JP3294073B2 - 排煙処理システム - Google Patents

排煙処理システム

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JP3294073B2
JP3294073B2 JP21997095A JP21997095A JP3294073B2 JP 3294073 B2 JP3294073 B2 JP 3294073B2 JP 21997095 A JP21997095 A JP 21997095A JP 21997095 A JP21997095 A JP 21997095A JP 3294073 B2 JP3294073 B2 JP 3294073B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は排煙の処理システ
ム、特に排煙中のセレン(Se)の除去及び無害化を容
易に行うことができる排煙処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、火力発電所等に設置される排煙処
理システムとしては、排煙からフライアッシュなどの粉
塵を除去する集塵装置(通常、電気集塵機)と排煙とカ
ルシウム化合物含有スラリ(吸収剤スラリ)とを吸収塔
内において接触させることにより、排煙中の亜硫酸ガス
を吸収するとともに、吸収塔内のスラリから副生物とし
て石膏を分離生成する湿式排煙脱硫装置とを備えた排煙
処理システムが普及している。ところが、近年排煙中に
含まれる硫黄酸化物以外の有害な不純物の扱いが問題と
なってきており、特に、石炭焚きボイラ用の排煙処理シ
ステムにおいては、石炭中に最大10mg/kg程度の
含有量で含まれるセレン(Se)の有害性が問題となっ
ており、無害化して処理することが望まれている。
【0003】なお、Seは処理剤による不溶化処理が容
易な4価のSe(主形態:亜セレン酸SeO3 2- )と不
溶化処理が困難な6価のSe(主形態:セレンSeO4
2- )として存在し、特に6価のSeは溶解度が高く
(20℃における溶解度95%)溶出しやすい。また、
このSeはヒ素化合物に類似した毒性を持ち、海外で障
害の事例や排出規制があるため、我が国でも新たに規制
項目に加わり、環境基準(0.01mg/リットル)、
排水基準(0.1mg/リットル)、埋立処分に関する
溶出基準(0.3mg/リットル)が制定されている。
【0004】図5は、この種の排煙処理システムの従来
例(石炭焚きボイラ用の排煙処理システムの例)を示し
ている。図5において、石炭焚きボイラ1から出る排煙
10は、ボイラ1に付設された脱硝装置2で窒素酸化物
(NOx )が除去され、エアヒータ3及びガスガスヒー
タ(GGH)の熱回収部4を通過した後、電気集塵機5
(EP)に導入されてフライアッシュなどの粉塵が取除
かれる。次いで排煙は、湿式排煙脱硫装置6に導かれ、
この脱硫装置6において亜硫酸ガスを除かれた後にガス
ガスヒータ(GGH)の再加熱部7を通過し、図示省略
した煙突に導かれてこの煙突から大気中に放出されるよ
うに構成されている。そして、電気集塵機5で取除かれ
たフライアッシュなどの粉塵は、灰処理されて一部がセ
メント原料等として再利用され、残部は灰捨て場8に捨
てられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
排煙処理システムでは、石炭中のSe(排煙中のSe)
のほとんどがエアヒータ3などの後流側で凝縮し、排煙
中の粉塵に含まれた状態で電気集塵機5により取除かれ
て、そのまま灰捨て場8の廃棄物中又はセメント原料等
の中に混在することになる。このため、前記溶出基準等
を遵守してSeの無害化を図るためには、この電気集塵
機5で取除かれた灰を例えば多量の水で希釈するといっ
た面倒でコストのかかる後処理が必要となるという問題
があった。
【0006】本発明は上記従来技術に鑑み、排煙中に含
まれるSeの無害化が容易に達成できる排煙処理システ
ムを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は次の(1)乃至
(4)の発明を含むものである。 (1)亜硫酸ガス、粉塵及びSe分を含む排煙を処理す
る排煙処理システムであって、排煙中の粉塵を除去する
集塵装置と、亜硫酸ガスを吸収除去する吸収剤スラリが
循環する吸収塔を有する脱硫装置と、前記脱硫装置から
抜出された吸収剤スラリを構成する循環液に、少なくと
も4価のSeを不溶化する処理剤を混入させる混合手段
と、この混合手段により処理剤が混入された循環液を、
前記集塵装置の前流の排煙導入路内に噴霧する噴霧手段
とを備えてなり、前記脱硫装置内においてスラリ中に混
入した6価のSeがスラリ中の亜硫酸により還元されて
4価となるように、前記脱硫装置内の酸化還元反応を制
御する酸化還元反応制御手段を設けたことを特徴とする
排煙処理システム。
【0008】(2)亜硫酸ガス、粉塵及びSe分を含む
排煙を処理する排煙処理システムであって、排煙中の亜
硫酸ガスを吸収除去する吸収剤スラリが循環する吸収塔
を有する脱硫装置と、前記脱硫装置から抜出された吸収
剤スラリを構成する循環液に、少なくとも4価のSeを
不溶化する処理剤を混入させる混合手段と、この混合手
段により処理剤が混入された循環液を、前記脱硫装置の
前流の排煙の導入路内に噴霧する噴霧手段とを備え、前
記排煙が直接前記脱硫装置に導入されるように構成され
てなり、前記脱硫装置内においてスラリ中に混入した6
価のSeがスラリ中の亜硫酸により還元されて4価とな
るように、前記脱硫装置内の酸化還元反応を制御する酸
化還元反応制御手段を設けたことを特徴とする排煙処理
システム。
【0009】(3)亜硫酸ガス、粉塵及びSe分を含む
排煙を処理する排煙処理システムであって、冷却除塵塔
が吸収塔の前流に設けられ、排煙中の亜硫酸ガスを吸収
除去する吸収剤スラリが循環する吸収塔を有する脱硫装
置と、前記冷却除塵塔から抜出される循環スラリを固液
分離する分離手段と、この分離手段から導出された分離
液に少なくとも4価のSeを不溶化する処理剤を混入さ
せる混合手段と、この混合手段により処理剤が混入され
た分離液を、前記脱硫装置の前流の排煙の導入路内に噴
霧する噴霧手段とを備え、前記排煙が直接前記脱硫装置
の冷却除塵塔に導入されるように構成されてなることを
特徴とする排煙処理システム。
【0010】(4)前記脱硫装置内においてスラリ中に
混入した6価のSeがスラリ中の亜硫酸により還元され
て4価となるように、前記脱硫装置内の酸化還元反応を
制御する酸化還元反応制御手段を設けたことを特徴とす
前記(3)の排煙処理システム。
【0011】(作用)前記(1)の排煙処理システムで
は、排煙中のSeのほとんどが粉塵に含まれた状態で集
塵装置により除去されるが、そのうち少なくとも4価の
Seは集塵装置で除去される前に、噴霧手段により排煙
の導入路内に噴霧された脱硫装置の循環液中に混入され
た少なくとも4価のSeを不溶化する処理剤(以下、単
に処理剤という)と反応し不溶化する。このため、少な
くとも4価以外のSeが少ない場合には、処理後の粉塵
をそのまま再利用あるいは廃棄等しても、Seの溶出基
準等をクリアすることができる。
【0012】また、脱硫装置内のスラリ中に6価のもの
を含むSe又はその他の不純物が混入した場合でも、こ
の6価のSeのほとんどは脱硫装置内のスラリ中に排煙
から吸収された亜硫酸と反応し還元されて4価のSeに
変り、4価のものを主体として脱硫装置の循環液中に存
在する。そして、このSe及びその他の不純物も循環液
の抜出しに伴って混合手段に導入され、処理剤を添加さ
れて排煙の導入路内に噴霧され、そのSeのほとんどが
不溶化された状態で粉塵とともに集塵装置で除去される
ことになる。このため例えば集塵装置により除去されず
に僅かに脱硫装置内に混入するSeやその他の不純物が
あっても、混合手段及び噴霧手段等の働きにより脱硫装
置の循環液中にこのSeなどの不純物が過剰に蓄積され
るのを防止することができ、脱硫装置の排水を処理する
ための排水処理装置の設置が不要となる。
【0013】また、吸収塔の前流側に冷却除塵塔を設け
た脱硫装置を使用することにより、電気集塵機で捕集し
得なかった微粒粉塵が冷却除塵塔において捕集され、ほ
とんど吸収塔のスラリに混入しなくなるので、より高い
脱硫性能の確保及び回収する石膏の高品質化が可能とな
る。さらに前記脱硫装置に酸化還元反応制御手段を設
け、脱硫装置内のスラリ中に混入した6価のSeがスラ
リ中の亜硫酸により略全量還元されて4価となるよう
に、脱硫装置内のスラリの酸化還元反応を制御する。こ
れにより排煙中に6価のSeが存在する場合でも、この
6価のSeを脱硫装置においてほぼ完全に4価に変える
ことができ、排煙中のSeの処理をより容易かつ完全に
行うことができる。
【0014】前記(2)の排煙処理システムでは、排煙
中のSeのほとんどが、粉塵に含まれた状態でそのまま
排煙とともに脱硫装置内に直接導入されるが、そのうち
少なくとも4価のSeは噴霧手段により排煙の導入路内
に噴霧された脱硫装置の循環液中に混入された処理剤と
反応し不溶化する。このため、排煙中に含まれていた少
なくとも4価のSeは、そのまま脱硫装置においてスラ
リから分離生成される固形分(石膏等)に混在して排出
される。また、脱硫装置内に6価のSeが混入した場合
でも、この6価のSeのほとんどは脱硫装置内のスラリ
中に吸収された亜硫酸と反応し還元されて4価のSeに
変り、やはり最終的には混合手段において添加される処
理剤と反応して不溶化されて脱硫装置で分離生成される
固形分(石膏等)に混在して排出される。したがって、
このシステムによっても、容易にSeの溶出基準等をク
リアすることができるのであって、しかも排水処理装置
を設けることなく脱硫装置の循環液中にSeなどが過剰
に蓄積されるのを防止することができる。さらに前記脱
硫装置に酸化還元反応制御手段を設けること及びそれに
よる作用効果については前記(1)の排煙処理システム
の場合と同じである。
【0015】前記(3)の排煙処理システムでは、排煙
中のSeのほとんどが粉塵に含まれた状態でそのまま排
煙とともに脱硫装置の冷却除塵塔内の液中に直接導入さ
れるが、そのうち少なくとも4価のSeは、噴霧手段に
より排煙の導入路内に噴霧された脱硫装置の循環液中に
混入された処理剤と反応し不溶化する。このため排煙中
に含まれていた少なくとも4価のSeは、冷却除塵塔の
循環スラリを固液分離する分離手段において分離生成さ
れる固形分(粉塵ケーキ)に混在して排出される。ま
た、脱硫装置の冷却除塵塔内に6価のSeが混入した場
合でも、この6価のSeのほとんどは冷却除塵塔内の液
中に吸収された亜硫酸と反応し還元されて4価のSeに
変り、やはり最終的には混合手段において添加される処
理剤と反応して不溶化されて分離手段で分離生成される
固形分に混在して排出される。したがって、このシステ
ムによっても、容易にSeの溶出基準等をクリアするこ
とができる。しかも排水処理装置を設けることなく脱硫
装置の循環液中にSeなどが過剰に蓄積するのを防止す
ることができる。また、このシステムでは脱硫装置の吸
収塔内のスラリ中には粉塵が混入しないため、脱硫装置
における脱硫率や石膏純度等の性能を高く維持すること
ができる。
【0016】前記(4)の排煙処理システムでは、前記
(3)の排煙処理システムにおいて酸化還元反応制御手
段により、脱硫装置内のスラリ中に混入した6価のSe
がスラリ中の亜硫酸により略全量還元されて4価となる
ように、脱硫装置内のスラリの酸化還元反応を制御す
る。このため排煙中に6価のSeが存在する場合でも、
この6価のSeを脱硫装置においてほぼ完全に4価に変
えることができ、排煙中のSeの処理をより容易かつ完
全に行うことができる
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体
的に説明する。第1実施例 まず、前記(1)及び(3)の一実施例である第1実施
例について説明する。図1は、この第1実施例の排煙処
理システムの構成を示す概略構成図である。なお、従来
例と同様の構成要素には同符合を使用し、その説明を省
略する。この実施例の排煙処理システムは、図1に示す
ように湿式排煙脱硫装置20(以下、単に脱硫装置20
という)から抜出された循環液B(後述するポンプ34
から吐出された排出液)に混合手段13で処理剤Aを混
入させ、この処理剤Aを添加された循環液Bをポンプ1
4により、電気集塵機5の前流の排煙導入路15内に設
けられた噴霧パイプ16a又は16bから噴霧し、粉塵
中に含まれるSeを処理剤Aにより不溶化処理し、粉塵
Eとして搬出するとともに、脱硫装置20から出る排水
を蒸発させ、無排水化を計る構成としたものである。こ
こではポンプ14、噴霧パイプ16a又は16b及びこ
れらを接続する配管系が本発明の噴霧手段を構成してい
る。
【0018】なおこの実施例では、電気集塵機5を設け
ているので、後述するように排煙中のSeは粉塵中に含
まれてほとんど除去され、脱硫装置20内に混入するS
eは少ないが、脱硫装置内では反応式(1)、(2)に
示すように、4価のSe(主形態:亜セレン酸SeO3
2- )と、6価のSe(主形態:セレン酸SeO4 2-
が存在する。そして、この6価のSeは脱硫装置20に
おいていわゆるORP制御(酸化還元電位制御)により
略全量還元して4価のSeに変換されるよう構成されて
いる。
【化1】 SeO2(g) + H2 O → 2H+ +SeO3 2- (1) SeO3 2- + 1/2 O2 → SeO4 2- (2)
【0019】また、混合手段13は、例えば混合タンク
とこの混合タンク内の液を攪拌する攪拌機構とよりなる
もので、脱硫装置20から抜出された循環液Bと処理剤
Aとが投入され、これらが混合されてポンプ14により
抜出され、噴霧パイプ16a又は16bに送られる構成
となっている。ここで、処理剤Aとしては、少なくとも
4価のSe(主形態:亜セレン酸SeO3 2- )と反応し
て不溶化する薬剤が必要で、例えばFeCl3 またはF
2 (SO4 3 を用いることができる。噴霧パイプ1
6a又は16bは、排煙導入路(ダクト)15内に設置
されポンプ14に接続されたパイプ本体と、このパイプ
本体に形成された噴霧用のノズルとよりなるものであ
る。なお、この噴霧パイプ16a又は16bの設置位置
(液を噴霧する位置)は、図1ではガスガスヒータの熱
回収部4の前流部及び電気集塵機5の前流部になってい
るが、噴霧された液が排煙中に飛散して排煙の熱により
ガス化し、液中の処理剤Aが排煙中の粉塵と効率良く接
触する場所であれば、さらに排煙導入路15の上流側に
設置されている図示しないエアヒータの前流側でもよ
い。
【0020】脱硫装置20は、この場合タンク酸化方式
の脱硫装置であり、底部のタンク22に吸収剤スラリ
(この場合石灰石からなるもの)が供給される吸収塔2
1と、前記タンク22内の吸収剤スラリを吸収塔21の
上部21a(排煙導入部)に送って排煙と接触させるた
めの循環ポンプ23と、タンク22内に支持されて図示
省略したモータにより水平回転し、タンク22内のスラ
リを攪拌するとともに供給された空気をタンク22内に
微細な気泡として効率良く吸込むアーム回転式のエアス
パージャ24と、このエアスパージャ24に空気を送込
む空気供給管25とを備え、タンク22内で亜硫酸ガス
を吸収した吸収剤スラリと空気とを効率良く接触させて
全量酸化し石膏を得るものである。
【0021】タンク22には、タンク22内のスラリを
吸出すためのスラリポンプ31が接続され、このスラリ
ポンプ31により吸出されたスラリには、固液分離機3
2に供給されて固液分離され、スラリ中の石膏Cがケー
キ状の固体(通常、水分含有率10%程度)として採出
される構成となっている。一方、前記固液分離機32か
らの分離液(主に水)は、いったん分離液タンク33に
送られ必要に応じ補充水Dが追加された後、ポンプ34
により一部が吸収剤スラリ槽35に送られて、図示省略
した石灰石サイロから供給される石灰石F(CaC
3 )と混ぜ合わされ、吸収剤スラリとしてスラリポン
プ36により再びタンク22に供給される構成となって
いる。
【0022】そして、この脱硫装置20には、本発明の
好ましい態様として吸収塔21内における酸化還元反応
を制御する酸化還元反応制御手段40が設けられてい
る。酸化還元反応制御手段40は、この場合循環ポンプ
23の吐出側配管に設けられてタンク22内のスラリの
酸化還元電位を検出するセンサ41と、空気供給管25
の途上に設けられてエアスパージャ24への空気供給量
を調整する流量制御弁42と、センサ41の検出出力に
基づいてこの流量制御弁42の動作を制御するコントロ
ーラ43とよりなる。ここで、センサ41は例えば白金
よりなる電極をスラリ内に浸したものである。また、コ
ントローラ43は、エアスパージャ24への空気供給量
が、排煙からスラリ内に溶込んだ亜硫酸が酸化されて消
失するのに必要な最小限の量となるように、流量制御弁
42の開度を連続的に制御するものである。例えば具体
的には、亜硫酸濃度と酸化還元電位の相関関係に基づい
て、亜硫酸濃度がほぼゼロのときの酸化還元電位が予め
基準電位として設定されており、センサ41により検出
される酸化還元電位がこの基準電位よりも低くなると、
空気供給量をその偏差に応じて増加させ、センサ41に
より検出される酸化還元電位がこの基準電位よりも高く
なると、空気供給量をその偏差に応じて低下させるとい
った比例制御を行う。
【0023】なお、酸化還元反応制御手段40は、亜硫
酸を全量酸化するための必要最小限の空気を供給するも
のであるから、結果的にスラリ中に含まれる他の酸が亜
硫酸により略全量還元される反応を引き起こす機能も有
している。すなわち、電気集塵機5で除去されなかった
僅かなSeは、排煙とともに吸収塔21に導入されて、
4価のSe(主形態:亜セレン酸SeO3 2-)と6価の
Se(主形態:セレン酸SeO4 2- )となるが、この6
価のSeはコントローラ43の制御により、排煙から吸
収された亜硫酸と反応して4価のSe(主形態:亜セレ
ン酸SeO3 2- )となる還元反応が吸収塔21内におい
て生じるようになっている。なおこの反応は、次の反応
式(3)により表わされる。
【化2】 SeO4 2- + SO3 2- → SeO3 2- +SO4 2- (3)
【0024】以上のように構成された排煙処理システム
においては、電気集塵機5の前流において排煙は十分冷
却され、排煙中のほとんどのSeは凝縮してフライアッ
シュなどの粉塵(特に粒径の小さいもの)に付着してい
るから、排煙中のほとんどのSeは粉塵とともに電気集
塵機5により捕集される。しかも、この電気集塵機5の
前流側では、噴霧パイプ16a又は16bから処理剤A
を含む液が噴霧され、排煙中の粉塵に付着したSeと反
応する。このため、4価のSe(主形態:亜セレン酸S
eO3 2- )は、そのほとんどが次の反応式(4)、
(5)又は(6)、(7)で示される反応を起こして亜
セレン酸鉄(Fe2 (SeO3 3 )となり不溶化し
て、除去された粉塵中に混在することになる。
【化3】 FeCl3 →Fe3+ +3Cl- (4) 2Fe3+ +3SeO3 2- →Fe2 (SeO3 3 ↓ (5) 又は Fe2 (SO4 3 →2Fe3+ +3SO4 2- (6) 2Fe3+ +3SeO3 2- →Fe2 (SeO3 3 ↓ (7) そして、この場合捕集された粉塵E中のSeは、処理剤
Aにより不溶化処理されており、セメント原料等として
そのまま再利用あるいは廃棄等しても、Seの溶出基準
等をクリアできる。
【0025】一方、吸収塔21に導入された排煙は、循
環ポンプ23によりスプレパイプ26から噴射された吸
収剤スラリに接触して、亜硫酸ガス及びSeが吸収除去
され、排煙導出部21bから処理済み排煙として排出さ
れる。スプレパイプ26から噴射され充填材27を経由
して流下する吸収剤スラリ中に吸収された亜硫酸ガス
は、タンク22内においてエアスパージャ24により攪
拌されつつ吸込まれた多数の気泡と接触して酸化され、
さらには中和反応を起こして石膏となる。また、吸収塔
21内においては、前述の反応式(3)の反応により6
価のSe(主形態:セレン酸SeO4 2- )の略全量が4
価のSe(主形態:亜セレン酸SeO3 2- )に変えられ
る。なお、これらの処理中に起きている主な反応(上述
の反応式(3)以外のもの)は次の反応式(8)乃至
(10)となる。
【化4】 (吸収塔排煙導入部) SO2 +H2 O→ H+ + HSO3 - (8) (タンク) H+ +HSO3 - +1/2 O2 → 2H+SO4 2- (9) 2H+ +SO4 2- +CaCO3 +H2 O →CaSO4 ・2H2 O+CO2 (10)
【0026】こうしてタンク22内には、石膏(CaS
4 ・2H2 O)と吸収剤である少量の石灰石(CaC
3 )及び主に4価のSe(主形態:亜セレン酸SeO
3 2-)が懸濁又は溶解し、これらがスラリポンプ31に
より吸出され、固液分離機32に供給されて固液分離さ
れ、水分の少ないケーキ状の石膏C(通常、水分含有率
10%程度)として採出される。なお、この際4価のS
e(主形態:亜セレン酸SeO3 2- )は、一部溶けてい
ないものが僅かに分離された石膏Cに混入するが、ほと
んどは分離液とともに分離液タンク33に送られる。
【0027】そして、分離液タンク33の液は、前述し
たように、必要に応じ補充水Dが追加された後、ポンプ
34により一部が吸収剤スラリ槽35に送られて、石灰
石Fと混ぜ合わされ、吸収剤スラリとして再びタンク2
2に供給されて循環するわけであるが、この場合分離液
タンク33の液の一部は、前述した混合手段13に送ら
れて、処理剤Aを添加された後排煙中に噴霧される。こ
のため、上述した如く脱硫装置20に導入され4価のも
のが主体となるSeや、排煙から脱硫装置の循環液中に
混入するその他の不純物(Clなど)が、脱硫装置20
の循環液系に過剰に蓄積されることによって、高い脱硫
性能や石膏品質の維持が阻害されることがなくなるの
で、脱硫装置のための排水処理装置(電気透析機等から
なるもの)を特に設ける必要がない。すなわち、脱硫装
置20における循環液の一部が、上述したように順次抜
出されて、処理剤を添加された上で排煙中に噴霧される
ので、循環液中の4価のSeは順次不溶化されて、導入
路15から新たに導入される排煙中の4価のSeととも
に粉塵に含まれて集塵機5で除去されるからである。ま
た、循環液中に混入した他の不純物も、混合手段13や
ポンプ14よりなるこの経路により、排煙導入路15に
送られて排煙中に戻されることになるため、その一部が
粉塵とともに集塵機5で除去されるか、又は吸収塔21
を通過して排煙導出部21bから処理済排煙とともに排
出され、脱硫装置20の循環液中に累積的に蓄積される
ことがはない。
【0028】以上説明したように、この第1実施例の排
煙処理システムによると、従来どおりの排煙の浄化(粉
塵の除去、亜硫酸ガスの除去)とともに、排煙中のSe
のほとんどを、粉塵中に不溶化した形で存在させること
ができるので、再利用し、又はそのまま廃棄等すること
ができる。しかも、処理(不溶化)が困難な6価のSe
は脱硫装置20の吸収塔21において酸化還元反応制御
手段40により、処理剤により容易に廃棄処理が可能な
4価のSeに変えられるので、例えば6価のSeを4価
のSeとするための別個の反応塔を設ける場合等に比較
して、簡単かつ安価な設備で排煙中のSeの除去及び無
害化が可能となる。
【0029】しかも、上記排煙処理システムによれば、
酸化還元反応制御手段40の働きにより、結果的に6価
のSeの略全量が吸収塔21において4価のSeとなり
最終的に不溶化されて廃棄処理等されるから、残存する
6価のSe(不溶化されていないなもの)の濃度は極め
て僅かであり、溶出基準等を大きな余裕をもって満足で
きる。さらにこの場合、脱硫装置20から排出される循
環液を排煙導入路中に噴霧する構成としているので、前
述したように、排水処理設備を特に設けることなく、S
eを含む不純物が脱硫装置20の循環液中に過剰に蓄積
するのを防止できる作用があり、簡単な構成で脱硫装置
の水処理ができて、さらなるシステムのコスト低減、小
型化等が図れるとともに、脱硫性能や石膏品質を高く確
保することができる。
【0030】第2実施例 次に、前記(1)の発明の他の実施例である第2実施例
について説明する。図2は、この第2実施例の排煙処理
システムの構成を示す概略構成図である。なお、図2中
第1実施例と同様の構成要素については、同符合を使用
してその説明を省略する。この実施例の排煙処理システ
ムは、図2に示すように、吸収塔21の前流側に排煙の
冷却及び除塵を行う冷却除塵塔61が設けられた脱硫装
置60を備え、この脱硫装置60の冷却除塵塔61に、
Seなどを含む排煙が導入され、またこの冷却除塵塔6
1から抜出した液が排出循環液Bとして混合手段13に
導入される構成である点に特徴を有する。ここで、冷却
除塵塔61は、ポンプ34により分離液タンク33の液
が供給され、この液を循環ポンプ62により上部のヘッ
ダパイプ63より噴射するものである。なお、冷却除塵
塔61と吸収塔21との間には図示省略したミストエリ
ミネータが設けられている。
【0031】この場合には、脱硫装置60に入るSeを
含む不純物、すなわち電気集塵機で捕集し得なかった微
粒粉塵が、吸収塔21内にはほとんど混入しないで、主
に冷却除塵塔61において吸収され、循環液Bに含まれ
て抜出され、第1実施例と同様に処理剤Aを添加された
後排煙導入路15内に噴霧される。このため、第1実施
例と同様の作用効果に加え、より高い脱硫率の確保や石
膏Cの高い品質(純度等)を実現することができる効果
がある。
【0032】第3実施例 次に、前記(2)の発明の一実施例である第3実施例に
ついて説明する。図3は、この第3実施例の排煙処理シ
ステムの構成を示す概略構成図である。なお、図3中第
1実施例と同様の構成要素については、同符合を使用し
てその説明を省略する。この実施例の排煙処理システム
は、図3に示すように、電気集塵機を設けないで、フラ
イアッシュなどの粉塵を含んだままの排煙を脱硫装置2
0の吸収塔21に直接導入するようにした点に特徴を有
する。
【0033】この場合には、排煙中のSeのほとんどが
粉塵に含まれて全て吸収塔21内に入るが、このうち少
なくとも4価のものは排煙導入路15で噴霧された処理
剤Aと反応して不溶化し、固液分離機32において固相
側に分離されて不溶化された状態で石膏C中に混入する
ことになる。そして、6価のSeがある場合でも、これ
は第1実施例と同様に吸収塔21において4価のSeと
なり、順次排出循環液B中に含まれて抜出され、処理剤
Aを添加されて排煙導入路15に噴霧され、再度脱硫装
置20に導入されるから、結局最終的には、ほとんどす
べてのSeが4価のSeとして不溶化されて石膏C中に
混入することになる。そしてこの場合吸収塔21は、第
1実施例における電気集塵機5の機能も兼ねることにな
るから、第1実施例のシステムに比較してさらに設備コ
スト低減に貢献できる効果がある。
【0034】なおこの実施例の場合には、第1実施例等
に比しさらにコスト低減を図ることができるが、吸収塔
に多量に混入した粉塵(不純物)の影響で、高い脱硫率
の確保や石膏Cの高い品質を実現することが困難となる
恐れがあり、これが問題となる場合には、第1実施例乃
至第2実施例や後述する第4実施例の構成とするのが好
ましい。また、熱回収部4から搬出される粉塵Eは僅か
であり、また粉塵Eに含まれるSeは処理剤Aにより不
溶化されているため、そのまま廃棄処分して良い。
【0035】第4実施例 次に、前記(3)の発明の一実施例である第4実施例に
ついて説明する。図4はこの第4実施例の排煙処理シス
テムの構成を示す概略構成図である。なお、第2実施例
と同様の構成要素については、同符合を使用してその説
明を省略する。この実施例の排煙処理システムは、図4
に示すように、吸収塔21の前流側に排煙の冷却及び除
塵を行う冷却除塵塔61が設けられた脱硫装置60を備
え、この脱硫装置60の冷却除塵塔61に、粉塵が除去
されていない排煙が直接導入され、またこの冷却除塵塔
61から抜出した粉塵スラリが分離手段17により固液
分離されて、この分離手段17から導出された分離液が
混合手段13に導入される構成とした点に特徴を有す
る。なお、分離手段17は、例えば遠心沈降機よりなる
もので、冷却除塵塔61内に粉塵が導入されてなる粉塵
スラリを、水分率の少ないケーキ状のもの(粉塵ケーキ
G)にして排出する。
【0036】この場合には、排煙中のSeのほとんどが
粉塵に含まれて全て冷却除塵塔61内に導入されるが、
このうち少なくとも4価のものは排煙導入路15で噴霧
された処理剤Aと反応して不溶化し、分離手段17にお
いて固相側に分離されて不溶化された状態で粉塵ケーキ
G中に混入することになる。そして、6価のSeがある
場合でも、これは第2実施例と同様に主に冷却除塵塔6
1において4価のSeとなり、順次排出スラリ中に含ま
れて抜出され、処理剤Aを添加されて排煙導入路15に
噴霧され、再度脱硫装置20に導入されるから、結局最
終的には、ほとんどすべてのSeが4価のSeとして不
溶化されて粉塵ケーキG中に混入することになる。した
がって、この場合でも、粉塵ケーキGをそのまま廃棄等
しても、Seの溶出基準をクリアすることができる。そ
してこの場合冷却除塵塔61は、第2実施例における電
気集塵機5の機能を兼ねることになるから、第2実施例
のシステムに比較してさらに設備のコスト低減に貢献で
きる効果がある。しかもこの実施例の場合には、第3実
施例の場合とは異なり、多量の粉塵が吸収塔21に混入
することはないので、さらなる設備コストの低減が図れ
るとともに、高い脱硫率の確保や石膏Cの高い品質を実
現することかできる効果がある。
【0037】なお、本発明は以上説明した実施例に限ら
れず各種の態様があり得る。例えば、脱硫装置の吸収液
中に6価のSeが存在せず、6価以外のSeのみがある
場合には、6価のSeを還元して4価のSeにするため
の装置構成は不要である。また、脱硫装置の構成は、必
ずしも上記実施例に示したようなタンク酸化方式のもの
に限られず、例えば吸収塔から抜出したスラリが導入さ
れる酸化塔を別に設け、こき酸化塔に空気を吹込んで、
ここで最終的な酸化還元反応を行う構成でもよい。この
場合でも6価のSeは、吸収塔または酸化塔において4
価のSeに変換されることになる。また、Seを不溶化
する処理剤としては、FeCl3 またはFe2 (S
4 3 の他に、キレート剤(例えば、ミヨシ樹脂エポ
ラス MX−7)や、高分子重金属捕集剤(例えは、ミ
ヨシ樹脂エポフロック L−1)などを使用することが
できる。
【0038】
【発明の効果】前記(1)の発明の排煙処理システムに
よれば、排煙中の少なくとも4価のSeは、集塵装置で
除去される前に、噴霧手段により排煙導入路内に噴霧さ
れた処理剤と反応し不溶化する。このため、少なくとも
4価以外のSeか少ない場合には、処理後の粉塵をその
まま再利用あるいは廃棄等しても、Seの溶出基準等を
クリアできる。また、脱硫装置に酸化還元反応制御手段
を設けているので、6価のSeが存在してもこの6価の
Seを脱硫装置においてほぼ完全に4価に変えることが
できる。また、例えば集塵装置により除去されずに僅か
に脱硫装置内の循環液中に混入するSeやその他の不純
物があっても、このSeはほとんどが4価のものとなっ
て、混合手段及び噴霧手段の働きにより、他の不純物と
ともに循環液中に含まれて抜出され処理剤を添加されて
排煙導入路内に噴霧される。このため、脱硫装置の循環
液中に混入したSeなどの不純物は、集塵機で除去され
る粉塵中に混入するなどして順次排出され、これら不純
物の脱硫装置の循環液中への過剰な蓄積が防止できる。
したがって、脱硫装置の排水処理装置を設置する必要が
なくなって、システムのコスト低減及び小型化等が実現
できるとともに、脱硫装置における脱硫性能や副生物純
度を高く確保できる。
【0039】前記(2)の発明の排煙処理システムによ
れば、脱硫装置において排煙中のほとんどのSeが吸収
されるが、このうち少なくとも4価のSeは噴霧手段に
より排煙の導入路内に噴霧された処理剤と反応し不溶化
しおり、脱硫装置においてスラリから分離生成される固
形分(石膏等)に混在して排出される。また、6価のS
eは脱硫装置における還元反応により4価のSeに変化
し、脱硫装置の循環液に含まれて他の不純物とともに順
次抜出され、処理剤とともに排煙の導入路内に噴霧され
ることで、やはり最終的には脱硫装置において分離生成
される固形分(石膏等)に混在するなどして排出され、
循環液中にはSeなどの不純物が累積的に蓄積されるこ
とはない。脱硫装置における6価のSeの4価のSeへ
の変化は、酸化還元反応制御手段の効果により、ほぼ完
全に行われる。したがって、このシステムによっても、
容器にSeの溶出基準等をクリアできるのであって、し
かも排水処理装置を設けることなく脱硫装置の脱硫性能
や副生物純度を高く確保することができる。
【0040】前記(3)の発明の排煙処理システムによ
れば、脱硫装置の冷却除塵塔内において排煙中のSeの
ほとんどが吸収されるが、そのうち少なくとも4価のS
eは、噴霧手段により排煙の導入路内に噴霧された処理
剤と反応し不溶化しており、冷却除塵塔の粉塵スラリを
固液分離する分離手段において分離生成される固形分
(粉塵ケーキ)に混在して排出される。また、6価のS
eのほとんどは、冷却除塵塔内の液中に吸収された亜硫
酸と反応し還元されて4価のSeに変り、分離手段のろ
液に含まれて他の不純物とともに順次抜出され、処理剤
とともに排煙の導入路内に噴霧されることで、やはり、
最終的には不溶化されて分離手段で分離生成される固形
分に混在するなどして排出され、循環液中にはSeなど
の不純物が累積的に蓄積されることはない。したがっ
て、このシステムによっても、容易にSeの溶出基準等
をクリアできるのであって、しかも排水処理装置を設け
ることなく脱硫装置の脱硫性能や副生物純度を高く確保
できる。またこのシステムでは、脱硫装置の吸収塔内の
スラリ中には粉塵等の不純物がほとんど混入しないた
め、脱硫装置における脱硫率や石膏純度等の性能を特に
高く維持することができる。
【0041】前記(4)の発明の排煙処理システムによ
れば、6価のSeが存在する場合、この6価のSeを脱
硫装置においてほぼ完全に4価に変えることができて、
排煙中のSeの処理がより容易かつ完全に行えるように
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の排煙処理システムの構成
を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第2実施例の排煙処理システムの構成
を示す概略構成図である。
【図3】本発明の第3実施例の排煙処理システムの構成
を示す概略構成図である。
【図4】本発明の第4実施例の排煙処理システムの構成
を示す概略構成図である。
【図5】従来の排煙処理システムの構成を示す概略構成
図である。
【符合の説明】
5.電気集塵機(集塵装置) 13.混合手段 14.ポンプ(噴霧手段) 16a,16b.噴霧パイプ(噴霧手段) 17.分離手段 20.60. 脱硫装置 21.吸収塔 40.酸化還元反応制御手段 61.冷却除塵塔 A.処理剤 B.循環液 C.石膏 E.粉塵
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多谷 淳 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三菱重工業株式会社 本社内 (72)発明者 鵜川 直彦 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島研究所内 (72)発明者 日野 正夫 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島研究所内 (72)発明者 沖野 進 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島研究所内 (72)発明者 春木 隆 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島研究所内 (72)発明者 高品 徹 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島研究所内 (56)参考文献 特開 平2−139016(JP,A) 特開 昭63−72340(JP,A) 特開 昭48−66015(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/34

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜硫酸ガス、粉塵及びSe分を含む排煙
    を処理する排煙処理システムであって、排煙中の粉塵を
    除去する集塵装置と、亜硫酸ガスを吸収除去する吸収剤
    スラリが循環する吸収塔を有する脱硫装置と、前記脱硫
    装置から抜出された吸収剤スラリを構成する循環液に、
    少なくとも4価のSeを不溶化する処理剤を混入させる
    混合手段と、この混合手段により処理剤が混入された循
    環液を、前記集塵装置の前流の排煙導入路内に噴霧する
    噴霧手段とを備えてなり、前記脱硫装置内においてスラ
    リ中に混入した6価のSeがスラリ中の亜硫酸により還
    元されて4価となるように、前記脱硫装置内の酸化還元
    反応を制御する酸化還元反応制御手段を設けたことを特
    徴とする排煙処理システム。
  2. 【請求項2】 亜硫酸ガス、粉塵及びSe分を含む排煙
    を処理する排煙処理システムであって、排煙中の亜硫酸
    ガスを吸収除去する吸収剤スラリが循環する吸収塔を有
    する脱硫装置と、前記脱硫装置から抜出された吸収剤ス
    ラリを構成する循環液に、少なくとも4価のSeを不溶
    化する処理剤を混入させる混合手段と、この混合手段に
    より処理剤が混入された循環液を、前記脱硫装置の前流
    の排煙の導入路内に噴霧する噴霧手段とを備え、前記排
    煙が直接前記脱硫装置に導入されるように構成されてな
    り、前記脱硫装置内においてスラリ中に混入した6価の
    Seがスラリ中の亜硫酸により還元されて4価となるよ
    うに、前記脱硫装置内の酸化還元反応を制御する酸化還
    元反応制御手段を設けたことを特徴とする排煙処理シス
    テム。
  3. 【請求項3】 亜硫酸ガス、粉塵及びSe分を含む排煙
    を処理する排煙処理システムであって、冷却除塵塔が吸
    収塔の前流に設けられ、排煙中の亜硫酸ガスを吸収除去
    する吸収剤スラリが循環する吸収塔を有する脱硫装置
    と、前記冷却除塵塔から抜出される循環スラリを固液分
    離する分離手段と、この分離手段から導出された分離液
    に少なくとも4価のSeを不溶化する処理剤を混入させ
    る混合手段と、この混合手段により処理剤が混入された
    分離液を、前記脱硫装置の前流の排煙の導入路内に噴霧
    する噴霧手段とを備え、前記排煙が直接前記脱硫装置の
    冷却除塵塔に導入されるように構成されてなることを特
    徴とする排煙処理システム。
  4. 【請求項4】 前記脱硫装置内においてスラリ中に混入
    した6価のSeがスラリ中の亜硫酸により還元されて4
    価となるように、前記脱硫装置内の酸化還元反応を制御
    する酸化還元反応制御手段を設けたことを特徴とする
    求項3に記載の排煙処理システム。
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