JP2007007612A - 排ガス処理装置及び方法 - Google Patents

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Susumu Okino
沖野  進
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喜雄 中山
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康浩 竹内
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Abstract

【課題】石灰石膏法の吸収液中に溶解した水銀の再放散を抑制することができる排ガス処理装置及び排ガス処理方法を提供する。
【解決手段】排ガス11中に含有される硫黄酸化物(SOx)及び水銀(Hg)を処理する排ガス処理装置において、前記硫黄酸化物を石灰石、消石灰等の石灰吸収液12で石膏13として除去する脱硫装置14と、前記脱硫装置14から排出された石膏13を含む石灰吸収液12を貯留する吸収液槽15と、前記吸収液槽15からの石灰吸収液12を前記脱硫装置14内に循環する吸収液循環ライン16と、前記吸収液循環ライン16の石灰吸収液12の酸化還元電位を計測する酸化還元電位計17と、前記酸化還元電位計17からの指令により空気18を前記石灰吸収液12中に供給する空気供給部19と、前記石灰吸収液12中に酸素20を供給する酸素供給部21とを具備するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、本発明は例えば石炭等のような化石燃料を燃焼した際に発生する排ガス中の硫黄酸化物を石灰石等の吸収剤により石膏として処理する脱硫処理において、前記排ガス中に共存する水銀を吸収液より放散させないように処理する排ガス処理装置及び方法に関する。
例えば石炭等の化石燃料を用いてボイラにて燃焼させた場合には、その排ガス中に硫黄酸化物以外に、水銀が含まれているので、硫黄酸化物を石灰石膏法で除去する前段側において、塩化水素ガスを導入して塩化水銀とし、該塩化水銀を石灰石膏法に用いる吸収液に溶解させている。しかし、水銀を塩化水銀として吸収液中に一旦溶解させた場合でもその放散があるので、その抑制方法として、吸収液の酸化還元電位(ORP:Oxidation−Reduction Potential、以下「ORP」ともいう)を調整する方法が提案されている。このORP調節法としては、例えば空気の添加や、次亜塩素酸ナトリウム、塩素等の酸化剤を吸収液に添加するものである(特許文献1)。
特開2004−313833号公報
しかしながら、吸収液に空気を添加してORPを調節するには、空気中酸素の必要量を吸収液に溶解させるための液-ガス接触面積が必要である、という問題がある。
一方、吸収液中水銀は蒸気圧を有し、空気と接触すると気液平衡上空気中へ水銀蒸気が放散されることとなる。この現象は液-ガス接触面積が大きいほど、且つ吸収液中水銀濃度が高いほど空気への放散量が増大する。
また、後述する試験例に示すように、ORPの調整のために空気を供給する場合には、該空気への移動する水銀の86%以上は水に不溶の金属水銀Hg0であることが確認されており、脱硫装置の吸収液でも補足されることなく吸収塔から系外に排ガスと共に排出される、という問題がある。
さらに、ORPの調整用に添加された空気は、排ガスと合流するため、結果として脱硫装置での水銀除去率が低下することとなる。
本発明は、前記問題に鑑み、石灰石膏法の吸収液中に溶解した水銀の再放散を抑制することができる排ガス処理装置及び排ガス処理方法を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、排ガス中に含有される硫黄酸化物(SOx)及び水銀(Hg)を処理する排ガス処理装置において、前記硫黄酸化物を石灰吸収液で石膏として除去する脱硫装置と、石膏を含む石灰吸収液を貯留する吸収液槽と、前記吸収液槽からの石灰吸収液を前記脱硫装置内に循環する循環ラインと、前記循環ラインの石灰吸収液の酸化還元電位を計測する酸化還元電位計と、前記酸化還元電位計からの指令により空気を前記石灰吸収液中に供給する空気供給部と、前記石灰吸収液中に酸素を供給する酸素供給部とを具備することを特徴とする排ガス処理装置にある。
第2の発明は、排ガス中に含有される硫黄酸化物(SOx)及び水銀(Hg)を処理する排ガス処理装置において、前記硫黄酸化物を石灰吸収液で石膏として除去する脱硫装置と、石膏を含む石灰吸収液を貯留する吸収液槽と、前記吸収液槽からの石灰吸収液を前記脱硫装置内に循環する循環ラインと、前記循環ラインの石灰吸収液の酸化還元電位を計測する酸化還元電位計と、前記酸化還元電位計からの指令により空気を前記石灰吸収液中に供給する空気供給部と、前記石膏を含む石灰吸収液の一部を抜き出し、石膏を分離する石膏分離装置と、前記石膏を分離した石灰吸収液中の水銀を吸着する水銀吸着装置と、水銀除去後の石灰吸収液を前記吸収液槽に戻す吸収液再利用ラインとを具備することを特徴とする排ガス処理装置にある。
第3の発明は、排ガス中に含有される硫黄酸化物(SOx)及び水銀(Hg)を処理する排ガス処理装置において、前記硫黄酸化物を石灰吸収液で石膏として除去する脱硫装置と、石膏を含む石灰吸収液を貯留する吸収液槽と、前記吸収液槽からの石灰吸収液を前記脱硫装置内に循環する循環ラインと、前記循環ラインの石灰吸収液の酸化還元電位を計測する酸化還元電位計と、前記酸化還元電位計からの指令により空気を前記石灰吸収液中に供給する空気供給部と、前記石灰吸収液中に酸素を供給する酸素供給部と、前記石膏を含む石灰吸収液の一部を抜き出し、石膏を分離する石膏分離装置と、前記石膏を分離した石灰吸収液中の水銀を吸着する水銀吸着装置と、水銀除去後の石灰吸収液を前記吸収液槽に戻す吸収液再利用ラインとを具備することを特徴とする排ガス処理装置にある。
第4の発明は、排ガス中の硫黄酸化物を吸収液により処理する脱硫装置を用い、該排ガス中に含有される塩化水銀を吸収液に同時に除去する排ガス処理方法において、前記吸収液の酸化還元電位を調整するガスとして酸素を添加した空気を用いることを特徴とする排ガス処理方法にある。
第5の発明は、第4の発明において、酸素を添加した空気中酸素濃度が21%以上であることを特徴とする排ガス処理方法にある。
第6の発明は、第4の発明において、前記脱硫装置の吸収液の酸化還元電位を測定し、該測定値に基づいて酸素を添加した空気の流量を調整することを特徴とする排ガス処理方法にある。
第7の発明は、排ガス中の硫黄酸化物を吸収液により処理する脱硫装置を用い、該排ガス中に含有される塩化水銀を吸収液に同時に除去する排ガス処理方法において、排煙脱硫装置から系外に排出される吸収液の一部又は全部を固液分離器で処理し、石膏を吸収液と分離し、その後、その分離液の一部又は全部を、前記吸収液中の水銀濃度に応じて水銀吸着器を介して脱硫装置側に返送することを特徴とする排ガス処理方法にある。
第8の発明は、排ガス中の硫黄酸化物を吸収液により処理する脱硫装置を用い、該排ガス中に含有される塩化水銀を吸収液に同時に除去する排ガス処理方法において、前記吸収液中の水銀濃度が所定値以下となるよう補給水量を調節することを特徴とする排ガス処理方法にある。
本発明によれば、吸収液の酸化還元電位を調整するガスとして酸素を添加した空気を用いるので、添加空気量を低減することができ、この結果吸収液中に溶解した水銀の再放散を防止することができる。
また、吸収液中の溶解水銀濃度を所定値以下となるように、補給水又は吸収液から水銀を除去した吸収液を再利用することで、水銀の再放散を防止することができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本発明による実施例1に係る排ガス処理装置について、図面を参照して説明する。
図1は、実施例1に係る排ガス処理装置を示す概念図である。図1に示すように、本実施例に係る排ガス処理装置は、排ガス11中に含有される硫黄酸化物(SOx)及び水銀(Hg)を処理する排ガス処理装置において、前記硫黄酸化物を石灰石、消石灰等の石灰吸収液(以下「石灰吸収液」という)12で石膏13として除去する脱硫装置14と、前記脱硫装置14から排出された石膏13を含む石灰吸収液12を貯留する吸収液槽15と、前記吸収液槽15からの石灰吸収液12を前記脱硫装置14内に循環する吸収液循環ライン16と、前記吸収液循環ライン16の石灰吸収液12の酸化還元電位を計測する酸化還元電位計17と、前記酸化還元電位計17からの指令により空気18を前記石灰吸収液12中に供給する空気供給部19と、前記石灰吸収液12中に酸素20を供給する酸素供給部21とを具備するものである。
ここで、図1中、符号22は酸素(O2)計、23は補給水、24は浄化排ガス、25は吸収液槽15から脱硫装置14に循環する循環ポンプを図示する。
また、前記吸収槽15は脱硫装置14で必要な吸収液を保有するものである。前記酸化還元電位計17は、吸収液の酸化還元電位を測定し、同測定値に基づき空気(酸素負荷された空気を含む)流量を調節するためのものである。空気調節弁19aは吸収液の酸化還元電位を調整する空気供給部19からの空気及び/又は酸素負荷空気の流量を調節するものである。前記酸素計22は吸収液のORPを調節するための空気中の酸素濃度を測定し、該空気中の酸素濃度を調節するため後述する酸素流量調節弁21aを制御するものである。酸素調整弁21aはORP調節用空気中への酸素供給部21からの酸素20の酸素供給流量を調節するものである。
ここで、前記排ガス11は排ガス処理装置の前段側において、塩化水素ガスの供給及び/又は酸化触媒による酸化により、排ガス11中の金属Hgを水溶解性の良好な塩化水銀(HgCl2)としているので、脱硫装置14内では、散水される石灰吸収液12と接触して石灰吸収液12側に溶解している。
前記構成において、排ガス11は脱硫装置14の下部側から内部に供給され、該脱硫装置内で石灰吸収液12と接触してSO2、HgCl2を分離したのち浄化排ガス24として系外へ送られる。
前記石灰吸収液12は脱硫装置14の下部側に設置される吸収液槽15に送られる。
前記吸収液槽15には排ガス11と石灰吸収液12との接触に伴い蒸発する水分及び吸収液中石膏濃度を所定に維持するに要する水分が補給水23として供給される。また、SO2吸収に必要な石灰吸収液12が供給されている。なお、前記石灰吸収液量は通常吸収液12の水素イオン濃度により制御されるが、本発明では同制御部を省略している。
前記吸収液槽15の石灰吸収液12は、吸収液循環ライン16において、循環ポンプ25により脱硫装置14に循環されている。前記吸収液循環ライン16では石灰吸収液12の酸化還元電位が酸化還元電位計17により測定され、該測定値に基づき吸収液槽15に供給される空気18の量が弁19aにより調節される。
このような状態において、石灰石膏法における所定のORP値に維持する場合に、空気18のみを用いてORPの値を制御することなく、酸素供給部21から酸素20を空気18に供給することで、単位液量当りのガス(空気)量を下げるようにしている。この結果、単位液量当りの空気量が低減されることになるので、石灰吸収液12中の空気の気泡に金属水銀が入り込むことがなく、石灰吸収液12からの金属水銀の空気中への放散を抑制することができる。添加空気中の酸素濃度の制御は、添加空気流量及び石灰吸収液12のORPとカスケード制御してもよく、さらに排ガス中の水銀濃度の測定値に応じて制御してもよい。
図5にガス−液比変化と、出口金属水銀濃度比との関係を示す。図5において出口の水銀濃度を所望の規制値となるように設定することで、ガス−溶比の割合を決定することができる。
この際、酸素20の調整は、所定のORPに維持するように、添加空気中の酸素濃度を酸素濃度調節計22及び調節弁21aにより制御している。
ここで、酸素供給部21からの酸素20の供給量は、後述する酸素20を添加した空気中酸素濃度が約21%以上とすることが望ましい。
そして、図5に示すように、ガス液比を低下、すなわち単位液当りのガス量を低下することにより、出口水銀量を低下させることができる。
本実施例によれば、排ガスへの水銀の放散を防止しつつ、液中の塩化水銀(HgCl2)を効率良くガスより分離できる。
本発明による実施例2に係る排ガス処理装置について、図面を参照して説明する。
図2は、実施例2に係る排ガス処理装置を示す概念図である。図2に示すように、本実施例に係る排ガス処理装置は、排ガス11中に含有される硫黄酸化物(SOx)及び水銀(Hg)を処理する排ガス処理装置において、前記硫黄酸化物を石灰吸収液12で石膏13として除去する脱硫装置14と、石膏13を含む石灰吸収液12を貯留する吸収液槽15と、前記吸収液槽15からの石灰吸収液12を前記脱硫装置14内に循環する循環ライン16と、前記循環ライン16の石灰吸収液12の酸化還元電位を計測する酸化還元電位計17と、前記酸化還元電位計17からの指令により空気18を前記石灰吸収液12中に供給する空気供給部19と、前記石膏を含む石灰吸収液12の一部を抜き出し、石膏13を分離する石膏分離装置31と、石膏13を分離した石灰吸収液12中の水銀を吸着する水銀吸着装置32と、水銀除去後の石灰吸収液12を前記吸収液槽15に戻す吸収液再利用ライン33とを具備するものである。
図2中、符号34は石灰吸収液12中に溶解した水銀濃度を測定し、同濃度が所定値となるよう水銀吸着装置32への供給量を調節する調節弁35を制御する水銀濃度調節計(Hg計)である。
前記構成において、吸収液循環ライン16の吸収液の一部をラインより抜出し、石膏分離装置31にて石膏13を分離する。石膏分離後の吸収液12はその一部を吸収液中のHgCl2濃度を調節するために水銀吸着装置32で水銀を吸着分離する。該水銀を分離した吸収液12は、その後に吸収液再利用ライン33を経由して吸収液槽15に戻される。
前記水銀吸着装置32への石灰吸収液の供給流量は吸収液循環ライン16に設けられた水銀濃度調節計34および調節弁35により制御される。また、石膏分離装置31での分離石膏中若しくは付着水の水銀濃度を低減するには石膏脱水工程において、石膏ケーキを例えば塩酸、硝酸などの酸、水銀溶解度を高める温水等の洗浄液を用いて洗浄することができる。前記水銀吸着装置32及びこれに付帯するラインは、補給水23のみで吸収液中HgCl2濃度を調整する場合は必要ない。
前記水銀吸着装置32は例えばキレート樹脂吸着剤、ゼオライト、活性炭等を挙げることができる。
これにより、石膏13を分離した石灰吸収液12を再利用することによって、液中の水銀濃度を下げることとなる。
また、石灰吸収液12を再利用する代わりに、補給水を水バランス比率よりも多めに補給することで、液中の水銀濃度を下げるようにすることもできる。
図6に液中塩化水銀濃度比と出口金属水銀濃度比との関係を示す。図6において出口の水銀濃度を所望の規制値となるように液中の塩化水銀濃度を設定することで、水銀の再放散を抑制することができる。
本実施例によれば、金属水銀の放散を防止することができると共に、有害な水銀を水銀吸着器にて濃縮して回収でき、下流での処理が不要となるので、システム効率が向上する。
本発明による実施例3に係る排ガス処理装置について、図面を参照して説明する。
図3は、実施例3に係る排ガス処理装置を示す概念図である。なお、実施例1及び実施例2の装置の部材と同一部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図3に示すように、本実施例に係る排ガス処理装置は、実施例1の酸素供給部21と、実施例2の石膏分離装置31及び水銀吸着装置32とを併せたものである。
本実施例の装置のように、実施例1の酸素供給部21と、実施例2の石膏分離装置31及び水銀吸着装置32とを併せることにより、石灰吸収液12中の酸素を富化することで、単位液量当りのガス量を下げることができると共に、液中の水銀濃度を再利用の石灰吸収液又は補給水で下げることができることとなる。よって、排ガス処理の状況に応じて、どちらかの制御を行うか又は併用するようにして水銀の放散を防止することができる。
[試験例]
本発明の効果を確認するために以下の試験を行い、データを取得するとともに、その効果を確認した。
試験は図4に示す装置を用いて行った。試験装置は、図4に示すように、モータMにより攪拌される攪拌翼40を有する反応装置41と、前記反応装置41内に石灰吸収液42を供給する吸収液量調節計43と、前記反応装置41内にSO2を供給するSO2流量調節計44と、前記反応装置41内に空気45を供給する空気流量調節計46と、反応装置41内のORPを測定するORP計47と、反応装置41内のpHを測定するpH計48と、反応装置41から排出される排ガス49中の水銀量を測定する水銀測定計50とから構成されている。
前記反応装置41において、塩化水銀(HgCl2)を予め規定濃度で溶解した液に、SO2と空気45とを供給すると共に、SO2吸収用の石灰吸収液42を供給し、pH、ORPを一定としつつ、出口ガス中の水銀濃度を測定した。
空気は酸素分圧を調整するために、窒素および酸素を添加した。水銀は水に可溶の塩化水銀(HgCl2)と水に不溶の金属水銀(Hg0)を分別して測定した。
表1にその結果を示す。また、合計水銀に対する不溶水銀の割合も示す。
表1において、試験例1は基準条件であり、試験例2はORPを変化させた場合を示し、酸素分圧比(酸素分圧比:0.5)を変化させている。また、試験例3はORPを変化させると共に、酸素分圧比(酸素分圧比:1.25)及びガス−液量割合比(0.12)を変化させている。試験例4は酸素分圧比(酸素分圧比:0.5)を変化させると共に液中水銀濃度比(0.1)を変化させている。
また、ガス−溶比と出口Hg濃度比との関係を図5に示す。また、液中HgCl2濃度比と出口Hg濃度比との関係を図6に示す。さらに、ORP比と出口水銀濃度比との関係を図7に示す。
Figure 2007007612
表1の結果より出口水銀濃度比は、ガス−液比を低下、すなわち単位液当りのガス量を低下させることにより、出口水銀濃度比を低くすることが判明した。図5はその相間関係を示すものである。
また、図6に示すように、液中HgCl2濃度比が増大すると出口水銀濃度比は高くなることが判明した。
また、図7に示すように、ORP比を低くすると出口水銀濃度比は高くなることが判明した。
また、表1に示すように、出口水銀の88%以上が水に不溶の金属水銀(Hg0)であることが定量的に確認された。
以上のように、本発明に係る排ガス処理装置は、吸収液の酸化還元電位を調整するガスとして酸素を添加した空気を用いで、添加空気量を低減することができ、この結果吸収液中に溶解した水銀の再放散を防止することができ、石灰・石膏法においての排ガス処理に用いて適している。
実施例1に係る排ガス処理装置の概略図である。 実施例2に係る排ガス処理装置の概略図である。 実施例3に係る排ガス処理装置の概略図である。 試験例に係る反応装置の概略図である。 ガス−液比と出口Hg濃度比との関係を示す図である。 液中HgCl2濃度比と出口Hg濃度比との関係を示す図である。 ORP値比と出口水銀濃度比との関係を示す図である。
符号の説明
11 排ガス
12 石灰吸収液
13 石膏
14 脱硫装置
15 吸収液槽
16 吸収液循環ライン
17 酸化還元電位計
18 空気
19 空気供給部
20 酸素
21 酸素供給部

Claims (8)

  1. 排ガス中に含有される硫黄酸化物(SOx)及び水銀(Hg)を処理する排ガス処理装置において、
    前記硫黄酸化物を石灰吸収液で石膏として除去する脱硫装置と、
    石膏を含む石灰吸収液を貯留する吸収液槽と、
    前記吸収液槽からの石灰吸収液を前記脱硫装置内に循環する循環ラインと、
    前記循環ラインの石灰吸収液の酸化還元電位を計測する酸化還元電位計と、
    前記酸化還元電位計からの指令により空気を前記石灰吸収液中に供給する空気供給部と、
    前記石灰吸収液中に酸素を供給する酸素供給部とを具備することを特徴とする排ガス処理装置。
  2. 排ガス中に含有される硫黄酸化物(SOx)及び水銀(Hg)を処理する排ガス処理装置において、
    前記硫黄酸化物を石灰吸収液で石膏として除去する脱硫装置と、
    石膏を含む石灰吸収液を貯留する吸収液槽と、
    前記吸収液槽からの石灰吸収液を前記脱硫装置内に循環する循環ラインと、
    前記循環ラインの石灰吸収液の酸化還元電位を計測する酸化還元電位計と、
    前記酸化還元電位計からの指令により空気を前記石灰吸収液中に供給する空気供給部と、
    前記石膏を含む石灰吸収液の一部を抜き出し、石膏を分離する石膏分離装置と、
    前記石膏を分離した石灰吸収液中の水銀を吸着する水銀吸着装置と、
    水銀除去後の石灰吸収液を前記吸収液槽に戻す吸収液再利用ラインとを具備することを特徴とする排ガス処理装置。
  3. 排ガス中に含有される硫黄酸化物(SOx)及び水銀(Hg)を処理する排ガス処理装置において、
    前記硫黄酸化物を石灰吸収液で石膏として除去する脱硫装置と、
    石膏を含む石灰吸収液を貯留する吸収液槽と、
    前記吸収液槽からの石灰吸収液を前記脱硫装置内に循環する循環ラインと、
    前記循環ラインの石灰吸収液の酸化還元電位を計測する酸化還元電位計と、
    前記酸化還元電位計からの指令により空気を前記石灰吸収液中に供給する空気供給部と、
    前記石灰吸収液中に酸素を供給する酸素供給部と、
    前記石膏を含む石灰吸収液の一部を抜き出し、石膏を分離する石膏分離装置と、
    前記石膏を分離した石灰吸収液中の水銀を吸着する水銀吸着装置と、
    水銀除去後の石灰吸収液を前記吸収液槽に戻す吸収液再利用ラインとを具備することを特徴とする排ガス処理装置。
  4. 排ガス中の硫黄酸化物を吸収液により処理する脱硫装置を用い、該排ガス中に含有される塩化水銀を吸収液に同時に除去する排ガス処理方法において、
    前記吸収液の酸化還元電位を調整するガスとして酸素を添加した空気を用いることを特徴とする排ガス処理方法。
  5. 請求項4において、
    酸素を添加した空気中酸素濃度が21%以上であることを特徴とする排ガス処理方法。
  6. 請求項4において、
    前記脱硫装置の吸収液の酸化還元電位を測定し、該測定値に基づいて酸素を添加した空気の流量を調整することを特徴とする排ガス処理方法。
  7. 排ガス中の硫黄酸化物を吸収液により処理する脱硫装置を用い、該排ガス中に含有される塩化水銀を吸収液に同時に除去する排ガス処理方法において、
    排煙脱硫装置から系外に排出される吸収液の一部又は全部を固液分離器で処理し、石膏を吸収液と分離し、その後、その分離液の一部又は全部を、前記吸収液中の水銀濃度に応じて水銀吸着器を介して脱硫装置側に返送することを特徴とする排ガス処理方法。
  8. 排ガス中の硫黄酸化物を吸収液により処理する脱硫装置を用い、該排ガス中に含有される塩化水銀を吸収液に同時に除去する排ガス処理方法において、
    前記吸収液中の水銀濃度が所定値以下となるよう補給水量を調節することを特徴とする排ガス処理方法。
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