JP6391011B2 - デカンタ分級による汚染土壌の固液分離比の測定方法、並びに、それを用いた汚染土壌の洗浄方法及び砒素汚染土壌の洗浄方法 - Google Patents
デカンタ分級による汚染土壌の固液分離比の測定方法、並びに、それを用いた汚染土壌の洗浄方法及び砒素汚染土壌の洗浄方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6391011B2 JP6391011B2 JP2014264907A JP2014264907A JP6391011B2 JP 6391011 B2 JP6391011 B2 JP 6391011B2 JP 2014264907 A JP2014264907 A JP 2014264907A JP 2014264907 A JP2014264907 A JP 2014264907A JP 6391011 B2 JP6391011 B2 JP 6391011B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- contaminated soil
- solid
- classification
- soil
- decanter
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/52—Mechanical processing of waste for the recovery of materials, e.g. crushing, shredding, separation or disassembly
Landscapes
- Separation Of Solids By Using Liquids Or Pneumatic Power (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
Description
(a)自然由来の砒素を含む地盤においてシールド工事を行った場合、工事で発生した土壌の砒素濃度(溶出量)が環境基準及び溶出量基準(土壌汚染対策法)を超過すると建設発生土や産業廃棄物としては処分できず、汚染土壌として処分しなければならない。その結果、処分コストが著しく上昇する。
(b)処分場の許容量が逼迫しているため、大量に発生した汚染土壌を処分することがそもそも困難である。
今後、さらに、リニア新幹線や外環道の建設工事といった大規模なシールド工事が実施されるが、それらの工事においても自然由来の重金属による汚染土壌が大量に発生することが確実視されている。
一方で、自然由来の重金属による汚染の場合は、人為的な汚染とは異なり、汚染物質が細粒子分に偏在しておらず、土粒子径による溶出量の違いはないものと考えられていた。従って、自然由来の重金属による汚染土壌の対策としては、掘削除去、不溶化、遮水壁による封じ込め等が主要なものであった。
DSfeed = {ρSR(ρfeed−ρWA)}/((ρSR−ρWA)ρfeed) ・・・(1)
DSUF = {ρSR(ρUF−ρWA)}/((ρSR−ρWA)ρUF) ・・・(2)
DSOF = {ρSR(ρOF−ρWA)}/((ρSR−ρWA)ρOF) ・・・(3)
x = (DSfeed−DSOF)/(DSUF−DSOF) ・・・(4)
{但し、上記(1)〜(4)式中、x:固形回収分の重量の割合、ρWA:水の比重(−)、ρSR:土壌真比重、DSfeed:汚染土壌の固形分率(%)、DSUF:固形回収分の固形分率(%)、DSOF:分離泥水の固形分率(%)、ρfeed:、汚染土壌の比重(−)、ρUF:固形回収分の比重(−)、ρOF:分離泥水の比重(−)を示す。}
さらに、デカンタ分級工程において、スラリー状の汚染土壌、又は、汚染土壌の一部を、デカンタを用いて分級することで、上澄液及び前記分級点以下の微細粒子分を含むスラリー状の分離泥水と、前記分級点超の固形回収分とに分離するとともに、上記の本発明に係る測定方法によって、固形回収分と分離泥水との固液分離比{x:1−x}を測定しながら、該固液分離比{x:1−x}の測定結果に応じて分級点を制御する方法を採用している。これにより、砒素を、確実に微細粒子を含む分離泥水側に分離しながら、固形回収分を浄化土とすることで、再利用可能な建設発生土の割合を高めることができるとともに、溶出量基準値等を超過する微細粒子分からなる濃縮汚染土を効果的に減量することが可能となる。
従来、自然由来の重金属によって汚染された土壌は、人為的に汚染された土壌とは異なり、汚染物質が細粒子分に偏在しておらず、土粒子径による溶出量(土壌汚染対策法)の違いはないものと考えられていた。しかしながら、本発明者等が以前に細粒子分を主体とした複数サイトの自然由来砒素汚染土壌を用いて実験を行った結果、図7中に示すように、自然由来の砒素による汚染土壌においては、土壌を構成する土粒子の粒径が小さいもの程、砒素の溶出量(土壌汚染対策法)がより高くなることを明らかにしている。即ち、粗粒子分よりも細粒子分、特に微細粒子分を分別・処理することで、効率的な浄化処理が可能であることがわかる。
図8に示すように、スラリー状の汚染土壌に、まず、アルカリ抽出工程において土粒子表面に吸着している砒素を強制的に脱着し、砒素を溶存態としてスラリー中に抽出することで、土壌の溶出量が全体的に低減し、所定の分級点をより小さな値とすることが可能となる。従って、アルカリ抽出工程により、上記の所定の分級点をより小さな値とすることで、濃縮汚染土を減量する効果をさらに高めることが可能となることがわかる。
(デカンタ分級による汚染土壌の固液分離比の測定方法)
本発明に係るデカンタ分級による汚染土壌の固液分離比の測定方法、及び、それを用いた汚染土壌の洗浄方法並びに砒素汚染土壌の洗浄方法は、上記のような砒素汚染土壌の特性、及び、それに基づく知見によってなされたものである。
DSfeed = {ρSR(ρfeed−ρWA)}/((ρSR−ρWA)ρfeed) ・・・(1)
DSUF = {ρSR(ρUF−ρWA)}/((ρSR−ρWA)ρUF) ・・・(2)
DSOF = {ρSR(ρOF−ρWA)}/((ρSR−ρWA)ρOF) ・・・(3)
x = (DSfeed−DSOF)/(DSUF−DSOF) ・・・(4)
但し、上記(1)〜(4)式中、x:固形回収分の重量の割合、ρWA:水の比重(−)、ρSR:土壌真比重、DSfeed:汚染土壌の固形分率(%)、DSUF:固形回収分の固形分率(%)、DSOF:分離泥水の固形分率(%)、ρfeed:、汚染土壌の比重(−)、ρUF:固形回収分の比重(−)、ρOF:分離泥水の比重(−)を示す。
(A)泥水式シールド工法によって生じたスラリー状の汚染土壌にアルカリ系処理剤を添加し、汚染土壌の土粒子に吸着されている砒素をアルカリ抽出して溶存態としてスラリー内の液分中に抽出するアルカリ抽出工程。
(B)アルカリ抽出工程に次いで設けられ、汚染土壌を、粗粒子分と、該粗粒子分以外の、溶存態としての砒素を含むスラリー分とに分級する湿式分級工程。
(C)湿式分級工程で得られたスラリー分をサイクロンで分級することにより、スラリー分を、平均粒径が75μm未満であって溶存態としての砒素を含むスラリー状の細粒子分と、平均粒径が75μm以上の粗粒子分とに分級し、スラリー状の細粒子分の一部を、泥水式シールド工法におけるシールド掘削用泥水として返送するサイクロン分級工程。
(D)サイクロン分級工程において分級された粗粒子分を脱水し、該脱水後の粗粒子分を、前記湿式分級工程で分級された粗粒子分と混合させる脱水工程。
(E)脱水工程で混合して得られた粗粒子分に中和剤を添加してpH値を中性領域とし、さらに脱水することで浄化土を得るpH調整工程。
(F)サイクロン分級工程で得られた溶存態としての砒素を含むスラリー状の細粒子分のうち、シールド掘削用泥水として返送されない余剰分を、上記の固液分離比の測定方法を用いて固液分離比{x:1−x}を測定し、この固液分離比{x:1−x}の測定結果に応じて上記分級点を制御しながらデカンタ分級することにより、スラリー状の細粒子分を、上澄液及び上記分級点以下の微細粒子分を含むスラリー状の分離泥水と、上記分級点超の固形回収分とに固液分離し、固形回収分をpH調整工程に搬送するデカンタ分級工程。
(G)デカンタ分級工程において分級された、上澄液及び上記分級点以下の微細粒子分を含むスラリー状の分離泥水に凝集薬剤を添加することで、砒素と共に微細粒子分を凝集沈殿処理した後、その凝集スラッジをフィルタープレスすることで脱水ケーキ状に形成することにより、溶存態としての砒素を含む濃縮汚染土を得る凝集工程。
以下、上記の(A)〜(G)の各工程について順次説明するとともに、特に、「(F)デカンタ分級工程」において採用している固液分離比の測定方法について詳しく説明する。
本発明の洗浄方法に備えられるアルカリ抽出工程は、本実施形態で説明する洗浄方法において砒素汚染土壌を処理する最初の工程である。即ち、アルカリ抽出工程では、まず、泥水式シールド工法によって生じたスラリー状の汚染土壌にアルカリ系処理剤を添加し、汚染土壌の土粒子に吸着されている砒素をアルカリ抽出して溶存態としてスラリー内の液分中に抽出する。
次に、湿式分級工程は、図6のフロー図に示すように、上記のアルカリ抽出工程に次いで設けられる工程であり、スラリー中に砒素が溶存態として抽出された汚染土壌を、粒径の大きな粗粒子分と、この粗粒子分以外の溶存態としての砒素を含むスラリー分とに分級する。
そして、本実施形態では、これら粗粒子分を、後述の脱水工程で分離された粗粒子分等と混合したうえで、pH調整工程においてpHを中性領域に調整して浄化土として分離し、埋め立て土等に再利用することが可能な建設発生土として処理することができる。
次に、サイクロン分級工程では、上記の湿式分級工程で得られたスラリー分をサイクロンで分級することにより、このスラリー分を、平均粒径が75μm未満であって溶存態としての砒素を含むスラリー状の細粒子分と、平均粒径が75μm以上の粗粒子分とに分級する。そして、本実施形態に係る技術を泥水式シールド工法に採用した場合には、図6のフロー図中に示すように、分級されたスラリー状の細粒子分の少なくとも一部を、シールド掘削用泥水として返送することができる。
次に、脱水工程では、上記のサイクロン分級工程で分離された粗粒子分を脱水し、この脱水後の粗粒子分を、湿式分級工程で分級された粗粒子分と混合させる。
本実施形態の脱水工程では、従来から汚染土壌の処理に用いられる脱水篩等を何ら制限無く用いることができる。
次に、本発明の洗浄方法に備えられるpH調整工程では、上記の脱水工程で混合して得られた粗粒子分に中和剤を添加してpH値を中性領域とすることで浄化土を得る。
次に、本発明の洗浄方法に備えられるデカンタ分級工程では、図6のフロー図に示すように、サイクロン分級工程で得られた溶存態としての砒素を含むスラリー状の細粒子分のうち、シールド掘削用泥水として返送されない余剰分(オーバーフロー分のフィードスラリー)を、所定の分級点でデカンタ分級する。これにより、スラリー状の細粒子分からなる汚染土壌Fを、上澄液及び上記分級点以下の微細粒子分を含むスラリー状の分離泥水OFと、上記分級点超の固形回収分UFとに固液分離し、固形回収分UFをpH調整工程に搬送する。また、本発明に係る洗浄方法に備えられるデカンタ分級工程は、上記の固液分離比の測定方法を用いて固形回収分UFと分離泥水OFとの固液分離比{x:1−x}を測定しながら、この固液分離比{x:1−x}の測定結果に応じて上記分級点を制御する。
本実施形態で用いるデカンタ1としては、従来から各種の固液分離処理に用いられているデカンタを、何ら制限無く用いることができる。
その後、上述した「サイクロン分級工程(C)」における分級により、25%程度を占める粗粒分(75μm以上)を浄化土側に分離し、「(D)脱水工程」〜「(E)pH調整工程」に搬送する。また、「サイクロン分級工程(C)」では、75%程度を占める細粒子分(75μm未満)を含むスラリー状の泥水を、オーバーフロー分として、デカンタ分級工程(F)に搬送する。この細粒子分には、15μm以下の微細粒子分も含まれる。
そして、「(F)デカンタ分級工程」において、「サイクロン分級工程(C)」のオーバーフロー分として導入された泥水を、デカンタ分級によって固液分離する。これにより、細粒子分を含むスラリー状の泥水を、当初の泥水に対して65%程度を占める細粒子分(15μm超75μm未満)からなる固形回収分と、当初の泥水に対して10%程度を占める微細粒子分(15μm以下)及び上澄液を含むスラリー状の分離泥水とに固液分離する。
拡散部51は、内部に導入される汚染土壌Fを、スクリュー3の回転に伴って撹拌しながらシェル2側に向けて排出するように構成されおり、側面に、汚染土壌Fを排出するための複数の孔部51Aが形成されている。
小径部52の内部には、上述した出口42を含む導入管4の大部分が収容されている。また、拡散管5の小径部52と導入管4との間は、互いに回転自在とされている。
まず、シェル2を遠心回動させるとともに、螺旋状のプロペラ32が開口21側に向けて進む方向でスクリュー3を回転させながら、デカンタ1の開口21側に備えられた導入管4の入口41から汚染土壌Fを導入する。 この際、内部に導入されたスラリー状の汚染土壌Fは、まず、拡散管5に備えられる拡散部51の回転に伴って撹拌されながら、孔部51Aからシェル2の内壁2Aに向けて排出される。そして、汚染土壌Fは、シェル2の遠心回動により、シェル2の内面2Aに押しつけられるように固形回収分UFが分離され、その表面に分離泥水OFが分離された状態となる。
また、上記の各比重は、デカンタ分級工程を実施するにあたり、連続的に測定することが好ましい。
DSfeed = {ρSR(ρfeed−ρWA)}/((ρSR−ρWA)ρfeed) ・・・(1)
DSUF = {ρSR(ρUF−ρWA)}/((ρSR−ρWA)ρUF) ・・・(2)
DSOF = {ρSR(ρOF−ρWA)}/((ρSR−ρWA)ρOF) ・・・(3)
まず、デカンタ1に導入されるスラリー(泥水:汚染土壌F)の重量をwとすると、スラリー中の固液比は次式{水:土壌=1−DSfeed:DSfeed}で表されるため、汚染土壌Fのスラリー体積Vfeedは、下記(5)式で表すことができる。
Vfeed = {(1−DSfeed)/ρWA+DSfeed/ρSR}w ・・・・・(5)
但し、上記(5)式中において、ρWA:水の比重(−)及びρSR:土壌真比重は、それぞれ、概ねρWA:1(−)、ρSR:2.6(−)程度である。
ρfeed = w/w{((1−DSfeed)/ρWA)+(DSfeed/ρSR)}
= 1/{((1−DSfeed)/ρWA)+(DSfeed/ρSR)} ・・・(6)
x = (DSfeed−DSOF)/(DSUF−DSOF) ・・・・・(4)
但し、上記(4)式中、x:固形回収分の重量の割合、DSfeed:汚染土壌の固形分率(%)、DSUF:固形回収分の固形分率(%)、DSOF:分離泥水の固形分率(%)を示す。
DSfeed = DSUFx+DSOF(1−x) ・・・・・(7)
次に、凝集工程においては、デカンタ分級工程において分級された上澄液及び上記分級点以下の微細粒子分を含むスラリー状の分離泥水OFに凝集薬剤を添加することで、砒素と共に微細粒子分を凝集沈殿処理する。その後、凝集工程では、その凝集スラッジを脱水処理した後にフィルタープレスすることで脱水ケーキ状に形成することにより、砒素を含む濃縮汚染土を得る。
これにより、砒素を含む濃縮汚染土を得る。この濃縮汚染土は埋め戻し土等への再利用はできないため、汚染土壌として処理するが、本発明の洗浄方法では、濃縮汚染土を顕著に減量できることから、環境への負荷を軽減できるとともに処理費用を低減することが可能となる。
本発明に係る砒素汚染土壌の洗浄方法においては、上述したようなアルカリ抽出工程を前段工程として備え、さらに、濃縮汚染土の処理工程として上述のようなデカンタ分級工程を備えている。このように、まず、アルカリ抽出工程において、汚染土壌の土粒子に吸着されている砒素等の重金属を強制脱着させてスラリー中に溶出させたうえで、湿式分級工程及びサイクロン分級工程において、砒素溶出量の低い粗粒子分を浄化土側に分離することで、循環使用可能な浄化土の比率を高めることが可能となり、減容化率が顕著に向上する。
図7に示すように、砒素の溶出量は、土粒子の平均粒径が小さいほど高いことから、本発明のように、微細粒子分を選択的に処理することで、従来の方法に比べてより効率的な処理が可能となる。
以上説明したように、本発明に係るデカンタ分級による汚染土壌の固液分離比の測定方法によれば、汚染土壌の比重ρfeed、デカンタ分級で得られる分級点超の固形回収分の比重ρUF、及び、上澄液及び分級点以下の微細粒子分を含むスラリー状の分離泥水の比重ρOFを測定し、これら各比重から、汚染土壌の固形分率DSfeed、固形回収分の固形分率DSUF、分離泥水の固形分率DSOFをそれぞれ求めたうえで、これら各固形分率から、汚染土壌の重量を1(kg)としたときにデカンタ分級で得られる固形回収分の重量の割合xを求めることにより、固形回収分と分離泥水との固液分離比{x:1−x}を求める測定方法を採用している。これにより、例えば、汚染土壌に含まれる土丹(固結シルト)が、微細粒子分(15μm以下)の割合が高い粒度構成である場合においても、上記の固液分離比{x:1−x}を常時把握することができるので、この固液分離比{x:1−x}に基づいてデカンタにおける分級点を適正に制御することが可能となる。従って、汚染土壌として処分する必要がある、溶出量基準値等を超過する処理土を効果的に減量しながら、再利用可能な浄化土の割合を高め、減容化率を顕著に向上させることができる。
この場合、アルカリ抽出工程及びデカンタ分級工程を備える場合に比べ、土壌中における砒素の溶出量が高めとなることから、デカンタ分級工程における分級点の設定値を大きめにする必要がある。しかしながら、本発明では、このような場合においても、従来のようなサイクロン分級のみで砒素を微細粒子分側に分離する方法に比べて分級点を小さくすることができ、濃縮汚染土の発生量を減量することが可能となる。
Claims (5)
- スラリー状の汚染土壌をデカンタ分級によって固液分離する際の該固液分離比を測定する方法であって、
デカンタ分級前の前記汚染土壌の比重ρfeed、前記汚染土壌を所定の分級点によるデカンタ分級で固液分離することで得られる前記分級点超の固形回収分の比重ρUF、及び、固液分離された上澄液及び前記分級点以下の微細粒子分を含むスラリー状の分離泥水の比重ρOFをそれぞれ測定し、これら各比重から、下記(1)〜(3)式を用いて、前記汚染土壌の固形分率DSfeed、前記固形回収分の固形分率DSUF、及び、前記分離泥水の固形分率DSOFをそれぞれ求め、
さらに、前記汚染土壌の固形分率DSfeed、前記固形回収分の固形分率DSUF、及び、前記分離泥水の固形分率DSOFから、下記(4)式を用いて、前記汚染土壌の重量を1(kg)としたときにデカンタ分級で得られる前記固形回収分の重量の割合xを求めることにより、前記固形回収分と前記分離泥水との固液分離比{x:1−x}を求めることを特徴とする、デカンタ分級による汚染土壌の固液分離比の測定方法。
DSfeed = {ρSR(ρfeed−ρWA)}/((ρSR−ρWA)ρfeed) ・・・(1)
DSUF = {ρSR(ρUF−ρWA)}/((ρSR−ρWA)ρUF) ・・・(2)
DSOF = {ρSR(ρOF−ρWA)}/((ρSR−ρWA)ρOF) ・・・(3)
x = (DSfeed−DSOF)/(DSUF−DSOF) ・・・(4)
{但し、上記(1)〜(4)式中、x:固形回収分の重量の割合、ρWA:水の比重(−)、ρSR:土壌真比重、DSfeed:汚染土壌の固形分率(%)、DSUF:固形回収分の固形分率(%)、DSOF:分離泥水の固形分率(%)、ρfeed:、汚染土壌の比重(−)、ρUF:固形回収分の比重(−)、ρOF:分離泥水の比重(−)を示す。} - 前記汚染土壌の比重ρfeed、前記固形回収分の比重ρUF及び分離泥水の比重ρOFを、それぞれ連続的に測定しながら、前記固形回収分と前記分離泥水との固液分離比{x:1−x}を求めることを特徴とする請求項1に記載のデカンタ分級による汚染土壌の固液分離比の測定方法。
- 汚染土壌を洗浄して浄化土とする汚染土壌の洗浄方法であって、
少なくとも、スラリー状とされた前記汚染土壌、又は、前記汚染土壌の一部を、所定の分級点でデカンタ分級することにより、上澄液及び前記分級点以下の微細粒子分を含むスラリー状の分離泥水と、前記分級点超の固形回収分とに固液分離するデカンタ分級工程を備え、
前記デカンタ分級工程は、請求項1又は請求項2に記載の測定方法を用いて前記固形回収分と前記分離泥水との固液分離比{x:1−x}を測定しながら、該固液分離比{x:1−x}の測定結果に応じて前記分級点を制御することを特徴とする汚染土壌の洗浄方法。 - 自然由来の砒素による汚染土壌を洗浄して浄化土とする砒素汚染土壌の洗浄方法であって、
少なくとも、スラリー状とされた前記汚染土壌、又は、前記汚染土壌の一部にアルカリ系処理剤を添加し、前記汚染土壌の土粒子に吸着されている砒素をアルカリ抽出して溶存態として前記スラリー内の液分中に抽出するアルカリ抽出工程と、
前記アルカリ抽出工程を経たスラリー状の前記汚染土壌、又は、前記汚染土壌の一部を、所定の分級点でデカンタ分級することにより、上澄液及び前記分級点以下の微細粒子分を含むスラリー状の分離泥水と、前記分級点超の固形回収分とに固液分離するデカンタ分級工程と、を備え、
前記デカンタ分級工程は、請求項1又は請求項2に記載の測定方法を用いて前記固形回収分と前記分離泥水との固液分離比{x:1−x}を測定しながら、該固液分離比{x:1−x}の測定結果に応じて前記分級点を制御することを特徴とする砒素汚染土壌の洗浄方法。 - 自然由来の砒素による汚染土壌を洗浄して浄化土とする砒素汚染土壌の洗浄方法であって、
スラリー状とされた前記汚染土壌、又は、前記汚染土壌の一部にアルカリ系処理剤を添加し、前記汚染土壌の土粒子に吸着されている砒素をアルカリ抽出して溶存態として前記スラリー内の液分中に抽出するアルカリ抽出工程と、
次いで、前記汚染土壌を、粗粒子分と、該粗粒子分以外の、溶存態としての砒素を含むスラリー分とに分級する湿式分級工程と、
次いで、前記湿式分級工程で得られた前記スラリー分をサイクロンで分級することにより、前記スラリー分を、平均粒径が75μm未満であって溶存態としての砒素を含むスラリー状の細粒子分と、平均粒径が75μm以上の粗粒子分とに分級するサイクロン分級工程と、
次いで、前記サイクロン分級工程において分級された粗粒子分を脱水し、該脱水後の粗粒子分を、前記湿式分級工程で分級された粗粒子分と混合させる脱水工程と、
次いで、前記脱水工程で混合された前記粗粒子分に中和剤を添加してpH値を中性領域とすることで浄化土を得るpH調整工程と、を備え、
さらに、前記サイクロン分級工程で得られた溶存態としての砒素を含むスラリー状の前記細粒子分、又は、前記細粒子分の一部を、所定の分級点でデカンタ分級することにより、上澄液及び前記分級点以下の微細粒子分を含むスラリー状の分離泥水と、前記分級点超の固形回収分とに固液分離し、前記固形回収分を前記pH調整工程に搬送するデカンタ分級工程と、
前記デカンタ分級工程において分級された、上澄液及び前記分級点以下の微細粒子分を含むスラリー状の分離泥水に凝集薬剤を添加することで砒素と共に前記微細粒子分を凝集沈殿処理した後、その凝集スラッジをフィルタープレスすることで脱水ケーキ状に形成することにより、砒素を含む濃縮汚染土を得る凝集工程と、を備え、
前記デカンタ分級工程は、請求項1又は請求項2に記載の測定方法を用いて前記固形回収分と前記分離泥水との固液分離比{x:1−x}を測定しながら、該固液分離比{x:1−x}の測定結果に応じて前記分級点を制御することを特徴とする砒素汚染土壌の洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014264907A JP6391011B2 (ja) | 2014-12-26 | 2014-12-26 | デカンタ分級による汚染土壌の固液分離比の測定方法、並びに、それを用いた汚染土壌の洗浄方法及び砒素汚染土壌の洗浄方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014264907A JP6391011B2 (ja) | 2014-12-26 | 2014-12-26 | デカンタ分級による汚染土壌の固液分離比の測定方法、並びに、それを用いた汚染土壌の洗浄方法及び砒素汚染土壌の洗浄方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016125855A JP2016125855A (ja) | 2016-07-11 |
JP6391011B2 true JP6391011B2 (ja) | 2018-09-19 |
Family
ID=56356990
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014264907A Expired - Fee Related JP6391011B2 (ja) | 2014-12-26 | 2014-12-26 | デカンタ分級による汚染土壌の固液分離比の測定方法、並びに、それを用いた汚染土壌の洗浄方法及び砒素汚染土壌の洗浄方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6391011B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112129614B (zh) * | 2020-08-31 | 2022-10-28 | 浙江工业大学 | 可再生固废材料用于道路回填的环境影响评价方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3124505B2 (ja) * | 1997-01-30 | 2001-01-15 | 財団法人下水道新技術推進機構 | 泥水処理システムおよび泥水工法用の泥水処理システム |
CA2387528A1 (en) * | 2002-05-27 | 2003-11-27 | Institut National De La Recherche Scientifique | Decontamination of heterogeneous solid materials |
JP2007283269A (ja) * | 2006-04-20 | 2007-11-01 | Toda Constr Co Ltd | 泥水濃縮システム及び濃縮泥水の制御方法 |
JP5656060B2 (ja) * | 2010-09-06 | 2015-01-21 | 清水建設株式会社 | 土壌中の微細粒子分の分離方法および汚染土壌の洗浄方法 |
JP2012110803A (ja) * | 2010-11-22 | 2012-06-14 | Shimizu Corp | 土壌の浄化方法および装置 |
JP6027921B2 (ja) * | 2013-03-18 | 2016-11-16 | 鹿島建設株式会社 | 汚染土壌の処理方法 |
-
2014
- 2014-12-26 JP JP2014264907A patent/JP6391011B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016125855A (ja) | 2016-07-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6599190B2 (ja) | シールド工事における重金属汚泥水の処理方法 | |
JP4256505B2 (ja) | 浚渫土砂の処理方法 | |
JP2006116397A (ja) | 汚染土壌の洗浄方法及び洗浄装置 | |
JP2013164379A (ja) | 放射能汚染土砂の処理装置 | |
KR20000052354A (ko) | 오염 물질이 부착된 입상체의 처리 방법 및 그 장치 | |
JP6027921B2 (ja) | 汚染土壌の処理方法 | |
JP5761544B1 (ja) | 塩素含有灰の脱塩処理方法および脱塩処理装置 | |
JP6411909B2 (ja) | 砒素汚染土壌の無害化処理システム | |
JP6643141B2 (ja) | 重金属汚染土壌の無害化処理システム | |
JP4364889B2 (ja) | 浚渫土の処理方法および装置 | |
JP6497650B2 (ja) | 砒素汚染土壌の洗浄方法 | |
JP5295178B2 (ja) | 泥水の処理方法 | |
JP6391012B2 (ja) | 砒素汚染土壌の洗浄方法 | |
JP6391011B2 (ja) | デカンタ分級による汚染土壌の固液分離比の測定方法、並びに、それを用いた汚染土壌の洗浄方法及び砒素汚染土壌の洗浄方法 | |
JP5378301B2 (ja) | 建設汚泥の処理方法及び建設汚泥からの再生砂 | |
JP2620120B2 (ja) | 泥水加圧式シールド掘削に用いる泥水の回収方法およびその装置 | |
US6926465B1 (en) | Remediation system | |
JP6425170B2 (ja) | 泥水処理システムおよび泥水処理方法 | |
JP2019171304A (ja) | 廃棄泥水の減容化処理装置及び減容化処理方法 | |
JP5769044B2 (ja) | シアン汚染土壌の洗浄方法 | |
JP4132413B2 (ja) | 汚染物質が付着した粒状体の処理方法 | |
JP6618039B2 (ja) | 除染土壌処理装置及び方法 | |
JP2008136962A (ja) | 重金属類に汚染された土壌の除染方法及びその方法に使用する流動層型の容器 | |
JP2015190139A (ja) | 浚渫土の処理装置及び方法 | |
JP6640028B2 (ja) | セシウム汚染土壌の浄化方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170517 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180119 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180306 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180413 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180724 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180810 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6391011 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |