JP3973835B2 - 廃棄物処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物を熱分解して、熱分解ガスと熱分解残渣とに分離し熱分解残渣を直接水槽内で洗浄することにより、低塩素濃度の良品質熱分解残渣を提供すると共に塩素含有洗浄水の効率的な処理を可能とした廃棄物処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般ゴミなどの廃棄物の焼却処理は、廃棄物の有力な処理方法の一つとして広く行われており、その一つに、廃棄物を熱分解した上で廃棄物を処理する技術がある。熱分解処理においては、可燃物(有機物質)を空気(酸素)遮断下で加熱することにより、可燃物は可燃性の熱分解ガスと熱分解残渣(炭化物という)とに分離される。
【0003】
近年では、資源循環型の社会をめざし、ごみを熱分解させ、最終的には溶融スラグ分として資源回収するごみの焼却技術の開発が進められている。一方、焼却まではしないが、中間処理として、ごみを熱分解させ、熱分解残渣(炭化物)を回収し、燃料として再利用する資源循環型のエネルギー利用も進められている。この熱分解残渣(炭化物)は、セメントキルン用燃料、ボイラー用補助燃料等として利用価値が高まっており、耐食性等の観点から、低塩素含有量であることが近年第一の条件でとなっている。
【0004】
ここで、問題となるのは、廃棄物中には多くの種類の廃棄物が含まれており、特にポリ塩化ビニル等の有機塩素化合物、厨芥中の調味料等に塩化ナトリウム等のアルカリ塩として含まれる塩素は熱分解により、ごみ中の塩素分の約90%が熱分解残渣(炭化物)側に、残り10%が、排ガス側に移行し、熱分解後の炭化物中には約0.5から2重量%程度の塩素分が含まれていることである。
【0005】
上記のようにして熱分解残渣を、セメントキルン用燃料、ボイラー用補助燃料等に再利用する場合には、使用時の周囲構造物への影響(耐食性の低下)等を最小限に抑制するために、この熱分解残渣中の含有塩素をできるだけ低下させる必要がある。
【0006】
この廃棄物の熱分解残渣の塩素除去(脱塩素化)については、欧州フランス等においては、熱分解残渣(炭化物)を水槽中の温水に直接投入することで可燃性である熱分解残渣を安全に冷却するとともに、更に湿式で粉砕することにより炭化物中の溶解性塩素を除去できることが既に公知となっている。また特開平10−185151号公報にも同様の技術思想が記載されており、この公報では特に、熱分解残渣を水洗することで熱分解残渣の塩素濃度が約0.5重量%程度まで低減できることが示されている。
【0007】
そして、このときの塩素含有洗浄水は、例えば特開平10−238725号公報や特開平8−94056号公報に記載のように、従来、例えば脱塩処理を行った後に、系外に放出している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来技術においては、熱分解残渣の水洗により十分な脱塩素化を図ることができるが、そのときに生じる塩素含有水については、そのまま系外に排出している(下水等へ放流)。このとき、脱塩処理によって塩素含有割合を十分に低減することは可能であるが、近年の環境保護(エコロジー)の観点の下、ごくわずかな量でも塩素を含有する水を環境へ放出することは好ましくない。さらに、近年では、廃棄物の焼却施設からの下水等への排水は地方自治体としても認めない傾向となっている。
【0009】
なお、この塩素含有水の処理方法については、例えば、イオン交換、中和沈降、電気透析、吸着、逆浸透、蒸発なども考えられなくもない。しかしながら、イオン交換処理を行う場合は、多量の再生用水を使用すると共に、大量のイオン交換樹脂を必要とし、その規模はかなり大規模となる。また、中和沈降の場合、中和剤としての、水酸化カルシウムの投入及びその沈降時間を確保するためには大容量の沈降分離設備を必要する。これらいずれの方法も最終的には、多量の水を必要とし、さらにその大量の処理水は最終的に下水等に放流するという上記同様の課題が生じる。またイオン交換処理の場合、運転維持のためのイオン交換樹脂量の運転経費が熱分解ガス洗浄装置に比較して非常に大きなものとなり設備全体経済性を大きく損なうこととなる。
【0010】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱分解残渣の水洗により生じた塩素含有水の系外への排出をなくすことができる廃棄物処理装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
記目的を達成するために、第1の発明は、廃棄物を熱分解し、熱分解ガスと熱分解残渣とに分離する熱分解手段と、この熱分解手段からの前記熱分解残渣を受け入れて冷却・混合することにより熱分解残渣中の塩素分を洗浄し、熱分解残渣混合水と不燃物とに分離する冷却・混合手段と、この冷却・混合手段からの前記熱分解残渣混合水を受け入れて脱水し水分と脱水残渣とに分離するとともに、その脱水残渣を洗浄しさらに脱水する脱水・洗浄手段と、この脱水・洗浄手段からの脱水排水を受け入れてその脱水排水中の溶解性塩を除去し脱塩水と濃縮水とに分離する水処理手段と、前記脱塩水を前記冷却・混合手段又は前記脱水・洗浄手段へ還流させる還流系統と、前記熱分解手段の前記熱分解ガスの燃焼排ガスを受け入れて処理する排ガス処理手段と、前記水処理手段からの前記濃縮水を噴射設備を介し前記排ガス処理手段へと導く導流系統とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明においては、熱分解手段にて連続して発生する熱分解残渣(炭化物)を冷却・混合手段で冷却しかつ混合することにより、熱分解残渣中の含有塩素分をスラリー化した熱分解残渣混合水とする。このとき、熱分解残渣は、排出時において例えば約500℃と高温であることから、冷却・混合手段に投入されることでその入熱により水温が上昇し塩素溶解度が上昇するので、処理時間を短縮できる。
【0013】
この後、脱水・洗浄手段でまずそのスラリー化した熱分解残渣混合水を脱水することにより、混合水の固形分(炭化物)と溶液分を分離する。このとき、この分離した状態では固形分の表面には、混合水中の塩素分がまだ付着している。そこで、脱水・洗浄手段でさらに洗浄して脱水を行うことにことにより、固形分のさらなる低塩素化を図る。
【0014】
その後、脱水・洗浄手段からの脱水排水を、水処理手段で脱塩水と濃縮水とに分離し、脱塩水は冷却・混合手段又は脱水・洗浄手段へ還流させて再利用する一方、濃縮水は例えば導流系統を介し排ガス処理手段へ還流させる。
【0015】
以上のように構成することにより、本発明の廃棄物処理装置においては、熱分解残渣の水洗により生じた塩素含有水の系外への排出をなくすことができ、これによって、環境に対する影響を完全になくすことができる。
【0016】
また、前記熱分解手段の前記熱分解ガスの燃焼排ガスを受け入れて処理する排ガス処理手段と、前記水処理手段からの前記濃縮水を噴射設備を介し前記排ガス処理手段へと導く導流系統とを有する。
【0017】
これにより、例えば濃縮水を導流系統を介し噴射設備に導いて噴霧すると、噴霧された濃縮水中の溶解性塩素分は噴射設備で完全に蒸発気化する。したがって、例えば排ガス処理手段に設けたバグフィルタで投入される消石灰と反応させることにより、濃縮水中の塩素分を塩化カルシウムとして回収することができる。
【0023】
また、第2の発明は、廃棄物を熱分解し、熱分解ガスと熱分解残渣とに分離する熱分解手段と、この熱分解手段からの前記熱分解残渣を受け入れて冷却・混合することにより熱分解残渣中の塩素分を洗浄し、熱分解残渣混合水と不燃物とに分離する冷却・混合手段と、この冷却・混合手段からの前記熱分解残渣混合水を受け入れて脱水し水分と脱水残渣とに分離するとともに、その脱水残渣を洗浄しさらに脱水する脱水・洗浄手段と、この脱水・洗浄手段からの脱水排水を受け入れてその脱水排水中の溶解性塩を除去し脱塩水と濃縮水とに分離する水処理手段と、前記脱塩水を前記冷却・混合手段又は前記脱水・洗浄手段へ還流させる還流系統と、前記脱水・洗浄手段からの前記脱水排水を前記水処理手段へ導入する系統の途中に設けられ、前記水処理手段からの脱塩水が熱回収する熱交換器とを有する。
【0024】
これにより、脱水排水については水処理手段へ導入前に温度下降を図ることができるので脱塩性能を向上でき、また水処理手段からの脱塩水で熱回収することにより脱塩水の温度上昇を図れ、余熱の有効利用を図れる。
【0025】
更に、第3の発明は、廃棄物を熱分解し、熱分解ガスと熱分解残渣とに分離する熱分解手段と、この熱分解手段からの前記熱分解残渣を受け入れて冷却・混合することにより熱分解残渣中の塩素分を洗浄し、熱分解残渣混合水と不燃物とに分離する冷却・混合手段と、この冷却・混合手段からの前記熱分解残渣混合水を受け入れて脱水し水分と脱水残渣とに分離するとともに、その脱水残渣を洗浄しさらに脱水する脱水・洗浄手段と、この脱水・洗浄手段からの脱水排水を受け入れてその脱水排水中の溶解性塩を除去し脱塩水と濃縮水とに分離する水処理手段と、前記脱塩水を前記冷却・混合手段又は前記脱水・洗浄手段へ還流させる還流系統とを有し、前記還流系統は、前記脱塩水を、前記冷却・混合手段からの前記不燃物の洗浄用水として該不燃物の排出口にも導くことを特徴とする。
【0026】
脱塩水を不燃物洗浄用水として用いることにより、不燃物に付着する炭化物を系外に排出されることなく洗浄回収でき、炭化物の収率向上を図ることができる。また、新たな洗浄水を導く必要がなく、温水を使用することで冷却水の温度低下も防げる。すなわち、不燃物に付着する熱分解残渣の回収効率向上が図れる。
【0027】
また、第4の発明は、第1の発明において、前記脱水・洗浄手段からの前記脱水排水を前記水処理手段へ導入する系統の途中に熱交換器を設け、この熱交換器を介し前記水処理手段からの脱塩水が熱回収することを特徴とする。
更に、第5の発明は、第1の発明において、前記還流系統は、前記脱塩水を、前記冷却・混合手段からの前記不燃物の洗浄用水として該不燃物の排出口にも導くことを特徴とする。
また、第6の発明は、第1の発明において、前記脱水・洗浄手段から排出された脱水残渣を取り扱い性の良好な造粒物にする造粒手段をさらに備えることを特徴とする。
【0028】
脱水残渣を炭化物製品として利用する場合で、その製品炭化物の要求含水率又は粒径等の指定がある場合には、造粒手段で造粒することにより、取り扱い性(ハンドリング性)の良好な補助燃料として一層利用価値を高めることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による廃棄物処理装置の概略構成図である。
【0030】
図1において、この廃棄物処理装置は、廃棄物xを熱分解し、熱分解ガスaと熱分解残渣bとに分離する熱分解装置(熱分解手段)1と、この熱分解装置1からの熱分解残渣bを受け入れて冷却・混合することにより熱分解残渣b中の塩素分を洗浄し(=冷却・混合プロセス)、スラリー状の熱分解残渣混合水dと不燃物mとに分離する冷却・混合槽(冷却・混合手段)100と、この冷却・混合槽100からの前記熱分解残渣混合水dを受け入れて脱水し水分と脱水残渣(熱分解残渣固形分)eとに分離するとともに、その脱水残渣eを洗浄しさらに脱水(=再脱水)する(=脱水・洗浄プロセス)脱水・洗浄設備(脱水・洗浄手段)200と、脱水・洗浄設備200からの脱水排水hを受け入れてろ過し水分iと固形分とに分離するろ過設備(ろ過手段)400と、そのろ過後の水分i中の溶解性塩を除去し脱塩水lと濃縮水jとに分離する電気透析設備(電気透析手段、水処理手段)500と、前記脱塩水lを前記冷却・混合槽100及び脱水・洗浄設備200へ還流させる(詳細は後述)還流系統9とを有する。
【0031】
熱分解装置1は、環状のジャケット8を備えており、投入された廃棄物を還元雰囲気中で間接的に(=後述の燃焼排ガスcをジャケット8内に供給することにより)加熱して熱分解し(熱分解プロセス)、熱分解ガスaと、熱分解残渣(炭化物)bとに分離し、各々別の排出口から排出するようになっている。排出された熱分解ガスaと熱分解残渣bとは共に可燃性であり、熱分解装置1から排出された熱分解ガスaは、熱分解ガス燃焼装置2に供給され、この熱分解ガス燃焼装置2において燃焼される。そして、熱分解ガス燃焼装置2の燃焼排ガスcが、ジャケット8に供給されて前述のように熱分解装置1の熱源として用いられる。なお、この燃焼排ガスcは、熱分解装置1の熱源として使用された後、ジャケット8から排ガス設備(排ガス処理手段)3に受け入れられて所定の処理が施され、さらに煙突4より排気されるようになっている。
【0032】
脱水・洗浄設備200は、前述のように、脱水及び再脱水の2回の固液分離を行うものである。このときの固液分離手段としては、脱水機のほかに、蒸発濃縮、沈降分離等の手段も考えられなくもないが、熱分解残渣混合水dから連続的に固形分のみを迅速に分離する手段としては脱水が最適である。具体的には、遠心脱水、プレフィルタ、ベルトプレス、真空脱水等の方式があり、いずれも使用できるが、好ましくは、高脱水率の手段である遠心脱水方式がよい。
【0033】
電気透析設備500は、イオン状態で存在する脱水i中の溶解性塩を除去する手段としては、電気透析、逆浸透膜処理、イオン交換等の処理方法が考えられるが、本実施形態では、溶解性塩のみを迅速に分離する手段として最も最適な電気透析を採用したものである。
【0034】
還流系統9は、その下流側で、脱塩水lを前述の1回目の脱水後の脱水残渣の洗浄用のために脱水・洗浄設備200へ還流させる還流ライン9aと、脱塩水lを冷却・混合槽100へ還流させる還流ライン9bとに分岐しており、さらに、還流ライン9bの下流側からは、脱塩水lを冷却・混合槽100からの不燃物mの洗浄用水として不燃物mの排出口に導く還流ライン9cが分岐して設けられている。
【0035】
このとき、前述の脱水・洗浄設備200からの脱水液hを前記ろ過設備400へ導入する系統11の途中に熱交換器700が設けられており、この熱交換器700を介して系統11と熱交換する側には上記還流ライン9bが設けられており、前記電気透析設備500からの脱塩水が上記系統11の脱水液hから熱回収できるようになっている。
【0036】
以上のように構成した本実施の形態の動作及び作用を以下に説明する。
【0037】
熱分解装置1には、廃棄物xが図示しない廃棄物投入器によって供給される。熱分解装置1にて連続して発生する熱分解残渣(炭化物)bは、冷却・混合槽100で冷却しかつ30分以上混合攪拌されることにより、熱分解残渣b中の含有塩素分がスラリー化した熱分解残渣混合水dとされる。このとき、熱分解残渣bは、排出時において例えば約500℃と高温でありそのまま大気中に排出すると発火の危険があることから、冷却・混合槽100に投入されることでその危険を防止すると共に、その入熱により水温が上昇し塩素溶解度が上昇するので、処理時間を短縮できる。
【0038】
この後、脱水・洗浄設備200でまずそのスラリー化した熱分解残渣混合水dを脱水(1回目の脱水)することにより、混合水dの固形分(炭化物)と溶液分を分離する。このとき、この1回目の脱水により分離される固形分には通常20%〜50%の水分を含有している。この水分中の不純物(溶解性塩)は炭化物固形分の表面には、混合水d中の塩素分がまだ付着しているため、このままでは固形分(熱分解残渣)中塩素不純物濃度は高いこととなる。そこで、本実施の形態では、脱水・洗浄設備200において還流系統9からの溶解性塩の含有量が少ない脱塩水lを用いて1回目の脱水後の固形分表面を水洗いし、その後再び脱水(=再脱水、方式は例えば1回目の脱水と同様)を行うことにより、固形分のさらなる低塩素化を図り、低塩素含有炭化物gを得ることができる。
【0039】
その後、脱水・洗浄設備200での脱水及び再脱水により固形分(炭化物)gが除去されさらにろ過設備400で微細固形物が除去された脱水液iを、電気透析設備500において、溶解している塩(CaCl2,Nacl等)の大部分を含むイオン濃縮液(イオン状溶解成分)jと、イオン成分を含まない脱塩水(蒸留水)lとに分離する。脱塩水lは還流系統9の還流ライン9a,9b,9cを介し前述の脱水・洗浄設備200、冷却・混合槽100、及び不燃物mの出口へ還流させて再利用する一方、イオン濃縮液jは導流系統を介し排ガス処理手段へ還流させる。
【0040】
一方、電気透析設備500により脱塩水lと分離された溶解性塩は、少量のイオン濃縮液jの形で電気透析設備500から排出され、導流系統10を介し減温塔等の噴射設備600に導かれここで噴霧される。これにより、噴霧された濃縮水中の溶解性塩素分は噴射設備600で完全に蒸発気化するので、さらに排ガス設備3に導き、例えばこの排ガス設備3に設けたバグフィルタで投入される消石灰と反応させることにより、濃縮水中の塩素分を塩化カルシウムとして回収することができる。
【0041】
本実施の形態の廃棄物処理装置によれば、以上のように構成することにより、熱分解残渣の水洗により生じた塩素含有水はすべて還流されて系内で再利用されるので、系外への排出をなくすことができ、これによって、環境に対する影響を完全になくすことができる。特に、1回目の脱水後の洗浄水oとして、電気透析設備500からの脱塩水lを循環使用することにより、外部から水を導入することなく(即ち排水量を増やすことなく)分離固形分の脱塩素率の向上を図れる。
【0042】
また、電気透析設備500において、脱水・洗浄設備200で分離されなかった微細な固形分があるとイオン交換膜を通過できず電気透析による脱塩効率を低下させる可能性があるが、本実施形態においては電気透析設備500の前段側にろ過設備400を設けることにより、上記微細な固形物を予め除去できるので、上記電気透析による脱塩の浄化効率を向上させることができる。
【0043】
さらに、熱交換器700において、脱塩水lが脱水液hから熱回収することにより、脱水液hについては電気透析設備500への導入前に温度下降を図ることができるので電気透析設備500での脱塩性能を向上でき、また脱塩水lについては熱回収することにより温度上昇を図れ、余熱の有効利用を図れる。
【0044】
さらに、還流ライン9cで脱塩水lを不燃物mの排出口に導きその洗浄用水として用いることにより、不燃物mに付着する炭化物を系外に排出されることなく洗浄回収でき、炭化物の収率向上を図ることができる。また、新たな洗浄水を導く必要がなく、温水を使用することで冷却水の温度低下も防げる。すなわち、不燃物mに付着する熱分解残渣の回収効率向上が図れる。
【0045】
図2は、本発明の第2の実施形態による廃棄物処理装置の概略構成図である。この図2において、本実施形態は、第1の実施形態における脱水・洗浄設備200の洗浄水oを外部導入水(外部リンス水)とした点と、脱水・洗浄設備200から排出された脱水残渣を取り扱い性の良好な造粒物にする造粒設備(造粒手段)300を設けた点が異なるだけで、他は前記第1の実施形態と同等であり、説明を省略する。
【0046】
図2において、噴射設備600からイオン濃縮水jが連続的に排ガス設備3に噴霧されるとともに、還流ライン9b,9cを含む還流系統9への脱塩水lの導入により脱水液h,iは連続して減少していく。この脱水液h,iの減少量に対し外部から脱水・洗浄設備200に補給する外部リンス水oの量をそれ以下とすることにより、上記本発明の第1の実施形態と同様、塩素含有水はすべて還流されて系内で再利用されるので、系外への排出をなくすことができ、これによって、環境に対する影響を完全になくすことができる。
【0047】
また、脱水・洗浄設備200からの脱水残渣を造粒設備300で造粒することにより、製品炭化物gの要求含水率又は粒径等の指定がある場合にも対応し、利用価値の高い取り扱い性(ハンドリング性)の良好な補助燃料を生産することができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、熱分解残渣を冷却・混合手段で冷却しかつ混合してスラリー化した熱分解残渣混合水とし、これを脱水・洗浄手段で脱水し固形分と溶液分を分離するとともにさらに固形分を洗浄して脱水を行った後、その脱水排水を水処理手段で脱塩水と濃縮水とに分離し、脱塩水は冷却・混合手段又は脱水・洗浄手段へ還流させて再利用する一方、濃縮水は例えば導流系統を介し排ガス処理手段へ還流させる。以上により、熱分解残渣の水洗により生じた塩素含有水の系外への排出をなくすことができ、これによって、環境に対する影響を完全になくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による廃棄物処理装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第2の実施形態による廃棄物処理装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 熱分解炉
9 還流系統
100 冷却・混合槽
200 脱水・洗浄設備
300 造粒設備
400 ろ過設備
500 電気透析設備

Claims (6)

  1. 廃棄物を熱分解し、熱分解ガスと熱分解残渣とに分離する熱分解手段と、この熱分解手段からの前記熱分解残渣を受け入れて冷却・混合することにより熱分解残渣中の塩素分を洗浄し、熱分解残渣混合水と不燃物とに分離する冷却・混合手段と、この冷却・混合手段からの前記熱分解残渣混合水を受け入れて脱水し水分と脱水残渣とに分離するとともに、その脱水残渣を洗浄しさらに脱水する脱水・洗浄手段と、この脱水・洗浄手段からの脱水排水を受け入れてその脱水排水中の溶解性塩を除去し脱塩水と濃縮水とに分離する水処理手段と、前記脱塩水を前記冷却・混合手段又は前記脱水・洗浄手段へ還流させる還流系統と、前記熱分解手段の前記熱分解ガスの燃焼排ガスを受け入れて処理する排ガス処理手段と、前記水処理手段からの前記濃縮水を噴射設備を介し前記排ガス処理手段へと導く導流系統とを有することを特徴とする廃棄物処理装置。
  2. 廃棄物を熱分解し、熱分解ガスと熱分解残渣とに分離する熱分解手段と、この熱分解手段からの前記熱分解残渣を受け入れて冷却・混合することにより熱分解残渣中の塩素分を洗浄し、熱分解残渣混合水と不燃物とに分離する冷却・混合手段と、この冷却・混合手段からの前記熱分解残渣混合水を受け入れて脱水し水分と脱水残渣とに分離するとともに、その脱水残渣を洗浄しさらに脱水する脱水・洗浄手段と、この脱水・洗浄手段からの脱水排水を受け入れてその脱水排水中の溶解性塩を除去し脱塩水と濃縮水とに分離する水処理手段と、前記脱塩水を前記冷却・混合手段又は前記脱水・洗浄手段へ還流させる還流系統と、前記脱水・洗浄手段からの前記脱水排水を前記水処理手段へ導入する系統の途中に設けられ、前記水処理手段からの脱塩水が熱回収する熱交換器とを有することを特徴とする廃棄物処理装置。
  3. 廃棄物を熱分解し、熱分解ガスと熱分解残渣とに分離する熱分解手段と、この熱分解手段からの前記熱分解残渣を受け入れて冷却・混合することにより熱分解残渣中の塩素分を洗浄し、熱分解残渣混合水と不燃物とに分離する冷却・混合手段と、この冷却・混合手段からの前記熱分解残渣混合水を受け入れて脱水し水分と脱水残渣とに分離するとともに、その脱水残渣を洗浄しさらに脱水する脱水・洗浄手段と、この脱水・洗浄手段からの脱水排水を受け入れてその脱水排水中の溶解性塩を除去し脱塩水と濃縮水とに分離する水処理手段と、前記脱塩水を前記冷却・混合手段又は前記脱水・洗浄手段へ還流させる還流系統とを有し、前記還流系統は、前記脱塩水を、前記冷却・混合手段からの前記不燃物の洗浄用水として該不燃物の排出口にも導くことを特徴とする廃棄物処理装置。
  4. 請求項記載の廃棄物処理装置において、前記脱水・洗浄手段からの前記脱水排水を前記水処理手段へ導入する系統の途中に熱交換器を設け、この熱交換器を介し前記水処理手段からの脱塩水が熱回収することを特徴とする廃棄物処理装置。
  5. 請求項1記載の廃棄物処理装置において、前記還流系統は、前記脱塩水を、前記冷却・混合手段からの前記不燃物の洗浄用水として該不燃物の排出口にも導くことを特徴とする廃棄物処理装置。
  6. 請求項記載の廃棄物処理装置において、前記脱水・洗浄手段から排出された脱水残渣を取り扱い性の良好な造粒物にする造粒手段をさらに備えることを特徴とする廃棄物処理装置。
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