JPH09173767A - 排煙処理システム - Google Patents

排煙処理システム

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JPH09173767A
JPH09173767A JP7338559A JP33855995A JPH09173767A JP H09173767 A JPH09173767 A JP H09173767A JP 7338559 A JP7338559 A JP 7338559A JP 33855995 A JP33855995 A JP 33855995A JP H09173767 A JPH09173767 A JP H09173767A
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flue gas
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liquid
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享三 須山
Hiroshi Suzumura
鈴村  洋
Yasuyuki Ogushi
泰之 小串
Naohiko Ugawa
直彦 鵜川
Masao Hino
日野  正夫
Kozo Tao
幸三 田尾
Nobuo Kojima
信夫 小島
Kiyoshi Okazoe
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/34Chemical or biological purification of waste gases
    • B01D53/46Removing components of defined structure
    • B01D53/64Heavy metals or compounds thereof, e.g. mercury
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/34Chemical or biological purification of waste gases
    • B01D53/46Removing components of defined structure
    • B01D53/48Sulfur compounds
    • B01D53/50Sulfur oxides
    • B01D53/501Sulfur oxides by treating the gases with a solution or a suspension of an alkali or earth-alkali or ammonium compound

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排煙中に含まれるSeの処理が容易にできる
排煙処理システムを提供することを目的としている。 【解決手段】 乾式集塵装置5により除去された粉塵中
の溶解成分を水に抽出してスラリ化する抽出手段13
と、この抽出手段13で前記粉塵がスラリ化されてなる
粉塵スラリに、少なくとも4価のSeを不溶化する不溶
化剤を供給する不溶化剤供給手段16と、前記粉塵スラ
リに、少なくとも6価のSeを吸着する生物体原料より
なる吸着剤を供給する吸着剤供給手段14と、これら供
給手段により前記不溶化剤及び吸着剤が供給された粉塵
スラリを固液分離する分離手段15とを設けたことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排煙中のセレン
(Se)の処理が容易にできる排煙処理システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、火力発電所などに設置される排煙
処理システムとしては、排煙とカルシウム化合物含有ス
ラリ(吸収剤スラリ)とを吸収塔内において接触させる
ことにより、排煙中の亜硫酸ガスを吸収するとともに、
吸収塔内のスラリから副生物として石膏を分離生成する
湿式排煙脱硫装置と、この湿式排煙脱硫装置に導入され
る排煙からフライアッシュなどの粉塵を除去する乾式集
塵装置(通常、電気集塵機)とを備えた排煙処理システ
ムが普及しているが、近年排煙中に含まれる硫黄酸化物
以外の有害な不純物の扱いが問題となっている。特に、
石炭焚きボイラ用の排煙処理システムにおいては、石炭
中に最大10mg/kg程度の含有量で含まれるセレン
(Se)の有害性が近年問題となっており、排煙あるい
は排水中から除去処理することが望まれている。
【0003】なお、Seは、不溶化剤による不溶化処理
が容易な4価のSe(主形態:亜セレン酸SeO3 2-
と、不溶化処理が困難な6価のSe(主形態:セレン酸
SeO4 2- )として存在し、特に6価のSeは溶解度が
高く(溶解度95%at20℃)溶出しやすい。また、
このSeは、ヒ素化合物に類似した毒性を持ち、海外で
障害の事例や排出規制があるため、我が国でも1994
年2月に新たに規制項目に加わり、環境基準(0.01
mg/l)、排水基準(0.1mg/l)、埋立処分に
関する溶出基準(0.3mg/l)が制定された。
【0004】図10は、この種の排煙処理システムの従
来例(石炭焚きボイラ用の排煙処理システムの例)を示
している。図10において、石炭焚きボイラ1から出る
排煙10は、ボイラ1に付設された脱硝装置2で窒素酸
化物(NOx)を除去され、エアヒータ3及びガスガス
ヒータ(GGH)の熱回収部4を通過した後、電気集塵
機5(EP)に導入されてフライアッシュなどの粉塵を
取除かれる。次いで排煙は、湿式排煙脱硫装置6に導か
れ、この脱硫装置6において亜硫酸ガスを除かれた後に
ガスガスヒータ(GGH)の再加熱部7を通過した後、
図示省略した煙突に導かれてこの煙突から大気中に放出
されるように構成されている。そして、電気集塵機5で
取除かれたフライアッシュなどの粉塵は、灰処理されて
一部がセメント原料などとして再利用され、残部は灰捨
て場8に捨てられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
排煙処理システムでは、石炭中のSe(排煙中のSe)の
ほとんどが、エアヒータ3などの後流側で凝縮し、排煙
中の粉塵に含まれた状態で電気集塵機5により取除かれ
て、そのまま灰捨て場8の廃棄物中またはセメント原料
などの中に混在することになる。このため、前記溶出基
準などを遵守してSeの無害化を図るためには、この電
気集塵機5で取除かれた灰を例えば多量の水で希釈する
といった面倒でコストのかかる後処理が必要となるとい
う問題があった。
【0006】そこで本発明は、排煙中に含まれるSeの
処理が容易にできる排煙処理システムを提供することを
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1記載の排煙処理システムは、亜硫
酸ガスを吸収する吸収剤スラリと排煙とを気液接触させ
る脱硫塔を有する脱硫装置と、この脱硫装置の脱硫塔に
導入される前の排煙からフライアッシュなどの粉塵を除
去する乾式集塵装置とを備え、亜硫酸ガス、粉塵及びS
eを含む排煙を処理する排煙処理システムにおいて、前
記乾式集塵装置により除去された粉塵中の溶解成分を水
に抽出してスラリ化する抽出手段と、この抽出手段で前
記粉塵がスラリ化されてなる粉塵スラリに、少なくとも
4価のSeを不溶化する不溶化剤を供給する不溶化剤供
給手段と、前記粉塵スラリに、少なくとも6価のSeを
吸着する生物体原料よりなる吸着剤を供給する吸着剤供
給手段と、これら供給手段により前記不溶化剤及び吸着
剤が供給された粉塵スラリを固液分離する分離手段とを
設けたことを特徴とする。
【0008】本発明の請求項2記載の排煙処理システム
は、請求項1における前記脱硫装置の吸収剤スラリを構
成する液の一部が前記抽出手段に導入され、前記抽出手
段における溶媒として使用される構成とするとともに、
前記分離手段により分離された濾液が前記脱硫装置内の
吸収剤スラリを構成する液として戻されて循環使用され
るように構成したことを特徴とする。
【0009】本発明の請求項3記載の排煙処理システム
は、請求項1または2における前記粉塵スラリに濾過助
剤を供給する濾過助剤供給手段を設けたことを特徴とす
る。
【0010】本発明の請求項4記載の排煙処理システム
は、亜硫酸ガスを吸収する吸収剤スラリと排煙とを気液
接触させる脱硫塔を有する脱硫装置と、この脱硫装置の
脱硫塔に導入される排煙からフライアッシュなどの粉塵
を除去する乾式集塵装置とを備え、亜硫酸ガス、粉塵及
びSeを含む排煙を処理する排煙処理システムにおい
て、前記乾式集塵装置により除去された粉塵を前記脱硫
装置内の吸収剤スラリ中に導入する粉塵導入手段と、前
記吸収剤スラリ中に少なくとも4価のSeを不溶化する
不溶化剤を供給する不溶化剤供給手段と、前記吸収剤ス
ラリに少なくとも6価のSeを吸着する生物体原料より
なる吸着剤を供給する吸着剤供給手段と、を設けたこと
を特徴とする。
【0011】本発明の請求項5記載の排煙処理システム
は、亜硫酸ガスを吸収する吸収剤スラリと排煙とを気液
接触させる脱硫塔を有する脱硫装置を備え、亜硫酸ガ
ス、粉塵及びSeを含む排煙を処理する排煙処理システ
ムにおいて、フライアッシュなどの粉塵が除去されてい
ない排煙がそのまま前記脱硫塔に導入される構成とする
とともに、前記脱硫装置内の吸収剤スラリに、少なくと
も4価のSeを固化する不溶化剤を供給する不溶化剤供
給手段と、前記吸収剤スラリに少なくとも6価のSeを
吸着する生物体原料よりなる吸着剤を供給する吸着剤供
給手段と、を設けたことを特徴とする。
【0012】本発明の請求項6記載の排煙処理システム
は、亜硫酸ガスを吸収する吸収剤スラリと排煙とを気液
接触させる脱硫塔を有するとともに、この脱硫塔の前流
に、液と排煙とを気液接触させる冷却除塵塔が設けられ
た脱硫装置と、この脱硫装置の冷却除塵塔に導入される
排煙からフライアッシュなどの粉塵を除去する乾式集塵
装置とを備え、亜硫酸ガス、粉塵及びSeを含む排煙を
処理する排煙処理システムにおいて、前記乾式集塵装置
により除去された粉塵を前記脱硫装置の冷却除塵塔の液
中に導入する粉塵導入手段と、前記液中に前記粉塵が導
入されてなる粉塵スラリに少なくとも4価のSeを不溶
化する不溶化剤を供給する不溶化剤供給手段と、前記粉
塵スラリに少なくとも6価のSeを吸着する生物体原料
よりなる吸着剤を供給する吸着剤供給手段と、これら供
給手段により前記不溶化剤及び吸着剤が供給された粉塵
スラリを固液分離する分離手段とを設けたことを特徴と
する。
【0013】本発明の請求項7記載の排煙処理システム
は、亜硫酸ガスを吸収する吸収剤スラリと排煙とを気液
接触させる脱硫塔を有するとともに、この脱硫塔の前流
に、液と排煙とを気液接触させる冷却除塵塔が設けられ
た脱硫装置を備え、亜硫酸ガス、粉塵及びSeを含む排
煙を処理する排煙処理システムにおいて、フライアッシ
ュなどの粉塵が除去されていない排煙がそのまま前記冷
却除塵塔に導入される構成とするとともに、前記冷却除
塵塔の液中に前記粉塵が供給してなる粉塵スラリに、少
なくとも4価のSeを不溶化する不溶化剤を供給する不
溶化剤供給手段と、前記粉塵スラリに少なくとも6価の
Seを吸着する生物体原料よりなる吸着剤を供給する吸
着剤供給手段と、これら供給手段により前記不溶化剤及
び吸着剤が供給された粉塵スラリを固液分離する分離手
段とを設けたことを特徴とする。
【0014】本発明の請求項8記載の排煙処理システム
は、請求項1,2,3,4,5,6または7における前
記脱硫装置内においてスラリ中の亜硫酸を全量酸化する
ための必要最小限の酸化反応が行われるように、前記脱
硫装置内の酸化還元反応を制御する酸化還元反応制御手
段を設けたことを特徴とする。
【0015】本発明の請求項9記載の排煙処理システム
は、請求項1,2,3,4,5,6,7または8におけ
る前記脱硫装置からの排水を処理する排水処理装置を備
え、この排水処理装置には、導入された前記排水に、少
なくとも4価のSeを不溶化する不溶化剤を供給する不
溶化剤供給手段と、少なくとも6価のSeを吸着する生
物体原料よりなる吸着剤を供給する吸着剤供給手段とを
設けたことを特徴とする。
【0016】本発明の請求項10記載の排煙処理システ
ムは、請求項1,2,3,4,5,6,7または8にお
ける前記脱硫装置からの排水を処理する排水処理装置を
備え、この排水処理装置には、導入された前記排水に、
少なくとも4価のSeを不溶化する不溶化剤を供給する
不溶化剤供給手段と、少なくとも6価のSeを吸着する
生物体原料よりなる吸着剤が固定状態に装填され、前記
排水が通過する構成とされた固定床式の接触処理塔とを
設けたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。まず、本発明の排水処理システム
で使用する吸着剤について説明する。図1に示す吸着剤
Xを構成する生物体原料としては、例えば卵殻膜,羽毛
及び羊毛のうち、何れか一つを単独で使用してもよい
し、これらのうちの複数を組合せてもよい。また、これ
ら生物体原料は、後述するように、固体状(膜状含む)
のままで使用して加工手数を省くこともできるが、摺り
つぶして粉末状としたり、液状化することによって保管
や運搬、あるいは装置への供給などの取扱いが容易とな
る。
【0018】例えば鶏卵は、食品工業において大量に使
用され、その際に生じる卵殻(殻膜付きのもの)は大量
に投棄されているのが現状である。このため卵殻膜は、
例えはマヨネーズ工場等で使用済みの鶏の卵殻から安価
かつ多量に得られる。そして、このような鶏の卵殻を、
まず5wt%の塩酸溶液に約10時間程度浸漬し、炭酸
カルシウムを主成分とする卵殻を溶解させる。そして、
残った卵殻膜を蒸留水で洗浄してゴミなどを除去し、乾
燥後0.1N水酸化ナトリウム溶液で洗浄して卵白など
を除去すれば、後述するようにSeの高い吸着能力のあ
る清浄な卵殻膜が得られる。なお、卵殻膜は、卵殻から
分離しないで吸着剤として使用することもできる。この
場合、上述の塩酸溶液による前処理が不要となり、マヨ
ネーズ工場などで使用済みの鶏の卵殻(殻膜付きのも
の)を、殻付きのまま蒸留水で洗浄し、乾燥後水酸化ナ
トリウム溶液で洗浄すればよい。
【0019】次に、羽毛または羊毛は、例えば0.1N
〜0.5Nの水酸化ナトリウム溶液で洗浄して油分など
を除去し、その後蒸留水で洗浄すれば前処理が完了し、
後述するようにSeの高い吸着能力のある洗浄な羽毛ま
たは羊毛が得られる。なお、羽毛としては、各種鳥類の
羽毛(例えば鶏の羽毛)が使用できる。
【0020】次に、吸着剤の使用形態としては、固形状
(膜状含む)、粉末状、及び液状の各種形態があり得
る。例えば、上記卵殻膜をそのまま膜状として使用する
こともできるし、摺りつぶして粉末状にしてもよい。ま
た、上記卵殻付きの卵殻膜を粉砕し固形状または粉末状
のものとして使用することもできる。また、羽毛または
羊毛を、そのままの形態(固形状)で使用してもよい
し、細切れに切断して粉末状としてもよい。また、卵殻
膜や羽毛または羊毛を、アルカリ溶液に溶解させて液状
化することもできる。例えば、上述の前処理が終了した
卵殻膜や羽毛または羊毛を、30wt%の水酸化ナトリ
ウム溶液に常温で約20時間程度浸漬させれば、容易に
溶解することを実験で確認している。なお、この実験の
際の溶解量は、水酸化ナトリウム溶液が50ccに対し
て、生物体原料が約5gである。
【0021】次に、上記生物体原料を吸着剤Xとして用
いた、排煙処理システムの各種形態例を説明する。 <第1例>まず、請求項1乃至3、請求項8及び9記載
の発明の一形態例である第1例について、図1により説
明する。図1は、この第1例の排煙処理システムの構成
を示した図である。なお、従来例と同様の構成要素には
同符号を使用し、その説明を省略する。この例の排煙処
理システムは、図1に示すように、電気集塵機5などで
Seが付着した粉塵を集塵除去し、この粉塵(灰)を抽
出手段13において湿式排煙脱硫装置20(以下、単に
脱硫装置20という)からの液により抽出してスラリ化
した後、混合手段14において不溶化剤供給手段16に
より不溶化剤Aを投入し、さらに混合手段101におい
て吸着剤供給手段100により前述の生物体原料よりな
る吸着剤Xを投入し、その後分離手段15において固液
分離することで、6価のSe及び4価のSeを固相側に分
離するものである。そして、この場合には、脱硫装置2
0におけるスラリ抜出しラインや、排水処理装置50に
もSe処理のための同様の構成(混合手段14,不溶化
剤供給手段16,混合手段101,吸着剤供給手段10
0)が設けられている。またこの場合脱硫装置20で
は、いわゆるORP制御(酸化還元電位制御)により必
要最低限の酸化を行ってスラリ中の4価Seが6価Seに
酸化されるのを抑制し、排水処理装置50などでのSe
処理を容易化したものである。なお図1では、混合手段
14が混合手段101よりも上流側にある場合を示して
いるが、逆に混合手段101が混合手段14よりも上流
側にあってもよい。
【0022】抽出手段13は、例えば前記粉塵が投入さ
れる容器とこの容器内のスラリを攪拌する攪拌機とより
なるもので、図1に示すように、後述の脱硫装置20の
ポンプ34により濾液タンク33の液が供給されるよう
になっており、この液により電気集塵機5から導入され
た粉塵がスラリ化される。混合手段14は、例えば混合
タンクとこの混合タンク内の液を攪拌する攪拌機とより
なるもので、抽出手段13でスラリ化されてなる粉塵ス
ラリ、不溶化剤供給手段16により供給される不溶化剤
A、pH調整液Y、さらに濾過助剤供給手段17より供
給される濾過助剤Bとが投入され、これらが混合されて
後流の混合手段101に送られる構成となっている。
【0023】ここで、不溶化剤Aとしては、少なくとも
4価のSe(主形態:亜セレン酸SeO3 2-)と反応して
不溶化する薬剤が必要で、例えばFeCl3またはFe
2(SO4) 3を用いることができる。また、濾過助剤Bと
しては、粒度が大きく固液分離を助ける機能を有する薬
剤が好ましく、例えば脱硫装置20において生成した石
膏Cを使用すればよい。また、pH調整液Yとしては、
例えば酸として脱硫水溶液、アルカリとして苛性ソーダ
水溶液を使用すればよい。また、このpH調整液Yの投
入量は、混合手段14内のpH値が、後述の反応式
(2)〜(5)で示される4価Seの不溶化反応が促進
される値、すなわちpH5〜9、好ましくは6〜8とな
るように調整される。なお、図示省略しているが、制御
系の構成要素として、混合手段14内のpHを検出する
センサや、このセンサの検出値に基づいて混合手段14
へのpH調整液供給ラインに設けられた流量調整弁の開
度を制御し、pHを上記一定範囲に自動的に調整するコ
ントローラを設けてもよい。また、不溶化剤供給手段1
6は、前記不溶化剤Aが貯留されたサイロまたはタンク
と、これらサイロまたはタンクから混合手段14に不溶
化剤Aを導入する管路などよりなる。また、濾過助剤供
給手段17も、濾過助剤Bが貯留されたサイロまたはタ
ンクと、これらサイロまたはタンクから混合手段14に
濾過助剤Bを導入する管路などよりなる。
【0024】混合手段101は、例えば混合タンクとこ
の混合タンク内の液を攪拌する攪拌機とよりなるもの
で、混合手段14から導出された粉塵スラリ、吸着剤供
給手段100より供給される前述の吸着剤X、さらにp
H調整液Yとが投入され、これらが混合攪拌されて十分
な滞留時間の後に後流の分離手段15に送られる構成と
なっている。ここで、吸着剤供給手段100は、吸着剤
Xが貯留されたサイロまたはタンクと、これらサイロま
たはタンクから混合手段101に吸着剤Xを導入する管
路などよりなる。またここでのpH調整液Yの投入量
は、混合手段101内のpH値が、吸着剤Xによる6価
Seの吸着が促進される値、すなわちpH2〜8程度、
好ましくはpH4〜6となるように調整する。また、分
離手段15は、例えば遠心沈降機よりなるもので、濾液
のみをこの場合脱硫装置20の吸収剤スラリ槽35に戻
す構成となっている。
【0025】脱硫装置20は、この場合タンク酸化方式
の脱硫装置であり、底部のタンク22に吸収剤スラリ
(この場合石灰石からなるもの)が供給される吸収塔2
1と、前記タンク22内の吸収剤スラリを吸収塔21の
上部21a(排煙導入部)に送って排煙と接触させるた
めの循環ポンプ23と、タンク22内に支持されて図示
省略したモータにより水平回転し、タンク22内のスラ
リを攪拌するとともに供給された空気をタンク22内に
微細な気泡として効率良く吹込むアーム回転式のエアス
パージャ24と、このエアスパージャ24に空気を送込
む空気供給管25とを備え、タンク22内で亜硫酸ガス
を吸収した吸収剤スラリと空気とを効率良く接触させて
全量酸化し石膏を得るものである。
【0026】タンク22には、タンク22内のスラリを
吸出すためのスラリポンプ31が接続され、このスラリ
ポンプ31により吸出されたスラリは、まず混合手段1
4に供給されて不溶化剤供給手段16により不溶化剤A
を投入され、さらに混合手段101に供給されて吸着剤
供給手段100により前述の吸着剤Xを投入される。な
おこれら混合手段14,101においても、必要に応じ
てpH調整液Yが投入される。そして、その後スラリ
は、固液分離機32に供給されて濾過され、スラリ中の
石膏Cなどの固形分がケーキ状の固体(通常、水分含有
率10%程度)として採り出される構成となっている。
一方、固液分離機32からの濾液(主に水)は、いった
ん濾液タンク33に送られ必要に応じ補充水Dを追加さ
れた後、ポンプ34により一部が吸収剤スラリ槽35に
送られて、図示省略した石灰石サイロから供給される石
灰石F(CaCO3)と混ぜ合わされ、吸収剤スラリとし
てスラリポンプ36により再びタンク22に供給される
構成となっている。
【0027】そして、この脱硫装置20には、吸収塔2
1内における酸化還元反応を制御する酸化還元反応制御
手段40が設けられている。酸化還元反応制御手段40
は、この場合循環ポンプ23の吐出側配管に設けられて
タンク22内のスラリの酸化還元電位を検出するセンサ
41と、空気供給管25の途上に設けられてエアスパー
ジャ24への空気供給量を調整する流量制御弁42と、
センサ41の検出出力に基づいてこの流量制御弁42の
動作を制御するコントローラ43とよりなる。ここで、
センサ41は、例えば白金よりなる電極をスラリ内に浸
したものである。また、コントローラ43は、エアスパ
ージャ24への空気供給量が、排煙からスラリ内に溶込
んだ亜硫酸が酸化されて消失するのに必要な最小限の量
となるように、流量制御弁42の開度を連続的に制御す
るものである。例えば具体的には、亜硫酸濃度と酸化還
元電位の相関関係に基づいて、亜硫酸濃度がほぼゼロの
ときの酸化還元電位が予め基準電位として設定されてお
り、センサ41により検出される酸化還元電位がこの基
準電位よりも低くなると、空気供給量をその偏差に応じ
て増加させ、センサ41により検出される酸化還元電位
がこの基準電位よりも高くなると、空気供給量をその偏
差に応じて低下させるといった比例制御を行う。
【0028】なお、酸化還元反応制御手段40は、亜硫
酸を全量酸化するための必要最小限の空気を供給するも
のであるから、結果的にスラリ中の4価のSeの酸化に
よる6価のSeの生成が抑制され、さらには、スラリ中
の6価のSeが亜硫酸により略全量還元される反応を引
起こす機能、を有するものである。すなわち、分離手段
15からの濾液中に残留し、吸収剤スラリ槽35からタ
ンク22に供給されるスラリ中に僅かに含有される6価
Seまたは4価Seや、電気集塵機5から吸収塔21内に
導入される排煙中に残留し吸収塔21内でスラリ中に溶
込む6価Seまたは4価Seがあった場合、このうちの4
価Seが酸化されて6価Seとなることが抑制されるとと
もに、このうちの6価のSeが、排煙から吸収された亜
硫酸と反応して4価のSeとなる還元反応が吸収塔21
内において生じるようになっている。なおこの反応は、
以下の反応式(1)により表わされる。 SeO4 2- + SO3 2- → SeO3 2- +SO4 2- (1)
【0029】排水処理装置50は、濾液タンク33内の
一部の液がポンプ34により送出されてなる脱硫装置2
0の排水W1を、無害化処理して放水などの廃棄処理を
可能とするものである。なお、脱硫装置20において
は、排煙から溶込んだ塩素などの不純物が吸収剤スラリ
を構成する循環液中に過度に蓄積すると、脱硫性能や石
膏品質を劣化させるので、このように循環水の一部を排
水W1として系外に排出する必要がある。この排水処理
装置50は、COD処理、フッ素処理、窒素処理などを
含むいわゆる高度処理を行う周知の設備(図示省略)を
備えたものであるが、この場合、これら高度処理の前処
理としてSe処理を行う機器を備えた点に特徴を有す
る。すなわち、排水W1は、まず混合手段14に供給さ
れて不溶化剤供給手段16により不溶化剤Aを投入さ
れ、さらに混合手段101に供給されて吸着剤供給手段
100により前述の吸着剤Xを投入される。なおこれら
混合手段14,101においても、必要に応じてpH調
整液Yが投入される。そして、その後スラリは固液分離
機102に供給されて濾過され、濾液W2は高度処理設
備に送られる構成となっている。
【0030】なお、図6は、上記排水処理装置50にお
けるSe処理設備のより具体的な構成例を示した図であ
る。以下これを説明する。この装置は、不溶化処理槽1
11、吸着処理槽112、凝集槽113(固液分離手
段)、及びシックナ114(固液分離手段)とより主構
成をなす。ここでは、不溶化処理槽111が図1におけ
る混合手段14に相当し、吸着処理槽112が混合手段
101に相当し、凝集槽113及びシックナ114が固
液分離手段102に相当する。不溶化処理槽111は、
未処理排水W1と、4価Seを不溶化する処理剤A(例
えばFeCl3またはFe2(SO4)3)と、pH調整液Yと
が連続的に導入されて攪拌機115により混合攪拌され
る槽である。この槽22には、内部の処理液のpHを検
出するpHセンサ116と、このpHセンサ116の検
出値に基づき槽内の処理液のpH値を、4価Seの不溶
化反応が促進される前述の所定範囲に保持すべく、pH
調整液Yの導入量を制御するpHコントローラ117と
が設けられている。
【0031】吸着処理槽112は、4価Seを不溶化す
る処理剤Aと十分混合攪拌された排水が、不溶化処理槽
111から連続的に流入する構成とされ、また吸着剤X
(固体状、粉末状、または液状)と、pH調整液Yとが
連続的に導入されて攪拌機118により混合される槽で
ある。この槽118は、槽内の処理液のpHを検出する
pHセンサ119と、このpHセンサ119の検出値に
基づき槽内の処理液のpH値を、6価Seの吸着が促進
される前述の所定範囲に保持すべく、pH調整液Yの導
入量を制御するpHコントローラ120とを有する。凝
集槽113は、処理剤A及び吸着剤Xと十分混合攪拌さ
れた排水が、吸着処理槽112から連続的に流入する構
成とされ、また高分子凝集剤Bが連続的に導入されて攪
拌機121により混合攪拌される槽である。なお、高分
子凝集剤Bは、微細な固形分粒子をいわゆる架橋現象な
どにより結合し、後述のシックナ114において沈降分
離しやすくするものである。シックナ114は、この場
合集泥用のレーキ122を備え、凝集槽113から導出
された排水中の汚泥S(固形分)を濃縮して底面中心部
から排出し、上部からの溢流により清済液(すなわち処
理後排水W2)が排出される周知の機器である。
【0032】以上のように構成された排煙処理システム
においては、まず、以下のようにして、排煙中の粉塵除
去処理及びこの粉塵中に多量に含まれるSeの処理動作
が行われる。すなわち、電気集塵機5などで除去された
粉塵(灰)は、抽出手段13において脱硫装置20の濾
液タンク33から送られた液により抽出されてスラリ化
された後、混合手段14において不溶化剤A及び濾液助
剤Bを投入され、さらに必要に応じてpH調整液を投入
されて混合される。
【0033】この際、混合手段14においては、抽出手
段13により生成されたスラリ(以下、粉塵スラリとい
う)中に含まれる4価のSe(主形態:亜セレン酸SeO
3 2-)が、不溶化剤A(FeCl3またはFe2(SO4)3)と
以下の反応式(2),(3)または(4),(5)で示
される反応を起こして亜セレン酸鉄(Fe2(SeO3) 3
となり不溶化する。 FeCl3 → Fe3+ + 3Cl- (2) 2Fe3+ + 3SeO3 2- → Fe2(SeO3)3 ↓ (3) または Fe2(SO4)3 → 2Fe3+ + 3SO4 2- (4) 2Fe3+ + 3SeO3 2- → Fe2(SeO3)3 ↓ (5)
【0034】次に上記粉塵スラリは、混合手段101に
導入され、吸着剤供給手段100より供給される前述の
吸着剤X、さらに必要に応じてpH調整液Yとが投入さ
れ、これらが混合攪拌されて十分な滞留時間の後に後流
の分離手段15に送られる。このため、分離手段15に
おいて粉塵スラリが固液分離されると、排水中の6価S
eも4価Seも、そのほとんどが固形分として粉塵ケーキ
G中に含まれて無害化されて排出される。すなわち、6
価Seは、そのほとんどが吸着剤に吸着され、吸着剤X
とともに固形分として分離される。なお、吸着剤の形態
として液状化したものを用いた場合でも、液状化した生
物体原料が6価Seと結び付くことにより固相側に析出
するので、最終的にはそのほとんどが粉塵ケーキG中に
含まれて排出される。そして、吸着剤Xに吸着された6
価Seは自然界においては容易に脱着しないため、ま
た、4価のSeも、上述した反応により亜セレン酸鉄と
して不溶化しているので、この粉塵ケーキGはそのまま
廃棄などしても、Seの前述した溶出基準を満足する。
なお、分離手段15においては、混合手段14において
投入された濾過助剤B(石膏など)の働きにより、効果
的な脱水が実現され、粉塵ケーキGの低い水分率が達成
される。一方、分離手段15における濾液中には、僅か
に分離され残った4価及び6価のSeが含まれるが、こ
の濾液は、吸収剤スラリに含まれてポンプ36により脱
硫装置20の吸収塔21に送込まれ、後述するように、
そこで前述の反応(反応式(1))によりその略全量が
4価のSeとなる。
【0035】次に、上記排煙処理システムにおける排煙
中の亜硫酸ガスの除去及び石膏の副生、さらには脱硫装
置20のスラリ中に混入したSeの除去処理について説
明する。すなわち、吸収塔21に導入された排煙は、循
環ポンプ23によりヘッダパイプ26から噴射された吸
収剤スラリに接触して、亜硫酸ガス及び排煙中に残留し
たSeが吸収除去され、排煙導出部21bから処理済排
煙として排出される。
【0036】ヘッダパイプ26から噴射され充填材27
を経由して流下する吸収剤スラリ中に吸収された亜硫酸
ガスは、タンク22内においてエアスパージャ24によ
り攪拌されつつ吹込まれた多数の気泡と接触して酸化さ
れ、さらには中和反応を起こして石膏となる。また、吸
収塔21内においては、前述の反応式(1)の反応によ
り6価のSe(主形態:セレン酸SeO4 2-)の略全量が
4価のSe(主形態:亜セレン酸SeO3 2-)に変えられ
るとともに、4価のSeが酸化されて6価のSeとなるこ
とが抑制される。なお、これらの処理中に起きている主
な反応(上述の反応式(1)以外のもの)は以下の反応
式(6)乃至(8)となる。
【0037】(吸収塔排煙導入部) SO2+H2O → H+ +HSO3 - (6) (タンク) H++HSO3 -+1/2O2 → 2H++SO4 2- (7) 2H++SO4 2- +CaCO3+H2O → CaSO4・2H2O+CO2 (8)
【0038】こうしてタンク22内には、石膏(CaS
4・2H2O)と吸収剤である少量の石灰石(CaC
3)及び4価のSe及び還元され残った極めて僅かな6
価のSeが懸濁し、これらがスラリポンプ31により吸
出され、混合手段14あるいは混合手段101において
不溶化剤Aあるいは吸着剤Xを投入され、さらに必要に
応じてpH調整液を投入されて混合される。そして、固
液分離機32に供給されて濾過され、水分の少ないケー
キ状の石膏C(通常、水分含有率10%程度)として採
り出される。このため、固液分離機32においてタンク
22から抜出されたスラリが固液分離されると、スラリ
中の6価Seも4価Seも、そのほとんどが無害化され固
形分として石膏C中に含まれて排出される。なお、これ
らSeは、含有率が僅かであるため石膏Cの品質を低下
させることはない。なお、前述した酸化還元反応制御手
段40の作用により、スラリポンプ31により吸出され
たスラリ中の6価のSe濃度は極めて低いので、このス
ラリ抜出しラインに設けられた吸着剤供給手段100及
び混合手段101は、小容量なものでよく、吸着剤Xの
投入量も少なくて済む。
【0039】次に、上記排煙処理システムにおける排水
処理装置50の働きについて説明する。上述したように
本例のシステムでは、排煙中から除去されたSeのほと
んどが、無害化されて主に粉塵ケーキG中に、あるいは
石膏C中に含まれて廃棄または再利用されるが、固液分
離機32の分離水に僅かな量のSeが残留した場合、こ
の一部は排水W1中に含まれて排出される。ところが、
本例の場合には、この排水W1中に含まれた極めて僅か
な量のSeも排水処理装置50における前述したSe処理
設備によりそのほとんどが除去される。
【0040】すなわち、排水処理装置50でも、導入さ
れた排水W1は、混合手段14あるいは混合手段101
において不溶化剤Aあるいは吸着剤Xを投入され、さら
に必要に応じてpH調整液を投入されて混合される。そ
して、固液分離機102に供給されて濾過され、最終的
にはSeのほとんどが汚泥S中に含まれて排出されるか
ら、高度処理設備に送られる排水W2中のSe濃度は極
めて低い値となる。
【0041】以上説明したように、この第1例の排煙処
理システムによると、従来どおりの排煙の浄化(粉塵の
除去,亜硫酸ガスの除去)とともに、排煙中からSeを
除去し、除去したSeを最終的には上記粉塵ケーキG,
石膏Cまたは汚泥Hの中に不溶化させて存在させ廃棄な
どすることができる。また、抽出手段13により電気集
塵機5で捕集された粉塵を抽出するための溶媒として、
脱硫装置20の循環液の一部を使用しているから、抽出
手段13に別個に水などを供給する場合に比し水の使用
量(循環量)及び消費量が少なく、システムの運転コス
トが低減されるとともに、排水処理装置50の容量も少
なくて済むから、さらなる設備コストの低減が可能とな
る。
【0042】また、混合手段14において濾過助剤Bが
投入される構成であるから、分離手段15における脱水
率が高くなり、水分の少ない粉塵ケーキGとなって粉塵
ケーキGの運搬などの取扱いが容易になる効果もある。
【0043】<第2例>次に、請求項4記載の発明の一
形態例である第2例について説明する。なお、第1例と
同様の構成要素については、同符号を使用してその説明
を省略する。図2は、この第2例の排煙処理システムの
構成を示す図である。この例の排煙処理システムは、電
気集塵機5で捕集された粉塵を、直接脱硫装置20の吸
収塔21に導入する導入ライン11(粉塵導入手段)を
設けた点に特徴を有する。
【0044】この場合には、排煙中のSeのほとんど全
てがいったん吸収塔21内に入るが、やはり吸収塔21
においてほとんどの6価のSeが4価のSeとなり、そし
てこれらSeは不溶化剤Aにより不溶化され、あるいは
吸着剤Xに吸着されて石膏C中または排水処理装置50
における汚泥H中に混入することになる。そして、この
場合吸収塔21は、第1例における抽出手段13として
機能することになり、また、固液分離機32は第1例に
おける分離手段15として機能することになるから、第
1例のシステムに比較して抽出手段13及び分離手段1
5が不要となり、さらに設備コスト低減に貢献できる効
果がある。なおこの例の場合には、第1例などに比しさ
らなるコスト低減を図ることが可能であるが、吸収塔に
多量に混入した粉塵(不純物)の影響で、高い脱硫率の
確保や石膏Cの高い品質を実現することが困難となる恐
れがあり、これが問題となる場合には、第1例や後述す
る第4例乃至第5例の構成とするのが好ましく、この点
では第1例などの構成が優れている。なお、不溶化剤A
や吸着剤Xの混入は脱硫装置20のスラリ系であれば図
2に示す位置以外の位置に混入するようにしてもよい
し、吸収塔21内に直接入れることもできる。
【0045】<第3例>次に、請求項5記載の発明の一
形態例である第3例について説明する。なお、第1例と
同様の構成要素については、同符号を使用してその説明
を省略する。図3は、この第3例の排煙処理システムの
構成を示す図である。この排煙処理システムは、電気集
塵機5を設けないで、フライアッシュなどの粉塵ととも
に排煙を脱硫装置20の吸収塔21に直接導入するよう
にした点に特徴を有する。
【0046】この場合には、排煙中のSeのほとんどが
全ていったん吸収塔21内に入るが、やはり吸収塔21
においてほとんどの6価のSeが4価のSeとなり、そし
てこれらSeは不溶化剤Aにより不溶化され、あるいは
吸着剤Xに吸着されて石膏C中または排水処理装置50
における汚泥H中に混入することになる。そして、この
場合吸収塔21は、第1例における電気集塵機5,抽出
手段13として機能することになり、また、固液分離機
32は第1例における分離手段15として機能すること
になるから、第1例のシステムに比較して電気集塵機
5,抽出手段13及び分離手段15が不要となり、さら
に設備コスト低減に貢献できる効果がある。
【0047】なおこの例の場合には、第1例などに比し
さらなるコスト低減を図ることが可能であるが、吸収塔
に多量に混入した粉塵(不純物)の影響で、高い脱硫率
の確保や石膏Cの高い品質を実現することが困難となる
恐れがあり、これが問題となる場合には、第1例や後述
する第4例乃至第5例の構成とするのが好ましく、この
点では第1例などの構成が優れている。
【0048】<第4例>次に、請求項6記載の発明の一
形態例である第4例について説明する。なお、第1例と
同様の構成要素については、同符号を使用してその説明
を省略する。図4は、この第4例の排煙処理システムの
構成を示す図である。この例の排煙処理システムは、吸
収塔21の前流側に排煙の冷却及び除塵を行う冷却除塵
塔61が設けられた脱硫装置60を備え、この脱硫装置
60の冷却除塵塔61に、導入ライン12(粉塵導入手
段)を介して、電気集塵機5で捕集された粉塵が直接導
入され、またこの冷却除塵塔61から抜出したスラリに
混合手段14あるいは混合手段101において不溶化剤
Aあるいは吸着剤Xなどが投入された後、分離手段15
で固液分離される構成である点に特徴を有する。ここ
で、冷却除塵塔61は、ポンプ34により濾液タンク3
3の液が供給され、この液を循環ポンプ62により上部
のヘッダパイプ63より噴射するものである。なお、冷
却除塵塔61と吸収塔21との間には図示省略したミス
トエリミネータが設けられている。
【0049】この場合には、排煙中のSeのほとんど全
てがいったん冷却除塵塔61内に入るが、冷却除塵塔6
1内において前述の反応(反応式(1))が起こって、
6価のSeの略全量が4価のSeとなり、そしてこれらの
Seは不溶化剤Aにより不溶化され、あるいは吸着剤X
に吸着されて粉塵ケーキG中または汚泥H中に混入する
ことになる。そしてこの場合、冷却除塵塔61が、第1
例における抽出手段13として機能することになり、第
1例のシステムに比較して抽出手段13が不要となり、
さらに設備コスト低減に貢献できる効果がある。しかも
この例の場合には、第2例乃至第3例の場合とは異な
り、多量の粉塵が吸収塔21に混入することはないの
で、さらなる設備コストの低減が図れるとともに高い脱
硫率の確保や石膏Cの高い品質を実現することが容易と
なる効果がある。なお、不溶化剤Aや吸着剤Xなどは冷
却除塵塔61内に直接投入することもできる。また、脱
硫装置20におけるスラリ抜出しライン(固液分離機3
2の前流)にもSe処理のための同様の構成(混合手段
14、不溶化剤供給手段16、混合手段101、吸着剤
供給手段100)を設けて、Seの除去処理をさらに万
全に行うようにしてもよい。
【0050】<第5例>次に、請求項7記載の発明の一
形態例である第5例について説明する。なお、第4例と
同様の構成要素については、同符号を使用してその説明
を省略する。図5は、この第5例の排煙処理システムの
構成を示す図である。この実施例の排煙処理システム
は、吸収塔21の前流側に排煙の冷却及び除塵を行う冷
却除塵塔61が設けられた脱硫装置60を備え、この脱
硫装置60の冷却除塵塔61に、粉塵が除去されていな
い排煙が直接導入され、またこの冷却除塵塔61から抜
出したスラリに、混合手段14あるいは混合手段101
において不溶化剤Aあるいは吸着剤Xなどが投入された
後、分離手段15で固液分離される構成である点に特徴
を有する。
【0051】この場合でも、排煙中のSeのほとんど全
てが冷却除塵塔61内に入るが、冷却除塵塔61内にお
いて前述の反応(反応式(1))が起こって、6価のS
eの略全量が4価のSeとなり、そしてこの4価のSeは
不溶化剤Aにより不溶化され、あるいは吸着剤Xに吸着
されて粉塵ケーキG中または汚泥H中に混入することに
なる。そしてこの場合、冷却除塵塔61が、第1例にお
ける電気集塵機5,抽出手段13として機能することに
なり、第1例のシステムに比較して電気集塵機5,抽出
手段13が不要となり、さらに設備コスト低減に貢献で
きる効果がある。しかもこの実施例の場合には、第2例
乃至第3例の場合とは異なり、多量の粉塵が吸収塔21
に混入することはないので、さらなる設備コストの低減
が図れるとともに高い脱硫率の確保や石膏Cの高い品質
を実現することが容易となる効果がある。また、脱硫装
置20におけるスラリ抜出しライン(固液分離機32の
前流)にもSe処理のための同様の構成(混合手段1
4,不溶化剤供給手段16,混合手段101,吸着剤供
給手段100)を設けて、Seの除去処理をさらに万全
に行うようにしてもよい。
【0052】次に、排水処理装置の他の形態例につい
て、図7乃至図8により説明する。まず、図7にその要
部を示した排水処理装置は、前述した図6に示した排水
処理装置に対して、不溶化処理槽111と吸着処理槽1
12の位置を逆に入替えたものである。不溶化剤Aによ
る前述の4価Seの不溶化反応と、吸着剤Xによる主に
6価Seの吸着反応は、順番を入替えて行っても問題な
いので、この場合も、図6に示した排水処理装置と同様
に、4価も6価も全てのSeが効率よく除去され、無害
化されて廃棄などできる。
【0053】また、図8にその特徴部分を示した排水処
理装置は、例えば前述した図6に示した排水処理装置に
おいて、吸着処理槽112を設けないで、代りにシック
ナ114の後流側に、図8に示すような6価Seの固定
床式の吸着処理設備を備えたものである。この吸着処理
設備は、6価Seを含有する排水W2(シックナ114
の上澄み液)が排水導入ライン201を介して導入され
るpH調整槽202と、このpH調整槽202から導出
されたpH調整済排水がpH調整済排水ライン203を
経由してそれぞれ導入される充填塔204,205と、
これら充填塔204,205から処理済排水W3を導出
する処理済排水導出ライン206と、pH調整槽202
にpH調整液Yを供給するpH調整液供給ライン207
と、充填塔204,205に対してそれぞれ再生液Zを
供給する再生液供給ライン208,209と、充填塔2
04,205から再生液を導出する再生液導出ライン2
10とを備える。
【0054】なお、図示省略しているが、制御系の構成
要素として、pH調整槽202内のpHを検出するセン
サや、このセンサの検出値に基づいてpH調整液供給ラ
イン207に設けられた流量調整弁の開度を制御し、p
H調整槽2内のpHを吸着が促進される前述の一定範囲
に保持するコントローラを設けてもよい。また、各ライ
ン203,206,208,209,210にそれぞれ
設けられた開閉弁または流路切換弁を制御して、充填塔
204,205の何れか一方に適宜再生液を流す操作を
自動的に行うコントローラを設けてもよい。ここで、充
填塔204,205は、前述の固体状の生物体原料から
なる吸着剤Xを含む充填材204a,205aが装填保
持された固定床式の接触処理塔である。pH調整液Yと
しては、酸として例えば硫酸(H2SO4)の水溶液を、
アルカリとして例えば苛性ソーダ(NaOH)の水溶液
を使用することができる。なお、pH調整液供給ライン
7は、酸用とアルカリ用の2系統設けることが好まし
い。また、pH調整槽202内のpH値は、2〜8程
度、好ましくは4〜6に制御する。また、再生液Zとし
ては、1〜2Nの塩酸水溶液を使用することができる。
【0055】この図8に示す排水処理装置では、pH調
整槽202内において排水W2のpHが調整され、その
後排水W2は、充填塔204または充填塔205の少な
くとも何れか一方に導かれて主に6価Seが吸着除去さ
れ、処理済排水導出ライン206から排出される。そし
て、充填塔204または充填塔205には、適宜再生液
Zが導入され、充填材204a,205aの吸着剤Xに
吸着されていたSeが再生液中に溶出し、こうして脱着
されたSeを含んだ再生液は再生液導出ライン210か
ら排出される。
【0056】なお、本発明は以上説明した各形態例に限
られず各種の態様があり得る。例えば脱硫装置の構成
は、必ずしも上記実施例に示したようなタンク酸化方式
のものに限られず、例えば吸収塔から抜出したスラリが
導入される酸化塔を別に設け、この酸化塔に空気を吹込
んで、ここで最終的な酸化還元反応を行う構成でもよ
い。この場合でも6価のSeは、吸収塔または酸化塔に
おいて4価のSeに変換されることになる。さらに、抽
出手段や混合手段は、必ずしも別槽により構成されてい
る必要はなく、例えば一つタンクにおいて粉塵の抽出と
不溶化剤などの混合とが行われる構成(すなわち、本発
明の抽出手段や混合手段が単槽よりなる構成)もあり得
ることはいうまでもない。また、前述の第1例乃至第3
例において、脱硫装置20におけるスラリ抜出しライン
(固液分離機32の前流)に設けられたSe処理のため
の構成(混合手段14,不溶化剤供給手段16,混合手
段101,吸着剤供給手段100)を削除して、不溶化
剤Aなどの投入場所を排水処理装置50の一箇所とする
こともできる。というのは、脱硫装置の吸収塔や冷却除
塵塔のスラリ液は最終的には排水処理装置50で処理さ
れるので、この排水処理装置においてのみ不溶化剤Aな
どを投入しても全体のSe除去処理が行える。
【0057】また、前述の第1例などにおいて、分離手
段15の分離水を直接排水処理装置50に導入してもよ
い。また、排水処理装置としては、脱硫装置から導出さ
れた循環液中のSeや、その他の不純物を除去した後
に、再度この液を脱硫装置(例えば吸収剤スラリ槽3
5)に戻して、排水が生じないように処理するいわゆる
無排水処理装置を採用してもよい。
【0058】[実施例]なお、発明者は、前述した吸着
剤Xの吸着性能を実証する実験を行っているので、次に
この実験について説明する。
【0059】<実験1>実験1では、キレート剤による
Se除去試験を行った。ここでは、4価Se及び6価Se
を含む排水中に市販のキレート剤(キレート形成基:−
NH−CS2 H,−SH)を50mg/lになるよう添
加するとともに、NaOHを添加することでpH7程度
になるように操作して、4価Se及び6価Seの除去効果
を調べた。その結果を表1に示す。4価Seはキレート
剤により除去可能であるが、6価Seはほとんど除去さ
れず、6価Seの除去にはキレート剤はほとんど効果が
ないことが分かる。
【0060】
【表1】
【0061】<実験2>次に実験2では、FeCl3によ
るSe除去試験を行った。ここでは、4価Se及び6価S
eを含む排水中にFe3+が110mg/lになるようFe
Cl3を添加し、NaOHでpH7程度になるよう操作し
て、4価Se及び6価Seの除去効果を調べた。その結果
を表2に示す。FeCl3は4価Seの除去効果には有効で
あるが、6価Seの除去効果はほとんど見られなかっ
た。
【0062】
【表2】
【0063】<実験3>次に実験3では、生物体原料で
ある卵殻膜を使用し、脱硫排水中の4価Se及び6価Se
の吸着除去試験を実施した。卵殻膜の作成は、卵殻を5
%HCl溶液に浸漬し、卵殻構成金属イオンであるカル
シウムイオンを溶出して卵殻膜を得た後、0.5NのN
aOH洗浄及び蒸留水洗浄して卵殻膜を作成した。この
卵殻膜を用いて、脱硫排水中に含まれる4価Seおよび
6価Seの吸着除去試験を表3に示す条件で実施した。
なお実験は、各pH毎に、上記卵殻膜を脱硫排水を入れ
た容器に浸漬し所定時間攪拌することにより行い、液中
の4価Se及び6価Seの濃度を分析した。
【0064】
【表3】
【0065】図9に、本試験結果(各pH値に対するS
eの処理後濃度)をグラフ化したもの、すなわち卵殻膜
による4価Se及び6価Seの吸着除去性能に及ぼすpH
の影響を示す。この結果からも明らかなように、卵殻膜
はpH2〜8程度、好ましくはpH4〜6の範囲でSe
(4価Se及び6価Se)を吸着除去する性質を有する
が、特に6価Seに対する吸着除去性能が著しく高い。
この6価Seは通常のキレート剤やFeCl3などでは前述
したように除去処理が困難であり、卵殻膜により選択的
に6価Seが処理可能となれば、他方の4価SeはFeCl
3やキレート剤添加により容易に処理可能で、これらを
組合せることにより、全Se濃度を大幅に低減して排水
基準0.1mg/lを大きな裕度でクリアすることが可
能である。
【0066】<実験4>次に実験4では、卵殻膜、羽
毛、ウールの固形状または液状の生物体原料を使用し流
通式反応槽を用いて、脱硫排水中の6価Seの除去試験
を実施した。固形状の生物体原料の作成は、卵殻膜につ
いては、前述したように鶏の卵殻を、まず5wt%の塩
酸溶液に約10時間程度浸漬し、炭酸カルシウムを主成
分とする卵殻を溶解させる。そして、残った卵殻膜を蒸
留水で洗浄してゴミなどを除去し、乾燥後0.1N水酸
化ナトリウム溶液で洗浄して卵白などを除去することに
より作成した。また、羽毛(この場合鶏の羽毛)または
羊毛は、例えば0.1N〜0.5Nの水酸化ナトリウム
溶液で洗浄して油分などを除去し、その後蒸留水で洗浄
して作成した。次に、液状の生物体原料は、上述の処理
が終了した卵殻膜や羽毛又は羊毛を、30wt%の水酸
化ナトリウム溶液に常温で約20時間程度浸漬させるこ
とにより、溶解させて作成した。なお、この際の溶解量
は、水酸化ナトリウム溶液が50ccに対して、生物体
原料が約5gである。
【0067】実験は、6価Se濃度が1.020mg/
lである25℃の脱硫排水を、20l/hrの流量で有
効容積20 lの反応槽に連続的に導入し、200rp
mで攪拌した。そして、この反応槽中の生物体原料(固
体状あるいは液状)の濃度が固形物換算値として2g/
lとなるように、生物体原料を添加するとともに、反応
槽のpHが所定範囲になるよう、H2SO4またはNaO
Hを添加し、6価Seの除去試験を行った。反応槽を出
た排水をサンプリングし、1μmのグラスフィルタで濾
過後、濾液中の6価SeをSe水素化物−ICP分析方法
で分析した。その結果を表4に示す。従来除去処理が困
難であった排水中の6価Seが、各生物体原料によりp
H4〜6の範囲で特に著しく除去されていた。
【0068】
【表4】
【0069】なお、上述した生物体原料よりなる吸着剤
により、Seが吸着される原理については、必ずしも明
らかではないが、次のように考えられる。すなわち、卵
殻膜や羽毛、あるいは羊毛などを構成する蛋白質は、分
子間に架橋構造が存在し、科学的に非常に安定であり、
また網目状の繊維で構成されているため、極めて大きな
非表面積を有する。また、この種の蛋白質には、ペプチ
ド骨格中のNHやC=O、側鎖中のNH3 ,COOH,
OH,SH基が存在し、これら相互作用によって適当な
pHにおいて各種イオンの吸着能力を発揮する。したが
って、卵殻膜や羽毛、あるいは羊毛に限られず、同様の
構造を有する生物体原料であれば、本発明の吸着剤とし
て使用できる。
【0070】
【発明の効果】請求項1記載の排煙処理システムによれ
ば、排煙中のSeのほとんどが、粉塵に含まれた状態で
乾式集塵装置により除去され、抽出手段において粉塵が
溶解成分を水に抽出する際にその粉塵スラリの液中に溶
ける。この粉塵スラリ中のSeは、不溶化剤供給手段に
より供給された不溶化剤により少なくとも4価のSeが
不溶化され、また吸着剤供給手段により供給された吸着
剤により少なくとも6価のSeが吸着されて、分離手段
においては4価のSeも6価のSeもほとんどが固相側に
排出される。そして、吸着剤に吸着された6価Seは自
然界においては容易に脱着しないため、また4価のSe
も不溶化剤により不溶化しているので、この固形分はそ
のまま廃棄などしても、Seの前述した溶出基準を満足
する。したがって、粉塵を多量の水で希釈して廃棄する
といった面倒でコストのかかる処理を必要とすることな
くSeの規制を遵守して、容易かつ低コストな排煙処理
システムの運転が可能となる。また、脱硫装置の吸着塔
内のスラリ中には粉塵(Seなどの不純物)が多量に混
入しないため、脱硫装置における脱硫率などの性能が高
く維持できる。
【0071】請求項2記載の排煙処理システムによれ
ば、脱硫装置の吸収剤スラリを構成する液の一部が抽出
手段における溶媒として使用されるから、別個に水を供
給するような構成に比較して、水の使用量(循環量)及
び消費量を低減できる。
【0072】請求項3記載の排煙処理システムによれ
ば、混合手段または分離手段に濾過助剤が投入されるか
ら、分離手段における脱水性能が向上し、水分率が低く
扱いやすい固形分(粉塵ケーキ)が得られる。
【0073】請求項4記載の排煙処理システムによれ
ば、排煙中のSeのほとんどが、粉塵に含まれた状態で
乾式集塵装置により除去され、脱硫装置のスラリ中に直
接導入されて、脱硫装置において抽出され不溶化剤及び
吸着剤が供給される。このため、排煙中に含まれていた
少なくとも4価のSeは、脱硫装置において不溶化さ
れ、また6価のSeも脱硫装置において吸着剤により吸
着されて、脱硫装置のスラリから分離生成される固形分
(石膏など)に混在して排出されるか、あるいは脱硫装
置の循環液の排出処理を行う排水処理装置において容易
に固形分として分離処理できる。したがって、やはり容
易にSeの溶出基準などをクリアできるのであって、し
かも脱硫装置が、粉塵の抽出手段などとしても機能して
いるから、Seを還元する反応塔や抽出手段などを別個
に設けるような構成に比較して、システム全体の設備構
成がさらに簡単になる。
【0074】請求項5記載の排煙処理システムによれ
ば、排煙中のSeのほとんどが、粉塵に含まれた状態で
そのまま排煙とともに脱硫装置内に直接導入され、脱硫
装置の例えば吸着塔などにおいて、吸収剤スラリに混入
して抽出され不溶化剤及び吸着剤が供給される。このた
め、排煙中に含まれていた少なくとも4価のSeは、脱
硫装置において不溶化され、また6価のSeも脱硫装置
において吸着剤により吸着されて、脱硫装置のスラリか
ら分離生成される固形分(石膏など)に混在して排出さ
れるか、あるいは脱硫装置の循環液の排出処理を行う排
水処理装置において容易に固形分として分離処理でき
る。したがってこの場合も、容易にSeの溶出基準など
をクリアできるのであって、しかも脱硫装置が、集塵機
としても、また粉塵の抽出手段としても機能しているか
ら、集塵機や、抽出手段などを別個に設けるような構成
に比較して、システム全体の設備構成がさらに簡単にな
る。
【0075】請求項6記載の排煙処理システムによれ
ば、排煙中のSeのほとんどが、粉塵中に含まれた状態
で乾式集塵装置により除去され、脱硫装置の冷却除塵塔
内の液中に直接導入されて、この冷却除塵塔において抽
出される。そして、この冷却除塵塔内の液中に前記粉塵
が導入され抽出されてなる粉塵スラリには、不溶化剤供
給手段により少なくとも4価のSeを不溶化する不溶化
剤が供給され、また吸着剤供給手段により吸着剤が供給
される。このため、排煙中に含まれていた少なくとも4
価のSeは、そのまま脱硫装置において不溶化剤により
不溶化され、また6価のSeは、そのまま脱硫装置にお
いて吸着剤により吸着され、分離手段により固相側(粉
塵ケーキ中)に排出されるか、あるいはその後の分離水
の処理において容易に固形分として分離処理して廃棄な
どできる。したがって、このシステムによっても、容易
にSeの溶出基準などをクリアできるのであって、この
場合冷却除塵塔が粉塵の抽出手段などとしても機能して
いるから、抽出手段などを別個に設けるような構成に比
較して、システム全体の設備構成がさらに簡単になる。
また、脱硫装置の吸収塔内のスラリ中には粉塵(Seな
どの不純物)が多量に混入しないため、脱硫装置におけ
る脱硫率などの性能が高く維持できる。
【0076】請求項7記載の排煙処理システムによれ
ば、排煙中のSeのほとんどが、排煙中の粉塵に含まれ
た状態でそのまま排煙とともに脱硫装置の冷却除塵塔内
に直接導入されて、この冷却除塵塔において抽出され
る。そして、この冷却除塵塔内の液中に前記粉塵が導入
され抽出されてなる粉塵スラリには、不溶化剤供給手段
により少なくとも4価のSeを不溶化する不溶化剤が供
給され、また吸着剤供給手段により吸着剤が供給され
る。このため、排煙中に含まれていた少なくとも4価の
Seは、そのまま脱硫装置において不溶化剤により不溶
化され、また6価のSeは、そのまま脱硫装置において
吸着剤により吸着され、分離手段により固相側(粉塵ケ
ーキ中)に排出されるか、あるいはその後の分離水の処
理において容易に固形分として分離処理して廃棄などで
きる。したがって、このシステムによっても、容易にS
eの溶出基準などをクリアできるのであって、しかも脱
硫装置が、集塵機としても、また粉塵の抽出手段などと
しても機能しているから、集塵機や抽出手段などを別個
に設けるような構成に比較して、システム全体の設備構
成がさらに簡単になる。また、脱硫装置の吸収塔内のス
ラリ中には粉塵(Seなどの不純物)が多量に混入しな
いため、脱硫装置における脱硫率などの性能が高く維持
できる。
【0077】請求項8記載の排煙処理システムによれ
ば、酸化還元反応制御手段が、脱硫装置内においてスラ
リ中の亜硫酸を全量酸化するための必要最小限の酸化反
応が行われるように、脱硫装置内のスラリの酸化還元反
応を制御する。このため、結果的に脱硫装置内において
スラリ中の4価のSeの酸化による6価のSeの生成が抑
制されるとともに、6価のSeが4価のSeに還元され
る。したがって、例えば脱硫装置におけるスラリ抜出し
ラインや、脱硫装置の排水を処理する排水処理装置にお
いて、6価のSeを吸着処理するための吸着剤供給手段
の容量が小型なもので済むようになり、また吸着剤の必
要量も少なくなり、より経済的となる。
【0078】請求項9記載の排煙処理システムによれ
ば、排水処理装置において、脱硫装置からの排水に、少
なくとも4価のSeを不溶化する不溶化剤が供給され、
また少なくとも6価のSeを吸着する生物体原料よりな
る吸着剤が供給される。このため、前記排水中に残留し
たSeが排水処理装置において不溶化または吸着され、
この排水処理装置における固液分離においても6価及び
4価Seがさらに分離除去され、そのまま廃棄などする
ことができる。このため、Seの排出基準をさらに高い
裕度で満足することができる。
【0079】請求項10記載の排煙処理システムによれ
ば、排水処理装置において、脱硫装置からの排水に、少
なくとも4価のSeを不溶化する不溶化剤が供給され、
また前記排水は、少なくとも6価のSeを吸着する生物
体原料よりなる吸着剤が固定状態に装填された固定床式
の接触処理塔に通される。このため、前記排水中に残留
したSeのうち4価のものは、この排水処理装置におけ
る固液分離において分離除去され、また6価のものは前
記接触処理塔の吸着剤に吸着されて分離される。このた
め、Seの排出基準をさらに高い裕度で満足することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1例の排煙処理システムの構成を示
す図である。
【図2】本発明の第2例の排煙処理システムの構成を示
す図である。
【図3】本発明の第3例の排煙処理システムの構成を示
す図である。
【図4】本発明の第4例の排煙処理システムの構成を示
す図である。
【図5】本発明の第5例の排煙処理システムの構成を示
す図である。
【図6】本発明の排水処理装置の一例の要部を示す図で
ある。
【図7】本発明の排水処理装置の他の例の要部を示す図
である。
【図8】本発明の排水処理装置のさらに他の例の要部を
示す図である。
【図9】本発明のSe除去効果を実証する実験3の結果
を示す図である。
【図10】従来の排煙処理システムの構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
5 電気集塵機(乾式集塵装置) 11 導入ライン(粉塵導入手段) 12 導入ライン(粉塵導入手段) 13 抽出手段 14 混合手段 15 分離手段 16 不溶化剤供給手段 17 濾過助剤供給手段 20,60 脱硫装置 21 吸収塔 40 酸化還元反応制御手段 61 冷却除塵塔 100 吸着剤供給手段 111 不溶化処理槽 112 吸着処理槽 204,205 充填塔(接触処理塔) A 不溶化剤 B 濾過助剤 W1 排水 X 吸着剤 Y pH調整液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小串 泰之 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 鵜川 直彦 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 日野 正夫 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 田尾 幸三 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 小島 信夫 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (72)発明者 岡添 清 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜硫酸ガスを吸収する吸収剤スラリと排
    煙とを気液接触させる脱硫塔を有する脱硫装置と、この
    脱硫装置の脱硫塔に導入される前の排煙からフライアッ
    シュなどの粉塵を除去する乾式集塵装置とを備え、亜硫
    酸ガス、粉塵及びSeを含む排煙を処理する排煙処理シ
    ステムにおいて、 前記乾式集塵装置により除去された粉塵中の溶解成分を
    水に抽出してスラリ化する抽出手段と、この抽出手段で
    前記粉塵がスラリ化されてなる粉塵スラリに、少なくと
    も4価のSeを不溶化する不溶化剤を供給する不溶化剤
    供給手段と、前記粉塵スラリに、少なくとも6価のSe
    を吸着する生物体原料よりなる吸着剤を供給する吸着剤
    供給手段と、これら供給手段により前記不溶化剤及び吸
    着剤が供給された粉塵スラリを固液分離する分離手段と
    を設けたことを特徴とする排煙処理システム。
  2. 【請求項2】 前記脱硫装置の吸収剤スラリを構成する
    液の一部が前記抽出手段に導入され、前記抽出手段にお
    ける溶媒として使用される構成とするとともに、前記分
    離手段により分離された濾液が前記脱硫装置内の吸収剤
    スラリを構成する液として戻されて循環使用されるよう
    に構成したことを特徴とする請求項1記載の排煙処理シ
    ステム。
  3. 【請求項3】 前記粉塵スラリに濾過助剤を供給する濾
    過助剤供給手段を設けたことを特徴とする請求項1また
    は2記載の排煙処理システム。
  4. 【請求項4】 亜硫酸ガスを吸収する吸収剤スラリと排
    煙とを気液接触させる脱硫塔を有する脱硫装置と、この
    脱硫装置の脱硫塔に導入される排煙からフライアッシュ
    などの粉塵を除去する乾式集塵装置とを備え、亜硫酸ガ
    ス、粉塵及びSeを含む排煙を処理する排煙処理システ
    ムにおいて、 前記乾式集塵装置により除去された粉塵を前記脱硫装置
    内の吸収剤スラリ中に導入する粉塵導入手段と、前記吸
    収剤スラリ中に少なくとも4価のSeを不溶化する不溶
    化剤を供給する不溶化剤供給手段と、前記吸収剤スラリ
    に少なくとも6価のSeを吸着する生物体原料よりなる
    吸着剤を供給する吸着剤供給手段と、を設けたことを特
    徴とする排煙処理システム。
  5. 【請求項5】 亜硫酸ガスを吸収する吸収剤スラリと排
    煙とを気液接触させる脱硫塔を有する脱硫装置を備え、
    亜硫酸ガス、粉塵及びSeを含む排煙を処理する排煙処
    理システムにおいて、 フライアッシュなどの粉塵が除去されていない排煙がそ
    のまま前記脱硫塔に導入される構成とするとともに、前
    記脱硫装置内の吸収剤スラリに、少なくとも4価のSe
    を固化する不溶化剤を供給する不溶化剤供給手段と、前
    記吸収剤スラリに少なくとも6価のSeを吸着する生物
    体原料よりなる吸着剤を供給する吸着剤供給手段と、を
    設けたことを特徴とする排煙処理システム。
  6. 【請求項6】 亜硫酸ガスを吸収する吸収剤スラリと排
    煙とを気液接触させる脱硫塔を有するとともに、この脱
    硫塔の前流に、液と排煙とを気液接触させる冷却除塵塔
    が設けられた脱硫装置と、この脱硫装置の冷却除塵塔に
    導入される排煙からフライアッシュなどの粉塵を除去す
    る乾式集塵装置とを備え、亜硫酸ガス、粉塵及びSeを
    含む排煙を処理する排煙処理システムにおいて、 前記乾式集塵装置により除去された粉塵を前記脱硫装置
    の冷却除塵塔の液中に導入する粉塵導入手段と、前記液
    中に前記粉塵が導入されてなる粉塵スラリに少なくとも
    4価のSeを不溶化する不溶化剤を供給する不溶化剤供
    給手段と、前記粉塵スラリに少なくとも6価のSeを吸
    着する生物体原料よりなる吸着剤を供給する吸着剤供給
    手段と、これら供給手段により前記不溶化剤及び吸着剤
    が供給された粉塵スラリを固液分離する分離手段とを設
    けたことを特徴とする排煙処理システム。
  7. 【請求項7】 亜硫酸ガスを吸収する吸収剤スラリと排
    煙とを気液接触させる脱硫塔を有するとともに、この脱
    硫塔の前流に、液と排煙とを気液接触させる冷却除塵塔
    が設けられた脱硫装置を備え、亜硫酸ガス、粉塵及びS
    eを含む排煙を処理する排煙処理システムにおいて、 フライアッシュなどの粉塵が除去されていない排煙がそ
    のまま前記冷却除塵塔に導入される構成とするととも
    に、 前記冷却除塵塔の液中に前記粉塵が供給してなる粉塵ス
    ラリに、少なくとも4価のSeを不溶化する不溶化剤を
    供給する不溶化剤供給手段と、前記粉塵スラリに少なく
    とも6価のSeを吸着する生物体原料よりなる吸着剤を
    供給する吸着剤供給手段と、これら供給手段により前記
    不溶化剤及び吸着剤が供給された粉塵スラリを固液分離
    する分離手段とを設けたことを特徴とする排煙処理シス
    テム。
  8. 【請求項8】 前記脱硫装置内においてスラリ中の亜硫
    酸を全量酸化するための必要最小限の酸化反応が行われ
    るように、前記脱硫装置内の酸化還元反応を制御する酸
    化還元反応制御手段を設けたことを特徴とする請求項
    1,2,3,4,5,6または7記載の排煙処理システ
    ム。
  9. 【請求項9】 前記脱硫装置からの排水を処理する排水
    処理装置を備え、この排水処理装置には、導入された前
    記排水に、少なくとも4価のSeを不溶化する不溶化剤
    を供給する不溶化剤供給手段と、少なくとも6価のSe
    を吸着する生物体原料よりなる吸着剤を供給する吸着剤
    供給手段とを設けたことを特徴とする請求項1,2,
    3,4,5,6,7または8記載の排煙処理システム。
  10. 【請求項10】 前記脱硫装置からの排水を処理する排
    水処理装置を備え、この排水処理装置には、導入された
    前記排水に、少なくとも4価のSeを不溶化する不溶化
    剤を供給する不溶化剤供給手段と、少なくとも6価のS
    eを吸着する生物体原料よりなる吸着剤が固定状態に装
    填され、前記排水が通過する構成とされた固定床式の接
    触処理塔とを設けたことを特徴とする請求項1,2,
    3,4,5,6,7または8記載の排煙処理システム。
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