JP2014175106A - リチウムイオン二次電池の電極用バインダー、電極用スラリー、リチウムイオン二次電池用電極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の電極用バインダー、電極用スラリー、リチウムイオン二次電池用電極及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】結着力と可撓性(追従性)のバランスが良く十分なピール強度が得られ、かつ十分な耐電解液性を有し、さらに電池特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供可能なリチウムイオン二次電池の電極用バインダー、電極用スラリー、リチウムイオン二次電池用電極及び当該電極を使用したリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリロニトリルに由来する構成単位を30〜70mol%、炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位を20〜69.69mol%、カルボキシル基を有するエチレン系不飽和単量体に由来する構成単位を0.3〜20mol%、及び3官能以上の架橋性単量体に由来する構成単位を0.01〜1.0mol%含有する共重合体を含有するリチウムイオン二次電池電極用バインダー。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の電極用バインダー及びリチウムイオン二次電池に関するものである。
従来、リチウムイオン二次電池の負極用バインダーとしてはポリフッ化ビニリデン(PVdF)をN−メチルピロリドン(NMP)に溶解させたものが用いられてきた。しかしながら、ポリフッ化ビニリデンの結着力は不十分であり、また、環境への配慮からN−メチルピロリドンを忌避する動きもあり、改良が求められていた。
上記問題を改良する試みとして、例えば特許文献1にはスチレンブタジエンゴム(SBR)を主成分とするバインダーが開示されている。
また、特許文献2等ではニトリル基含有共重合体の使用が提案されている。
特開平5−74461号公報 特開平8−287915号公報
しかしながら、SBRをバインダーとして使用した電極では、ピール強度の改善は見られるが、電解液に対する耐性(耐電解液性)が低く、樹脂が電解液へ溶解するため、電池の容量維持率が低下するなどの問題が生じやすい。
また、ニトリル基含有共重合体を使用すれば、良好なサイクル特性と、高い容量を有し、製造適性のある電池が得られることが知られているが、結着力が弱くピール強度が不十分である、或いは、耐電解液性が不十分であるといった問題がある。
従って、本発明の目的は、結着力と可撓性(追従性)のバランスが良く十分なピール強度が得られ、かつ十分な耐電解液性を有し、さらに電池特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供可能なリチウムイオン二次電池の電極用バインダー及び当該バインダーを使用したリチウムイオン二次電池を提供することである。
本発明は、上記目的を達成するために、下記の[1]〜[8]を提供する。
[1](メタ)アクリロニトリルに由来する構成単位を30〜70mol%、炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位を20〜69.69mol%、カルボキシル基を有するエチレン系不飽和単量体に由来する構成単位を0.3〜20mol%、及び3官能以上の架橋性単量体に由来する構成単位を0.01〜1.0mol%含有する共重合体を含有するリチウムイオン二次電池電極用バインダー。
[2]前記炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることを特徴とする前記[1]に記載のリチウムイオン二次電池電極用バインダー。
[3]前記3官能以上の架橋性単量体が、3〜4官能の架橋性単量体であることを特徴とする前記[1]又は前記[2]に記載のリチウムイオン二次電池電極用バインダー。
[4]前記カルボキシル基を有するエチレン系不飽和単量体が、(メタ)アクリル酸であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載のリチウムイオン二次電池電極用バインダー。
[5]前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載のリチウムイオン二次電池電極用バインダー及び正極活物質を含有することを特徴とする正極用のリチウムイオン二次電池電極用スラリー。
[6]前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載のリチウムイオン二次電池電極用バインダー及び負極活物質を含有することを特徴とする負極用のリチウムイオン二次電池電極用スラリー。
[7]集電体と、前記集電体の少なくとも一面に設けられた、前記[5]又は前記[6]に記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリーからなる合材層とを備えるリチウムイオン二次電池用電極。
[8]前記[7]に記載のリチウムイオン二次電池用電極を備えることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
本発明によると、結着力と可撓性(追従性)のバランスが良く十分なピール強度が得られ、かつ十分な耐電解液性を有し、さらに電池特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供可能なリチウムイオン二次電池の電極用バインダー及び当該バインダーを使用したリチウムイオン二次電池を提供することができる。
〔リチウムイオン二次電池電極用バインダー〕
本発明の実施の形態に係るリチウムイオン二次電池電極用バインダーは、リチウムイオン二次電池の電極形成に使用されるものであり、
(メタ)アクリロニトリルに由来する構成単位を30〜70mol%、炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位を20〜69.69mol%、カルボキシル基を有するエチレン系不飽和単量体に由来する構成単位を0.3〜20mol%、及び3官能以上の架橋性単量体に由来する構成単位を0.01〜1.0mol%含有する共重合体を含有する。
以下、共重合体の各構成単位について説明する。
<(メタ)アクリロニトリル>
(メタ)アクリロニトリルとは、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルをいい、いずれか一方、又は両方が共重合体の原料モノマーとして使用される。アクリロニトリルを使用することが好ましい。
共重合体における(メタ)アクリロニトリルの含有率は、30〜70mol%であり、好ましくは35〜65mol%であり、より好ましくは40〜60mol%である。上記の下限値以上であれば、樹脂の凝集力が向上する事により高いピール強度が得られる。また、上記の上限値以下であれば、正極または負極の活物質に対する樹脂の濡れが向上する事で、強い結着力が得られると同時に、適度な樹脂の可撓性(追従性)により、合材層を折り曲げた際の割れが生じ難いものとなる。
<炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル>
炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが共重合体の原料モノマーとして使用される。炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を用いることができる。これらのうち、炭素数8〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、炭素数8〜16のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましく、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルがさらに好ましい。
共重合体における炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有率は、20〜69.69mol%であり、好ましくは25〜65mol%であり、より好ましくは30〜60mol%である。上記の下限値以上であれば、充分な耐電解液性が得られる。また、上記の上限値以下であれば、正極または負極の活物質に対する樹脂の濡れが向上する事で、強い結着力が得られると同時に、適度な樹脂の可撓性(追従性)により、合材層を折り曲げた際の割れが生じ難いものとなる。
<カルボキシル基を有するエチレン系不飽和単量体>
カルボキシル基を有するエチレン系不飽和単量体が共重合体の原料モノマーとして使用される。カルボキシル基を有するエチレン系不飽和単量体とは、分子内に1個又は2個以上のカルボキシル基を含むエチレン系不飽和単量体であり、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、桂皮酸等の不飽和モノ-もしくはジ-カルボン酸単量体、モノブチルマレート、モノ−2−エチルヘキシルフマレート等の不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステル単量体、コハク酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、マレイン酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フマル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,2−ジカルボキシシクロヘキサンモノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のジカルボン酸モノ多価アルコールエステルの(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ダイマー(好ましくはnの平均値が約1.4のもの)、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート(好ましくはnの平均値が約2のもの)などが挙げられ、これらのうちの1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、(メタ)アクリル酸、すなわち、アクリル酸及び/又はメタクリル酸の使用が好ましい。
共重合体におけるカルボキシル基を有するエチレン系不飽和単量体の含有率は、0.3〜20mol%であり、好ましくは1〜15mol%であり、より好ましくは1〜10mol%である。上記の下限値以上であれば、エマルション粒子の機械的安定性及び化学的安定性が向上する為、合剤と混錬する際に凝集することなく良好な流動性をもつスラリーを得る事が出来る。また、上記の上限値以下であれば、スラリーを塗工に適した程度に調製出来る。
<3官能以上の架橋性単量体>
3官能以上の架橋性単量体が共重合体の原料モノマーとして使用される。3官能以上の架橋性単量体とは、分子内にラジカル重合性不飽和基を3個以上有する単量体、もしくは分子内にラジカル重合性不飽和基と他の官能基(カルボキシル基を除く)の合計が3個以上となる単量体を意味する。他の官能基としては、エポキシ基、メルカプト基、ケイ素原子に結合したアルコキシ基等が挙げられる。2官能の架橋性単量体では、電解液に対して溶解し易く、好ましくない。3官能以上の架橋性単量体の具体例としては、トリメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、3〜10官能の架橋性単量体が好ましく、3〜6官能の架橋性単量体がより好ましく、3〜4官能の架橋性単量体がさらに好ましい。
共重合体における3官能以上の架橋性単量体の含有率は、0.01〜1.0molであり、好ましくは0.01〜0.5mol%であり、より好ましくは0.01〜0.1mol%である。上記の下限値以上であれば、充分な耐電解液性が得られる。また、上記の上限値以下であれば、正極または負極の活物質に対する樹脂の濡れが向上する事で、強い結着力が得られる。
共重合体は、上記(メタ)アクリロニトリル、炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、カルボキシル基を有するエチレン系不飽和単量体、3官能以上の架橋性単量体に加えて、これら以外のその他の単量体に由来する構成単位を含んでいても良い。
その他の単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル等の炭素数1〜7のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のアミド基もしくは置換アミド基含有単量体、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基もしくは置換アミノ基含有単量体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アリルアルコール等の水酸基含有単量体、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルアリルエーテル等のエポキシ基含有単量体、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の飽和脂肪酸ビニルエステル等が挙げられる。また、正極の電極形成に使用されるバインダーには耐酸化性が求められるため、その他の単量体として、スチレン等の芳香族ビニル単量体を使用しないことが好ましい。
(製造方法)
本発明の実施の形態に係るリチウムイオン二次電池電極用バインダーに含有される上記共重合体は、(メタ)アクリロニトリル、炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、カルボキシル基を有するエチレン系不飽和単量体、及び3官能以上の架橋性単量体を前述の含有率となる配合率にて混合し、重合することにより製造することができる。上記の各単量体は、公知の方法により製造することができる。重合方法としては特に制限はなく、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等の重合方法により製造できるが、粒子状の共重合体が容易に得られることから、乳化重合により製造することが好ましい。重合反応としても特に制限はないが、制御の容易さからラジカル重合が好ましい。
乳化重合は、単量体を適当な界面活性剤の存在下、水系媒体中で重合する方法である。乳化重合を行う際の界面活性剤としては特に制限されるものではなく、乳化重合に用いられる通常の界面活性剤を用いることが出来る。界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤をそれぞれ単独で、又は併用して使用することができる。
アニオン系界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類;ラウリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム等のアルキル又はアルケニル硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩等のポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルスルホコハク酸アンモニウム等のアルキル又はアルケニルスルホコハク酸エステル塩及びその誘導体類;などが挙げられる。アニオン系界面活性剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いても良い。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレート等のソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等のグリセリン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー;などが挙げられる。ノニオン系界面活性剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いても良い。
界面活性剤の使用量は、単量体の合計100質量部に対して通常10質量部以下であり、好ましくは0.5〜5質量部である。
乳化重合を行う際には、界面活性剤のほかに、必要に応じて、乳化安定剤を使用できる。乳化安定剤としては、水溶性保護コロイドの使用が好ましく、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩等のセルロース誘導体類;などが挙げられる。乳化安定剤の使用量は、単量体の合計100質量部に対して通常0〜10質量部の範囲であり、好ましくは0.5〜5質量部である。
乳化重合を行う際に用いる重合開始剤としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩類;t-ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、p-メンタンヒドロパーオキシドなどの有機過酸化物類;過酸化水素;などが挙げられる。重合開始剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いても良い。重合開始剤の使用量は、単量体の合計100質量部に対して、0.01〜1質量部程度を用いるのが好ましい。
また、乳化重合を行う際に、必要により還元剤を用いることができる。還元剤としては、アスコルビン酸、クエン酸、ブドウ糖等の還元性有機化合物;チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、二酸化チオ尿素等の還元性無機化合物などが挙げられる、還元剤の使用量は、単量体の合計100質量部に対して0.1〜1質量部程度を用いることが好ましい。
さらに、乳化重合を行う際は、必要により連鎖移動剤も使用することができる。
乳化重合を行う際の重合温度は適宜選択することができ、40〜100℃が好ましく、60〜90℃であることが特に好ましい。
〔リチウムイオン二次電池電極用スラリー〕
本発明の実施の形態に係るリチウムイオン二次電池電極用スラリーは、上記本実施の形態に係るリチウムイオン二次電池電極用バインダーと正極または負極の活物質を含むものであり、リチウムイオン二次電池用電極を形成するために用いられる。
正極または負極の活物質としては、リチウムイオン二次電池の充放電により可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できるものであれば特に制限はない。負極活物質としては、例えば、黒鉛、チタン酸リチウムなどが挙げられる。正極活物質としては、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウムなどが挙げられる。これらの活物質は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることが出来る。
また、正極または負極の活物質は導電助剤を組み合わせて使用しても良い。導電助剤としては、例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどのカーボンブラック、カーボンナノファイバーなどが挙げられる。
本発明の実施の形態に係るリチウムイオン二次電池電極用スラリーは、スラリーの粘度や分散安定性、塗工作業性を調整するため、溶媒、増粘剤を添加することが出来る。
溶媒としては、特に制限はなく、バインダーを溶解又は分散できる溶媒であればよい。このような溶媒としては、水、NMP等の有機溶剤などが挙げられ、環境に対する負荷の低減の観点から、水が好ましい。
また、増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリカルボン酸などが挙げられる。
本発明の実施の形態に係るリチウムイオン二次電池電極用スラリーの製造方法としては、特に制限されず、一般的に知られている方法が用いられる。具体的には、リチウムイオン二次電池電極用スラリーは、活物質、導電助剤、増粘剤、バインダーおよび溶媒を混合して製造できる。これらの材料の混合にはボールミル、ホモジナイザー、超音波分散機、ニーダー等、一般的に用いられる混合装置を用いることができる。
〔リチウムイオン二次電池用電極〕
本発明の実施の形態に係るリチウムイオン二次電池用電極は、集電体と、該集電体の少なくとも1面に設けられた合材層を有するものである。この合材層は、上記本実施の形態に係るリチウムイオン二次電池電極用スラリーを集電体に塗布し、乾燥することによって得られる。
集電体としては、導電性を有する物質であれば特に限定されるものではなく、公知の材料を用いることが出来る。例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、ステンレス、チタン等が使用でき、正極用ではアルミニウムが好ましく、負極では銅が好ましい。
リチウムイオン二次電池電極の製造方法としては、特に制限されず、公知の方法を利用して製造することが出来る。例えば、上記リチウムイオン二次電池電極用スラリーを集電体の少なくとも一方の面に塗工し、次いで溶媒を乾燥除去し、必要に応じて圧延して、集電体表面に合材層を形成することにより製造できる。
〔リチウムイオン二次電池〕
本発明の実施の形態に係るリチウムイオン二次電池は、上記本発明の実施の形態に係るリチウムイオン二次電池用電極を用いること以外は、特に限定されるものではなく、公知の構成・材料・製造方法を採用できる。
〔本発明の実施の形態の効果〕
本発明の実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
結着力と可撓性(追従性)のバランスが良く十分なピール強度が得られ、かつ十分な耐電解液性を有し、さらに電池特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供可能なリチウムイオン二次電池の電極用バインダーが得られるため、リチウムイオン二次電池の小型化や軽量化等が可能となり、電池特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られる。
本発明の実施の形態に係るバインダーは、リチウムイオン二次電池の正極、負極のいずれの電極形成にも使用できる点で優れている。特に、負極の形成に使用した際のピール強度がより優れているため、負極の形成に好適である。
以下に実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明は、その主旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
〔1.耐電解液性の評価〕
耐電解液性の評価は、以下に記載の方法によりゲル分率を測定することで行った。
ゲル分率とは、バインダーを電解液(エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/1(体積比)混合液)に浸漬した後の不溶分(ゲル分)の質量を以下の方法により測定して得た値である。
(1)試料フィルムの作製
離形剤で表面処理された剥離紙の離型剤処理面に、乾燥後の塗膜厚みが100μmになるようにバインダーの水分散液を塗布し、室温にて約1時間乾燥後、更に100℃にて5分乾燥して試料フィルムを作製した。
(2)電解液浸漬試験
上記で作製した試料フィルムを約5cm×5cmに切断した後、質量(W)の400メッシュの金網に貼り付け、これを秤量して全体の質量(W)を測定し、試料フィルムの質量(W−W)を求めた。金網に貼り付けた試料フィルムを電解液100mlに24時間浸漬した。試料フィルムを金網ごと取り出した後、減圧乾燥機で170℃において3時間乾燥させた。放冷後に秤量して全体の質量(W)を測定し、試料フィルムの質量(W−W)を求めた。
(3)ゲル分率の算出
ゲル分率は次の式により算出した。
ゲル分率(質量%)=[(W−W)/(W−W)]×100
(評価基準)
評価基準は以下のA〜Cの3段階とした。
A:ゲル分率85質量%以上
B:ゲル分率80質量%以上85質量%未満
C:ゲル分率80質量%未満
〔2.結着力と可撓性(追従性)の評価〕
結着力と可撓性(追従性)の評価は、以下に記載の方法によりピール強度(剥離強度)を測定することで行った。
(1)本発明のバインダーを使用した正極(正極シート)の作製
コバルト酸リチウム粒子粉末(セルシードC-5H:日本化学工業(株)製)94質量部、アセチレンブラック(デンカブラックHS-100:(株)ADEKA製)3質量部を、1%カルボキシメチルセルロースナトリウム(セロゲンBSH-6:第一工業製薬(株))水溶液100質量部(カルボキシメチルセルロースナトリウムとして1質量部)に加え、THINKY製あわとり練太郎ARE-310を用いて10分間、撹拌し、活物質と導電助剤と増粘剤の混合物を得た。上記混合物に、後述の実施例及び比較例で製造したバインダーの水分散液(バインダー固形分として2質量部)を加えた。そこへさらにスラリーの固形分が50質量%(水分が50質量%)となるように脱イオン水を加え、1分間、撹拌して正極スラリーを作製した。作製した正極スラリーを合材層の乾燥重量が15mg/cmとなるようにドクターブレードを用いて20μm(厚さ)のアルミ箔へ塗布し、70℃で5分間、乾燥した後に110℃で真空乾燥させた。乾燥後、96kg/cmでプレスを行い、正極(正極シート)を得た。
(2)本発明のバインダーを使用した負極(負極シート)の作製
天然球状黒鉛(CGB-20:日本黒鉛工業(株)製)96質量部、アセチレンブラック(デンカブラックHS-100:(株)ADEKA製)1質量部を、1%カルボキシメチルセルロースナトリウム(セロゲンBSH-6:第一工業製薬(株))水溶液100質量部(カルボキシメチルセルロースナトリウムとして1質量部)に加え、THINKY製あわとり練太郎ARE-310を用いて10分間、撹拌し、活物質と導電助剤と増粘剤の混合物を得た。上記混合物に、後述の実施例及び比較例で製造したバインダーの水分散液(バインダー固形分として2質量部)を加えた。そこへさらにスラリーの固形分が50質量%となるように脱イオン水を加え、1分間、撹拌して負極スラリーを作製した。作製した負極スラリーを合材層の乾燥後の質量が6.8mg/cmとなるようにドクターブレードを用いて古河電工製10μm(厚さ)の電解銅箔へ塗布し、70℃で5分間、乾燥した後に110℃で真空乾燥させた。乾燥後、96kg/cmでプレスを行い、負極(負極シート)を得た。
(3)ピール強度の測定
両面テープ(Nitto No.5000N)を貼りつけたコートボール紙に上記(1)又は(2)で作製した電極(電極シート)の電極面を貼り付けた。この電極を180°、50mm/minで剥離した際の強度を計5回測定し、その平均値をピール強度とした。
(評価基準)
評価基準は以下のA〜Cの3段階とした。
−正極の評価基準−
A:ピール強度0.35N/cm以上
B:ピール強度0.30N/cm以上0.35N/cm未満
C:ピール強度0.30N/cm未満
−負極の評価基準−
A:ピール強度0.40N/cm以上
B:ピール強度0.35N/cm以上0.40N/cm未満
C:ピール強度0.35N/cm未満
〔電池特性の評価〕
電池特性の評価は、以下に記載の方法により容量維持率と抵抗上昇を測定することで行った。
容量維持率と抵抗上昇は以下の方法により作製した電池セルを用いて測定して得た値である。
(A)正極に本発明のバインダーを使用した電池セルの作製
(1)本発明のバインダーを使用した正極板の作製
前述の結着力と可撓性(追従性)の評価の際に作製した正極(正極シート)をφ16mmの円板状に打ち抜き、正極板とした。
(2)本発明のバインダーを使用していない負極板の作製
天然球状黒鉛(CGB-20:日本黒鉛工業(株)製)と導電剤であるアセチレンブラック(デンカブラックHS-100:(株)ADEKA製)及びバインダーであるポリフッ化ビニリデンを質量比で95:1:4となるように精秤し、乳鉢で十分に混合してからN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合材スラリーを調製した。次に、このスラリーを集電体である古河電工製10μm(厚さ)の電解銅箔へ合材層の乾燥重量が6.9mg/cmとなるようにドクターブレードを用いて塗布し、これを110℃で真空乾燥した後に96kg/cmでプレスしてからφ16mmの円板状に打ち抜き、負極板とした。
(3)電解液の調製
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの体積比50/50の混合溶液に電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル混合して電解液とした。
(4)コイン型電池セルの組み立て
アルゴン雰囲気のグローブボックス中でSUS316製のケースを用い、上記(1)で作製した正極板と上記(2)で作製した負極板の間にポリプロピレン製のセパレータを介し、さらに電解液を注入してCR2032型のコイン型リチウムイオン二次電池を作製した。
(B)負極に本発明のバインダーを使用した電池セルの作製
(1)本発明のバインダーを使用した負極板の作製
前述の結着力と可撓性(追従性)の評価の際に作製した負極(負極シート)をφ16mmの円板状に打ち抜き、負極板とした。
(2)本発明のバインダーを使用していない正極板の作製
コバルト酸リチウム粒子粉末(セルシードC-5H:日本化学工業(株)製)と導電剤であるアセチレンブラック(デンカブラックHS-100:(株)ADEKA製)及びバインダーであるポリフッ化ビニリデンを質量比で92:3:5となるように精秤し、乳鉢で十分に混合してからN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合材スラリーを調製した。次に、このスラリーを集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔に、合材層の乾燥重量が16mg/cmとなるようにドクターブレードを用いて塗布し、これを110℃で真空乾燥した後に96kg/cmでプレスしてからφ16mmの円板状に打ち抜き、正極板とした。
(3)電解液の調製
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの体積比50/50の混合溶液に電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル混合して電解液とした。
(4)コイン型電池セルの組み立て
アルゴン雰囲気のグローブボックス中でSUS316製のケースを用い、上記(1)で作製した負極板と上記(2)で作製した正極板の間にポリプロピレン製のセパレータを介し、さらに電解液を注入してCR2032型のコイン型リチウムイオン二次電池を作製した。
(C)電池評価
上記(A)と(B)にて作製したコイン型リチウムイオン二次電池を25℃の一定の温度に制御された恒温槽内に入れ一晩放置した後、二次電池充放電試験装置(エレクトロフィールド(株)製)を用いて充放電を行った。まずテストセルの電圧が4.2Vに達するまで0.4mA/cmの定電流で充電を行い、4.2Vに達した後は、セル電圧を4.2Vに保つように電流を減少させて充電を行い、電流値が0.05mA/cmを下回った時点で充電を終了した。放電は0.4mA/cmの定電流で行い、セル電圧が2.5Vに達した時点で放電を終了することで充放電操作の1サイクルとした。
<容量維持率>
5セルの平均値を測定値とし、上記充放電操作の3サイクル後と50サイクル後の放電容量から、以下の式により容量維持率を算出した。
容量維持率(%)=(50サイクル目の放電容量/3サイクル目の最大放電容量)×100
すなわち、容量維持率とは、充放電操作の50サイクル目にどれだけ放電容量を維持しているかを示す指標である。
<抵抗上昇>
横軸に電流値を設定し、縦軸に電池電圧を設定したグラフに、放電時間0秒における電池電圧値と電流値、及び放電から10秒後における電池電圧値と電流値をプロットし、この2点を結んだ直線の傾きを、コイン型リチウムイオン二次電池セルの内部抵抗(DIR)として算出した。5セルの平均値を測定値とし、3サイクル後と50サイクル後のDIRから、以下の式により抵抗上昇を算出した。
抵抗上昇=50サイクル目のDIR/3サイクル目のDIR
すなわち、抵抗上昇とは、充放電操作の50サイクル目にどれだけ内部抵抗(DIR)が上昇しているかを示す指標である。
〔実施例1〕
アクリロニトリル(AN)30mol%、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)64.95mol%、アクリル酸(AA)5.0mol%、トリアリルシアヌレート(TAC)0.05mol%を混合したモノマー100質量部をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオペレックスG-65〔有効成分65%〕:花王(株)製)3質量部と脱イオン水57質量部の溶解液へ混合させ、乳化液を得た。この乳化液と過硫酸アンモニウム0.4質量部、メタ重亜硫酸ナトリウム0.3質量部を60℃の脱イオン水70.8部へ滴下し、6時間反応させ、重合物を得た。得られた重合物に25%アンモニウム水を加えてpHを7.0〜8.0に調整し、バインダーの水分散液を得た。
このバインダーの水分散液を用いて、前述の方法により、ゲル分率、正極シート及び負極シートのピール強度、電池特性(容量維持率、抵抗上昇)を測定した。
〔実施例2〜22〕
実施例1の混合モノマーの組成を表1に記載の通りに変化させ、実施例1と同様に合成を行い、各種試験を行った。
〔比較例1〜13〕
実施例1の混合モノマーの組成を表1に記載の通りに変化させ、実施例1と同様に合成を行い、各種試験を行った。
比較例12は、合剤との混錬の際に、合剤が凝集し、平滑なスラリーの塗膜を得ることができず、電極を作製する事ができなかった。
比較例13は、スラリーの粘度が高くなりすぎた為、平滑なスラリーの塗膜を得ることができず、電極を作製する事ができなかった。
Figure 2014175106
Figure 2014175106
本発明は、リチウムイオン二次電池の電極用バインダー、電極用スラリー、リチウムイオン二次電池用電極及びリチウムイオン二次電池に関するものである。
従って、本発明の目的は、結着力と可撓性(追従性)のバランスが良く十分なピール強度が得られ、かつ十分な耐電解液性を有し、さらに電池特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供可能なリチウムイオン二次電池の電極用バインダー、電極用スラリー、リチウムイオン二次電池用電極及び当該電極を使用したリチウムイオン二次電池を提供することである。
本発明によると、結着力と可撓性(追従性)のバランスが良く十分なピール強度が得られ、かつ十分な耐電解液性を有し、さらに電池特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供可能なリチウムイオン二次電池の電極用バインダー、電極用スラリー、リチウムイオン二次電池用電極及び当該電極を使用したリチウムイオン二次電池を提供することができる。

Claims (8)

  1. (メタ)アクリロニトリルに由来する構成単位を30〜70mol%、
    炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位を20〜69.69mol%、
    カルボキシル基を有するエチレン系不飽和単量体に由来する構成単位を0.3〜20mol%、及び
    3官能以上の架橋性単量体に由来する構成単位を0.01〜1.0mol%
    含有する共重合体を含有するリチウムイオン二次電池電極用バインダー。
  2. 前記炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池電極用バインダー。
  3. 前記3官能以上の架橋性単量体が、3〜4官能の架橋性単量体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリチウムイオン二次電池電極用バインダー。
  4. 前記カルボキシル基を有するエチレン系不飽和単量体が、(メタ)アクリル酸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池電極用バインダー。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池電極用バインダー及び正極活物質を含有することを特徴とする正極用のリチウムイオン二次電池電極用スラリー。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池電極用バインダー及び負極活物質を含有することを特徴とする負極用のリチウムイオン二次電池電極用スラリー。
  7. 集電体と、前記集電体の少なくとも一面に設けられた、請求項5又は請求項6に記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリーからなる合材層とを備えるリチウムイオン二次電池用電極。
  8. 請求項7に記載のリチウムイオン二次電池用電極を備えることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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