JP3322515B2 - 排煙処理システム - Google Patents

排煙処理システム

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JP3322515B2
JP3322515B2 JP07277895A JP7277895A JP3322515B2 JP 3322515 B2 JP3322515 B2 JP 3322515B2 JP 07277895 A JP07277895 A JP 07277895A JP 7277895 A JP7277895 A JP 7277895A JP 3322515 B2 JP3322515 B2 JP 3322515B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は排煙の処理システム、特
に排煙中のセレン(Se)の除去及び無害化を容易に行
うことができる排煙処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、火力発電所等に設置される排煙処
理システムとしては、排煙からフライアッシュ等の粉塵
を除去する乾式集塵装置(通常、電気集塵機)と、吸収
塔内で吸収剤スラリ(例えばカルシウム化合物含有スラ
リなど)と接触させることにより排煙中の亜硫酸ガスを
吸収させるとともに、吸収塔内のスラリから副生物とし
て石膏を分離回収する湿式排煙脱硫装置とを備えた排煙
処理システムが普及している。ところが、近年排煙中に
含まれる硫黄酸化物以外の有害な不純物の扱いが問題と
なってきており、特に、石炭焚きボイラ用の排煙処理シ
ステムにおいては、石炭中に最大10mg/kg程度の
含有量で含まれるセレン(Se)の有害性が問題となっ
ており、無害化して処理することが望まれている。
【0003】なお、Seは、処理剤による不溶化処理が
容易な4価のSe(主形態:亜セレン酸SeO3 2-
と、不溶化処理が困難な6価のSe(主形態:セレン酸
SeO4 2-)として存在し、特に6価のSeは溶解度が
高く(20℃での溶解度95%)溶出しやすい。また、
このSeは、ヒ素化合物に類似した毒性を持ち、海外で
障害の事例や排出規制があるため、我が国でも新たに規
制項目に加わり、環境基準(0.01mg/リット
ル)、排水基準(0.1mg/リットル)、埋立処分に
関する溶出基準(0.3mg/リットル)が制定されて
いる。
【0004】図5は、この種の排煙処理システムの従来
例(石炭焚きボイラ用の排煙処理システムの例)を示し
ている。図5において、石炭焚きボイラ1から出る排煙
10は、ボイラ1に付設された脱硝装置2で窒素酸化物
(NOx)を除去され、エアヒータ3及びガスガスヒー
タ(GGH)の熱回収部4を通過した後、電気集塵機5
(EP)に導入されてフライアッシュ等の粉塵を取除か
れる。次いで排煙は、湿式排煙脱硫装置6に導かれ、こ
の脱硫装置6において亜硫酸ガスを除かれた後にガスガ
スヒータ(GGH)の再加熱部7を通過した後、図示省
略した煙突に導かれて大気中に放出されるように構成さ
れている。そして、電気集塵機5で取除かれたフライア
ッシュ等の粉塵は、灰処理されて一部がセメント原料等
として再利用され、残部は灰捨て場8に捨てられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
排煙処理システムでは、石炭中のSe(排煙中のSe)
のほとんどが、エアヒータ3等の後流側で凝縮し、排煙
中の粉塵に含まれた状態で電気集塵機5により取除かれ
て、そのまま灰捨て場8の廃棄物中又はセメント原料等
の中に混在することになる。このため、前記溶出基準等
を遵守してSeの無害化を図るためには、この電気集塵
機5で取除かれた灰を例えば多量の水で希釈するといっ
た面倒でコストのかかる後処理が必要となるという問題
があった。
【0006】本発明は上記従来技術に鑑み、排煙中に含
まれるSeの無害化が容易に達成できる排煙処理システ
ムを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は次の(1)乃至
(7)の発明を含むものである。 (1)亜硫酸ガス、粉塵及びSe分を含む排煙を処理す
る排煙処理システムであって、排煙中の粉塵を除去する
乾式集塵装置と、亜硫酸ガスを吸収除去する吸収剤スラ
リが循環する脱硫塔を有する脱硫装置と、前記乾式集塵
装置により除去された粉塵を水溶きしてスラリ化するリ
パルプ手段と、このリパルプ手段で得られる粉塵スラリ
に4価のSeを不溶化する処理剤を供給する処理剤供給
手段と、不溶化されたSeを含む粉塵スラリを固液分離
する分離手段と、この分離手段から出る分離液を前記吸
収剤スラリ中に導入する配管系とを備えてなることを特
徴とする排煙処理システム。
【0008】(2)前記脱硫システムのスラリを構成す
る循環液の一部が前記リパルプ手段に導入され、前記リ
パルプ手段における溶媒として使用される構成としたこ
とを特徴とする前記(1)の排煙処理システム。
【0009】(3)前記粉塵スラリにろ過助剤を投入す
る手段を設けたことを特徴とする前記(1)又は(2)
の排煙処理システム。 (4)前記脱硫装置内においてスラリ中に混入した6価
のSeがスラリ中の亜硫酸により還元されて4価となる
ように、前記脱硫装置内の酸化還元反応を制御する酸化
還元反応制御手段を設けたことを特徴とする前記(1)
乃至(3)のいずれかの排煙処理システム。
【0010】(5)亜硫酸ガス、粉塵及びSe分を含む
排煙を処理する排煙処理システムであって、排煙中の粉
塵を除去する乾式集塵装置と、亜硫酸ガスを吸収除去す
る吸収剤スラリが循環する脱硫塔を有する脱硫装置と、
前記乾式集塵装置により除去された粉塵を前記吸収剤ス
ラリ中に導入する手段と、前記吸収剤スラリに4価のS
eを不溶化する処理剤を供給する処理剤供給手段とを備
えてなり、スラリ中に混入した6価のSeがスラリ中の
亜硫酸により還元されて4価となるように、前記脱硫装
置内の酸化還元反応を制御する酸化還元反応制御手段を
設けたことを特徴とする排煙処理システム。
【0011】(6)亜硫酸ガス、粉塵及びSe分を含む
排煙を処理する排煙処理システムであって、排煙中の亜
硫酸ガスを吸収除去する吸収剤スラリが循環する脱硫塔
を有する脱硫装置と、前記吸収剤スラリに4価のSeを
不溶化する処理剤を供給する処理剤供給手段とを備え、
前記排煙が直接前記脱硫塔に導入されるように構成され
てなり、スラリ中に混入した6価のSeがスラリ中の亜
硫酸により還元されて4価となるように、前記脱硫装置
内の酸化還元反応を制御する酸化還元反応制御手段を設
けたことを特徴とする排煙処理システム。
【0012】(7)前記脱硫装置からの排水を処理する
排水処理装置と、この排水処理装置で分離される不純物
スラリに4価のSeを不溶化する処理剤を供給する処理
剤供給手段を備えてなることを特徴とする前記(1)乃
至(6)のいずれかの排煙処理システム。
【0013】本発明の排煙処理システムにおいては、い
ずれもスラリ中に溶解した4価のSeを不溶化する処理
剤を供給する手段が設けられている。4価のSeを不溶
化する処理剤としては、FeCl3 、Fe2 (SO4
3 、キレート剤(例えば、ミヨシ樹脂製:エポラスMX
−7)、高分子重金属捕集剤(例えば、ミヨシ樹脂製:
エポフロックL−1)などが用いられる。これらの処理
剤が4価のSeを不溶化する反応については後述する。
【0014】
【作用】前記(1)の排煙処理システムにおいては、排
煙中のSeのほとんどが粉塵に含まれた状態で乾式集塵
装置により除去され、粉塵がリパルプ手段において水な
どの液(溶媒)と接触してスラリ化する際に液中に溶解
する。スラリ化する液(溶媒)としては系外から供給さ
れる水のほか、系内の各工程から出る処理水やスラリな
どを使用することができる。粉塵スラリ中に溶解したS
eのうち、少なくとも4価のSeが処理剤により不溶化
され、分離手段において固相側(粉塵ケーキ中)に排出
される。一方、分離手段において分離されたろ液は脱硫
装置内のスラリ中に導入される。このため、排煙中のS
eに6価のものが含まれ、これが前記処理剤により不溶
化されずに前記ろ液中に溶存している場合でも、この6
価のSeのほとんどは、脱硫装置内のスラリ中に導入さ
れ、このスラリ中に排煙から吸収された亜硫酸と反応し
還元されて4価のSeに変る。
【0015】したがって、排煙中のSeに6価のものが
含まれている場合でも、定常状態においては、脱硫装置
のスラリ又はこのスラリを構成する循環液中に溶存する
Seは、4価のSeが主体となり、脱硫装置の循環液の
排出処理を行なう排水処理装置においては、この4価の
Seの不溶化処理のみを行えば容易にSeの溶出基準等
をクリアできるのであって、脱硫装置を6価のSeの還
元反応設備としても機能させることができるので、シス
テム全体の設備構成が簡単になる。
【0016】前記(2)の排煙処理システムにおいて
は、前記(1)の排煙処理システムにおける脱硫装置の
スラリを構成する循環液の一部がリパルプ手段における
溶媒として使用されるので、別個に水を供給するような
構成に比較して、水の使用量(循環量)及び消費量を低
減させることができる。
【0017】前記(3)の排煙処理システムでは、混合
手段又は分離手段にろ過助剤が投入されるので、分離手
段における脱水性能が向上し、水分率が低く扱いやすい
固形分(粉塵ケーキ)が得られる。ろ過助剤としては脱
硫工程で得られる石膏などが使用できる。
【0018】前記(4)の排煙処理システムでは、酸化
還元反応制御手段により、脱硫装置内のスラリ中に混入
した6価のSeがスラリ中の亜硫酸により略全量還元さ
れて4価となるように、脱硫装置内のスラリの酸化還元
反応を制御する。このため、排煙中に6価のSeが含ま
れていた場合でも、この6価のSeを脱硫装置において
ほぼ完全に4価に変えることができて、排煙中のSeの
不溶化処理がより容易かつ完全に行えるようになる。
【0019】前記(5)の排煙処理システムでは、排煙
中のSeのほとんどが、粉塵に含まれた状態で乾式集塵
装置により除去され、脱硫装置のスラリ中に直接導入さ
れて、脱硫装置においてリパルプされ、不溶化のための
処理剤と混合される。このため、排煙中に含まれていた
Seのうち少なくとも4価のSeは、大部分がそのまま
脱硫装置において処理剤により不溶化されて、脱硫装置
のスラリから分離生成される固形分(石膏等)に混在し
て排出され、残余のSeも脱硫装置の循環液の排出処理
を行なう排水処理装置において不溶化処理剤により容易
に不溶化して固化処理できるようになる。また、排煙中
のSeに6価のものが含まれている場合でも、この6価
のSeのほとんどは、脱硫装置内のスラリ中に排煙から
吸収された亜硫酸と反応し還元されて4価のSeに変
り、やはり、脱硫装置において処理剤により不溶化され
て脱硫装置のスラリから分離生成される固形分(石膏
等)に混在して排出されるか、あるいは排水処理装置に
おいて容易に不溶化して固化処理することができる。
【0020】したがって、この処理システムによって
も、容易にSeの溶出基準等をクリアすることができ、
しかも脱硫装置が、6価のSeの還元反応設備として
も、あるいは粉塵のリパルプ手段等としても機能してい
るので、システム全体の設備構成がさらに簡単になる。
さらに前記脱硫装置においては、前記(4)の排煙処理
システムと同様の効果がある。
【0021】前記(6)の排煙処理システムでは、排煙
中のSeのほとんどが、粉塵に含まれた状態でそのまま
排煙とともに脱硫装置内に直接導入され、脱硫装置の例
えば吸収塔等において、吸収剤スラリに混入してリパル
プされ処理剤と混合される。このため、排煙中に含まれ
ていたSeのうち少なくとも4価のSeは、そのまま脱
硫装置において処理剤により不溶化されて、脱硫装置の
スラリから分離生成される固形分(石膏等)に混在して
排出されるか、あるいは脱硫装置の循環液の排出処理を
行なう排水処理装置において不溶化処理剤の添加により
容易に不溶化して固化処理できる。また、排煙中のSe
に6価のものが含まれている場合でも、この6価のSe
のほとんどは、脱硫装置内のスラリ中に吸収された亜硫
酸と反応し還元されて4価のSeに変り、やはり、脱硫
装置において処理剤により不溶化されて脱硫装置のスラ
リから分離生成される固形分(石膏等)に混在して排出
されるか、あるいは排水処理装置において容易に不溶化
して固化処理することができる。
【0022】したがって、この処理システムによって
も、容易にSeの溶出基準等をクリアすることができ、
しかも脱硫装置が、集塵機としても、また6価のSeの
還元反応設備としても、さらには粉塵のリパルプ手段等
としても機能しているから、集塵機やリパルプ手段等を
別個に設けるような構成に比較して、システム全体の設
備構成がさらに簡単になる。さらに前記脱硫装置におい
ては、前記(4)の排煙処理システムと同様の効果があ
る。
【0023】前記(7)の排煙処理システムでは、脱硫
装置の排水処理装置において不純物を固形化して処理す
る前段で4価のSeを不溶化する処理剤を添加して排水
中に溶出してくるSeを不溶化して廃棄できる形とする
ことができる。前記(1)乃至(6)の排煙処理システ
ムにより、排煙中のSeはほとんど不溶化することがで
きるが、このシステムでは6価のSeの還元などにより
吸収液スラリ中に溶解し、循環中に濃縮されてくるSe
の処理が必要な場合や、脱硫工程で回収する石膏中への
Seの混入を嫌う場合のように循環スラリ中でSeを不
溶化させたくない場合などに有効である。また、前記
(5)及び(6)の装置の場合には処理条件によっては
不溶化処理剤の供給を排水処理装置のみとすることもで
きる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体
的に説明する。なお、従来例と同様の構成要素には同符
号を使用し、その説明を省略する。 (実施例1) 図1は前記(1)乃至(3)、(4)及び(7)の発明
に係る排煙処理システムの一例を示す概略構成(原理)
図であり、図2は、同排煙処理システムの構成をより具
体的に示した構成図である。なお、以下の説明において
は、処理しようとする排煙には6価のSe及び4価のS
eが含まれているものとする。この実施例の排煙処理シ
ステムは、図1に示すように、電気集塵機5で排煙10
からSeが付着した粉塵を集塵除去し、電気集塵機5で
除去された粉塵(灰)の一部をエアヒータの前流ガス等
を利用した加熱手段11により加熱して粉塵中のSe
(6価のSe及び4価のSe)を昇化させ、吸着塔12
において吸着処理する。一方、粉塵の残りをリパルプ手
段13において湿式排煙脱硫装置20(以下、単に脱硫
装置20という)からの液によりリパルプ(水溶き)し
てスラリ化した後、混合手段14において処理剤供給手
段16から処理剤Aを投入し、分離手段15において固
液分離することで、4価のSeを固化して固相側に分離
する。分離手段15において液相側に溶存した6価のS
eは湿式排煙脱硫装置20に導いていわゆるORP制御
(酸化還元電位制御)により略全量還元して4価のSe
に変換し、排水処理装置50等での処理を容易化した。
【0025】加熱手段11は、6価のSe及び4価のS
eが昇化してガス化する温度(100〜1200℃、好
ましくは320〜1000℃)まで、電気集塵機5から
導入した灰を加熱するもので、生成ガスの一部は吸着塔
12に導入され、他の残りが脱硫装置20の排煙導入側
に送られるようになっている。また、加熱手段11に残
った灰はSe分が除去されており、セメント等の原料と
して再利用される。吸着塔12は、加熱手段11からの
生成ガス中のSeの一部を、固化処理するために吸着に
より捕集するもので、ここで、吸着されなかったSeを
含むガスは脱硫装置20の排煙導入側に送られる構成と
なっている。
【0026】リパルプ手段13には、図2に示すよう
に、後述の脱硫装置20のポンプ34によりろ液タンク
33の液が供給されるようになっており、この液により
電気集塵機5から導入された粉塵がスラリ化される。混
合手段14は、例えば混合タンクとこの混合タンク内の
液を攪拌する攪拌機構とよりなるもので、リパルプ手段
13でスラリ化されてなる粉塵スラリと処理剤供給手段
16からの処理剤Aとさらに必要によりろ過助剤Bとが
投入され、これらが混合された後流の分離手段15に送
られる構成となっている。ここで、処理剤Aとしては、
少なくとも4価のSe(主形態:亜セレン酸Se
3 2-)と反応して不溶化する薬剤が必要で、例えばF
eCl3 又はFe2 (SO4 3 を用いることができ
る。また、ろ過助剤Bとしては、粒度が大きく固液分離
を助ける機能を有する薬剤が好ましく、例えば石膏(脱
硫装置20において生成した石膏C)を使用すればよ
い。分離手段15は、例えば遠心沈降機よりなるもの
で、ろ液のみをこの場合脱硫装置20の吸収剤スラリ槽
35に戻す構成となっている。
【0027】脱硫装置20は、この場合タンク酸化方式
の脱硫装置であり、底部のタンク22に吸収剤スラリ
(この場合石灰石からなるもの)が供給される吸収塔2
1と、前記タンク22内の吸収剤スラリを吸収塔21の
上部21a(排煙導入部)に送って排煙と接触させるた
めの循環ポンプ23と、タンク22内に支持されて図示
省略したモータにより水平回転し、タンク22内のスラ
リを攪拌するとともに供給された空気をタンク22内に
微細な気泡として効率良く吹込むアーム回転式のエアス
パージャ24と、このエアスパージャ24に空気を送り
込む空気供給管25とを備え、タンク22内で亜硫酸ガ
スを吸収した吸収剤スラリと空気とを効率良く接触させ
て全量酸化し石膏を得るものである。
【0028】タンク22には、タンク22内のスラリを
吸い出すためのスラリポンプ31が接続され、このスラ
リポンプ31により吸い出されたスラリは、図示省略し
たシックナを経て濃縮された後、固液分離機32に供給
されてろ過され、スラリ中の石膏Cがケーキ状の固体
(通常、水分含有率10%程度)として採り出される構
成となっている。一方、前記シックナによる分離水や固
液分離機32からのろ液(主に水)は、一旦ろ液タンク
33に送られ必要に応じ補充水Dや排水処理装置50か
らの戻り液Eを追加された後、ポンプ34により一部が
吸収剤スラリ槽35に送られて、図示省略した石灰石サ
イロから供給される石灰石F(CaCO3)と混ぜ合わ
され、吸収剤スラリとしてスラリポンプ36により再び
タンク22に供給される構成となっている。
【0029】そして、この脱硫装置20には、本発明の
好ましい態様の一つとして吸収塔21内における酸化還
元反応を制御する酸化還元反応制御手段40が設けられ
ている。酸化還元反応制御手段40は、この場合循環ポ
ンプ23の吐出側配管に設けられてタンク22内のスラ
リの酸化還元電位を検出するセンサ41と、空気供給管
25の途上に設けられてエアスパージャ24への空気供
給量を調整する流量制御弁42と、センサ41の検出出
力に基づいてこの流量制御弁42の動作を制御するコン
トローラ43とよりなる。ここで、センサ41は、例え
は白金よりなる電極をスラリ内に浸したものである。ま
た、コントローラ43は、エアスパージャ24への空気
供給量が、排煙からスラリ内に溶け込んだ亜硫酸が酸化
されて消失するのに必要な最小限の量となるように、流
量制御弁42の開度を連続的に制御するものである。例
えば具体的には、亜硫酸濃度と酸化還元電位の相関関係
に基づいて、亜硫酸濃度がほぼゼロのときの酸化還元電
位があらかじめ基準電位として設定されており、センサ
41により検出される酸化還元電位がこの基準電位より
も低くなると、空気供給量をその偏差に応じて増加さ
せ、センサ41により検出される酸化還元電位がこの基
準電位よりも高くなると、空気供給量をその偏差に応じ
て低下させるといった比例制御を行う。
【0030】なお、酸化還元反応制御手段40は、亜硫
酸を全量酸化するための必要最小限の空気を供給するも
のであるから、結果的にスラリ中に含まれる他の酸が亜
硫酸により略全量還元される反応を引き起こす機能を有
している。すなわち、この場合吸収剤スラリ槽35から
タンク22に供給されるスラリ中には、後述するように
6価のSe(主形態:セレン酸SeO4 2-)が含まれて
いるが、コントローラ43の制御により、これが排煙か
ら吸収された亜硫酸と反応して4価のSe(主形態:亜
セレン酸SeO3 2-)となる還元反応が吸収塔21内に
おいて生じるようになっている。なおこの反応は、次の
反応式(1)により表わされる。
【化1】 SeO4 2- + SO3 2- → SeO3 2- + SO4 2- (1)
【0031】この例において、排水処理装置50はいわ
ゆる無排水化処理装置であって、前処理設備51と、電
気透析設備52と、二次濃縮設備53と、固化設備54
とよりなる周知の構成を主体とするものである。この排
水処理装置50は、脱硫装置20のポンプ34によりろ
液タンク33の液の一部が供給されるようになってお
り、主に電気透析設備52の機能によりこの液中の不純
物(例えばSeやCl等)を除去して、除去後の残渣を
脱硫装置20のろ液タンク33又は吸収剤スラリ槽35
に戻すものである。そして、除去した不純物は最終的に
固化設備54により固化させるが、この場合少なくとも
この固化工程の前段階で(例えば二次濃縮設備53の前
流位置で)、処理剤供給手段16から4価のSe(主形
態:亜セレン酸SeO3 2-)と反応して不溶化する処理
剤Aが除去した不純物に混入されるようになっている。
【0032】以上のように構成された排煙処理システム
においては、まず、以下のようにして、粉塵を除去した
後の排煙中の亜硫酸ガスとガス化したSeの除去及び石
膏の副生、回収が行われる。すなわち、吸収塔21に導
入された排煙(前述の加熱手段11等から送り込まれた
ガスも含む)は、循環ポンプ23によりヘッダーパイプ
26から噴射された吸収剤スラリに接触して、亜硫酸ガ
ス及びガス化したSeが吸収除去され、排煙導出部21
bから処理済排煙として排出される。
【0033】ヘッダーパイプ26から噴射され充填材2
7を経由して流下する吸収材スラリ中に吸収された亜硫
酸ガスは、タンク22内においてエアスパージャ24に
より攪拌されつつ吹込まれた多数の気泡と接触して酸化
され、さらには中和反応を起こして石膏となる。また、
吸収塔21内においては、前述の反応式(1)の反応に
より6価のSe(主形態:セレン酸SeO4 2-)の略全
量が4価のSe(主形態:亜セレン酸SeO3 2-)に変
えられる。なお、これらの処理中に起きている主な反応
(前述の反応式(1)以外のもの)は次の反応式(2)
乃至(4)のようになる。
【0034】
【化2】 (吸収塔排煙導入部) SO2 + H2 O → H+ + HSO3 - (2) (タンク) H+ + HSO3 - + 1/2O2 → 2H+ + SO4 2- (3) 2H+ + SO4 2- + CaCO3 + H2 O → CaSO4 ・2H2 O + CO2 (4)
【0035】こうしてタンク22内には、石膏(CaS
4 ・2H2 O)と吸収剤である少量の石灰石(CaC
3 )及び4価のSe(主形態:亜セレン酸Se
3 2-)が懸濁又は溶解し、これらがスラリポンプ31
により吸い出され、図示省略したシックナを経て濃縮さ
れた後、固液分離機32に供給されてろ過され、水分の
少ないケーキ状の石膏C(通常、水分含有率10%程
度)として採り出される。なお、この際4価のSe(主
形態:亜セレン酸SeO3 2-)は、一部溶けていないも
のが僅かに分離された石膏Cに混入するが、ほとんどは
分離水又はろ液とともにろ液タンク33に送られる。
【0036】次に、この排煙処理システムにおける排煙
中の粉塵除去処理及びこの粉塵中に多量に含まれるSe
の処理作用について説明する。電気集塵機5で除去され
た粉塵(灰)の一部は、加熱手段11により加熱されて
ガス化し、前述したように一部が吸着固化され残りが脱
硫装置20の吸収塔21に送られて処理される。一方、
電気集塵機5で除去された粉塵の残りは、リパルプ手段
13において脱硫装置20のろ液タンク33から送られ
た液によりリパルプ(水溶き)されてスラリ化された
後、混合手段14において処理剤Aおよび必要によりろ
過助剤Bを投入されて混合される。
【0037】この際、混合手段14においては、リパル
プ手段13により生成されたスラリ(以下、粉塵スラリ
という)中に含まれる4価のSe(主形態:亜セレン酸
SeO3 2-)が、処理剤A(例えばFeCl3 又はFe
2 (SO4 3 )と次の反応式(5),(6)又は
(7),(8)で示される反応を起こして亜セレン酸鉄
(Fe2 (SeO3 3 )となり不溶化する。
【化3】 FeCl3 → Fe3+ + 3Cl- (5) 2Fe3+ + 3SeO3 2- → Fe2 (SeO3 3 ↓ (6) 又は Fe2 (SO4 3 → 2Fe3+ + 3SO4 2- (7) 2Fe3+ + 3SeO3 2- → Fe2 (SeO3 3 ↓ (8)
【0038】このため、分離手段15において粉塵スラ
リが固液分離されると、4価のSeは、亜セレン酸鉄と
して固相側に分離され、分離手段15から排出される粉
塵ケーキG中に不溶化されて混入する。一方、粉塵スラ
リ中の6価のSeは液相側に溶存しており、ろ液中に含
まれてこの場合脱硫装置20の吸収剤スラリ槽35に混
入することになる。なお、分離手段15においては、混
合手段14において投入されたろ過助剤B(石膏等)の
働きにより、効果的な脱水が実現され、粉塵ケーキGの
低い水分率が達成される。また、分離手段15における
ろ液中に含まれて脱硫装置20の吸収剤スラリ槽35に
混入した6価のSeも、吸収剤スラリに含まれてポンプ
36により脱硫装置20の吸収塔21に送り込まれるの
で、そこで前述の反応(反応式(1))によりその略全
量が4価のSeとなる。
【0039】次に、この排煙処理システムにおける排水
処理装置50の働きについて説明する。上述した如く、
脱硫装置20において循環するスラリ溶液の中には、主
に6価のSeが粉塵スラリの分離水中に含まれて順次混
入してゆくが、この6価のSeは吸収塔21に入ったと
きに、前述の反応(反応式(1))によりその略全量が
4価のSeとなるから、定常的には、脱硫装置20にお
いて循環するスラリ溶液の中には主に6価のSeが還元
されて生じる4価のSeが多量に存在する状態となる。
そして、この場合排水処理装置50は、他の不純物(例
えばCl等)と同様に、この4価のSeが脱硫装置20
において循環するスラリ溶液中に過剰に蓄積されないよ
うに除去する働きを有する。
【0040】すなわち、排水処理装置50では、脱硫装
置20において循環するスラリ溶液がポンプ34の吐出
側から一部抜出されて、主に電気透析設備52の機能に
よりこの液中の不純物(SeやCl等)が除去されて、
脱硫装置20のろ液タンク33に戻される。そして、除
去された不純物は、スラリの状態で処理剤供給手段16
から処理剤Aが投入され混合された後、二次濃縮設備5
3で濃縮され、固化設備54により固化されて、不純物
チップHとして灰捨て場等に廃棄される。この際、不純
物中の4価のSeは、処理剤Aとの前述の反応
((5),(6)又は(7),(8))により、亜セレ
ン酸鉄(Fe2 (SeO3 3 )となり不溶化した状態
で不純物チップHの中に存在することになる。
【0041】以上説明したように、この実施例の排煙処
理システムによると、従来どおりの排煙の浄化(粉塵の
除去、亜硫酸ガスの除去)とともに、排煙中のSeを粉
塵とともに除去し、最終的には上記粉塵ケーキG又は不
純物チップHの中に不溶化させて存在させ廃棄等の処分
をすることができる。しかも、処理(不溶化)が困難な
6価のSeは、脱硫装置20の吸収塔21において酸化
還元反応制御手段40により、処理剤により容易に廃棄
処理が可能な4価のSeとなるので、例えば6価のSe
を4価のSeとするための別個の反応塔を設ける場合等
に比較して、簡単かつ安価な設備で排煙中のSeの除去
及び無害化が可能となる。
【0042】また、リパルプ手段13により電気集塵機
5で捕集された粉塵をリパルプするための溶媒として、
脱硫装置20の循環液の一部を使用することにより、リ
パルプ手段13に別個に水等を供給する場合に比し水の
使用量(循環量)及び消費量が少なく、システムの運転
コストが低減されるとともに、排水処理装置50の容量
も少なくてすみ、さらなる設備コストの低減が可能とな
る。
【0043】また、混合手段14においてろ過助剤Bが
投入される構成をとれば、分離手段15における脱水率
が高くなり、水分の少ない粉塵ケーキGとなって粉塵ケ
ーキGの運搬等の取扱いが容易になる効果もある。さら
に、この排煙処理システムによれば、酸化還元反応制御
手段40の働きにより、結果的に6価のSeの略全量が
吸収塔21において4価のSeとなり最終的に不溶化さ
れて廃棄処理等されるので、粉塵ケーキG又は不純物チ
ップHの中に残存する6価のSe(不溶化されていない
もの)の濃度は極めて僅かであり、溶出基準等を大きな
余裕をもって満足できる。
【0044】(実施例2) 図3は、前記(5)及び(7)の発明に係る排煙処理シ
ステムの一例を示す概略構成図である。なお、実施例1
と同様の構成要素については、同符号を使用してその説
明を省略する。この実施例の排煙処理システムは、図3
に示すように、電気集塵機5で捕集された粉塵を、直接
脱硫装置20の吸収塔21に導入するようにし、また脱
硫装置20の吸収塔21から抜出したスラリに混合手段
14において処理剤供給手段16から処理剤Aを投入す
る構成とした点に特徴を有する。
【0045】この場合には、粉塵中のSeが加熱手段1
1に抜き出される分を除いて全て一旦吸収塔21内に入
るが、やはり吸収塔21において6価のSeが4価のS
eとなり、そしてこの4価のSeは処理剤Aにより不溶
化されて石膏C中又は排水処理装置50における不純物
チップH中に混入することになる。そして、この場合吸
収塔21は、実施例1におけるリパルプ手段13として
の機能も兼ねることになり、また、固液分離機32は実
施例1における分離手段15としての機能も有すること
になるので、実施例1のシステムに比較してリパルプ手
段13及び分離手段15が不要となり、さらに設備コス
ト低減に貢献できる効果がある。なおこの実施例の場合
には、実施例1等に比しさらなるコスト低減を図ること
が可能であるが、吸収塔に多量に混入した粉塵(不純
物)の影響で、高い脱硫率の確保や石膏Cの高い品質を
実現することが困難となる恐れが有り、これが問題とな
る場合には、実施例1や後述する実施例4乃至5の構成
とするのが好ましく、この点では実施例1等の構成が優
れている。なお、処理剤Aの混入は脱硫装置20のスラ
リ系であれば図3に示す位置以外の位置に混入するよう
にしてもよいし、吸収塔21内に直接入れるようにする
こともできる。
【0046】(実施例3) 図4は、前記(6)及び(7)の発明に係る排煙処理シ
ステムの一例を示す概略構成図である。なお、実施例1
と同様の構成要素については、同符号を使用してその説
明を省略する。この実施例の排煙処理システムは、図4
に示すように、電気集塵機5を設けないで、フライアッ
シュ等の粉塵とともに排煙を脱硫装置20の吸収塔21
に直接導入するようにし、また脱硫装置20の吸収塔2
1から抜出したスラリに混合手段14において処理剤供
給手段16から処理剤Aを投入する構成とした点に特徴
を有する。
【0047】この場合には、排煙中のSeが粉塵として
全て一旦吸収塔21内に入るが、やはり吸収塔21にお
いて6価のSeが4価のSeとなり、そしてこの4価の
Seは処理剤Aにより不溶化されて石膏C中又は排水処
理装置50における不純物チップH中に混入することに
なる。そして、この場合、吸収塔21は、実施例1にお
ける電気集塵機5、リパルプ手段13としての機能も果
たすことになり、また、固液分離機32は実施例1にお
ける分離手段15としての機能も有することになるか
ら、実施例1の処理システムに比較して電気集塵機5、
リパルプ手段13及び分離手段15が不要となり、さら
に設備コスト低減に貢献できる効果がある。
【0048】なおこの実施例の場合には、実施例1等に
比しさらなるコスト低減を図ることが可能であるが、吸
収塔に多量に混入した粉塵(不純物)の影響で、高い脱
硫率の確保や石膏Cの高い品質を実現することが困難と
なる恐れが有り、これが問題となる場合には、実施例1
の構成とするのが好ましく、この点では実施例1等の構
成が優れている。また、電気集塵機5を設けてないた
め、加熱手段11において得られる副生物は僅かである
ため、これが問題となる場合には、実施例1、2又は4
の構成とするのが好ましく、この点では実施例1等の構
成が優れている。なお、この構成においても処理剤Aの
混入位置は図4の位置に限定されず、脱硫装置20のス
ラリ系の任意の位置で混入するようにしてもよいし、吸
収塔21内に直接入れるようにすることもできる。
【0049】なお、本発明は以上説明した実施例に限ら
れず各種の態様が有り得る。例えば、排煙中に6価のS
eが存在せず、4価のSeのみがある場合には、6価の
Seを還元して4価のSeにする工程又はそのための装
置構成は不要である。また、集塵機により除去された粉
塵の一部を加熱手段により加熱し再利用する工程及び構
成等も必要に応じて設ければよい。また、脱硫装置の構
成は、必ずしも上記実施例に示したようなタンク酸化方
式のものに限られず、例えば吸収塔から抜出したスラリ
が導入される酸化塔を別に設け、この酸化塔に空気を吹
込んで、ここで最終的な酸化還元反応を行う構成でもよ
い。この場合でも6価のSeは、吸収塔又は酸化塔にお
いて4価のSeに変換されることになる。さらに、実施
例1におけるリパルプ手段や混合手段は、必ずしも別槽
により構成されている必要はなく、例えば一つタンクに
おいて粉塵のリパルプと処理剤塔の混合とが行われる構
成(すなわち、本発明のリパルプ手段や混合手段が単槽
よりなる構成)も有り得ることはいうまでもない。ま
た、実施例2及び3において、処理剤Aの投入場所を排
水処理装置50の一箇所とすることもできる。というの
は、脱硫装置の吸収塔や冷却除塵塔のスラリ液は排水処
理装置50に循環してくるので、この配水処理装置にお
いてのみ処理剤Aを投入しても全体のSeを不溶化して
処理できるからである。
【0050】
【発明の効果】本発明(1)の排煙処理システムによれ
ば、排煙中のSeに6価のものが含まれている場合で
も、排煙から粉塵として除去したSe(6価及び4価)
を、結局全て4価のSeとして排出することができ、処
理剤による不溶化処理のみを行えば容易にSeの溶出基
準等をクリアできるのであって、脱硫装置の吸収塔が6
価のSeの還元反応設備としても機能するから、Seを
還元する反応塔等を別個に設けるような構成に比較し
て、システム全体の設備構成が簡単になる。
【0051】本発明(2)の排煙処理システムによれ
ば、脱硫装置の循環液の一部がリパルプ手段における溶
媒として使用されるから、別個に水を供給するような構
成に比較して、水の使用量(循環量)及び消費量を低減
できる。
【0052】本発明(3)の排煙処理システムによれ
ば、混合手段又は分離手段にろ過助剤が投入されるか
ら、分離手段における脱水性能が向上し、水分率が低く
扱い易い固形分(粉塵ケーキ)が得られる。
【0053】本発明(4)の排煙処理システムによれ
ば、酸化還元反応制御手段が、脱硫装置内のスラリ中に
混入した6価のSeがスラリ中の亜硫酸により略全量還
元されて4価となるように、脱硫装置内のスラリの酸化
還元反応を制御する。このため、排煙中に6価のSeが
含まれていた場合、この6価のSeを脱硫装置において
ほぼ完全に4価に変えることができて、排煙中のSeの
不溶化処理がより容易かつ完全に行えるようになる。
【0054】本発明(5)の排煙処理システムによれ
ば、容易にSeの溶出基準等をクリアできるのであっ
て、しかも脱硫装置が、6価のSeの還元反応設備とし
ても、あるいは粉塵のリパルプ手段等としても機能して
いるから、Seを還元する反応塔やリパルプ手段等を別
個に設けるような構成に比較して、システム全体の設備
構成がさらに簡単になる。さらに前記脱硫装置において
は、前記本発明(4)の効果がある。
【0055】本発明(6)の排煙処理システムによれ
ば、容易にSeの溶出基準等をクリアできるのであっ
て、しかも脱硫装置が、集塵機としても、また6価のS
eの還元反応設備としても、さらには粉塵のリパルプ手
段等としても機能しているから、集塵機や、Seを還元
する反応塔や、リパルプ手段等を別個に設けるような構
成に比較して、システム全体の設備構成がさらに簡単に
なる。さらに前記脱硫装置においては、前記本発明
(4)の効果がある。
【0056】本発明(7)の排煙処理システムによれ
ば、脱硫装置の排水中に溶出するSeをも不溶化するこ
とができ、より完全なSeの不溶化処理が可能となると
ともに、Seの混入のない石膏の回収が容易となる。ま
た、処理条件によっては不溶化処理剤の投入を排水処理
装置のみとすることもでき、システム全体の簡略化が可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の排煙処理システムの概略構成図。
【図2】図1の排煙処理システムの構成をより具体的に
示した構成図。
【図3】実施例2の排煙処理システムの概略構成図。
【図4】実施例3の排煙処理システムの概略構成図。
【図5】従来の排煙処理システムの概略構成図。
【符号の説明】
5 電気集塵機(乾式集塵装置) 13 リパルプ手段 14 混合手段 15 分離手段 16 処理剤供給手段 20,60 脱硫装置 21 吸収塔 40 酸化還元反応制御手段 50 排水処理装置 61 冷却除塵塔 A 処理剤 B ろ過助剤
フロントページの続き (72)発明者 清水 拓 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三菱重工業株式会社 本社内 (72)発明者 鵜川 直彦 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島研究所内 (72)発明者 日野 正夫 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島研究所内 (72)発明者 沖野 進 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島研究所内 (72)発明者 春木 隆 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島研究所内 (72)発明者 高品 徹 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島研究所内 (56)参考文献 特開 平1−94920(JP,A) 特開 昭63−28491(JP,A) 特開 昭48−66015(JP,A) 特開 昭62−244426(JP,A) 特開 昭63−42791(JP,A) 特開 昭60−5221(JP,A) 特開 昭61−38619(JP,A) 特開 昭63−28484(JP,A) 特開 昭60−143891(JP,A) 特開 平6−277444(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/34 C02F 1/58

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜硫酸ガス、粉塵及びSe分を含む排煙
    を処理する排煙処理システムであって、排煙中の粉塵を
    除去する乾式集塵装置と、亜硫酸ガスを吸収除去する吸
    収剤スラリが循環する脱硫塔を有する脱硫装置と、前記
    乾式集塵装置により除去された粉塵を水溶きしてスラリ
    化するリパルプ手段と、このリパルプ手段で得られる粉
    塵スラリに4価のSeを不溶化する処理剤を供給する処
    理剤供給手段と、不溶化されたSeを含む粉塵スラリを
    固液分離する分離手段と、この分離手段から出る分離液
    を前記吸収剤スラリ中に導入する配管系とを備えてなる
    ことを特徴とする排煙処理システム。
  2. 【請求項2】 前記脱硫システムのスラリを構成する循
    環液の一部が前記リパルプ手段に導入され、前記リパル
    プ手段における溶媒として使用される構成としたことを
    特徴とする請求項1記載の排煙処理システム。
  3. 【請求項3】 前記粉塵スラリにろ過助剤を投入する手
    段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の排煙
    処理システム。
  4. 【請求項4】 前記脱硫システム内においてスラリ中に
    混入した6価のSeがスラリ中の亜硫酸により還元され
    て4価となるように、前記脱硫装置内の酸化還元反応を
    制御する酸化還元反応制御手段を設けたことを特徴とす
    請求項1乃至3のいずれかに記載の排煙処理システ
    ム。
  5. 【請求項5】 亜硫酸ガス、粉塵及びSe分を含む排煙
    を処理する排煙処理システムであって、排煙中の粉塵を
    除去する乾式集塵装置と、亜硫酸ガスを吸収除去する吸
    収剤スラリが循環する脱硫塔を有する脱硫装置と、前記
    乾式集塵装置により除去された粉塵を前記吸収剤スラリ
    中に導入する手段と、前記吸収剤スラリに4価のSeを
    不溶化する処理剤を供給する処理剤供給手段とを備えて
    なり、スラリ中に混入した6価のSeがスラリ中の亜硫
    酸により還元されて4価となるように、前記脱硫装置内
    の酸化還元反応を制御する酸化還元反応制御手段を設け
    ことを特徴とする排煙処理システム。
  6. 【請求項6】 亜硫酸ガス、粉塵及びSe分を含む排煙
    を処理する排煙処理システムであって、排煙中の亜硫酸
    ガスを吸収除去する吸収剤スラリが循環する脱硫塔を有
    する脱硫装置と、前記吸収剤スラリに4価のSeを不溶
    化する処理剤を供給する処理剤供給手段とを備え、前記
    排煙が直接前記脱硫塔に導入されるように構成されて
    り、スラリ中に混入した6価のSeがスラリ中の亜硫酸
    により還元されて4価となるように、前記脱硫装置内の
    酸化還元反応を制御する酸化還元反応制御手段を設けた
    ことを特徴とする排煙処理システム。
  7. 【請求項7】 前記脱硫装置からの排水を処理する排水
    処理装置と、この排水処理装置で分離される不純物スラ
    リに4価のSeを不溶化する処理剤を供給する処理剤供
    給手段を備えてなることを特徴とする請求項1乃至6
    いずれかに記載の排煙処理システム。
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