JP4350987B2 - 重金属汚染土壌の処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重金属汚染土壌を選別して、重金属の含有量が多い部分を除去するとともに、原地盤等への埋め戻しが可能な清浄土を回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
市街地再開発に伴う調査で、工場跡地等の重金属汚染が判明する事例が増加している。これに対し、環境庁の重金属等に係る土壌汚染対策指針において、鉛汚染に対する1996年現在の対策範囲設定基準は、溶出量が0.01mg/l、含有量参考値が600mg/kgとなっている。また、東京都の汚染土壌対策基準では、鉛の溶出量が0.01mg/l、含有量参考値が300mg/kgとなっている。さらに、平成15年2月15日に施行された「土壌汚染対策法」では、鉛の溶出量が0.01mg/l以下に、含有量が150mg/kg以下に規定されている。
【0003】
重金属汚染に対して、国内で現時点で行われている土壌汚染対策は、汚染物質の不溶化処理や遮水工事、覆土工事など、周辺環境から遮断する方法が一般的である。しかし、この方法は重金属そのものが現場に残り、前記工事などによる処置後も土地利用に制限がある。そこで、最近は、高濃度に汚染された土壌は廃棄して、汚染現場の土を入れ替える処置も行われている。しかし、産業廃棄物の最終処分場が近い将来不足することは明らかなため、欧米で実用化されてきている土壌洗浄法の導入が検討され始めている。
【0004】
土壌洗浄法とは、汚染物質を除去するために、水または適当な溶媒を用いて土壌から汚染物質を物理的・化学的に抽出分離する方法である。例えば、汚染された土壌の洗浄により、重金属を高濃度含有する粒子を除去し、それにより清浄となった土壌を汚染現場の埋め戻しに用いる。これによって、廃棄物となる汚染土壌、つまり、汚染物質の漏出や拡散が生じないように厳重な設備を施した処分場に廃棄される汚染土壌を減容化することができる。この場合、得られる清浄物(清浄となった土壌)の量の、供給された汚染物(汚染された土壌)の量に対する割合が高いほど、効果的な処理方法となる。
【0005】
重金属で汚染された土壌から、汚染物質を高濃度で含む部分又は汚染物質をほとんど含まない清浄な部分を選別する方法として、従来より、次のようなものが提案されている。
特許文献1に記載の浄化方法では、先ず、重金属類による汚染土壌を分級し、汚染元素を吸着する能力が高い小径や中径の粒子を分離するとともに、汚染されていない大径の粒子を清浄物として取り出す。次に、分離除去された粒子に対し、粒度別に、比重選別により重金属高含有粒子を濃縮除去する処理、重金属を酸溶液やキレート剤溶液などの溶媒によって溶脱する処理、又は電気浸透やイオン泳動によって重金属イオンを集積する電解処理等を行なう。
【0006】
また、特許文献2に記載の浄化方法では、重金属及び有機ハロゲン化合物や揮発性有機化合物等のカーボン質有機化合物を含む汚染土壌を壊砕・分級し、150μm以下の土壌粒子を含むスラリーから浮選手段によって気泡とともにカーボン質有機物を浮上させて除去する。次に、カーボン質有機物が除去されたスラリーを硫化処理して重金属を硫化物とし、浮選手段によって重金属を分離回収する。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−296230号公報
【特許文献2】
特開2002−248459号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の技術には次のような課題が残されている。
特許文献1に記載の浄化方法では、分級された450μm以下の土壌粒子については溶脱処理又は電解処理を行なって重金属を回収するが、土壌に含まれる重金属の形態等によって添加する薬剤や処理時間が異なり、効率良く清浄な部分を取り出すことが難しい。そして、かなりの量の土壌が汚染土壌として廃棄されることとなる。また、特許文献2に記載の浄化方法では、150μm以下に分級された土壌粒子について浮選手段によって重金属の回収を行なうが、pH調整や硫化処理を必要とするため処理が複雑となり、効率良く清浄な部分を取り出すことが難しい。
【0009】
この他、重金属を多く含む土壌粒子を分離する方法として比重選別法がある。この方法には、例えば自然重力場で土壌粒子に振動を与えることによって比重差別に層状に粒子を分離する振動式ジグ選別法や、緩傾斜面を流れる水の働きによって比重の異なる粒子を選別する薄流選別法等がある。このような比重選別法では、汚染土壌から重金属を多く含む部分を効率良く分離することができるが、粒径が小さい範囲、特に150μm以下の土壌粒子については効果的に選別することが難しい。このため、土壌粒子の小さい範囲では、上記従来技術のように溶脱処理、電解処理又は浮選処理等が行われている。しかし、これらの方法は、効率よく清浄な土壌を選別することができず、土壌の粒径が小さい範囲で、処分場に廃棄しなければならない汚染土壌が多量に発生している。特に日本の土壌は粘土化が進んでいるものが多く小粒径の土壌粒子を多量に含んでおり、埋め戻しが可能な清浄土を選別することが難しくなっている。つまり、浄化処理の対象となる土壌には70μmから30μmの土壌粒子が多く含まれ、これらが30%程度を占める場合もある。これらの土壌粒子については比重選別法を適用することができず、廃棄しなければならない土壌量が多くなる。
【0010】
一方、粒径がやや大きい土壌粒子、例えば100μmから5mm程度の土壌粒子では表面の一部に付着している汚染物質の処理が問題となる場合がある。このような重金属が付着している土壌粒子全体を処分場に廃棄処理すると、廃棄量が多くなって効率の良い処理ができない。また、重金属が一部に付着している土壌粒子は、汚染していない土壌粒子と比重に大きな差はなく、比重選別によって選別することも難しい。したがって、やや粒径が大きい土壌粒子の表面に重金属等の汚染物質が付着している場合の効率の良い処理方法が求められている。
【0011】
本願に係る発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、重金属で汚染された土壌から、汚染物質の含有量が低い土壌を効率よく分離して、清浄土として扱うことができる土壌をより多く得ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 多数の小孔が形成された円筒状の壁体を有する遠心分離槽内に、前記小孔の径より大きい径の粒状体を収容し、 前記遠心分離槽を、円筒状の壁体の軸線回りに回転駆動して、前記壁体の内面に沿って前記粒状体の層を形成し、 重金属で汚染した土壌に加水し、分級して粒径の最大値を前記小孔の径以下とした土壌を前記遠心分離槽内に導入し、 前記遠心分離槽の回転駆動時に、前記粒状体の層及び壁体の小孔を通過する土壌を、重金属分を多く含む土壌粒子として分離することを特徴とする重金属汚染土壌の処理方法を提供する。
【0013】
上記遠心分離槽内に分級後のスラリー状の土壌を導入し、該遠心分離槽を回転駆動することによって遠心力が生じ、この遠心力によって重金属を多く含む比重の大きい土壌粒子に遠心分離槽の壁体に向かう推進力が作用する。そして、重金属を多く含む土壌粒子は、壁体に沿って形成された粒状体の層に接触する。粒状体より比重の大きい粒子は徐々に粒状体層内に取り込まれ、この粒状体層及び壁体の小孔を通過し、汚染土壌として回収される。一方、重金属の含有量が少ない土壌は、重金属を多く含む土壌粒子との比重の差によって、水とともに遠心分離槽の上方に搬送され、該遠心分離槽から排出される。この処理方法では、土壌粒子の粒径を限定して、該土壌粒子に遠心力を作用させることによって、自然重力場では選別が難しい小径の土壌粒子を、重金属を多く含む部分と重金属の含有量が少ない部分とに効率良く分離することができる。また、あらかじめ遠心分離槽に投入しておく粒状体の比重を適切に選定しておくことによって、汚染物質の種類、汚染物質の含有量に応じた選別も可能となる。
【0014】
請求項2に係る発明は、 請求項1に記載の重金属汚染土壌の処理方法において、前記遠心分離槽に導入する土壌は、前記粒状体の径の1/10から1/4までの範囲で定められた値より小径の土壌粒子の一部又は大部分を分級により除去したものとする。
【0015】
遠心分離槽内に収容された粒状体の径の1/4程度より小さい粒径の土壌粒子は、上記遠心分離槽内で比重の大きさに関係なく粒状体層を通過し易くなる。つまり、各粒状体間に隙間が存在しており、粒径の小さい土壌粒子は、この隙間を容易に通過する。このため、粒状体の径と比較して所定の割合より小さい粒径の土壌粒子が多量に遠心分離槽内に投入されると、これらに対しては比重の大きさによる選別が行われず、選別の効率が低下してしまう。したがって、遠心分離槽内に投入する土壌から、あらかじめ小粒径の粒子を分級により除去しておくことによって比重選別の効率を向上させることができる。このとき、除外する土壌粒子の粒径は、土壌の粒度分布等に基づいて定めることができるが、粒状体の粒径の1/4から1/10の範囲で定めた値以下とすることにより、選別の効率が良好となる。
【0016】
請求項3に係る発明は、 請求項1に記載の重金属汚染土壌の処理方法において、前記小孔の径は100μm〜600μmであるものとする。
【0017】
遠心分離槽の壁体に設ける小孔の径を100μm〜600μmまでの範囲で定めた値とすることによって、この値以下の粒径の土壌粒子について比重選別を行うとができ、小粒径の土壌から重金属を高濃度で含む土壌粒子を効率よく分離することができる。
【0018】
請求項4に係る発明は、 請求項1に記載の重金属汚染土壌の処理方法において、前記遠心分離槽内に投入する粒状体は、重金属汚染土壌の内の、重金属分を多く含む土壌粒子より比重が小さく、重金属分の含有量が少ない土壌粒子より比重が大きい物質からなるものとする。
【0019】
上記遠心分離槽内に土壌を導入して該遠心分離槽を回転駆動すると、上記粒状体の比重より大きくて重金属分を多く含む土壌粒子が、粒状体の層と遠心分離槽の壁体の小孔とを通過して遠心分離槽外に排出される。一方、粒状体の比重より小さくて重金属分が少ない土壌粒子は、粒状体の層を通過することなく、この層の内側で水とともに上方に搬送され、重金属を多く含む部分と分離されて清浄な土壌として回収される。この処理方法では、適切な比重の粒状体を選択することによって、重金属分を多く含む土壌粒子と重金属分が少ない土壌粒子とに良好に分離することができる。
【0020】
請求項5に係る発明は、 請求項1に記載の重金属汚染土壌の処理方法において、前記遠心分離槽に導入する汚染土壌は、 粒径が所定の上限値から下限値までの範囲に含まれる土壌粒子を分級によって取り出す第1の分級工程と、 取り出された土壌粒子を攪拌し、土壌粒子相互間でこすり合わせて、該土壌粒子の表面に付着している重金属汚染物質を剥離する摩擦工程と、 前記摩擦工程で剥離された汚染物質を多く含む細粒分と、汚染物質が剥離された後の土壌粒子を多く含む粗粒分とを分離する第2の分級工程と、を行い、 前記第2の分級工程で分離された細粒分を含むものとする。
【0021】
分級により汚染土壌から粒径が所定の値の範囲である土壌粒子を分離し、これらを攪拌して互いにこすり合わせる。このときの粒径の範囲を適切に選定することによって、土壌粒子の表面に付着した汚染物質である重金属を多く含む部分が剥がれ落ちる。このような摩擦工程で剥離した粒子は、元の土壌粒子より粒径がかなり小さく、さらに分級して剥がれ落ちた部分を分離することができる。この小粒径の粒子には多くの重金属が含まれており、これを上記遠心分離槽内に導入し、比重選別を行うことによって、土壌粒子の表面に付着していた重金属を多く含む部分を効率良く分離・回収することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願発明の一実施形態である重金属汚染土壌の処理方法を示すフロー図である。
この方法に用いる処理システムは、重金属によって汚染された土壌に加水し、攪拌及び混合して土壌塊を壊砕するドラム型攪拌器1と、網目が5mm〜10mmの第1の湿式振動篩2と、網目が2mmの第2の湿式振動篩3と、第1及び第2の湿式振動篩を通過した土壌を分級する第1のスパイラル分級器4と、第1のスパイラル分級器4で分級された粗粒分(粒径150μm以上)に不溶化剤を添加して不溶化反応を生じさせるとともに、攪拌及び混合によって土壌粒子を互いにこすり合わせるアトリション槽5と、アトリション槽5で攪拌及び混合を行った後の土壌を分級する第2のスパイラル分級器6と、第1及び第2のスパイラル分級器で分級された細粒分(粒径150μm以下)をさらに径の小さい部分(粒径 30μm以下)と分離する液体サイクロン7と、液体サイクロン7で分級された粗粒分(粒径150μm以下、30μm以上)を含むスラリーを、高比重分と低比重分とに分離する遠心ジグ式比重選別器8と、液体サイクロン7で分級された細粒分(粒径30μm以下)を含むスラリー及び遠心ジグ式比重選別器8で分離された低比重分を、汚染濃度に応じて処理を行う無害化処理手段9と、遠心ジグ式比重選別器8で分離された高比重分又は無害化処理手段9で分離され汚染物質を高濃度で含むスラリーを脱水するための沈殿槽、フィルタプレス器等を備える脱水手段10と、無害化処理手段9で分離され汚染物質の含有量が少ないスラリーを脱水処理する脱水手段11と、を備えるものである。
【0023】
なお、上記湿式振動篩2、3、スパイラル分級器4、6、液体サイクロン7による分級の規準とする径は、上記値に限らず適宜に設定することができる。特に、第1のスパイラル分級器4及び第2のスパイラル分級器6による分級は、100μm〜600μm程度までの範囲で定めた粒径を規準とし、この粒径以上を粗粒分として分離することができる。また、望ましくは100μm〜300μm程度までの範囲で規準とする粒径を定めるのがよい。そして、第2のスパイラル分級器6は、第1のスパイラル分級器4と同じ径を規準に分級するのが望ましいが、第2のスパイラル分級器6の規準となる径は、第1のスパイラル分級器4の規準となる径より、小さく設定してもよい。
【0024】
上記システムを用いた処理方法では、先ず、重金属で汚染している地盤を掘削し、採取した土壌をホッパーからドラム型攪拌器1に投入し、この土壌に加水するとともに、攪拌器を回転駆動して、土壌中に含まれる土塊を壊砕する。そして、土壌と水とが混合されたスラリーを第1の湿式振動篩2及び第2の湿式振動篩3に掛けて粒径が2mm以上の粗粒分を分離する。汚染物質である重金属は粗粒分にはほとんど付着せず、分離された粗粒分は、そのまま清浄分として原地盤等への埋め戻しが可能となる。一方、粗粒分と分離された粒径が2mm以下の細粒分を含むスラリーは、第1のスパイラル分級器4によって分級し、粒径がほぼ150μm以上の部分と150μm以下の部分とに分離する。そして、上記のように分離した粗粒分(粒径150μm以上)をアトリション槽5に送り込む。細粒分(粒径150μm以下)はさらに分級して処理を行うものであり、この処理については後述する。
【0025】
上記アトリション槽5は攪拌翼を有し、槽内に投入された粗粒分(粒径150μm以上2mm以下)を含むスラリーを攪拌翼によって攪拌及び混合して土壌粒子を互いにこすり合わせるものである。これにより、土壌粒子の表面に付着している汚染物質を剥離するものであり、汚染物質の効率の良い剥離を行うために土壌粒子の粒径を2mmから150μm程度に分級したものを投入している。
【0026】
アトリション槽5にスラリーを投入する前、又はアトリション槽5内でスラリーを攪拌及び混合中に、該スラリーに不溶化剤を添加して、水に溶融している汚染物質を固体化する。例えば、汚染物質が鉛である場合には、不溶化剤として硫化水素ナトリウムNaHSの溶液を添加すると、水溶性の硫化水素ナトリウムNaHSは鉛と反応し、不溶性のPbSが生成される。
Pb 2+ + S 2- → PbS↓
そして、アトリション槽内で土壌粒子が互いにこすり合わされることにより、上記処理で不溶化された汚染物質も、土壌粒子の表面から剥離され、ごく小さい粒子となってスラリーに含まれる。
【0027】
また、スラリーに不溶化剤を添加して、イオン化している重金属汚染物質を固体化することによって、水に溶出する重金属の量が抑制される。このため、第2のスパイラル分級器6によって分離された粗粒分、又はその後の工程で汚染物質の含有量が少ないものとして分離される土壌に、水に溶出していた重金属が多く残留するのを回避することができる。また、土壌の粒子から溶出した重金属が清浄となった土壌粒子に再び付着するのが防止され、重金属の含有量の多い部分と少ない部分とに効率良く分離することができる。
【0028】
上記アトリション槽5内で充分に攪拌され、互いにこすり合わされて表面に付着している汚染物質が剥離された土壌粒子は、その後、第2のスパイラル分級器6によって分級し、再び粒径が150μm以上の部分と150μm以下の部分とに分離する。
【0029】
粒径が150μm以上のものは、表面に付着していた汚染物質が除去され、汚染物質の含有量が少なくなっており、原地盤等への埋め戻しが可能な土壌として回収される。一方、150μm以下の細粒分は、土壌粒子の表面から剥離された汚染物質が含まれ、汚染物質の濃度が高くなっており、第1のスパイラル分級器4で分離された粒径150μm以下の細粒分とともに、次のような処理を行う。
【0030】
第1のスパイラル分級器4及び第2のスパイラル分級器6で分離された粒径が150μm以下の土壌粒子を含むスラリーは、液体サイクロン7に送り込み、さらに細粒分(粒径30μm以下)を分離するように分級を行う。この液体サイクロン7で分離された粗粒分、すなわち粒径がほぼ150μm以下で30μm以上の土壌粒子を含むスラリーは、後で詳述する遠心ジグ式比重選別器8に導入し比重選別を行う。
【0031】
一方、粒径が30μm以下の細粒分を含むスラリーは、汚染物質の含有量が多く、ここからは原地盤等へ埋め戻すことができる土壌を分離することは難しい。したがって、このスラリーは、沈殿槽及びフィルタプレス装置等を備えた脱水手段11によって脱水し、廃棄処理する。なお、スラリーにはアトリション槽で不溶化剤が添加されているが、脱水前に再度不溶化処理を行っても良い。このように充分な不溶化処理を行うことによって、分離水にはほとんど汚染物質が含まれなくなり、簡単な処理によって放流又は再利用が可能となる。
【0032】
上記液体サイクロン7で分級された粒径が150μmから30μmの土壌粒子を含むスラリーは遠心ジグ式比重選別器8に導入し、重金属分を多く含む高比重分と重金属分が少ない低比重分とに分離する。そして、高比重分は脱水手段10によって脱水し、汚染物質の漏出や拡散が生じないように管理された処分場に廃棄する。また、低比重分は無害化処理手段9によってさらに処理を行う。そして、溶脱処理又は電解処理によって汚染物質の含有量及び溶出量が所定値以下となった土壌は、原地盤へ埋め戻す。一方、汚染物質の含有量及び溶出量が所定値以下にできない土壌は、不溶化処理等を行った後、処分場へ廃棄処理する。
【0033】
上記遠心ジグ式比重選別器は、図2に示すように、支持部材28によって固定支持された円筒状の外槽21を備え、この内部に水平方向に回転可能に遠心分離槽22が支持されている。この遠心分離槽22は鉛直方向に支持された回転駆動軸27aを駆動装置27によって駆動することによって回転するものとなっている。また、遠心分離槽22の中心部には上方から水を供給する給水管23が設けられており、この外側には、遠心分離槽内にスラリーを供給するスラリー供給管24が、外槽21に支持されている。一方、外槽21の内側には、遠心分離槽22からオーバーフローした低比重分を含むスラリーを回収する第1の排出路25と、遠心分離槽22が有する壁体31の小孔31aを通過した高比重分を含むスラリーを回収する第2の排出路26とが設けられている。
【0034】
上記遠心分離槽22は、多数の小孔31aが形成された円筒状の壁体31を有し、この小孔31aの径は、遠心分離槽22内に供給されるスラリーに含まれる土壌粒子より大径であり、この土壌の粒径によって100μm〜600μm程度の範囲で定められるものである。また、壁体31の内側には、小孔31aより径の大きい粒状体32が投入されており、遠心分離槽22が回転することによる遠心力で壁体31の内周面に沿って層を形成するものとなっている。
【0035】
本実施形態の装置では、小孔31aの径は180μmとなっており、粒状体の径は200μmとなっている。そして、選別される土壌粒子の径は150μm以下に分級されており、上記小孔31aを通過し得るものとなっている。また、粒径が30μm以下の細粒分が分級によって除外されており、細粒分が比重に関係なく粒状体層を通過して効率の低下が生じるのを防止している。一方、粒状体32は重金属分を多く含む土壌粒子より比重が小さく、重金属分の含有量が少ない土壌粒子より比重が大きいものとするのが望ましく、マグネタイト、ガーネット等の鉱石の粒子を用いることができ、土壌粒子の比重及び粒径によって適切なものを選択する。
【0036】
この遠心ジグ式比重選別器8では、先ず、遠心分離槽22内に粒状体32を収容して該遠心分離槽22を回転駆動し、遠心力により壁体31の内面に沿って粒状体32の層を形成する。次に、遠心分離槽22内に、液体サイクロン7で分離された粗粒分(粒径30μm以上)を含むスラリーをスラリー供給管24から導入するとともに、給水管23から加水し、遠心分離槽22を回転駆動する。これにより、重金属を多く含む高比重分が遠心力によって、層状となった粒状体32に接触し、水流による粒状体の揺動等によって粒状体32の層の中に取り込まれ、通過する。そして、小孔31aを通過して第2の排出路26に送り込まれ、該第2の排出路26に設けられた第2の排出口26aから外部に排出される。一方、重金属分が少ない土壌粒子は、粒状体32の層を通過することなく、この層の内側で水の流動とともに上方から第1の排出路25に送り込まれ、該第1の排出路25に設けられた第1の排出口25aから外部に排出される。
【0037】
この遠心ジグ式比重選別器8では、土壌粒子の粒径を150μm〜30μmの範囲に限定し、その粒径に応じた回転速度等の条件下で遠心分離槽を回転駆動させることによって、自然重力場では選別が難しい小径の土壌粒子を、重金属を多く含む部分と重金属の含有量が少ない部分とに効率良く分離することができる。また、スラリーに含まれている重金属が不溶化処理によって不溶性の固形物として存在しているため、重金属を多く含む部分を多く回収することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明に係る重金属汚染土壌の処理方法では、遠心分離槽内に分級後のスラリー状の土壌を導入し、該遠心分離槽を回転駆動することによって、重金属を多く含む比重の大きい土壌粒子に遠心力が作用し、この土壌粒子があらかじめ壁体に沿って形成された粒状体の層及び壁体の小孔を通過し、汚染土壌として回収される。このように土壌粒子の粒径を限定して、該土壌粒子に遠心力を作用させることによって、自然重力場では選別が難しい小径の土壌粒子を、重金属を多く含む部分と重金属の含有量が少ない部分とに効率良く分離することができる。
【0039】
また、この重金属汚染土壌の処理方法では、分級によって粒径が所定の上限値から下限値までの範囲に含まれる土壌粒子を取り出し、この土壌粒子を攪拌し、粒子相互間でこすり合わせることによって、表面に付着している重金属汚染物質を剥離する。その後、第2の分級工程によって汚染物質が剥離された後の土壌粒子を多く含む粗粒分を取り出すと、汚染物質の含有量は低減されており、そのまま、あるいは簡単な処理後に地盤に埋め戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の一実施形態である重金属汚染土壌の処理方法を示すフロー図である。
【図2】 図1に示す重金属汚染土壌の処理方法で用いられる遠心ジグ式比重選別器の概略構成図である。
【符号の説明】
1 ドラム型攪拌器
2 第1の湿式振動篩
3 第2の湿式振動篩
4 第1のスパイラル分級器
5 アトリション槽
6 第2のスパイラル分級器
7 液体サイクロン
8 遠心ジグ式比重選別器
9 無害化処理手段
10、11 脱水手段
21 外槽
22 遠心分離槽
23 給水管
24 スラリー供給管
25 第1の排出路
26 第2の排出路
27 駆動装置
28 支持部材
31 壁体
32 粒状体

Claims (5)

  1. 多数の小孔が形成された円筒状の壁体を有する遠心分離槽内に、前記小孔の径より大きい径の粒状体を収容し、
    前記遠心分離槽を、円筒状の壁体の軸線回りに回転駆動して、前記壁体の内面に沿って前記粒状体の層を形成し、
    重金属で汚染した土壌に加水し、分級して粒径の最大値を前記小孔の径以下とした土壌を前記遠心分離槽内に導入し、
    前記遠心分離槽の回転駆動時に、前記粒状体の層及び壁体の小孔を通過する土壌を、重金属分を多く含む土壌粒子として分離することを特徴とする重金属汚染土壌の処理方法。
  2. 前記遠心分離槽に導入する土壌は、前記粒状体の径の1/10から1/4までの範囲で定められた値より小径の土壌粒子の一部又は大部分を分級により除去したものであることを特徴とする請求項1に記載の重金属汚染土壌の処理方法。
  3. 前記小孔の径は100μm〜600μmであることを特徴とする請求項1に記載の重金属汚染土壌の処理方法。
  4. 前記遠心分離槽内に投入する粒状体は、重金属汚染土壌の内の、重金属分を多く含む土壌粒子より比重が小さく、重金属分の含有量が少ない土壌粒子より比重が大きい物質からなるものであることを特徴とする請求項1に記載の重金属汚染土壌の処理方法。
  5. 前記遠心分離槽に導入する汚染土壌は、
    粒径が所定の上限値から下限値までの範囲に含まれる土壌粒子を分級によって取り出す第1の分級工程と、
    取り出された土壌粒子を攪拌し、土壌粒子相互間でこすり合わせて、該土壌粒子の表面に付着している重金属汚染物質を剥離する摩擦工程と、
    前記摩擦工程で剥離された汚染物質を多く含む細粒分と、汚染物質が剥離された後の土壌粒子を多く含む粗粒分とを分離する第2の分級工程と、を行い、
    前記第2の分級工程で分離された細粒分を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の重金属汚染土壌の処理方法。
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