JP2014173040A - メタクリル系樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟性や耐衝撃性に優れ、成形加工時に割れなどが発生せず、かつ、美麗な質感や触感や透明性を有する成形体が得られるメタクリル系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明のメタクリル系樹脂組成物は、メタクリル樹脂を含有するメタクリル樹脂組成物であって、JIS K7191−2に基づき、曲げ応力を1.80MPaとして測定して得られる荷重たわみ温度が15〜90℃である。
【選択図】なし

Description

本発明は、メタクリル系樹脂組成物に関する。
メタクリル樹脂は透明性や耐候性に優れていることから、光学部品、看板、照明器具、銘板、建材、自動車用部材などの屋内外の各種用途に用いられている。光学用途では高い透明性に加えて、例えば導光板などではランプなどからの熱による反りやたわみを抑制するため耐熱性が必要とされること、屋外使用では耐候性や耐熱性が必要とされることから、通常は荷重たわみ温度が90℃を超えるメタクリル樹脂が好適に用いられている。
一方で、メタクリル樹脂の有する耐候性、透明性や外観の美しさを生かして、建材や家電製品の被覆材料への適用もなされている。
しかしながら、被覆材料用途では複雑な形状の部材の表面を被覆する必要があることから、通常のメタクリル樹脂よりも柔軟性や耐衝撃性に優れ、成形加工時にしわや割れの発生が抑制され、かつ被覆した状態(製品となった状態)で、べたつきがなく触感に優れることなどが要求される。また、フレキブルな表示材料などに用いられる透明保護カバーなどに対しても、上述の表面被覆用途と同様の性能が要求される。
そこで、本発明の課題は、柔軟性や耐衝撃性に優れ、成形加工時にしわや割れの発生が抑制され、かつ、触感に優れる成形体が得られるメタクリル系樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)メタクリル樹脂を含有するメタクリル樹脂組成物であって、JIS K7191−2に基づき、曲げ応力を1.80MPaとして測定して得られる荷重たわみ温度が15〜90℃であることを特徴とするメタクリル系樹脂組成物。
(2)前記荷重たわみ温度が、20〜80℃であること特徴とする請求項1に記載のメタクリル系樹脂組成物。
(3)前記メタクリル樹脂が、メタクリル酸アルキルを30〜100重量%、アクリル酸アルキルを0〜70重量%、及びこれら以外の単量体0〜49重量%の共重合体からなるものである前記(1)または(2)に記載のメタクリル系樹脂組成物。
(4)前記メタクリル樹脂が、メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルとの共重合体であり、重量割合が、メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルとの合計100重量%を基準として、メタクリル酸アルキルは40〜90重量%であり、アクリル酸アルキルは10〜60重量%である前記(1)〜(3)のいずれかに記載のメタクリル系樹脂組成物。
(5)ゴム粒子を含有する前記(1)〜(4)のいずれかに記載のメタクリル系樹脂組成物。
(6)メタクリル樹脂とゴム粒子との重量割合が、メタクリル樹脂とゴム粒子との合計100重量%を基準として、メタクリル樹脂は40〜95重量%であり、ゴム粒子は5〜60重量%である前記(1)〜(5)いずれかに記載のメタクリル系樹脂組成物。
(7)前記ゴム粒子が、アクリルゴム粒子である前記(5)または(6)に記載のメタクリル系樹脂組成物。
(8)アクリルゴム粒子が、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、これら以外の単官能単量体、及び多官能単量体の合計100重量%を基準として、アクリル酸アルキルを50〜99.9重量%、メタクリル酸アルキルを0〜49.9重量%、これら以外の単官能単量体を0〜49.9重量%、及び多官能単量体を0.1〜10重量%の割合で重合させてなる弾性重合体部を有する粒子である前記(7)に記載のメタクリル系樹脂組成物。
(9)アクリルゴム粒子が、前記弾性重合体部の外側に、メタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、これら以外の単官能単量体、及び多官能単量体の合計100重量%を基準として、メタクリル酸アルキルを50〜100重量%、アクリル酸アルキルを0〜50重量%、これら以外の単官能単量体を0〜50重量%、及び多官能単量体を0〜10重量%の割合で重合させてなる重合体からなる層を有する多層構造の粒子である前記(8)に記載のメタクリル系樹脂組成物。
(10)アクリルゴム粒子が、前記弾性重合体部の内側に、メタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、これら以外の単官能単量体、及び多官能単量体の合計100重量%を基準として、メタクリル酸アルキルを70〜100重量%、アクリル酸アルキルを0〜30重量%、これら以外の単官能単量体を0〜30重量%、及び多官能単量体を0〜10重量%の割合で重合させてなる重合体からなる層を有する多層構造の粒子である前記(8)または(9)に記載のメタクリル系樹脂組成物。
(11)前記(1)〜(10)のいずれかに記載のメタクリル系樹脂組成物から得られる成形品。
本発明のメタクリル系樹脂組成物は、柔軟性や耐衝撃性に優れ、成形加工時のしわや割れの発生が抑制され、かつ、触感に優れ、建材や家電製品などの表面被覆材料や、フレキシブルディスプレイの表面保護カバーなどに好適に用いることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明のメタクリル系樹脂組成物は、メタクリル樹脂を含有し、JIS K7191−2に基づき曲げ応力を1.80MPaとして測定して得られる荷重たわみ温度が15〜90℃であるものである。
メタクリル系樹脂組成物の荷重たわみ温度が15℃未満であると、かかるメタクリル系樹脂組成物から得られる成形品は触感に劣り、該成形品の表面を手で触った際にべたつきがある。また、成形品使用時の周辺温度によっては、変形が起こる。
他方、メタクリル系樹脂組成物の荷重たわみ温度が90℃を超えると、かかるメタクリル系樹脂組成物から得られる成形品は柔軟性や耐衝撃性に劣り、該成形品で金属材料などを被覆する場合に、温水中(例:90℃)で成形品を軟化させ、金属材料などに嵌め込む際に成形品の軟化が十分ではなく、嵌め込みがうまくできなかったり、嵌め込み時に成形品に割れが発生する。また、成形品を切断した際に切断面に割れが発生する。メタクリル系樹脂組成物の荷重たわみ温度は、20〜80℃であることがより好ましい。
メタクリル樹脂の荷重たわみ温度を上記所定の範囲とするためには、例えば、メタクリル系樹脂組成物に含有されるメタクリル樹脂を、後述するものとすればよい。荷重たわみ温度を調節する方法としては、より具体的には、荷重たわみ温度を高くする場合は、メタクリル樹脂に含まれるメタクリル酸アルキルの重量割合を高くすればよく、荷重たわみ温度を低くする場合は、メタクリル樹脂に含まれるアクリル酸アルキルの重量割合を高くすればよい。
<メタクリル樹脂>
メタクリル系樹脂組成物に含有されるメタクリル樹脂は、メタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、およびこれら以外の単量体からなる共重合体、あるいはメタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルとの共重合体であるのがよい。
メタクリル樹脂は、より具体的には、メタクリル酸アルキルは30〜100重量%と、アクリル酸エステルは0〜70重量%と、これらに共重合可能な他のビニル単量体0〜49重量%とからなる単量体の重合により得られる重合体であるのが好ましい。また、メタクリル樹脂が、メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルとの共重合体であるとき、メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルとの重量割合は、メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルとの合計100重量%を基準として、好ましくはメタクリル酸アルキルは40〜90重量%であり、アクリル酸アルキルは10〜60重量%であり、より好ましくはメタクリル酸アルキルは50〜85重量%であり、アクリル酸アルキルは50〜15重量%である。
なお、本明細書において単に「単量体」というときは、ある単量体1種からなる場合のみならず、複数の単量体が混合された状態、いわゆる単量体混合物も包含するものとする。
メタクリル酸アルキルとしては、そのアルキル基の炭素数が1〜8程度のものでよく、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられ、中でも、メタクリル酸メチルが好ましい。メタクリル酸アルキルは、必要に応じてそれらの2種以上を用いてもよい。
アクリル酸アルキルとしては、そのアルキル基が炭素数1〜8程度のものでよく、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられ、中でも、アクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチルが好ましい。アクリル酸アルキルは、必要に応じてそれらの2種以上を用いてもよく、アクリル酸n−ブチルを主成分として用い、さらにアクリル酸n−ブチル以外のアクリル酸アルキルを1種以上用いるのが好ましく、アクリル酸n−ブチルとアクリル酸メチルを用い、かつアクリル酸n−ブチルが主成分であるのがより好ましい。ここで、アクリル酸n−ブチルが主成分であるとは、2種以上のアクリル酸アルキルの合計100重量%を基準として、アクリル酸n−ブチルの重量割合が50重量%を超えることを意味する。
メタクリル酸アルキル及びアクリル酸アルキル以外の単量体の例としては、単管能単量体、すなわち分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を1個有する化合物であってもよいし、多官能単量体、すなわち分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有する化合物であってもよいが、単官能単量体が好ましく用いられる。
この単官能単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化アルケニル、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、N−置換マレイミドなどが挙げられる。 また、多官能単量体の例としては、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどの多価アルコールのポリ不飽和カルボン酸エステル、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、ケイ皮酸アリルなどの不飽和カルボン酸のアルケニルエステル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどの多塩基酸のポリアルケニルエステル、ジビニルベンゼンなどの芳香族ポリアルケニル化合物などが挙げられる。メタクリル酸アルキルおよびアクリル酸アルキル以外の単量体は、必要に応じてそれらの2種以上を用いてもよい。
メタクリル樹脂は、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。2種以上のメタクリル樹脂としては、メタクリル樹脂を構成する単量体の種類が異なるものであってもよいし、単量体の種類は同じであるが、各単量体の重量割合が異なるものであってもよい。
メタクリル樹脂は、ガラス転移温度は上述の組成の範囲内で得られるものであれば特にどの温度であっても構わないが、本願のメタクリル系樹脂組成物の荷重たわみ温度範囲である20〜90℃の範囲から外れるようなガラス転移温度であることは好ましくない。
メタクリル樹脂の重合方法は特に限定されず、通常の塊状重合、懸濁重合、乳化重合等の方法で行うことができる。好適な成形加工性を示す溶融粘度を得るためなどに、重合時に連鎖移動剤を使用しても構わない。連鎖移動剤の量は、単量体の種類及び組成に応じて、適宜決定すればよい。
<ゴム粒子>
メタクリル系樹脂組成物にはゴム粒子を配合することもできる。メタクリル系樹脂組成物にゴム粒子を配合することで、耐衝撃性や柔軟性を付与することができる。ここで、ゴム粒子としては、例えば、アクリル系ゴム粒子、ブタジエン系ゴム粒子、スチレン−ブタジエン系ゴム粒子などのものを用いることができるが、中でも、耐候性、耐久性の点から、アクリルゴム粒子が好ましく用いられる。なお、ゴム粒子は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記アクリルゴム粒子が多層構造を有する場合には、その層構成は、特に限定されず、例えば、内層(弾性重合体層)/外層(硬質重合体層)からなる2層構造、内層(硬質重合体層)/外層(弾性重合体層)からなる2層構造、内層(硬質重合体層)/中間層(弾性重合体層)/外層(硬質重合体層)からなる3層構造、内層(弾性重合体層)/中間層(硬質重合体層)/外層(弾性重合体層)からなる3層構造、内層(弾性重合体層)/内層側中間層(硬質重合体層)/外層側中間層(弾性重合体層)/外層(硬質重合体層)からなる4層構造等が挙げられる。アクリルゴム粒子は、弾性重合体層のみからなる単層構造の粒子であってもよいが、メタクリル樹脂へアクリルゴム粒子を分散させる際のアクリルゴム粒子の凝集防止の点や、メタクリル樹脂へのアクリルゴム粒子の添加量が多くなった場合のメタクリル系樹脂組成物のべたつき感の防止等の点から、該弾性重合体層の外側に硬質重合体層を有するものが好ましい。また、アクリルゴム粒子を含有するメタクリル系樹脂組成物として、耐衝撃性が良好でかつ比較的高い剛性の組成物が得られる点から、該弾性重合体層の内側に硬質重合体層を有するものが好ましい。アクリルゴム粒子を含有するメタクリル系樹脂組成物におけるアクリルゴム粒子の凝集防止やべたつき感の防止、さらには物性バランス(耐衝撃が良好かつ比較的剛性が高い)の点から、該弾性重合体層の外側と内側に共に硬質重合体層を有するものがさらに好ましく、中でも、製造の簡便さの点から、内層(硬質重合体層)/中間層(弾性重合体層)/外層(硬質重合体層)からなる3層構造が特に好ましい。また、上記の層構造のうち最も外側が硬質重合体層である構造において、さらにその外側が異なる組成の硬質重合体層で覆われた構造、具体的には、例えば、内層(弾性重合体層)/中間層(硬質重合体層)/外層(硬質重合体層)からなる3層構造、内層(硬質重合体層)/内層側中間層(弾性重合体層)/外層側中間層(硬質重合体層)/外層(硬質重合体層)からなる4層構造等であってもよい。
前記アクリルゴム粒子における弾性重合体部は、少なくとも弾性重合体を含む部分であり、具体的には、アクリルゴム粒子が弾性重合体のみからなる単層の粒子である場合には、当該アクリルゴム粒子の全てを意味し、他方、アクリルゴム粒子が多層構造を有する粒子である場合には、アクリルゴム粒子を構成する層のうち最も外側にある弾性重合体層と該弾性重合体層に覆われる内部とを意味するものとする。すなわち、アクリルゴム粒子の弾性重合体部は、該ゴム粒子を構成する全ての弾性重合体層を包含する。例えば、アクリルゴム粒子が内層(弾性重合体層)/外層(硬質重合体層)からなる2層構造である場合には、内層のみが弾性重合体部に該当し、アクリルゴム粒子が内層(硬質重合体層)/中間層(弾性重合体層)/外層(硬質重合体層)からなる3層構造である場合には、内層および中間層が弾性重合体部に該当し、アクリルゴム粒子が内層(弾性重合体層)/中間層(硬質重合体層)/外層(硬質重合体層)からなる3層構造である場合には、内層のみが弾性重合体部に該当する。
前記アクリルゴム粒子を構成する弾性重合体層は、アクリル酸アルキルと多官能単量体とを含み、必要に応じてメタクリル酸アルキルや他の単官能単量体をも含む単量体成分を重合させてなる弾性重合体で形成されることが好ましい。
前記弾性重合体層を形成する際に用いられるアクリル酸アルキルとしては、前記メタクリル樹脂を構成するアクリル酸のアルキルエステルとして前述したものと同様のものが挙げられ、それらの中でも特に、アクリル酸ブチルやアクリル酸2−エチルヘキシルのように炭素数が4〜8であるアルキル基を有するものが好ましく挙げられる。なお、これらアクリル酸アルキルは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記弾性重合体層を形成する際に用いられる多官能単量体としては、前記メタクリル樹脂を構成するメタクリル酸アルキル及びアクリル酸アルキル以外の単量体の例として前述した多官能単量体の如く、いわゆる架橋剤やグラフト剤としての機能を示すものであればよい。具体的には、前記メタクリル樹脂を構成する多官能単量体と同様のものが挙げられ、それらの中でも特に、不飽和カルボン酸のアルケニルエステルや多塩基酸のポリアルケニルエステルが好ましく挙げられる。なお、これら多官能単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記弾性重合体層を形成する際に任意に用いられるメタクリル酸アルキルとしては、前記メタクリル樹脂を構成するメタクリル酸アルキルとして前述したものと同様のものが挙げられる。なお、これらメタクリル酸アルキルは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記弾性重合体層を形成する際に任意に用いられる他の単官能単量体としては、前記メタクリル樹脂を構成するメタクリル酸アルキル及びアクリル酸アルキル以外の単量体の例として前述した単官能単量体と同様のものが挙げられ、それらの中でも特に、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの如き芳香族アルケニル化合物が好ましく挙げられる。なお、これら単官能単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記アクリルゴム粒子における弾性重合体層を形成する前記単量体成分の好ましい組成は、例えば、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、これら以外の単官能単量体、及び多官能単量体の合計を100重量%として、アクリル酸アルキルが50〜99.9重量%、メタクリル酸アルキルが0〜49.9重量%、単官能単量体が0〜49.9重量%、多官能単量体が0.1〜10重量%である。
前記アクリルゴム粒子を構成する硬質重合体層は、通常、メタクリル酸アルキルを含み、必要に応じて、アクリル酸アルキルやこれ以外の単官能単量体及び多官能単量体をも含む単量体成分を重合させてなる硬質重合体で形成されることが好ましい。
前記硬質重合体層を形成する際に用いられるメタクリル酸アルキルとしては、前記メタクリル樹脂を構成するメタクリル酸アルキルとして前述したものと同様のものが挙げられ、それらの中でも、メタクリル酸メチルが好ましく挙げられる。なお、これらメタクリル酸アルキルは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記硬質重合体層を形成する際に任意に用いられるアクリル酸アルキルとしては、前記メタクリル樹脂を構成するアクリル酸のアルキルエステルとして前述したものと同様のものが挙げられ、それらの中でも特に、炭素数が1〜4であるアルキル基を有するものが好ましく挙げられる。なお、これらアクリル酸アルキルは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記硬質重合体層を形成する際に任意に用いられる単官能単量体としては、前記メタクリル樹脂を構成するメタクリル酸アルキル及びアクリル酸アルキル以外の単量体の例として前述した単官能単量体と同様のものが挙げられる。なお、これら単官能単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記硬質重合体層を形成する際に任意に用いられる多官能単量体としては、前記メタクリル樹脂を構成するメタクリル酸アルキル及びアクリル酸アルキル以外の単量体の例として前述した多官能単量体と同様のものが挙げられる。なお、これら多官能単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記アクリルゴム粒子における硬質重合体層を形成する前記単量体成分の好ましい組成は、例えば、当該硬質重合体層が弾性重合体部の外側に存在する場合、メタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、これら以外の単官能単量体、及び多官能単量体の合計を100重量%として、メタクリル酸アルキルが50〜100重量%、アクリル酸アルキルが0〜50重量%、単官能単量体が0〜50重量%、多官能単量体が0〜10重量%であり、他方、当該硬質重合体層が弾性重合体部の内側に存在する場合(すなわち、弾性重合体部が当該硬質重合体層を含有する場合)、メタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、これら以外の単官能単量体、及び多官能単量体の合計を100重量%として、メタクリル酸アルキルが70〜100重量%、アクリル酸アルキルが0〜30重量%、単官能単量体が0〜30重量%、多官能単量体が0〜10重量%である。
前記アクリルゴム粒子を構成する弾性重合体層と硬質重合体層との重量割合は、特に制限されないが、例えば、隣り合って存在する弾性重合体層と硬質重合体層との割合は、弾性重合体100重量部に対して、硬質重合体が通常10〜400重量部、好ましくは20〜200重量部であるのがよい。
以上のようなアクリルゴム粒子は、例えば、公知の乳化重合法によりラテックス中に合成することができ、その後、適当な回収操作(例えば、塩析、酸析、凍結などで凝固させた後、ろ過し、次いで洗浄する方法や、スプレー乾燥処理により回収する方法等)を行なうことにより粉体として単離する方法で得ることができる。乳化重合に際しては、アクリルゴム粒子の内側(中心側)の層となる重合体を構成する単量体成分から順に重合させていけばよく、例えば、内層(弾性重合体層)/外層(硬質重合体層)からなる2層構造のゴム粒子の場合は、まず、内層とする弾性重合体を構成する単量体成分を重合させて弾性重合体の粒子を含むラテックスを得、次いで、このラテックスに外層とする硬質重合体を構成する単量体成分を添加して重合させることにより、弾性重合体の粒子に硬質重合体をグラフトさせればよい。なお、各層を形成する際の重合は、それぞれ、1段の反応で行なってもよいし、2段以上の多段反応で行なってもよい。2段以上の多段反応で行う場合には、各段で用いる単量体の組成は特に制限されず、当該層を形成する多段反応で用いる全ての単量体成分の組成が上述した所定の範囲内にあればよい。
アクリルゴム粒子の粒径については、該ゴム粒子中のアクリル酸アルキルを主体とする弾性重合体の層の平均粒子径が、0.01〜0.4μmであるのが好ましく、より好ましくは0.05〜0.3μm、さらに好ましくは0.07〜0.25μmである。この弾性重合体の層の平均粒子径が0.4μmより大きいと、メタクリル系樹脂組成物の透明性が低下し透過率低下につながるため、好ましくない。また、この弾性重合体の層の平均粒子径が0.01μmより小さいと、メタクリル系樹脂組成物の柔軟性、耐衝撃性が十分ではないため好ましくない。
なお、上記平均粒子径は、アクリルゴム粒子をメタクリル樹脂と混合してシート化し、その断面において酸化ルテニウムによる上記弾性重合体の層の染色を施し、電子顕微鏡で観察して、染色された部分の直径から求めることができる。
すなわち、アクリルゴム粒子をメタクリル樹脂に混合し、その断面を酸化ルテニウムで染色すると、母相のメタクリル樹脂は染色されず、上記弾性重合体の層の外側にメタクリル酸アルキルを主体とする重合体の層が存在する場合は、この外層の重合体も染色されず、上記弾性重合体の層のみが染色されるので、こうして染色され、電子顕微鏡でほぼ円形状に観察される部分の直径から、粒子径を求めることができる。上記弾性重合体の層の内側にメタクリル酸アルキルを主体とする重合体の層が存在する場合は、この内層の重合体も染色されず、その外側の上記弾性重合体の層が染色された2層構造の状態で観察されることになるが、この場合は、2層構造の外側、すなわち上記弾性重合体の層の外径で考えればよい。
メタクリル系樹脂組成物全体に対するゴム粒子の含有割合は、メタクリル樹脂とゴム粒子の合計100重量%を基準として、好ましくは、メタクリル樹脂は40〜95重量%であり、ゴム粒子は5〜60重量%であり、より好ましくは、メタクリル樹脂は50〜90重量%であり、ゴム粒子は10〜50重量%であり、さらに好ましくは、メタクリル樹脂は60〜90重量%であり、ゴム粒子は10〜40重量%である。ゴム粒子の含有割合が60重量%を超えると、架橋したゴム粒子が多くなるため成形加工性が悪くなってしまい、外観が悪い成形品となったり、成形ができなくなったりしてしまう。
なお、メタクリル系樹脂組成物には、必要に応じて他の成分、例えば、メタクリル樹脂以外の樹脂、紫外線吸収剤、有機系染料、無機系染料、顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤などを配合してもよい。
メタクリル系樹脂組成物は、熱プレス成形、射出成形、押出成形などによりシート、フィルム、異型押出品などの成形品を得ることができる。得られた成形品は、柔軟性や耐衝撃性に優れ、成形加工時のしわや割れの発生が抑制され、かつ、触感に優れることで、建材や家電製品の被覆材料や、フレキシブルディスプレイの表面保護カバーへ適用することができ、例えば、手摺の被覆材料へ好適に適用することができる。成形品を手摺の被覆材料として使用するためには、通常、まず、異形押出して得られる中空筒状の異形品(成形品)を、手摺に嵌め込んで被覆し、次いで、手摺に嵌め込んだ異形品のうち、手摺からはみ出している部分を切断することになる。メタクリル系樹脂組成物から得られる異形品であれば、柔軟性や耐衝撃性に優れ、手摺へ嵌め込む際の異形品表面でのしわや割れの発生と、手摺からのはみ出し部分を切断した際の異形品切断面でのささくれや割れの発生とが抑制され、さらに、手摺に嵌め込んで被覆した後の異形品表面はなめらかであり触感に優れる。メタクリル系樹脂組成物から得られる成形品は、上述のとおり、成形加工時の、成形品表面におけるしわや割れの発生と、成形品切断面におけるささくれや割れの発生とが抑制されるので、建材や家電製品の被覆材料や、フレキシブルディスプレイの表面保護カバーに限らずに、様々な用途に適用することができる。
また、メタクリル系樹脂組成物から得られる成形品は、他の樹脂と積層して用いることも可能である。メタクリル系樹脂組成物と他の樹脂とが積層してなる多層構成の成形品(積層品)の積層形態としては、メタクリル系樹脂組成物が外側(表面側)に配されていればよく、他の樹脂との2層構成や3層構成やそれ以外の層構成であっても構わない。2層構成や3層構成としては、具体的には、メタクリル系樹脂組成物/他の樹脂、メタクリル系樹脂組成物/他の樹脂/メタクリル系樹脂組成物などが挙げられる。例えば、メタクリル系樹脂組成物/他の樹脂の2層構成の成形品を建材や家電製品の被覆材料として用いる場合、建材や家電製品に接する側に他の樹脂層を配して被覆してやればよい。他の樹脂は、成形性や透明性が確保されていれば、どのような種類の樹脂でも用いることは可能であるが、透明性や耐衝撃性の観点から、塩化ビニル系樹脂やポリカーボネート系樹脂が好ましい。
また、メタクリル系樹脂組成物を成形してなる成形品(積層品も含む)の表面には、透明性などを阻害しない範囲で、耐傷付き性、防汚性、滑り性等を付与する目的で、ハードコートなどの表面処理を施してもよい。また、前記成形品には、建材や家電製品に接する面に印刷を施してもよい。これにより、成形品で被覆された建材や家電製品に、所望の意匠性を付与することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、以下の実施例中、含有量ないし使用量を表す%は、特記ないかぎり重量基準である。
<メタクリル樹脂の製造>
(製造例1:メタクリル樹脂A)
200LのSUS製オートクレーブに、メタクリル酸メチル50重量部、アクリル酸n−ブチル50重量部、ラウロイルパーオキサイド0.45重量部、ドデシルメルカプタン0.1重量部、イオン交換水120重量部、1.2%ポリメタクリル酸ナトリウム水溶液3重量部、リン酸水素2ナトリウム7水塩0.25重量部、リン酸水素1ナトリウム0.29重量部を入れて混合し、加熱昇温して75℃で重合を開始し、100分後、さらに100℃で20分間重合させた。重合後、洗浄、脱水、乾燥を行って粒子状の共重合体(メタクリル樹脂A)を得た。得られた共重合体のアクリル酸n−ブチル含有量は、メタクリル酸メチルとアクリル酸n−ブチルとの合計100重量%を基準として、50重量%であった。なお、共重合体中のアクリル酸n−ブチルの含有量は以下の方法で測定した。すなわち、540℃に加熱した炉に得られた共重合体を入れて熱分解させ、その分解ガスをガスクロマトグラフィーにより測定し、アクリル酸n−ブチルのピーク強度を標準サンプルのアクリル酸n−ブチル量と比較して定量した。
(製造例2:メタクリル樹脂B)
製造例1において、メタクリル酸メチルの量を60重量部に、アクリル酸n−ブチルの量を40重量部に、ドデシルメルカプタンの量を0.11重量部、リン酸水素1ナトリウムの量を0.24重量部、リン酸水素2ナトリウム7水塩の量を0.24重量部、リン酸水素1ナトリウムの量を0.21重量部に変えた以外は製造例1と同様に操作して、粒子状の共重合体(メタクリル樹脂B)を得た。製造例1と同様の測定から、得られた共重合体のアクリル酸n−ブチル含有量は、メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルとの合計100重量%を基準として、40重量%であった。
(製造例3:メタクリル樹脂C)
製造例1において、メタクリル酸メチルの量を70重量部に、アクリル酸n−ブチルの量を30重量部に、ドデシルメルカプタンの量を0.11重量部に変えた以外は製造例1と同様に操作して、粒子状の共重合体(メタクリル樹脂C)を得た。製造例1と同様の測定から、得られた共重合体のアクリル酸n−ブチル含有量は、メタクリル酸メチルとアクリル酸n−ブチルとの合計100重量%を基準として、30重量%であった。
(製造例4:メタクリル樹脂D)
製造例2において、メタクリル酸メチルの量を80重量部に、アクリル酸n−ブチルの量を20重量部に、ドデシルメルカプタンの量を0.14重量部、リン酸水素1ナトリウムの量を0.28重量部に変えた以外は製造例2と同様に操作して、粒子状の共重合体(メタクリル樹脂D)を得た。製造例1と同様の測定から、得られた共重合体のアクリル酸n−ブチル含有量は、メタクリル酸メチルとアクリル酸n−ブチルとの合計100重量%を基準として、20重量%であった。
(製造例5:メタクリル樹脂E)
製造例1において、メタクリル酸メチルの量を20重量部に、アクリル酸n−ブチルの量を80重量部に変えた以外は製造例1と同様に操作して、粒子状の共重合体(メタクリル樹脂E)を得た。製造例1と同様の測定から、得られた共重合体のアクリル酸n−ブチル含有量は、メタクリル酸メチルとアクリル酸n−ブチルとの合計100重量%を基準として、80重量%であった。
(製造例6:メタクリル樹脂F)
200LのSUS製オートクレーブに、メタクリル酸メチル94重量部、アクリル酸メチル6重量部、ラウロイルパーオキサイド0.3重量部、ドデシルメルカプタン0.2重量部、イオン交換水120重量部、1.2%ポリメタクリル酸ナトリウム水溶液1重量部、リン酸水素2ナトリウム7水塩0.2重量部、リン酸水素1ナトリウム0.2重量部を入れて混合し、加熱昇温して80℃で重合を開始し、90分後、さらに100℃で60分間重合させた。重合後、洗浄、脱水、乾燥を行って粒子状の共重合体(メタクリル樹脂F)を得た。得られた共重合体のアクリル酸メチル含有量は、メタクリル酸メチルとアクリル酸メチルとの合計100重量%を基準として、6重量%であった。なお、共重合体中のアクリル酸メチルの含有量は以下の方法で測定した。すなわち、540℃に加熱した炉に得られた共重合体を入れて熱分解させ、その分解ガスをガスクロマトグラフィーにより測定し、アクリル酸メチルのピーク強度を標準サンプルのアクリル酸メチル量と比較して定量した。
(製造例7:メタクリル樹脂G)
製造例6において、メタクリル酸メチルの量を90重量部に、アクリル酸メチルの量を10重量部に変えた以外は製造例6と同様に操作して、粒子状の共重合体(メタクリル樹脂G)を得た。製造例6と同様の測定から、得られた共重合体のアクリル酸メチル含有量は、メタクリル酸メチルとアクリル酸メチルとの合計100重量%を基準として、10重量%であった。
<アクリルゴム粒子>
アクリルゴム粒子としては、内層がメタクリル酸メチル93.8%とアクリル酸メチル6%とメタクリル酸アリル0.2%とからなる単量体成分を重合させて得られた硬質重合体であり、中間層がアクリル酸ブチル81%とスチレン17%とメタクリル酸アリル2%とからなる単量体成分を重合させて得られた弾性重合体であり、外層がメタクリル酸メチル94%とアクリル酸メチル6%とからなる単量体成分を重合させて得られた硬質重合体であり、内層(硬質重合体の層)/中間層(弾性重合体の層)/外層(硬質重合体の層)の重量割合が35/45/20であり、中間層の弾性重合体の層の平均粒子径が220nmである、乳化重合法により得られた3層構造のゴム粒子を用いた。
なお、上記のアクリルゴム粒子における中間層の弾性重合体の層の平均粒子径は、以下の方法で測定した。
<弾性重合体の層の平均粒子径の測定>
アクリルゴム粒子をメタクリル樹脂と混合してフィルム化し、得られたフィルムを適当な大きさに切り出し、切片を0.5%四酸化ルテニウム水溶液に室温で15時間浸漬し、該ゴム粒子中の弾性共重合体の層を染色した。さらに、ミクロトームを用いて約80nmの厚さにサンプルを切断した後、透過型電子顕微鏡で写真撮影を行った。この写真から無作為に100個の染色された弾性共重合体の層を選択し、その各々の粒子径を算出した後、その数平均値を平均粒子径とした。
(実施例1〜11、比較例1〜2)
上記で得られたメタクリル樹脂A〜Gとアクリルゴム粒子とを、表1に示す重量割合でスーパーミキサーにて混合し、二軸押出機を用いて樹脂温度約230℃で溶融混錬することにより、メタクリル系樹脂組成物をペレットとして得た。得られたメタクリル系樹脂組成物の組成を表1に示す。
上述で得られたペレットを用いて、熱プレスを行うことにより、厚さが3mmのシートを得た。また、得られたペレットを用いて異型押出を行うことで、厚さが1mmで中空筒状の異形品を得た。得られたペレットについて、流動性を下記に示す方法で評価した。また、得られたシートについて、荷重たわみ温度、ノッチ付きアイゾット衝撃をそれぞれ下記に示す方法で評価した。また、得られた異形品について、金属棒への被覆試験、金属棒への被覆後の切断試験、および外観を下記に示す方法で評価した。
<荷重たわみ温度>
JIS K7191−2に基づき、曲げ応力を1.80MPaとして測定を実施した。その結果を表2に示す。
<アイゾット衝撃(ノッチ付)>
JIS K7110に基づき、ノッチ付きのアイゾット衝撃試験を実施した。その結果を表2に示す。
<流動性(Melt Flow Rate)>
JIS K7210に基づき、230℃、荷重37.3Nにて測定を実施した。その結果を表2に示す。
<金属棒への被覆試験>
金属製手摺を成形品で被覆する際の成形加工性を評価する目的で、360度曲げたU字型のアルミ製の棒に対して、厚みが1mmの中空筒状の異型品を90℃の熱水に10分間浸漬した後、取り出して、アルミ製の棒へ嵌め込み、異形品で被覆されたアルミ製の棒(以下、異形品被覆金属棒ということがある)を得た。得られた異形品被覆金属棒における、異形品の表面の状態によって以下の通りに評価した。その結果を表2に示す。
◎:異形品の表面にしわの発生なし
○:異形品の表面にごくわずかにしわが発生
△:異形品の表面にしわが多く発生
×:嵌め込み時に、異形品の表面に割れが発生
<金属棒への被覆後の切断試験>
金属製手摺を成形品で被覆した後に、金属製手摺からはみ出している成形品を切断する際の成形加工性を評価する目的で、上述の金属棒への被覆試験と同様の方法で得た異形品被覆金属棒について、アルミ製の棒を被覆している異形品のうち、アルミ製の棒からはみ出している部分をカッターで切断した。アルミ製の棒を被覆している異形品の切断面の状態によって以下の通りに評価した。その結果を表2に示す。
◎:異形品の切断面にささくれの発生なし
○:異形品の切断面にわずかにささくれが発生
△:異形品の切断面にささくれが多く発生
×:異形品の切断面に割れが発生
<金属棒への被覆後の触感評価>
成形品を手摺の被覆材料に適用する場合を想定して、上述の金属棒への被覆試験と同様の方法で得た異形品被覆金属棒について、異形品表面の触感を手で触って評価した。触感によって以下の通りに評価した。その結果を表2に示す。
◎:べたつきなし
△:べたつきないが、表面ゆず肌
×:べたつきあり
Figure 2014173040
Figure 2014173040

Claims (11)

  1. メタクリル樹脂を含有するメタクリル樹脂組成物であって、JIS K7191−2に基づき、曲げ応力を1.80MPaとして測定して得られる荷重たわみ温度が15〜90℃であることを特徴とするメタクリル系樹脂組成物。
  2. 前記荷重たわみ温度が、20〜80℃であること特徴とする請求項1に記載のメタクリル系樹脂組成物。
  3. 前記メタクリル樹脂が、メタクリル酸アルキルを30〜100重量%、アクリル酸アルキルを0〜70重量%、及びこれら以外の単量体0〜49重量%の共重合体からなるものである請求項1または2に記載のメタクリル系樹脂組成物。
  4. 前記メタクリル樹脂が、メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルとの共重合体であり、重量割合が、メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルとの合計100重量%を基準として、メタクリル酸アルキルは40〜90重量%であり、アクリル酸アルキルは10〜60重量%である請求項1〜3のいずれかに記載のメタクリル系樹脂組成物。
  5. ゴム粒子を含有する請求項1〜4のいずれかに記載のメタクリル系樹脂組成物。
  6. メタクリル樹脂とゴム粒子との重量割合が、メタクリル樹脂とゴム粒子との合計100重量%を基準として、メタクリル樹脂は40〜95重量%であり、ゴム粒子は5〜60重量%である請求項1〜5いずれかに記載のメタクリル系樹脂組成物。
  7. 前記ゴム粒子が、アクリルゴム粒子である請求項5または6に記載のメタクリル系樹脂組成物。
  8. アクリルゴム粒子が、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、これら以外の単官能単量体、及び多官能単量体の合計100重量%を基準として、アクリル酸アルキルを50〜99.9重量%、メタクリル酸アルキルを0〜49.9重量%、これら以外の単官能単量体を0〜49.9重量%、及び多官能単量体を0.1〜10重量%の割合で重合させてなる弾性重合体部を有する粒子である請求項7に記載のメタクリル系樹脂組成物。
  9. アクリルゴム粒子が、前記弾性重合体部の外側に、メタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、これら以外の単官能単量体、及び多官能単量体の合計100重量%を基準として、メタクリル酸アルキルを50〜100重量%、アクリル酸アルキルを0〜50重量%、これら以外の単官能単量体を0〜50重量%、及び多官能単量体を0〜10重量%の割合で重合させてなる重合体からなる層を有する多層構造の粒子である請求項8に記載のメタクリル系樹脂組成物。
  10. アクリルゴム粒子が、前記弾性重合体部の内側に、メタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、これら以外の単官能単量体、及び多官能単量体の合計100重量%を基準として、メタクリル酸アルキルを70〜100重量%、アクリル酸アルキルを0〜30重量%、これら以外の単官能単量体を0〜30重量%、及び多官能単量体を0〜10重量%の割合で重合させてなる重合体からなる層を有する多層構造の粒子である請求項8または9に記載のメタクリル系樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のメタクリル系樹脂組成物を成形してなる成形品。
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