JP3572188B2 - 排煙処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排煙の脱硫処理などの浄化処理を行う排煙処理技術に係わり、特に排煙中の亜硫酸ガスの除去とともに、処理後排煙中のアンモニア濃度の低減が容易に実現できる排煙処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、火力発電所のボイラ等より生じる排煙中から、硫黄酸化物(主に亜硫酸ガス)などの有害物を除去する排煙処理方法としては、例えば図8に示すものが知られている。以下、この排煙処理技術について説明する。
【0003】
図8に示すように、ボイラ本体1から排出された未処理排煙Aは、まずボイラハウス内に配設された脱硝装置2に導入され、排煙中の窒素酸化物が分解処理される。脱硝装置2は、触媒を用いてアンモニア接触還元法により窒素酸化物を分解するもので、ここでは、脱硝当量のアンモニアBが排煙中に注入される。
【0004】
次に排煙は、やはりボイラハウス内に設置されたエアヒータ3(熱交換器)に導入され、ここで熱回収されて、この熱でボイラ本体1に供給される空気Cが加熱される。
このエアヒータ3を出た排煙A1は、その後、煙道4によりボイラハウスから導出され、ボイラハウスの外に設置された乾式の電気集塵機5に導かれ、ここで排煙中の粉塵Dが捕集除去される。
【0005】
なお、油焚きボイラ等の場合には、排煙中の三酸化硫黄(SO3)を硫安((NH4)2SO4)として電気集塵機5で捕集するために、煙道4においてもアンモニアが排煙中に注入される場合がある。一方、石炭焚きボイラの場合には、排煙中にフライアッシュ等の多量の粉塵が存在するために、排煙中のSO3が有害なミスト(サブミクロン粒子)とならずにこの粉塵粒子に凝結した状態で電気集塵機5や後述の吸収塔8で捕集される。このため、石炭焚きボイラの場合には、この煙道4におけるアンモニア注入は省略されるのが、一般的である。
【0006】
次に、電気集塵機5を出た排煙は、煙道6によりガスガスヒータの熱回収部7(熱交換器)に導かれ、ここで熱回収された後、脱硫前排煙A2として脱硫装置の吸収塔8に導入される。吸収塔8では、吸収剤として石灰石が懸濁したカルシウム含有スラリ(以下、吸収剤スラリという。)と排煙とが気液接触して、排煙中の主にSO2が吸収剤スラリ中に吸収されるとともに、残りの粉塵も吸収剤スラリ中に捕集される。
【0007】
なお、この場合の吸収塔8は、図8に示すように、吸収剤スラリEが供給されるタンク21が底部に設けられ、このタンク21の上方に延設された気液接触部において、排煙とタンク21内のスラリとを気液接触させる吸収塔(液柱塔)である。また、この種の脱硫装置の脱硫性能(脱硫率)は、近年では90%を越える高いものとなっており、場合によっては吸収塔8を出た脱硫後排煙A3中には亜硫酸ガスがほとんど存在しない程度にまで脱硫される。
【0008】
次いで、脱硫装置の吸収塔8でSO2等を除去された脱硫後排煙A3は、必要に応じて湿式の電気集塵器9において残留した粉塵を除去された後、ガスガスヒータの再加熱部10において、熱回収部7で回収された熱により大気放出に好ましい温度に加熱された後、図示省略したファンや煙突を経由して、処理後排煙A4として大気に放出される。
【0009】
なお、湿式の電気集塵器9は、大気放出される処理後排煙A4中の粉塵濃度を特に低くする必要がある場合に設けられるもので、この湿式電気集塵器9からは捕集した粉塵を含む排液Fが排出される。また、電気集塵機5の除塵性能向上等のために、ガスガスヒータの熱回収部7を電気集塵機5の前流に配置する場合もある。ちなみに、このように電気集塵機5の前流で排煙の熱回収が全て行われ、電気集塵機5に導入される排煙の温度がより低下すると、特に石炭焚きボイラの排煙の場合には、比抵抗の関係で電気集塵機5におけるフライアッシュ等の粉塵の除去率が格段に高まり有利である。
【0010】
また吸収塔8では、SO2を吸収したスラリが酸化され、中和反応を含む後述の反応により、石膏が副生される。
ここで吸収塔8は、脱硫前排煙A2を導入する排煙導入部22が下部に設けられるとともに、脱硫後排煙A3を導出するための排煙導出部23がその上端部に形成されて、排煙が下部から導入されて上方に向って流れるいわゆる向流式の吸収塔である。
【0011】
そして排煙導出部23には、ミストエリミネータ24aが設置され、気液接触により生じた排煙中の同伴ミストがここで捕集されることにより、脱硫後排煙A3に亜硫酸ガスやアンモニア等を含んだミストが多量に含まれて排出されないように構成されている。この場合、このミストエリミネータ24aで捕集されたミスト(回収液)は、このミストエリミネータ24aの下端から流れ落ちて直接タンク21内に戻る構成となっている。
【0012】
また吸収塔8には、スプレーパイプ24が複数平行に設けられ、これらスプレーパイプ24には、タンク21内のスラリを上方に向って液柱状に噴射するノズル(図示略)が複数形成されている。
また、タンク21の外側には、タンク21内の吸収剤スラリを吸上げる循環ポンプ25が設けられ、循環ライン26を介してスラリが各スプレーパイプ24に送り込まれる。
【0013】
そして図8の場合には、タンク21内のスラリを攪拌しつつ酸化用の空気Gを微細な気泡として吹込む手段として、攪拌機27と、この攪拌機27の攪拌翼の近傍に空気Gを吹込む吹込み管28とを備え、タンク21内で亜硫酸ガスを吸収したスラリと空気とを効率良く接触させて全量酸化し石膏を得る構成となっている。
【0014】
すなわち、吸収搭8でスプレーパイプ24から噴射され排煙A2と気液接触して亜硫酸ガスや粉塵(硫安等のアンモニウム塩含む)さらにはアンモニアガスを吸収しつつ流下する吸収剤スラリEは、タンク21内において攪拌機27と吹込み管28により攪拌されつつ吹込まれた多数の気泡と接触して酸化され、さらには中和反応を起こして石膏を高濃度に含むスラリとなる。なお、これらの処理中に起きる主な反応は下記の反応式(1)乃至(3)となる。
【0015】
【化1】
【0016】
こうしてタンク21内には、定常的には多量の石膏と吸収剤である少量の石灰石と排煙中から捕集された僅かな粉塵やアンモニアとが懸濁又は溶存するようになっており、このタンク21内のスラリがこの場合循環ライン26から分岐する配管ライン29により固液分離機30に供給され、ろ過されて水分の少ない石膏Hとして採り出される。一方、固液分離機30からのろ液は、その一部Jが吸収剤スラリEを構成する水分としてこの場合スラリ調整槽31に送られ、残りの一部が不純物の蓄積を防止すべく脱硫排水Kとして排出される。
なお、排煙から吸収されたアンモニアや硫安等のアンモニウム塩は溶解度が高いので、ほとんどがスラリEの液中にアンモニウムイオンとして含まれ、最終的には脱硫排水Kに含まれて排出される。
【0017】
なお、運転中タンク21には、この場合スラリ調整槽31から吸収剤である石灰石が吸収剤スラリEとして供給される。
スラリ調整槽31は、攪拌機32を有し、図示省略したサイロから投入される粉状の石灰石Lと、供給された前記ろ液Jとを攪拌混合して吸収剤スラリEを生成するもので、内部のスラリEがスラリポンプ33によりタンク21に適宜供給されるようになっている。
【0018】
また、例えばタンク21には、適宜補給水M(工業用水等)が供給され、吸収塔8での蒸発等により漸次減少する水分が補われる。
また、ろ液Jを直接タンク21に戻すようにし、吸収剤スラリEを構成する水分(スラリ調整槽31に供給する水分)としては、系外から供給される工業用水等のみを使用する場合もある。
【0019】
そして運転中には、上記タンク21への補給水の流量や配管ライン29からのスラリ抜き出し流量などが調整されることによって、タンク21内には、所定濃度の石膏や吸収剤を含有するスラリが常に一定範囲のレベル内に蓄えられた状態に維持される。
【0020】
また運転中には、脱硫率と石膏純度とを高く維持すべく、ボイラ負荷(排煙A2の流量)や、吸収塔8に導入される排煙A2中の亜硫酸ガス濃度や、タンク21内のスラリのpHや石灰石濃度等がセンサにより検出され、これら検出結果に基づいて図示省略した制御装置によりタンク21への石灰石の供給量等が適宜調節される構成となっている。ここで、タンク21内のpHは、亜硫酸ガスの吸収性能を高く維持しつつ前述した酸化反応を促進して純度の高い石膏を生成すべく、従来通常は6.0程度に調整されるようになっている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の排煙処理技術(特に上述のような向流式の吸収塔を使用した排煙処理)では、脱硫前排煙A2中にアンモニアが含まれる場合、脱硫装置の吸収塔8の出口側においてこのアンモニアがガスとして放散し脱硫後排煙A3及び処理後排煙A4中に多量に含まれて排出されてしまうという改善すべき問題があった。
【0022】
すなわち、例えば火力発電設備の油焚きボイラの排煙処理設備では、前述の如く排煙中に含まれる三酸化硫黄(SO3)を硫安((NH4)2SO4)として捕集するために、通常脱硫装置よりも前流においてアンモニアを排煙中に注入する処理がなされ、このために脱硫用の吸収塔に導入される排煙(図8では脱硫前排煙A2)中には最高100ppm程度のアンモニアが含まれる。
【0023】
そして、図8に例示したような従来の向流式の吸収塔8では、吸収塔8内の下側においてこのアンモニアの多くがスラリ中に溶解して吸収され、排煙中のアンモニア濃度は一旦低下する。しかし、吸収塔8内の上部に噴射され排煙と接触するスラリのpHが6程度と高いため、図9に示すアンモニアの平衡分圧の特性に従って、この吸収塔8内の上部でのアンモニアの分圧が高くなりスラリ中のアンモニアの多くがここで再びガス側に放散されて、結局、脱硫後排煙A3(及び処理後排煙A4)中のアンモニア濃度は最高50ppm程度になってしまう。
【0024】
なお、アンモニアは悪臭の原因物質の一つでもあり、大気汚染防止の観点から大気中に放出される処理後排煙A4中のアンモニア濃度を極力少なくすることが望ましく、高脱硫性能やコスト低減などを実現するとともに、アンモニアの排出量の少ない排煙処理方法が要望されていた。
【0025】
そこで本発明は、第1に、処理後排煙中のアンモニア濃度を低く抑えられる排煙処理方法を提供することを目的としている。
また第2に、より容易かつ安価な構成で処理後排煙中のアンモニア濃度を低く抑えられる排煙処理方法を提供することを目的としている。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の排煙処理方法は、少なくともアンモニア及び亜硫酸ガスを含む排煙を吸収塔に導き、亜硫酸ガスの吸収に適したpHのカルシウム化合物含有スラリと気液接触させることにより、排煙から少なくとも亜硫酸ガスを吸収除去する脱硫工程と、この脱硫工程後の排煙からミストを除去し液として回収するミスト除去工程とを有する排煙処理方法において、前記脱硫工程後で前記ミスト除去工程前の排煙中に、前記脱硫工程後の排煙中に存在するアンモニアの吸収に適したpHの吸収液を噴霧して、この吸収液中に前記アンモニアを吸収させる吸収液噴霧工程を設けるとともに、前記ミスト除去工程で回収された回収液を前記吸収塔に導入し、前記カルシウム化合物含有スラリを構成する液として利用することを特徴とする。
【0028】
請求項2記載の排煙処理方法は、前記吸収塔の後流側で排煙を湿式電気集塵機に導入して排煙中に残留した粉塵を除去する湿式粉塵除去工程を設け、この湿式粉塵除去工程において前記湿式電気集塵機より排出される排液を、前記吸収液噴霧工程において噴霧する吸収液の少なくとも一部として利用する構成としたことを特徴とする。
【0029】
請求項3記載の排煙処理方法は、前記脱硫工程で排煙と気液接触し亜硫酸ガスを吸収したスラリを酸化して脱水することにより石膏の固形分を副生するとともに、このスラリの脱水により生じたろ液の一部を、前記吸収液噴霧工程において噴霧する吸収液の少なくとも一部として利用する構成としたことを特徴とする。
【0030】
請求項4記載の排煙処理方法は、前記脱硫工程後の排煙中の亜硫酸ガス濃度を処理後排煙中の亜硫酸ガス濃度の目標値よりも高く設定して、除去すべき亜硫酸ガスの一部を前記脱硫工程後の排煙中に残留させるとともに、前記吸収液のpHを弱酸性領域から中性付近に設定することにより、前記吸収液中に、前記脱硫工程後の排煙中に存在するアンモニアとともに、前記脱硫工程後の排煙中に残留した亜硫酸ガスを吸収するようにしたことを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
図1は、本例の排煙処理方法を実施する排煙処理設備を示す図である。なお、図8に示す従来と同様の構成要素には、同符号を使用して重複する説明を省略するとともに、図1においてはその一部の図示を省略する。
本例の排煙処理設備は、図1に示す如く、吸収塔8から出た脱硫後排煙A3を湿式の電気集塵機9に導く水平方向の煙道41の上流側に、アンモニア除去のための吸収液Nを噴霧する横置き型のスプレーノズル42を設けるとともに、煙道41の下流側にやはり横置き型のミストエリミネータ43を設けた点に特徴を有する。
【0032】
ここで、ミストエリミネータ43は、脱硫後排煙A3にもともと同伴されていたミストと、前流のスプレーノズル42より噴射された吸収液Nよりなるミストとが除去でき、捕集したミストが排煙中のガス成分と気液接触する液膜を形成するものであればよい。例えば、この種の設備で従来より一般的に使用されている折れ板式のミストエリミネータを使用することができる。
そして、このミストエリミネータ43により排煙A3中から捕集された回収液Pは、下部ホッパ44を経由して排出され、この場合吸収塔8のタンク21内に導入される構成となっている。
【0033】
次に、このような設備構成により実施される本発明の排煙処理方法の一例について説明する。
この場合、本発明の脱硫工程は、吸収塔8内の気液接触部において実行される。すなわち、図8に示す熱回収部7を出た脱硫前排煙A2は、吸収塔8に導かれて、スプレーパイプ24から噴射された亜硫酸ガスの吸収に適したpH(通常6.0)のカルシウム化合物含有スラリと気液接触することにより、排煙A2から少なくとも亜硫酸ガスが吸収除去される。なお、この気液接触においては、亜硫酸ガスの他に、前述したような排煙中のアンモニアガスや粉塵等も吸収剤スラリ中に除去される。
【0034】
次いで、本発明の吸収液噴霧工程は、スプレーノズル42により実行される。すなわち、吸収塔8で吸収剤スラリと気液接触した後の脱硫後排煙A3が煙道41の上流を通過する過程で、スプレーノズル42によりアンモニアの吸収に適したpHの吸収液Nが排煙A3中に噴霧される。
【0035】
また、本発明のミスト除去工程は、煙道41の下流側のミストエリミネータ43により実行される。すなわち、上記脱硫工程及び吸収液噴霧工程を経た脱硫後排煙A3に同伴されたミストが、ミストエリミネータ43により捕集除去される。なおこの場合、捕集されたミストよりなる回収液Pは、ホッパ44を経由して吸収塔8のタンク21内に導入され、タンク21内のスラリを構成する液分の一部となる。
【0036】
以上の吸収液噴霧工程とミスト除去工程では、噴霧された吸収液Nと脱硫後排煙A3とが気液接触して、排煙A3中に残留する少なくともアンモニアガスが吸収除去され、処理後排煙A4中の亜硫酸ガス濃度とともに、処理後排煙A4中のアンモニア濃度を格段に低く抑制することができる。
【0037】
なお、噴霧された吸収液Nと脱硫後排煙A3の気液接触は、煙道41内の空間中でも起こるが、ミストエリミネータ43でも起こり、これによりアンモニアガス等の効果的な吸収が実現される。というのは、ミストエリミネータ43においては、捕集したミストよりなる液膜表面が多量に形成され、ここに排煙A3のガス成分が接触するため、いわゆる濡れ壁方式の気液接触装置としてこのミストエリミネータ43が機能するからである。
【0038】
なお、吸収液噴霧工程で噴霧する吸収液Nとしては、系外から供給される工業用水等に必要に応じて硫酸等を加えてpH調整を行ったものを使用してもよいが、本排煙処理設備から排出される液分を使用すれば、用水量を節約して運転コストを低減できる。すなわち、例えば前述の脱硫排水K(通常、pH6程度)の一部や、湿式電気集塵機9の排液F(通常、pH8程度)を、必要に応じてpH調整して使用すれば、アンモニア除去のために特に工業用水等を供給する必要がない。
【0039】
また、吸収液Nを噴霧する量は、基本的には要求されるアンモニアの除去率(以下、脱安率という場合がある。)に応じて設定すればよいが、後述する実証データ(図5)に示されるように、ガス量に対する液量の比(いわゆる、液ガス比G/L)が0.04〜0.10[リットル/m3N]程度となるように、僅かな量噴霧してやれば、実用的な脱安率が十分達成できる。
【0040】
また、吸収液NのpHも、基本的には要求されるアンモニアの除去率に応じて設定すればよいが、アンモニアはアルカリであるので、なるべくpHが低い方が有利であるのは当然である。すなわち、アンモニアを絶対確実に吸収除去するためには、例えば硫酸等を加えてpH調整を行いpHを4.0以下(好ましくは2.0以下)に低下させるのが好ましい。
【0041】
但し、後述の実証データ(図3)に示すように、発明者らの研究によれば、脱硫後排煙A3中に亜硫酸ガスが相当濃度残留している場合には、下記式(4),(5)で示すような反応により、吸収したアンモニアの多くが吸収した亜硫酸により中和されるため、吸収液NのpHが4.0以上でも相当の除去率でアンモニアが吸収除去されることが判明している。
【0042】
【化2】
【0043】
このため、脱硫後排煙A3中の亜硫酸ガス濃度(即ち、吸収塔8の性能や脱硫前排煙A2の性状)によっては、吸収液Nとして弱酸性から中性付近の液(pH4.0程度〜6.0程度)を使用することができる。そしてこの場合には、例えば前述の脱硫排水K等をそのまま使用するか、或いは若干pH調整して使用することができ、pH調整のための硫酸等の薬剤は全く不要になるか、少なくともその量を格段に低減できる。
【0044】
したがって、本排煙処理方法のより詳細な態様としては、以下のような運転条件の設定、或いは運転制御を行うことが好ましい。
すなわち、脱硫後排煙A3中の亜硫酸ガス濃度を処理後排煙A4中の亜硫酸ガス濃度の目標値よりも高く設定して、除去すべき亜硫酸ガスの一部を脱硫後排煙A3中に残留させるとともに、これに応じて吸収液NのpHを弱酸性領域から中性付近に設定することにより、吸収液N中にアンモニアとともに残留した亜硫酸ガスを吸収するようにする。
【0045】
例えば、脱硫後排煙A3中の亜硫酸ガス濃度が50ppmの場合には、後述の実証データ(図3)に示されるように、吸収液NのpHが6.0程度でも50%程度の脱安率が達成できる。このため、50%程度の脱安率で問題なければ、吸収液NのpHは6.0程度でもよいことになる。そして、吸収液NのpHが6.0程度の場合には、後述の実証データ(図4)に示されるように、上記吸収液噴霧工程及びミスト除去工程により脱硫率50%程度が達成される。このため、脱硫後排煙A3中の亜硫酸ガス濃度が50ppmでも、処理後排煙A4中の亜硫酸ガス濃度は25ppm程度となる。
【0046】
つまり、処理後排煙A4中の亜硫酸ガス濃度を25ppm程度とする必要がある場合でも、脱硫後排煙A3中の亜硫酸ガス濃度を50ppmとし、吸収液NのpHを6.0程度とすれば、脱硫後排煙A3中の残りの亜硫酸ガスを脱硫後排煙A3中のアンモニアとともに吸収除去して、最終的に亜硫酸ガス濃度25ppmが達成できる。しかも同時に、脱安率50%が達成できるため、脱硫後排煙A3中のアンモニア濃度が例えば50ppmでも、処理後排煙A4中のアンモニア濃度は25ppm程度と低く抑制できる。
【0047】
なお、脱硫後排煙A3中の亜硫酸ガス濃度の設定は、脱硫前排煙A2中の亜硫酸ガス濃度に対して吸収塔8の性能(脱硫率)を左右するパラメータ(スラリのpHや循環流量)の設定や制御を行うことで、間接的に達成するようにしてもよい。但し、脱硫前排煙A2中の亜硫酸ガス濃度の変動に対応しつつ、脱硫後排煙A3中の亜硫酸ガス濃度を所定値に維持するためには、例えば処理後排煙A3中の亜硫酸ガス濃度をリアルタイムで検出するセンサを設け、この亜硫酸ガス濃度の実測値が設定値に維持されるように、吸収塔8における吸収剤の供給量やスラリの循環流量を直接制御するようにしてもよい。
【0048】
いずれにしろ、上述のように吸収塔8での亜硫酸ガス吸収量を積極的に減らして、吸収塔8の出口側(煙道41)における上記吸収液噴霧工程及びミスト除去工程において、残りの亜硫酸ガスを吸収するとともに、所定量のアンモニアを吸収除去するような態様の場合には、大気放出されるアンモニアの量が抑制されるという効果に加えて、以下のような実用上優れた効果が得られる。
【0049】
すなわち、まず、吸収液NとしてpHの比較的高い液が使用できるため、pH調整用の硫酸等の薬剤が全く不要になるか、その量が低減できて、その分運転コスト等が低減できる。
また、吸収塔8自体での脱硫率は、従来よりも低くてよいので、その分スラリの循環流量(スプレーパイプ24からのスラリ噴射量)を減らすか、或いは、スラリのpHの設定値を下げて吸収剤原料(この場合石灰石)の使用量を減らすことができる。したがって、この点からもさらなる運転コストの低減等が実現できる。
【0050】
なお、吸収塔8のスラリのpHが下げられるということは、吸収剤原料(この場合石灰石)の使用量を減らすことができるとともに、スラリ中の未反応吸収剤の濃度を低減することができるため、副生される石膏Hの純度がその分高くなるという利点もある。
また、吸収塔8のスラリのpHが下がると、脱硫排水KのpHも同様に下がることになり、この脱硫排水Kが前記吸収液噴霧工程で噴霧する吸収液Nとして利用し易くなる。
【0051】
またさらに、吸収塔8のスラリのpHが下がると、図9に示すアンモニアの平衡分圧の関係から脱硫後排煙A3中に放散されるアンモニアの濃度が低下する傾向にあり、吸収塔8のスラリ中のアンモニウムイオン濃度が一定ならば、処理後排煙A4中のアンモニア濃度がより低下する方向となる。また逆に言えば、脱硫後排煙A3中に放散されるアンモニアの濃度を一定に維持しつつ、吸収塔8のスラリ中のアンモニウムイオン濃度をより高めることが可能となる。
【0052】
なお、発明者らの研究によれば、吸収塔のスラリ中のアンモニウムイオン濃度が増加すると、例えば図7のデータに示されるように、他の条件が一定にもかかわらず吸収塔での脱硫率が向上することが分っており、同一の脱硫率を達成するのであれば、その分スラリの循環流量や吸収剤の使用量が低減できることになる。
【0053】
そして本例の場合には、脱硫前排煙A2中に存在するアンモニアが吸収塔8のスラリ中に吸収されることにより、このスラリ中にアンモニウムイオンが供給されるとともに、アンモニアを吸収しミストエリミネータ44で捕集された回収液Pが吸収塔8のタンク21内に導入されることによっても、吸収塔8のスラリ中にアンモニウムイオンが供給され、脱硫性能の向上(或いは、吸収剤使用量の低減等)に貢献する。
【0054】
つまり本例によれば、従来では処理後排煙A4に含まれて多量に大気放出されてる恐れのあったアンモニアの多くが、相当量回収され脱硫性能の向上等に有効利用されるという優れた効果が得られる。
【0055】
なお、吸収塔のスラリ中のアンモニウムイオン濃度は、放置すれば蓄積して過度に増加するため、この場合他の有害物(例えば、塩素や重金属など)とともに脱硫排水Kとして系外に排出するわけであるが、この脱硫排水Kの処理方法としては、この脱硫排水K中に含まれるアンモニアを回収し、前述の脱硝装置や吸収塔の前流で排煙中に注入するアンモニアとして再利用できるような方法を採用するのが好ましい。例えば、乾式電気集塵機5の粉塵Dと脱硫排水Kとを混合処理しアンモニアを回収再利用する既存の無排水化技術(いわゆるAWMT)を採用すれば、アンモニアを循環使用することができ、別途系外から供給するアンモニアの必要量を格段に低減できて有利である。
【0056】
なお本例においては、本発明の湿式粉塵除去工程が湿式電気集塵機9により実行される。即ち排煙A3は、吸収塔8の後流側(この場合ミストエリミネータ43の後流側)で湿式電気集塵機9に導入され残留した粉塵を除去される。これにより、処理後排煙A4中の粉塵濃度は、極めて低くなる。
【0057】
(実証データ)
次に、本発明の作用効果を実証すべく発明者らが行った実験の結果(実証データ)について説明する。
実験は、前述の煙道41、スプレーノズル42、及びミストエリミネータ43と同様構成の吸収液噴霧部及びミスト除去部を有する設備を使用し、この設備の吸収液噴霧部に脱硫後排煙A3に相当するガスを供給して行った。そして、ガス流量は836m3N/hとし、ガス流速は5m/sとし、ガスの温度は50℃に調整し、ガス中のアンモニア濃度は25ppmとした。また、噴霧する吸収液の温度は30℃に調整し、この吸収液中の硫安濃度は200mmol/リットルとした。
【0058】
なおスプレーノズルは、煙道断面方向に4個並べて配置して使用した。
また、ミストエリミネータとしては、折れ板式のミストエリミネータであるユーロフォルム型ミストエリミネータとシェブロン型ミストエリミネータを使用したが、いずれのミストエリミネータでも性能に違いはなかったので、以下では、ユーロフォルム型ミストエリミネータ(30mmピッチ)のエレメントを1個使用した場合の実験結果を説明する。
【0059】
まず図3は、噴霧する吸収液のpHをパラメータとして変化させた場合の、吸収液噴霧部及びミスト除去部で除去されるアンモニアの除去率(脱安率)の測定データを図示したものである。
なおこの測定は、吸収液噴霧部に供給するガス中の亜硫酸ガス濃度を、0ppm、15ppm、及び50ppmと変えて行った。またこの場合、噴霧する吸収液の液ガス比(L/G)を0.04[リットル/m3N]の一定値に調整した。
【0060】
実験の結果、排煙中に亜硫酸ガスが全く存在しない場合には、吸収液のpHが4.0以上になるとほとんどアンモニアを吸収せず、例えば脱安率50%を達成するためには、吸収液のpHを2.3程度に低くする必要があることが分った。ところが、排煙中に亜硫酸ガスが15ppm程度存在すると、吸収液のpHが6.0でも30%以上の脱安率が実現でき、さらに排煙中に亜硫酸ガスが50ppm程度存在すると、吸収液のpHが6.0でも50%程度の脱安率が実現できることが実証された。
【0061】
次に図4は、噴霧する吸収液のpHをパラメータとして変化させた場合の、吸収液噴霧部及びミスト除去部で除去される亜硫酸ガスの除去率(脱硫率)の測定データを図示したものである。
なおこの測定は、吸収液噴霧部に供給するガス中の亜硫酸ガス濃度を50ppm(一定)として行った。またこの場合、噴霧する吸収液の液ガス比(L/G)を0.04[リットル/m3N]の一定値に調整した。
【0062】
実験の結果、吸収液のpHが2.0になるとほとんど亜硫酸ガスを吸収しないが、吸収液のpHが例えば6.0であると、本発明の吸収液噴霧工程及びミスト除去工程により50%程度の脱硫率が実現できることが実証された。
【0063】
次に図5は、噴霧する吸収液の液ガス比(L/G)をパラメータとして変化させた場合の、吸収液噴霧部及びミスト除去部で除去されるアンモニアの除去率(脱安率)の測定データを図示したものである。なおこの測定は、吸収液噴霧部に供給するガス中の亜硫酸ガス濃度を0ppm(一定)として行った。またこの場合、噴霧する吸収液のpHを2.0(一定)に調整した。
実験の結果、吸収液の噴霧量に応じて脱安率が増加することが分った。
【0064】
次に図6は、噴霧する吸収液の液ガス比(L/G)をパラメータとして変化させた場合の、吸収液噴霧部及びミスト除去部での圧力損失(図1における煙道41やミストエリミネータ43の圧力損失に相当)の測定データを図示したものである。
実験の結果、吸収液の噴霧量を変えても圧力損失にはほとんど変化はなく、常に3.0mmH2O程度と非常に少ないことが分った。
【0065】
なお、本発明は上記形態例に限られず各種の態様が有り得る。まず、例えば図2に示すように、本発明の吸収液噴霧工程を実行するためのスプレーノズルとして縦置き型のスプレーノズル51を使用し、このスプレーノズル51を吸収塔8の出口側でミストエリミネータ24aよりも前流側(下方側)に配置し、吸収塔8の出口側で本発明の吸収液噴霧工程及びミスト除去工程を行うような態様でもよい。
【0066】
また、本発明の吸収液噴霧工程及びミスト除去工程は、これらを実行するスプレーノズル及びミストエリミネータを排煙の流れ方向に複数段配設することにより、多段階に行ってもよい。このようにすれば、アンモニア濃度をより低減できる。例えば2段階に設けた場合には、各段の個別の脱安率がそれぞれ50%でも、全体の脱安率は75%となる。なおこの場合も、各段でアンモニアとともに亜硫酸ガスを吸収するようにし、最終的な処理後排煙中の亜硫酸ガス濃度及びアンモニア濃度が目標値以下になるようにすれば、排煙のさらなるクリーン化が実現できるとともに、各段で噴霧する吸収液のpHを比較的高くすることができ、硫酸等の薬剤が不要になるか、或いはその使用量を格段に低減できる。
【0067】
また、本発明の脱硫工程を実行する吸収塔は、上記形態例で例示したような向流式の液柱塔に限らず、充填塔、スプレー塔などであってもよいし、また並流式の吸収塔でもよい。但し、向流式の吸収塔の場合には、吸収塔出口側の液のpHが比較的高いため、アンモニアの放散が起こりやすく脱硫後排煙のアンモニア濃度が高くなり易いため、本発明を適用した場合の効果が特に著しい。
【0068】
なお、本発明の吸収液噴霧工程における吸収液の噴霧量や、吸収液のpHは、排煙性状などの運転条件の平均値(或いは最悪値)に応じた一定値として設定してもよいが、以下のような制御を行って、吸収塔の脱硫性能の制御とあいまって、排煙性状などの変動に決め細かく対応できるようにしてもよい。
例えば、図1における脱硫後排煙A3や処理後排煙A4のアンモニア濃度や亜硫酸ガス濃度をオンラインで検出するセンサを設けるとともに、このセンサの検出結果に基づいて、図3〜図5の関係から目標性能を達成するための前記噴霧量とpHの最適値を適宜演算し、この最適値になるように前記噴霧量とpHをリアルタイム制御する制御手段を設けてもよい。
【0069】
【発明の効果】
本発明の排煙処理方法によれば、脱硫工程後でミスト除去工程前の排煙中に、脱硫工程後の排煙中に存在するアンモニアの吸収に適したpHの吸収液を噴霧して、この吸収液中に前記アンモニアを吸収させる吸収液噴霧工程を設けた。このため、排煙中の亜硫酸ガスを除去できるとともに、処理後排煙中のアンモニア濃度も従来より格段に低く抑えられる。このため、排煙中の有害物による大気汚染の防止が、より万全に実現できる。
【0070】
しかも、請求項1記載の排煙処理方法では、ミスト除去工程で回収された回収液を脱硫工程を実施する吸収塔に導入し、亜硫酸ガスを吸収するためのカルシウム化合物含有スラリを構成する液として利用する。このため、用水量が節約できるとともに、従来大気放出されていたアンモニアが有効利用されることになる。すなわち、この場合には、脱硫工程後の排煙中に残留したアンモニアの少なくとも一部が上記回収液に溶存したかたちで吸収塔の前記スラリ中に導入されることになり、吸収塔における脱硫性能の向上等に貢献する。
【0071】
また、請求項2記載の排煙処理方法では、吸収塔の後流側で排煙を湿式電気集塵機に導入して排煙中に残留した粉塵を除去する湿式粉塵除去工程を設けたので、処理後排煙中の粉塵濃度が特に低減でき、さらなる排煙のクリーン化に貢献できる。そしてこの場合には、この湿式電気集塵機より排出される排液を、前記吸収液噴霧工程の吸収液の少なくとも一部として利用する構成としたため、用水量が節約できる。
【0072】
また、請求項3記載の排煙処理方法では、脱硫工程で排煙と気液接触し亜硫酸ガスを吸収したスラリを酸化して脱水することにより石膏の固形分を副生するとともに、このスラリの脱水により生じたろ液の一部(脱硫排水)を、前記吸収液噴霧工程の吸収液の少なくとも一部として利用する構成としたため、やはり用水量が節約できる。
【0073】
また、請求項4記載の排煙処理方法では、脱硫工程後の排煙中の亜硫酸ガス濃度を処理後排煙中の亜硫酸ガス濃度の目標値よりも高く設定して、除去すべき亜硫酸ガスの一部を脱硫工程後の排煙中に残留させるとともに、前記吸収液噴霧工程の吸収液のpHを弱酸性領域から中性付近(例えば、4.0〜6.0)に設定することにより、前記吸収液中に、脱硫工程後の排煙中に存在するアンモニアとともに、脱硫工程後の排煙中に残留した亜硫酸ガスを吸収するようにした。
【0074】
このため、脱流工程後の排煙中に亜硫酸ガスがほとんど存在しない場合をも考慮して、吸収液のpHを例えば2.0〜4.0程度に設定し、当該排煙中のアンモニアを絶対確実に除去しなければならない場合に比較して、吸収液のpHが各段に低くなる。このため、吸収液のpH調整のために硫酸等を添加する必要が全くなくなるか、少なくともその添加量を格段に低減することができる。また、前述のろ液(脱硫排水)などを、そのままpH調整しないで使用するといったことも可能になり、実用面で極めて有利となる。
【0075】
また、この場合一方では、吸収塔における脱硫工程自体の負担(脱硫率)を従来よりも低減することができるので、吸収塔のスラリ循環流量の低減や、吸収剤の供給量の低減(スラリのpHの低減)が可能となるといった優れた効果も得られる。なお、吸収塔における吸収剤の供給量の低減(スラリのpHの低減)が可能になると、吸収剤の使用量が低減できるとともに、副生される石膏純度の向上や、スラリpHの低下によるアンモニア放散量の低減といった各種の利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例である排煙処理方法を実施する設備を示す図である。
【図2】本発明の他の例である排煙処理方法を実施する設備を示す図である。
【図3】本発明の吸収液噴霧工程及びミスト除去工程によるアンモニア除去作用と吸収液pHとの関係を示すデータである。
【図4】同工程による亜硫酸ガス除去作用を示すデータである。
【図5】同工程によるアンモニア除去作用と吸収液量との関係を示すデータである。
【図6】同工程における圧力損失のデータである。
【図7】吸収塔スラリ中のアンモニウムイオン濃度と脱硫率との関係を示すデータである。
【図8】従来の排煙処理設備を示す図である。
【図9】pHとNH3の平衡分圧の関係を示す図である。
【符号の説明】
8 吸収塔
9 湿式電気集塵機
41 煙道
42 スプレーノズル
43 ミストエリミネータ
A 未処理排煙
A2 脱硫前排煙
A3 脱硫後排煙(脱硫工程後の排煙)
A4 処理後排煙
B アンモニア
F 排液
H 石膏固形分
K 脱硫排水(ろ液の一部)
N 吸収液
P 回収液
Claims (4)
- 少なくともアンモニア及び亜硫酸ガスを含む排煙を吸収塔に導き、亜硫酸ガスの吸収に適したpHのカルシウム化合物含有スラリと気液接触させることにより、排煙から少なくとも亜硫酸ガスを吸収除去する脱硫工程と、この脱硫工程後の排煙からミストを除去し液として回収するミスト除去工程とを有する排煙処理方法において、
前記脱硫工程後で前記ミスト除去工程前の排煙中に、前記脱硫工程後の排煙中に存在するアンモニアの吸収に適したpHの吸収液を噴霧して、この吸収液中に前記アンモニアを吸収させる吸収液噴霧工程を設けるとともに、
前記ミスト除去工程で回収された回収液を前記吸収塔に導入し、前記カルシウム化合物含有スラリを構成する液として利用することを特徴とする排煙処理方法。 - 前記吸収塔の後流側で排煙を湿式電気集塵機に導入して排煙中に残留した粉塵を除去する湿式粉塵除去工程を設け、この湿式粉塵除去工程において前記湿式電気集塵機より排出される排液を、前記吸収液噴霧工程において噴霧する吸収液の少なくとも一部として利用する構成としたことを特徴とする請求項1記載の排煙処理方法。
- 前記脱硫工程で排煙と気液接触し亜硫酸ガスを吸収したスラリを酸化して脱水することにより石膏の固形分を副生するとともに、このスラリの脱水により生じたろ液の一部を、前記吸収液噴霧工程において噴霧する吸収液の少なくとも一部として利用する構成としたことを特徴とする請求項1記載の排煙処理方法。
- 前記脱硫工程後の排煙中の亜硫酸ガス濃度を処理後排煙中の亜硫酸ガス濃度の目標値よりも高く設定して、除去すべき亜硫酸ガスの一部を前記脱硫工程後の排煙中に残留させるとともに、前記吸収液のpHを弱酸性領域から中性付近に設定することにより、前記吸収液中に、前記脱硫工程後の排煙中に存在するアンモニアとともに、前記脱硫工程後の排煙中に残留した亜硫酸ガスを吸収するようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の排煙処理方法。
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