化炭素を導入する手段、洗浄後の灰塵懸濁液を濾過する手段、この濾液から重金属類を除去する手段、この重金属類を除去した洗浄水を上記洗浄撹拌漕に戻す循環路を備え、灰塵の洗浄懸濁液に二酸化炭素を導入すると共に塩素イオン濃度2 . 0 wt %以上にして灰塵を洗浄処理する灰塵の洗浄処理装置。
- 灰塵懸濁液の濾過ケーキを洗浄濾過する手段、およびこの濾液を洗浄撹拌槽に循環させる経路が付設されている請求項5の洗浄処理装置。
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