JP2002018394A - 廃棄物の処理方法 - Google Patents

廃棄物の処理方法

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Takeaki Ogami
剛章 大神
Tsutomu Suzuki
務 鈴木
Masaya Ida
雅也 井田
Keiichi Miura
啓一 三浦
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダスト等の廃棄物を水洗処理する際に、高
い脱塩効果を保ちながら重金属類の溶出を抑制してその
回収効率を高めた処理方法を提供する。 【解決手段】 塩素および重金属類を含有する廃棄物を
水洗して脱塩する処理工程において、廃棄物の水性スラ
リー(水性懸濁液)のpHを8.5〜13の範囲に維持し
て水洗することにより、重金属塩の溶出を抑制して脱塩
することを特徴とする廃棄物の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物を水洗して
脱塩処理する際に、廃棄物に含まれる鉛や銅などの重金
属類の溶出を抑え、水洗後の処理工程においてこれらの
回収効果を高めることができる処理方法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】セメント系ダスト、特に廃棄
物を原料としたセメント製造工程から発生するダスト
(飛灰)には銅、鉛、亜鉛等の重金属類と共に多量の塩素
が含まれている。このためこのダストから重金属類を回
収する場合、多量の塩素が回収した重金属類に混入して
その回収品位が低下する問題がある。また、このダスト
には多量のカルシウムが含まれており、回収したカルシ
ウムをセメント原料に利用する試みがなされているが、
回収したカルシウムの塩素含有量が高いとこれをセメン
ト原料に利用することができない。
【0003】このような多量の塩素の混入を避けるた
め、廃棄物を先ず水洗し、含有塩素分を水に溶解して脱
塩除去することが行われている。ところが、従来の処理
方法では廃棄物に含まれる鉛や銅、亜鉛などもこの水洗
によって一部が洗浄水に溶出するため、その排液処理の
負担が増し、さらに後の回収工程においてこれらの重金
属類の回収効率が低下すると云う問題があった。
【0004】
【発明の解決課題】本発明は従来の上記問題を解決した
処理方法を提供するものである。即ち、本発明の処理方
法は、セメント系ダスト等の廃棄物を水洗処理する際
に、その水性懸濁液のpHを所定の範囲に制御すること
によって、廃棄物に含有されている塩素分を選択的に洗
浄水に溶出させる一方、銅、鉛および亜鉛の溶出を抑え
て固形分(洗浄残渣)に残留させ、洗浄水の重金属濃度を
低く抑えて排水処理の負担を軽減すると共に後の回収工
程において上記重金属類の回収率を高めたものである。
【0005】
【課題を解決する手段】本発明は、(1)塩素および重
金属類を含有する廃棄物を水洗して脱塩する処理工程に
おいて、廃棄物の水性スラリー(水性懸濁液)のpHを
8.5〜13の範囲に維持して水洗することにより、重
金属塩の溶出を抑制して脱塩することを特徴とする廃棄
物の処理方法に関する。
【0006】本発明の上記処理方法は、具体的には、例
えば(2)廃棄物の水性スラリーのpHを9.0〜12
および固液比を100〜700g/lの範囲に維持して水
洗する処理方法、(3)水洗後の脱塩ケーキを、その5
0wt%以上の洗浄水で洗浄する処理方法である。
【0007】また本発明は、(4)上記(1),(2)または
(3)の水洗脱塩工程、脱塩ケーキを酸浸出する工程、そ
の濾液から重金属を回収する工程を有する廃棄物の処理
方法、(5)上記(4)の処理方法において、脱塩ケーキ
を硫酸浸出して銅を溶出させ、その濾液に亜鉛粉末を添
加して銅を沈澱させて回収し、次いで亜鉛を水酸化物に
転じて回収する処理方法、(6)上記(1),(2)または(3)
の水洗脱塩工程、脱塩ケーキを酸浸出する工程、その固
形分にアルカリを加えて鉛を溶出させると共に固形分に
含まれる石膏を水酸化物に転じるアルカリ浸出工程、こ
れを固液分離して固形分をセメント原料として回収する
工程、その濾液から鉛を沈澱させて回収する工程を有す
る廃棄物の処理方法、(7)上記(1),(2)または(3)の水
洗脱塩工程、脱塩ケーキを酸浸出する工程、その固形分
にアルカリを加えて鉛を溶出させると共に固形分に含ま
れる石膏を水酸化物に転じるアルカリ浸出工程、これを
固液分離して固形分をセメント原料として回収する工
程、酸浸出工程で得られる濾液とアルカリ浸出工程で得
られる濾液を混合し、pHを調整して液中より銅、亜鉛
および鉛を回収する工程を有する廃棄物の処理方法、
(8)上記(6)または(7)の処理方法において、鉛回収後
の濾液をアルカリ源として亜鉛回収工程および/または
水浸出工程に循環して再利用することにより処理系の排
液量を低減した廃棄物の処理方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施形態に基づい
て詳細に説明する。本発明に係る処理方法の一例を図1
に示す。図示するように、本発明の処理方法は、水洗
(水浸出)工程とその排水処理工程、水洗工程で得た脱塩
ケーキの酸浸出工程、酸浸出濾液から銅および亜鉛を回
収する工程、酸浸出の固形分をアルカリ浸出する工程、
アルカリ浸出濾液から鉛を回収する工程によって形成さ
れている。
【0009】上記処理方法において、塩素および銅、
鉛、亜鉛などの重金属類を含む廃棄物を水洗処理工程に
おいて水性懸濁液(スラリー)とし、塩素分を洗浄水に溶
出させて脱塩する。この脱塩ケーキを解砕して酸出工程
に導き、硫酸等を加えてスラリー化し、銅分および亜鉛
分を液中に溶出する。この酸浸出スラリーの液分から銅
および亜鉛を回収する。一方、酸浸出スラリーの固形分
をアルカリ浸出工程に導き、苛性ソーダ等を加えてスラ
リー化し、鉛分を液中に溶出させる。このアルカリ浸出
スラリーを固液分離し、その固形分(水酸化カルシウム
主体)をセメント原料として利用する。さらにその濾液
から鉛を回収する。以下、各処理工程を順に説明する。
【0010】(I)水洗(水浸出)工程 本発明によって処理される廃棄物は、例えば、ゴミ焼却
設備や下水汚泥焼却設備などから排出される煤塵や焼却
灰、飛灰、あるいは各種産業廃棄物、またセメントキル
ンや煤塵の高温処理工程から排出されるダストなど各種
の煤塵や焼却灰ないし飛灰を含む。これらの廃棄物には
塩化カルシウムなどの塩素化合物が多量に含まれてお
り、例えば、塩素含有量が20%程度のものが多数あ
る。水洗処理工程はこの廃棄物を水洗し塩素分を洗浄水
に溶出させて脱塩する工程である。具体的には、廃棄物
をスラリー槽に入れ、これに水等を加えてスラリーと
し、塩素分を水に溶出させる。次にこのスラリーをフィ
ルタープレス等の固液分離手段に導いて濾過し、その固
形分をさらに水洗する。
【0011】本発明はこの水洗工程において、廃棄物の
水性スラリー(水性懸濁液)のpHを8.5〜13の範囲
に維持して水洗する。廃棄物に含まれる銅、鉛および亜
鉛はスラリーのpHによって液中への溶出量が大幅に異
なる。スラリーのpHに対する銅、鉛、亜鉛の溶出量の
一例を図2に示す。図示するようにスラリーのpHが7
以下の酸性域では銅、鉛および亜鉛の溶出量が大きく、
pHが8.5より高くなるにつれてこれらの溶出量は次
第に低下し、pH9.0付近になると鉛の溶出量はまだ
やや高いが銅および亜鉛は殆ど溶出せず、概ねpH10
〜12付近では銅、鉛、亜鉛の何れも溶出しない。pH
12を越えると鉛の溶出量が急激に多くなり、pH13
以上では亜鉛の溶出量も次第に多くなる。従って、本発
明は廃棄物の水性スラリーをpH8.5〜13、好まし
くはpH9.0〜12の範囲に保って水洗処理すること
により銅、鉛および亜鉛の溶出を抑制し、これらを固形
分に残留させる一方で、塩素分を選択的に溶出させて脱
塩する。スラリーのpHをアルカリ側に高めるには苛性
ソーダ、消石灰、炭酸ソーダ、アルカリ性処理排液など
を添加し、また酸性側に調整するには硫酸、あるいは酸
性の処理排液などを添加すれば良い。
【0012】水洗工程において、水性スラリーの固液比
を100〜700g/lに調整すると良い。水分量がこれ
より少なくと重金属類の溶出が十分ではなく、また水分
量がこれより多いと排液処理の負担が大きくなるので好
ましくない。さらに水性スラリーを固液分離して得た脱
塩ケーキを十分な量の水で洗浄するのが好ましい。脱塩
ケーキを洗浄することによってケーキ中の塩素濃度をさ
らに低減することができる。洗浄水量に対するケーキ中
の残留塩素濃度の一例を図3に示す。図示するように、
洗浄水量(脱塩ケーキに対する重量比)が50%未満では
洗浄効果が乏しく残留塩素濃度が高いが、50%以上の
水量で洗浄すると残留塩素濃度が急激に低下し、残留塩
素を2%以下に低減することができる。この洗浄後の水
は水浸出槽に循環して再利用すると良い。
【0013】上記脱塩ケーキは解砕して酸浸出工程に送
る。一方、脱塩ケーキと分離した液分を排水処理工程に
導き、硫酸第一鉄等を添加して液中に含まれる微量のク
ロムやセレンを還元し、水酸化鉄の沈澱と共に共沈させ
る。さらに、必要に応じて高分子凝集剤を加えて沈澱物
を凝集させ濾過性を高めて固液分離し、液分のCODが
高い場合には次亜塩素酸ソーダ等を添加してCODを低
減した後に排水する。
【0014】(II)酸浸出工程 解砕した脱塩ケーキに酸を加えて銅および亜鉛を溶出さ
せる。ここで用いる酸は脱塩ケーキに残留する鉛分を不
溶化する一方で銅や亜鉛をスラリー中に浸出させる酸が
適当であり、具体的には硫酸が好ましい。このスラリー
は固液比500g/l以下が適当であり、pH1〜4の酸
性スラリーが好ましい。スラリーのpHが4より高いと
銅の浸出効率が低下することがあるので好ましくない。
またpHが1より低いと次工程のアルカリ処理の負担が
増す。なお、酸の濃度にもよるが浸出時間は20分以上
が適当であり、概ね30分程度でよい。
【0015】酸浸出処理によって脱塩ケーキ中の銅およ
び亜鉛が液中に浸出する。なお、脱塩ケーキに含まれる
鉛分は初め液中に浸出するが、直ちに硫酸鉛などの不溶
性の鉛化合物を形成して固形分として残る。さらに脱塩
ケーキに含まれるカルシウムも石膏(硫酸カルシウム)に
転じて固形分に残る。従って、この酸浸出スラリーを固
液分離することによって、液中の銅および亜鉛と、固形
分中の鉛およびカルシウムとに分離することができる。
【0016】酸浸出工程で固液分離した濾液に、液中の
銅よりも卑な金属、すなわち銅よりイオン化傾向が大き
い亜鉛などの粉末を添加して銅を析出させる。この添加
量は液中の銅よりもやや過剰に添加するのが好ましい。
なお、この添加量が多過ぎると析出した銅に亜鉛粉末等
が混入し、回収した銅の品位が低下するので好ましくな
い。これらの添加量は液中の銅濃度に対して1.1当量
程度が適当である。析出した銅は沈澱するので固液分離
して回収する。なお、液中にカルシウムが含まれている
場合でも、カルシウムは亜鉛よりもイオン化傾向が大き
く、亜鉛粉末の添加によって析出しないので高品位の銅
を回収することができる。
【0017】銅を回収した後の濾液には酸浸出によって
溶出した亜鉛、および銅回収の際に添加した亜鉛が溶解
しているので、苛性ソーダ等を添加し、濾液をpH9.
5〜12に調整することによって亜鉛を水酸化物に転じ
て沈澱させ、これを固液分離して亜鉛を回収する。
【0018】(III)アルカリ浸出工程 酸浸出スラリーの固形分にアルカリを加えてスラリーと
し、鉛分(主に硫酸鉛)を浸出させる。アルカリとしては
苛性ソーダが好適である。苛性ソーダの濃度は1mol/l
以上、好ましくは2mol/l以上が適当である。スラリー
の固液比は200g/l以下が適当であり、100g/l以下
が好ましい。スラリーの液性はpH13.5以上が適当
である。このアルカリ処理によって固形分中の硫酸鉛は
分解して液中に溶出する。鉛の溶出率はスラリーのpH
の上昇と共に増加し、pH12.5付近では20%程度
であるが、pH13.5以上では概ね70%以上であ
る。さらに、スラリーのpHが13.5未満の場合には
石膏が殆ど分解されず、これより高いアルカリ域におい
て水酸化カルシウムに転じる。従って、固形分に含まれ
るカルシウムをセメント原料として利用するには、浸出
スラリーのpHを13.5以上の高アルカリ域に調整し
て石膏を分解し、硫酸根を除去する。
【0019】アルカリ浸出スラリーを固液分離した固形
分は水酸化カルシウムを主体とし、硫酸根が除去されて
いるのでセメント原料として好適である。さらに鉛は溶
出して濾液に含まれるので、この固形分には鉛が実質的
に含まれておらず、また銅や亜鉛も予め除去されている
のでこれらの重金属類をセメント原料に持ち込む虞がな
い。
【0020】アルカリ浸出スラリーを固液分離した濾液
には鉛が溶存しているので、これに水硫化ソーダなどの
硫化剤を加えて液中の鉛を硫化物に転じて沈澱させる。
硫化剤の添加量は液中の鉛含有量に対して1〜2当量が
適当である。これを濾過して硫化鉛を回収する。回収し
た硫化鉛を鉛製錬の原料として利用すれば、硫黄分を発
熱源として利用することができる。また、硫化鉛を分離
した濾液は強アルカリ液(pH13前後)であるので、これを
亜鉛回収工程のアルカリ源や水浸出工程のアルカリ源と
して再利用することができる。
【0021】このような硫酸浸出スラリーの濾液とアル
カリ浸出スラリーの濾液を別系統で処理する方法に代え
て、これらの濾液を混合し、混合した濾液のpHを9〜
12に調整することにより、液中の銅、鉛、亜鉛などを
水酸化物ないし硫酸塩として共沈させて回収してもよ
い。なお、廃棄物中にセレンが微量含まれている場合、
硫酸浸出およびアルカリ浸出によって液中に溶出したセ
レンはこの濾液の混合によって上記pH域で銅、鉛、亜
鉛と一緒に共沈する。
【0022】上記処理方法において、水洗(水浸出)工程
の脱塩ケーキの洗浄排水、硫酸浸出スラリーを固液分離
して得た固形分の洗浄排水、銅回収工程において固液分
離して回収した銅沈殿物の洗浄排水、亜鉛回収工程にお
いて固液分離して回収した亜鉛沈澱物の洗浄排水、アル
カリ浸出スラリーを固液分離して得た固形分の洗浄排水
をおのおの水浸出工程、酸浸出工程、またはアルカリ浸
出工程に循環して再利用し、これによって酸浸出工程か
らアルカリ浸出工程に至る処理工程において排水を出さ
ないようにし、処理系全体の排水量を大幅に低減するこ
とができる。
【0023】
【実施例】本発明を実施例によって以下に具体的に示
す。 〔実施例1〕セメントキルンダスト600gに水200
0mlを加えて水性スラリーとし、スラリーの液性をpH
6、pH12、pH13.5におのおの調整して水浸出を
行った。このスラリーをフィルタープレスで濾過し、濾
液の重金属濃度を測定した。また、pH12に調整した
スラリーについて、その脱水ケーキ(脱塩ケーキ)をケー
キと同重量の水で洗浄した後にケーキ中の残留塩素濃度
を測定した。この結果を表1および表2に示した。スラ
リーのpHを本発明の範囲に調整した試料(No.2)は濾液
中の鉛、銅および亜鉛の濃度が低く、これらの金属が脱
塩ケーキに濃縮されている。一方、スラリーのpHが本
発明の範囲を外れる試料(No.1,3)は濾液中の鉛および亜
鉛の濃度が格段に高い。また、本発明に係る脱塩ケーキ
(試料No.2)は処理前の飛灰に比べて残留塩素濃度および
アルカリが大幅に低減している。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】〔実施例2〕実施例1で得た脱塩ケーキ2
00gを解砕し、これに水300mlおよび濃度4Nの硫
酸を120ml加えてpH3の硫酸浸出スラリーとし、攪
拌後、固液分離した。この濾液の銅濃度は19000pp
m、亜鉛濃度は6100ppmであった。この濾液640g
に亜鉛粉末15gを添加して攪拌し、沈澱物を固液分離
して銅13gを回収した。さらに、銅回収後の濾液に後
工程の鉛回収で生じた濾液(約pH13)を添加してpH9.
5〜11に調整し、沈殿物を固液分離して水酸化亜鉛2
8gを回収した。
【0027】〔実施例3〕実施例2の硫酸浸出スラリー
を固液分離した固形分110gに水600mlと苛性ソー
ダ(48%濃度)75mlを加えてpH13.7のアルカリ浸
出スラリーとし、攪拌後、固液分離し、固形分60gを
得た。この固形分をX線回折によって分析し、水酸化カ
ルシウムからなることを確認した。さらに固形分を分離
した濾液830gに水硫化ソーダ1.8gを加え、沈澱
物を固液分離して硫化鉛5gを回収した。
【0028】
【発明の効果】本発明の処理方法は、セメント系ダスト
等の廃棄物を水洗処理する際に、その水性懸濁液のpH
を所定の範囲に制御することによって、廃棄物に含有さ
れている塩素分を選択的に洗浄水に溶出させ、また銅、
鉛および亜鉛の溶出を抑えて固形分(洗浄残渣)に残留さ
せるので、洗浄水の重金属濃度が低く、従って排水処理
の負担が軽減される。また、固液分に含まれる重金属濃
度が高いので後の回収工程においてこれらの重金属類の
回収率を高めることができる。また、各処理工程の濾液
や洗浄水を前処理工程に循環して再利用することにより
処理系全体の排液量を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の処理方法を示す工程図
【図2】 水洗処理工程におけるスラリーの重金属濃度
を示すグラフ
【図3】 水洗処理工程において、脱塩ケーキの洗浄効
果を示すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22B 3/46 B09B 3/00 ZAB 3/44 C22B 3/00 A 7/00 U 7/02 Q 13/00 13/04 15/00 15/08 19/00 15/12 19/22 (72)発明者 井田 雅也 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 太平洋 セメント株式会社中央研究所内 (72)発明者 三浦 啓一 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 太平洋 セメント株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4D004 AA36 AB03 BA06 CA35 CA40 CA41 CC03 CC12 DA02 DA03 DA09 DA10 DA11 4K001 AA09 AA20 AA30 BA14 CA06 CA08 DB03 DB08 DB18 DB22 DB23

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素および重金属類を含有する廃棄物を
    水洗して脱塩する処理工程において、廃棄物の水性スラ
    リー(水性懸濁液)のpHを8.5〜13の範囲に維持し
    て水洗することにより、重金属塩の溶出を抑制して脱塩
    することを特徴とする廃棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】 廃棄物の水性スラリーのpHを9.0〜
    12および固液比を100〜700g/lの範囲に維持し
    て水洗する請求項1の処理方法。
  3. 【請求項3】 水洗後の脱塩ケーキを、その50wt%以
    上の洗浄水で洗浄する請求項1の処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3の水洗脱塩工程、
    脱塩ケーキを酸浸出する工程、その濾液から重金属を回
    収する工程を有する廃棄物の処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項4の処理方法において、脱塩ケー
    キを硫酸浸出して銅および亜鉛を溶出させ、その濾液に
    亜鉛粉末を添加して銅を沈澱させて回収し、次いで亜鉛
    を水酸化物に転じて回収する処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項1、2または3の水洗脱塩工程、
    脱塩ケーキを酸浸出する工程、その固形分にアルカリを
    加えて鉛を溶出させると共に固形分に含まれる石膏を水
    酸化物に転じるアルカリ浸出工程、これを固液分離して
    固形分をセメント原料として回収する工程、その濾液か
    ら鉛を沈澱させて回収する工程を有する廃棄物の処理方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1,2または3の水洗脱塩工程、
    脱塩ケーキを酸浸出する工程、その固形分にアルカリを
    加えて鉛を溶出させると共に固形分に含まれる石膏を水
    酸化物に転じるアルカリ浸出工程、これを固液分離して
    固形分をセメント原料として回収する工程、酸浸出工程
    で得られる濾液とアルカリ浸出工程で得られる濾液を混
    合し、pHを調整して液中より銅、亜鉛および鉛を回収
    する工程を有する廃棄物の処理方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7の処理方法において、
    鉛回収後の濾液をアルカリ源として亜鉛回収工程および
    /または水浸出工程に循環して再利用することにより処
    理系の排液量を低減した廃棄物の処理方法。
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