JP6177755B2 - 石膏脱水装置 - Google Patents

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Description

本発明は、石膏脱水装置に関する。
発電所等においては、重油等を燃焼した際に、窒化酸化物や硫黄酸化物等の有害物を含有する排ガスが発生する。そのため、発電所等では、排ガスに含まれる窒化酸化物を脱硝設備で除去し、硫黄酸化物を排煙脱硫設備で除去している。排煙脱硫設備での硫黄酸化物の除去方法の一つとして、石灰石膏法が知られている。石灰石膏法では、石灰石スラリーに硫黄酸化物を吸収させることにより、排ガスから硫黄酸化物を除去している。このとき、石灰石スラリーと硫黄酸化物とが反応して、石膏スラリーが生成される。この石膏スラリーを脱水することにより、石膏が得られる。石膏スラリーの脱水装置としては、例えば、ろ布等を介して水を真空吸引するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−132626号公報
ところで、上記脱硝設備では、排ガスにアンモニアを添加し、脱硝触媒によりアンモニアと窒化酸化物とを反応させて水と窒素に分解するアンモニア接触還元法により、排ガスから窒化酸化物を除去する場合がある。この場合、脱硝処理後に排煙脱硫設備において生成された石膏に、アンモニアの臭気が残ってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、石膏のアンモニア臭気を低減することができる石膏脱水装置を提供することを課題とする。
本発明に係る石膏脱水装置は、アンモニアを含む石膏スラリーを脱水して石膏を得る石膏脱水装置であって、石膏スラリーが載置されると共に通水性を有するベルトを備え、石膏スラリーを搬送する搬送手段と、ベルトにおける石膏スラリーが載置される側とは反対側からベルトを介して石膏スラリーの水分を吸引する吸引手段と、を有する脱水部と、ベルトの上方に配置され、石膏スラリーに洗浄水を散布する洗浄部と、を備え、洗浄部は、石膏スラリーの搬送方向に交差する方向に沿って延在する供給管に設けられ、洗浄水を上方に向かって噴射する複数の供給部と、複数の供給部の上方に配置され、複数の供給部から噴射された洗浄水を受け止める受け止め部と、受け止め部に設けられ、受け止め部で受け止められた洗浄水を分散させる分散部と、を有する。
この石膏脱水装置は、石膏スラリーに洗浄水を散布する洗浄部を備えている。アンモニアは、水に溶けやすいといった性質を有している。そのため、石膏脱水装置は、石膏スラリーに洗浄水を散布することにより、石膏スラリー(石膏)からアンモニアを除去することができる。特に、洗浄部は、石膏スラリーの搬送方向に交差する方向に沿って延在する供給管に設けられた供給部から上方に向かって噴射される洗浄水を、受け止め部で受け止め、その受け止められた洗浄水を、分散部で分散させて石膏スラリーに供給する。これにより、石膏スラリーに対して洗浄水が均一に散布されるため、ベルト上に載置された石膏スラリーに洗浄水がまんべんなく行きわたり、石膏スラリーからアンモニアを確実に除去することができる。したがって、石膏脱水装置では、石膏のアンモニア臭気を低減することができる。なお、洗浄水は、例えば水道水である。
一実施形態においては、受け止め部は、洗浄水を受け止めると共に上に凸状の受け止め面を有し、分散部は、受け止め面の下端部に設けられ、凹凸状を成していてもよい。この場合、洗浄水は、受け止め面により受け止められた後、受け止め面を伝って下端部に案内され、凹凸状の分散部の形状によって分散される。したがって、石膏スラリーに対して洗浄水を均一に散布することが可能となる。
一実施形態においては、受け止め部は、洗浄水を受け止める受け止め面を有し、分散部は、受け止め面に設けられた突起であってもよい。この場合、洗浄水が受け止め面により受け止められた後、受け止め面に設けられた突起の形状によって分散される。したがって、石膏スラリーに対して洗浄水を均一に散布することが可能となる。また、突起は受け止め部の平面又は曲面上の任意の場所に設けることができるので、設計の自由度が増す。
一実施形態においては、複数の供給部は、供給管において、当該供給管の延在方向に沿って30mm〜90mm間隔で設けられていてもよい。これにより、洗浄水の供給をより均一化し、アンモニア臭気を一層低減させることができる。
本発明によれば、石膏のアンモニア臭気を低減することができる石膏脱水装置を提供することが可能となる。
本実施形態に係る石膏脱水装置が設けられる排煙脱硫設備の構成を示す図である。 図1に示される石膏脱水装置の構成を示す断面図である。 図1に示される石膏脱水装置の構成を示す斜視図である。 図2に示される洗浄部の構成を示す図である。 従来技術に係る石膏脱水装置の洗浄部の構成を示す図である。 変形例に係る石膏脱水装置の洗浄部における散布部及び分散部の構成を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態に係る石膏脱水装置が設けられる排煙脱硫設備の構成を示す図である。排煙脱硫設備は、発電所等で発生した排ガスに含まれる硫黄酸化物(SO)を石灰石膏法により除去する設備である。石灰石膏法では、石灰石スラリー(CaCO・2HO)に硫黄酸化物を吸収させることにより、排ガスから硫黄酸化物を除去している。このとき、石灰石スラリーと硫黄酸化物とが反応して、石膏スラリー(CaSO・2HO)が生成される。この石膏スラリーを脱水することにより、石膏(CaSO)が得られる。
また、排ガスには、窒化酸化物(NO)が含まれている。この窒化酸化物は、脱硝設備(不図示)で除去される。脱硝設備では、排ガスにアンモニアを添加し、脱硝触媒によりアンモニアと窒化酸化物とを反応させて水と窒素とに分解するアンモニア接触還元法が用いられる。このため、脱硝処理後に排煙脱硫設備において得られた石膏スラリーには、アンモニアが含まれる。
排煙脱硫設備100について説明する。図1に示されるように、排煙脱硫設備100は、吸収塔1と、吸収塔循環ポンプ2と、吸収塔抜出ポンプ3と、石膏脱水装置4と、コンベア5と、ろ過液ピット6と、ろ過液ポンプ7と、を具備している。吸収塔1は、外部から硫黄酸化物を含む排ガス、石灰石スラリー、酸化用の空気、及び補給水を導入して、排ガスから硫黄酸化物を除去し、処理ガス及び石膏スラリーSを得た後、得られた処理ガス及び石膏スラリーSを外部へ排出する。吸収塔1は、導入された石灰石スラリーを排ガス中の硫黄酸化物を吸収する吸収スラリーAとして、吸収塔1の下部に設けられた液室に貯留する。
吸収塔循環ポンプ2は、液室に貯留された吸収スラリーAを吸収塔1の噴霧部に送る。噴霧部は、吸収スラリーAをスプレー状に噴き出し、吸収塔1内に降らせて排ガスに接触させ、吸収スラリーAに排ガス中の硫黄酸化物を吸収させる。液室は、硫黄酸化物を吸収した吸収スラリーAを貯留し、吸収スラリーAを攪拌機で撹拌しながら排ガス中の酸素及び空気中の酸素により酸化させ、石膏スラリーSを生成する。攪拌機による撹拌により、吸収スラリーAの酸化が促進される。
吸収塔抜出ポンプ3は、液室から石膏スラリーSの一部を抜き出し、抜き出した石膏スラリーSを石膏脱水装置4に供給する。石膏脱水装置4は、アンモニアを含む石膏スラリーSを脱水して石膏C及びろ過液Pを得る(詳しくは、後述)。コンベア5は、石膏脱水装置4で得られた石膏Cを石膏倉庫へと送る。ろ過液ピット6は、石膏脱水装置4で生じたろ過液Pを貯留する。ろ過液ポンプ7は、ろ過液ピット6に貯留されたろ過液Pを原料調整工程に送ってもよいし、吸収塔1に補給水として送ってもよいし、又は噴霧用排水タンク(不図示)に送ってもよい。
以上のように構成された排煙脱硫設備100では、石灰石スラリーは、石灰石(CaCO)を水に懸濁させることにより作られた後、吸収塔1に導入され、吸収スラリーAとして下部の液室に貯留される。排ガスは、入口ダクトから吸収塔1内に導入される。液室に貯留された吸収スラリーAは、吸収塔循環ポンプ2により吸収塔1の上部の噴霧部に送られる。噴霧部に送られた吸収スラリーAは、噴霧部により吸収塔1内でスプレー状に噴き出される。
スプレー状の吸収スラリーAは、吸収塔1内に導入された排ガスに接触して、排ガス中の硫黄酸化物を吸収しながら降下し、液室に回収される。吸収スラリーAは、液室において、更に排ガス中の酸素及び空気中の酸素により酸化され、石膏スラリーSを生成する。このとき、液室の吸収スラリーAは、撹拌機による撹拌により、酸化が促進される。排ガスは、吸収スラリーAにより硫黄酸化物が吸収除去され、処理ガスとしてフィルターを経て外部へ排出される。これらの反応は、以下の反応式(1)で示される。
CaCO+SO+1/2O+2HO=CaSO・2HO+CO・・・(1)
生成された石膏C等は、石灰石と共存した状態で液室に貯留される。通常、吸収塔1内では、吸収スラリーAは、石膏Cを多く含んだ状態で循環させて用いられる。これにより、石灰石を有効利用し、後段で得られる石膏Cの濃度を一定以上に保つことができる。蒸発して処理ガスとともに吸収塔1の外部に排出される水分は、吸収塔1に導入される補給水により補われる。
液室に貯留された石膏スラリーSは、吸収塔抜出ポンプ3により、吸収塔1から抜き出されて、石膏脱水装置4に供給される。石膏スラリーSは、石膏脱水装置4により脱水され、石膏Cと、ろ過液Pと、に分離される。石膏Cは、コンベア5によって石膏倉庫へと送られる。ろ過液Pは、ろ過液ピット6に貯留される。ろ過液Pは、必要に応じて、ろ過液ポンプ7により原料調整工程(不図示)に送られてもよいし、吸収塔1に補給水として送られてもよいし、又は噴霧用排水タンクに送られてもよい。
次に、石膏脱水装置4について詳細に説明する。図2は、図1に示される石膏脱水装置の構成を示す断面図である。図3は、図1に示される石膏脱水装置の構成を示す斜視図である。図2及び図3に示されるように、石膏脱水装置4は、脱水部11と、洗浄部12と、を備えている。脱水部11は、石膏スラリーSを搬送するベルトフィルタ(搬送手段)13と、石膏スラリーSの水分を吸引する真空ポンプ(吸引手段)14と、を有している。
ベルトフィルタ13は、水平ベルト式のろ過機である。ベルトフィルタ13は、回転自在に支持された2個のドラム15,16と、ドラム15,16に水平に巻き回されて周回するベルト17と、ドラム15,16の上方側を走行するベルト17に沿ってベルト17の両側に設けられるサイドレール18と、ドラム15,16の上方側を走行するベルト17の下面側17bに設けられる真空パン19と、を備えている。
ドラム15,16は、互いに同じ方向に回転し、外周面に接して設けられるベルト17を走行させる。ベルト17は、ドラム15,16の上方側を走行する部分の上面側17aに石膏スラリーSが載置される。ベルト17は、通水性を有しており、例えばメッシュ状である。ベルト17は、搬送方向Dに沿って、石膏スラリーSをドラム15側からドラム16側へと搬送する。サイドレール18は、石膏スラリーSをせき止め、石膏スラリーSがベルト17の上面側17aから両側に流れ落ちるのを防ぐ。真空パン19は、ベルト17でろ過されたろ過液P、すなわち、石膏スラリーSの水分を受け止める。真空パン19は、真空ポンプ14に接続されている。真空ポンプ14は、ベルト17及び真空パン19を介して、石膏スラリーSの水分を吸引する。
洗浄部12は、ベルト17の上方に配置され、石膏スラリーSに洗浄水Wを散布する。洗浄水Wは、例えば、水道水である。洗浄部12は、バルブ20により洗浄水Wの散布量を調整する。洗浄部12は、ベルト17の始端側17sに配置されていることが好ましい。具体的には、洗浄部12は、ベルト17の始端側17sから洗浄部12までの距離Lsと終端側17gから洗浄部12までの距離Lgとの比が、例えば、1:9の位置に設けられている。ベルト17の始端側17sとは、ドラム15の頂部上に位置する部分であり、ベルト17の終端側17gとは、ドラム16の頂部上に位置する部分である。
図4は、図2に示される洗浄部の構成を示す図である。図4(a)は、側面図であり、図4(b)は、斜視図であり、図4(c)は、図4(a)の(c)−(c)線に沿っての断面図である。
図4に示されるように、洗浄部12は、石膏スラリーSの搬送方向D(図2参照)に交差(直交)する方向に沿って延在する供給管21と、供給管21の上方に供給管21に沿って配置される散布部(受け止め部)22と、を有している。
供給管21は、バルブ20を介して洗浄水源に接続されており、内部に洗浄水Wを流通させる管である。供給管21は、例えば、内径が約22mm、全長が2400mmである。供給管21には、複数の供給部23が所定間隔で設けられている。複数の供給部23のそれぞれは、供給管21の内部と外部とを連通する開口(貫通穴)である。複数の供給部23は、散布部22に対向する位置に設けられている。複数の供給部23は、直径が例えば2.5mmであり、供給管21の延在方向に沿って例えば30mm〜90mm間隔で設けられている。供給部23の直径を2.5mm以上とすると、異物が詰まり難いため好ましい。供給管21は、複数の供給部23から洗浄水Wを上方に向かって噴射させる。
散布部22は、供給管21に設けられている複数の供給部23から噴射された洗浄水Wを受け止め、受け止めた洗浄水Wを分散させて石膏スラリーSに散布する。散布部22は、細長い直方体状の箱型部材であり、一側面部が開放されている。散布部22は、細長い長方形状を呈する上部24と、上部24の短手方向の縁部から上部24の面方向に直交する方向に延在し、互いに対向する一対の側部25,25と、上部24の長手方向の縁部から上部24の面方向に直交する方向に延在し、互いに対向する一対の側部26,26と、を有している。
上部24の内面24aは、供給管21の供給部23と対向する。上部24の内面24a及び側部25の内面25aは、洗浄水Wを受け止める受け止め面を構成しており、上に凸状を成している。側部26の内面26aは、洗浄水Wをせき止め、洗浄水Wがベルト17の両側に流れ落ちるのを防いでいる。
2つの側部25(内面25a)の下端部25eのそれぞれには、連続してジグザグに屈曲する鋸歯状(凹凸状)を成している分散部27が設けられている。鋸歯の一つ一つは、下向きの三角形である。分散部27は、上部24の内面24a及び側部25の内面25aにより受け止めた洗浄水Wを分散させる。
具体的には、散布部22は、洗浄水Wを上部24の内面24aで受け止めた後、上部24及び側部25の内面24a及び内面25aを伝って洗浄水Wを側部25の下端部25eに案内する。散布部22は、下端部25eに案内された洗浄水Wを、分散部27の鋸歯状の形状によって分散し、分散部27の先端部から石膏スラリーSへと供給する。供給管21における複数の供給部23が設けられる部分の長さ及び散布部22の長さは、ベルト17の幅方向の長さに対応している。
本実施形態の石膏脱水装置4では、上述のように、石膏スラリーSは、ベルトフィルタ13におけるベルト17の上面側17aに供給される。このときの石膏スラリーSの温度は、例えば、60℃である。石膏スラリーSは、ベルト17の始端側17sに供給され、上面側17aに載置された状態で終端側17gへと搬送される。ベルト17が通水性を有し、真空ポンプ14がベルト17の下面側17bからベルト17及び真空パン19を介して石膏スラリーSの水分を吸引するので、石膏スラリーSは搬送後に石膏Cとろ過液Pとに分離される。
以上説明したように、石膏脱水装置4は、石膏スラリーSに洗浄水Wを散布する洗浄部12を備えている。アンモニアは、水に溶けやすいといった性質を有している。そのため、石膏脱水装置4は、石膏スラリーSに洗浄水Wを散布することにより、石膏スラリーS(石膏C)からアンモニアを除去することができる。
特に、洗浄部12は、石膏スラリーSの搬送方向Dに交差する方向に沿って延在する供給管21に設けられた複数の供給部23から上方に向かって噴射される洗浄水Wを、散布部22の上部24及び側部25の内面24a及び内面25aで構成される受け止め面で受け止め、その受け止められた洗浄水Wを、散布部22の側部25の下端部25eに設けられた分散部27によって分散させて石膏スラリーSに供給する。これにより、石膏スラリーSに対して洗浄水Wが均一に散布されるため、ベルト17上に載置された石膏スラリーSに洗浄水Wがまんべんなく行きわたり、石膏スラリーSからアンモニアを確実に除去することができる。したがって、石膏脱水装置4では、石膏Cのアンモニア臭気を低減することができる。
分散部27は、鋸歯状(凹凸状)を成し、鋸歯の一つ一つは下向きの三角形である。このため、洗浄水Wは、散布部22の上部24の内面24aに受け止められた後、上部24及び側部25の内面24a及び内面25aを伝って洗浄水Wを下端部25eに案内される。下端部25eに案内された洗浄水Wは、表面張力で分散部27の鋸歯状の形状によって分散して、下向き三角形の頂点である先端部から石膏スラリーSへと供給される。したがって、石膏スラリーSに対して洗浄水Wを均一に散布することが可能となる。
石膏脱水装置4では、含水量の規定を満足すると共に、アンモニア臭気を低減した石膏Cを得ることができる。含水量の規格は、例えば、10wt%以下である。アンモニア臭気は、アンモニア含有量が、例えば、25vppm以下であれば、人が気にならない程度であり、アンモニア臭気が低減されたということができる。
複数の供給部23は、供給管21において、供給管21の延在方向に沿って例えば30mm〜90mm間隔で設けられているので、洗浄水Wの供給をより均一化し、アンモニア臭気を一層低減させることができる。
洗浄部12は、ベルト17の始端側17sに配置されていることが好ましく、例えば、ベルト17の始端側17sからの距離Lsと終端側17gからの距離Lgとの比が1:9の位置に設けられている。これにより、脱水部11による石膏スラリーSの脱水時間を確保できるため、得られる石膏Cの含水量の規定を満足しつつ、アンモニア臭気をより低減させることができる。
図5は、従来技術に係る石膏脱水装置の洗浄部の構成を示す図である。図5(a)は、側面図であり、図5(b)は、斜視図であり、図5(c)は、図5(a)の(c)−(c)線に沿っての断面図である。従来技術の石膏脱水装置は、実施形態の石膏脱水装置4と洗浄部の構成が異なるのみで、その他の点は同一である。
図5に示されるように、洗浄部30は、石膏スラリーSの搬送方向D(図2参照)に交差する方向に沿って延在する供給管31のみで構成されている。供給管31には、複数の供給部33が所定間隔で設けられている。複数の供給部33のそれぞれは、供給管31の内部と外部とを連通する開口(貫通穴)である。複数の供給部33は、ベルト17の上面側17a(図2参照)に対向する位置に設けられている。複数の供給部33は、直径が例えば2.5mmであり、供給管31の延在方向に沿って例えば30mm〜90mm間隔で設けられている。供給管31は、内部に洗浄水Wを流通させ、複数の供給部33から洗浄水Wを下方に向かって噴射させる。
従来技術に係る石膏脱水装置では、散布部及び分散部を有していないので、石膏スラリーSに対して洗浄水Wが均一に散布され難い。このため、ベルト17上に載置された石膏スラリーSに洗浄水Wがまんべんなく行きわたり難く、石膏スラリーSにアンモニアが残存し易くなる。このため、従来技術に係る石膏脱水装置では、石膏Cのアンモニア臭気を低減させ難い。
また、従来技術に係る石膏脱水装置では、複数の供給部33がベルト17の上面側17aに対向するように供給管31に設けられている。このため、複数の供給部33から噴射された洗浄水Wが石膏スラリーSで跳ね返った際に、石膏スラリーS中の固形物が開口である供給部33に詰まってしまう恐れがある。供給部33が詰まると、その部分から洗浄水Wが供給されなくなる。このため、洗浄水Wが均一に散布されず、石膏スラリーS(石膏C)のアンモニア濃度を十分に低減することができない場合がある。
これに対して、実施形態に係る石膏脱水装置4では、複数の供給部23がベルト17の上面側17aとは逆側に向いている。したがって、供給部23に異物が詰まりにくく、石膏スラリーS(石膏C)のアンモニア濃度を低減する上で有利である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、散布部22が直方体状の箱型部材である形態を一例に説明したが、散布部22の形状はこれに限定されない。散布部22は、洗浄水Wを受け止めると共に上に凸状の受け止め面を有していればよい。散布部22は、例えば、断面が円形の一部又は多角形の一部であるよう箱型部材であってもよく、断面が逆U字状の箱型部材であってもよいし、断面が逆V字状の箱型部材であってもよい。また、洗浄水Wがベルト17の上面側17aの両側に流れ落ちなければ、散布部22は、石膏スラリーSの搬送方向Dに平行な方向に配置される側部(例えば、側部26)を備えなくてもよい。また、散布部22は、石膏スラリーSの搬送方向Dに平行な方向に配置される側部(例えば、側部26)の下端部にも、側部25と同様に分散部を設けてもよい。
分散部27は、2つの側部25の下端部25eに設けられる鋸歯状を成す部分であり、鋸歯の一つ一つは、下向きの三角形であるが、分散部27は、2つの側部25の下端部25eに設けられる凹凸状を成す部分であればよく、例えば、櫛歯状、又は連続して湾曲する波状を成す部分であってもよい。また、分散部27は、2つの側部25の下端部25eのいずれか一方にのみ設けてもよい。また、分散部27は、2つの側部25の下端部25eにおいて、例えば、配置や形状を変える等して、それぞれ異なる形態で設けてもよい。
図6は、変形例に係る石膏脱水装置の洗浄部における散布部及び分散部の構成を示す図である。図6(a)は、側面図であり、図6(b)は、下面図である。図6に示されるように、散布部(受け止め部)35は、長方形を成す平板状の部材であり、供給管21と対向する側に受け止め面36を有している。受け止め面36には、全面に分散部37である円錐状の突起が複数設けられている。これによれば、洗浄水Wを受け止め面36で受け止めると共に、分散部37により洗浄水Wを石膏スラリーSに対して均一に散布することができる。なお、受け止め面36は、平面に限られず曲面であってもよいし、上に凸状であってもよい。また、分散部37は、受け止め面36に対して、部分的に設けられてもよい。また、分散部37は、円錐状の突起に限られず、多角錐状、円柱状、多角柱状、半球状、又は棒状等であってもよい。突起は散布部35の受け止め面36の任意の場所に設けることができるので、設計の自由度が増す。
洗浄水Wは、例えば、水道水であるとしたが、pH及び温度が調整されてもよい。
ここで、本実施形態によれば、石膏のアンモニア臭気を低減することができることを、実施例と比較例とによって、具体的に示す。
(実施例)
上述した実施形態に係る石膏脱水装置4に対応する石膏脱水装置を用意した。実施例に係る石膏脱水装置では、洗浄部の供給管として、外径27.2mm、内径21.6mm、全長2400mmの配管を用い、複数の供給部を直径2.5mmで、供給管の延在方向に沿って90mm間隔で設けた。実施例に係る石膏脱水装置において、洗浄水の水量を1.6t/hに設定して、アンモニア濃度が70〜90vppmである石膏スラリーを脱水し、石膏を得た。
(比較例1)
上述した従来技術に係る石膏脱水装置であって、散布部及び分散部を有さない石膏脱水装置を用意した。比較例1に係る石膏脱水装置では、洗浄部の供給管として、実施例と同様の配管を用い、実施例と同様に複数の供給部を設けた。比較例に係る石膏脱水装置において、洗浄水の水量を1.7t/hに設定して、アンモニア濃度が実施例と同じである石膏スラリーを脱水し、石膏を得た。
(比較例2)
上述した従来技術に係る石膏脱水装置であって、散布部及び分散部を有さない石膏脱水装置を用意した。比較例2に係る石膏脱水装置では、洗浄部の供給管として、実施例と同様の配管を用い、複数の供給部を直径1.5mmで、供給管の延在方向に沿って30mm間隔で設けた。比較例2に係る石膏脱水装置において、洗浄水の水量を変化させて、アンモニア濃度が実施例と同じである石膏スラリーを脱水し、石膏を得た。
(含水量及びアンモニア濃度の測定結果)
実施例及び比較例1,2に係る石膏脱水装置により、それぞれ得られた石膏の含水量及びアンモニア濃度を測定した。測定結果を各目標値(規格値)と共に表1に示す。
Figure 0006177755
表1に示されるように、実施例では、含水量が規格値を満足すると共に、石膏のアンモニア濃度が0〜1vppmにまで低減され、石膏のアンモニア臭気を低減することができた。これに対して、比較例1では、含水量が規格値を満足するものの、石膏のアンモニア濃度が5〜20vppmと高い値に留まった。これは、実施例では、分散部により、洗浄水が石膏スラリーに対して均一に散布され、アンモニアが十分に除去できたのに対し、比較例1では、洗浄水が石膏スラリーに対して均一に散布されず、アンモニアが十分に除去できなかったためと考えられる。
また、実施例では、石膏のアンモニア濃度が比較的安定したのに対し、比較例1では、石膏のアンモニア濃度が安定せず、ばらつきが大きかった。これは、実施例では、洗浄水の供給管において、複数の供給部が石膏スラリーに対向しないように設けられており、石膏スラリー中の固形物が洗浄水の噴射によって跳ね返った場合も、供給部が詰まり難いのに対し、比較例1では、複数の供給部が石膏スラリーに対向するように設けられており、供給部が詰まり易いためと考えられる。
また、比較例2では、含水量が規格値を満足するものの、石膏のアンモニア濃度にばらつきがあり、比較例2−2の場合のように、目標値を超える場合もあった。比較例2におけるこのようなアンモニア濃度のばらつきは、水量との相関がみられない。したがって、複数の供給部の直径がアンモニア濃度のばらつきに影響したと考えられる。即ち、実施例及び比較例1では、複数の供給部の直径が2.5mmであるのに対し、比較例2では、複数の供給部の直径が1.5mmであり、供給部がより詰まり易く、アンモニア濃度のばらつきが生じたと考えられる。
以上のように、実施例に係る石膏脱水装置は、石膏のアンモニア臭気を低減することが確認できた。また、実施例に係る石膏脱水装置は、比較例1、2に係る石膏脱水装置よりも石膏のアンモニア臭気を安定して低減する上で有利であることが確認できた。更に、供給部の直径を適切な範囲に設定することで、石膏のアンモニア臭気を安定して低減する上でより有利であることが確認できた。
4…石膏脱水装置、11…脱水部、12…洗浄部、13…ベルトフィルタ(搬送手段)、14…真空ポンプ(吸引手段)、17…ベルト、17s…ベルトの始端、17g…ベルトの終端、21…供給管、22…散布部(受け止め部)、23…供給部、24a…内面(受け止め面)、25a…内面(受け止め面)、25e…下端部、27…分散部、35…散布部(受け止め部)、36…受け止め面、37…分散部、C…石膏、D…搬送方向、Ls…ベルトの始端側から洗浄部までの距離、Lg…ベルトの終端側から洗浄部までの距離、S…石膏スラリー、W…洗浄水。

Claims (4)

  1. アンモニアを含む石膏スラリーを脱水して石膏を得る石膏脱水装置であって、
    前記石膏スラリーが載置されると共に通水性を有するベルトを備え、前記石膏スラリーを搬送する搬送手段と、前記ベルトにおける前記石膏スラリーが載置される側とは反対側から前記ベルトを介して前記石膏スラリーの水分を吸引する吸引手段と、を有する脱水部と、
    前記ベルトの上方に配置され、前記石膏スラリーに洗浄水を散布する洗浄部と、を備え、
    前記洗浄部は、
    前記石膏スラリーの搬送方向に交差する方向に沿って延在する供給管に設けられ、前記洗浄水を上方に向かって噴射する複数の供給部と、
    前記複数の供給部の上方に配置され、前記複数の供給部から噴射された前記洗浄水を受け止める受け止め部と、
    前記受け止め部に設けられ、前記受け止め部で受け止められた前記洗浄水を分散させる分散部と、を有する、石膏脱水装置。
  2. 前記受け止め部は、前記洗浄水を受け止めると共に上に凸状の受け止め面を有し、
    前記分散部は、前記受け止め面の下端部に設けられ、凹凸状を成している、請求項1記載の石膏脱水装置。
  3. 前記受け止め部は、前記洗浄水を受け止める受け止め面を有し、
    前記分散部は、前記受け止め面に設けられた突起である、請求項1記載の石膏脱水装置。
  4. 前記複数の供給部は、前記供給管において、当該供給管の延在方向に沿って30mm〜90mm間隔で設けられている、請求項1〜3のいずれか一項記載の石膏脱水装置。
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